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自立支援センターちくま・移動サポートについてのインタビュー


last update: 20160625


自立支援センターちくま・移動サポートについてのインタビュー

Q1 移動サポートを行った目的を教えて下さい。
A1 身体障害者・高齢者の自立生活に移動はかかせないからです。またリフト付車両を持っていて、うち(ちくま)のスタッフが介助に慣れているからです。ホームヘルパーのような日常生活介助者は見つかりやすいのですが、移動に限定した介助者は見つかりにくいのが現状です。けれども、うちには車両があり移動に関して経験豊富なスタッフがいるので、移動サポートを始めようと思いました。しかし、「ちくま」のような組織が増え、障害者の足になることが目的ではなく、公共交通機関が全てバリアフリーになることが本当の目的です。街が全てバリアフリーになるまでの間、身体障害者・高齢者の足を確保していこうと思っています。

Q2 ボランティアと(ちくまのような)事業との違いについて教えて下さい。
A2 ボランティアの場合は、もしボランティアの都合がつかなければ行くことができないという欠点があります。しかし、事業の場合は継続でき、利用者の予定に合わせて提供できるので利用しやすいという利点があります。

Q3 移動サポートの対象者はどういった人ですか。
A3 松本市在住の身体障害者・高齢者です。しかし、全国ネットワークの活動の1つとして、県外の障害者が長野県に旅行に来た場合などにも利用することができます。これは、全国ネットワークが開始されてから一番早くできた活動です。

Q4 家族が介助者として同乗する場合の料金はどうなっているのですか。
A4 その場合家族は、料金を支払わずに乗ることができます。また一緒に旅行へ行くこともできます。

Q5 受付・予約について教えて下さい。
A5 通常は予約制です。車両が2台という制限があるため、予定が決まれば早く予約してもらった方がいいです。しかし、突然でも車両が空いていればすぐに利用できるし、車両が出払っていても少し待ってもらえるようであれば、戻って来てから行くことができます。身体障害者・高齢者が一番困るのは、計画なしで出掛けた時なので、臨機応変に対応しています。
 予約は電話1本で、契約する時は利用者の家に行き細かく下調べ(障害の状況・介助方法やその注意点・家の構造・感染症の有無・家の前まで車両が行けるかなど)感染症がある場合、主治医と相談します。利用後は車両の消毒をしなければいけないので、時間がかかり他の利用者の予約時間にも影響
するためきちんと調べておきます。
 
Q6 移動サポートで使用している車両の台数とスタッフの人数を教えて下さい。A6 現在、リフト付車両が2台あります。スタッフは4人で、男1人と女3人です。通常は、1人で運転・介助をしています。障害が重度になると介助者が必要となり、その介助者分の料金ももらいます。

Q7 運行範囲について教えて下さい。
A7 移動先の限界は特にありません。近場の利用でももちろんいいです。送った後、利用者に「付いていてくれ。」と言われれば付いていますが、その間の料金はもらいます。もし送ってから迎えにいくまでの間が30分くらいならば、その場で待機させてもらいますが、間が2〜3時間ならば、送った後一度帰って再度迎えに行き、料金は自宅から目的地までと目的地から自宅まで送った時間の分をもらいます。

Q8 移動サポートの利用料金の仕組みについて具体的に教えて下さい。
A8 現在移動サポートのスタッフは、作業所の仕事と兼任して行っていますが、これから利用が増えていくと移動サポート専門のスッタフを雇用しなくてはいけなくなります。運転手として雇用した場合、時給1000円以上を確保することが必要あり、ガソリン代・事務手数料を引いたりすると利用料が1時間2000円ないと雇用することはできないので、時給2000円としました。
 全国の移動サービスは車庫から車庫までですが、うち(ちくま)の特別な措置として、迎えに行くまでの時間は料金に入れていません。市外は別ですが、市内だけは、利用者に張り付いている時間だけ料金をもらっています。
 スタッフが少なく事務も兼ねているため、後日請求することは難しいので、料金はその日払いでもらっています。
 市内の人で遠出する場合、ガソリン代・高速料金・人件費がかかるため、市内は1時間2000円の料金で、市外は1時間2000円は単純に時給でもらってガソリン代・高速料金は別途にもらいますが、ケースバイケースです。
 県外の障害者の場合、単純に1時間いくらではなく、行き先・人数・1日貸し切りなどにより、これもケースバイケースです。
 所得が少ない人など、困窮しているがやむを得ない事情で行く時には、利用者の状況を考慮しています。

Q9 ガイドヘルプサービスを使用できるということですが、それについて教えて下さい。
A9 松本市にガイドヘルプサービスという制度があり、認定を受けた身体障害者が外出する時に介助すると、1時間に1450円(国 1/2、 県 1/4、 市1/4)の時給がでます。今回うち(ちくま)のスタッフは、ガイドヘルパー に登録させてもらうことができました。移動サポートとガイドヘルパーを併用できるようになったので、重度の障害を持つ人は、利用料1時間2000円が個人負担は1時間550円になりました。

