HOME > 組織 > 全国「精神病」者集団 >

全国「精神病」者集団 声明・文書


Tweet
last update: 20200727


全国「精神病」者集団 2020/07/23 「緊急声明――京都における障害者の嘱託殺人事件について」
全国「精神病」者集団 2019/06/23 「NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」に関する声明」
全国「精神病」者集団→厚生労働大臣 2015/01/08 「障害者総合支援法 報酬問題について」
 http://www.jngmdp.org/announcement/2723
全国「精神病」者集団→厚生労働大臣 2015/01/08 「障害者虐待防止法見直しにあたっての要望書」
 http://www.jngmdp.org/%E8%99%90%E5%BE%85%E9%98%B2%E6%AD%A2%E6%B3%95/2721

 ……

全国「精神病」者集団 1986/11/01 「精神衛生法改正にからめた保安処分制度新設に反対する」(声明)
◆精神衛生法撤廃全国連絡会議 1986/09/06 「申入書」
◆精神衛生法撤廃全国連絡会議(準) 1986/08/02 「公開質問状」
◆精神衛生法撤廃全国連絡会議(準) 1986/07/12 「精神衛生法「改正」国会上程阻止!!」
◆精神衛生法撤廃全国連絡会議(準) 1986/05/18 「精神衛生法撤廃にむけて」
◆赤堀中央闘争委員会・全国「精神病」者集団・監獄法改悪を許さない全国連絡会議・救援連絡センター・救援連絡会議 1986/05/16 「精神医療の基本問題に関する懇談会出席者へのお願い」(手紙)
全国「精神病」者集団 1982/06/30 「保安処分の立法化にむけた厚生省との「関係局長連絡会議」の設置―運営を強く弾劾する」
全国「精神病」者集団 1982/06/30 「保安処分の立法化にむけた「関係局長連絡会議」の設置を白紙に戻すよう要望する」
全国「精神病」者集団 1982/06/03 「治療処分を考える会設置への抗議文」
全国「精神病」者集団 1981/09/07 「精神医療の抜本的改善について(要綱案)に関する声明」
全国「精神病」者集団 1977/04 全国「精神病」者集団・全国センター再建のためのカンパ要請文


◆1980/01 内部通信

 「絆」編集部より
 絆の原稿を募集しています。原稿用紙(400字詰め)タテ書き、で下記のところまでお寄せ下さい。
 天理市丹波市町112吉田方「まどの会」

※ 絆5号は近日中に完成予定です。

事務局より
 各地の地域活動報告近況などを事務局までお寄せ下さい。
 お待ちしています。事務局の方は特に近況などお知らせ下さい。
 次回連絡会議
 とき、2月21日(土)午後6時から事務局会議、2月22日(日)10時より連絡会議
 ところ、全国「精神病」者集団事務局
 連絡先、電話(052)821-1313(大野方)
      (午後10時までにしかTELにできません)
お願い
 国際障害者年の資料(批判の資料等も)をお待ちの方は事務局まで送って下さい。お願いします。


◆1980/03/23 全国「精神病」者集団事務局開設のお知らせと御礼

 桜のたよりが聞かれる季節になりました。みなさんいかがおすごしですか。
全国「精神病」者集団事務局開設にむけてのカンパアピールにお応え下さいましてありがとうございました。
 みなさまのおかげをもちましてこの1月1日に事務局が開設されました。
 本当にありがとうございました。
 従来0が居住しておりました健幸荘A301が事務局に移行しました。
 従って事務局の住所は、名古屋市南区呼続町7-76、健幸荘A-301、電話は052(821)1313です。
 私達は、懸案の事務局を開設し、赤堀さんを生きて奪い返し、「障害者」開放を願う立場で更に問いを前進させていくためにも事務局を拠点として最大に機能させていく決意です。
 名古屋においでの節は、どうぞ事務局へお立ち寄り下さいますよう御案内いたします。
 今後ともご指導下さいますようお願いするとともにかいせつへの御助力を心より感謝いたします。
 ありがとうございました。
 全国「精神病」者集団・事務局員一同
 1980.3.23.


◆1980/05 内部通信

お知らせ
◆事務局より
 連絡会議に参加できない皆さんの地域活動報告、近況などを積極的に事務局までお寄せ下さい。おまちしています。
◆書記教宣部より
 本紙についての意見・提起などを事務局・書記教宣部までお寄せ下さい。本紙を多くの「病」者の身近なものにしていく為、感想・批判等も含めてお寄せ下さい。
お断り
 五月は、22日から25日まで、浜松で日本精神神経学会が開かれる為、連絡会議は、開催できませんので御了承下さい。次回の連絡会議は、六月に行なう予定です。詳しくは、次号でお知らせします。
(文責・書記教宣部)

 気遣いやけど 気遣いやけど
 世の中の事 人の事想って居度い
    A37・1・16(橙)

○ ともしび会 Nさんから 五百円 カンパが送られてきました。
 地域活動報告
 ひまわりの会-京都
☆ 昨年から、赤堀、保安処分、鈴木等の雑談的な学習会を行っています。
 特にメンバーのK氏が鈴木国男氏との交際があったので、彼をチューターとしながら、京都においての「医師-患者」関係、「健全者-患者」関係、そして「病」者同志の関係等を把え、様々な問題点、矛盾点を整理しています。私たちとしても、鈴木問題はとても個人事とは言えない。更に討論を深めて行きたいです。
☆ しかし今年になってからメンバーの結集が困難で、一度も会合をひらいていません。
☆ 関西で予定されている「精神障害者」の保安処分紛砕決起集会には全力で取りくみたい。
ルナの会-北陸
☆ 12/31〜1/1にかけて、一人で住んでいる。「病」者や、家族とすごしたくない者達が集まって、年こしソバを除夜のかねの音をききながら食べ正月を共にすごした。
☆ 1/17 第二例会 ルナの会結成1周年をむかえ、「病」者の気持ち、状況をどれだけ私達自身つかみえているのか、又、会員の増加等を目標に、入院中、退院中、地域で住んでいる「病」者を対象として「アンケート調査」を気長にやっていくことが話された。
「保安処分」についても一人一人の意見を機関紙「なかま」を通して出しあい、それをもとに討論をしあっていくようにしている。
☆ 83年育樹祭の開催を対象化してか、保健所の「病」者へのチェックが幅広く行われようとしており、これについても、何らかの形で問題視していく活動を行っていこうと準備中。

1/23日弁連刑法委員会糾弾行動報告
 一月二十三日、日弁連会館において、日弁連刑法改政正阻止実行委の全体委員会に対する糾弾行動が、1/30「意見交換会」粉砕実行委の呼びかけで斗いぬかれました。
 この日の刑法委の会議では、12月5日名古屋パネル粉砕に対する対処を巡って(告訴問題)、差別「要綱案」の正式決定、さらに30日の「意見交換会」への取り組み方が主な議題となっていたのです。
 私達5者呼びかけの実行委に結集する仲間は、一月十八日の名古屋弁護士会会員官道による「告発」に対する徹底糾弾と、「要綱案」正式採択への怒りをたぎらせながら、朝10時半より、日比谷小公園に百名以上の仲間が集まってきました。何と公園周辺には私服50名余がうろつき、公園の出口は全て機動隊によって封じられていました。私達は、車イス「障害者」の仲間を先頭に日弁連会館に向うべく、かすみ内で弾圧を弾刻して午前・午後2派にわたって断固として斗いぬきました。
その後、実行委の仲間から、二の日の斗いの意味と、1/30粉砕斗争への決起を呼びかける提起があり、部隊は数奇屋橋と、新橋駅にわかれて、約一時間にわたる大情宣行動をとりくんできました。
 この日は、私達の斗いにおそれをいだく日弁連がまたもや会館前にバリケードを築き、さらに、12・5パネル粉砕行動への報復的弾圧を祖ってしかれた大弾圧体制を粉砕し、斗いぬきました。
各地の便りから

○ 青森のIさんからカンパ千円カンパが送られてきました。
◆群馬のOさんからカンパ五千円が送られてきました。
◆島根県のYさんから一流新聞に「精神病院の悲惨さと改善」の声明文を発表したらどうかという提起がありました。金額が一千万円位かかるということでYさんに再考してもらうことにしました。
 生活保護費を切りつめ、又入院中にもかかわらず、残業をやらなければ毎日の生活が苦しい仲間から貴重なカンパを送ってもらいました。ほんとうにありがとうございました。もうすぐ屋根の雪おろしが終り、真紅や真白なバラが咲き、冷たい残業の部屋も衣がえする時がま近かです。そして精神病院の中や仙台拘置所の中も。

お知らせ
 昨年4月、教授連絡会議主催によって、「保安処分の現状とその課題」というテーマで「病」者集団から6人の提起者が出てシンポジウムが行われました。その時の提起された内容と桜庭章司さん、飯田博久さんの獄中からの提起を含めたパンフレットできました。一部百円(送料別)です。申し込み先は、東京都港区新橋2-8-16石田ビル4F救援連絡センターです。
目次から
 。病院、地域での差別の実態
 。赤堀さんと保安処分
 。再犯予測をめぐる諸問題・・・・・など
 。精神外科廃絶にむけた闘いを
 。孤立を助長してきたものは・・・・?
 。精神衛生法の本質とそれに対する闘い資料、保安処分条文、差別条項、欠格条項
 おことわり
 愛知0の会、京都前進友の会、いばらの会、虹の会の地域活動報告は事務局多忙の中、行方不明になり掲載できませんでした。
 おわびします。
 赤堀氏奪還に向けて
 赤堀さんは、28回目の正月を宮城刑務所で迎えましたが、死刑の恐怖にさらされながらの獄中生活での孤独な闘いに神経をすりへらされ、加えて劣悪な処遇の下で年を重ねるごとに、身体をむしばまれています。
 麻酔もなしに肛門の括約筋までいっしょに切り取るという乱暴な「手術」の垢、年中脱脂綿を欠かすことのできない身体で、秋から春にかけてはシモヤケ、リューマチに苦しみ、この冬には、風邪で面会を1週間も断って休んでいます。
 面会に行くごとに、こがらな身体がひとまわりづつ小さくなっていくようにさえ見えます。
面会に行った仲間に伝えた「首に縄をつけられてもいいから仙台の街を散歩してみたい」という言葉に獄中生活27年間の苦渋と、社会生活を奪われた赤堀さんの獄壁を超えた外の世界への熱い希望が現われていると思います。
 この様な中で、監獄法の改悪、赤堀さんと私達を結び唯一、直接の交通機関-面会活動を断つことは、再審活動をシャットアウトし、赤堀さんと私達がこの6年間追求してきた。
 「共に生き、共に闘う」関係を切りすてることです。官刑の強制的な管理体制のもとで赤堀さんの孤立化-獄死-実質的死刑をせまるものです。
-仙台赤堀さんと共に闘う会ニュース第63号より〜
 今赤堀さんにせまる危機を全力をあげて打ち砕かなければなりません。赤堀さんの深刻な状況を1人1人が考え、文通や面会、署名活動を軸に、より多くの人々に赤堀さんのことを知らせてわかなければなりません。
 刑法改悪-保安処分の三月国会上陸の権力の攻撃の中で赤堀さんの闘いと刑法-保安処分闘争を結合させ『「精神障害者」の赤堀ならやりかねない』とする差別-抹殺の攻撃が保安処分攻撃であり、赤堀さんに対する、抗告棄却攻撃そのものが「精神障害者」差別キャンペーンをあおった保安処分攻撃そのものであることをはっきりとみすえ、3月監獄法改悪阻止の闘いとして闘いぬこう。
 特に監獄法改悪が赤堀さんと私達の闘いを分断し、赤堀さんを孤立させ、再審闘争圧殺、獄中での虐殺をねらった攻撃であり国会上陸が切迫している中で、仙台の仲間を中心とした宮刑との闘いを軸にして私達と赤堀さんを結ぶ糸を切ってはならない。全力をあげた闘いを展開しよう。

闘いの日程
☆ 3、7赤堀氏奪還全国総決起集会
 日時 3月7日(日) 午前10時
 場所 東京大学安田講堂前結集
 主催 赤堀中斗委
☆ 3、12監獄法-刑法改悪国会上程阻止関西集会
 日時 3月12日(金) 午後6時30分
 場所 府立労働センター
 主催 関西救援センター、関西監獄法改悪阻止実、関大救援会
☆ 3、14監獄法-刑法改悪国会上程阻止全国総決起集会
 日時 3月14日 (日) 午後1時
 場所 南部労政会館(大井町下車)
 主催 監獄法改悪を許さない全国連絡会議

