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科学技術社会論研究会・2006

科学技術社会論研究会


◆2006/02/04 第48回「科学技術社会論研究会」ワークショップ
 「世紀転換期日本の科学技術と社会の描き方」
◆2006/07/15 第50回「科学技術社会論研究会」ワークショップ
 「マスメディアと科学技術 」


 *事務局より

皆様

「科学技術社会論研究会」では、来る2月4日(土)に、以下の
ワークショップを行います。
ご関心をお持ちの方にご案内いたします。

準備の都合上、参加の方はお手数でも、1週間前までに下記の参
加登録用ページよりご登録ください。
http://www.forumsts.org/registration.html

会の1週間前には、発表梗概などの資料をお送りします。定員が
あります。ご承知おきください。
本研究会は、焦点の特定テーマを巡るone-day workshopであり、
講演会ではありません。今回のテーマに関して、ご自身の課題、
また発言されたいことなど、一言お書き添え下さい。参加者内で
公開し、討議の際の資料にさせていただきます。

また、終了後、同会場で簡単な懇親会(会費約1000円)があります。
研究交流を深められたらと思います。参加の方はこの点も1週間
までにお知らせください。

この案内は、転送自由ですので、ご関心の向きにお知らせください。

なお、次いで、2006年3月15日(水)13:00-18:00 には、
第49回「科学技術社会論研究会」ワークショップ  
「人工物の政治性を巡って」(仮)があります。
ご予定ください。

事務局では、随時、研究会企画の提案を受け付けています。
詳しくは、研究会ウェッブサイト http://www.forumsts.org/
ご覧ください。
事務局

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第48回「科学技術社会論研究会」ワークショップ  
      「世紀転換期日本の科学技術と社会の描き方」
2006年2月4日(土) 13:00-17:00
東京大学先端科学技術研究センター13号館 109号室


