このような実態をふまえ、社会的ひきこもりの就労支援がどうあるべきかについて樋口さんは次のように話された。ひきこもっている人は十分な社会的サポー
トもなく、労働市場に参入せざるをえない現状にあると思われ、「就労への移行」プロセスそのものをサポートするなど、狭義の雇用政策に限定されない多面的
な支援策が必要で、社会参加と就労のバランスに配慮することが大事である。そうでなければ仮にひきこもり状態を脱したとしても、社会参加と就労を持続的に
維持することは難しく、離職とひきこもりの往還を繰り返すことになる。最後に近年話題になっているニートNEET(Not in Education,
Employment or
Training、教育や職業訓練を受けず、就職もしていない若者を指す)と社会的ひきこもりの類似性に触れながら、若年者の就労支援についての提言を
行って樋口さんは話を終えられた。