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被災地障がい者支援センターふくしま 活動経過


last update:20130318

白石 清春  20130301 「JDF被災地障がい者支援センターふくしまでの活動報告と今後の福島の新生に対する提案」,『現代思想』41-3(2013-3):104-115

1 JDF被災地障がい者センターふくしま活動報告
 2011.3.11東日本大震災を経験して
  郡山市総合福祉センター3Fで地震に会う
  障がい者用避難所設置を郡山市に要望
  被災地障がい者支援センターを立ち上げる
 「二〇一一年三月一八日に滋賀の障がい者事業所から医療関係などの支援物資が届けられた。支援物資と共に大阪のゆめ風基金の方がみえられて、福島県に被災地障がい者支援センターを立ち上げたらどうかという提案がある。次の日に関係者で協議した結果、支援活動を行なっていくことになる。支援物資があいえるの会の生活介護事業所に届いたので、自動的にあいえるの会で事務局を私が担い、私が代表を務めることになる。」(p.105)
 多方面にわたる支援センターふくしまの活動
  支援物資を被災地に届ける活動から始める
  福島県障がい者相談支援強化・充実事業が始まる
  南相馬市等の障がい者事業所に職員の補佐役を派遣
  被災障がい者交流サロン「しんせい」オープン
  サテライト自立生活センター(避難拠点)を神奈川県相模原市へ設ける
「[…]障がい者は、避難先での住環境が整っていないと避難することば難しい。そのにうな点を考慮して東北・関東大震災救援対策本部の支援を受け、相模原市に旧ケア付住宅(私が相模原にいた時分に建設された)を借り受けて避難拠点とした。二〇一二年五月に一人の脳性まひ者が相模原に避難していった。二〇一二年五月にも脳性まひ者が避難していった」(p.106)
  UF-787プロジェクトの活動
  原発事故による賠償問題に関する動き
2 震災後、障がい者の避難に関しての支援活動を通じて感じたことなど
  初動でつまづく
  きょうされんのボランティアの皆さんと共に福島県内の避難所をまわる
  計画的避難地域となった飯館村に何回も通う
  仮設住宅を回って
  福島県内で唯一南相馬市が名簿開示を行なう
  障害者支援(入所)施設を回って
  その地域に障がい当事者団体が存在するかどうかで被災障がい者の支援体制が大きく変わる
「福島県においてはさかのぼること四〇年前からの重度の脳性まひ者の団体である青い芝の会が、みずからの存在を社会に訴える文字通り体を張った運動を行なってきたという経緯がある。一九七〇年代後半には福島県青い芝の会は解散していくが、福島県の各地域で活躍していた脳性まひ者たちが地域に根付いた活動を継続していく。」(pp.109-110)
3 支援センターふくしまの活動を通して浮き彫りとなった問題点とそれを解決するための提起
  障がい者の避難のあり方
  被災地における障がい者の名簿開示
  我が国における障がい者の人権の確立が急務
4 障がい者支援の視点の転換(変化)と原発事故
  障がい者支援の視点の転換(変化)は?
  福島原発の事故により
  原発に頼らない安全・安心な日本・世界を目指して

  ◇活動経過

3月11日(金)地震発生。午後2時46分マグニチュード9.0を記録する地震が東北地方太平洋沖で発生
3月12日(土)きょうされん会員安否確認開始
3月18日(金)第1回打ち合わせ。あいえるの会、きょうされんの両方の関係者(約14名)が集まる
 ・団体の現状報告
 ・支援物資の運搬の拠点(郡山のあいえるの会を中継点)
 ・名称「被災地障がい者支援センターふくしま」と決定
 ・資金援助「ゆめ風基金」…阪神大震災の時に設立された基金
3月19日(土)第2回打ち合わせ
 ・福島県内の事業所の安否確認
 ・センター立ち上げ 代表 白石清春(あいえるの会理事長)
3月20日(日)第3回打ち合わせ
 ・障がい者福祉センターのロビー
 ・安否確認調査票の作成
3月21日(月)
 ・いわき(自由空間)へ物資を届ける
3月22日(火)第4回打ち合わせ
 ・mixiのコミュニティーにJDF被災地障がい者支援センターふくしま立ち上げ
3月23日(水)
