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IRIN2002



   

◆南ア保健相、法廷で弁明
 2001年9月14日(IRIN)

南アフリカ共和国では、4月の裁判終結後もエイズ治療薬を使った治療が展
開されているとは言えません。
その現状を伝える記事を太田さんが訳してくれました。

南ア保健相、法廷で弁明
2001年9月14日(IRIN)

 マント・タシャバララ・ムシマン(Dr. Manto Tshabalala-Msimang)保健
大臣はTACが起こした、すべてのHIV陽性の妊婦に対して抗レトロウィルス剤
であるネビラピンを配布するという政令を確実なものにするための訴訟にお
いて、(政府の立場を)弁護するだろうと、Health-e Newsは水曜日に報告
している。
 タシャバララ・ムシマン保健相と、西ケープ州知事を除く9人の各州保健
関係閣僚はTACの訴訟において(政府の)正当性を弁明するだろうとの報告
がある。ネビラピンはHIVの母子感染を50パーセントまで減らすという報告
があるにもかかわらず、現在は18のパイロット地域のうち、ただ一ヵ所の産
前クリニックを受診しているHIV陽性の妊婦にのみ無料で配布されている。
 報告によると、TACは薬の制限はBill of Rights(権利宣言)を侵すもの
であり、またプライベートセクターの医師は処方できるが、公的医療機関の
医師は処方できないということは不合理でもあると主張している。西ケープ
州とガウテン州当局はTACの弁護士に、自分たちは政府が定めたように、各
地域の2ヶ所以上の場所でネプラビンを無料で配布する計画があるというこ
とを書き送っている。

 
 

◆2001/09/15
 アフリカ:2015年までにAIDSが南部アフリカで1000万人の命を奪うと予測
 南アフリカ:薬価はいまだに高い−保健大臣
 IRIN HIV/AIDS Weekly Issue 44 [2010915]より

斉藤@足立区です。

須藤さんが、9月15日付のIRIN配信ニュースを2本、訳してくれました。

アフリカ:2015年までにAIDSが南部アフリカで1000万人の命を奪うと予測

 今後15年間で南部アフリカで1000万人がAIDSによって死亡するとの予測さ
れており、アフリカ経済は荒廃していくだろうと、今週、研究者が警告した。
南部アフリカ開発共同体(SADC)の研究者によれば、現在の人材開発計画は
南部アフリカ地域での財政及びその他の資源の流出の結果、既に損害を被っ
ていると、African Eye News Serviceは報じた。
 今週、スワジランドで出版された、2000年のSADC地域人間開発報告書は、
1995年から2005年までに630万人が死亡することによって、SADC加盟国の国
内総生産(GDP)が減少すると見積もっている。同報告書によれば、例えば、
2000年のザンビアのGDPは、HIV/AIDSの直接の結果として9%下落している。
1984年にザンビアで初めてAIDS感染者が発見されてから、AIDSの被害者数は
急激に増加している。
 報告書によると、1995年までに、前年の倍に当たる年20万件に上るHIV/
AIDSの感染が報告された。1997年に100万件を越え、このうち7万件は子供に
ついての事例であった。また、報告書によると、SADC域内の住民の平均余命
は1990年から1998年の間に著しく減少した。かつてボツワナでは77歳まで生
きることができると考えられたが、現在では68までしか望むことができない。
ザンビアの平均余命が51歳から43歳まで8歳も落ち込む間に、ジンバブエの
平均余命は、70歳から58歳まで12歳も落ち込み、南アでは71歳から63歳まで
8歳も落ち込んだ。また、報告書は、世銀によるスワジランドにおけるHIV/
AIDSと関連した死亡数の見積もりは低すぎると指摘した。