1.ワークショップの目的

新通史フォーラム(吉岡斉代表)は、今年度より、『通史 日本の科学技術 第6巻 
世紀転換期 1995〜2005』(略称『通史6』)の出版を目指すプロジェクト
研究を進めています。2005年7月23日には、「世紀転換期日本の科学技術と社会をど
う見るか」と題する公開ワークショップを、科学技術社会論研究会の場を借りて開催
しました。その後毎月のように、種々の分野・領域におけるこの間の変化を検証する
ための研究会を重ね、「全体構想」について議論する段階にさしかかってきました。
また研究会を重ねることにより、現段階で約40名のメンバー(執筆希望者)の参加を
得ております。それでもまだ世紀転換期日本の科学技術と社会の主要トレンドを網羅
するには程遠いため、これからも多くの重要な分野・領域のエキスパートの協力を得
たいと思っております。
このワークショップの主目的は、現時点における「全体構想(案)」の概要と、その
背景にある基本的考え方を示し、それについてメンバーだけでなく、多様な参加者の
コメントを頂戴することにより、「全体構想(案)」を改良する手がかりを得ること
です。もうひとつの目的は、『通史6』のひとつの柱として立てる方向で考えている
「海外から見た世紀転換期日本の科学技術と社会」部門について、そのフィージビリ
ティを検討することです。
このワークショップでは 3名の報告を予定しています。まず第1報告として、シャロ
ン・トラウィーク氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に、「海外から見た世紀
転換期日本の科学技術と社会−−一国的研究機関からグローバル研究機関への転換 
1995−2005」というタイトルで、報告して頂きます。物理系ビッグサイエン
スの研究機関が主な分析対象となります。
なお「海外から見た世紀転換期日本の科学技術と社会」部門については、外国人又は
海外在住歴の長い日本人の方に、それぞれの専門分野・領域に重点をおいて、書いて
頂く予定です(専門分野・領域は、副題として表記します)。『通史5』では、テッ
サ・モーリス・スズキ氏(オーストラリア国立大学)に書いて頂きましたが、今回は
大幅に拡充し、数名の方にお願いする予定です。トラウィーク氏の報告は、そのモデ
ルケースとなるものです。
第2報告「世紀転換期日本の科学技術と社会の描き方(1)全体構想(案)とその基
本的考え方」では、「全体構想(案)」とその基本的考え方について、座長の吉岡斉
(九州大学)が報告します。その基本的考え方によれば、科学技術の社会史はあくま
でも総合的な歴史の各論として描かれるものであり、総論を踏まえた上で書かれるも
のです。もちろん各論である以上は、政治・経済・社会の全体動向についての記述は
つとめて簡略化し、科学技術に関連する事柄について詳細に論ずることとなります。
現代世界は、政治構造の多極化と経済活動のグローバリゼーションが、互いにコンフ
リクトを引き起しつつ同時進行し、その中で「持続可能な発展」への道が多難をきわ
めている世界として捉えることができます。また日本については、そうした世界の動
向に巻き込まれつつも、国際政治のプレイヤーとしての行動が硬直的であり、経済グ
ローバリゼーションに対しては一歩遅れた「対応」に終始しており、「持続可能な発
展」にも後ろ向きであり、それらすべての背景には関係者の既得権益尊重の根強い文
化がある、という特徴づけができるでしょう。こうした現在進行中の歴史過程を構成
する重要な因子が、科学技術に他なりません。そうした観点から「全体構想(案)」
は、世紀転換期の科学技術の社会史の重要アイテム(『通史6』の各章に対応するも
の)の選定を試みます。
ところでアイテムの重要度は、科学技術のインパクトの大きさにおける重要度と、政
治的・経済的意味における重要度という、2つの要因によって決まります。後者はメ
ンバーが、この10年間の日本の歴史をどのように認識するかによって多かれ少なか
れ左右されるものです。それゆえメンバー間での歴史認識の共有、あるいは歴史認識
そのものを共有しないまでも、歴史認識の方法や他のメンバーの歴史認識の流儀につ
いて、各メンバーが十分に理解しておくことが、必要となってきます。
第3報告「世紀転換期日本の科学技術と社会の描き方(2)歴史的変動の中の日本社
会」では、中心メンバーの後藤邦夫(桃山学院大学名誉教授)が、歴史認識の方法に
ついて話した上で、ひとつの模範となる歴史認識の流儀を示すことにより問題提起を
行いますとりわけ、経済・産業活動を下部構造とみなす観点に立ったとき、政治と経
済との間に特段の上下関係をみとめない観点(第2報告の観点)と比べて、世界と日
本がどのように異なる相貌を見せるのかについて、知的興味をそそる議論を展開しま
す。
新通史フォーラムのメンバーの方はもとより、これからメンバーとしての参加を考え
ておられる方、さらには世紀転換期日本の科学技術と社会の全体的なとらえ方につい
て議論を戰わせたい方は、ふるってご参加ください。



2.ワークショップの時間割

13:00-13:10 趣旨説明  吉岡 斉 (九州大学)

13:10-13:50 話題提供1 
シャロン・トラウェーク(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
  「海外から見た世紀転換期日本の科学技術と社会:
   国的研究機関からグローバル研究機関への転換、1995-2005」

13:50-14:00 コメント1 桑原雅子(桃山学院大学教育研究所名誉所員)
14:00-14:20 討論(話題1に関して)

休憩

14:30-15:10 話題提供2
吉岡 斉
「世紀転換期日本の科学技術と社会の描き方(1):
全体構想(案)とその基本的考え方」

15:10-15:50 話題提供3
後藤邦夫(桃山学院大学名誉教授)
「世紀転換期日本の科学技術と社会の描き方(2):
歴史的変動の中の日本社会」

15:50-16:00 コメント2 塚原修一(国立教育政策研究所)

休憩
16:10-17:00 討論(話題2・3に関して)
   
17:00-18:00 懇親会  
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参加の方はお手数でも、1週間前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。
http://www.forumsts.org/registration.html

科学技術社会論研究会・事務局  
国士舘大学・木原英逸/東京大学・中村征樹/東京大学・綾部広則


 
 
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皆様

「科学技術社会論研究会」では、来る7月15日(土)に、以下の
ワークショップを行います。
ご関心をお持ちの方にご案内いたします。

準備の都合上、参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参
加登録用ページよりご登録ください。
http://www.forumsts.org/registration.html
参加費1000円は、会場でお支払いください。

