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優生思想を問うネットワーク 2003-2005

優生思想を問うネットワーク

last update: 20160629


◆優生思想を問うネットワーク 編 20030220 『知っていますか?出生前診断一問一答』
 解放出版社,105p. \1000
 http://kaihou-s.com/book_data/8243.htm

* 優生思想を問うネットワークより 2003/02/14

いつもお世話になります。

私たち、優生思想を問うネットワークは、このたび、「知っていますか?出生前診断
一問一答」という本を解放出版社より出版いたしました。

優生保護法の時代から、また母体保護法改訂問題においても、出生前診断の問題は女
性と障害者にとって常に大きく立ち現れてきました。現在では受精卵の遺伝子診断な
ど新たな技術の開発と使用が進められ、出生前診断に対する一般市民の関心も大きく
なってきています。
にもかかわらず、技術が進めば進むほど、出生前診断は一般の市民感覚からすれば難
しく、わかりにくくなってきているというのも事実です。

この本では、出生前診断とは何かということを、様々な側面からできるだけわかりや
すく解きほぐしています。

ぜひ多くの方に読んでいただきますようお願いいたします。

なお、この本の出版を記念して、ささやかな集まりを持つことにいたしました。
こちらにもご参加くださいますようお願いいたします。

とき:3月15日(土)6時半から9時半
ところ:ドーンセンター(地下鉄、京阪天満橋下車)
参加費:2000円(「知っていますか?出生前診断一問一答」1冊と飲み物、軽食
付き)

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優生思想を問うネットワーク
事務局 中野冬美
大阪市城東区東中浜2−10−13
緑橋グリーンハイツ1Fアド企画気付
tel/fax 06-6965-7399
yunet@cat.zero.ad.jp
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◆20030719

優生思想を問うネットワーク2003年度連続講座

シリーズ有事法制と私たちのからだ 第1回
〜私たちの遺伝子・組織が産業資源になるということ〜

講師:福本英子さん(DNA問題研究会)
日時:7月19日(土) 午後1時半〜4時半
場所:ドーンセンター(06-6910-8500)4階大会議室1
参加費:1000円(資料代込み)


 アレヨアレヨというまに、戦時のための法体制、有事三法が成立してしまいました。「いつでも戦争ができる体制」、しかも、自衛のための戦争ではなく侵略のための戦争、つまり金儲けのための戦争体制が整ったのです。その裏で、着々と進んでいるのが、「お国のための国民作り」です。
 愛国心を盛り込んだ教育基本法改定の動きを始め、昨年制定された健康増進法では、国民の責務として「生涯にわたる健康」が明記されています。また、少子化を「日本民族滅亡の危機」と位置づけ、今国会で成立がもくろまれている少子化対策基本法では、「家庭や子育てに夢を持つ」ことが国民の責務として掲げられ、不妊の人には、生殖補助医療を使ってでも子を産むようすすめられいます。心もからだも国力の増強のために捧げる体制が、少しずつ作られてきているといえるのではないでしょうか。これは、人資源化への動きと無縁ではありません。
 というわけで、ネットワークの今年度講座のテーマは、「有事法制と私たちのからだシリーズ」です。

 今春、市民の不安や疑問・抗議の声をよそに、京都大学再生医科学研究所で受精卵から国内初のヒトES細胞(胚性幹細胞)が作成された。各マスコミは、あらゆる細胞や臓器を修復できる再生医療に弾みがつく、産業の活性化にもつながると嬉々として伝えた。だが、多くの胚を壊して研究材料として使うこと、あるいは壊した胚を原料として用いて、皮膚や血管や細胞といった医療製品を大量生産することを私たちは本当に望むのだろうか。
 また、ヒトゲノムの解読完了をうけて、個々の遺伝子の機能や構造、それぞれの遺伝子から作られるタンパク質の解析にむけて激しい競争が始まっている。これらは、直接膨大な利益に結び付く。そこで、いよいよ「ゲノムの宝探し」が本格化するとばかりに、ゲノム創薬を目指せだの、新たな遺伝子診断産業やIT産業も動員したオーダーメイド医療のはじまりだのとにぎにぎしい。

 だが、この「宝探し」の材料として使われるのも、私たち市民の膨大な個人情報と血液と遺伝情報だ。今、多くの市民から臨床情報や生活歴といった様々な個人情報とともに血液や組織を収集し、これを解析して得られる遺伝情報とともに保存する巨大な遺伝子バンク作りが政府の肝入りで始まっている。保存した試料や遺伝情報を企業や研究機関に配布して、効率的に宝探しを行い、高い国際競争力を持つ産業分野を育成し、経済の活力を回復させようというのだ。遺伝子情報まるごと産業資源に使われるというのも承諾しがたいが、一カ所に集められた遺伝情報が何らかのかたちで漏洩して管理に使われたり、差別を引き起こすのではと心配はつのる。