南アフリカ:薬価はいまだに高い−保健大臣

 製薬会社がHIV/AIDS治療薬の値段を下げたにもかかわらず、南アでは公共
医療体制を通じた薬品の供給が十分ではないとマント・シャバララ・ムシマ
ン保健相が木曜日に発言した。
 政府は抗レトロウィルス薬がHIV感染者に供給されていないとの多くの批
判を受けている。「薬のために用意された予算は20億ランド(2億3300万US
ドル)だ」と、マント・シャバララ・ムシマン保健相の報道陣との会見での
発言を引用して、AP通信が伝えた。「もし、私が抗レトロウィルス薬を買う
のであれば、その他すべてのことを忘れるしかないだろう」と、先月、政府
がAIDS活動家や小児科医の民事訴訟に反対したことに付け加えて、ムシマン
保健相は語った。訴訟は、政府が母子感染の見込みを減らす為、ネヴィラピ
ンをすべてのHIV陽性の妊婦に配布させることを目的としている。
 報告によると、毎日、およそ200人の南アの赤ちゃんがHIV/AIDSに感染し
て生まれ、研究によれば、ネヴィラピンはこの数をおよそ半分に減らせると
のことである。報告は、政府がネヴィラピンの効果を検証するために複数の
研究所を設立したが、患者への補助なしでは広範囲に供給しないと述べてい
る。患者は、治療のフォローや地域社会から孤立しないような保証といった
カウンセリングを必要としている、とムシマン保健相は語った。
 先月、9000人以上の女性が研究所を訪れ、このうち6400人ほどが相談を受
け、HIV/AIDSテストを受けることを決めた。治療行動キャンペーン議長のザ
ッキー・アクマットは訴訟に政府が反対するのは残念だと語った。「毎日、
政府はぐずぐずし、薬の供給は助けられたであろう人々に出費を強制する」
とアクマットが語ったと伝えられた。ムシマン保健相は、2つの民間通信組
合を政府のHIV/AIDS予防キャンペーンを支援する1040万USドル相当の契約に
ついて表彰したと発表した。「この国でHIV/AIDSの脅威を減らす方法は何も
ない」とムシマン保健相は語ったと伝えられた。

 
 

◆2001/09/19 南アフリカ:医師向けのHIV/AIDS訓練プログラムを立ち上げ
 AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 19 September 2001

Date: Fri, 28 Sep 2001 08:46:32 +0900
[info-jsds] AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 19 September 2001より

斉藤@足立区です。

須藤さんが、AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 19 September
2001の記事を翻訳してくれました。

南アフリカ:医師向けのHIV/AIDS訓練プログラムを立ち上げ

 より効果的にHIV/AIDSに対処できるよう医師を訓練するプログラムを医療
従事者団体が案出したと、南アフリカ医療協会(SAMA)が今週アナウンスし
た。プログラムはSAMAの教育部門、職業開発基金(FPD)、南アフリカHIV臨
床医協会によって開発された。
 「HIV/AIDSは南アが直面する最大の難問であり、すべての医師が積極的に
解決策を提供すべく貢献すべきである。」とFDP局長グスタフ・ウォルハー
ド博士がPlusNewsに語った。ほとんどの医療専門家は1990年以前に免状を受
けており、大学でHIV/AIDSの処置について教わっていない、とウォルハード
博士は語った。南アの保健医療施設と資材・資金はHIV/AIDSの感染拡大の処
置について不適切である、ともウォルハード博士は語った。講習は、すべて
の初級レベルの保健治療に携わる開業医が慢性病と同様にHIV/AIDSに対処す
る能力の新しくすることを保証するものである、とウォルハード博士は付け
加えた。
 ウォルハード博士によれば、700人ほどの関係者が講習を受講し、すべて
の主要都市で今週末から開始する予定である。目的は、1991年以前に資格を
取った1万7千人の開業医すべてが受講することであるが、最大3千人を教育
するだけの予算しか供給されない、とウォルハード博士は付け加えた。教習
を終了すると、開業医はワクチンの開発を理解し、カウンセリングのあらゆ
る側面を確信してどういった時に人々が専門家に問い合わせたりサービスの
支援を受けるかを知るのと同様に、HIV/AIDS及び性感染症を診断し管理でき
るようになるだろう、とウォルハード博士はPlusNewsに語った。

 
 

◆[info-jsds] ジンバブエ:毎年、6万人におよぶ新生児がHIV/AIDSに感染

斉藤@足立区です。

須藤さんの訳で、表記のIRIN配信のニュースを送ります。
もとの記事は、AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs [2010924]収録の
短信として配信されたものです。

