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障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)・2011

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last update:20111225

■目次

◆2011/07/30 障害連シンポジウム「真の安心・安全の暮らしとは何か――全身性障害者の立場から」
 主催:障害連(障害者の生活保障を要求する連絡会議) 於:東京

2011/12/22 『障害連事務局FAXレター』235号 障害連、厚労省に質問書を出す
2011/12/13 『障害連事務局FAXレター』234号 契約の重み
2011/12/09 『障害連事務局FAXレター』233号 バリアフリー施策を権利ベースに
2011/11/22 『障害連事務局FAXレター』232号 親子、障害、そして総合福祉法
2011/11/21 『障害連事務局FAXレター』231号 司法関係者に教育トレーニングを
2011/10/24 『障害連事務局FAXレター』230号 JDF大フォーラム1万人参加
2011/10/24 『障害連事務局FAXレター』229号 基本計画も社会モデルに
2011/10/14 『障害連事務局FAXレター』228号 差別の類型を2類型に
2011/09/29 『障害連事務局FAXレター』227号 日身連セミナー行われる
2011/09/26 『障害連事務局FAXレター』226号 蓮舫大臣に骨格提言を手渡す
2011/09/12 『障害連事務局FAXレター』225号 欠格条項の見直しを
2011/08/30 『障害連事務局FAXレター』224号 総合福祉部会骨格提言まとまる、総合福祉部会(第18回)
2011/08/12 『障害連事務局FAXレター』223号 なぜ合理的配慮は必要か
2011/08/09 『障害連事務局FAXレター』222号 いま、八合目か?
2011/08/08 『障害連事務局FAXレター』221号 年度末にも政策委員会スタート?
2011/08/01 『障害連事務局FAXレター』220号 東日本大震災はまだ終わっていない
2011/07/26 『障害連事務局FAXレター』219号 相談支援・地域移行、白熱議論
2011/07/08 『障害連事務局FAXレター』218号 異なる取り扱いか、不利益か
2011/06/27 『障害連事務局FAXレター』217号 障がい者制度改革はまだ終わっていない
2011/06/23 『障害連事務局FAXレター』216号 第2期作業チーム報告する
2011/06/10 『障害連事務局FAXレター』215号 差別禁止法必要性多数が主張
2011/05/31 『障害連事務局FAXレター』214号 第14回総合福祉部会行われる
2011/05/23 『障害連事務局FAXレター』213号 当事者参加による復興を
2011/05/13 『障害連事務局FAXレター』212号 団体の幅広い連帯で法制化(韓国)
2011/04/26 『障害連事務局FAXレター』211号 「地域主権に沿って」厚労省
2011/04/18 『障害連事務局FAXレター』210号 “可能な限り”について、納得いく回答出さず
2011/04/08 『障害連事務局FAXレター』209号 合理的配慮は部会の今後の課題
2011/04/07 『障害連事務局FAXレター』208号 基本合意と総合福祉法を実現させる4.21全国フォーラムを行います
2011/02/17 『障害連事務局FAXレター』207号 障害者基本法改正案に関する声明
2011/02/15 『障害連事務局FAXレター』206号 基本合意を忘れたか
2011/02/14 『障害連事務局FAXレター』205号 大きく後退
2011/01/31 『障害連事務局FAXレター』204号 EUとフランスの差別禁止法制を学ぶ
2011/01/25 『障害連事務局FAXレター』203号 第1期作業チーム報告――6月には新法骨格整理、第11回総合福祉部会
2011/01/20 『障害連事務局FAXレター』202号 都、具体的な回答を示さず 障害連、都福祉局と話し合う


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◇2011年12月22日『障害連事務局FAXレター』No.235

障害連、厚労省に質問書を出す

12月22日(木)障害連は、厚生労働省に以下の質問書と懇談のお願いを出した。

2011年12月22日

厚生労働省 社会援護局

障害保健福祉部 

部長 岡田 太造 様

障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)

代  表 伊藤雅文

事務局長 太田修平

総合福祉法(仮称)について

貴職におかれましては日頃より障害者施策の充実にご尽力されていることに、心より敬意を表します。
 障がい者制度改革の一環として、昨年秋障がい者制度改革推進会議でまとめられた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」に対し、私たちは大きな期待を持っております。
 障害の種別や程度に関係なく、地域社会の中で人間としての尊厳を持って生きられる支援の施策化の一日も早い実現を私たちは切望しております。
 特に以下の事項について、関心を寄せておりますので、法案の中にどう組み込もうとされているのか、ご回答いただければ幸いに存じます。

1. 支給決定について

骨格提言では、支給決定に際し、個人の望む暮らし方を最大限尊重することを基本とすることが述べられており、これまでのコンピューター判定を基本とする障害程度区分を廃止して、支援ガイドラインを創設し、それに基づいたサービスの必要性などがうたわれています。必要に応じて当事者と市区町村が協議調整をしていくシステムも提案されています。
日本においてはきわめて画期的な考え方であり、法案の中にどう盛り込まれようとされているのか、お考えをうかがいたいと存じます。

2. 相談支援について

骨格提言では、障害・疾病等の理由があって生活のしづらさ、困難を抱えている人々に幅広く対応するものとされ、さらに障害者本人の抱える問題全体に対応する包括的支援の継続的なコーディネートがうたわれています。
この包括的相談支援体制について、法案の中にどう盛り込まれようとされているのか、お考えをうかがいたいと存じます。

3. 障害(者)の範囲について

障害によっては制度の谷間に置かれ、サービスが受けられない人が少なくないという議論が出てきてから、長い月日が経ちます。骨格提言でも包括的既定の必要性がうたわれています。具体的にどう定義されていくのかについて、お考えをうかがいたいと存じます。

4. 地域医療について

障害の種別や程度に関係なく、医療を必要とする人たちも病院ではなく、地域社会で暮らしながら医療サービスを受けて生活したい、と願っています。骨格提言では「地域における障害者の生活を支える医療」の実現に向けた理念と制度基盤の構築、がうたわれています。法案の中にこれをどう反映させようとしているのかお考えをうかがいたいと存じます。

5. 居住の場について

骨格提言でも、「地域移行」の法定化、「地域基盤整備10か年戦略」(仮称)策定の法定化がうたわれており、これらのことが具体的に推進されなければ、真の意味でのインクルーシブ社会の実現には至りません。これらについて法案の中にどう反映されようとしているのかお考えをうかがいたいと存じます。


2011年12月22日

厚生労働省 社会援護局

障害保健福祉部 

部長 岡田 太造 様

障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)

代  表 伊藤雅文

事務局長 太田修平

懇談のお願い

日頃より障害者施策の推進にご尽力されていることに心より感謝申し上げます。
以下の事項について、懇談の場を設けていただきたく、心よりお願い申し上げます。



1. テーマ    別紙質問書に基づく懇談

以上


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◇2011年12月13日『障害連事務局FAXレター』No.234

契約の重み

太田 修平

日本という国は、契約をないがしろにする傾向にある。なにか物やサービスを買ったりすると、契約書が付いてくる場合が多いが、それは細かい字で書いてあったりして、読まないことを前提にしているかのようである。よくよく考えてみると、民主主義社会は、法律という、国家と人、人と人との契約(約束事)によって成り立っているのである。

ようやく最近、日本でも選挙のときは各政党がマニフェストを明らかにし、有権者・市民との契約をするようになってきた。しかし、そのマニフェストが次々とホゴにされているのが日本の現実である。マニフェストを選挙のときだけの都合の良い道具と考えてはいけないのである。約束できないことは掲げてはいけないのである。

 12月13日(火)障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意に基づく、国(厚生労働省)と元原告、元弁護団との定期協議が行われた。

 藤岡元弁護団事務局長によって、国会などにおける厚生労働大臣の「障害者自立支援法を廃止し・・・」という、いろいろな場面における答弁が引き合いに出され、ようやく厚生労働省の担当責任者は「厚生労働省として、今はその考えに変わりはない」と答えた。しかし、そのやり取りの前では、自立支援法廃止と新法制定について明言を避け、「与党の皆さんと協議しながら進めていきたい」とした。

 自立支援法訴訟が全国各地で提起され、その合憲性などについて元原告たちは争っていったが、国の障がい者制度改革という方針のもと、国は元原告たち訴訟団に対し、和解を申し入れ、訴訟団はそれに理解を示した上で、訴訟を中止し、基本合意が結ばれたのである。

 だから、この基本合意は障害者施策の重要な契約事項なのである。藤岡事務局長も述べていたが、それはどんな政権になろうと一度結んだ契約はどちらかが破棄をすむ旨を伝えない限り、有効なはずである。

 与党のみならず野党にも、そして厚生労働省の官僚の人たちにも、契約の重みを今一度かみしめてほしいものだ。


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◇2011年12月9日『障害連事務局FAXレター』No.233

バリアフリー施策を権利ベースに
―ユニバーサルデザインと合理的配慮、差別禁止部会(第11回)―

12月9日(金)第11回差別禁止部会が行われた。その日は、交通機関と公共的施設がテーマだった。
最初に東室長からバリアフリー法についての簡単な説明があった。
その後、太田から「バリアフリー法について説明があったが、障害者がトラブルに多くあっている現状を見るときに、差別禁止法によるバリアフリー法ではなく、バリアフリー法が独自に存在しているからだ」と発言した。
「交通機関の切符を買うときに、一般の市民とは違うシステムで買わされる」など、今のバリアフリー施策が権利ベースで行われていないことが次々と出されていった。
交通機関と公共的施設の対象範囲について議論になり、バリアフリー法にならって、不特定または多数の交通機関、施設なのか、不特定かつ多数なのかという議論が展開されたが、そもそも「不特定」「多数」とは何なのか、なぜバリアフリー法にあるのかという問いかけが出され、これについては国交省に確認してみるという東室長の回答があった。

次のコーナーでは、これらの問題についてどういう場合に適用除外が認められるか、であった。
多くの意見は実体験から障害を理由とする差別や拒否の適用除外があってはならない、というものであった。生命・身体の安全を守ることができない場合、このような適用除外規定が現行法規にあるが、「これは障害のあるなしに関係ないこと」と太田は指摘し、また「構造上やむを得ない場合」についても合理的配慮や代替措置が可能となるはずだ、という意見が多くの委員から出された。

続いて合理的配慮のあり方について議論が移った。永野専門協力員からアメリカのADAのアクセシビリティーに関する連邦からの補助金のあり方などに関する報告があった。引馬専門協力員からはEUの報告がされた。
議論では、ユニバーサルデザイン的な考え方による施策と、一人一人に着目した個別性の高い合理的配慮の組み合わせが求められる、とする意見が多く出された。

最後に今後の部会で話し合うテーマについて議論された。東室長からは、○日常生活・商品、役務・医療・不動産 ○労働(第9回会議) ○教育 ○公共的施設、交通機関の利用 ○情報 ○選挙等(第10回会議) ○司法手続(第10回会議)などが提起された。
委員からは、法律的な効果、女性障害者など複合的障害者、障害児、文化的生活、ハラスメントなどなどが出された。
これらの課題を来年の夏までに形あるものにどのようにしていくのか、である。
障害者差別禁止法の制定の議論の一方で、法務省サイドでは包括的な人権擁護機関の設置が検討されており、今後それとどうつなげていくかも大きな課題となるだろう。

次回 2012年1月27日(金)

※今号は日本障害者協議会(JD)の協力によってつくられました。


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◇2011年11月22日『障害連事務局FAXレター』No.232