今回より、会場が変更になっておりますので、以下でご確認くだ
さい。http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_33_j.html

会の1週間前には、発表梗概などの資料をお送りします。定員が
あります。ご承知おきください。
本研究会は、焦点の特定テーマを巡るone-day workshopであり、
講演会ではありません。今回のテーマに関して、ご自身の課題、
また発言されたいことなど、一言お書き添え下さい。参加者内で
公開し、討議の際の資料にさせていただきます。

また、終了後、同会場で懇親会(会費約1500円)があります。
研究交流を深められたらと思います。参加の方はこの点も10日前
までにお知らせください。

この案内は、転送自由ですので、ご関心の向きにお知らせください。

事務局では、随時、研究会企画の提案を受け付けています。
詳しくは、研究会ウェッブサイト http://www.forumsts.org/ を
ご覧ください。
事務局

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第50回「科学技術社会論研究会」ワークショップ  
         「 マスメディアと科学技術 」
2006年7月15日(土) 12:45-18:15
東京大学駒場キャンパス・ファカルティ・ハウス・セミナー室


1.ワークショップの目的
周知のように、政治・経済・社会体制に留まらず、個々人の生活と意識をも
強く制約しているものに科学技術がある。そして、多くの場合、科学技術は、
マスメディアを通じて、それによる価値評価を伴って、しかも肯定的なプロ
パガンダの要素を帯びて、私たちに浸透しているように思われる。また、特
に21世紀に入ってから、この国では、新科学技術立国構想のもと、科学技
術教育が多重的に図られており、とりわけ高等教育にあっては、科学技術の
啓蒙者としての“ジャーナリスト”の養成が国策で推進されているように見
受けられる。本ワークショップの目的は、こうした状況に鑑み、マスメディ
アと科学技術の既存の係わりをさまざまな視角から分析し、今後の両者の関
係の在り方を模索することにある。
具体的には、まず清水瑞久(社会学)が、脳死・臓器移植をめぐるニュース
番組の解析を通じて、マスメディアの科学技術の扱い方と視聴者への影響の
実相を検討する。次に大黒岳彦(メディア論)が、ルーマンの社会システム
論を援用して、マスメディア自体の存在性格と機能の仕方に関して原理的に
考察する。さらに、武田徹(ジャーナリスト)が、自ら過去数年間にわたっ
て企画・統括してきた「科学技術ジャーナリスト養成講座」について、その
問題意識と実践成果を総括して、今後に途を拓く。
しかしながら、これら3名は少なくとも現在にあってマスメディアそのもの
に生活の場を置く者ではない以上、そこからの問題提起は観念的になる可能
性がないとはいえない。それゆえ、現役のマスメディア人として、「ニュー
スJAPAN」ディレクターの岩澤倫彦と新聞社報道部記者の岡本晃明が、内部
の経験と現場感覚に即してかかる問題提起に対して批判的なコメントを加え、
また別の観点から提言する。司会・進行は小松美彦(科学史)が務める。


2.ワークショップの時間割

12:45-13:00 趣旨説明 小松美彦 (東京海洋大学・科学史)

13:00-13:45 話題提供1(質疑応答10分を含む・以下同)
     清水瑞久 (大妻女子大学・社会学)
「脳死・臓器移植とテレビニュース」
                        
本報告は、子供の脳死・臓器移植問題を実際に報道したニュース番組を題材
として取り上げ、本問題をめぐるディスコース構成のあり方について、メデ
ィア研究の側から具体的な分析を行おうとするものである。ニュースとは、
取材現場やスタジオでの映像や音声・ナレーション、そしてテロップや音響
などによって作成されるものであるが、それらモードの複合的な組み合わせ
において、ディスコースは生成する。題材として取り上げる番組では、臓器
移植を必要とする子供とその家族、そして家族を支援するグループの内側に
カメラを寄り添わせ、子供の生への望みを断ち切る障壁として立ちはだかる
日本の医療―法制度を「問題」として告発していく。番組は、終始一貫して
臓器移植推進のディスコースを組み立てていくのであるが、これを駆動する
のは、残念ながら移植手術を受けられずに逝去した子供の、その死に対する
悲しみの感情である。かつてあった命がすでにない。命の不在を表徴する写
真・映像といったモードが、番組内で効果的に使用され、「死への悲しみ」
という誰も抗うことのできない感情を表出させていくのである。このような
感情誘発型のニュース報道において、臓器移植を可能とさせるもう一方の現
実、「脳死」と判定される子供の存在は、「命のリレー」という抽象によっ
て塗りつぶされていく。以上のようなニュースのあり方について、オーディ
エンス分析の結果も交えながら、報告を行いたい。


