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ロボトミー糾弾全国共闘会議(ロ全共)


last update:20131130

◆議長:伊藤 彰信
◆1979/09/30 正式結成(佐藤[1982(4):207]

■文献

◆1979/10/25 『ロボトミー徹底糾弾』第1号
 *全文を収録・掲載しています。
◆1980/08/01 『ロボトミー徹底糾弾』第6号
 *全文を収録・掲載しています。
佐藤 友之 19820501 「横手興生病院事件――侵犯 第2部 ロボトミーはいかに裁かれたか・3」,『創』1982-5:212-225
◆青木 薫久・有賀 信男・伊藤 彰信・佐藤 友之 19820801 「管理・隔離思想との闘い――侵犯 口ボトミーはいかに裁かれたか」,『創』1982-8・9:216-229

■言及

◆『全国「精神病」者集団ニュース』197912

「ロボトミー糾弾全国共闘会議への加入について
 精神外科廃絶にむけて学習会を持ち、要請、質問等を持ちながら正式に加入することが決定されました。」

◆立岩 真也 2013/12/10 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.

□第3章 各種療法、とくにロボトミーに対する遅くになされた批判
 □6 ロボトミー事件・裁判――概略
 □7 (1)北全病院ロボトミー訴訟(札幌ロボトミー事件)
 □8 (2)名古屋Mロボトミー事件
 □9 (3)横手興生病院ロボトミー事件
 □10 (4)弘前ロボトミー裁判
 □11 ロボトミー殺人事件
 □12 ようやくこの時になされたこと

 「学会での問題化の方はまだ知られているのでHPに資料を挙げるにとどめ、本章ではロボトミーに関わる裁判他をいくらか詳しく紹介する。
 その対象とされたのはこの時期に発見・発掘されたもの、その意味で批判・糾弾は意図的だと言って言えなくはない。過去になされた手術が問題化され、裁判がなされる。北全病院ロボトミー裁判(一九七三〜)、名古屋Mさんロボトミー裁判(一九七三〜)、横手興生病院ロボトミー裁判(一九七四〜)、弘前ロボトミー裁判(一九八〇〜)がある。また手術をした医師の家族を手術をされた人が殺害したロボトミー殺人事件(一九七九)がある。これらの事件・裁判に関わった「ロボトミー糾弾全国共闘会議(ロ全共)」(一九七九〜)といった組織もあった。」(立岩[2013:★-★])

 「全日本港湾労働組合横浜支部京阪港湾分会(全港湾横浜分会)」がAの支援に当たったことは記した。その組合で働いていた伊藤彰信(七五年から全港湾中央本部書記局員)は「ロボトミー糾弾全国共闘会議(ロ全共)」の立ち上げに関わり、その議長になる。その機関誌『ロボトミー徹底糾弾』の何号かを桐原尚之が入手し、入手できた分については、そのガリ版刷り(をさらにコピーしたもの)の、時にひどく字の読み取りにくい全文を入力している。これまで記さなかった分だけ補足しておく。
 七八年に準備委員会、委員長は佐久間茂夫(A支会)☆21、七九年九月三〇日正式結成。議長は先述した伊藤。機関誌『ロボトミー徹底糾弾』一号(七九年一〇月)によれば、結成大会に集まったのは百名近く。名古屋事件のM、横手事件のA(準備委員会の発起人でもあった)、弘前事件のSも参加、「決意表明」を行なった。午前には吉田哲雄(→◆頁)による講演があった。赤堀政夫の――静岡県で少女が殺された島田事件で殺人罪で死刑宣告を受けた赤堀政夫は冤罪を訴え、氏を奪還しようとする闘争があった(事件があったのは一九五四年、六〇年に死刑確定、八六年再審開始、差し戻し審で無罪判決が出て獄から出るのは八九年、よって書面での――のアピール(右の機関誌に全文掲載)、「全国障害者解放運動連絡会議(全障連)」からは八木下浩一がアピールを行なったという。翌一〇月一日には厚生省に要求書を提出、その要求は「一、精神外科を公認してきたことを反省し、謝罪すること。二、治療指針から精神外科を削除すること。三、精神外科被術者の恒久的な医療・生活保障のための処置を講ずること。四、以上の点について、我々と継続的に交渉をおこなうこと。」厚生省では公衆衛生局精神衛生課総務係長が対応、直接要求書を渡し、六日までに返事を得られるとの確認をとったが、結局門前払いをくらうことになる。」(立岩[2013:★-★])

 「☆16 判決についての批判として、『精神医療』に掲載された吉田[1978]等がある。なお『ロボトミー徹底糾弾』は「ロボトミー糾弾全国共闘会議(ロ全共)」発行の雑誌。第一号(一九七九)と第六号を桐原尚之が入手し、全文を入力し、HPに掲載しているが、当時の資料全般のほとんどはまだ入手できていない。今後も散逸は進むだろう。資料・情報の提供を歓迎する。」(立岩[2013:★-★])

 「[…]ただ、間違ったまとめられ方・忘れられ方は気にいらないとは思っていた。するとあったことを書かねばならない。すると私自身が知らない。それで調べてみて、この本を書いた。するときりがなくなったのだが、一冊分になってしまったから、この続きはまたということにして出していただく。細かなところでは、「精医研」(→93頁)だとか「ロ全協」(→160頁)だとか、ほとんどなんだかわからないままだった。各地、各地の病院での反抗・改革の試みにしても、それらは争いだったのだから双方の言い分が違うのは当然であり、それぞれわかることが「偏った」ものであるのはかまわないのだが、その一方の側においてもどうだったのか。これからも、せいぜい文字になっているものは集め、いくらかまとめておければと思う。ときどきに追加した(追加された)情報はツィッターなどでもお知らせする。直すこと、足すことがある程度たまったら、『生の技法』が第3版に、『私的所有論』が第2版になっているように、そのうち、版を改めた本ができればと思う。」(立岩[2013:402-403])


*作成:桐原 尚之
UP: 201106027 REV: 20111008, 9, 30 
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