1月30日法務省-日弁連第5回意見交換会粉砕闘争
 三百名の仲間と共に斗う「病」者集団からは、12月26日に示された法務省の「刑法改正の基本方針」「保安処分の骨子(刑事局案)」に対する徹底した弾刻と、日弁連の告訴攻撃弾刻、保安処分攻撃と一体となった精神病院の強制収容所化弾刻、生命をかけて国会上程阻止にむけての斗いの強化と軍事、大国化、改悪攻撃の中で、侵略戦争にむけての差別主義-排外主義への動員の中で刑法-保安処分攻撃粉砕斗争を軸に、三里塚、狭山斗争等、斗う全ての人民と結合して斗いぬこうという決意表明をした。
 デモでは2名の不当逮捕という弾圧を粉砕して市民に刑法-保安処分のアピールをした。
 3月17日の第6回意見交換会で日弁連は、保安処分の対案としての差別的要綱案をペテン的に手直しした「精神医療の改善方策について」を提出し、その上に、「精神研」野田に依頼した資料を提出し、法務省と「討議」しようとしている。
 国会上程阻止にむけて全力で決起を!
3、17意見交換会粉砕闘争
 日時 3月17日 午前9時
 場所 日比谷小公園
 主催 3、17意見交換会粉砕実行委
 日弁連「精神医療の改善方策について」の白紙撤回、抗議書を日弁連へ!
あて先-
東京都千代田区霞ヶ関1の1の1
日本弁護士連合会会長宮田光秀殿
百人委員会
国会上程阻止斗争

週間について
(同封の赤堀中斗委のビラを参照)
「病」者集団としては、赤堀中斗委と共にできる限りこの斗いに共斗してゆきます。
@ 患者会、個人として取り組めるところは同封のビラにもとずいて行動します。
A 同時に多くの人々に提起していく。
B あらゆる地区の刑法集会、学習会等に提起していく。
◆ 現場では赤堀中斗委と行動を共にします。
(連絡先は(〇三)八一五-五四一一内線八六二四 百人委員会)
2月16日 毎日
討論会場占拠事件
弁護士が集団で告発
きょう名古屋地検へ 
精神科医二人を
 昨年暮れ、名古屋市で開かれた日本弁護士連合会主催の「刑法改正を考える公開討論会」が、討論会反対派グループによって会場が占拠された事件で、地元の名古屋弁護士会(福岡宗也会長、会員五百三十一人)所属の弁護士四十数人が十六日、占拠グループの精神科医二人を威力業務妨害と器物損壊罪で名古屋地検に告発する。すでに先月十九日にも同会の弁護士一人が占拠グループ数十に(氏名不詳)を告発しているが、今回のように弁護士が集団で告発に踏み切るのは日弁連史上初めて。この事件に対し、被害者の立場の日弁連は告訴すべきかどうか検討中で、波紋は大きくなりそうだ。
 告発されるのは愛知県内の国立病院と私立病院の精神科医師二人。
 告発状によると、国立病院のA医師は昨年十二月五日、名古屋市中村区名駅、愛知県中小企業センターで開かれた「公開討論会」で、開催されると同時に壇上に上がって占拠し、マイクで演説。さらに日弁連の開催中止決定が発表された後、同センター出入り口で、占拠グループに対し、勝利宣言≠した。
 また、私立病院のB医師は壇上の机やイスを倒して、ガラスコップなどを割り、旗ザオでホリデント幕(照明効果をよくするための幕)の一部を破った。
 最初に一人の弁護士が行った第一次告発≠ナは、告発相手はこの二人の医師を含む数十人で、容疑も威力業務妨害、暴力行為等処罰に関する法律違反、器物損壊罪の三つの罪名だったが、今回の第二次告発≠ヘ占拠中の行動氏名がはっきりわかっている者だけを対象としてたという。
 この事件に対し、名古屋弁護士会では、弁護士会としてどう対処すべきかをめぐり、告訴派と告訴反対派の二グループに分かれ、約二ヶ月近くも大激論が戦わされ、一月二十一日の同会の「刑法改正阻止全体委員会」では「継続審議」することで、結論をタナ上げしている。
 また、同二十三日開かれた日弁連の「刑法改正阻止実行委員会」では「暴力行為を野放しにしてよいのか」「断固たる処置をとるべきだ」などと、告訴派の意見が多数を占めたが、結局、@告訴に値する行為だと確認するA執行部に対し毅然(きぜん)たる態度をとるよう委員会から要望するーと確認しただけで、結論は出さず、決意は今月二十日開会の日弁連理事会に持ち越された。
 第一次告発≠受けた名古屋地検は、すでに告発人の弁護士から事情聴取するなど本格的捜査を始めているが、今後の捜査については「討論会の主催者の日弁連や名古屋弁護士会の責任者が、被害者の立場で捜査に協力してくれるかどうかがカギ」としている。
 一方、告訴反対派の弁護士は「占拠グループの行動は刑法改正反対運動の内部矛盾が吹き出たもの。告訴、告発は反対運動にとってマイナスになる。犯罪者を弁護してきた弁護士が、自分たちの手で犯罪者を生み出すのはどうか・・・・・」と話している。
2月16日 中日
リーダー格の2医師告発へ
刑法討論会の流会で名古屋の弁護士有志
 昨年暮れ、名古屋市で開かれた日本弁護士連合会主催の「刑法改正を考える公開討論会」が反対派グループに占拠され流会となった事件にからんで、名古屋弁護士会所属の弁護士約四十人が十六日、グループの指導的立場にあった同市内の公立病院勤務A医師と私立病院勤務B医師の二人を、威力業務妨害と器物毀(き)棄の疑いで名古屋地検に告発する。
 告発するのは同市中区丸の内二ノ二ノ七、丸の内弁護士ビル内、鈴木秀幸弁護士ら。
 討論会は昨年十二月五日午前九時四十分に開会したが、間もなく約百五十人の反対派グループが乱入して壇上を占拠した。鈴木弁護士らによると、乱入グループの大半は氏名不詳だが、指導的役割を果たしたA、B両医師の名前は特定できた。A医師は、壇上でマイクを使って妨害演説をした。またB医師は日弁連の看板を落とすさい、さおで幕に傷をつけたとしている。
2月17日 朝日
刑法パネル事件
妨害の医師
二人を告発
名古屋弁護士会の42人
 昨年十二月五日、名古屋市で開かれた日弁連主催の「刑法『改正』を考えるパネルディスカッション」(略称、刑法パネル)が反対グループの妨害で中止になった「事件」をめぐり、名古屋弁護士会の有志四十二人が十六日午後、妨害の中心になった同市内の精神科医師二人を威力業務妨害罪などで名古屋地検に告発した。
 この事件では、一月十八日にも同弁護士会の一弁護士がこの医師二人を含む妨害グループ数十人を同地検に告発しており、同地検で捜査中。また、被害者≠フ日弁連でも告訴を検討している。
2月17日 毎日
名古屋弁護士会の42人が告発
討論会場占拠事件
 日本弁護士連合会主催の「刑法改正を考える公開討論会」が流会した事件で、名古屋弁護士会所属の弁護士四十二人は十六日夕、占拠グループの精神科医二人を威力業務妨害と器物損壊罪で名古屋地検に告発した。
 すでに第一次告発≠受けた名地検は捜査を始めているが、弁護士グループは捜査の進展次第ではさらに第三次告発≠する予定だ。
2月17日 中日
昨年の『刑法討論会』乱入の2医師を告発
名古屋の弁護士42人
 名古屋市弁護士会所属の弁護士四十二人は十六日午後、名古屋市昭和区、精神科医師Aさんと同市守山区、同Bさんの二人を威力業務妨害と器物損壊の疑いで名古屋地検へ告発した。
 告発状によると二人は、昨年十二月五日午前、同市中村区名駅四の愛知県中小企業センター講堂で開かれた日本弁護士連合会など主催の「刑法改正を考える公開討論会」に約二百人の反対派グループと乱入。Aさんは演壇に駆け上がって勝手な演説を行い、討論会の進行を妨害した。BさんはAさんと一緒に壇上に上がり、いすなどを倒したうえ竹ざおを持ち出して演壇の幕に傷をつけた。
 この問題に関し名古屋弁護士会では、乱入グループを告訴すべきかどうかで議論を重ねたが、さる一月二十一日、結論が出ないまま議論を打ち切った。これに対して同月十八日、告訴派の一弁護士がA、Bさんを含む数十人を名古屋地検に告発さらに今回の集団告発となった。

WPA(世界精神医学会)について
「病」者集団としては、赤堀、刑法、鈴木についてアピールしていきたいと思います。
 ただいま準備中。
 日程 4月9日?11日 場所-京都
4月7日、8日は日本精神乃経学会
鈴木君虐殺糾弾斗争について
 2月2日、国、被告側の証人、城哲雄の証人傾向が行われた。(詳しくは次号のニュース)
 2月18日 大阪拘置所の現場検証が行われている日に、大拘糾弾斗争を虐殺糾弾6周年として斗い抜いたあと・・・・・
 3月9日には、証人城哲雄の反対尋問が行われる。全力で結集を。
 鈴木君虐殺糾弾 第12回国賠公判
 日時 3月9日 午後1時
 場所 大阪地裁民事3部 八〇八号法廷

資料
日弁連への抗議文
 二月二十日の日弁連理事会で「精神医療の改善方策について(骨子案)」が検討されると聞いています。
 私たちは、以下の理由によりこの「骨子案」を断じて許すことはできない。
 一、同「骨子案」は措置入院、同意入院の維持、強化を主張するが、措置入院制度に示されている「精神障害者」観は保安処分と同次元のものであり、こうした「骨子案」は保安処分推進の原動力となること。
 二、精神行生法の統制下で治安政策的に機能している精神医療及び精神病院の実態を深刻にとらえかえして精神行生法そのものを否定していく視点を欠落させたまま、医療と医療行政の「改善の方策」を主張していること。
 三、「精神障害者」の生活支援の不備を指摘してその改善を主張しているが、その問題の根幹となる「精神障害者」の住宅保障などの重要な視点を欠落させていること。
 四、「精神障害者」の真の生活支援は「精神障害者」に対する差別条項、欠格条項などの人口侵害規定を撤廃していくことであるが、同「骨子案」にはそのような視点がないこと。
私たちはこの「骨子案」に強く抗議すると共に、即刻白紙撤回されることを要求します。
 一九八二年 二月二十六日
 日本弁護士連合会会長
 宮用 光秀殿
 全口「精神病」者集団 事務局


◆1980/07 お知らせ

お知らせ
「病」者集団事務局
 全障連から、第五回大会への、参加の呼びかけが送られてきました。今年は、8月2日、3日の2日間も仙台の東北大学川内校舎で開かれます。
 「病」者集団としては、自主参加、としたいと思いますので、呼びかけ文、参加申し込み書、説明書を送ります。皆さん、それぞれ検討して下さい。
☆ ☆ ☆ ☆
 参加される方に、3つのお願いをします。
@ 各地の全障連の「障害者」の仲間達などと一緒に参加する方は、そのグループに入って計画・行動するようにして下さい。
A 参加される方・グループで、宿泊体制などについての質問・医療体制などの質問、その他の質問や疑問がある場合には、全障連大 会現地実行委員会、に直接問いあわせをして下さい。また、申し込みも、直接、現地実行委に送って下さい。
 現地執行委連絡先は、
 仙台市小田原二丁目二の四三
    佐幸ビル四〇三号
 全障連全国事務局気付、です。
 電話番号は、
 (0222)-(95)-8498、です。
B せっかく仙台まで行くのだから、赤堀さんに面会したいと考える方も多いと思います。
 全障連の「障害者」の仲間で、同じことを考えている人も数多くいると思いますので、面会する予定をたてたら、できるだけ早く、『仙台・赤堀さんと共に闘う会』(連絡先と電話は、現地実行委と同じ)へ連絡をとり予約して下さい。
 1日5組10人まで面会できますが、それを越えると面会できません。連絡をとり、調整し、予約しておかないと、せっかく予定をたてても面会できないことがあります。注意して下さい。
 以上です。


