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障害者自立支援NPO法人スペースつどい




厚労省殿

障害者自立支援NPO法人スペースつどい理事長小山正義
2002

「支援費制度」のもとでの「自薦方式ヘルパー」の取り扱いについての質問と要望

 現行「措置制度」の下では、全国多くの自治体で、「全身性派遣事業」(身
体「障害者」対象)が独自に制度化され、また、「ヘルパー制度」の中で「自
薦登録ヘルパー」(知的「障害者」等も含む)方式が取り入れられております。
このような『自薦方式』は『自立』「障害者」にとって、また、一歩づつ『自
立』を目指す「障害者」にとって、大変大きな位置を占めております。これな
くして自立生活は成り立たないといっても過言ではありません。現行の制度の
中で、委託事業者から派遣されるヘルパーはあまりにも量的に少なく、同姓介
助も保障されず(特に男性ヘルパーが皆無に近く)しかも『身体介護』、『家
事』、と分けられ、『外出』など保障されないに等しい現実があるからです。
『家事ヘルパー』のときはお手洗いもできません。「障害者」の介助は、生活
全体をトータルに支えるものでなければ意味を成しません。このような現行の
仕組みを補い、それに変わり生活全体を介助することができる仕組みとして、
『自薦登録方式』が制度化されてきたのです。
 このような仕組みが各地で取り入れられるようになったのには、次のような
歴史的経過があります。
 1970年代初頭、生活全体に介助が必要な「障害者」のなかで、「あたりまえ
の生活がしたい」と、差別的な処遇に抗議し施設を出、また家族の元から町の
中へ飛び出した人たちがいました。しかし、その生活を保障する介助制度はまっ
たく皆無という状態でした。そのような状況の中で『独力』で介助を見つけ、
関係を作り日々の生活を切り開いていったのです。文字どおり生死をかけた闘
いでした。
 一方で、そうした介助者を『公的介助者』として認めさせ『自薦登録介助者』
として介助料を支給する制度を自治体に対して要求し、作らせていったのです。
1973年に始まった、東京都の『重度脳性まひ者等介護人派遣事業』が、その最
初だとおもわれます。その後、各地の「障害者」の粘り強い運動によって全国
の都市部を中心にした自治体に一定の広がりを見せてきました。そしてこのよ
うな『自薦登録方式』は、全国の「障害者」の運動となり国レベルでも認めら
れることとなりました。1994年、『厚生省』は、この件で始めて全国の自治体
に指示を出し、翌95年には、『「障害者」の特性に対する理解や利用者との間
におけるコミュニケーションを必要とすることから、過去において「障害者」
の介護経験を有するものの活用も積極的に図ること』という『指示』を出しま
した。これが国制度=ヘルパー制度の中の『「自薦登録ヘルパー」です(各自
治体によって『ガイドヘルパー制度』の中に取り入れたりさまざまですが、対
象者は、『知的「障害者」』も含まれています)。現在   の自治体で取り
入れられています。(大きな都市部に限られたものではありますが)
 現在に至っても貧困な公的ヘルパー派遣のもとで、これらの『『自薦登録』
方式』は「障害者」の生死を左右するほどに大きな存在です。
 このような経過と意義について、最初に認識してください。


【私たちの基本的要求】
|一、『「自薦登録ヘルパー」をはじめとする、これらの『『自薦登録方式』|
|を来年以降も現在のままで残していただきたい。            │
|                                  |

 その立場から以下の点について具体的に質問し、要望します。「支援費制度」
になると、ヘルパーには、
 一、「資格が義務づけられます。」そして、
 二、いずれかの『事業体』に所属しなければならないことになっております。
 三、「自薦登録方式」には第4の単価を設定して対応する、としています。

 まず一の問題です。
  7月16日貴省より各都道府県の『担当者』に対して『厚生労働大臣が定める
居宅介護従業者の資格要件の取り扱いについて』と題する「事務連絡」がださ
れました。
 その中で、この件に関して、『H15年3月31日において、現に介助に従事した
もので、都道府県知事の証明』を受けたものは、『資格』を与える、との考え
方がしめされました。しかし来年4月以降については、なにもふれられており
ません。
 一方、貴省は7月24日の私たちとの話し合いの中で、4月以降介助に入る人に
は、『研修』を受けていただく。ただし、短期間の、実習中心のものを考えて
いる』と述べられました。