ジンバブエ:毎年、6万人におよぶ新生児がHIV/AIDSに感染

 ジンバブエでは毎年4万から6万人の子供がHIV陽性で生まれる、と月曜日
に保健省高官がPlusNewsに語った。
 保健・児童福祉省の母子感染予防プログラムのプロジェクト・オフィサー
であるイナム・チスィケ博士は、ジンバブエの母子感染予防プログラムは徐
々に全国規模で各地方に導入されつつある、とPlusNewsに語った。実験現場
では既に実施段階にあり、次のステップはプログラムを妊婦がより参加しや
すくすることである、とチスィケ博士は語った。
 プログラムは予防だけではなく、治療やカウンセリングなどの支援も含ま
れる、とチスィケ博士は付け加えた。政府はネヴィラピンの生産者であるベ
ーリーンガー・インゲルハイムに薬の供給を求めるよう交渉すべきだ、とチ
スィケ博士は語った。
 ネヴィラピンは母子感染の危険性を著しく減少することができる。ジンバ
ブエ政府は年末までにネヴィラピンを国内で発売できることを期待している。

斉藤 龍一郎

 

◆スワジランド:5年間のセックス禁止条令に怒る10代の少女たち

斉藤@足立区です。

太田さんがスワジランドからのニュースを訳してくれました。
こうした「禁忌」アプローチの無効性をきちんと確認していくことも、エイ
ズ戦略としては重要です。


AFRICA:IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 27 September 2001

スワジランド:5年間のセックス禁止条令に怒る10代の少女たち

 スワジランドのティーンエイジャーたちは、5年間のセックス禁止条例に
怒りの反応を見せている。彼女たちは「ボーイフレンドは待ってはくれない
だろう」と不満をぶつけている。この禁止令はHIV/AIDSの感染拡大を抑える
ための方法として、2週間前に導入された。
 未婚女性関係の伝統的代表者であるルンギル・ンドブ(Lungile Ndlovu)
は、ムスワチ(Mswati)王が2週間前に貞節の儀式を再び導入したことを受
けて、5年間のセックス禁止令を発令した。ルンギル・ンドブはこの伝統的
慣習ははスワジ社会を統轄する伝統的首長により支持され、守られるだろう
と語っている。

「この条例は私たちを結婚から遠ざけるでしょう。というのはわたしたちの
恋人は5年間も待ってはくれないでしょうから。」とムババネ(Mbabane)
出身の16歳のミシェル・マーティン(Michelle Martyn)さんはジョハネス
バーグの新聞社「Sunday Independent」紙のインタビューに答えている。
17歳のルンギリ・ドラミニ(Lungile Dlamini)さんも、インタビューに対
して次のように答えている。「妻7人と婚約者1人を持ち、また、自分の14歳
の娘はスワジの法が届かないイギリスに留学している、このような状況にい
る王が貞節の儀式を評価し、それを私たちに求めるのは不公平です。」

 レイプや近親相姦に遭遇した人々に対してカウンセリングを実施している
NGO=Swaziland Action Against Abuse(SAAA)、は5万人が死亡すると推定さ
れているHIV/AIDSの流行を抑えるだろうとして、この伝統的価値観のよみが
えりを歓迎している。

禁止令に対するスワジランド女性の反応:
http://www.hivnet.ch:8000/topics/gender-aids/viewR?896

 

◆齊藤さんより

斉藤@足立区です。

須藤さんが南アフリカ共和国での現状を伝えるニュースを2本、日本語にし
てくれました。
AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 4 October 2001として配信され
たSOUTH AFRICA: 'AIDS drugs essential for HIV/AIDS patients'と
SOUTH AFRICA: Census avoids issue of HIV/AIDS [2011002]として配信さ
れたSOUTH AFRICA: Census avoids issue of HIV/AIDSの2本です。