◆1980/07 お願い

 各地の皆様へ
 全国「病」者集団からのお願い

 8月26日法相・奥野発言は断じて許すことができません。
 私達「病」者集団は、即奥野に対しての抗議書を送り、全国から抗議の斗いを行いました。
 各地の皆様も、刑法改悪-保安処分攻撃の頂点として、現在の赤堀さんに対する抗告棄却-死刑攻撃があることをしっかりととらえ、法相奥野に対する抗議の斗いをとりくんだことをお願いします。
 なお、「病」者集団と0の会の発信済の文章ですが参考にして下さい。また、法相あてに送った抗議文は今後の参考にしたいと思いますので、お手数とは思いますが、「病」者集団事務局の方へ郵送お願い致します。
 全国「病」者集団 事務局
 鈴木反動内閣のこの2ヶ月間の政策は、まさに超反動と言わざるを得ません。
 自衛隊の増強、海外派兵、迎撃機へのミサイル常時積載、防衛予算の別ワク化、憲法改悪発言、靖国神社法案、閣僚の靖国参拝・・・等、このどの一つをとってみてもキナくささを感じ軍靴の音の近づくのを感じないわけにはいきません。もはや「戦後」も「民主主義」もふきとばしてしまうような段階を画した攻撃と言えましょう。
 とりわけ、8、26奥野法相による「精神障害の疑いのある者の凶悪犯罪がひんぱつしている無為無策は許されない」という刑法改悪-保安処分推進の発言は断じて許すことはできません。その粉砕のため多くの人々の力を結集し斗い勝利しなければならないと思います。
 私達「精神病」者集団は「刑法改悪 保安処分に反対する百人委員会」と結合し多くの人々との共斗で粉砕していくため組織化をはかっています。
 その斗いの資料をお送りしますのでお読み下さい。また下記のとうり「百人委員会」の斗争がありますので貴組織で御検討し、是非参加して下さるようお願い致します。
●10月5日(日)シンポジウム「保安処分」、 午後3時〜9時。
   場所・「東京の全遍会館」(国電水道橋下車・飯田橋方向徒歩5分)
   講師・青木薫久(精神科医) 内田剛弘(弁護士)
●11月22日(土) 中央大集会   午後6時〜
   場所・社会文化会館


◆内部通信(1982年2月)

 「『病』者にとって精神医療とは何か」というテーマで討論会(座談会)を行い その記録を 絆4号に堤載したいと思います。
参加社は、いつもの連絡会議のメンバーのほか、香川、山田、牧田諸氏 その他 特に参加したい人ということにしたいと思います。
(司会は吉田)
 日時は4月の連絡会議の前(土曜日の午後)に、名古屋、大阪、京都のいずれかでやりたいと思います。どうか御協力下さい。
 (「絆」編集部より)
事務局より
 連絡会議に参加できない皆さんの地域活動報告、近況などを積極的にお寄せ下さい。お待ちしています。
書記、教宣より
 連絡会議ニュースについての意見、提起などお寄せ下さい。連絡会議ニュースを多くの「病者」の身近なものにしてゆくため、感想、批判等も含めてお寄せ下さい。

次回連絡会議
 とき・3月22日(土)午後6時、3月23日(日)「午前10時から
 ところ・全国「精神病」者集団事務局
 連絡先・電話(052)821-1313(大野方)
 (午後10時までしか電話にはでません。)


◆2000/05/09 声明(移送制度)
  強制移送粉砕
 学会は移送制度への警官出動要請を撤回しろ

〈警察の協力を要請する精神医療従事者〉
 私たちの反対にも関わらず精神保健福祉法は改悪され、強制移送制度が4月から始まった。この移送制度に対して学会は見逃すことのできない要請を行っている。
 精神保健福祉法見直しに際してもうけられた専門委員会において、全国精神保健相談員会長天野宗和氏は以下のように述べている。「行政権力の発動なので吏員の立会い、付き添い、告知は必ず必要です。また、状況によっては『警察官の協力』は不可欠なため、法施行前に厚生省は警察庁と消防庁の調整を行いどこかに文言化してほしい。といいますのは『都道府県知事は』となっていても、警察は県ではないかということがあるのですけれども、全然県知事の方を向いていません。そういうことで、今までスムーズに警察と連携できていた保健庁が、34条の成立で協力してもらえないこと、それは県の仕事だろうということで、連携がうまくいっているところが実際あるわけですけれども、協力してもらえなくなるのではということを会員は非常に危惧しています。救急車の所管も市町村などで(ママ)同じ心配をしています。」
 また当学会副理事長森山公夫医師も以下述べている。「4番目に、これが特に強調されたことなんですが、現場では当然職員の身体的危険ということもあるわけで、そういうことに配慮を含めて、その状況に応じて、この場合は特に警察官との協力体制をきちんとできるよう、もちろん地域での協力体制もさることながら、本庁でぜひその協力体制をつくるように合意形成をぜひお願いしたい。こういうことがないと現場は恐らく不安で動けない、あるいは混乱することになると思います。」(議事録より)
 精神医療従事者の見事なまでの本音である。「精神障害者への偏見をなくそう」と言っている私たち自身がもっとも「精神障害者」を危険だと主張しているのだ。この議事録を読んだ人々はこう考えるだろうか? 「専門家ですら、患者の家を訪ねるのに、警官付きでなければ身の危険を感じると言っている。やはり精神障害者は危険なのだ」と考えるだろう。
 これほどの裏切りがあろうか? こういう発言をする精神科医を信じろと言われても私たちは一切信じることはできない。1987年に全国の精神科医は一方的に「困った患者=嫌な患者」と決めつけた仲間を道下アンケートに売り渡した。この売り渡し行為を自己批判した精神科医は一人もいない。そして今さらに「患者が恐いから警官が来てくれなければ移送制度はできない」と宣言したのだ。私たち「精神病」者に対しこうした裏切りを重ねて一体どうやって精神医療が成り立つというのか?
〈まず害する精神医療〉
ヒポクラテスの誓いは言う、「まず害すなかれ」。しかし「まず害している」のが精神医療である。天野氏の発言にあるように、すでに警官によって精神病院に連行された経験を持つ仲間は存在する。彼らにとって精神医療とは何であったか。こうした仲間にとっては精神医療とは医療ではなく「権力による弾圧」である。「誘拐と監禁」でしかない。警官に連行され、監禁されて精神医療に出会い、どうして精神医療を医療と認識することができようか? この心的外傷の深さを癒やすことができるのか? 一体どうやって精神医療に対する信頼をもてというのか?
 その上強制的に連れ込まれた精神病院でのいわゆる「精神科救急」は何をしているのか。そこにあるのは本人の同意なしの電気ショックの強制であり、大量の薬漬けであり、身体拘束である。
 長い闘病と養生に立ち向かうにはまず患者が主人公となれる患者自身の力が必要であり、医療は患者のこの力を強め支えるものでなければならない。しかしこうした精神科救急による医療への導入では患者は自覚的に養生に立ち向かう力を持つことはできず、無力な受け身の立場に追い込まれ、その後の養生に決定的な妨害となる。まさに反医療的なことが精神科救急では行われているのだ。
 病苦にあえぐ私たちをまず傷つけることで医療に導入するいまの強制入院制度を私たちは一切認めることはできない。その上強制移送制度の新設はいままでの強制入院をより強化するものであり、警官出動の全国化は全国各地で今まで以上に傷つけられる「精神病」者仲間を生み出すものでしかない。
 本来の病苦に加え、警官付きの強制移送、強制入院によって心的外傷による後遺障害を私たちは押しつけられるのだ。苦痛を加え新たな障害を加えて医療などと言えるのか! これはかでに医療ではなく、まさに「権力による弾圧」である。
 この強制移送制度の対象となる仲間は、おそらくそれまでの精神医療によって痛めつけられ心的外傷に苦しんでいる仲間であり、それゆえにこそ精神医療を拒否している仲間である。こうした私たち「精神病」者をさらに再々度傷つけ害する移送制度を私たちは一切認めるわけにはいかない。ましてや警官付きの移送制度は断じて許せない。
 私たち全国「精神病」者集団は日本精神神経学会に対して以下を要請する。
@精神保健福祉法上の強制移送制度の撤廃を国に要請すること
A移送制度に関し警官出動要請で撤回すること
 
2000年5月9日
  全国「精神病」者集団


◆2000/05/09 声明(死刑)
  精神科医は死刑への関与を直ちにやめろ
   学会は死刑問題小委員会を発足させろ
 
 1993年3月26日3人の死刑囚の死刑が執行された。
 その内の一人大阪拘置所で処刑されたK氏が「精神病」者と判明している。Kさんは事実関係の誤りを求めて再審準備中であった。彼の代理人である中道弁護士によると、中道弁護士は問い合わせに対して、大阪拘置所当局は1985年11月12日付で以下のように回答している。「Kさんの確定判決前、1982年1月14日に外部の精神科医がKさんを診察し『幻覚妄想状態(分裂病の疑い)』であると診断した」。しかし拘置所はKさんを病院や医療刑務所に移送することはせず、半年に1回専門医の診察を受けさせるだけで、漫然と投薬を続け放置していた。
 そのあげくに政府はKさんを処刑した。
 「死刑に直面している者の権利の保護と保証の履行に関する国連決議(1989年1のD)」では「判決の段階叉は処刑の段階に問わず、精神障害者叉は極度に限定された精神能力者に対する死刑は排除すること」と明記されている。また国内の刑訴法479条には死刑の言い渡しを受けた者が「心神喪失の状態にあるときは法務大臣の命令によって執行を停止する」とある。
 Kさんの処刑は明らかにこれらに違反した不当違法な処刑であった。
 その後も精神障害者を疑われる死刑囚の処刑が続いている。1995年に大阪拘置所で「知的障害」疑われるFさん(1審のみで確定再審準備中)が処刑され、また1996年に福岡拘置所で覚醒剤使用中の事件であると再審請求を繰り返し、処刑直前にも再審請求書を書き続けていたHさん(覚醒剤の後遺症に苦しんでいたと伝えられている)が処刑され、1997年8月1日には精神障害を疑われるNさんが東京拘置所で処刑された。
〈WPAの死刑への関与禁止ガイドラインと日本の精神科医〉
 1996年WPA(世界精神医学会)はマドリッドにおいて精神医療の倫理面における宣言を出し、同時に特別領域におけるそのガイドラインを出した。このマドリッド宣言はWPAに参加する各国学会によって支持されたものであり、「どの国の学会でも尊重されなければいけないものである」(日本精神神経学会とWPA執行委員との合同会議録よりOkasha氏発言、学会誌99巻10号)。このガイドラインは死刑について以下のように述べている。「いかなる場合であろうと精神科医は法の下での死刑執行に関与すべきでない。また処刑できるか否かの囚人の能力評価に精神科医は関与すべきでない」。
 元法相佐藤恵氏によれば死刑執行のサインを求められる際に、添付資料として「精神的に健康」という資料がつけられていたそうである。裏面資料にもあるように、死刑執行の過程においては「執行できる心身の状態にあるか否か」がチェックされることになっている。
 この「執行できる心神の状態にあるか否か」を矯正局が判断するにあたり、精神科医は専門家としての意見を求められているはずである。この段階において明らかに精神科医は「処刑できるか否かの囚人の能力評価」を行っている。日本では精神科医はWPAのガイドラインに反した行動をとっている。
 Kさんについても必ず精神科医が「執行できる」という判断をしているはずである。まさにこの精神科医はKさんの処刑に加担したのである。この処刑に関してはWPAからも「どの医師がいかに関与したか」と当学会は追求されている。
〈今日本精神神経学会がなすべきこと〉
 1998年に当学会会員でありまた全国「精神病」者集団の会員でもある大野萌子と山本真理がKさんの処刑に関連し、学会内に死刑問題小委員会を作るよう要請した際、理事会としては「この(死刑)問題は法制度全体に関わり、大きすぎて一医学会である精神神経学会で扱う範囲をはるかに越えています。したがって死刑制度そのものについて委員会を特に設置するには無理があります。ただし精神障害者の死刑問題に関しては個々に『精神医療と法に関する委員会』で検討いたします」旨の回答があった。この結果精神医療と法に関する委員会および保安処分と司法に関する小委員会において、とりあえず無実の死刑囚袴田さんの処遇問題に取り組むとの方針が出された。
 袴田さんの問題に対する取り組みに関しては一歩前進として評価するが、今一度WPAのガイドラインを見るとき、日本の死刑執行過程における精神科医の果たしている役割につき、学会総体として態度表明が求められていると判断する。例えば日本と同じように死刑制度が存続しているアメリカにおいてはアメリカ精神医学会は1980年に精神科医の死刑への関与を禁止した以下の決議をあげている。「直接的であれ間接的であれ、医師が国家に処刑者として仕えることは、医療倫理の退廃であり、治療者であり癒やし手であるべき医師の役割を腐敗させることである。したがってAPAは精神科医の処刑への関与に強く反対する」。昨年総会において理事長もこの問題につき理事会で改めて検討したい旨発言しているが、今だその検討が理事会で行われていないようである。当学会もWPAガイドラインにそって何らかの意志表示をすべきである。
 もちろん態度表明だけでは何ら実効性がない。アメリカ精神医学会の決議にも関わらず、アメリカにおいても多数の「精神障害者」が処刑されている。精神科医が死刑に関与することがないよう具体的で実効性のある行動が求められている。それゆえ精神科医がいかなる形で死刑に関与しているかその実態、精神障害の獄中処遇の実態とりわけ精神医療の実態等々を調査し、学会として何ができるのか、何をすべきか検討していくためにも死刑問題小委員会の発足が求められている。
 私たちは日本精神神経学会に対し以下を要請する。
 @精神科医の死刑への関与を否定する決議をあげること
 Aその決議を実行すめために死刑問題小委員会を発足させること
2000年5月9日
     全国「精神病」者集団
           連絡先 923ー8691
           小松郵便局私書箱28号 絆社ニュース発行所
           EーMAILfuten@mai17.dddd.ne.jp