親子、障害、そして総合福祉法

太田修平

 今日、ある会合があった。障害のある人の親御さん(特に知的障害)が多く出席していた。

 その時思い出したことがあった。私が長年暮らしていた施設を出る考えを両親に話したときのことだった。両親、特に母親は「施設を出て地域で生きるなんて考えないで。私たち親はあなたが安心な場所で暮らしてくれることを一番望んでるの。それがあなたの一番の幸せよ」と泣きながら私に訴えたのだった。
 両親は私をとても可愛がってくれた。だけど私が自己主張すると必ずこう言うのであった。「あなたには何もわからないのよ、親のやることにつべこべ言うことないんだから、あなたにとって一番いいようにしてあげるんだから」と。そこで親子喧嘩が始まっていく。友達に聞くと、どこのうちもだいたいそういう傾向があるようだった。一部の人は親に逆らっても無駄だと思い、言うがままに任せていた。そうすると親の目からは、「この子は自分では何も考えられない」と映ってしまうようだった。
 親子関係は難しい。子どもに障害があると特にそうだ。どこの親も「子どもはいつまでも子ども」だという。障害の場合は、原因の多くを障害のせいなんだととらえる。親はいつの時代も子が「できない」理由を見つけ出そうとする。
 今度できる総合福祉法は、障害のある本人が主人公として人生を歩めるためのものにしていかなくてはならない。親の思いや干渉はほどほどのところで、ガードできる仕組みである。ほどほどはあっても良い。それが普通だ。
 子どもは親が思うより、ずっとずっと考えているのだ。ときには存在全体が、思考し、表現し、訴えているのだ。


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◇2011年11月21日『障害連事務局FAXレター』No.231

司法関係者に教育トレーニングを
―政治参加の実質的保障が必要、差別禁止部会(第10回)―

11月11日(金)差別禁止部会(第10回)が行われた。まず、この日は司法手続きについて。

東室長から法務省側の取り組み(推進会議でのヒアリング)が報告された。これに対し大谷委員は「現状との違いを強く感じさせられる、例えば刑事施設では手話は暗号として解釈され使うことが禁止されている」という、などの多くの問題があるとした。

また別の委員からは知的障害を伴わない発達障害について誤った対応が多くなされていることが挙げられ、司法へのアクセスについて司法関係者の教育トレーニングの重要性が出された。

さらに司法手続きの中で、どういう合理的配慮がなされたほうが良いか、という調整機関の必要性がある、などの意見もあった。この調整機関は司法手続きに限らず、あらゆる分野で求められる、という趣旨であった。

差別禁止法以前に、各個別法の検証が必要であるという意見もあった。

続いて、「選挙等」について議論された。太田をはじめ、各委員から「選挙等」というより政治参加、政策参加、被選挙権の問題として取り上げられるべきだとした。太田や池原委員は、施設や精神科病院で暮らす人の選挙権が実質的に奪われているのではないか、と発言した。また、地方議会で言語障害がある議員が自ら選択する方法で発言する機会が奪われたことは、国民主権が侵されているという発言もあった。

さらに、選挙公報の点字版が作られていない実態についても言及があった。

最後に、今後の議題について東室長から示され、「差別禁止法の立法化でできる部分と、他の法制度の改正が求められる部分があるだろう」「救済機関については、人権救済法をにらみながら、調整する場面も出てくるかもしれない。いずれにしても、各論がある程度でないと、救済機関には移れない」とし、来年の夏までには提言をまとめていきたい、とした。

次回、12月9日(金)

※本号は日本障害者協議会(JD)の協力によって、つくられました。


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◇2011年10月24日『障害連事務局FAXレター』No.230

JDF大フォーラム1万人参加
―骨格提言の重要性をアピール―

障害者運動の歴史がまた新しく塗り替えられた。「創ろう みんなの障害者総合福祉法10.28JDF大フォーラム」は1万人の参加のもと、10月28日(金)日比谷野外音楽堂で行われ、集会の後、銀座方面にパレードをした。
JDF(日本障害フォーラム)は、日本の障害者団体のほとんどが構成団体もしくはその関係グループとして関与している。
今回のフォーラムは、去る8月に総合福祉部会でまとめられた骨格提言を新法の中で反映させる事の重要性を訴えるもの
多くの来賓者、ほとんどの政党の国会議員たちも、口々に「権利条約の重要性」や「新しい施策の必要性」を語ってくれた。
また被災3県からの代表者も発言し、厳しい状況、復旧・復興・新生や共生社会の実現をアピールした。
なお、集会で採択されたアピールは以下の通り。

創ろう みんなの障害者総合福祉法を!10.28JDF大フォーラム アピール

 JDF(日本障害フォーラム)は、結成以来、障害者権利条約の策定−批准に向けて取り組んできました。今、条約批准に向け「障がい者制度改革推進本部」と、そのもとに「障がい者制度改革推進会議」が設けられ精力的な議論が進められています。推進会議は、「私たち抜きに私たちのことを決めないで!という条約の基本精神に基づいて運営されており、まさに画期的なものです。
 昨年6月にまとめられた「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)」では、障害者基本法改正、障害者総合福祉法、障害者差別禁止法制定などの改革のロードマップが示されました。その後、第一次意見を受けて、「制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援の整備等を内容とする障害者総合福祉法(仮称)の制定に向け、平成24年通常国会への法案提出、25年8月までの施行を目指す」などとした閣議決定がなされました。
 昨年4月には、推進会議のもとに、障害者および家族、そして多くの関係者による「総合福祉部会」が設けられました。「障害者権利条約」と、自立支援法訴訟の「基本合意文書」を指針に、さまざまな立場の構成員が議論を重ね、今年8月30日に「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」が、構成員55人の総意としてまとめられました。9月の推進会議の了承を経て、蓮舫・障がい者制度改革推進本部副本部長に手渡されました。
多くの障害者・家族・関係者は、この骨格提言に大きな期待を寄せています。
東日本大震災は、計り知れない程の甚大な被害を私たちに及ぼしましたが、一方で、あらためて共生社会のあり方を考えさせてくれました。「一人ひとりの存在が心より大切にされ、誰もが排除されることなく社会的に包摂される」とした骨格提言に基づいた法制定がなされるよう、私たちは国会と政府に対し、以下の点を強く求めます。



1.55人の総合福祉部会構成員の総意としてまとめられた骨格提言の重みを受け止め、法案化とその制定に際して、骨格提言を最大限尊重し反映させること。

2.骨格提言が反映された障害者総合福祉法を立法化するため、十分な予算を確保すること。

 2011年10月28日


    創ろう みんなの障害者総合福祉法を!10.28JDF大フォーラム参加者一同


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◇2011年10月24日『障害連事務局FAXレター』No.229

基本計画も社会モデルに
―第36回推進会議―

10月24日(月)の第36回推進会議のテーマは「基本計画」。
冒頭に東室長から現在の障害者基本計画がつくられていった経過説明があった。
まずはじめに現行の基本計画の到達点について議論されたが「他の市民との平等という観点からどの程度が目標達成されているか」「基本計画を政策実現のツールとして使うことを考えるべき」などの意見があった。

各論に議論はうつり、「現行の基本計画は差別の視点が入ってない。また、インクルーシブ教育という観点もない」という意見や、「精神障害者についてはその施策の推進、社会的入院の解消などがあげられているが、実態は変わっていない」あるいは「防災についてかかげられていたにもかかわらず、東日本大震災で、障害者は他の市民より約2倍の犠牲がでている。計画は生かされていたのか」などの意見も出された。
また、数値目標などが10年前かわっている部分もあり、数値目標がどこからはじきだされているのか、などの疑問もだされた。

さらに、「ユニバーサルデザインといいながら盲ろう者には最近のATMは使いにくくなっている」や「情報コミュニケーションについてもっと重点をおくべきだ」とする意見、「情報コミュニケーションという定義をもう少し明確にしないと何か抜け落ちるものがあるのではないか」というような発言もあった。
また、雇用・就業に関して「もっとデータが必要でそれに基づいた計画がたてられるべきである」などの意見もあった。
最後のコーナーでは、新しい基本計画をどのようにつくっていくか、について議論された。理念としては、権利条約や改正障害者基本法と同じように、社会から分け隔てられることのない共生社会の実現、すなわち社会モデル的な考え方を示し、具体的には、「女性障害者の問題」「地域資源整備の具体化」などなどについてあげられた。
また、新しい基本計画が改正障害者基本法にある障害者政策委員会によってつくられていくことから、早めにそのフレームをつくっていくことが重要、との意見も出された。

次回11月21日(月)


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◇2011年10月14日『障害連事務局FAXレター』No.228

差別の類型を2類型に
―各論に入る第9回差別禁止部会―

10月14日(金)の第9回差別禁止部会では差別の類型について2類型でいく方向性が合意されつつあった。
冒頭、協力員などから今後の議論の整理のために、というメモが出され、議論は差別の類型化に重点が置かれた。
メモでは4類型案つまり、直接差別、間接差別、関連差別、合理的配慮を行わないこと、という考え方と、2類型案、つまり、不均等待遇、合理的配慮を行わないこと、の2つの考え方が示された。
一方竹下委員、大谷委員、池原委員の連名で、「差別の類型に関する規定のあり方」というメモも出され、これは協力員のメモの2類型案に考え方は近いが、表現は差別に対してより厳しいものとなっていた。
2類型案となった場合、直接差別という考え方がなくなり、すべてについて抗弁事由の余地が生まれてしまう、という議論もあったが、労働・教育など各則ベースでそのことをしっかり議論すればよい、という意見も出た。

つづいて、厚生労働省の労働政策審議会障害者雇用分科会が「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する中間的な取りまとめ」を出したが、ここでも差別禁止がうたわれており、この部会との関係をどうすみわけていくか、ということが議論となった。
他の省庁の考え方を部会としても取り込んでいって良いのではないかとする意見の一方で、雇用促進法は障害者が働ける環境を進めていく法律であり、差別禁止法はそれをしなかったら当事者としても裁判所への請求権が生まれるという質的に違う法律である、などの意見も出た。
また、個別法の中に差別禁止規定を設け、差別禁止法は権利救済的な性格として重点を置くという意見もあった。今後各則の議論が続いていく予定。

次回11月11日(金)。

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10.28JDF大フォーラム

今年の大フォーラムは10月28日(金)、日本障害フォーラム(JDF)主催で行われることになりました。内容は、総合福祉部会の骨格提言の実現を政府に求めるものです。
 会場は日比谷野外音楽堂を中心に行います。

 ホームページは http://www.normanet.ne.jp/~1028/ です。
 いまからみなさん予定を空けておいてください。
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 今号は、日本障害者協議会(JD)の協力によってつくられました。


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◇2011年9月29日『障害連事務局FAXレター』No.227

日身連セミナー行われる
「一致した熱い思いが…」(東室長)

「制度改革推進会議委員の一致した熱い思いが、障害者基本法改正を実現させた」と、東俊裕障がい者制度改革推進担当室長は語った。

9月29日(木)「障害者制度改革の今日までとこれから みんなが暮らしやすい社会をめざして」をテーマに、参議院会館で300名以上が参加をし、日身連セミナーが行われた。
 午後からは「障害者総合福祉法への骨格提言の概要と展望」と題し、佐藤久夫総合福祉部会長が報告した。

 そのあとシンポジウムが行われた。シンポジストは大久保常明氏(全日本手をつなぐ育成会前常務理事)、尾上浩二氏(DPI日本会議事務局長)、川崎洋子氏(全国精神保健福祉会連合会理事長)、森祐司氏(日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長)、コメンテーターとして東俊裕氏、コーディネーターは藤井克徳氏(日本障害フォーラム(JDF)幹事会議長)であった。現状と課題、特に骨格提言を実現させるには全国的な運動の必要性が語られた。

午前中は、障害者虐待防止法問題で、黒嵜隆氏(弁護士)が講演した。
 なお、中根康浩衆議院議員(民主)、衛藤晟一参議院議員(自民)、高木美智代衆議院議員(公明)があいさつに駆けつけた。

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10.28JDF大フォーラム

今年の大フォーラムは10月28日(金)、日本障害フォーラム(JDF)主催で行われることになりました。内容は、総合福祉部会の骨格提言の実現を政府に求めるものです。
 会場は日比谷野外音楽堂を中心に行います。

 ホームページは http://www.normanet.ne.jp/~1028/ です。

 いまからみなさん予定を空けておいてください。



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◇2011年9月26日『障害連事務局FAXレター』No.226

蓮舫大臣に骨格提言を手渡す
―第35回障がい者制度改革推進会議―

蓮舫内閣府特命大臣に対し、会議の終了間際、総合福祉部会の骨格提言が手渡された。
蓮舫大臣は「みなさんの熱い議論でつくられたこの提言、活かしてくれるように小宮山厚生労働大臣に伝えます」と挨拶した。