13:45-14:30 話題提供2
大黒岳彦 (明治大学・メディア論)
「マスメディアとは何か?─科学技術報道に即して─」

「ジャーナリズム」「ジャーナリスト」という言葉は、反体制・反権力ある
いは真実の追及・悪の告発といったある種の価値判断や態度表明のニュアン
スを纏っているように論者には思われてならない。本ワークショップでは、
“ノンポリティカル”に過ぎる、という批判を承知で敢えて、マスメディア
(「ジャーナリズム」ではなく)の社会的な機能を考える地点から議論を始
めたいと思う。今回のワークショップのテーマである「マスメディアと科学
技術」との関係を考えるにあたってもそれが必須の手続きであるように思え
るからである。たとえば常時放送されるニュースやワイドショーで扱われる
科学技術に関する報道は巨大技術や最新医療技術の賛美とはいわないまでも
、推進的な内容であることは周知の事実である。だが他方で、最新の科学技
術の反対キャンペーンを張り、その社会への導入を阻んできたのもまた同じ
マスメディアではなかったか? マスメディアがトータルとして科学技術に
いかにコミットしているのか、またそのコミットのあり方は高度情報社会に
おいて変わりうるのか、あるいは変わらないのか、ルーマンの社会システム
論的な見地を作業仮説的に用いながら考えたい。


14:30-15:15 話題提供3
武田徹〈東京大学・ジャーナリスト〉
「報道改革のための科学技術ジャーナリスト教育プログラム」

発表者は03年から東京大学先端科学研究センターで科学技術ジャーナリスト
養成講座の運営を担当してきた。そのコース設計には日本の科学技術ジャー
ナリズムの現状に対する担当者の問題意識が投影されており、現在の科学技
術ジャーナリズムの維持発展ではなく、それを批評的に乗り越えるための人
材養成が目指された。特徴を幾つかあげれば、まず「翻訳者モデル」の排除
をまず徹底させた。確かに科学技術の現状の正確な伝達はジャーナリストの
使命である。そのため科学技術専門家の言葉を大衆的な表現に「翻訳」する
能力がジャーナリストには求められる。だがそこで終わってはジャーナリス
トは科学技術界のスポークスマンにしかなれない。科学技術ジャーナリズム
の使命はむしろ科学技術文明の歴史的・社会的位置づけであろう。そう考え
て自然科学的知識だけでなく、人文科学、社会科学的知見をあえてカリキュ
ラム設計に反映させた。そしてジャーナリズム組織という共同体や、閉じた
「送信者―受信者」共同体に報道が縛られている状況の改善にも重点を置い
た。自らの属する共同体にのみ貢献しようとする報道は公共的なジャーナリ
ズムたりえない。そこで共同性に縛られた既存メディアに依存せずに発信力
を担う新規メディア獲得技術までを習得の対象としたし、コース運営サイド
としても第三者性を担保しうる新メディアの創設を射程に入れて新世代のジ
ャーナリストの支援を目指した。こうした試みが、科学技術ジャーナリズム
の可能性を開花させてゆくのだと考えている。

休憩

15:30-15:55  コメント1 岩澤倫彦(「ニュースJAPAN」ディレクター)
15:55-16:20  コメント2 岡本晃明(新聞社報道局記者)
16:20-16:50  話題提供者からの応答

休憩

17:00-18:15  総合討議 司会 ・小松美彦

18:30-19:30  懇親会 
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参加の方はお手数でも、10日前までに下記の参加登録用ページよりご登録ください。
http://www.forumsts.org/registration.html

科学技術社会論研究会・事務局  
国士舘大学・木原英逸/東京大学・綾部広則・香西豊子


UP:20060125 REV:随時
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