南アフリカ:「AIDS薬はHIV/AIDS患者にぜひとも必要だ」

 HIV患者に対する抗レトロウィルス薬による治療は、国際社会における先
例が示すとおりAIDS関連疾病による死亡率低下につながるものであり必要不
可欠だ、と人間研究評議会(the Human Research Council;
HRC)が今週議会へ提出した声明の中で述べた。
 HIV/AIDSについての公聴会での発言で、HIV/AIDS薬についての政府の政策
は費用や(医療機関・医療機器・保健システムなどの)社会的基盤の不十分
さに規定されるべきでない、とHRC長官オリブ・シサナ博士は語った。'
Beeld'紙は、大学病院でのHIV/AIDSの取り扱いを開始し、同時に政府はブラ
ジルやタイからの薬品輸入を含めた、他のより有効な選択を考慮することを
シサナ博士が提案したと報じた。
 HRCは目下政府に代わってプライマリー・ヘルス・ケアシステムの施設の
必要条件を評価している。「南アの施設は(抗レトロウィルス薬の)一大キ
ャンペーンに対しての整備がなされていない。第3の施設が創設されるにし
ても、政府は小規模の施設を承認することを開始できる。」とのシサナ博士
の発言が報じられた。


南アフリカ:HIV/AIDS問題を除外した国勢調査

 来週開始される南アの国際調査は、議題として「あまりに微妙」であるた
め、HIV/AIDSについての質問を含めないだろう、とモラル・フィルワ南ア国
勢調査統計局長は火曜日にIRINに語った。国勢調査の結果は、将来の政策立
案及び発展の際に、政策立案者の参考とされる。
 「知っての通り、人々はHIVに感染したことを暴かれたことで死に至らし
められており、HIVで死んだ人がいる地域は避けられていると感じてしまう.
.....我々は人々との信頼を築き上げる努力をしており、地域の人々が
調査に積極的に応じてくれることを望んでいる。HIV/AIDSについて聞くこと
は、調査スタッフの仕事を妨げることにつながりかねない。HIV/AIDSについ
て語ることはあまりにも影響が大きすぎて取り組むことができないる。」と
フィルワ局長は語った。「国勢調査は、HIV/AIDSについてもっと情報を得る
よい機会となるだろう」と認めつつ、南ア統計局が国勢調査の質問の編集を
作成したわけではなく、質問はSADCのワークショップや地方政府レベルで現
出したものである、とフィルワ局長は付け加えた。
 国勢調査に際して、HIV/AIDS感染拡大による影響を判断するのに役立つ質
問をすることを期待する、とノズコ・マジョラAIDS基金プロジェクトオフィ
サーはIRINに語った。「毎日、AIDS孤児を対象にした仕事をしているが、南
ア国内にどれだけのAIDS孤児がいるのかすら知らない......国勢調査
は、どれだけ多くの子供がHIV/AIDSに感染しているのか知る手だてになるで
あろう。」とマジョラ・プロジェクトオフィサーは付け加えた。人々に、
HIV/AIDSの状態について公表するようなことを尋ねる必要はなく、むしろ
HIV/AIDSが生活をどのように変えたのか尋ねる必要がある、とマジョラプロ
ジェクトオフィサーは感じている。
 南ア統計局は、国勢調査によって得られる個人情報はいかなる個人、組織
にも漏らさず、8万5千人の調査員は秘密を守ることを誓約する、と発表し
た。このような保証があるにもかかわらず、HIV/AIDSと関わりがあることの
汚名は感染拡大についての質問を尋ねることを困難にする、とマルチメディ
ア教育保健計画であるソウル・シティ−の調査部長スー・ゴールドシュタイ
ン博士は感じている。「国勢調査が、感染拡大について語る良い機会だとは
思わない....また、多くの人々がこの件について積極的に応じるとは思
っていない。」とゴールドシュタイン博士は語った。

 

