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光明養護学校/東京都立光明特別支援学校


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花田 春兆 19740805 『いくつになったら歩けるの』,ミネルヴァ書房,268p. ASIN: B000J9FPYI 800 [amazon] ※/東社369.49HS

◆花田 春兆 20000615 『雲へのぼる坂道――車イスからみた昭和史』,中央法規出版,276p. ISBN-10:4805819367 [amazon][kinokuniya] ※ cp

「『われらは愛と正義を否定する――脳性マヒ者 横田弘と「青い芝」』註」

 □註1(横田・立岩対談1についての註)
★11 『増補新装版 障害者殺しの思想』掲載の年譜の最初の頁に横田の就学免除通知の写真が掲載されている(横田[2015:250])。
 他方後出の『しののめ』、青い芝の会に日本で最初の養護学校ということになる東京市立光明学校(後の光明養護学校)の出身者が多かったことは廣野[2007]他に記されている。花田春兆(→▼頁)の光明学校体験について 花田[1974:43-94][2000]。花田は自著で光明学校は金持ちの子弟が行く学校だったと言われるが(自分のところは)それほどでもなかったといったことを何箇所かで書いている。ただ花田の父は、いつからからいつかまで専売公社といった名称であった組織の上にいた人であった(荒井による)ということで、十分にそれほどでもあったようだ。そして花田にとって、すくなくとも彼がいた時期の光明学校は自由な雰囲気があり、彼はそれをよいものとして記憶している。ついでに加えると、花田[1974]は全障研の機関誌『みんなの願い』に掲載された文章をほぼそのまま収録したもの。そして青い芝の会が反養護学校義務化闘争を始めるのも七四年。
 また横塚は整肢療護園――東京にあったそれも以後各地に設置されるようになる整肢療護園の最初のものであったはずだ――に入所していたその時に、小学校六年に編入され、児童福祉法の適用切れによって療護園退園と同時に中学校二年で退学している。この期間、横塚が自治会の長など務めたことを矢田龍二(→註▼)が記していることは立岩[2015c]でも紹介した。横塚の父は千葉県の教育行政の「上」の方にいた人だという。全国にいくつかしか施設がなかった頃の状況にはそんなところがあったのかもしれない。
 ちなみに横塚はその後、五五年四月国立身体障害センター(現在は国立障害者リハビリテーションセンター)――ここも国立の身体障害者更生指導所として四九年、日本で最初に開設されたセンターだった――に入所(五六年三月退所)している。時期的にはこの後になるが、このセンターでは和田博夫・田中豊らがポリオや脳性麻痺の人たち他に行なっていた手術がセンターの方針で打ち切られそうになると入所者らが抗議行動を起こし、センターと長期に渡って対立することになった。この闘争・事件についてはそこに入所しこの闘争にいっとき関わった二日市安の記述がある。その著書に二日市[1979][1982][1995]。彼も「しののめ」の同人であり、またのちには「障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)」「障害児を普通学校へ全国連絡会」の中心的な存在の一人だった。そしてこの闘争についての一次資料を用いた歴史研究として鈴木雅子[2012]がある。
 「なおすこと」をとっても、そう単純に割り切れ(られ)てはいない。このことも立岩[2015c]ですこし記した。このことについては立岩[2014-]で検討を続ける。また、そのうち、「要するに」を記した長くない本を出してもらうつもりだ。
 同時に、これら諸施設で何があったのか、なされなかったのかを調べておく必要もある。六〇年代に親たちに懇願され設立されていった「重症心身障害児施設(重心)」は知的にも障害のある人(子ども)たちのものであり、右にあげた光明養護学校、整肢療護園、国立身体障害センター等とはまた別の系列のものと思われる。たしかにそうなのではある。しかし「府中療育センター」には、そこでの闘争に青い芝の会もいくらか関わった脳性まひの新田勲(▼頁・註▼)、三井絹子(▼頁・註▼)がいた。そして「重心」の草分けといえば、島田療護園、琵琶湖学園だが、すくなくとも後者には所謂サリドマイド児、そして脳性まひの人たちがいて、現在もかつて「児」であった人が今もいるという。この施設の始まりとそれに関わった親の会の運動――横田らが七〇年の殺害事件・裁判の時に話し合いをもったのはその地域組織であるはずだ――について窪田[2014][2015]、府中療育センターでの出来事についての記述も含む東京での重症心身障害児施策について森山[2004][2005]。

横山 晃久


UP: 20180718 REV:
組織  ◇病者障害者運動史研究 
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