 ・センターにJDFの冠をつけて障害団体の活動にする
 ・いわきへ物資を届ける
 ・物流の拠点づくり
 浜北・浜南拠点づくり→物資運搬、拠点周辺のネットワーク・情報収集
3月24日(木)
 ・県障がい福祉課へ訪問
 ・センター立ち上げを報告、被災障がい者情報の共有化、ボランティアの宿泊所・食料支援を考えてほしいと伝える
 ・いわきの拠点(けやき共同作業所)
 支援物資:マスク、カッパ程使い捨て手袋、ガソリン10リットル・5リットル(きょうされん東京支部)
3月26日(土)
 ・相馬の拠点(ひまわりの家)へきょうされん愛知支部
 支援物資:布団・毛布・トイレットペーパー・消毒剤・尿取りパットなどを届け
 聞き取り:相馬市内には442名(精神)がいる。市では名簿を見せないのでセンターから県に手配してほしい。相馬市は物流が整っている。いわきからも買い物にきている。問題は南相馬
 ・いわきの拠点(けやき共同作業所)へきょうされん愛知支部
 支援物資:飲料水など
 聞き取り:支援物資は違う所に届けてほしい。支援物資の中継点にして良いのでどこへ送るか、情報をほしい。
3月29日(火)
 ・いわき(けやき、自由空間、ゆるーい)へ物資届け。聞き取り
 ・相馬(ひまわりの家)へ関・設楽(ILセンター)物資届け・聞き取り
3月30日(水)
 ・きょうされん常任理事西澤氏福島入り
 団体へ呼びかけ(JDF構成団体)→事務局体制づくり
3月31日(木)
 ・会津の拠点(希望の杜) 物資届け・聞き取り
4月1日(金)
 ・いわき市のリストアップしたつながりのない小規模事業所へきょうされんチームが物資届け・聞き取り。わいわい佐魚諸の施設や職員の車9台が津波で流された
 ・福島市・県社協・ボランティアセンターへ挨拶県社協の職員とは話す
4月2日(土)第5回打ち合わせ
 ・開設式の場所を確定
 ・相馬の拠点(ひまわり)へ物資届け。聞き取り(物資は整ってきている。南相馬の精神病院にはいけない。精神関係の医師を派遣してほしい)→県へ医者については要望する(カルテは流されていない)
 ・南相馬の鹿島のあさがおが開所したいができない
 ・けやき、自由空間、地域生活支援ネットワークから救援物資
4月3日(日)
 ・JIL、あいえる、きょうされんミーティング
 避難訪問活動をしていく、在宅の障がい者の把握
 ・公立相馬病院の医師が8日までにいなくなると情報が入る
 ・いわきの拠点へ(けやき、自由空間)
4月4日(月)
 ・太田和美(衆議院議員)来訪し懇談
 ・県自立支援協議議会人材育成部会(相談支援ネットワーク)との連携を図る
 ・きょうされん17名車8台
 ・支援活動者の会計ルール作成(1日食費1500円支給)
 ・事務所開設式案内状の送付
 ・個人からの物資が支援センターに届きはじめる
4月5日(火)
 ・明日の開設式準備と打ち合わせ
 ・県から支援センターに関わる団体名簿がほしいと連絡あり
 ・JDF会議でゆめ基金は福島と決定
 避難所への支援センターの周知・調査隊スタート
4月6日(水)センター開設式
 ・東俊裕(内閣府障がい者制度改革推進会議室長)や福島県と郡山市の障がい福祉課や地元の支援団体や施設、JDF幹事など約60人の出席
 ・NHK、河北、読売、民報、民友が報道
4月7日(木)
 ・県社会福祉士会との連携を図る
 ・県社協より救援物資がにんじん舎へ届く→4/10南相馬へ運搬
 ・ミーティング
 ・介護事業所から障がい者の情報収集
4月8日(金)
 ・セルプ救援物資受け取り
 ・わいわい作業所へ車を持っていく
4月9日(土)
 ・セルプ救 援物資受け取り
 ・蓮紡内閣府特命担当相、村木厚子氏内閣府政策統括官(共生社会担当)、金子恵美(参議院議員)が来訪。センターからは避難した障がい者の現状を報告。現場からの要望(10項目)を手渡す
 ・蓮紡内閣府特命担当相は「震災や津洩福島では原発と大変な災難の中で障がいをもっている人たちが大変な思いをしている。災害弱者と言われている人たちに本格的に支援をしなければいけない」と話ました
4月10日(日)
 ・増子輝彦(参議院議員)が来訪し懇談
 ・ピーナッツ(南相馬)、あさがお(南相馬)、ひまわり児童デイ(相馬)へ救援物資(県社協)
4月11日(月)
 ・社会福祉士会から高宮相談員が出向。自立支援協議会から人件費は出る
 ・本日から浜通り地域の避難所へ入る