9月26日(月)、障がい者制度改革推進会議(第35回)が行われた。
まず、総合福祉部会でまとめられた骨格提言の説明が佐藤部会長と尾上副部会長からあった。
この中で佐藤部会長は障害の確認に関連して「そのひとが何ができないかに着目するのではなく、なにに不自由し、なんの問題を抱えているかという視点で、福祉サービスが行われるべき」とした。

さらに、重度障害者が地域生活を営めない現状に対しての問題提起があり、それについては「今後しっかり検討しなければならない」と藤井議長代理は述べた。ただ、利用者負担との関係については大金持ちであろうがなかろうが、「障害ゆえにかかる費用については原則無料とすべきである」との見解も佐藤部会長、尾上副部会長からあった。

「財源確保のために消費税の議論を」という問題提起に対して「諸外国において消費税のとらえかたが違い、一言で“消費税”という単語を使うのはいかがかという応答があった」

ところで、合同作業チームの報告では、変更点が明らかにされ、医療合同チームが出した保護者制度を記した部分について「保護者制度の問題点を解消するために、扶養義務者等に代わる人権擁護制度の確立を検討すべきである」としたとのことであった。

東室長は質問に答え、「確定的なことは言えない」と前置きし、「総合福祉部会は8月30日で解散したつもりはない。なんらかの形でフォローしていきたいが厚労省の意向もある。合理的配慮については多分野にわたる差別禁止部会で、議論したい」と述べた。


次回、10月24日(月)

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今年の大フォーラムは、10月28日(金)

毎年、秋おこなっている全国大フォーラムは、今年は10月28日(金)に、日比谷野外音楽堂を中心に行います。今年の主催はJDF(日本障害フォーラム)で、障害者団体みんなで、総合福祉部会での骨格提言を実現させていこうではないか、ということで行います。
状況は、決して楽観できるものではありません。この10.28大フォーラムを皮切りに、来年の総合福祉法の成立まで、知恵と力と優しさを結集して、ベストを尽くしていきましょう。


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◇2011年9月12日『障害連事務局FAXレター』No.225

欠格条項の見直しを
―ヒアリング行う、差別禁止部会(第8回)―

9月12日(月)差別禁止部会(第8回)が行われた。
この日は前回に続く総論の続き、欠格事由に関するヒアリング、条例に基づく救済に関するヒアリング、が行われた。

総論の続きでは、太田は「悔しい不当な扱いをされたときに訴えられる法律をつくるという視点で類型化の議論をしてほしい」と主張した。
また「差別類型について例示していき、例外規定も多く認めるべきだ」とする意見が出る一方で、「差別とは何かをしっかりおさえないと技術的な議論に入り込んでしまう危険性がある」などの指摘もされた。
さらに男女雇用機会均等法の例もあるので、積み上げていくことも大切という意見もあった。
いずれにしても今後議論のたたき台をつくり、それによって議論をすすめることとした。
救済機関のあり方については東室長は「人権救済法の動向を見据えながら、この部会でも議論して欲しい」と答えた。

第2コーナーは欠格条項をなくす会の臼井久実子氏から、欠格事由に関するヒアリングであった。
「現在も労働、教育、住宅などあらゆる場面で欠格条項が残っている。差別禁止法を制定するときは、権利条約で「差別となる既存の法律、規則および慣行を修正し、または廃止」とある通り、欠格条項も廃止してほしい」ことを強調された。
また臼井氏は、質疑の中で「欠格条項という制度という形ではなく、個別にアセスメントしていくことが重要」とした。
また、「成年後見を受けると選挙権が奪われる」という事例について、そういうことを是正させる国会議員自体を選ぶ権利さえもが奪われてしまっているという指摘があった。

第3コーナーは千葉県の条例についてのヒアリング。千葉県障害福祉課の横山正博氏からあった。条例の概要や制定過程について説明があり「タウンミーティングを重ねていくことによって、いろんな経緯があったが県民の理解を得ることができ現在の条例となったことを語った。」
質疑では「どんな課題が今、あるか」というようなことが聞かれ「権利侵害の具体的なメルクマールが明確でないこと」などがあげられた。
この条例の制定に携わった野沢委員から「精神障害者、知的障害者にとっての合理的配慮とは何かを考えさせられた。事務局であった横山さんは当事者ととことん話し合い納得を得る形で条例が制定できた」と語った。

次回、10月14日(金)


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◇2011年8月30日『障害連事務局FAXレター』No.224

総合福祉部会骨格提言まとまる、総合福祉部会(第18回)
―完全実現をもとめて「秋の陣」―

いよいよ総合福祉法の骨格提言がまとめられた。8月30日(火)の総合福祉部会(第18回)は、大詰めの白熱した議論が交わされた。

はじめに佐藤部会長からこれまでの骨格提言の議論から、今回の部会での大きな修正点が明らかにされた。・利用者負担については、無償としていたが、高収入者については応能負担を取り入れる。・入所施設を地域移行から支援体系の中に位置付ける。・介護保険での関係については対象年齢となったとしても、従来通り総合福祉法でのサービスを受けられる、等々であった。
続いてこれまでの議論からの最終的な修正点について説明があった。
名称は障害者総合福祉法とすることや、ニーズアセスメントによる支給決定については試行事業を行ってから導入する、とした。
そして障害の定義は混乱を避けるため、障害者基本法と同じものにしていく、とした。
自立支援医療については、総合福祉法施行をまたずして速やかに無償とすべきだとした。
駒村委員からは、増税という表現を具体的に盛り込むべきだという意見が出されたが、その問題は、別の機会で行うべきだということで、まとめられた。
ALS協会の橋本委員からは、「コミュニケーション支援という言い方では弱いのではないか」という指摘も出され、基本的には意志疎通も含まれていることを確認し、「自らの選択による」という意味を付けくわえる、補強修正を行うこととなった。
疾病と障害の確認では「難病の場合、病名がつけられず、しかし長い期間生活上の困難にあっている人たちがいる」という意見がだされた。
支給決定と合議機関のあり方については、本人参加の保障や、支援者の参加の保障について確認がされた。一方で自治体としては基準がないと円滑に進められないという危惧もだされた。
協議調整モデルの議論が今ひとつ深められていないようで、新しい試みとして期待できるその反面、自治体の財政状況によって決定内容が違ってくるのではないかという心配もある。地域の運動が重要である。

デイアクティビティセンターのあり方については、自立支援法を継承するものではなく「障害者が主体的に地域で活動する拠点として位置づけるべき」という修正提案がだされ、そのようにしていくことになった。相談支援機関の在り方について何人かから意見がだされ、難病とみられる、総合福祉法の対象者の可能性のある者も含めることも大事、という補強意見がだされた。
さて今回の骨格提言では、合同作業チームの報告も盛り込まれており、そこの医療の部分で、「保護者制度の廃止と、それに代わる公的機関の創設」があげられており、山本委員は「保護者制度の廃止は良いが、公的機関をつくることは、さらにおそろしいこととなる。社会的入院患者も増えかねない」とした。結局この件については意見がまとまらず、作業チームの堂本座長や、部会三役で表現をつめることになった。

修正部分については、部会三役に一任される形で、総合福祉部会の骨格提言は、まとめきることができた。部会三役をはじめ関係者の努力の成果である。今後は「推進会議でフォローアップしていきたい」(東室長)とのことである。
いずれにしても、部会構成員55名が1年半という短い期間で、ここまでの提言を作り上げたことは画期的でその完全実現が求められる。
JDFなど障害者団体は一丸となり、政府・厚労省に働きかけていかなければならない。
「秋の陣」は早速始まっている。

総合福祉部会のページに今日の資料があります。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/index.html

お知らせ

障害者・患者9条の会

2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」

「平和に生きる権利を いま、何を学び、何を行動するか」
日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分〜16時
会場 東京都障害者福祉会館(田町)
   http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/syoukan/toiawase/index.html

○記念講演 中澤正夫(精神科医)
  「ヒロシマとフクシマ −目を背けてはいけない史実と事実」
○特別報告 
  石川勇(東京肢障協)「空襲、闇市世代、それから」
  坂下共(きょうされん)「軍隊を持たない国 コスタリカの今に学ぶ」
参加費500円

○詳細は http://www.nginet.or.jp/9jo/index.html


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◇2011年8月12日『障害連事務局FAXレター』No.223

なぜ合理的配慮は必要か
―難しい直接差別と間接差別の境目、差別禁止部会(第7回)―

8月12日(金)差別禁止部会(7回)が行われた。
はじめに、差別類型をめぐって議論した。
合理的配慮の必要性については、機会の平等を実質的に保障するという観点では委員の意見はほぼ一致していた。
太田は、車イスの入店拒否や、新幹線の自由席でデッキに乗せないなどの例を挙げ、大袈裟なことをしなくても少し柔軟な対応をすれば差別されなくても済む場合が多い、ことを言った。

また、他の委員からも文明や科学の発展から取り残されたマイノリティーの人たちへの配慮というか「義理」みたいなことが求められている、という意見があった。
直接差別・間接差別・合理的配慮の不提供など、差別類型については、直接差別に重きを置いたほうが裁判がしやすくなるという意見も出た。
一方で類型はシンプルにしたほうがわかりやすい、立証責任などとからめた議論にしないほうが良いと、いう意見もあった。
さらに、ひとつのルールで考え、ルールから外れた対応をする差別と、そのルール自体が不公平な差別とがあり、それは直接、間接という考え方では割り切れないものである、という意見もあった。
あるいは、類型化していく意味が本当にあるのか、という疑問も提起された。

差別の正当化事由(差別しても仕方がないと思われること)については大方の委員の意見は公的支援のあるなしによって正当化事由は認められない、でまとまっていたように思う。
企業や団体などの組織運営にあたって、当初から障害者の存在を前提とすべきという意見があった。

立証責任については、差別類型毎に、受けた側にあるかした側にあるかが、変わってくるという意見が出た。
太田はなるべく簡単に障害者が問題提起できるような仕組みが必要であると、強調した。

さらに差別禁止規定のあり方については包括規定と同時に各分野ごとの規定も必要だと主張した。

 最後に、池田直樹弁護士からのヒアリングがあり、鉄道会社を相手にしたエレベーター設置訴訟や、車いす用トイレ整備訴訟などの報告を受けた。障害者基本法はガイドライン的性格を持つので、争いにくかった。差別禁止法は個人救済に焦点が当てられるので、政策論的な法律と、個人救済的法律と両方が必要であると述べた。

次回、9月12日(月)

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【お知らせ】

障害者・患者9条の会企画

2011年 9月3日(土)「白熱教室2011」

平和に生きる権利を
いま、何を学び、何を行動するか

 日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分〜16時
 会場 東京都障害者福祉会館(田町)
記念講演 中澤正夫(精神科医)
     「ヒロシマとフクシマ −目を背けてはいけない史実と事実」

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※このFAXレターは、日本障害者協議会(JD)の協力によってつくられました。


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◇2011年8月9日『障害連事務局FAXレター』No.222

いま、八合目か?
―もっとも苦しいとき、総合福祉部会(第17回)―

8月9日(火)総合福祉部会(17回)が行われた。7月26日発表された骨格提言素案の修正等に関する意見交換が中心となった。

その議論に入る前に、これまで違う意見が出ていてもきちんと討論していない。少数意見を尊重して欲しいし、また今後どうやって調整をしていくのか、などの意見がだされた。これに対して佐藤部会長は、「少数意見であっても、重要なものはきちんと明記していきたい」とした。
また最終を8月30日とするのはどうにかならないか、との意見も出された。佐藤部会長は、「新法をつくるにあたって4ヶ月ぐらいの準備期間が必要と厚生労働省は言っている」と答えた。
さらに、「地方自治体の意見をきちんときいてほしい。せっかくの地方の新法がだめになる」との指摘もあった。