◆2000/05/09 声明(人格障害)
  人格障害は排除の烙印だ
 学会は人格障害概念を破棄しろ
 
〈人格障害概念はいかに機能しているか〉
 人格障害とは何だろうか? 人格のゆがみとか偏りとかいわれているものであり、その定義からいって客観性はなく歴史的政治的概念であり、精神病質概念同様に排除の烙印として機能している。
日常語でいえば「嫌な奴」「付き合いたくない奴」「厄介者」となるが、これに「科学的」粉飾を付け加えたのが人格障害概念である。
 この概念は社会的問題を、個人の人格、資質の問題にすり替え、その個人の排除を合理化したり、個人の人格矯正によって問題解決しようとする概念である。
 たとえばDSMにおいて、家庭内暴力の被害者女性に対してマゾヒズム人格障害のラベリングがされ、被害者は無意識のうちの暴行を楽しんでいる人格であり、家庭内暴力を男にさせているのは被害者本人であるとされた。フェミニストの激しい抗議の中でようやくこの概念はDSMから撤回されたが、その後代わって自己敗北型人格障害という概念が持ち出されDSMの付録として生き残っている。これらの概念がむき出しの性差別から導かれた概念であることは明らかである。
 あるいは境界例人格障害という概念がある。この概念は一言でいえば精神科医が「嫌な奴」「付き合いきれない奴」という言葉の代わりに使うものであり、いったんこのラベリングをされると、患者の言葉は全て嘘ということになる。アメリカでは精神科医によって強姦されたと訴える女性患者がいれば、境界例人格障害とされる。そして彼女の言葉は全て嘘ということになる。精神科医によれば、精神科医を訴えること自体が境界例人格障害である証拠であり、そして境界例人格障害である以上患者のいうことはすべて嘘なのだ。仮に性的関係が両者にあったとしても、それは境界例人格障害の患者が、人格障害ゆえに精神科医を誘惑したのだ、ということになる。見事な循環論理であり精神科医を防衛するには何と便利な概念であろう。
 人格障害概念がいかに主観的であり、社会的差別を反映した概念であるかこれらの例だけでも明白である。診断とはそれを付けられた患者本人の症状を理解し苦痛をいやすために正しい治療方針を出すことを目的としているはずである。ところが人格障害という診断名は、本人の利益には一切ならず、むしろその診断名を付けられた人間を非難し、人としての一切の信用を奪い、社会生活を不可能にする烙印として機能している。
〈保安処分と人格障害概念〉
 人格障害概念が排除の合理化や問題のすり替えのための概念として機能していることは、単に概念を誤って拡大したり、誤って適応しているのであり、概念自体の問題点ではないと主張する精神科医もいるかもしれない。しかし当学会総会の人格障害に関するシンポジウムのシンポジストである牛島定信医師は、週刊誌において事件の犯人とされた人たちに対し、人格障害概念を適用しコメントしている(裏面コピー参照)。京都の小学生殺害事件、新潟の少女監禁事件の容疑者について牛島定信医師は以下のようにコメントする「共通するのは、悪性自己愛人格障害という重症型の人格障害だったこと」。「現在、こうした悪性自己愛人格障害が、かなりの勢いで増えています。昨年の池袋の通り魔事件の容疑者も、下関の刺殺事件も、共通の人格障害と考えられています」。牛島の論理で、容疑者は人格障害であり、これらの犯罪は人格障害が原因である、ということになる。さらには人格障害(この場合は悪性自己愛人格障害)とされた人間は非常に危険で何をするか分からない犯罪予備軍ということになる。牛島医師の患者で人格障害とされている人たちはこの記事を読んでどう思うだろうか? そして自己愛人格障害とラベリングされた人たちは今後どうこの社会で生きていけるというのか? 明らかに牛島医師の論理の下では人格障害というラベリングは排除の烙印として機能している。この牛島医師の論理こそが人格障害概念の本質なのだ。現実に刑事法廷では、人格障害のラベリングは健常者に比べ「危険で再犯しやすい」人間である、という烙印として機能し、重罰の根拠となる。
 保安処分とは何か? 犯罪行為違法行為の原因をひたすら個人の資質、病状に求め、それゆえ「危険性」を要件として予防拘禁し、強制医療をもって個人の人格を矯正しようとするものである。牛島医師の論理に見られるように、人格障害概念はかつての精神病質概念同様、この保安処分の中核となる概念であり、保安処分という予防拘禁と強制医療を正当化合理化する概念である。しかもこの概念は前述したように客観性は一切なく政治的社会的概念であり、誰にでもラベリングできる概念である。事件を起こしたとされた人間誰にでも人格障害のレッテルを貼ることが可能である。
〈人格障害概念の廃棄を〉
 人格とは何か? 人格の障害とは何か? これらの質問に科学的客観的な答えはあり得ない。こうしたことに精神医療は手を出してはならない。しかも本人の利益に一切ならないラベリングを患者にすることは医療のすることではない。医療は本人の苦痛をいやし、本人は生き延びることに奉仕するべきである。犯罪の防止と治安に奉仕するために、人を排除し予防拘禁するための概念である人格障害概念を精神医学・精神医療は放逐しなければならない。
 私たちは日本精神神経学会に対し人格障害の概念否定に向け討論を開始することを要請する。
 
2000年5月9日
  全国「精神病」者集団


◆2000/05/09 声明(電気ショック)
  本人の同意なしの電気ショックをやめろ
 学会は電気ショック廃絶決議をあげろ
 
〈よみがえる電気ショック〉
 この数年来日本精神神経学会始め各学会で電気ショックを肯定した研究発表が相次いでいる。
 また私たち自身電気ショックについて相談を受ける件数が増えている。
 電気ショックを体験した仲間たちは口々のその恐怖を語り、そしてそれは精神医療への不信精神病院への恐怖の大きな原因となっている。しかし問題はこうした心的外傷だけではない。
肉体的後遺症に苦しむ仲間も存在する。大きなものは記憶障害である。数年前の学会でうつ病への電気ショック療法の発表があったときに、電気ショックのインフォームド・コンセントにおいては「一時的記憶障害がある」と説明していると発表していた医師は回答していた。しかし電気ショックにおける記憶障害は一時的なものでないことは電気ショック被害者は口々に証言している。
 例えばこの総会会場ロビーで販売している『赤い鳥を見たかーある「殺し屋」の半生』を読んでも分かるように、この作者飯田博久氏は電気ショックによるさかのぼった記憶障害に苦しみ続けている。記憶を失うことは人生の一部を失うことであり、その打撃の大きさは計り知れない。あるいは全国「精神病」者集団への手紙である電気ショック被害者はこう述べている。
「私は27年前始めて入院した病院で数回にわたり電気ショックを受けましたが、その前後の記憶がなくなっています。写真を見てかろうじて記憶をつないでいます。・・・・・・中略・・・・・・電気ショックの後の私はまるで別人のようにだらしなくぼーっとして母が私であるとは認めがたい形相になっていたそうです。ちなみに私はその時母親が面会に来たことすら記憶にありません。
 ・・・・・・中略・・・・・電気ショックを受けなければ受けないで方策は別にあります。記憶を失いなくなかったらきっぱり断って下さいお願いします」。
 電気ショックのメーカー(ソマティックス)の作った電気ショック宣伝ビデオの中ですら、電気ショックを推進しているマックス・フィンク(Max Fink)医師は「仮に記憶を失うことがあったとしても入院中の記憶をなくすだけである。入院中の記憶をなくすことは喜ぶべきことで、いずれにしろ入院期間というのは楽しい記憶ではないのだから、その記憶をなくすのはむしろ歓迎すべきことだ」と発言している。そして記憶障害が一時的でないのにも関わらず、電気ショックの「効果」は一時的なものである。
〈学会は電気ショックの強制を禁止しろ〉
 電気ショックの発祥の地イタリアでは、電気ショックに関する利益のみならず不利益そして代替手段も含めた説明を受けた上での、本人の明白で自由な同意なしの電気ショックの原則的な禁止、子ども高齢者への電気ショックの全面的禁止、妊婦への原則的な電気ショック禁止が定められた条例がピエモント州で可決された。この条例ではロボトミーも全面的に禁止されている。
 こうした電気ショックへの批判があるにもかかわらず、現在日本では精神医療の現場とりわけ精神科救急の現場では、電気ショックが本人の同意なしにあるいは保護者の同意のみで強制されている。これを正当化する法的倫理的根拠は一切ない。私たちはこうした電気ショックの強制を断じて認めるわけにはいかない。直ちに学会は本人の同意なしの電気ショックを禁止する決議をあげるべきだ。
 そして電気ショックの廃絶をめざし、学会は電気ショックの是非をめぐる討論をすぐ開始すべきである。いままでそうした討論が一切されず、電気ショックは野放しとなり私たちに強制されている。また同意のもとと言っても極めて一方的な説明がされるだけで電気ショックが強制されている。もちろん強制入院中の患者、獄中の患者に自由な同意の条件があるとは私たちは一切考えない。強制入院中、獄中にいる患者ヘの電気ショックは直ちに禁止されるべきである。
 私たちは学会に以下を要請する。
@本人の同意なしの電気ショック強制禁止を決議すること
A強制入院中、獄中の患者ヘの電気ショックを禁止する決議をあげること
B電気ショック廃絶に向け、電気ショックをめぐる議論を開始すること
 