◆2002/10/04 タンザニア:HIV/AIDS 運動家、勇気をたたえられる
 ナイロビ 2001年10月4日(IRIN)
 翻訳:柿元さん

 HIV/AIDS と生きる人々のために闘っているタンザニアの著名な運動家が、「リーダーに対するアフリカ賞」(Africa Prize for Leadership)の4人の受賞者のひとりに選ばれ、10月13日、米国に本部を持つハンガー・プロジェクトから受賞される。自分自身HIV感染者であるアメリア・ジャコブ(Amelia Jacob)さんが「この問題を公に語る勇気を示し」、他の人々に闘うことを支援したと、10月3日同プロジェクトは伝えた。
 ジャコブさんと他の3人の受賞者は、「最も勇敢で素晴らしいリーダーであり、アフリカ大陸でHIV/AIDSが広がるのを阻止するために貢献した。」と、同プロジェクトは述べた。この組織は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの人々が自らの能力と力で自信を取り戻すことを手助けしている。
 エイズに起因する病気と死のうち、わずか10%が現実になっただけだ専門家の推定にも拘わらず、エイズはアフリカの開発に関する時計を巻き戻し、政治的安定を脅かし、この数十年の人間開発の成果を帳消しにした、とハンガー・プロジェクトのジョアン・ホルムズ(Joan Holmes)代表は述べた。さらに「女性が男性と同じように認められていない社会の中で、女性であるジャコブさんの素晴らしい勇気は、HIV/AIDSと生きる人々に外に出て語る勇気を与えた。」と付け加えた。
 ジャコブさんは、1993年HIV感染の診断を受けた後、HIV/AIDSと共に生きる人々のためのサービス、健康、開発(Service, Health and Development for People Living Positively with HIV/AIDS ・SHDEPHA+)という組織を設立し、そこで人々を教育し、病気と生きる人々の権利を擁護し、人々の懸念について話し合うための安全な場所を提供した。また、HIV/AIDSと生きる人々に対する医学的、社会的、心理的に必要事項についての訓練マニュアルを英語とスワヒリ語で書いた。また、感染者が人生を肯定的に生きるような訓練を行った。
 「アフリカのノーベル賞」に匹敵するAfrica Prize for Leadershipの他の受賞者は、デニス・デ・ヨング(Dennis de Jong)牧師(ザンビア)、ハイウォトHIV/AIDS予防、ケア、支援センター(Hiwot HIV/AIDS Prevention Care and Support Organisation )(エチオピア)、パダレ・エンクンドレニ男たちのジェンダーに関するセンター(Padare Enkundleni Men's Forum on Gender)(ジンバブエ)。(詳しくは:www.thp.org)。10月13日ニューヨークで開かれる授賞式では、ムゼビニ・ウガンダ大統領の基調講演が予定されている。ウガンダは、エイズ感染が減少した唯一の国である。

 

◆20011028 斉藤@足立区です。

須藤さんがIRIN配信のニュースを日本語にしてくれました。

AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 9 October 2001の翻訳を送りま
す。

モザンビーク:モザンビークはAIDSプログラム向けに1150万USドルを授与

 アメリカ国際開発庁(USAID)が1150万USドルを対HIV/AIDSプログラム用
としてモザンビークに贈与した、とAFPは火曜日に報じた。
 希望の回廊開発と呼ばれるプログラムは、HIV/AIDSと戦い安全な性行為を
奨励するプログラムの情報を広めるために、南アとモザンビークを結ぶ重要
な道路と線路である、マプト回廊開発の対象地域周辺に住む住民と地域社会
を巻き込むだろう、と報じられた。多くの住民がHIV/AIDSに感染している南
部のガザとインハムバネもこのプログラムに含まれる予定である。ガザとイ
ンハムバネ出身のモザンビーク人労働者の多くは南アへ炭鉱労働者としてわ
たり、南アから生まれ育った地方へAIDSを持って帰ってくると信じられてい
る。報道によると、モザンビークの対AIDSプログラムはHIV/AIDS感染者の健
康管理の改善と、地域社会からの差別への取り組みをも目的とする予定であ
る。
 アメリカ政府機関からプログラムへの補助金を正式に決定する合意は、月
曜日遅く、シンシア・ロゼルUSAID地域局長とモザンビークの前大統領夫人
で、現在は非政府組織、地域開発基金(FDC)の長であるグラカ・マシェル
の間で調印された。FDCは
プログラムの履行を監督する予定である。