【質問】
|@.この研修の実施主体は、市町村ですか。委託することも考えているので|
|すか。                               |
|A.具体的な、研修内容を教えてください。              |
|B.研修期間中の給料は支払われるのですか。             |
|                                  |

【要望】
│ 私たちは、それがいかなるものであれ、以下に述べるような理由から、 |
|『一般研修』の義務付けには反対です。                │
│「自薦登録ヘルパー」に限り『当事者研修』を認めてください。     |
|『自薦方式』の存続にかかわる問題です。再検討をお願いします。    |
│                                  │

これまでは、「自薦登録」にかぎり『資格』は義務づずけられていません。厚
労省としても『登録した後、一般研修を受けることを勧奨する』という立場で
した。なぜならば、それが『自薦』である限り、その当事者=「障害者」が『
研修』を行うからです。それこそが、絶対不可欠な、文字どうりの『研修』で
す。
 そしてもう一点は、『『自薦方式』の成り立ちそのものですが、『一般研修』
を義務づけることになれば、この方式が事実上成り立たないからです。このこ
とは貴省もこれまでの経過の中で理解されているとおもいます。今、『自薦登
録介助者』を使い24時間生活する「障害者」は、40〜50人の介助を自分の力で
登録確保しています。その中から、週1回、月1回・・とローテーションをくみ、
生活をしています。その人たちは、友人、知人、そして学生、労働者、・・立
場はさまざまです。かなりの人たちは、数年で入れ替わっていきます。いった
いどのような苦労をしてこれらの介助者を集めているかお分かりですか。まさ
に綱渡り的です。これらの人に介助者として入ってもらう場合『一般研修』を
受けることが義務ずけられたら、ほとんど介助に入ってもらうことは不可能で
す。お互いの『関係性』の中で介助関係は成り立っているのです。

次に、二、の問題です。
 「自薦登録ヘルパー」や、「全身性派遣事業介助者」はこれまで、直接、市
町村に登録するか、あるいは、社共などの団体へ登録する形でした。しかし、
「支援費制度」になると、「指定」(あるいは基準該当)事業者に所属するヘ
ルパーでなければ活動できません。つまり「自薦登録方式」はまったく受け皿
をなくしてしまい、事実上消滅させられてしまうのです。この問題に関して、
貴省は
@.市町村が「指定事業者」をとりそこに登録させる。
A.介助者同士で「基準該当事業者になる」などの案を示されているようです
が、いずれも問題があります。
@については、介護保険を見ても明らかのようにほとんどの自治体が「指定事
業者」になるとはおもわれません。またなったとしても「民間事業者が育つま
で等分の間」という限定つきです。Aについては、上に述べた「自薦登録ヘル
パー」の特性からして、また人数の点(非常勤3人以上)からしても非現実的
です(1人〜2人の介助者で自立に踏み出している人も数多くいます)。

【質問】
│このように、「自薦登録方式」を将来的にも残す仕組みは「支援費制度」の|
|中では考えられません。                       |
│この点、どのようにお考えですか、回答をお願いします。        │
|                                  |

次に、三についてお尋ねします。
このことは、まだ公式には明らかにされていないのではないでしょうか。先の
私たちの話し合いの場では、はっきりと明言されました。聞き及ぶところでは
(他の諸団体との話し合いの中で非公式に大枠が明らかにされたとのこと)、
介護型=3000円台半ば。家事型=2500円程度、外出=     その他(自薦
型)=14〜500 円程度、という大枠が固まっているとのことですが、もしそう
だとしたら、根本的に問題があります。

【質問】
│@.なぜこのように【単価】に差をつけるのですか。答えてください。  |
| 差をつけるがために、支援費の量は、ひと月○○時間=○○円(そのうち|
|介護○○時間、家事○○時間・・・)という形で、介護メニューとして細切|
|れのものとされ、上に述べたように、【自立】を支えるどころか、非人間的|
|なものとされてしまいます。                     |
|                                  |
│A【自薦型】は、なぜ介護型の半額以下とされるのかその根拠は何ですか。|
|そして所属する「事業体」はどのようなものを考えていますか。     |
| そもそも14〜500 円が単価だとすれば、現行の【自薦方式】と同じ水準で|
|す。現行ではすべて「人件費」として介助者に支払われるものです。しかし|
|「支援費制度」のもとでの「基準単価」は、人件費もその中に組み込んだ |
|「事業費」です。                          |
|14〜500 円の中で事業体の運営費、人件費を捻出せよ、ということですか。|


UP:20030124 REV:0312
緊急抗議行動・2003.01
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