骨格提言の法の理念目的では、介護保険優先原則についてのさまざまな問題提起があった。ALSの人が地域生活を行う場合、難病として介護保険の対象となってしまい困っている、という意見もだされた。一方で65歳以上の要介護者が障害者手帳をとり、貧困ビジネスのようなものに利用されているという実態も明らかにされた。
OECDの障害者予算の平均を上回るように、という記述に対しては「今の2倍以上の予算が必要となり現実的な緻密な試算が必要ではないか」という意見がだされた、これに対しては尾上副部会長から「そういう意味でも総合福祉法の輪郭を明らかにして、厚労省に試算をしてもらわなければ話が始まらない」とした。地域移行や重度障害者の長期間介護における国負担の割合を高めていくことが提言に盛り込まれ、自治体の負担割合を低くするため出身地の負担を入れるという考え方も示されているが、それについては賛成反対の意見が出された。
医療では、精神障害者の保護者制度について、「家族の負担を軽くするため保護者制度の廃止が必要」とする意見と、「保護者制度を廃止しそれを新たな公的機関が行うならば反対」とする意見、さらには「家族でも保護者の役割をしたいという人もいるのではないか」との意見に分かれた。
さらに、「精神医療を受ける人は年々増え大きな問題となっている。この状況を止めなければならない」との意見も出た。

障害児支援では、施設について障害の一元化ということが、盛り込まれていたが、様々な障害のある人がいることから、「慎重に段階的に」という意見が出た。また特別支援学校の寄宿舎のあり方についてはその充実を求めていく意見が出され、大谷座長は「学校教育法の位置づけをきちんと整理しなければならない」と答えた。
労働では賃金補てんのあり方について議論され、「所得保障制度と絡めるべきではない」とする意見と、「所得保障のあり方に関係する問題」の意見が出た。
きちんと今後も労働のあり方については、議論すべきである、との指摘も出された。

 部会の終了間近に、修正意見を反映させた新しい骨格提言案の議論に入ったため、一時、緊張が走った。基本的には、各委員が文書で意見を出すことになったが、「地域移行に偏りすぎている」という意見の一方で「地域生活をうたう権利条約を踏まえた新法をつくらなければ意味がない」という考え方も出された。さらに、利用者負担と絡める形で「人工呼吸器をつけた人や経管栄養の人などが、十分なケアを受けられないため、命を落としていることが多い」との強い指摘もされた。

 次回8月30日(火)骨格提言最終まとめ

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平和に生きる権利を
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◇2011年8月8日『障害連事務局FAXレター』No.221

年度末にも政策委員会スタート?
―推進会議(34回)、どうなる障害の定義―

制度改革推進会議(第34回)は8月8日行われた。
障害者基本法改正について東室長からあった。「7月29日参議院で成立し8月5日公布」とのこと。「政策委員会はいつスタートするのか」に対して、東室長は「年度末にもスタートするかもしれない」との見通しを述べた。

つづいて総合福祉部会、佐藤部会長から総合福祉部会における新法の骨格提言についての報告があった。
はじめの議論では、障害の範囲、支給決定などであった。
質問では、「障害制度区分認定基準の客観的指標には問題がある」というくだりは自治体の立場からどうかと思う表現だ、などが出され、「審査会で区分変更が多い実態があることに着目した」などと佐藤部会長や尾上副部会長は答えていた。
障害の定義について、障害者基本法をよりある意味広くしていることについても、矛盾が生じるのではないか、との指摘が何人かからあった。
これに対して、佐藤部会長は「これまでの枠組みではなく、新しい枠組みで障害の定義を検討している」と答えた。

次の議論は、権利擁護、相談支援、支援体系などであった。
デイアクティビティセンターにおける重症心身障害の人に対する医療的ケアについての考え方を評価する意見が出され、さらに地域で生きるという権利条約の理念に立ってすすめてほしいとの発言があった。
また、「どれを優先するかという議論が出されてなく予算的に膨大になってしまう」との危惧が出され、「相談支援についてはカットしてもよいのではないか」という発言もあった。
それに対して、佐藤部会長は「特定相談はニーズに応じたサービスはどれくらいかを明らかにさせ、個人のエンパワメントを発揮させる場として重要」と答えた。

つづいて、利用者負担、地域資源整備に移った。
障害にかかわる費用は無料とし、一部高額所得者について応能負担を導入するとした考えについて評価する意見が出される一方で、「一部応能負担という考え方はおかしい、高額所得者は税制で反映されるべきだ」との意見が出された。また、重度障害者については「一部お金を払ってでもきちんとした介助を保障してほしい」との発言もあった。
さらに「消費者的な視点で捉えていくことも重要ではないか」との指摘もあった。
自立支援協議会と市町村政策委員会は役割が重複するのではないか、との指摘があり、東室長は「政策委員会は障害者基本法のものであり、自立支援協議会は総合福祉法上のものですみわけが必要とされる」と述べた。

 最後に“医療”“障害児”“労働”の合同作業部会の報告がそれぞれあった。労働の作業部会の座長である松井委員は、東室長の質問に答える形で、「労働については包括的な差別禁止法による差別禁止とともに、雇用促進法においても差別禁止条項を設けるべきだ」との考えを示した。

 次回9月26日(月)

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【お知らせ】

障害者・患者9条の会企画

2011年9月3日(土)「白熱教室2011」

平和に生きる権利を
いま、何を学び、何を行動するか

 日時 2011年9月3日(土) 13時受付 13時30分〜16時

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◇2011年8月1日『障害連事務局FAXレター』No.220

東日本大震災はまだ終わっていない
―障害連シンポジウム、行う(7.30)―

「福島では、震災当日から、今に至るまで大変な日々が続いている」とは、白石さんの言葉。7月30日(土)午後、東京都障害者総合福祉センターで、障害連シンポジウムPart8「真の安心・安全の暮らしとは何か―全身性障害者の立場から―」を行った。

白石清春さんは、JDF被災地障がい者支援センターふくしま代表を務めている。日ごろは障害者自立生活センターの運営をしている白石さん、3月11日から今に至るまで休む暇はない。福島では原発大事故が重なり、障害者の暮らしは振り回されている状態だ。「原発事故により、優生思想的な問題が出てきており、それとの闘いは長くなりそう」と語った。

古井正代さん、彼女は元青い芝の会の闘志として知る人ぞ知る。彼女も福島に支援に行った。避難所における差別、医療においても障害者が差別されていることや、自己決定権無視の実態、それらを率直に話してくれた。まず住宅問題が重要。「アメリカやヨーロッパでは、差別禁止の理念に基づき、すべての住宅をアクセシブルにする取り組みが当たり前」と語った。

上原泰男さんは、東京災害ボランティアネットワーク事務局長として、今宮城県の南三陸町の被災者支援を行っている。障害連との付き合いもあしかけ20年となる。福祉のまちづくり、帰宅困難を想定した訓練、いろいろと障害者と関わってくれた。上原さんは「どれだけ人とのつながりを持てているか、このことが災害時に大きな影響を与える」と述べた。

関根義雄さん(障害連副代表)は「避難所のバリアをなくしていくことをはじめ、誰もが地域で安心して暮らしていけるための整備が求められているのではないか」と語った。

指定発言で、越智大輔さん(東京都聴覚障害者連盟事務局長)は、「耳の不自由な人は、どれだけ危険がせまっているかなどの情報を得ることが難しい。避難所の状況も知ることが難しい。見た目では一般の人と変わらないので、なかなか理解してもらえない」と話してくれた。

フロアからは、「震災当日外出していたが、車いすで休める所が欲しかった。トイレが何より心配。」との発言もあった。
シンポジウムのなかで何人かの人が「被災地や避難所に障害者を見ない」と語っていたことは、これからの大きな課題としてのしかかってくる。

今回のシンポジウムは障害連にしては多い60名以上の人たちが参加してくれた。
集会の後、白石さんと古井さんは、障害者差別禁止法をぜひとも制定しなければならず、今後も障害連と連携をとりながら運動をしていくことを約束してくれた。

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差別禁止法と総合福祉法の制定に向けて
―2011年度障害連総会行う―

 シンポジウムの7月30日(土)、障害連は、2011年度の総会を行った。自立支援法にかわる総合福祉法の制定や、差別禁止法の実現などを盛り込んだ2011年度方針を採択した。さらに会計報告や予算案についても承認された。
 また次期役員改選においては、世代交代をさらに進めることも確認された。
 総会では以下の人たちが役員に選ばれたが、今後補充も必要ということから、補充については、役員会に一任された。代表 伊藤雅文(どろんこ作業所)、副代表 春田文夫(仰光会)、副代表 関根義雄(スタジオI)、事務局長 太田修平(仰光会)、幹事 杉井和男(船橋障害者自立生活センター)、幹事 渡辺正直(静岡障害者自立生活センター)、幹事 大濱眞(全国脊髄損傷者連合会)、幹事 木賀沢元(どろんこ作業所)、幹事 土屋淳子(ピアサポート八王子)、相談役 宮尾修(船橋障害者自立生活センター)、相談役 金澤恂(心の灯)、相談役 三澤了(全国頸髄損傷者連絡会)、会計監査 宮原映夫(全国頸髄損傷者連絡会)


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◇2011年7月26日『障害連事務局FAXレター』No.219

相談支援・地域移行、白熱議論
―いよいよ大詰め、総合福祉部会(第16回)―

総合福祉部会はいよいよ山場を迎えた。7月26日(火)総合福祉部会(第16回)は、部会報告のとりまとめの報告と提案が行われた。
東担当室長から骨格提言をつくるにあたっての基本的な考え方が示され、誰にもわかるようにするために、結論を先に出してもらい、その説明をし、他の法律や分野との関係を明らかにしていった方がよい、とした。これに基づき、骨格提言の議論を始めようとしたが、「提言の形についてこれまで一度も議論したことがなかったではないか」という意見が出された。 これに対し佐藤部会長は、「震災の前に見通しが甘かった」と述べた。さらに「財源問題が全然話し合われてなく、これで本当に実現できるのか」という指摘もあった。
提言に関する議論では、まず障害者の範囲について、「知的という表現が落ちているではないか」という指摘が出され、佐藤部会長は、「身体的・精神的という表現でも包括的であり国際的文章でも出されている」と答えた。
また、障害者の範囲の部分で「サービスを利用する者という表現を明確にいれた方がよい」という発言もあった。

支給決定(選択と決定)では、「国がガイドラインをつくるというが、今の障害程度区分と同じになってしまわないか」という意見や、「合議機関の構成メンバーがおかしいのではないか」という発言が出された。
相談については、様々な意見が出された。 「重度障害者にとっては、地域生活の観点から、全国的な相談機関が必要である」「一般相談と特定相談をわけるのがおかしい。特定相談は見直すべきだ」「相談支援に予算をかけるのは人々の理解が得られない。もっと予算をかけるべきところがある」などが出されていった。
権利擁護では、「入所者・入院者への権利擁護システムとあるが、総合福祉法には馴染まないのではないか」との指摘もあった。また知的障害者にとっては、「場所の情報も入れてほしい」や「虐待防止法との関連も教えてほしい」などが出されていった。

利用者負担について「グループホームについては、応益負担廃止し…とあるがグループホームの入居者も家賃補助を受けるなどしてそのコストを支払ってもいいのではないか」との意見が出され、「基本的には作業チームでも同じ考えである」や「障害に必要な経費は求めないという原則を打ち立てながら、今後対応すべきである」という発言もあった。
デイアクティビティセンターでの医療ケアを必要とする人びとへの対応について、資格の有るものにしっかり行うべきとする意見や、長い間付き合っている介助者との関係を重視していく必要がある、というふたつの意見が出された。
支援体系については、国が担う部分と自治体が担う部分と分けられ、特に就労センターやデイアクティビティセンターについての議論となった。就労センターについて賃金補填とあるが、今の社会情勢を見るときにもう少し丁寧に考えていく必要があるとの意見も出された。
人材確保について「給料を国家公務員並みにとあるが、それができるようだったら苦労はしていない」との厳しい指摘もあった。

地域移行については、地域基盤整備10ヶ年計画を明らかにし、その中で進めていくこととしたが、委員からは「地域社会で安心して暮らせる社会整備などといった表現の方がよい」とする意見などがあった。さらに「精神障害の立場だと社会的入院が減っていない現状にあって、10ヶ年でなく緊急に行ってほしい」という意見が出された。
佐藤部会長からは、「今回取りまとめた支援体系の中には入所施設を入れてなく、メインは地域という考えだが、施設などを必要だとする人もいるという考えだ」と述べた。