南アフリカ:低収入労働者にAIDS薬は届かない−アングロ・アメリカン社

 今週、南アの鉱山会社であるアングロ・アメリカンは、南ア国内のすべて
のHIV/AIDSに感染した労働者すべてに抗レトロウィルス薬を供給できない、
と同社医療部門がアナウンスした。
 「ファイナンシャル・タイムズ」の報道では、アングロ・アメリカンのブ
ライアン・ブリンク上級副社長(医療部門)は同社の1万4千人の上級スタッ
フは医療保険の一部で抗レトロウィルス薬による治療を受けられるが、低収
入労働者への抗レトロウィルス薬による治療への支給は高すぎる、との発言
が報じられた。南ア国内のアングロ・アメリカンの労働者の約21%がHIV陽性
である。「治療の促進の障害するものは巨大である。私が調べれば調べるほ
ど、治療は可能と思えない。」とのブリンク副社長の発言が引用された。薬
価は非常に高価であり、薬品の議定書に対する厳格な固執は不明確で、現在
または元の労働者とその家族に対する企業の責任はおじけづいたとしか言え
ない程度であった。抗レトロウィルス薬を用いた治療は月約162USドルほど
かかる。
 アングロ・アメリカンは製薬会社グラクソ・スミス・クラインとロンドン
大学衛生・熱帯医学研究科と共同でパイロット・プロジェクトを立ち上げる
ことを期待している。労働者とその家族に対し薬品を広く分配するために、
アングロ・アメリカンは海外の援助機関から更なる資金を求めなければなら
ない、との発言が報じられた。グラクソ・スミス・クラインは地元の製薬会
社に薬品へのアクセスを促進するために最新のHIV/AIDS薬の権利を譲渡した
と今週アナウンスした。

 

◆20011028 斉藤@AJF事務局です。

須藤さんの訳でナイジェリア、ケニアの動きを伝えるニュースです。

ナイジェリア:オバサンジョ大統領がAIDS機関の設置を探究

アビジャン 10月11日(IRIN)
 オルセガン・オバサンジョ・ナイジェリア大統領は、水曜日にAIDSの予防
と抑制のための国家機関(NAPCA)設置を求める法案を議会に送った、と通
信社が報じた。'The Guardian'紙は、NAPCAはHIV/AIDS、結核、その他の関
連ある病気の予防と抑制を調 整、促進することになる、と報じた。
 UNDPの2001年World Reportによると、15歳から49歳の人口の5%以上がHIV/
AIDS感染者である。


ケニア:WTO規定が安価なHIV/AIDS薬の輸入を妨げる

ナイロビ 10月11日(IRIN)
 ケニア国立AIDSコントロールセンター(NACC)は、6月に安価な薬品の輸
入を許可する法案が成立したにもかかわらず、ケニア政府が安価なHIV/
AIDS薬の購入が困難であると公表した、と'Daily Nation'紙が水曜日に報じ
た。
 NACC副長官パトリック・オレギ博士は、世界貿易機関(WTO)のいくつか
の規定がHIV/AIDS薬の治療に使われる抗レトロウィルス薬(ARVs)の輸入を
妨げているとの発言が報じられた。
 オレギ博士によると、国内で生産されるか、販売目的ではなく寄付として
ケニアに贈与された医薬品についてWTO合意が規定した条項は、ケニア政府
が安価な医薬品を国外に求める努力を妨げている。
 「現在、薬品はインドやブラジルといった国々から寄付としてのみ輸入で
きる。」とオレギ博士は言った。
 「これは人権による差別、非難、暴力であり、HIV/AIDS感染者がその状態
故に医療保険を否定される威厳も同然だ。」とオレギ博士は付け加えた。
 ケニア議会は6月にHIV/AIDS薬への公共アクセスの改善のための第一歩を
踏み出し、工業所有権法が議会を通過した時、ケニアはこの種の法律が適用
される南アに次ぐアフリカで2番目の国となる。

 

◆20011025 斉藤@足立区です。

須藤さんがIRINのニュースを翻訳してくれました。

IRIN HIV/AIDS Weekly Issue 47, 5 October 2001
AFRICA: Annan holds talks on HIV/AIDS with drug firms