2000年5月9日
        全国「精神病」者集団


◆2000/05/09 声明(北陽病院)
  学会は患者本人の利益に奉仕しろ
 学会は北陽病院に関する報告書を撤回しろ
 
 「北陽病院問題に関する報告書(以下報告書とする)」を一読し私たちは怒りを禁じ得ない。
何でこんなくだらない報告書のために、一人の患者が個人情報を公開され一方的に切り刻まれなければならないのか!という怒りである。私たちはこのように同胞をさらし者にされることを許すことはできない。
〈なぜ北陽病院事件が問題となるのか〉
 北陽病院に措置入院中の患者の起こした事件につき被害者側が県を訴え、1億2千万円の民事賠償の判決が出た。県側の一方的敗訴また高額な賠償金は精神医療業界に衝撃を与えた。「入院患者の事件の責任を負わせられてはたまらない」というのが精神医療業界の本音である。それゆえ「危険な入院患者は自分の病院ではなくどこか特別なところへ行ってほしい」、「違法行為を行った精神障害者に対しては特別な強制入院制度を、特別な施設を」という主張が盛んにされるようになった。また一貫して保安処分導入を主張している精神科医にとってはこの民事判決は保安処分導入を図る絶好のチャンスであった。
 だからこそ日精協はこの問題を即取り上げ、従来からの保安処分導入へのキャンペーンを強化していった。95年には日精協はマスコミへのアンケート調査という名目でマスコミへのオルグ(例えば質問項目には「殺人を犯した患者と一緒の病棟に入れられるのは不安だという訴えを他の入院患者から聞くことがありますが、このことを知っていますか」というものまで言った)を開始し、それ以降も積極的にマスコミオルグを行ってきた。それは一定程度成功し、マスコミの違法行為を行った「精神障害者」の実名報道や保安処分扇動キャンペーン(例えば98年の週刊朝日)として結実している。
 また今年4月から施行される精神保健福祉法の見直しにおいても、日精協だけでなく様々な団体が措置入院制度の強化や違法行為を行った「精神障害者」への特別な施策、施設が必要という主張をしてきた。こうした主張は民主党の海野徹議員の参院予算委員会での保安処分新設要求質問、衆参両院委員会の「重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇のあり方については、幅広い観点から検討を行うこと」という全会一致の決議に反映し、自民党では「精神保健問題小委員会」が作られ「触法精神障害者」問題につき2001年までに結論を出すというところまで来ている。そして日本精神神経学会においても昨年の保安処分推進シンポジウム(司法精神医学の現代的課題ー日本の触法精神障害者対策の在り方を巡ってー)が行われた。
 北陽病院事件はその当の本人である脱院した入院患者個人の問題から離れ、保安処分をめぐる政治的課題の(ママ)となったのだ。
〈なぜ学会は北陽病院の民事訴訟に関する報告書を出すのか〉
 報告書はこの調査を行う経緯および目的として以下述べている。「この判決は病院側の管理責任を全面的に認めたものであり、精神分裂病の医療を拘束性の高い施設内収容下で行うことを促し、開放的な精神医療を著しく後退させるものである」という理由で北陽病院院長から東北精神神経学会に日本精神神経学会で取り上げるよう要請があり、東北精神神経学会はこの要請を受け日本精神神経学会理事会に対しこの民事判決に対する学会としての声明をあげるよう要請をした。理事会は事実経過の調査が必要であるとして精神医療と法に関する委員会に調査を命じた。そして委員会は「(脱院した患者の)強盗殺人に関し、北陽病院に責任があるか否か、特に日本精神神経学会として、精神医学・医療に従事しているものの立場から検討することを目的」として調査し、この報告書が出された。
 したがって報告書は北陽病院問題の民事訴訟判決を個別事例として検討し、民事判決批判をすることになる。それゆえ患者本人の生活歴や病歴、北陽病院入院中の医療従事者による観察記録、などがつぶさに検討されることとなる。
 報告書の結論は必ずしも明確ではないが、本人に対して行われた刑務所の処遇および精神保健福祉法上の処遇も適切であり、とりわけ北陽病院の処遇および治療も適切であるとした上で、この事件に関し病院の責任を重く認定した民事判決に疑問を投げかけている。
 この報告書のきっかけとなった北陽病院院長の要請でも分かるように、入院患者が違法行為を行った場合に、病院がその責任を問われ多額の賠償金を求められるようになれば、精神病院としては自己防衛上入院患者を厳重に監禁せざるを得なくなる、という判断がこの報告書作成の動機である。そこには、医療とは何か、精神科医の任務とは何か、医者は誰のために働くのか、といった哲学は一切ない。あるのは保身とソロバン勘定だけだ。
 だからこそこの報告書は「北陽病院問題」を「北陽病院対被害者の民事訴訟問題」に矮小化し、民事訴訟の範囲内で北陽病院に責任があったか否か、を問うことしかしないのだ。
〈「北陽病院問題に関する報告書」はその目的を達成できない〉
 この報告書は二つの側面から批判することができる。一つはこの報告書の中身がその作成動機にある「この判決は病院側の管理責任を全面的に認めたものであり、精神分裂病の医療を拘束性の高い施設内収容下で行うことを促し、開放的な精神医療を著しく後退させる」ことを防ぐのに役に立つか否か、今一つはこの報告書が脱院し事件を起こした患者当人にとってどういう意味があるか、である。
 前者について報告書は、北陽病院に落ち度がなかったことを主張し、それによりこの民事判決を批判することでその目的を達成しようとしている。しかし学会が報告書を出したり声明を出すことが有効か否かの問題はさておき、報告書はその内容からいってこの目的を達成することができるとは考えられない。北陽病院は適切な医療と処遇をとっており、この事件に一切責任はない、と主張しこの賠償金は不当であると主張し、仮にそれが受け入れられたとしてどうなるだろうか(もっとも報告書自体あいまいであり明確な結論を出していないが)? 前述したように北陽病院事件は保安処分があるいは「精神障害者」の分断と厳重な監禁が必要であるという主張の根拠として利用されている現実がある。したがって保安処分を推進する者たち、あるいは入院患者のより厳重な拘禁を求める者たちの論理はこうなる。「北陽病院に落ち度がないとしたら、現行の精神病院の実態そして制度の下ではいかに適切な処遇、治療をしても事件は起こることになる。必要なのはこうした事件を防ぐ新たな制度、施設である」。
 保安処分をめぐる政治課題となった北陽病院問題は、いくら個別の民事訴訟を分析調査しても、理解し何らかの方針が出る問題ではない。事件を予測できたか否か、回避できたか否か、北陽病院に責任があるか否か、は問題の本質と一切関係ない。北陽病院問題の本質は精神医療の目的とは何か、言い換えれば、精神医療は本人の利益のためにあるのか、それとも社会防衛のため治安に奉仕するため、犯罪を防止するためにあるのか、である。そしてさらにいうなら、「精神障害者」を犯罪予備軍と想定する「精神障害者」観、報告書も触れているように「精神障害者の行為一つ一つにつき、監督すべき主体が想定され、監督が不十分であったということになれば責を問われるのである」という現状を支えている「精神障害者」観である。健常者の成人が個人として殺人事件を起こしたとき、誰も監督責任を追及されないし、本人に支払い能力がなければ被害者は民事訴訟を起こしても何ら賠償されることはないではないか。なぜ「精神障害者」だけが監督され、監督責任のあるとされるものの責任が追及されなければならないのか?
 いま学会に求められているのは、精神科医は患者本人の利益に奉仕するために精神医療を実践する、精神医療は犯罪の防止のためあるいは社会防衛のために使われてはならない、という宣言であり、明確な反保安処分の宣言である。そうでなければいかなる事件が起きいかなる民事判決が出ても、医療目的を貫徹するためには開放的処遇が必要であるという主張はできないし、入院患者の厳重な監禁をという主張に対抗することはできない。
〈「北陽病院事件に関する報告書」は撤回を〉
 報告書は脱院した患者本人にとってはどういう意味があるだろうか? まず許せないのは個人情報の開示である。たしかにこれらの個人情報(生活歴、入院歴その他)はすでに公判において開示されているものであろうし、法的には公開したところで問題ない情報かもしれない。
しかしながら精神科医が医者としてこうした個人情報を再び三度公開することには倫理的な問題がある。学会も少なくともその点を考慮したからこそ患者名を匿名にしたのだろうが、病院名事件内容が明らかな以上、誰でもこの患者名を特定できる。精神医療が患者個々人の利益のためにあり、精神科医は個々の患者の利益に奉仕するものであるなら、この脱院した患者本人にとって個人情報の開示がどういう意味を持つかが問題にされなければならない。患者本人にとっては、自分個人の利益には一切ならない調査において、自分の利益に奉仕すべき精神科医によって、さらには自分の入院していた精神病院の医者によって、自分の個人情報が再々度公にされたということになる。しかも民事訴訟の分析という性格上、自分自身の言い分は一切含まれていない個人情報であり、分析である。なぜ本人の同意も要請もなく一方的な調査をされなければならないのか? 患者本人の精神医療に対する絶望はこれによりさらに深められたといって過言でない。
 そもそも事件の時、北陽病院の主治医および医師たちは彼の救援活動を一切行わなかった。
 されには刑事法廷において主治医は彼の悪口を証言している。その証言に彼はどれだけ傷ついたことだろうか? さらに加えてこの報告書である。精神医療従事者、精神病院経営者・管理者の保身とソロバン勘定のために、なぜ「精神障害者」はこれほどなぶりものにされなければならないのか!
 私たちはもとより本人の代理人でも代弁者でもないが、私たちはこのように同胞をさらし者にされなぶりものにされることを許すことはできない。私たちは、報告書について学会が自己批判することそしてこの報告書を撤回することを求める。
 2000年5月9日
 全国「精神病」者集団
 連絡先 923ー8691
     小松郵便局私書箱28号 絆社ニュース発行所
     EーMAIL futen@mai17.dddd.ne.jp


◆2001/08/20 声明

声明
政府及び与党による「触法精神障害者」に対する特別立法立案に抗議するとともに「触法精神障害者」対策議論の中止を訴える

2001年8月20日
全国「精神病」者集団会員 長野英子
e-mail  futen@mail7.dddd.ne.jp(@→@)

☆当事者抜きの議論は誤り

 まず確認しておきたいことは、今回のいわゆる「触法精神障害者問題」が当事者抜きで議論され続けてきているということである。私自身は障害年金2級を受給中の精神障害者ではあるが、「重大な犯罪を犯した精神障害者」ではない。その意味で私も当事者ではない。いま肝心の当事者を排除した形で論議が進められ、結論さえ出されようとしている、この誤りをまず確認してほしい。

 そうである以上特別立法に反対するのみならず、いかなる対案提起もなされるべきでないことを私は主張する。当事者抜きの議論は直ちに中止されるべきである。

 しかしながら特別立法は私たち精神障害者全体への差別であり攻撃であるという側面があることと、沈黙のまま特別立法を認めるわけにいかないという緊急性ゆえ、非原則的ながらやむをえず以下批判点を述べる。

☆保安処分としての特別立法

 この6月の池田小事件以降、事件を起こした精神障害者に何らかの特別な施策、施設を、という保安処分攻撃が具体化されてきている。その中心となっている日本精神病院協会、および与党プロジェクトチームは、刑法でも精神保健福祉法でもなく特別な法律をつくり「触法精神障害者対策」を進めるとしている。内容はいまだ明確にされていないがマスコミ報道によると@重大な犯罪を犯した精神障害者につき特別の強制入院制度新設さらに地域での強制通院等の強制医療体制を新設するA新たな強制入院制度において入退院あるいは地域強制医療体制適用の判断は裁判官を入れた特別の審査機関で行うBこうした強制入院のために特別の病棟を新設する、などを骨子としている。

 まさに保安処分体制である。

精神障害者に対する保安処分とは、すでに行った行為に対する刑罰でもなく、また本人の利益のための医療でもなく、「犯罪を犯すかもしれない危険性」を要件として予防拘禁し、「危険性の除去、再犯防止」を目的として強制医療を施すことである。

 精神障害者以外はいかなる重大な犯罪を犯したとしても、「再犯の恐れ」を要件として予防拘禁されることはない。精神障害者のみが「再犯の恐れ」を要件として予防拘禁されるのは精神障害者差別にほかならない。

 現行の精神保健福祉法体制化の措置入院は、「自傷他害のおそれ」を要件としていることで明らかなように、すでに保安処分制度である。現実に措置入院となった患者の中には退院の望みなど一切持てず、20年30年と長期にわたり監禁され続けている患者が存在する(99年6月末調査では措置入院の30%あまりが20年以上の長期である。措置が解除になって医療保護入院となる場合もあるので、現実の拘禁はさらに長期化しているはずである)。健常者が受ける刑期以上の監禁が公然と行われている。

 それにもかかわらずこの措置入院に屋上屋を重ねる形で今特別立法が作られようとしている。

☆一生出られない特別病棟の新設

 いま現在の、建て前上は「本人の医療と保護」を目的とした措置入院の運用ですら、精神障害者に対する差別的予防拘禁として機能している実態を見れば、「再犯予防」を目的とした特別立法が何を生み出すかは明らかである。特別病棟への監禁の目的が「再犯防止」である以上審査機関は「社会にとって安全で再犯の恐れがない」と確認されるまでは拘禁を続けることになる。再犯が起こったときの非難を恐れ、審査機関は釈放には消極的にならざるを得ない。

 一切希望をもてず監禁され続ける特別病棟で、医療など成立しようはずがない。絶しきった人間を拘禁し管理するには徹底した抑圧と厳重な警備、そして秩序維持を目的とした強制医療(いや医療とは呼べない懲罰としての医療)が必要となる。薬漬けや電気ショックの横行が予想される。精神外科手術すら復活しかねない(精神外科手術は決して過去のものではない。少なくとも強迫性障害の「治療法」としてロンドン、ストックホルム、ボストンでは精神外科手術が復活している。イギリスでは手続きも公に定められている)。

 たとえ特別病棟を退所できたとしても、退所者には強烈な烙印が付きまとう。果たして地域での生活など可能だろうか? さらにいま議論されているように退所後も特別な監視体制下におかれるとしたら、人間らしい生活など一生奪われることになる。おそらく毎日こうした強制的な医療体制と付き合うだけの人生を押し付けられることになるだろう。
 この保安処分を決して許してはならない。

☆「触法精神障害者」という用語は医療の用語ではない

 「触法精神障害者」とは何らかの刑法に触れる行為をした精神障害者をさす言葉だ。 これは医療の言葉ではない。医療は患者本人の苦痛を取り除き病を癒すものであり、それはその患者が犯罪を犯したか否かによって対応の変わるはずのないものである。「犯罪を犯した糖尿病患者」と「犯罪を犯していない糖尿病患者」で治療内容が異なるなどということはありえない。それはたとえ「精神病」であろうと同じである。

 「精神障害者」を「触法精神障害者」と「非触法精神障害者」に分け、それによって処遇や対応を変えよう、という発想は本来医療の側から出てくるはすのないものであり、警察や検察官の「犯罪防止、再犯防止」を目的とした発想である。
精神科医はじめ医療従事者が「触法」という色眼鏡を通し患者を見るとき、すでに彼らは医療従事者の立場を捨て、警察官になるのだ。いったん「触法精神障害者」などという用語を使い、「犯罪防止」の発想を身につけた医師、医療従事者は、いま現在「触法精神障害者」とレッテルを貼られている患者だけではなく、私たち患者全員を「何をするか分からない危険な存在、犯罪防止のために管理監視しなければならない存在」という目で見ることが習慣となる。私たちはそうした人たちを医者とか医療従事者とか認めることはできない。そこに医療的な関係など成り立つはずがない。

  こうした用語自体が私たち精神障害者全員に対する差別であり、この用語が精神医療業界で使われていること自体に私は抗議する。

☆今なぜ「触法精神障害者」対策か?

