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ワーカーズ・コレクティブ回転木馬


last update: 20160629


■ワーカーズ・コレクティブ回転木馬

※池田佳鈴 19960229 「ワーカーズ・コレクティブ──主婦たちの新しい働き場所」
 (千葉大学文学部社会学研究室『NPOが変える!? ─非営利組織の社会学』,第9章)より

 回転木馬は佐倉市中志津の,交通量の多い道路沿いに建てられた,プレハブの建物とその回りで営業している。ここはリサイクルの店で,家具に始まって洋服,食器,電化製品などいろいろなものが所狭しと並べられている。
 開業は1986年1月で,当初はユーカリが丘に店舗があった。7人が20万円ずつ出し合い,軽トラックを買って仕事を始めた。現在では,リサイクルという言葉は大変身近なものとなっているが,開業当時はまだ今ほど騒がれていなかったそうだ。後に今の場所に移転。土地はただで貸してもらっている(生活クラブ生協の組合員の関係者が持ち主で,持ち主が使うことになったら立ち退くという約束になっている)のだが,店を出すのに 300万近くかかり,その時にも出資しあってお金を出した。1988年4月には佐倉市宮前に惣材と地場野菜の店「麦」も開設している。
 生活クラブ生協佐倉支部の結成に関わって活動してきた7人で始められた。この支部委員会活動の中で,学校給食で合成洗剤を使わず石けんを使ってほしいという請願を出したのだが,全く相手にされず,これは,議会に自分達で議員を出していくという「代理人運動」★05にもつながっていく。ワーカーズ・コレクティブ結成は支部委員会で活動していた時から生活クラブ生協から提唱されていたが,活動自体は生活クラブ生協からは離れた独立したものとしてやっていこうと考えた。廃油のリサイクルを基本にリサイクルショップでやっていこうというメンバーからの提案で,ワーカーズ・コレクティブの設立準備が始まる。ガレージセールから始め,拾ってきた粗大ゴミのリサイクル(以前から行政にリサイクルを提案していたのだが動いてくれなかった)を行い,廃油を回収して「手賀沼石けん共有者の会」が建てた「手賀沼石けん工場」にもっていく仕事を請け負い,石けんを販売,といったかたちで事業を行っていった。(以上の経緯については中村[1995])
 当初のメンバーから代理人(議員)を3人出しており,引っ越していった人もいるので,人数が減り,現在のメンバーは4人。この中でも1人が市議会議員になっているので,実質的に働いているのは3人。今はアルバイトの人も頼んで(時給 650円)なんとかやっているという状態。メンバーを募集中。アルバイトの人もできればメンバーになってほしい。けれども,「一般にパートに出て働こうとする奥さんたちには,自分で出資して働くっていう自覚ってそんなにないんですよね,やっぱり雇われて働くっていうことに慣れてますから。「ああそうなんですか。うちはおじいちゃんいるからね,この時間からこの時間までだったらいいと思ったんだけど」,やっぱりどうしてもそういう感じになっちゃってね,メンバーとしてやっていくっていうのはなかなか成立しなくて。」
 販売形態は,委託販売という形式をとっており,これは一般の人が持ち寄った品物を預かり,1ヵ月以内に売れた場合はその売上の7割を支払い,残り3割が収益といった具合で,もし1ヵ月以内に売れなかった場合は,寄付もしくは廃棄となる。だから店の中に置かれた品物にはすべての値段のほかに,もってきた人の名前と日付が入っている。わたしが訪れたときには,平日にもかかわらず,かなりの人が入れかわり立ちかわり店にやって来て,品物を預けていったり買ったりしていた。定休日は月曜日と火曜日,土日はやはりかきいれどきなので,営業しているそうだ。また定休日もゆっくり休む暇なく,ビラをまいたり,雑務に追われるそうである。…(以下略)…


REV: 20160629
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