アフリカ:アナン事務局長がHIV/AIDSについて製薬会社との交渉を継続

 コフィ・アナン国連事務総長は、今週、7大主要製薬会社の取締役と発展
途上国向けのAIDS薬の価格削減について議論するために面会した、とアナン
事務総長の報道官が発表した。
 今年初めに、アナン事務総長はアムステルダムで6大国際企業の代表と会
い、彼らおよび33の他の企業に対し、南アフリカがAIDS特許薬の安価なコピ
ー薬の輸入することを妨げる訴訟を取り下げるように説得した。フレッド・
エッカード報道官によると、木曜日の会合に出席した企業はベーリーンガー
・インゲルハイム、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ、グラクソ・スミス
・クライン、F・ホフマン・ラロッチェ、メルク、ファイザーであった。こ
の会合では、薬へのアクセス、特に後発途上国における保健システムの改善、
地球規模でのAIDSに対する戦いのための資金調達を支援する民間部門の参加
にも焦点が当てられた、とエッカード報道官は語った。
 5月に、アナン事務総長はHIV/AIDS予防と国連が推計した感染者の対処に、
来年は32億ドル、2005年には92億ドルに達する資金を運用しようとする国際
基金を立ち上げた。「すべての人たちの心を取り乱し」、「世界経済に消極
的な影響を与えた」9月11日のアメリカへのテロ攻撃以来、基金への寄付は
減っている、とエッカード報道官は語った。国連は年末に「基金の新たな上
昇」を期待している、とエッカード報道官は付け加えた。

(付記)
10月2日の「感染症対策国際シンポジウム」でUNAIDSピオット事務局長が、
「明後日、アナン事務総長は大手製薬会社の首脳と会談することになってい
る」と発言して、国連は努力しているんだ、と強調していたのがこの会合の
ことですね(斉藤)


AFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 8 October 2001
SOUTH AFRICA: GlaxoSmithKline grants licence to local drug firm

南アフリカ:グラクソ・スミス・クラインが地元の製薬会社へライセンスを
与える

 巨大製薬企業グラクソ・スミス・クライン(GSK)は南ア企業へ南アでの
3種類の重要なAIDS薬の製造、販売のライセンスを与えた、と日曜日に同社
がアナウンスした。
 アスペン・ファーマケア社のステファン・サードCEOは、同社が月曜日に
GSKの抗レトロウィルス薬AZTと3TC、この二つを調合した第3の錠剤コンビヴ
ィールの特許についての任意のライセンスを贈与された、とIRINに語った。
GSKが市場への供給を続けると同時に、アスペンは南アの公共保健システム、
慈善団体、非営利組織へ広く用いられているAIDS薬を販売することを許可さ
れた、とサードCEOは語った。アフリカの他の国々はこの決定の適用外であ
る。
 GSKは、安いジェネリック薬の輸入、製造が可能になる法律の成立を防ぐ
ために南ア政府を訴えた製薬会社の一つであった。製薬会社は社会からの大
きな圧力の前に、訴訟を取り下げた。アスペンとの合意の前に、GSKは既に
AZTと3TCを調合したコンビヴィールを1人1日約2USドルという原価で南アの
公共保健システムに提供していた。サードCEOによると、この合意によって、
現在薬価は1人1日1〜1.5USドルの範囲に収まることになる。
 GSKと薬品の特許を持つシーレ製薬はアスペンから30%のライセンス代を徴
収する、と報道された。この金は南アで非営利団体がHIV/AIDSと闘うために
蓄えておく、とサードCEOは発言した。

 

◆2001/10/16

斉藤@足立区です。

須藤さんがAFRICA: IRIN PlusNews HIV/AIDS Briefs, 16 October 2001を全文訳してくれました。

SOUTH AFRICA: Medical Research Council releases AIDS report
南アフリカ:医療研究評議会がAIDS報告書を公表