Q10 移動サポートを行うための運営資金はどうしているのですか。
A10 有料システム、チャリティー企画(バザー・絵画展)、賛助会員(車両 の維持や運営などを安定・維持して行うため援助してくださる方)、会費などで賄っています。金銭的には苦しいのが現状です。
 国の制度では、外出支援事業に対する補助制度が設けられていますが、その制度を応用するかどうかは最も末端の行政である市町村の考えとなります。東京では移動サポートを行っている団体は、平均500万円の補助金が出され、また有料制で行っています。しかし、現在うち(ちくま)には補助金がないので、「身体障害者みんながちくまの会員になって、自分達 の足は自分達で確保していきましょう。」というのが現状です。

Q11 移動車はどうやって手配したのですか。
A11 リフト付車両2台で運営していますが、1台は1992年に24時間テレビ「愛は地球を救う」からの寄付で、もう1台は1993年に個人から譲ってもらった車両で、車椅子専用に改良されています。また、現在日本財団へリフト付車両を申請しているので、それが通れば来春にはもう1台増えるかもしれません。

Q12 移動サポートを行うにあたりどのような方法で宣伝しましたか。
A12 今回移動サポートを開始する前に、タイムケア事業の一貫として移動を 利用していた人達に口頭・封書で宣伝しました。後は口コミです。利用者本人がこのような移動サポートがあるということを把握することは難しいので、提供者側が行き、口頭で具体的に説明することが必要だと思います。

Q13 移動サポートを行う上での問題点について教えてください。
A13 全国ネットワークの各中継点(各団体)で料金やシステムが統一されていないことです。当面は、この料金やシステムの違いを利用者が納得すれば利用できます。
そして、移動サービスが全国的に少ないということです。遠くから移動 サービスを利用すると、利用者・提供者両方に負担がかかり続かないので、各地域に点々とあることが必要だと思います。長野県内には、長野市と「ちくま」が有料で、他はボランティアで移動サービスを行っていますが、まだ数は足りていません。
 また、ホームヘルプサービスなどのような日常生活介助と大きく違う所は、車を使っているということです。そのため、もし事故が起きた時には、金銭的には保険で補填しなくてはならないし、事故の責任は「ちくま」、特に運転手の免許にかかってくるため、多大なリスクを背負っていることです。事故が起きた時、提供者・利用者両者が自分達で身を守る方法を考えておかなくてはいけないと思います。
 
Q14 移動サポートを行う上での改善点があれば教えて下さい。
A14 今回移動サポートを開始するにあたりテレビや新聞に出ましたが、知らない人が多く、広告を配ってもなかなか広まりにくいということがありました。利用する人は高齢者であり理解しにくかったりするため、うち(ちくま)が出向いて行き宣伝するしかありません。そのため、保健婦・ケースワーカー・ソーシャルワーカーから話してもらうと分かりやすいので、これからは、まずはこの人達に説明していこうと思っています。
Q15 移動サポートを行う上での理想について教えて下さい。
A15 今までの日本の場合、障害者は弱者と見られていて、弱者に対してはできるだけ無料で奉仕をしてあげようということがよいことのようにとらえられてきました。しかし、そこには対等な関係はなく、やってあげようとする側の思いや都合だけがいかされているのです。制度として、「ちくま」のような民間団体にサービス提供者を雇用するだけの金額が渡され、その人達に直接給料を支払うことができれば、本当に対等な関係になり、サービス提供者側もそれで食べていくことができるのです。そのため、提供者と利用者が対等な関係になってサービスを提供していくことができればいいと思います。そこで本当の社会参加となり得るのだと思います。
 東京では、都の考え方でサービス提供者を雇用するための十分な補助金が出ています。長野県では、一人暮らしや働くことができない身体障害者は、年金暮らしか生活保護ぎりぎりで生活しています。それに加えて、介護補償の部分のお金がたいしてないため、どうしてもボランティアに頼らざるを得ないという現実があります。そのため、有償のサービスに利用者の人達がなじまないという部分があります。経済的にも人々の気持ちという意味でも、私達が始めたサービスにすんなり当事者達が飛びついてくるわけではありません。それは、安いほどいいと思っている部分があるからです。身体障害者も障害があるからという考えではなく、もっと変わって行くことが必要だと思います。
 うち(ちくま)は、サービスを提供する側の努力として、ガイドヘルプサービスを併用するところまでは獲得しました。後は、利用者の負担が大きいので補助金を出して欲しいという声が、利用者側から出てきて欲しいと思います。また、利用者側が自分達の問題として提供者側と一緒に動くことが必要だと思います。自分で自分の生活を改善していくために、身体障害者は情報をキャッチする能力を高めていってほしいと思います。


REV: 20160625
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