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生存戦略のための国籍・市民権研究会

(2009年度グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点院生プロジェクト:
2009/05〜2010/03)
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■関連項目
マイグレーション・スタディーズ(Migration Studies)

文献≪国籍・市民権関連(A~Z順)≫
※事項「マイグレーション・スタディーズ(Migration Studies)」項目

■ 計画 ■
◆研究課題:管理装置としての国籍市民権制度及び、移民先住民の生存戦略としての国籍市民権の利用への研究

◆プロジェクト研究メンバー:計7名 *所属などは2009年度当時

番匠 健一 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程) *プロジェクト研究代表者
石田 智恵 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程/日本学術振興会特別研究員)
金城 美幸 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程)
佐藤 浩子 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程)
能勢 桂介 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程)
本岡 大和 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程)
永田 貴聖 (立命館大学衣笠研究機構ポスドドクトラルフェロー・GCOE「生存学」) *総合アドバイサー

◆事業推進担当者:渡辺 公三 (立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)


T.研究内容等および「生存学」創成拠点にもたらす効果
@ 研究内容、目的、意義
 既に、欧州の歴史社会学・人類学分野では、国家が国籍や市民権を「発明」し、様々な権利の主体である市民と、享受できない非−市民を分別し、管理していることを系譜的に研究してきた。 当プロジェクトでは、管理制度の変遷を探求するという従来の視点に加え、管理や統制という制約された状況の中で、移民・先住民などが複数の国籍や市民権を、結果的に利用する「戦術」を分析することを目的とする。 当プロジェクトの研究分担者たちはいずれも、日系ブラジル人、フィリピン人のトランスナショナリティ、エルサレムにおけるパレスチナ人への権利の制限、日本・川崎市における在日コリアンの権利要求運動など、国家の人民管理及び、国籍と市民権についての、国家、当事者のせめぎ合いについての分析している。国籍と市民権の管理する側、管理されながらもそれとせめぎ合う側、活用する側の動向を比較分析できることが当プロジェクトの意義であり、特徴的なことである。国籍と市民権という同じテーマに関連しつつ幅広い多様な事例についての比較研究は、例えば他大学の研究グループが実施している「パスポート」研究などと比べ、より学術的で、世界規模であると自負している。

A 「生存学」創成拠点にもたらす効果
 国家側の国籍・市民権による人民管理から、管理される当事者側の国籍・市民権とのせめぎ合い、活用術に網羅的に焦点を当てることは介護、福祉、医療、国際労働移動等個別分野に断片化されない、「生存学」創成拠点の目的である「人々のこれからの生き方を構想し、あるべき社会・世界を実現する手立てを示す」ことに貢献する包括的な人文社会科学研究を構築することに貢献すると想定している。

U.研究計画・方法・研究成果発表の方法
前期では、法学、歴史学、社会学、人類学などにおいて検証されている、欧米の近代国家が、国民国家の成立過程において、領域内の人民のなかに、様々な権利を享受できる「市民」の存在、権利を制限される「非市民」の存在を作り出し、管理することについての先行研究(具体的には高佐智美、R.ブルーベイカー、ベンハビブなど)を再検討することに専念する。また、図書については、当面の間、より考察を深めるため、担当報告者が、占有できるように、生存学蔵書とは別に個別の予算を充当したい。 後期は、研究分担者の専門分野、焦点を当てている個別事例である移民、先住民など管理される側の人々が、国家による管理とせめぎ合う過程や、複数の国籍や市民権を、結果として、利用し、国家の管理や統制をくぐりぬけて生きる術について、理解を深めたうえで、情報交換を行っていく。また、必要な場合は、当プロジェクトの予算から、国内調査のための諸費用を充当する。 そのうえで、11月に外部研究者を招請し、研究分担者の報告を交えながら研究会を実施する。これらの研究者たちの招聘費用は予算から充当する。当プロジェクトの成果として、研究会の内容を再度検討する。『生存学研究センター報告』に特集を企画し、論文及び研究報告書を掲載する。



■ 活動/成果 ■
◆定例研究会
◇第1回 2009年5月13日(水) 15:00〜18:00 於:創思館416
【文献】高砂 智美 2003 『アメリカにおける市民権―歴史に揺らぐ「国籍」概念』勁草書房
【報告】
(1)永田 貴聖 第1部
(2)本岡 大和 第2部
(3)石田 智恵 第3部

◇第2回 2009年6月24日(水) 15:00〜18:00 於:創思館416
【文献】ブルーベイカー,ロジャース 2005 『フランスとドイツの国籍とネーション――国籍形成の比較歴史社会学』佐藤 成基・佐々木 てる 監訳,明石書店(=Brubaker, Rogers 1992 Citizenship and Ntionhood in France and Germany, Harvard University Press)
【報告】
(1)石田 智恵 序章
(2)番匠 健一 第1・2章
(3)本岡 大和 第3章

◇第3回 2009年7月29日(水) 15:00〜18:00 於:創思館416
【文献】ブルーベイカー,ロジャース 2005 『フランスとドイツの国籍とネーション――国籍形成の比較歴史社会学』佐藤 成基・佐々木 てる 監訳,明石書店(=Brubaker, Rogers 1992 Citizenship and Ntionhood in France and Germany, Harvard University Press)
【報告】
(1)本岡 大和 第4章
(2)番匠 健一 第5章
(3)永田 貴聖 第6章
(4)金城 美幸 第7・8章、結論

◇第4回 2009年9月30日(水) 15:00〜18:00 於:創思館416
【文献】 小泉 康一 2009『グローバリゼーションと国際強制移動』勁草書房
【報告】
(1)本岡 大和 序章、第1章
(2)金城 美幸 第2章
(3)永田 貴聖 第7章
※他の章は省略

◇第5回 2009年10月28日(水) 15:00〜18:00 於:創思館416
【報告】
石田 智恵
【テキスト】トーマス・ハイランド・エリクセン(鈴木清史訳) 2006『エスニシティとナショナリズム』明石書店

番匠 健一
【テキスト】関根政美 1994『エスニシティの政治社会学―民族紛争の制度化のために』名古屋大学出版会


◆ワークショップ開催
◇2009年11月28日土曜日開催 於:立命館大学衣笠キャンパス創思館401、402
『制限の技法、生存の技法―国籍・市民権と移民難民先住民―』

◇第6回(第1回公開研究会) 2009年12月4日(金) 17:30〜19:30 於:創思館401・402

■お問い合わせ
番匠 健一 (立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程)
ir016011(at)ed.ritsumei.ac.jp ←(at)を@に変えてください



*作成:永田 貴聖
UP:200909 REV :20091013, 1020, 1106, 1109, 1119, 20100413,0423, 0601
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