 それにもかかわらず一部の精神科医は「触法精神障害者」という言葉を乱発し対策の必要性を主張する。なぜか?
法務省と厚生労働省は昨年「重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇決定及びシステムのあり方などについて」合同検討会発足させた。発足にあたっての主意書にも「精神障害者」の犯罪がとりわけ増加している事実はないことが述べられている。法務省も
厚生省もそこでは現在は国が何かしようとしているのではなく精神科医から「触法精神障害者問題」が提起されている、としている。
たしかにこの間の「触法精神障害者問題」の提起は日精協を中心として精神科医から出されてきたことは事実だ。

  日本精神病院協会は98年9月25日付で定期代議員会および定期総会声明として「触法精神障害者の処遇のあり方に現状では重大な問題があり、民間精神病院としても対応に限りがあることから、何らかの施策を求めたい。こうした問題に対して全く対応がなされない場合、止む(ママ)なく法第25条(検察官の通報)第25条の2(保護観察所の長の通報)、第26条(矯正施設の長の通報)等患者の受け入れについては、当分の間協力を見合わせることもありうる」 と恫喝した。

 また99年の精神保健福祉法見直しへの意見書の中では以下の意見が出された。 

*措置入院の解除については指定医2名で行うことにする
(国立精神療養所院長協議会、日本精神神経科診療所協会)
*措置入院の措置解除に際し、6ヶ月間の通院義務を課すことができることとする。
 (国立精神・神経センター)
*措置入院を、特別措置(触法精神障害者――犯罪を犯した者、検察官、保護観察所
の長等の通報による入院)と一般措置に分ける。特別措置については、国・都道府県
立病院及び国が特別に指定した病院に入院することとする。
 (日本精神病院協会)
*触法行為のケースの治療、措置解除時の司法の関与を明確化
 (精神医学講座担当者会議)


こうした精神医療従事者団体の要請を受け、国会においても、99年の精神保健福祉法見直し議論の中で、衆参両院の委員会は法「改正」の付帯決議として「重大な犯罪を犯した精神障害者の処遇のあり方については、幅広い観点から検討を行うこと」旨の決議をした。

 周知のごとくこの国の精神医療がさまざまな問題を抱え、いつでも誰でも、どこでも安心して受けられる精神医療にはほど遠い実態がある。それにもかかわらず、医療従事者の側から「触法精神障害者対策」にターゲットを絞った対策を論じなければならない根拠はどこも明らかにしていない。

  彼らの本音は精神病院経営上扱いやすい儲かりやすい患者以外は受け入れたくない。
入院中や退院後何らかの事件がおきて非難されたり、賠償金を請求されるのは避けたい、ということである。そのためには「厄介な患者」をどこかほかのところに追いやりたい、入退院について医療だけで判断して責任を追及されることを避け、責任をほかのところにおわせたいということになり、措置入院の入退院判断の審査機関創設やら、「触法精神障害者」向けの特別施設新設の提言となる。

  一方で現実に多くの「触法精神障害者」を引き受けている、という公立病院としても、それを根拠に予算請求して行くために何らかの制度として特別病棟の新設を要求して行くことになる。
貧しい医療費、人手不足という物理的問題を抱えてゆがんだこの国の精神医療全体を底上げすることなく、その場しのぎで特別な病棟を作れば、精神医療全体の貧しさはむしろ固定化されていくのではないか? いや87年精神保健法成立以来の精神保健予算の減額につぐ減額の状況を見れば、この貧しさは固定化されることは確実である。

☆国家の犯罪こそまず問われなければならない。

 毎年精神病院での患者虐待が告発されている。虐待を受けた本人、そして虐殺を目撃した患者の心の傷は癒しがたい。日常的に「精神科救急」の名のもとに私たちは誘拐され監禁され、身体拘束、薬漬けや電気ショックで傷つけられている。精神医療によって癒されるどころか、まず傷つけられている精神障害者があまた存在する。犯罪被害者のPTSD同様こうした精神医療の被害者のPTSDは深刻ではあるが問題にさえされていない。こうした精神医療の被害者もまた犯罪被害者である。

  退院して暮らす場所がないゆえに長期入院のままで10年20年と精神病院にとどめられている患者が10万ともそれ以上とも言われている。その中には同意など一切なく精神外科手術をされた方たちもいる。手術によって新たな障害を押し付けられた方たちである。

  戦争によるPTSDを発病した方たちは戦後もそのまま閉鎖病棟に入れられたままでなくなっている。戦争中戦争直後にかけてたくさんの精神病院入院患者が餓死した。これらは歴史的構造的に精神医療体制を作り出した国家の責任である。国家としての犯罪といわなければならない。

  いま現在も進行しているこうした精神障害者の人権侵害と虐待を許したままで、新たに「触法精神障害者」なる用語をもって、人を予防拘禁する制度を作ることなど一切認めることはできない。精神障害者もいわゆる「重大な犯罪を犯した精神障害者」も人間である。

  政府は精神病者監護法(1900年)以来百年間の国家の犯罪を償うことからすべてをはじめなければならない。「医療中断防止」「早期発見早期治療」対策を言い立てる前に精神科医そして精神医療従事者は日常的な医療行為の点検と当事者からの批判に答える作業を開始すべきである。
たとえば長期入院患者の高齢化を考えただけでも、「触法精神障害者対策」など今論じている暇など本来ない。それとも国家的犯罪の被害者である、長期入院患者が死に絶えるのをこの国は待っているのか?
 本来国がなすべきことをサボタージュし、目くらましとして「触法精神障害者」とレッテルを貼られた方たちをいけにえにすることを許してはならない。


◆2001/12/11更新 法務省厚生労働省への要請葉書の訴え(長野個人)
 法務省厚生労働省への要請葉書の訴え
                         長野英子

 連絡先 hanayumari@hotmail.com(@→@)
 923-0957 小松郵便局私書箱28号 絆社ニュース発行所
 ファクス 0761-24-1332

新聞報道によると、与党のプロジェクトチーム報告書に添った形でいわゆる「触法精神障害者」に対する特別立法が来年早々国会に提出されようとしています。私は以下の点でこの報告書を批判します。

一 「再犯のおそれ」を要件とした拘禁および保護観察下の強制医療は、明白な予防拘禁および予防的な人権制限であり、「精神障害者」にのみそうした予防的措置をとることはなんら合理性がなく、「精神障害者」差別そのものである(憲法第14条「法のもとでの平等」)。

二 対象者の収容や保護観察決定にあたっては、対象者はその病状からいって防御できる余裕があるとは考えられず、裁判もなしにまた防御権保障もなしに拘禁や保護観察下の強制医療を決定されることになり、冤罪のまま対象者とされ永久拘禁されるというおそれもありうる。重大な人権侵害である(第32条「裁判を受ける権利」、第33条「逮捕の要件」、第34条「拘留・拘禁の要件、不法拘禁に対する保障」)。

三 すでに措置入院制度によってこの報告書対象者にあたる「精神障害者」は健常者以上の長期永久ともいえる拘禁を受けている。この報告書に基づく「判定機関」も「解放したものがまた事件を起こしたら非難される」というおびえから、釈放や解除に消極的となり、対象者は永久の拘禁あるいは地域での保護観察対象となり続けることは明らかである。

四 専門治療施設の医療内容は明らかにされていないが、この対象者のみを選別し治療するする医療的医学的根拠はない。永久の拘禁下で絶望した対象者への医療は、「本人のための医療」ではなくひたすら「保安のため」「管理のため」の強制医療となり、電気ショックや薬漬けが横行し、脳外科手術すら復活しかねない惨状となることは明白である。

五 報告書は同時に「精神障害者医療および福祉の充実強化」を述べているが、保安処分を行いながらの精神医療および福祉の充実強化は、精神医療および福祉を「犯罪防止」の手段に貶めるものであり、ますます多くの仲間の不信と疑念を招き、防衛上私たちは一切の医療福祉の拒否へと追い込まれざるを得ない。

上記報告書に基づくいかなる特別立法、特別施設も作られないよう、厚生労働省および法務省へ要請葉書あるいはメールを出されるよう訴えます。文例をご参考までに書きましたが、それぞれ自由な内容で意思表示をしていただけたらと存じます。

文例

  与党「心神喪失者等の触法および精神医療に関するプロジェクトチーム」報告書にあるいわゆる「触法精神障害者」への特別立法および特別施設は、「再犯の危険性」を要件とした予防拘禁であり、医療を治安の手段とする保安処分です。私はこうした特別立法および特別施設の新設を許しません。報告書に基づく何らかの 「触法精神障害者」に対する施設新設あるいは対策立法作成をしないよう強く訴えます。


あて先

厚生労働省精神保健福祉課
〒100-8916 千代田区霞ヶ関1−2−1 
電話 03-3501-4864(直通) ファックス 03-3593-2008(直通)
電子メールアドレス www-admin@mhlw.go.jp(代表)(@→@)


法務省
〒100-8077千代田区霞ヶ関1−1−1
電話03−3580−4111(代表) ファックス 03-3592-7393(代表)
電子メールアドレス webmaster@moj.go.jp(代表)(@→@)


◆2002/07/10更新 森山真弓法務大臣、坂口力厚生大臣は直ちに辞職せよ(長野英子)

森山真弓法務大臣、坂口力厚生大臣は直ちに辞職せよ

               全国「精神病」者集団会員 長野英子

 今国会で、「心神喪失者等医療観察法案」が審議されている。この法案は「再犯のおそれ」を要件として「再犯を防止すること」を目的に、犯罪にあたる行為をし、心神喪失等で不起訴や無罪などとされた人を対象とし、予防拘禁しようとする法案である。この法案の対象とされ特別の施設に収容されれば、「再犯のおそれのなくなるまで」おそらく終生の拘禁が予想される。かつて反対運動で頓挫した刑法保安処分新設と同質の保安処分であり、手続き的にはそれ以上に問題のある法案である。
 7月5日の法案の法務厚生労働連合審査において、森山大臣および坂口大臣は到底見逃しがたい答弁を行った。
 佐藤議員は再犯予測ができるのか、といった再犯予測可能性をめぐる質問をし、100%というのはできないだろうという坂口大臣の答弁を引き出した。その流れで、佐藤議員はもしこの法案が動き出して、それによって被害が出たとしたら、それに対して大臣は責任が取るのか、と追求したところ、坂口大臣は、被害というのはどういうことか分からないとした上、この法案の対象者は重大な犯罪を犯した人であって、その人たちに治療を提供するのだから迷惑をかけるなどということはない、むね答弁した。
 一方森山大臣も、十分なケアをし、社会復帰を目指すのだから、被害というのは分からない。人権上の問題を指しているとしたら人権問題が全くないよう、人権保障は大前提としている、と答弁した。
 すなわち「再犯のおそれ」鑑定が誤り、「再犯のおそれ」のない人を処分の対象として拘禁しても、これは「医療と社会復帰を目的」としているのだから、なんら不利益を与えないのだ、という論理である。
 開き直りとしかいえない答弁である。法案対象者とされた人には人権なしという宣言である。
 この論理では法の目的さえ「医療と社会復帰」であれば、その法に基づき強制収容され、いかなる医療を施され、実りあるべき人生を奪われても、なんら被害ではない、ということになる。私たち「精神病」者には人権なし、という論理だ。 精神保健福祉法においてもその目的は「医療と保護および社会復帰」となっている。しかしながら、この国の精神病院では医療的に入院が不要でありながら、行き場がないために精神病院での暮らしを余儀なくされている人たちが7万とも10万とも言われている。その中にはかつて精神外科手術を受け、新たな障害を押し付けられ苦しんでいる仲間もいる。これらの方は高齢化し一刻も早い救済がなされなければならない方たちである。ハンセン病訴訟で語られた強制隔離による人生被害を受けた方たちである。
厚生労働大臣、法務大臣の今回の答弁によれば、法の目的が社会復帰と医療である以上、これらの方たちも一切被害を受けていないということになる。国は何もしない責任もとらないという宣言とさえ受け取れる。長期入院者の社会復帰やら精神医療福祉の充実という厚生労働省の言葉の欺瞞が今明確になった。
 人権を擁護すべき法務大臣、「精神病」者の医療福祉に責任ある厚生労働大臣として、あってはならない答弁であり、私は直ちに両大臣の辞職を求める。