続いて、厚労省中島課長から前回のコメントに対する意見への再コメントがあり、「コメントを出すのが遅いと指摘されたが、基本的には予定通り。2週間以内で出した。」と述べ、時間もなかったこともあるのか「前回の部会で佐藤部会長から厚労省コメントはあくまで参考意見としたいということであったので、今日は細かいことまで再コメントはしない」と発言した。
最後に利用者負担部会の小野副座長から、利用者負担のあり方についての厚労省コメントについて、再度意見が提起された。

次回8月9日(火)


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◇2011年7月8日『障害連事務局FAXレター』No.218

異なる取り扱いか、不利益か
―“間接差別”をしっかりと、差別禁止部会(第6回)―

7月8日(金)差別禁止部会(第6回)が行われた。本格的論戦のスタートだ。
まず、直接差別について議論された。「機能障害」→「能力障害」→そして障害そのものへの忌避、という差別の仕組みがあるのではないか、という事務局の問題提起。
この提起を受け、「千葉県の条例をつくるなかで、必ずしも規制を伴ったものでアプローチすることが解決策とはならない」という意見がでた。太田は「小さい頃から親に愛される人になれ、と言われてきた。障害者が差別排除されてきた証だ。」と発言した。大方は社会的な意識との関係のものである。というのが共通項のようだ。

異別取り扱いか、不利益か、どちらに力点を置くかについては様々な意見が事前に出ていた。太田と大谷委員は「異別取り扱いをきちんと検討すべきである」とした。山本委員から民法学的な立場で差別禁止をどう捉えるか分析がされた。私人と私人の間においてどこまで例外ルールがあるのか、許されるのか、今後の議論となろう。

次に、間接差別について、「諸外国における概念の展開の経緯について」をテーマに、一橋大学の相澤美智子氏(協力員)の報告があった。アメリカとEUにおける間接差別(特に雇用問題)を中心に語られた。
アメリカもEUも間接差別について共通しているものは、「中立的な立場を装いながら、結果として差別が生まれる状態、その意図の証明は不要」ということだ。EUでは、間接差別について発展しているが、アメリカでは、裁判で認められることが少なくなってきている、とのこと。
太田は「直接差別でも善意で行われることもあり、意図の証明は不要と考える」と表明した。これに対し、相澤氏は「直接差別と間接差別の区別がなくなってしまうのではないか」とした。

報告のあと休憩を挟んで間接差別について話しあった。「就職試験の条件に『自書できるもの』というように、一見間接差別のように思えるものでも、それは実質的に障害者そのものを排除しているに等しく、直接差別といえるものもあり、その境目は難しい」という意見も出た。
また、西村委員からは、北海道の例をあげて「公務員の採用条件に一般公共交通機関を使う、などの規定があり、それらを使えない障害者を差別している」との報告があった。
さらに、間接差別と合理的配慮の欠如は重なりあう場面もあれば、全く異なることもある。合理的配慮の欠如は、具体的に求められる合理的配慮の内容が明確になった時に、当てはまってくる考え方である、という意見が出され、それは大体の合意になっていった。

次回は、8月12日(金) 合理的配慮について。

※このFAXレターは、日本障害者協議会(JD)の協力によるものです。


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◇2011年6月27日『障害連事務局FAXレター』No.217

障がい者制度改革はまだ終わっていない
―合同作業チーム報告、推進会議(33回)―

6月27日(月)、推進会議(33回)が行われた。

冒頭、東室長から「障害者基本法改正案が衆議院を通過し参議院に送られた。また、障害者虐待防止法が成立した」との報告があった。
委員からは「現在、審議中の障害者基本法改正案修正案を資料として出してほしい」という要望があり、東室長は「次回に出したい」とした。

つづいて、合同作業チームの報告に移った。
まず、就労合同チームの報告が松井座長から行われた。「就労系事業は一般労働法のもとに、活動作業系は総合福祉法に位置づけるべき」だとした。その上で「就労系事業においては労働者性を認めるべきだ」とし、合理的配慮やこれから制定されるであろう差別禁止法によってトラブルを解決する仕組みを考えるべきであるとした。また「先日の総合福祉部会での厚労省のコメントは既に審議会があるので、そちらの方でという言いようで、推進会議の軽視するものだ」と批判した。
質疑では「苦情解決にあたっての知的障害者への合理的配慮」などを求める意見が出た。

次に医療合同チームの報告を堂本座長が行った。「第1期は精神障害者施策を中心に行った。精神障害者の多くは精神科病院で拘束され、憲法や権利条約の違反のもとにおかれている。社会的入院者の解消を具体的にはかっていかなければならない。病院側委員とは精神保健福祉法の廃止、認知症の人々の精神科病院への入院については合意が得られなかったが、地域移行では考え方が一致した。第2期では重度障害者、難病者などの問題も取り上げた。居住の場の確保も重要。厚生労働省はコメントで他の審議会でやっているから、という理由で正面から受けとめてくれない。当事者の意見が大切だ。」と述べた。
質疑では「推進会議の意義が問われている。他省庁との意見のすり合わせの機会などを設けるべきだ。」との意見がでた。

つづいて、障害児支援合同チームの報告を大谷座長が行った。「平成20年度の検討会のメンバー4人がいて、その時のものを補足していくということで議論を行った。早期支援、こども園への障害児入園保障、最善の利益などが論じられた。個別支援計画をつくっていき、オンブズパーソンが一般施策と障害児施策の谷間が作られないようにその役割を果たしていく」などとした。
東室長から「自己決定権についての議論があったのか」という質問が出され、大谷座長は「もちろんそのことを前提とした議論であった。多くが総合福祉法に盛り込む内容というよりも、児童福祉法を改正する内容であり、今後どういう動きとなるか心配である」とも述べた。

総合福祉部会の報告が佐藤部会長、尾上副部会長からあり、「8月末までには法案の骨格提言をつくりたい」とした。
災害時要援護者及び県外避難者の情報共有に関する意見書(日弁連)について大谷委員から説明があった。またジュネーブで開催された「障害者権利委員会のチュニジアへの総括所見の概要」について長瀬委員が説明した。

総合福祉部会の動きと関連して久松委員からは「障害者基本法改正、総合福祉法と差別禁止法の制定については、閣議決定をしているので、推進会議の場で最終的な確認をとる必要がある」との意見が出された。
これに対して東室長は、「推進会議と総合福祉部会でキャッチボールは必要かもしれない、部会の提言を推進会議として最終的にどうこうするということでもないだろう」と述べ、さらに「基本法が改正されたら、政策委員会がつくられ、関係省庁に意見を言える。そういう形で、課題とされてきた各省庁との連携についても考えていきたい」とした。

今の政治情勢、総合福祉部会における厚労省のコメントという、重苦しいものが漂うなかで、推進会議も厳しいところに立たされている。思えば自立支援法の勝利的和解、政権交代から始まったこの流れ。そういう状況をつくりだすことができたのは、ひとつの奇跡であった。みんなが一生懸命運動したからだ。昨日のテレビドラマではないが、「未来は変ええるもの」であることを、私たちは忘れてはならない。

次回8月8日(月)


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◇2011年6月23日『障害連事務局FAXレター』No.216

第2期作業チーム報告する
―ほとんど否定的、厚労省コメント、第15回総合福祉部会―

6月23日(木)第15回総合福祉部会が行われた。この日は第2期作業チームの報告であった。

はじめに選択と決定・相談の作業チームの報告を茨木座長が行った。「これまでの障害程度区分をなくし、本人計画に基づいた決定のプロセスにしていき、ガイドラインを作成し、市町村と折り合いがつかない場合は、そのガイドラインに基づいて、協議・調整していく」とした。また、それでも結論が出ない場合はこれからつくられるであろう差別禁止法制等を利用して、解決がはかられる仕組みが求められる、とした。

続いて、地域移行チームの報告が大久保座長から行われた。「単に空間的なものを指すのではなく、本人が選んで住まいを得る、ことが地域移行の本質だ」とした。そして、地域基盤の充実が何よりも求められる、とした。
それに対して、山本委員などからは「隔離収容政策そのものが問題であり、それを止めさせることが重要」と発言した。

3番目には地域生活の資源整備チームの報告を森座長が行った。「地域自立支援協議会の活性化や、24時間介護サービスの支援体制の確立、コミュニケーションや移動支援などのシームレスが支援の必要性」を発言した。
強度行動障害について質問があり、竹端委員から「シームレスな支援にもちろん含まれるもの」と答えた。

次に利用者負担チームの報告を田中座長が行った。「障害から発生する費用は無料とすべき。という考えでまとまった。障害から発生する費用とはコミュニケーション、相談支援などなども含まれる」とした。質疑では「高齢者との関連はどうなのか」という発言があり、同じグループの小野委員から介護保険制度導入を前提としない、介護保険優先を原則としない、という視点でまとめた、とした。

次に、報酬や人材確保チームから藤岡座長が報告した。
「福祉職員の給与を国家公務員並みとし、利用者個別報酬と事業所運営報酬の2本立てとし、日割と月割をミックスさせる」とした。

つづいて合同作業チームの報告に移り、就労チームの松井座長が報告し「賃金補てん制度と所得保障、あるいは合理的配慮など、今後の検討課題が多い」とした。

医療チームから堂本座長が報告をし「障害種別を問わず、どんなに障害が重くても医療が受けられるようにすべき」だとした。さらに費用負担については両論併記となった、とした。
精神科病床の在り方について、総合病院に基本置くかについては様々な意見が出された。

障害児支援チームから大谷座長が報告した。「基本的には一般施策の中で行うべきであるが、障害固有の問題については、それとは別に施策を作っていく必要がある。オンブズパーソン制度導入も必要」とした。

続いて第2期作業グループの報告についての厚労省としてのコメントを中島企画課長がした。「財源問題」「公平性」「他分野との整合性」「国民的議論の必要性」を強調していた。
それに対して「福祉部会と厚労省の溝が大きい」という指摘や「費用負担についての分析は的を得ていない」や「この部会が出来た経過を厚労省はきちんと認識しているのか、やる気があるのか」など鋭い意見が出された。時間がなく、厚労省からの回答はなかった。

施行調査についての報告や本調査の進め方について、責任者の平野委員から「施行調査は郵送だったため、回収率が著しく低かった。そのため本調査では、広報を強めると共に訪問して調査票を置いていくようにしたい」との提案があった。
しかし、拒否したい場合などの相談窓口等をめぐって、詰め切ることができず、保留となった。

最後に、8月30日までに骨格提言を作って行くことが佐藤部会長から明らかにされたが、「9月以降は厚労省任せにしてしまうのか」などの意見が出された。これに対して、東室長は「そのような考えは持っていない。具体的な進め方については検討したい」とした。

それにしても厚労省のコメントは、作業グループの考え方と隔たりが大きい。障害者制度改革・新法づくりの原点は、長妻前厚労大臣の「自立支援法廃止発言」であったことを忘れないでほしい。

次回は7月26日(火)


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◇2011年6月10日『障害連事務局FAXレター』No.215

差別禁止法必要性多数が主張
―「有資格」は慎重な意見、第5回差別禁止部会―

6月10日(金)第5回差別禁止部会は、「差別禁止法は必要か」という議論に入り、ほぼ全員「必要」という意見書を出したことが明かにされた。

最初にアメリカのADAについて、北九州市立大学植木淳氏のヒアリングを行った。
憲法に定める平等保護条項がADAの基礎になっているとした。「いかなる州も各州の管轄権において、何人に対しても法の平等な保護を否定してはならない」を基に、ADAは制定された。これは、他の公民権法の延長線上として捉えることができる。
ADAは第1編「雇用」、第2編「公的機関」、第3編「公共施設」、第4編「電気通信」となっており、さらに、障害の定義は@個人の主要な生活行動を実質的に制約する心身の機能障害Aそのような機能障害の記録Bそのような機能障害を有するとみなされていること、となっている。
また、「資格を有する個人」という定義があり、それは合理的配慮があれば、特定の社会活動の本質的な機能を遂行・参加することが可能な場合、とされている。
質疑の中では、資格を有する個人や障害の定義などについては、裁判所の判断に委ねるラフな基準となっているのに対し、技術的な側面は細かく規定されているなどが明らかにされた。