 福本英子さんは、昨年、「人・資源化への危険な坂道ーヒトゲノム解析・クローン・ES細胞・遺伝子治療」(現代書館)を上梓された。そのあとがきで「豊かさを失わず、際限もなく病気やケガが治ってもっと長生きするために「ヒト」になるのか、それを拒否して「人」であり続けるのか。もう、態度を決めなくてはならないところに来ているのだと思う。言い換えれば歴史のパラドックスに踏み迷って人・資源化の『破滅の坂道』を転げ落ちるのか、そうならないために今から骨の折れる軌道修正をするのか、どっちを取るのかということである。」と述べておられる。その福本さんをお迎えして、現在の状況と問題点について語っていただく。

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優生思想を問うネットワーク
事務局 中野冬美
大阪市城東区東中浜2−10−13
緑橋グリーンハイツ1Fアド企画気付
tel/fax 06-6965-7399
yunet@cat.zero.ad.jp
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◆20030923

 *優生思想を問うネットワークより

優生思想を問うネットワーク 2003年度連続講座
シリーズ 有事法制と私たちのからだ 第2回
健康増進法と有事法制
講師 山田真さん(小児科医師)
日時 9月23日(祝) 午後1時半〜
場所 アピオ大阪 307号室 TEL 06-6941-6332


レヨ、アレヨという間に、有事三法に続いてイラク復興支援特別措置法も成立してし
まいました。まわりの日常風景は、あいかわらず賑やかなモノがあふれ「平和」に見
えているけれども、いつでも戦争のできる体制、しかも自衛のための戦争ではなく侵
略のための戦争にむけて、着々と準備が整えられています。
 それと平行して、様々な分野で管理システムの強化がもくろまれ、心も体も「お国
のため」に捧げる体制が作られようとしています。
 その一つが、健康増進法です。
 昨年8月に制定され、今年5月から施行されたこの法律では、「国民は、健康な生
活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚
するとともに、健康の増進に努めなければならない」(第2条)と定められ、「健康
であること」は国民の責務であるとしています。そして、健康寿命(ナント、痴呆や
寝たきりにならないで生きる期間だそうな!?)を延ばすために、国や地方自治体が
定めた数々の目標値に向けて生活習慣を改善し、必ず健康診査をうけることなどが勧
められています。さらには、健康手帳の交付や、全国的な国民健康調査の実施、がん
や生活習慣病についての研究・調査の実施も定められるなど、個人のからだ情報の管
理も進められています。       
 まるで、病気や障害をもって生きることは社会の迷惑であり、個人の不健康はその
人の責任であるかのようです。                       
 山田真さんは、これまでも、小児科医の立場から、子どもの健康診断のありように
疑問を投げかけ、生き方を管理する手段として使われる医療や「健康」神話にひそむ
問題点等をするどく指摘してこられました。国をあげて戦争への道を歩み始めた今、
健康増進法の持つ意味とはたす役割について、さらには、この流れに抗するために、
私達自身が「からだ」や「健康」をどのようにとらえるか等について、熱く語ってい
ただきます。


 
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◆20040926

■上映&トーク

『忘れてほしゅうない―隠されてきた強制不妊手術』 京都上映
(2004年/日本/ビデオ/24分/全編日本語字幕付き)
 制作・著作 優生思想を問うネットワーク

あなたは こんな事実があったことを ご存じですか?

日時:2004年9月26日(日)
   午後1時30分〜
場所:ウイングス京都 2Fセミナー室A・B
     案内:http://wings-kyoto.jp/www/facilities/access.html
     中京区東洞院通六角下がる
     地下鉄「烏丸御池」駅、または
     地下鉄「四条」駅・阪急「烏丸」駅から徒歩5分
     会場TEL:075−212−7470
参加費:資料代1000円
ゲスト:佐々木千津子さんのお話があります。

主催・問い合わせ:優生思想を問うネットワーク(下記)

<作品紹介>
VHSビデオ:24分(全編字幕付き)
制作・著作:優生思想を問うネットワーク
連絡先:  大阪市城東区東中浜2−10−13
      緑橋グリーンハイツ1F アド企画内
      TEL/FAX:06−6965−7399
      Eメール:yunet@cat.zero.ad.jp
制作:ビデオ工房AKAME
ビデオ販売価格:上映権付き価格 15750円 個人価格 5250円 送料 500円

◆解説 (下記サイトを参照)
http://www.sky.sannet.ne.jp/paupau/kpc/cine_2004_07_04-01.html

佐々木千津子さんは、脳性マヒの女性です。
20才の時に、「痛くもかゆくもない手術」だと言われて
卵巣に放射線照射され、不妊になりました。
障害への差別と偏見によって、お姉さんの縁談が壊れたことをきっかけに、
家を出ようと決意したものの、その当時行くところは施設しかありませんでした。
ところが、月経の始末が自分で出来ないものは入所出来ないと告げられ、
いやおうなく手術を受けることになったのです。
それまで、学校にも行けずにいた佐々木さんは、この手術によって
子どもが産めなくなるとは夢にも思わなかったといいます。
30年以上たった今も、若い時に受けた放射線照射のことが心から離れず、
精神的・肉体的な痛みや苦しみを抱えて暮らしています。

