HOME > 組織 >

債務・都市研究会

2014年度国際言語文化研究所 萌芽的プロジェクト研究助成プログラム

last update:20141105

■研究課題

現代都市政策イデオロギーとしての特区構想――理論・歴史・政策への学際的アプローチ

■目次

研究メンバー
研究会活動
成果
計画

■2014年度の活動


>TOP

■ 研究メンバー

計7名(内,学外者 4 名) *所属などは2014年度時

氏名 所属
橋口 昌治 立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員 *
角崎 洋平 立命館大学衣笠総合研究機構・専門研究員
箱田 徹 京都大学人文科学研究所・研究員,立命館大学生存学研究センター・客員研究員
森原 康仁 三重大学人文学部法律経済学科・准教授
中倉 智徳 日本学術振興会・特別研究員(PD)
村上 慎司 医療科学研究所・リサーチフェロー
安田智博 立命館大学先端総合学術研究科・院生
*プロジェクト研究代表者

◆事業推進担当者:立岩 真也


>TOP

■ 研究会活動

■第1回研究会

日時:4月26日(土)14:00〜17:00
場所:京都市中京いきいき市民活動センター 会議室1
内容:活動方針についての打ち合わせ

■第2回研究会

日時:6月28日(土)15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス学而館201
内容:『生存学』投稿論文の役割分担

■第3回研究会

日時:8月10日(日)14:00〜
場所:京都市中京いきいき市民活動センター 会議室1
内容:『生存学』投稿論文の担当草稿検討 第1回

■第4回研究会

日時:9月6日(土)15:00〜17:00
場所:京都市中京いきいき市民活動センター 会議室3
内容:『生存学』投稿論文の担当草稿検討 第2回

■第5回研究会

日時:9月26日(金)17:00〜20:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス学而館第2研究会室
内容:『生存学』投稿論文の担当草稿検討 第3回

■第6回研究会

日時:2014年10月18日(土)10:00〜17:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス
内容:『生存学』投稿論文初稿検討第1回



>TOP

■ 成果

◇論文
橋口 昌治箱田 徹村上 慎司,2013/03,「債務・人口・保育――都心回帰時代の大阪経済と都市の行方」,『生存学』,6号,生活書院,336-353頁


>TOP

■ 計画

◆研究目的
現代日本の都市経営・成長戦略の主要な政策手法である「国家戦略特区」構想を政策イデオロギーとして捉え、 その理論的背景と歴史的・政策的背景を内外の事例も踏まえて学際的に明らかにする。

◆背景
特区とは特定地域に対して国内他地域とは異なる制度を適用する法的枠組である。この制度の現代的な流行は、1970 年代以降の東アジアとラテンアメリカで、外国直接投資導入による経済発展の起爆剤役を期待されて大規模に導入されたことに遡る。基本文献である World Bank(2008)によれば、途上国を中心に世界 135 か国に 3,000 件の経済特区が存在する(2008 年現在)。日本での導入は 2000 年の沖縄振興策で、以後 2003 年の「構造改革特区」、2011 年の「総合特区」、2013 年の「国家戦略特区」と 3 つの制度が定められた。

理論的背景:特区構想は、@内生的成長理論(生産性上昇を外生変数として把握せず、企業などの経済主体による研究開発投資が内生的に生産性上昇に寄与するとの立場)、A新制度学派(経済主体のインセンティブを制御する特定の制度構造を与件化せず、それ自体を明示的に設計対象として分析する立場)の理論的蓄積を背景とする。成長会計分析や制度分析といった、関心を異にする新古典派の諸潮流が合流する地点が特区構想であり、その鍵概念が「成長」と「イノベーション」なのだ。他方、成長と公正な再分配の追究が社会国家、地域統合、グローバル市民社会にとって喫緊の課題との認識は高まる一方だ。最近の Piketty(2013)ブームはその端的な表れである。

歴史的・政策的背景:日本の特区構想は、@都市部の不良債権処理を意図した 1990 年代後半以降の都市再生政策(建築・土地利用の規制緩和)、A同時期に加速化する新自由主義的な都市産業政策(戦後国土開発の基本理念「均衡ある国土の発展」の放棄、地域の自律性と都市の創意工夫を強調する流れ)に規定されている。特に 2000 年代に入ってから、国内各都市は内外都市との競争を強いられ、特定の政策と都市開発を進めるよう誘導されている。イノベーションを旗印にする特区構想はその代表例なのだ。しかし成長の原動力のはずのイノベーションが人為的に起こせるかどうかすら十分に実証されていない。にもかかわらず本格的な批判がまだ見られないのが現状である。

◆経緯
本「債務・都市研究会」は 2012 年以来、日本社会の新自由主義的再編過程を大都市の現状を通じて学際的に考察している。その最初の成果である橋口・箱田・村上(2013)は、財政難の克服と高度人材集積を目指す大阪府・市の成長戦略と、不良債権処理を大きな背景とする都心回帰現象との連関を統計資料も使って論じた。そして都市間競争の生き残りに不可欠なイノベーションの担い手と目される専門技術職層の集積に必要な都市インフラを、厳しい財政的制約の下で整備せざるを得ない大都市の困難な現実を描き出した。
ただし問題点の明確化には一定成功したものの、理論的・歴史文化的考察は後手に回った。そこで 2013 年度は、新自由主義や社会的なものなど現代国家の主要概念を検討した。2014 年度は、日本の国家戦略特区構想を政策イデオロギーの観点から学際的に検討し、都市と資本主義の今日的関係と都市の歴史・文化的現実に迫る作業に着手する。

◆文献
・World Bank, 2008, Special Economic Zones: Performance, Lessons Learned, and Implications for Zone Development.
・橋口昌治・箱田徹・村上慎司, 2013, 「債務・人口・保育――都心回帰時代の大阪経済と都市の行方」『生存学』vol.6, 336‐353.
・Thomas Piketty, 2013, Le Capital au XXIe siecle, Paris, Seuil.


>TOP

■関連項目(arsvi.com内)

都市・空間・場所
労働

UP:20140911, 1105

TOP HOME (http://www.arsvi.com)