続いて、差別禁止部会において論ずるべき点というテーマで、委員からの意見を東室長が集約し、報告した。差別禁止法の必要性については全員必要と答え、その理由として現実に差別があるから、権利条約の要請であるから、今の法律では差別が救済されないから、等々の理由が挙げられ、救済システムを持った裁判規範性のあるものが求められる、としている。
委員からの意見では差別禁止法の立法化に向け、最大公約数的なものをまとめる必要がある、とする見解や、理想を追及したいが限られた期間で行うので、現実的な対応も必要である、という意見もあった。
障害の定義等については、社会モデル的な視点と医学モデル的な視点、二つの立場に分かれた、とした。
川島委員の意見を東室長が紹介しながら、社会モデル的視点で捉え、定義はインペアメントとする考え方もひとつの有力な考え方であるとした。

次に資格のある個人という概念が必要かどうかという議論になり、多くは必要がないとのことであった。
ただ、浅倉委員の、「法律には明記する必要はないが、行政の指針としては必要がある」と同様の意見が多く出された。太田も「明記すると地域で生きられる資格のある人、そうではない人と振り分けられる危険性が出てしまう」と発言した。
また、家族や関係者を含めるかどうかについては、多くの委員は含めるべきとする意見であった。

次回は差別の類型に入り、直接差別を議論する。次回、7月8日(金)。

※このNo.215は、日本障害者協議会の協力によってつくられました


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◇2011年5月31日『障害連事務局FAXレター』No.214

第14回総合福祉部会行われる

5月31日(火)障がい者制度改革推進会議第14回総合福祉部会が行われた。震災で1か月遅れとなっていたが、来年の通常国会に新法提出という日程で、8月末には、総合福祉部会報告案をまとめていくことを、佐藤座長から改めて提起された。
また次回の6月23日(木)の総合福祉部会では、各作業チームの報告がされる予定となっている。

今回は、佐藤座長より今後の日程等が明らかにされるのみで、部会は終了し、各作業チームに分かれた討議に移った。

次回6月23日(木)


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◇2011年5月23日『障害連事務局FAXレター』No.213

当事者参加による復興を
―インクルーシブをめざし、第32回推進会議―

第32回推進会議は5月23日(月)行われた。この日のテーマは「災害」であった。
本題に入る前に担当室の関参事官から「基本法改正案は4月22日国会に提出され、各党の調整に入っているが、審議の日程についてはまだ明らかではない」との説明があった。

東室長から東日本大震災での障害者団体の調査概要、一般的な被災状況についての比較が述べられ、いまだに全体像は明らかになっていないが、「調査結果で見るかぎり障害者の死亡者は、一般の人たちの死亡者の2倍以上となるものと思われる」とした。
質疑では要援護者名簿から障害者の数を割り出せないか、あるいは自治体がつくっている全体計画の中に福祉避難所がどれくらいあるかなど調査できないか、などの発言があった。
東室長は「役所としての機能を回復できていないところもあり厳しい状況」にあるという認識を示した。
さらに避難所になぜ障害者がいないのか、障害者団体が安否確認をしようにも個人情報保護法が立ちはだかっている問題などが指摘された。トイレの問題や介護の問題、ストレスによって大きな声を出してしまう問題、等々の理由で一度は避難所に障害者は行くものの、長い間はいられず、家に帰ったり、親戚の家に行ったりしなければならない実態について委員から報告がされた。

そして、福島など原発事故をともなう地域の障害者にとって震災は進行中のものという指摘もあった。
JDFの宮城や福島の支援センターなどの報告もあったが、個人情報保護法をたてに行政が障害者の情報を流してくれず、なかなか安否確認がとれない状況であるという報告もされた。一方で福島の南相馬市では情報公開法の「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」との条項に基づいて情報を流してくれたとのことである。また、阪神淡路大震災においては神戸市が安否確認等についてNPOの協力を求めた例もあり、それにならうべきではないかという提起もあった。
精神障害者の作業所が避難所に指定されてしまい、作業所として使えなくなってしまっているとの実例もあげられた。

つづいて、「被害とは」というテーマに移り、その中で「災害は日常の差別の最も露呈する場と認識する必要があり避難所においてはすべての人のニーズが充たされるようにすべきであって、インクルーシブの観点から、福祉避難所が絶対よいというようには思えない」という意見もだされた。
つづいて「基本的課題」というテーマとなり、ここで「自分は高層マンションの55階に住んでいるが、住民たちの名前をほとんど知らない、という関係にある、災害がおきたときこういう都市環境の中で要援護者がいるという認識が必要」という意見もあった。
さらに社会福祉協議会が障害者のニーズにこたえる機能をもっているか、という議論も展開されていった。
また、ジェンダー的視点を取り入れて議論する必要がある、という指摘もあった。
情報コミュニケーション保障について、「政府やNHKなどに申し入れをしているが、非常に消極的な態度である」との発言もあった。
最後に復興についてというテーマとなった。
「単なる復旧ではなく、インクルーシブな社会をめざすということが必要で、当事者参画が不可欠」という意見が出された。そして「次回このテーマで話し合う時は震災にあった当事者の方をお呼びし、意見を聞くことが重要」という指摘もされた。さらに「政府の復興構想会議と連携を求めていくべきだ」という提起もあった。
東室長は「今後基本計画を見直していく際は、今日の議論を反映させていき、継続課題したい」とした。

次回6月27日(月)


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◇2011年5月13日『障害連事務局FAXレター』No.212

団体の幅広い連帯で法制化(韓国)
―割り当て雇用から差別禁止法制へ(英)、第4回差別禁止部会―

5月13日(金)障がい者制度改革推進会議第4回差別禁止部会が行われた。この日はイギリスと韓国の差別禁止法制についての報告。
まず、イギリスの差別禁止法について中央学院大学の長谷川聡氏から報告があった。主に雇用問題を中心に展開された。
イギリスは1944年に障害者雇用法によって割り当て雇用制度によって、障害者雇用政策が行われてきたが、雇用率が上がらず、1995年の障害者差別禁止法をつくり、割り当て雇用制度をなくした。そして、2010年に障害以外も対象とする平等法へと統合していった、とのことである。
障害者の定義は「身体的又は精神的な機能障害を有する者であり、この機能障害によって通常の日常生活を行う能力に、実質的かつ長時間にわたり悪影響を受けている者。過去に障害を有していた者も含む」と、医学モデル的色合いが強いように受け取れる。
差別の類型であるが、直接差別に近い概念として、それとは別に障害に起因する差別がある。
差別の救済であるが、裁判、審判の他、助言斡旋仲裁局、平等人権委員会などがあるが、平等人権委員会で、日常的には障害者雇用差別等の問題が議論されている一方で、解決は審判の場が多いとのことである。

続いて韓国の差別禁止法法制について、DPI日本会議の崔栄繁氏から報告があった。韓国は様々な法制があり、その中に差別禁止規定があるとのこと。
差別禁止法制定の運動が高まっていったのは2003年の障害者差別禁止法制定推進連帯(障推連)の結成であった。2007年に国会で採択され、2008年に段階的に施行されていく。障害の定義は医学モデルに近いが、それを補足する条項によって包括的な障害の差別禁止規定となっている。
韓国では差別の定義について、直接差別、間接差別、正当な便宜供与の拒否(合理的配慮の拒否)、不利な待遇を表示、助長を直接行う広告あるいは効果、となっている。救済機関として国家人権委員会がある。
国家人権委員会は、是正勧告までしかできないが、国家人権委員会の是正勧告の不履行の際は、法務大臣が是正命令を出せる。
議論では、差別した側に立証責任が求められていることから、今後日本で法整備する場合、その事が賠償責任の観点から可能かどうかということが出され、課題とされた。
最後に再来年の夏の法案提出までのスケジュールが東室長から示された。

次回は6月10日(金)

*なおこのFAXレターは、日本障害者協議会(JD)の協力によってつくられました。


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◇2011年4月26日『障害連事務局FAXレター』No.211

「地域主権に沿って」厚労省
―総合福祉部会(第13回)、再び「公平性、透明性」を強調―

東日本大震災によって、4月26日(火)の総合福祉部会(第13回)は2ヶ月ぶりとなった。

厚労省の中島課長は2月の部会で、厚労省が明らかにした総合福祉部会へのコメントに対する質問への回答を行った。
その中で「総合福祉法は基本法と性格が違い、権利を明らかにするものではなく、給付法として施策の在り方を決めるもの」と述べた。また、「財源の確保など、施策を進めるにあたっては公平性と透明性は必要なものである」と今回も強調した。
一方で「障害者自立支援法訴訟の基本合意や権利条約の理念を否定する立場ではない」ことも明らかにした。
 また、地域主権戦略大綱に絡んで、「国として最低基準を示す義務はあるが、基本的には、地域主権の考え方に沿って、各地で独自の政策を行って行くことが好ましい」とした。
さらに精神障害者については、別の審議会で検討していることや、パーソナルアシスタンスについては総合福祉部会での検討課題であること、新法の施行スケジュールについては予定変更がないこと、等を明らかにした。

次に平野委員から全国在宅障害児・者等実態調査(試行調査)を行ったことの報告があった。「自治体や障害者団体に依頼文は出してなく、特定の個人を判別はできない」と述べたが、山本委員から意見や資料が出され、今後の参考にしていくこととなった。
佐藤部会長からは「施設入所者や入院者に関しても、今年度調査を行うことで厚生科学研究の予算がつき、作業を始めて行きたい」との発言があった。
東担当室長は「障害者基本法改正案が4月22日の閣議で決定されたが、いつ国会審議に入るかどうかはまだ分からない」と述べた。

次回5月31日(火)


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◇2011年4月18日『障害連事務局FAXレター』No.210

“可能な限り”について、納得いく回答出さず
―第31回推進会議、先送りされた課題多く―

冒頭、末松副大臣と園田政務官のあいさつがあり、「震災があって、基本法改正案は閣議決定はまだだが、法案提出して力をつくしたい」などと述べた。
第31回障がい者制度改革推進会議は、ほぼ2ヵ月ぶりに、4月18日(月)行われた。

基本法改正案の総則部分の説明が内閣府の斎藤企画官からあった。
それに対し、森委員からJDFの意見が示され、「前文がない、権利規定がない、差別の定義がない、医療や精神障害者に対する項目がない」と提起された。
その後、差別禁止や合理的配慮などをめぐって、さまざまな意見が出されていった。
藤井議長代理は「基本法改正案は推進本部で了承されているので、今日は修正が難しく、解釈の確認の場としたい」とした。
その上で、改正案の“可能な限り”の文言が焦点化された。
斎藤企画官は「重度で特別な医療を必要とする人も想定されることなどから、“可能な限り”をいれた」とした。
この発言に対し、委員の多くは「権利条約の理念をふまえていない」と猛反発した。

続いて、権利条約に災害時のことがあることから、東日本大震災の発生によって引き起こされたさまざまな問題があるので、基本法を改正に盛り込めないかについて議論がされた。
森委員からJDFの考え方が明らかにされ、実態の把握、必要なサービス支援、復興会議などへの障害当事者の参加、などが提起された。
議論では、家族介護などの在宅の人たちについて実態がいまだにつかめていないこと、避難所に行けない人たちが多い、個人情報保護法がNPO活動にとって大きな障壁となっていることが明らかにされた。
さらに、堂本委員は「非自発的に入院している精神障害者の問題について、病院の中でそのままの姿で犠牲となっている実態もある。基本法改正案に精神障害者が盛り込まれなかったことが残念でならない」と発言した。