 この法案廃案の闘いをになう皆様にも訴えたい。両大臣の辞職を求める手紙、ファックス、メールを集中していただきたい。

文例 
7月5日「心神喪失者等医療観察法案」の審議において坂口力厚生労働大臣および森山真弓法務大臣は、この法対象者の「再犯予測」が誤り、特別病院へ強制収容されたとしても、この法の目的が「適切な医療提供と社会復帰」であるので、その強制収容も一切被害ではないと答弁した。
 法対象者ひいては精神障害者全体には人権なし、という宣言であり到底許容できない。私は両大臣の即座の辞職を要求する。

要求先
坂口力厚生労働大臣 
 〒100-8981
千代田区永田町2−2−1 衆議院第一議員会館 617号
  ファックス 03-3508-3617 E−mail g02158@shugiin.go.jp(@→@)

森山真弓法務大臣
 〒100-8981
千代田区永田町2−2−1 衆議院第二議員会館 543号
 ファックス 03-3597-2753 


◆2007/11/10 日テレ抗議文
2007年11月10日

日本テレビ NEWS ZERO 担当者御中

 全国「精神病」者集団

 はじめまして、私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成された、全国の「精神病」者団体個人のネットワークです。
 10月11日放送new poor 新たなる貧困「うつ病で休職中の正社員 "収入ゼロ"貧困の危機」という番組での星野仙一さんのご発言について、会員より、抗議の要請がありました。
 会員が貴局担当者に伺ったところによるとこの番組の目的は以下とのこと、
・日本の社会構造の変化と実情。(正社員を減らし、派遣などを委託する企業が増えているなど)
・働く気はあるのに病気で働けない。こういった人もいるということを多くの人に理解してもらう為。
・国や行政に何か出来ないかの問いかけ。
・うつ病がどんなものかを多くの人に知ってもらうため。
 趣旨としては非常に重要かつ今求められている内容と考えます。
 
 しかしながら、星野仙一さんの「うつになったら、ペットを飼うとか、歩くとか工夫しなきゃだめだ」というご発言は、うつになったかなあと不安を感じている方あるいはうつになっている方たちへ非常に誤解を与え、むしろうつ病に関して誤った情報を与えて、人々を誤った方向へ導きかねない内容と考えます。
 うつ病の仲間にはこうしたあやまったアドバイスが周囲からされることが多く、病状の悪化を招いている例があまたあります。星野さんだけではなくて素人判断のアドバイスや励ましが、むしろうつ病者を追い込んでいるのです。たとえば「スポーツをすれば」「気分転換に旅行をしたら」「気の持ちようだよ、がんばれ」などなどです。

 私どもは貴局に対してこの星野さんのご発言に抗議すると共に、以下要請いたします。
1 星野さんの発言を訂正し誤解を招かないよう、訂正の放送を行うこと
2 うつ病に苦しむあるいはうつ病ではないかと不安を感じている人により正しい知識と支援のあり方を考える、新たな番組を作成すること
                                   以上
放送倫理・番組向上機構御中
 日ごろの番組向上へのご尽力に敬意を表します。
 さて同封のように私ども全国「精神病」者集団は日本テレビに対して抗議および要請を行いました。
 うつ病者を追い込みかねない内容ですので、ぜひ貴団体としても、この番組での星野さんの発言について調査対応していただけるようお願いいたします。


◆2008/05 検討会抗議文
2008年5月
NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会
 全国「精神病」者集団

厚生労働大臣舛添 要一 様
厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部精神・障害保健課御中

抗議および要請文

「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」のあり方について抗議します。
 4月11日に上記検討会が発足したとのことであるが、私たち精神障害者には何も知らされないままに検討会が発足し、委員名簿を見た限りでも、精神障害者団体代表の参加はありません。
 政府が昨年署名した、国連障害者権利条約においては以下条文があります。

第四条 一般的義務
3 締約国は、この条約を実施するための法令及び政策の作成及び実施に当たり、並びにその他の障害者に関する問題についての意思決定過程において、障害者(障害のある児童を含む。)を代表する団体を通じ、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させる。
第三十三条 国内における実施及び監視
3 市民社会(特に、障害者及び障害者を代表する団体)は、監視の過程に十分に関与し、かつ、参加する。

障害者権利条約に署名し、批准を国際的に約束した日本政府が、「精神保健医療福祉のあり方等」を検討するにあたり、なんら障害者団体に連絡もなく、またその代表も参加させないなどということはあってはならないことです。

 私たちは直ちに検討会のあり方そのものの見直しと再出発を要請します。


◆2008/06/01 厚生労働委員会緊急申し入れ(脳死)
厚生労働委員会「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案審査委員会」の皆様へ
 私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成された全国の「精神病」者団体・個人の連合体です。
 私どもは、医師が三徴候によって死を「確認する」のではなく、死を「判定する」こととなる、「脳死」という概念に反対し、脳死・臓器移植法そのものに反対してきました。
 「脳死」とされた方は、まさにもっとも重度の障害者といえましょう。こうした障害者の命の切捨てにつながる脳死概念を私たちは認めることはできません。
 今回さらに死を法律で定める、脳死とされ臓器を摘出される範囲の拡大、子供への脳死判定が導入される法案が作られようとしていると知り、緊急にファックスさせていただきます。
 どんなに障害が重かろうと、医療の差し控えや「死の判定」を持って命を切り捨てることをやめてください。すべての人に、そしてどんなに重い障害者であろうと生きる権利があります。

2008年6月1日

厚生労働委員会「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案審査委員会」の皆様へ  私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成された全国の「精神病」者団体・個人の連合体です。  私どもは、医師が三徴候によって死を「確認する」のではなく、死を「判定する」こととなる、「脳死」という概念に反対し、脳死・臓器移植法そのものに反対してきました。  「脳死」とされた方は、まさにもっとも重度の障害者といえましょう。こうした障害者の命の切捨てにつながる脳死概念を私たちは認めることはできません。  今回さらに死を法律で定める、脳死とされ臓器を摘出される範囲の拡大、子供への脳死判定が導入される法案が作られようとしていると知り、緊急にファックスさせていただきます。  どんなに障害が重かろうと、医療の差し控えや「死の判定」を持って命を切り捨てることをやめてください。すべての人に、そしてどんなに重い障害者であろうと生きる権利があります。 2008年6月1日  全国「精神病」者集団 164-0011 東京都中野区中央2―39―3 絆社気付 fax 03-3577-1680 電話03-5330-4170 (留守電の場合は以下携帯へ) 電話 080-1036-3685 (土日を除く14時から17時まで)                       全国「精神病」者集団

                   164-0011
東京都中野区中央2―39―3
絆社気付
fax 03-3577-1680
電話03-5330-4170
(留守電の場合は以下携帯へ)
電話 080-1036-3685
(土日を除く14時から17時まで)


◆2009/06/03 全国「精神病」者集団「声明 命に甲乙をつける臓器移植法改「正」に反対する」


◆2009/12/26 日弁連要請書
日本弁護士会連合会御中

                 全国「精神病」者集団
                  164-0011
                東京都中野区中央2―39―3
                  電話 080-1036-3685
                  e-mail  contact@jngmdp.org(@→@)

                             2009年12月26日

              要請書

 貴連合会の人権擁護に向けた日ごろのご活動に敬意を表します。
私ども全国「精神病」者集団は全国の「精神病」者個人団体の連合体であり,1974年の発足時より、刑法改悪=保安処分新設と闘ってまいりました。
ご承知のとおり、来年心神喪失者等医療観察法は5年目の見直しを迎えます。
 貴連合会は法案提出時に廃案を求め精力的に活動なさいました。私たちは日弁連のこうした活動に励まされてきました。
 私たちは以下に基づき心神喪失者等医療観察法の廃止を求めております。
なおこの問題は日弁連としては刑事法制委員会の担当となっているようですが、本来精神障害者の身体の自由侵害の人権問題として、人権擁護委員会が担当となるべき問題でもあり、かつ高齢者・障害者の権利に関する委員会、あるいは国連障害者人権条約との関係では国際人権問題委員会の課題でもあるべき問題です。
これら委員会が総合して取り組む問題であることを認識していただいた上で、これら委員会の合同の場で、かつ公開のもとに私たちと討論していただきたいと存じます。

医療観察法は廃止しかない
1 立法事実がない
法務省刑事局自身が以下述べている(「重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇決定及び処遇システムの在り方などについて」の法務省厚生労働省合同検討会での手持ちメモ)
「精神障害者の犯罪は最近特に増加しているわけではない。精神障害者を危険な存在(犯罪予備軍)と見ることは困難である。法務省の検討の結果でも精神障害者の再犯率が高いという調査結果は出ていない。『危険性の予測』については、誰が、どのようにして行うのか、またどの程度の確実性を持って可能なのか、理論的・実際的に困難な課題がある」
2 精神障害者差別立法である
  精神障害者のみを他のものとは違った手続きで身体拘束することは差別に他ならず、憲法および国連自由権規約、さらに日本政府が署名した障害者権利条約に違反している
  現在の一般的医療水準からいえば非常識な1年から1年半という入院期間の設定、さらに1割が長期化するという国側の宣言、人身の自由を奪う根拠のない鑑定入院による拘禁(たとえば東京都の社会的入院の定義は1年以上である) 
これらは精神障害者差別としか言いようがない
3 医療観察法の実態はすでに破綻している
  わかっているだけですでに13名の自殺者を出している
  鑑定入院中の「鑑定」により一気に病状悪化された例も報告されている
  収容施設の不足により、本来の「手厚い人手」も保障されない施設に対象者が拘禁されている。
4 「触法精神障害者問題」という問題はない
  本来問題にされるべきは刑事司法体制および獄中処遇の問題、と精神保健福祉医療一般の問題である。
  多額の予算を費やす医療観察法が、これらの問題解決を遠ざけ隠蔽している。


◆2010/01/30 各弁護士会への手紙
2010年1月30日

日本弁護士会 各県単位会御中
                          

                         全国「精神病」者集団
                          164-0011
                           東京都中野区中央2―39―3
                            電話 080-1036-3685
                          e-mail  contact@jngmdp.org(@→@)
前略
 日ごろの人権擁護へご献身に敬意を表します。
 さて私ども全国「精神病」者集団は昨年末同封の文書を日弁連にお送りいたしました。いまだお返事はいただいておりません。
 漏れ聞くところによると日弁連として今年見直しに向け心神喪失者等医療観察法について意見表明を準備中とのことです。
 各単位会の皆様に置かれましては、人権侵害精神障害者差別立法であり、旧政権下で日本精神病院協会からの不正献金の疑惑の中で強行採決された心神喪失者等医療観察法の廃止に向け意見表明されることを切にお願いいたします。
                              
草々

(同封)
本弁護士会連合会御中

                 全国「精神病」者集団
                  164-0011
                東京都中野区中央2―39―3
                  電話 080-1036-3685
                  e-mail  contact@jngmdp.org(@→@)
                  
                2009年12月26日


◆2010/03/13 緊急要請書
  2010年3月13日
                      全国「精神病」者集団
                        164-0011
東京都中野区中央2―39―3
                        電話 080-1036-3685
                        fax  03-5942-7626
                        e-mail contact@jngmdp.org(@→@)