なぜ、こんなことが行われたのでしょうか。
日本には、つい最近まで(1996年)、優生保護法という法律がありました。
これは、「不良な子孫の出生を防止する」という目的で作られた法律で、
「不良」とされた障害者が生まれてこないように、
障害者や病者に子どもを作らせないようにする法律でした。
これに基づいて、障害者やハンセン病患者に対して、
強制的に不妊手術が行われてきたのです。

しかし、こういった事実は、長い間隠されてきました。

このビデオは、広島で自立生活を作り上げてきた佐々木さんの日常と、
強制不妊手術の解明に向かって活動する彼女の姿を追いながら、
もう一人の当事者、飯塚淳子さんへのインタビューを織り混ぜ、
この問題の本質に迫っていきます。

重いテーマですが、佐々木さんの愉快な人柄がにじみでて、思わず頬がゆるみ
ます。ご覧になれば、元気が出ること間違いなし。ぜひ、ご覧ください。
(抜粋・一部編集)


 
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◆20050724

優生思想を問うネットワーク2005年度講座第1回
「放射線照射による不妊化」問題を考える

講師 真野京子さん(種智院大学非常勤講師)
日時 7月24日(日)
   午後1時半から4時半
場所 アピオ大阪(地図はこちら)

 日本では、1996年まで存続した優生保護法のもと、「障害」や遺伝性疾患をもつ人に対して強制的な不妊手術が行われてきました。さらには法の枠もこえる形で、女性障害者に対する子宮摘出や卵巣への放射線照射も、暗黙のうちに数多く実施されました。しかしながら、優生保護法から差別的な条項を削除して「母体保護法」へと名称が変えられた際にも、これら強制不妊手術の実態調査・検証さえされず、被害者への謝罪や補償も行われていません。「優生思想を問うネットワーク」では、昨年、被害当事者の佐々木千津子さんとともに、ビデオ「忘れてほしゅうないー隠されてきた強制不妊手術」(24分、全編字幕付き)を制作し、全国あちこちで上映活動を行ってきました。
 今回、千津子さんの証言に触発されて、放射線による不妊化について調査・研究された真野京子さんに、お話しを伺います。
 ビデオ「忘れてほしゅうない」も上映します。見逃した方は、この機会にぜひどうぞ。

《真野京子さんのメッセージ》

 私は1996年に初めて佐々木千津子さんの話を聞きました。「人に害を与え
る放射線、ましてそれを障害者の不妊手術に使うなんて二重の罪だ」と彼女
の話は深く心に刻まれました。それから何度か佐々木さんの話を聞くうち、
その痛みを受け止めようと、医学文献を調べはじめました。最初の頃はデー
タベースを検索しても、書誌を調べてもなかなか見つからず、半ば諦めかけ
ていました。

 ところが、ある日、「レントゲン去勢」という言葉が私の目に飛び込んで
きました。1920年代の医学雑誌には、多くの論文が掲載されていることを確
認し、論文の題名と中身を書きとめていきました。現在では「去勢」という
言葉そのものが使われているものだけでも40本近くの論文が書かれているこ
とがわかっています。X線だけでなく、ラジウムも多く使われ、月経困難や
月経異常など、有効ではない症状にも放射線照射は多用されていました。

 1930年代に入ると一般書にも「安全」で、「確実」な避妊法として放射線
照射は推奨され、人工流産などにも応用されました。しかし、効果が不確実
なこと、様々な副作用が出ることなどから、定着はしませんでした。優生保
護法でも禁止され、1970年代には「任意であれ、強制であれ、放射線照射に
よる不妊化は行ってはならない」と認識されるようになりました。

 その実施件数やいつまで行われたのかは、まだ調査できていません。佐々
木さんを中心に、放射線照射により不妊化された方を探しています。当日は
まず、ビデオを上映し、「放射線照射による不妊化」の背後にある社会史や
生殖医療の歴史を踏まえて、珍しい写真をお見せしながら、お話しします。
皆さんのお智恵をお借りし、現代に続くこの問題を考えてみたいと思ってお
ります。
真野京子

★「忘れてほしゅうない―隠されてきた強制不妊手術」も上映いたし
ます。見逃した万ばこの機会に是非どうぞ(佐々木さんの映画です)


REV:......20021231,..20030716,0918 2004 20050707 20060121(ファイル分割), 20160629
優生(学) (eugenics)  ◇優生保護法 (Eugenics Protction Law, Japan 1948)  ◇組織
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