次に、各則についての説明があった。
質疑では、「精神障害者の社会的入院の解消について読みとることができない」「教育について原則インクルーシブと理解してよいのか」「特性とあるのはニーズと理解して大丈夫なのか」また「可能な限りとあるのは、裁判となった場合は国側に不可能性を立証する責任がでてくるという意味なのか」などが出されていた。
これらについて、齋藤企画官はあいまいな答えに終始したが、裁判での立証責任については、「国としての方向性を示したもの」と述べ、それを想定していない旨の回答をした。
さらに精神障害者や雇用などについて新しく部会を設けるべきだ、との指摘もあったが、東室長は「推進会議本体で行ったほうがいいかもしれない」とし、今後の検討課題とした。

政府の説明は、難しいことを、更に難しく説明する傾向がある。そして聞く側を疲れさせるのである。政府にはもっとわかりやすい説明が求められる。今、進行中の何かを思い出させた。

次回は5月23日(月)


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◇2011年4月8日『障害連事務局FAXレター』No.209

合理的配慮は部会の今後の課題
―差別禁止部会(第3回)、アメリカとドイツの報告受ける―

久しぶりの差別禁止部会である。4月8日(金)2時から第3回推進会議差別禁止部会が行われた。その日はアメリカの法制度、ドイツの法制度について報告を受けた。
冒頭、障害者基本法改正案の(差別の禁止)部分について、内閣府の斎藤企画官から報告がされた。
これに対して太田をはじめ数名の委員から合理的配慮の部分がわからない、差別禁止と合理的配慮が不明確であるなどの意見が出された。
斎藤企画官は「権利条約の考え方は盛り込んだつもりである。合理的配慮という概念が定着していないので、具体的な定義については、この部会で今後議論をしてほしい」などの答えを繰り返した。差別禁止と合理的配慮については、部会の今後の課題となったが、ここの議論で相当な時間を費やした。

続いてアメリカの障害者差別禁止法制について長谷川珠子氏(福島大学)から報告を受けた。
1964年の公民権法にはじまる流れの中で、最近では2008年に遺伝子情報差別禁止法ができたとのこと。障害の定義はすごく広く捉えられており、1990年のADA法制定についてはアメリカ市民の7〜8人に1人は障害者とされていたとのこと。アメリカでは使用者が自由に労働者を解雇できる中、ADAの果たしている役割は大きいという。

質疑応答になり、アメリカでは使用者が理由をつけず労働者を解雇できるということが大きなネックとなっているとのこと。
ただ、裁判等での立証責任は労働者と共に使用者にもあり分配されているので、立証の場で解決されるということもあるとのこと。
続いて、ドイツの障害者差別禁止法制の報告を受けた(高橋賢司氏・立正大学)。
ドイツでは、一般平等取扱法が基本にある。重度障害者リハビリテーション調整法は、2001年に社会法典に編入されたとのこと。
その中で重度障害を理由に解雇できない仕組みとなっているとのことである。

障害の定義は医学モデルに近い印象を受けた。日本と同じように雇用率制度があり、法定雇用率に達しない場合は、罰則として納付金を納め、それをもとに障害者を雇用している企業の合理的配慮みたいなものに使うらしい。
救済機関として連邦反差別機関などがあるが、司法の場で争われる場合が多いらしい。

次回は5月13日(金)


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◇2011年4月7日『障害連事務局FAXレター』No.208

基本合意と総合福祉法を実現させる4.21全国フォーラムを行います

 今回、震災に見舞われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
今回の震災は、想像を絶するもので、死者・行方不明者も過去最大級のものとなり、未だに福島原発の問題は解決の見通しが立っていない深刻な状況です。避難所で過ごしている、あるいは避難所にも行けない障害者の人たちは、生命維持すらも危ぶまれる状況にあります。障害者の救援組織も動き始めましたが、未だに全体像がつかめないでいます。

 さて、この震災騒ぎで、障害者基本法改正問題が止まっている状況です。しかし、改正案の要綱は閣議決定をされており、成立することが確実視されています。
けれども、内容面では障害者権利条約を十分にふまえたものとは言えず、権利性が薄められてしまいました。総合福祉部会では、この夏新法の骨子を明らかにすることとなっていますが、本当に自立支援法が廃止されるのか、ますます気になります。この震災によって、自立支援法の問題点が改めてクローズアップされています。

こういう状況の中で、「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」では、4月21日(木)フォーラムを開催し、私たちの求める新法制定を強く訴えていくことになりました。多くの皆様のご参加を呼びかけます。

参加希望の方は、日本障害者協議会事務局Tel:03-5287-2346までお願いします。

参加費は無料です。

4月21日(木)午後1時〜 参議院議員会館講堂 
詳しくは、http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/ 障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会のホームページをご覧ください。


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◇2011年2月17日『障害連事務局FAXレター』No.207
障害者基本法改正案に関する声明

障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)
代表 伊藤雅文
事務局長 太田修平

  私たち障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)は、この40年近く、全国の全身障害者を中心とする人たちの権利と生活確立に向け、運動をしてきました。今なお施設で暮らしている仲間や、親元で暮らしている仲間も多くいます。
 障がい者制度改革推進会議はこの1月昨年12月、第二次意見書をまとめ、差別禁止や障害者の権利の確立、そして谷間をつくらないために、障害の定義を抜本的に見直すなど障害者基本法の改正への提言を、国連の障害者権利条約の批准に向けて、行いました。
  しかし2月14日開催された第30回障がい者制度改革推進会議において、内閣府から発表された「基本法改正概要イメージ」は、差別禁止規定の差別の定義も盛り込まれず、また諸権利の規定も不明確で、障害の定義もほぼ現行通りのものになっていて、到底障害者権利条約の批准に耐えられる内容にはなっていません。私たちは大きな期待を持って、この1年間推進会議の議論を見守ってきました。この1年間はいったいなんだったのかという腹立たしい気持ちでいっぱいです。
  長妻前厚労大臣は、「制度の谷間をつくらない新法をつくる」と明言されていたはずです。にもかかわらず、障害の定義を見直さないとしたら、谷間に置かれた障害の問題の解決は行わないことを意味しています。
  冒頭にも申し上げたように、私たち障害連には施設で暮らしている仲間が多く、無権利の状況に置かれ、個人の尊厳を踏みにじられた生活を余儀なくされている現状がたくさんあります。
  残されている時間は決して多くないかもしれませんが、推進会議の構成員の皆さま、国会議員の皆さま、政府の皆さま、すべての関係者の皆さま、障害者基本法改正が、第二次意見書にしたがって、障害者権利条約の精神が盛り込まれた内容のものとなるように、一層のご尽力をお願い申し上げます。

【加盟団体】
船橋障害者自立生活センター
東京清瀬療護園自治会
全国頸髄損傷者連絡会
仰光会
東京都日野療護園入居者自治会
しののめ会
心の灯
静岡障害者自立生活センター
全国脊髄損傷者連合会
どろんこ作業所
東京都多摩療護園入居者自治会
療護施設自治会全国ネットワーク
スタジオI
ピアサポート八王子
特定非営利活動法人 たんぽぽ

【事務局】〒101‐0054 東京都千代田区神田錦町
3−11−8武蔵野ビル5階
TEL:03−5282−0016 03−5282−0016
FAX:03−5282−0017
URL:http://shogairen1976.hp.infoseek.co.jp/


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◇2011年2月15日『障害連事務局FAXレター』No.206
基本合意を忘れたか―第12回総合福祉部会、厚労省コメント出す―

 昨日に続き重苦しい雰囲気。2月15日(火)、第12回総合福祉部会が行われた。
 今日から第2期作業チームに入った。それに先立ち、第1期作業チームの報告書に対する厚労省からのコメントがあった。
 コメントしたのは障害福祉部中島企画課長で、総論と各論があるが、この日口頭説明したのは総論部分が中心。
「新法の制定にあたっては他法との整合性や均衡が必要ではないか」「また他の分野では権利法というのはなく、障害者だけが権利法というのはいかがなものか」「財源が限られているなか、その使い道について国民の理解が必要とされているのではないか」「地方分権という国の大きな政策の流れを考えていかなければならない」などと述べ、多くの予算がかかる仕組みについては否定的な見解を示した。
さらには、障害の定義について機能障害を重視し医学モデルの域を越えない考え方を示した。もし、このままでいけば制度の谷間にある障害の問題は解決しないことは明らかである。
 佐藤部会長はこれらのコメントを受けて「大事な指摘と同時に“改革”する考え方が薄い」と発言した。
 また、「自立支援法訴訟の基本合意が交わされているにも関わらず、国の責任というものが明らかにされていない」という意見や、「財政が厳しいと言いながら、精神病院には多くの金がかけられている」などの発言が相次いだ。
 これらの委員からの質問に対し、3月15日の次回までに厚労省は文書で回答することとなった。
 昨日の推進会議で、基本法改正で前文をつけなくて良い、また権利規定を設けない、さらには障害の定義をほぼ現状のままで良いとすることなどが内閣府から明らかにされたが、この日の総合福祉法をめぐる議論によって密接な関係が浮き彫りになったのではないか。
 政府・厚労省は、自立支援法訴訟団と基本合意を結び、基本合意の中で、自立支援法について障害者の尊厳を深く傷つけたことについて深く反省し新法をつくる、と明言した。だから今、推進会議での議論があり、総合福祉部会があるのである。またもや、厚労省はその原点を忘れようとしているのか、それとも基本合意自体をホゴにしようとしているのか、という疑いたくない疑いを持たざるを得ない。

次回3月15日(火)。


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◇2011年2月14日『障害連事務局FAXレター』No.205
大きく後退―基本法改正案概要イメージ出る、第30回推進会議―

第30回推進会議、2月14日(月)行われた。冒頭、内閣府の政務官についた園田氏から「これまで民主党の障害者PTの事務局長としてやってきた経験を生かし、いい基本法改正となるように頑張っていきたい」と挨拶があった。
園田政務官の退室の前に森委員が発言し、「2009年に前の与党時代、障害者基本法改正がされようとしたが、権利条約にいう合理的配慮の概念や、差別禁止法への道筋が必要だとして、JDFは見解を明らかにした。今回の改正案が当時のものを下回ることはないのか」と質問した。
 これに対し園田政務官は「そのようなことはない」とした上で、「今日が議論の出発点であり、今後推進会議の議論を政府三役が反映させ、さらには国会での議論となる」とした。
 次に、内閣府斎藤企画官から改正案概要イメージの提起。多くの委員からは「前文がない」「障害の定義が従来通り」「合理的配慮の欠如がない」「差別の定義が曖昧」「権利を具体的に規定していない」「共生は盛り込まれたが、漠然となっている」などの批判的意見が出された。
内閣府の斎藤企画官はそれらに対し「前文は国民の総意なので、国会で議論するもの」「差別禁止については差別禁止部会で今やっているので、議論の途中である」「合理的配慮の概念については盛り込んだ」などなどと答えた。しかし、圧倒的多くの委員は、これらの回答に納得しなかった。
また、「可能な限りどこで誰と住むか…」という書きぶりが多く目立ち、「可能な限り」については削除してもいいのではないかというのが会議での全体的合意となっていった。
各則では、「インクルーシブ教育についての考え方が明確に示されていない」や、職業においては、「障害者の適正な職種」という考え方はもう古い、さらには精神障害者の強制入院や強制医療を禁じていない、などなどが次々と出されていった。
 さらに、情報保障、非音声言語の言語化について斎藤企画官は基本法では必要ないとした。
 年金等の項目では、「社会参加のため」という理由も付け加えるべきだという意見があった。
 最後に、推進体制の議論に入り、「障害当事者の委員を過半数にすべきだ」との意見に対し、斉藤企画官は「他の審議会などでは例がない」と答えた。また、「市町村についても必置義務にすべきだ」など意見や、総理大臣等の“応答義務”も不明確、などといった発言が出た。
 改正案の中にどれだけ推進会議の意見が、盛り込まれていくか、今後の折衝と運動にかかっている。1年間推進会議で議論してきたものが、どんどん薄められていっている。議論の出発点は、障害者権利条約を批准することにあった。それが今、「権利という用語を入れる場合はどの程度のコストがかかるか、国民的合意が必要だ」という議論になってしまっている。本末転倒である。
 この間の後退につぐ後退は、各省庁の抵抗が強かった、という憶測もあり、真実味を帯びている。
 これから総合福祉法、差別禁止法という改革を行っていかなければならない。それらを目の前に、基本法改正を障害者権利条約の理念に照らし合わしていくものにしていくことが、障害者政策にとって重要な意味を持つ。