総理大臣 鳩山由紀夫様
総務大臣 原口一博様
厚生労働大臣 長妻昭様
法務大臣 千葉景子様
内閣府特命担当大臣 福島みずほ様
国家戦略担当大臣 仙石由人様

前略
 日ごろの障害者の人権および福祉に関するご尽力に敬意を表します
 私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成した全国の「精神病」者団体・個人の連合体です。
 私どもは結成以来刑法改悪=保安処分新設に反対してまいりましたが、2001年以来いわゆる触法精神障害者に特化した法律に反対し、心神喪失者等医療観察法に反対してまいりました。法施行後も廃止を求めて活動を継続しています。
 何より、心神喪失者等医療観察法はできもしない再犯予測を根拠に他の者とは違った手続きで精神障害者を不定期に予防拘禁したり、あるいは地域で監視管理したり、強制的に医療を命ずる法律であり、精神障害者差別立法です。
 こうした差別立法は日本政府が署名した障害者権利条約の下では許されません。
 この法律は小泉政権下で全野党反対のもとで強行採決されたものであり、私たち精神障害者のみならず、多くの精神保健専門職、法律家、市民の反対があった中で施行が強行され、それゆえいまだ通院指定施設も入院指定施設も不足している実態があります。またわかっているだけで14名の対象者が自殺しています。
 こうした施設不足を取り繕うために政府は省令を持って、法の定めた基準を下回る一般の精神科病院にまで対象者が収容している実態があり、すでに政府が掲げた手厚い医療と社会復帰の掛け声は破綻し、法自体の矛盾が白日の下にさらされています。 
さらに国立精神・神経センター(小平市)が4月より、非公務員型の独立行政法人となり、心神喪失者等医療観察法では新たな病棟を認めることはできない事態を迎えようとしています。しかし政府は新たな病棟を国立精神・神経センターに作り、全国から対象者のうち合併症のある方を集めようとしています。
 3月12日に私どもの参加しております、「心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな!ネットワーク」が法務省・厚生労働省からのレクチャーを受けました。
厚生労働省の説明によると、「高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律」の政令を持って、小平の精神・神経センターを国立と同様に扱うということとして、現国立精神・神経センターに開棟されようとする心神喪失者等医療観察法施設の第9病棟(合併症病棟)を合法化するとしています。
心神喪失者等医療観察法では付則において施行5年目の7月以降に国会へ運用実態を報告するとしていますが、12日のレクチャーの席上で、厚生労働省は7月以降いつ報告するのかは、2010年度内にするかも含め未確定、報告内容についてもまったく白紙と言明しました。
私たちは以下の理由により、こうした政令が作られないよう緊急に要請いたします。
まず何より、心神喪失者等医療観察法の運用実態も明らかにされないままに政府が政令を新たに設け小平の精神・神経センターに新病棟を作ることは許されません。まず運用実態を明らかにした上で、政府としての心神喪失者等医療観察法の存否も含め検討がなされるべきです。
さらに合併症病棟は医療上も以下問題点があります。
1 全国ひとつの合併症病棟に遠距離から病人を移動させることは負担が大きく反医療といえる
2 心神喪失者等医療観察法下では鑑定入院・入院医療・通院医療と分断されており医療上問題とされているうえに、さらに合併症ゆえに医療が分断され地域から切り離されることになる
3 心神喪失者等医療観察法対象者以外の精神障害者も合併症の際に医療を受けることが困難であり、治療拒否も全国で頻発しているが、心神喪失者等医療観察法でこうした合併症病棟を作ることはこうした実態に悪しき前例を作り、すべての精神障害者の医療保障に重大な悪影響を及ぼす

 政府として即座に心神喪失者等医療観察法の実態把握と報告を国会に行うとともに、心神喪失者等医療観察法の廃止と障害者権利条約の完全履行に向けた改革に力を注がれるよう強く要請します

  草々


◆2010/03/30 要請書
障がい者制度改革推進本部
本部長  鳩山由紀夫 殿
障がい者制度改革推進本部
室 長  東 俊裕  殿


要請書

               全国「精神病」者集団   2010年3月30日
                 東京都中野区中央2―39―3 (〒164-0011)
 電話 080-1036-3685
 fax  03-5942-7626
 e-mail contact@jngmdp.org(@→@)


冠 省
 日ごろの障害者の総合的施策に関するご尽力に敬意を表します
 私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成した全国の「精神病」者団体・個人の連合体です。障がい者制度改革推進会議では、関口明彦を構成員として出しています。
平成21年12月15日に閣議決定された、障がい者制度改革推進本部の設置と障がい者制度改革推進会議の開催は、障害者権利条約第4条第2項に規定された障害者団体の過程から決定までの参画を担保する画期的な制度であると実感しております。
 さて、「障がい者制度改革推進会議の開催について」(平成21年12月15日障がい者制度改革推進本部長決定)の5には、部会の設定ができることとなっています。漏れ聞いた話しによれば、この部会の一つとして、精神障害に特化した部会を設定する動きがあるとのことですが、これらの動きが本当にあるならば、私どもは、以下の理由から強く反対します。

1.障害者政策を一本化して障害者権利条約の下で整合性を図るという目的に反する。
2.障害者権利条約策定過程でWNUSPは、精神障害者に特別の条項を設けさせないために活動した経緯がある。
3.特別条項が作られれば、強制の合理化につながる可能性がある。
4.精神障害者を他の障害者と分断する政策の合理化につながる。
5.精神障害者に特化した法制度が、伝統的に精神障害者にとって不利益なものとなってきた歴史的事実がある。
6.「精神障害者に特化した問題」という事実そのものがない。社会的入院患者の地域移行も、身体障害者、知的障害者ともに1960年代から施設化が進み、同様の事態を生んでいることから、同じテーブルで議論しなければならない。

 上記のことから、そうした部会を作らないでいただきたく、お願い申し上げます。

以 上  


◆抗議・要請文
日本弁護士連合会
会長  宇都宮 健児 様

抗議・要請文

 全国「精神病」者集団 2010年3月30日 
  東京都中野区中央2―39―3 (〒164-0011) 
 電話 080-1036-3685 
 fax  03-5942-7626 
 e-mail contact@jngmdp.org(@→@)

冠 省
 私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成した全国の「精神病」者団体・個人の連合体です。私どもは、1974年から刑法改悪=保安処分新設を、閉じ込められる側の「精神病」者の立場から反対してまいりました。2001年以降は、いわゆる触法精神障害者に特化した法律に、心神喪失者等医療観察法に反対してまいりました。法施行後も廃止を求めて活動を継続しています。
 さて、3月18日・19日の日本弁護士連合会理事会で決議された、「精神医療の改善と医療観察法の見直しに関する意見書」を読みました。理事会及び意見書は、日弁連の会長選挙・会長就任を目前に控えて、急遽、進められたものと聞いております。また、理事会でも反対派の声が多数上がっていたにも関わらず、議論よりも結論を急いだ決議であったと、漏れ聞いております。
 意見書は、明らかに医療観察法の改正を旨とするものでした。これは、医療観察法のひとまずの存続を肯定するものであり、医療観察法反対というこれまでの日弁連の姿勢を大きく覆したものです。
 われわれは、弁護士がときとして国家権力や資本を相手取って戦うことや日弁連が国家から独立した弁護士組織であることから、国益や私益のために弱者を切り捨てるようなことをしないものと信じていました。
 医療観察法は、日弁連も認めてきたとおり、われわれ「精神病」者に対する国家からの保安処分攻撃の一形態です。非科学的な再犯可能性を根拠に、他の者と異なる手続きによって精神障害者を不定期予防拘禁し、あるいは地域で監視管理するといった、強制医療を命ずるのです。そして、「精神病」者はその犠牲となります。そのため、日弁連から医療観察法の存続を肯定するような意見書が出されたことに、大変、憤慨しております。
 われわれは、日弁連が出した「精神医療の改善と医療観察法の見直しに関する意見書」を、断じて許すことはできません。よって、ここに、強く抗議するとともに、以下の箇条書きを要請します。
1.精神医療の改善と医療観察法の見直しに関する意見書の白紙撤回
2.なお心神喪失者等医療観察法の問題は日弁連としては刑事法制委員会の担当となっているようですが、本来精神障害者の身体の自由侵害の人権問題として、人権擁護委員会が担当となるべき問題でもあり、かつ高齢者・障害者の権利に関する委員会、あるいは国連
障害者人権条約との関係では国際人権問題委員会の課題でもあるべき問題です。
 これら委員会が総合して取り組む問題であることを認識していただいた上で、これら委員会の合同の場で、かつ公開のもとに私たちと討論していただきたいと存じます。

 以 上


◆2010/04/06 抗議文

総理大臣 鳩山由紀夫様
総務大臣 原口一博様
厚生労働大臣 長妻昭様
法務大臣 千葉景子様
内閣府特命担当大臣 福島みずほ様
国家戦略担当大臣 仙石由人様

             全国「精神病」者集団   2010年4月6日                     
                    東京都中野区中央2―39―3 (〒164-0011)
                              電話 080-1036-3685
                               fax  03-5942-7626
                           e-mail contact@jngmdp.org(@→@)

 日ごろの障害者の人権および福祉に関するご尽力に敬意を表します。
 私ども全国「精神病」者集団は1974年に結成した全国の「精神病」者団体・個人の連合体です。
 私どもは、再犯予測という非科学的な根拠を持ち出し、精神障害者を他の者と異なる手続きで不定期拘禁を可能とする医療観察法を反対してまいりました。
 さて、鳩山政権は、 3月19日、高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律施行令(政令41号)が閣議決定されました。耳慣れない法律だが、要は、国立精神・神経センターが4月1日から非公務員型独立法人に移行することで「このままでは、医療観察法で入所させられなくなる」(厚労省)事態を回避するために、「センター全体を国とみなす」政令で取り繕うというものです。
 医療観察法16条は、「国、都道府県又は特定独立行政法人が開設する病院」以外は指定入院医療機関にできないと規定しています。「特定独立行政法人」とは「その役員及び職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められるもの」であり、国立精神・神経センターが、国立のままか、公務員型の独立行政法人であるかどちらかでないと、指定入院医療機関としての指定を受けられないのです。しかし、国立精神・神経センターは4月1日から非公務員型独立行政法人になるので、医療観察法第16条を満たせなくなり、新たに開棟する第9病棟(合併症中心)は、法律上も、厚労省令上も違法となります。そこで、このほころびを繕おうというのが政令第41号です。
 医療観察法入院施設は、法にその設置基準が定められているにも関わらず、自公政権は厚労省令で「みなし」改悪を繰り返してきました。政令による弥縫策は今回で3回目となります。しかし、法の趣旨や規定を政令や省令で変えることはできないはずであり、このような内閣・官僚の独断専行を認めれば、立法府の権威は地に落ちざるをえません。政令41号は、決して、施設の認定に関する「手続き」的な問題ではないのです。
医療観察法16条の趣旨は、医療観察法の「入院処遇」「医療」は権力行使・強制であるがゆえに公務員が当たるということにあります。しかし、この間の厚労省令、そして今回の政令は、医療観察法の「医療」を非公務員が行うことを可能にし、更なる改悪に道を開くものです。他方、医療観察法の対象者が次々と自殺している実態があり、こういった問題を深刻化させる結果にもなりえます。政令による法の実質的な改悪などという違法かつ越権的な行為を絶対に許すべきではありません。

 鳩山政権は、なぜこうした異常事態になったかの究明をふくめ、実態の調査を開始する責任がある筈です。すなわち、
@年間235億円もの莫大な予算を投入しながら、このような弥縫策をとらなければならない原因を明確にすべきである。地域住民や自治体が施設建設に反発するのは、精神障害者危険論に基づいて医療観察法が作られ、事実、重警備の施設建設によって差別的なキャンペーンを行っているからではないのか。
A非公務員型独立行政法人化することとで国立精神・神経センター新病棟に法律上の問題が生じることは、自公政権当時からわかっていたはずだが、何らの手当てもしていない。現政権は医療観察法に反対してきたのに、なぜその責任も追及せず、パブリックコメントを実施することもなく、官僚の言いなりになって問題を糊塗する方策をとるのか。
B5年間の施行状況が7月以降に国会報告されることになっているのに、その確認もせずに、障害者権利条約の精神に違反すると指摘される医療観察法を追認するような政令をなぜ決定したのか。
C全国ひとつの合併症病棟に遠距離から病人を移動させることは負担が大きく反医療といえるのか
D心神喪失者等医療観察法下では鑑定入院・入院医療・通院医療と分断されており医療上問題とされているうえに、さらに合併症ゆえに医療が分断され地域から切り離されることになるのではないか。
E心神喪失者等医療観察法対象者以外の精神障害者も合併症の際に医療を受けることが困難であり、治療拒否も全国で頻発しているが、心神喪失者等医療観察法でこうした合併症病棟を作ることはこうした実態に悪しき前例を作り、すべての精神障害者の医療保障に重大な悪影響を及ぼす恐れがないか。

 私たちは怒りを禁じえない。鳩山政権は、悪法の彌縫策を直ちにやめ、精神障害者を差別し拘禁する医療観察法は廃止すべきである。
  以 上  


*作成:桐原 尚之
UP: 20100410 REV: 20100411, 0626, 1204, 20110315, 0602, 0818, 20200727
全国「精神病」者集団  ◇組織
TOP HOME (http://www.arsvi.com)