4月12日(火)
 ・連日の地震と余震のため、いわき市への避難所訪問は延期
 ・全員で相馬市と南相馬市に車四台で入る。相馬は拠点であるひまわり園の村松氏に、南相馬はえんどう豆の佐藤氏と合流して避難所訪問を行う。
 ・避難所には障害者の実態把握とニーズ把握、弁護士会の相談活動の案内とポスターの張り出しを依頼する
4月13日(水)JDF被災地障害者支援センターふくしま会議
 ・JDR被災地障害者支援センターふくしま今後の課題整理の会議を開催
 ・一か月経過した評価、この間の活動で明らかになったこと、今後のセンターの役割、目標をどこに置くのか、具体的な活動と組織体制などを確認。
4月14日(木)
 ・谷博之議員(参議院議員)民主党障がい者政策プロジェクトチーム座長が来訪し−緒に避難所訪問
4月15日   福島県知事 佐藤雄平様に提案と要望書
  ・JDF被災地障がい者支援センターふくしまニュース「つながり」を市町村行政、社協に送付しセンターの取り組みの内容や被災状況を知らせる
  ・JDF被災地障害者支援センターふくしま活動報告
4月20日  ・福島県各市町村様 被災障がい者に関する提案と要望
・個別実態把握状況公表(生存学HP)
・被災地障がい者支援センターふくしまニュース「つながり」No.2発行
4月23日  ・第一回構成団体会議
 被災障がい者をできるだけより良い環境の避難場所に誘導するセンターの活動を、マスコミを通して、テロップや案内などを通じ、幅広く福島県民に伝えるため協力要請の文書を各テレビ局、各新聞社に流す。
   ・現場からの要望(生存学HP)
5月2日 南相馬での調査始まる
5月3日  ・山口和之議員、石毛^子議員来訪
5月4日   JDF被災地障がい者ふくしま支援センターニュース「 つながり」  No3
 ・調査累計・第1次避難所訪問の調査報告・障がいを持つ子どもたちとその家族の避難支援情報・障がい者・家族はどこに避難したのか・1か月余の避難所生活から出てきた
 ニーズ・避難所の方々が抱く将来への不安
   ・乙武洋匡氏が来訪
5月6日   福島県との懇談 提案と要望
5月7日  ・南相馬市内緊急時避難地域第一次訪問調査のまとめ
5月10日  ・南相馬市で義援金支給が始まる
5月11日  ・厚生労働省障害保健福祉部企画課長補佐来所
5月12日   全国自立生活センター協議会常任委員会へ提案 
5月13日  ・拡大事務局会議
5月14日  ・きょうされん福島支部総会後報告会「震災と私たち、そしてこれから」
月15日  ・南相馬市桜井市長への報告と懇談
5月18日 避難所から入所施設への避難(入所)状況確認開始
5月19日  ・第5回定例事務局(拡大)会議
5月21日  ・南相馬連絡調整会議(ぴーなっつ・JDF・支援センター)
5月23日 南相馬避難計画調査開始 ・南相馬市での緊急時避難計画づくり調査活動開始・厚生労働省S氏来所
5月25日  ・きょうされん全国総会
5月26日  ・県選出国会議員への請願
5月27日  ・身障協会全国大会
5月30日  ・『ノーマライゼーション』取材懇談会
6月5日  ・厚生労働省より障害福祉課課長補佐他来所
6月8日  ・福島県中途失聴者難聴者協会の方来所
6月15日  ・県へ要望書提出
6月19日  ・内閣府末松副大臣「ぴーなっつ」訪問、金子恵美議員同行
6月20日  ・県医師会主催「東京電力賠償説明会」
6月22日  ・ふくしま支援センターニュース「つながり」No.4
6月23日  ・定例事務局会議
6月25日  ・三党障害者政策責任者被災地意見交換会
6月28日  ・南相馬市調査 第4次調査開始
7月2日  ・南相馬連絡調整会議
7月13日  ・つながり∞福島仕事おこし会議・JDF被災地支援中間報告会
7月16日  ・スタートライン(知的当事者会)会議・福島復興障がい者会議(福島県自立生活センター協議会)
7月23日  ・一次〜三次留守宅訪問調査開始
7月25日  ・全日本聾唖連盟久松氏ら来所
7月30日  ・障害連シンポジウム
8月1日  ・アクセスホームさくら再開式
8月7日  ・南相馬連絡調整会議
8月9日  ・南相馬地区事業所連絡協議会
8月27日  ・きょうされん東北ブロック交流会
8月29日  ・「南相馬市要援護者避難計画策定に向けた訪問調査結果の最終報告」提出・提出後記者会見