 次回は、2月28日(月)。


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◆2011/01/31 『障害連事務局FAXレター』204号
EUとフランスの差別禁止法制を学ぶ
―第2回差別禁止部会、他の審議会等との関係の質問が出る―

 1月31日(月)差別禁止部会は本格的議論に入った。第2回差別禁止部会は、諸外国の法制度の報告だった。
 はじめにEUの報告が部会の協力員でもある引馬知子氏(田園調布学園大学准教授)からあった。
 報告では「1980年代からのインクルーシブ社会を目指す国際的動向の中で、EUの雇用均等一般枠組指令が発効され、加盟国に強制力をもたせた」と発表された。
質問の中で、障害の定義について出されたが、「EU内に8000万人の障害者がいる、ということで、その基準については今後改めて調査していきたい」とした。
また、「合理的配慮とポジティブアクション(積極的差別是正措置)は違う概念としてとらえている」ともした。
EU指令をもとに、イギリスで訴訟を起こしたコールマン事件があるが、救済の方法については加盟国によってそれぞれ違うとのこと。
雇用以外の分野については、各国の独自の動きもあるのが、今後の大きな課題となっているとのことだった。
 続いてフランス差別禁止法について、部会の協力員でもある永野仁美氏(上智大学準教授)からあった。
 フランスの差別禁止法は、差別禁止に特化した法体系な法律は存在しない、ということであった。1990年に「障害・健康状態を理由とする差別を禁止する法律」というのがつくられたが、これは差別禁止法的な性格をもつのではなく、労働分野も含んだ包括的な法律とのこと。
 各個別法に差別禁止規定が盛り込まれている。特徴なのは、刑法典に差別罪が存在し、有罪になると罰金刑に処されるということ、
 障害の定義は、基本的には社会モデルを採用。委員からの質問の中で「顔にあざがある人は対象になるのか」が出され、差別の定義の中に「外観」による差別も含まれていると答えた。
 フランスでは「合理的配慮」は「適切な措置」と呼ばれ、ほぼ同じ概念だとのこと。「適切な配慮」の欠如も差別にあたる。他に直接差別・間接差別があり、差別の立証責任は、刑法典の場合は検事、民事の場合は基本的には被告側(正当性について)にある
 行政上の救済機関として「高等差別禁止平等対策期間(HALDE)」があり、調査権限を持ち合わせた独立した行政機関で、和解案の提示や勧告などを行っている。
 これらの報告の後、今後の進め方について若干の意見交換があり、「推進会議本体や、厚生労働省管轄の労働政策審議会との関係をどうするか、情報を共有すべきではないか」との指摘がなされ、東推進室長からは「今後の課題として考えていきたい」とあった。

次回は3月14日(月)。


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◆2011/01/25 『障害連事務局FAXレター』203号
第1期作業チーム報告
―6月には新法骨格整理、第11回総合福祉部会―
 1月25日(火)第11回総合福祉部会が行われた。
冒頭、岡本政務官が挨拶し、「厳しい状況だが、障害者予算については、前年度比5.5%増のものを組んだ。次回の部会では、厚生労働省としての意見を出して行きたい」と述べた。
 議事に入り、法の理念・目的チームから発表があった。権利条約や自立支援法訴訟の基本合意を踏まえ、社会モデルとして考えたとした。
法の名称についても「障害者の社会生活の支援を権利として総合的に保障する法律」ということを提起したい、とした。それに対しては、「住宅や教育も含まれてしまい、考え直す必要がある」という意見も出た。
休憩のあと、「障害」の範囲チームの報告があった。「障害を参加障害と捉え、包括的な社会モデル的な視点を入れた定義としていきたい」とした。しかし、障害を指し示す指標の中で、その一つに「機能障害を客観的…」とあったため、そこだけ客観的という言葉入れるのはおかしいという議論となった。
 相談支援・支給決定プロセスの報告では、多層的相談支援体制という考え方も明らかにされた。また、相談支援機関は支給決定に関わらないという考え方も示された。それに対して、「行政の相談を受けた障害者が依存的になりやすい」ということや、権利擁護との関係も議論となった。
次に訪問系サービスからの報告があった。「これまでの重度訪問介護を発展させて対象者を拡大し、利用制限をなくし、利用者主導のパーソナルアシスタンス方式に改めるべき」とした。
質問では、「精神障害者にとっては、常に介助者にいられることが苦痛でヘルパーを頼まない人もいる。ぜひ、待機も組み込んでもらいたい」とする意見もあった。
日中活動、グループホーム、ケアホームのあり方の報告では、「自分らしさを実現できるたまり場などの、日中活動の場の財政的な裏付けが必要で、さらに、グループホーム、ケアホームについてはその一体化が望ましい」とした。
 地域生活支援事業の自治体の役割の報告では、「地域生活支援事業として残すものを吟味した上で、自立支援給付に移行させるものは移行していく、日常生活用具は、補装具と同様に自立支援給付とする」などが提起された。
最終コーナーで医療合同チームからの報告があり、「社会的入院の解消、強制入院の手続きの明確化、保護者制度の廃止」などが挙げられた。また、就労と障害児支援のそれぞれの合同チームについては引き続き検討が行われるとのことで、経過報告があった。
 最後にすでに行われた実態調査のやり方について、その質疑があった。
来月から第2期作業チームの検討に入る。6月には新法の骨格の検討、8月に新法の骨格が明らかになるスケジュールである。
次回は2月15日(火)。



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◆2011/01/20 『障害連事務局FAXレター』202号
都、具体的な回答を示さず
障害連、都福祉局と話し合う

 障害連は、1月18日(火)、“差別禁止条例の制定”などを求め、別記の要望書に基づき、東京都福祉局や都市整備局の担当者と話し合いを持った。
障害連からは、役員をはじめ3つの療護施設自治会会長など、9名が参加した。
都からは、福祉保健局障害者施策推進部藤井自立生活支援課長、同課上野地域生活支援係長、都市整備局の担当者などが対応した。
“障害者差別禁止条例の制定”については、「差別の定義が難しいこともあり、国の法制化の動向を見ているところで、東京都独自のものは考えていない」と回答した。
この日特に焦点となったのが入院時のヘルパー派遣問題。伊藤代表は実例をあげながら「ある自治体で障害の重い脳性マヒの人が入院し、コミュニケーションに問題があったので、ヘルパー派遣を24時間自治体に求めたところ、4時間しか認められていない」ことをとりあげ、都として自治体に対して必要な場合はヘルパー派遣を認めるよう、強い指導を行ってほしい、とせまった。
これに対して都は、「支給決定権は市区町村にあり、それについて都が言える立場ではない。自治体から問い合わせがあれば、病院が了解することを前提にヘルパー派遣を認めても差し支えない、と言っている」と回答した。
障害連からは、コミュニケーションに問題がある障害者が入院した場合、深刻な状況となっているので、自治体間格差が生じることがないように、都として問題意識をもち、解決に向かって動いてほしい、と要請した。
次に議論となったのは住宅問題。「都営住宅の量的整備がされてなく、民間住宅で暮らすにもバリアフリー化が大変」と指摘した。
これに対して都は「都営住宅は新規はつくっていない。建て替えで対応している。民間のバリアフリー化は進めている」と具体性に欠けた回答であった。
この日の話し合い全体を通して、抽象的な回答に終始し、都としての意気込みを感じることはできなかった。各自治体の施策に反映させるためにも、今後都としての障害者施策の基本方針を具体的に明らかにさせる必要がある。

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2011年1月18日
東京都知事 石原慎太郎様

障害者の生活保障を要求する連絡会議
代  表 伊藤 雅文
事務局長 太田 修平

要望書

 東京都におかれましては、日頃より障害者福祉の充実にご尽力されている事に、心より敬意を表します。
 東京都の障害者施策は、長年にわたる各関係者の努力により質量共に国の基準を大きく上回る水準で展開され、それにより多くの重度障害者が地域で生活する事を後押ししてきました。この事は、地方公共団体として先駆的な取り組みであると同時に、国の障害者施策を充実させる牽引役として大きな役割を果たしたものと評価致しております。
 しかし昨今の都の障害者施策は、ほとんど国の基準に準じる内容にとどまっており、障害者の生活をより向上させようという意気込みが感じられません。
国においては、障害者の権利条約の批准に向け、差別のない国内法の整備をはかっていますが、地域において土台となる差別禁止条例の制定についても都は国の後追いというスタンスで、牽引役であった面影すらありません。
障害者の地域生活基盤の確立と国や地域の障害者施策にとって、首都である東京都の影響は多大なものがあると考えます。
今一度、牽引役である東京都に立ちかえり、各障害者施策を実現充実頂きますよう、以下の要望を行いますので誠意ある御回答をお願い致します。



1.障害者権利条約と都の施策について
障害者権利条約の批准に向け、国として「障がい者制度改革推進会議」を設置し、国内法の整備をはかっている最中であるが、都はこれまで日本の障害施策を牽引してきた経過を持っている。それらを踏まえ、今後の都の障害施策について、障害者権利条約の理念に合致したものとすること。
特に、東京都独自の「障害者差別禁止条例」の制定に向け、検討に着手する事。

2.市区町村に対する財政補助について
障害の重い人たちが家族から独立し、地域社会で自立生活を実現できるように社会参加や見守りなど、障害をもつ個々人の必要性に考慮したサービス支給量の決定を市区町村が行えるように、都は必要に応じて、財政補助を行う事。

3.ヘルパー派遣について
障害の重い人たちが家族から独立し、地域社会で自立生活を実現できるように、さらなる福祉、介護における人材確保を目的とする抜本的対策を講じる事。報酬単価の見直しが行われたとはいえ、相変わらず低賃金によるヘルパー不足は継続している。都として即効性のある対策を講じる事。
また障害の重い人が入院時に、必要な介助サービスを受けることが出来るよう、支給決定について地方自治体を指導すること。

4.生活施設について
障害の重い人たちの生活施設においては、インクルーシブの理念によって運営されていくとともに、民間移譲がなされる際は、法人決定において、当該施設利用者の意向を重視していき、従来の生活条件を維持する事を前提とし、人権やプライバシーが守られるよう徹底する事。
  また、人権や自由という基本的課題をおさえながら、権利条約の制定という新たな時代を迎えている今、利用者のニーズを的確につかんだ多様な取り組みの実施に向け、利用者・法人・職員たちと積極的に協議を行う事。
  さらに、在宅で暮らす場合、移動介護や重度訪問介護によって、社会参加が保障されているにも関わらず、施設ではなかなか社会参加が保障されにくい環境にあるので、その改善も図る事。
さらに東京都障害者福祉センターの入所調整機能を存続させつつ、入所を受け入れる施設および利用者らの意向を斟酌し、緊急性も勘案した上で決定を行う事。
加えて、都外施設に入所を余儀なくされている障害者たちが、都に帰って暮らせる道筋を早急につくること。

5.小規模作業所について
都が廃止を予定している、小規模作業所に対する包括補助金を継続させる事。柔軟な運営が出来なくなるが故に新体系への移行も進まず、又、自立支援法の廃止が決定した下で補助金を廃止する事は、重度障害者の日中活動の場として重要な役割を果たしている、小規模作業所の閉鎖に直結する事を認識する事。

6.重度手当などについて
働く事が困難な障害者の年金制度など、国の所得保障政策が不十分な中、障害によって生じる必要経費を補う重度手当など諸手当については、障害者の自立生活、社会参加を実現させるための役割を持っている事を更に徹底強化させ、必要な人が受給できるようにする事。

7.住宅施策について
重度障害者の地域生活移行をすすめるにあたり、圧倒的に不足している障害者用住宅を整備すると共に、既存の民間住宅については、バリアフリー化の整備を促進する為の充分な予算を確保する事。また、保証人が見つからずに賃借契約が出来ない障害者のために、自治体が保証人となる仕組みをつくる事。

以上


*作成:青木 千帆子渡辺 克典
UP:20110307 REV:20110722, 1225
障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連) 
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