 医療研究評議会(MRC)が議論を呼んだ報告書を火曜日にやっと公表した。報告書の公開は、政府が調査結果に疑問を呈していたために遅れていた。報告書によると、2000年の南アでの全死亡者数の約25%はHIV/AIDSに起因するとされ、その内容が今月初めメディアにリークされたため、政府内に問題視する声があがっていた。
 報告書は2000年の全ての成人死亡者数の約20%がHIV/AIDSに起因するとした。「MRCが請け負っている他の調査から子供の死亡者数を加えると、AIDSは2000年の全死亡者数の約25%になり、死亡原因の単独第1位にになると推測できる。」とMRCは火曜日に出版された報告書で述べている。
 報告はAIDSに対する予防措置が採られなければ、AIDSによる死亡者数は今後10年でAIDS以外の全ての死因による死亡者数の倍に増大し、2010年までに南アで累計500〜700万人に上るAIDSによる死者が生じるだろう、と付け加えた。
 政府は、MRCの調査は信用できず、複数の大臣がMRCの調査方法に疑念を抱いていると述べた。南ア統計局は、先週の声明で、MRCが調査結果を証明する「裏付け証拠がない」と述べた。


SOUTH AFRICA: Government reports progress on Nevirapine pilot project
南アフリカ:政府がネヴィラピンによるパイロットプロジェクトに進展があったと報告

 保健省は、今年691人のHIV陽性の妊婦と457人の赤ちゃんが坑レトロウィルス薬ネヴィラピンによる治療を受けた、と発表した。
 ジョハネスバーグに拠点のあるアフリカーンス系新聞'Beeld'は、保健相マント・シャララバ・ムシマン博士のHIV感染率が最も高いクワズール・ナタール州で最も多くの患者(373人の妊婦と228人の赤ちゃん)が治療を受けたとの発言を紹介した。ムシマン保健相は、年初より導入されたネヴィラピンによるパイロットプロジェクト進展に反対する団体の一員からの疑問に答えた。
 このプロジェクトを例外に、南アの全9州の州立病院・療養所を含め、政府は公共福祉部門でHIV/AIDS患者に坑レトロウィルス薬による治療を禁止している。報告は、保健省が、毎年少なくとも10万6千人の赤ちゃんがウィルスに感染していると見積もっている。
 議会での初期の協議でムシマン保健相は、現時点でネヴィラピンによる治療法が薬品、マルチビタミン、無償のカウンセリング、日和見感染者への治療を含むだろうと述べた。9000人以上の女性が試験的なプロジェクトを通じてクワズール・ナタール州の後に治療を受けた。9000人のうち6400人が、フォローアップ訪問と健康についての継続的なモニタリングを伴う実験に参加することに合意したと報告書は述べた。


NAMIBIA: University to study impact of HIV/AIDS on farms
ナミビア:大学が農業へのHIV/AIDSの影響を研究

 ナミビア大学(UNAM)が地域および商業農場群へのHIV/AIDSの影響の国レベルでの調査を行う、と'Namibian' 紙は火曜日に報じた。
 UNAMのコミュニケーション・マーケティング学部の声明によると研究は国内の7地域で着手される予定と、報道が伝えた。「ナミビアの農業部門でのHIV/AIDSの潜在的な影響に関する情報がないこと、そして感染拡大の潜在的な影響に責任もって対応する部門がないことが、さまざまな立場の関係者にとって考慮すべき問題である。」と声明は述べている。
 農水・地域開発省と共同して行われた国連食料農業機関(FAO)のケーススタディーは、すでに地域社会がどのようにHIV/AIDSの影響を受けているかを語るに足る情報を提示している。FAOのアフリカの農村におけるHIV/AIDSの影響についての最新レポートは、農村社会へのHIV/AIDSの拡大と農業生産の影響について述べており、ナミビアの農業システムは感染拡大の影響を相当受けていると明言している。(このレポートについて詳しくはhttp://www.fao.org/Focus/E/aids/aids1-e.htmを参照のこと)
 UNAMで計画されたような新しい研究によって、農業生産システムや農村社会へのHIV/AIDSの影響、労働配分とその必要条件、HIV/AIDSに対して弱い立場にある家族と農業システムの一般化について理解できるようになるだろう、と報告は付け加えた。


REV:.....20030219
HIV/AIDS  ◇NPO
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