9月1日  ・定例事務局会議・県相談支援強化事業開始
9月4日  ・南相馬連絡調整会議
9月6日  ・ふくしま支援センターニュース「つながり」No.5
9月7日  ・障害者の「働く」実態調査発送
9月10日  ・公的扶助研究全国セミナー於新潟(白石代表)・きょうされん東北ブロック代表者会議(和田氏)
9月15日  ・定例事務局会議
9月17日  ・脳性まひ者協会シンポジウム於横浜(白石代表)
9月19日  ・南相馬連絡調整会議
9月22日  ・「被災障害者支援を考えるシンポジウム」開催・JDF岩手支援センター開設式(和田)
9月30日  ・福島県障害者関係団体協議会・サテライト自立生活センター(長期避難拠点)設立計画(生存学HP)
10月1日  ・障害学会於名古屋(白石代表)・ハートフェスタ於亀岡(和田氏)
10月5日  ・定例事務局会議
10月8日  ・愛知県重度障害者団体連絡協議会主催シンポジウム於名古屋(白石代表) 
10月12日  ・FIL相模原サテライト会議
10月13日  ・第20回定例事務局会議
10月17日  ・新潟CILシンポジウム(白石代表、橋本氏、佐久間氏、杉田氏)
10月19日  ・南相馬相談支援定例ミーティング
10月20日  ・船引町介助時間不服申し立てについて、口頭陳述応援(白石代表)
10月21日  ・CILくにたちシンポジウム(白石氏・橋本氏) 
10月23日  ・サロンしんせい開所
10月24日  ・FIL全体会議
10月25日  ・県障害福祉課矢吹氏来所
10月28日  ・10.28大フォーラム(白石代表) 
10月30日  ・「なくせ原発10/30大集会」(白石代表)
11月1日  ・知福協研修会於島根(鈴木氏)
11月8日  ・東京家政大学で講演(白石代表)
11月10日  ・第22回定例事務局会議
11月13日  ・つながり映画祭in南相馬(和田氏)・障害がある人への訪問調査 報告書&発言集
11月15日  ・JDF対策本部会議於東京(和田氏)
11月16日  ・県障害福祉課矢吹氏来所
11月17日  ・第23回定例事務局拡大会議
11月21日  ・福島県自立生活センター協議会常任委員会
11月22日  ・丸紅基金贈呈式(和田氏)
11月23日  ・ゆめ風基金シンポジウム於大阪(白石代表) 
11月25日  ・FILと救援本部との復興会議
11月28日  ・近畿社会就労センター総合研究大会於京都(和田)・南相馬自立支援協議会就労部会にて『訪問調査結果』『発言集』「働く実態調査」配布 
12月6日  ・国への要望書に関して金子議員との打ち合わせ(白石代表)
12月7日  ・ふくしま支援センタニュース「つながり」No.6
12月13日  ・県障害福祉課矢吹氏来所
12月15日  ・原発事故損害賠償に関する障害者のための学習会」準備のため日弁連へ(和田氏、穴沢氏)・福島県相談支援強化充実事業会議・障害者制度改革推進会議の方々来所
12月16日  ・仕事おこしワークショップ・内閣府赤松氏来所
12月17日  ・福島県知的障害者施設協会支援スタッフ研修会
12月18日  ・サテライト体験プログラム(白石代表、橋本氏、佐久間氏)
12月21日  ・JILパワープラスネット会議
12月23日  ・中野区で講演(白石代表) ・支援センター忘年会
1月7日  ・きょうされん東北ブロック交流会支援者会議於京都(和田氏、佐藤氏)
1月10日  ・サテライト説明会於たいむIL
1月11日  ・南相馬ファクトリー会議
1月21日  ・第4回構成団体会議・災害と障害者のつどい於神戸(和田氏)
1月23日  ・障害者制度改革推進会議で報告(白石代表)
1月29日  ・障害者のためのわかりやすい東電賠償学習会 開催 
2月2日  ・定例事務局会議
2月4日  ・スタートライン交流会
2月6日  ・サテライト説明のためいわき自立生活センターへ(白石代表)
2月7日  ・JDF総合支援本部会議於東京(白石代表、和田氏)
2月8日  ・県障害者関係団体協議会会議
2月10日  サテライト自立生活センター立ち上げ趣意書


*作成:青木 千帆子
UP: 20120618  REV: ...20130319, 20
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