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FoE Japan




◆つるたさんより

地球の友Japnからのお知らせを転送します

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Date: Fri, 12 Jul 2002 19:32:15 +0900
From: "Friends of the Earth Japan
Subject: 賛同依頼 第2次 : サンロケダムへの融資凍結についての要望書

皆様

先住民族の権利の侵害や被影響住民の生活再建の失敗など、問題を抱えながらも
継続されてきたフィリピンのサンロケダムへの融資を凍結するよう国際協力銀行
に求める要望書に、第1集約日である7月8日時点で、9団体/30個人から賛同
が寄せられました。
7月10日、賛同付の要望書を国際協力銀行に手渡してきたところです。

しかし、フィリピン現地では、「8月14日にサンロケダムの貯水開始」との新聞
報道が流れるなど、依然、予断を許さない状況が続いています。

この状況を受け、同要望書への賛同依頼を引き続き行うことにしましたので、
今後とも、皆様のご協力をよろしくお願い致します。

以下、転送歓迎です。
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「フィリピン・サンロケダムへの融資凍結を!」
               ――賛同のお願い

 私たちの郵便貯金や年金、約800億円を使って建設されているアジア最大級の
ダム「サンロケダム」の完成が間近に迫っています。

 しかし、ダムの建設工事が始まってから4年間、地元の住民や先住民族の「ダ
ム反対」の声は強まるばかり。農地を失い、川沿いでの砂金採りができなくなっ
た彼らの生活は、再建のめどもたっていません。彼らは今、ダム事業の中止を訴
えています。

 事業者は8月にも貯水を開始しようとしていますが、FoE Japanとしても、こ
の貯水の開始はなんとしても止めなければならないと考え、6月25日、この事業
への融資を続ける特殊法人「国際協力銀行」へ残りの融資10%の凍結を求める要
望書を提出しました。

 今後、一人でも多くの皆さんからFoE Japanの要望書へご賛同いただき、再度
国際協力銀行へ要望書を提出したいと考えています。皆さんのご協力をよろしく
お願いします。

 ▼要望書にご賛同いただける個人・団体の方は――

   ●7月31日(水)までに

     @ご氏名(団体名)
     Aご所属先 or お住まい(個人の方)

   を国際環境NGO FoE Japan 波多江(hatae@foejapan.org)まで
   お知らせください。

 ▼要望書の賛同依頼をイベント等でしていいただける方は――

   ●署名用紙をE-mailで送付 もしくは ご郵送します。
    波多江(hatae@foejapan.org)までご連絡ください。

※サンロケダムに関する詳しい情報はWEBサイトでご覧になれます。
●プロジェクトの概要
http://www.FoEJapan.org/old/aid/jbic02/sanroque/doc/factsheets2002.htm
●最新情報
 http://www.FoEJapan.org/old/aid/jbic02/sanroque/index.html


(以下、国際協力銀行への要望書 本文)
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2002年6 月25日
国際協力銀行
総裁 篠沢 恭助 殿

フィリピン・サンロケダムへの融資凍結についての要望書

貴職におかれましてはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。
私ども、国際環境NGO FoE Japanは98年からフィリピン、サンロケダムに伴う社
会環境問題について取り組んできました。サンロケダム事業について、去る6月
22日にプロジェクトサイトで行なわれた「マルチステイクホルダーによる会合」
に参加し、多くの問題が解決されないままに進められてきた本事業について、改
めて問題の大きさを痛感し、プロジェクトによって影響を受ける地元住民が表明
されていたように、事業に伴う問題の解決は、「事業の中止」以外にないのでは
ないかという意を強くいたしました。

○ 会合の開催形態の偏り
今回の会合では、これまでの話し合いと何ら変わらず、問題への具体的な対応策
は提示されず、反対住民にとっても非常に不満の残る会合となりました。また、
会合の開催形態にも疑問が残りました。会合には、事前登録により賛成派住民
(灌漑部門事業の受益者)が50人程出席し、事業の利益を主張しました。それに
対し、反対派住民は12人の代表団のみの出席でした。この出席者の偏りは明らか
に意図的に生み出されたものであり、話し合いはフェアに進められるような状況
ではありませんでした。

○ 生計手段の喪失から事業中止を要請
会合開催時、サンロケダムの建設により土地や砂金採取などの生計手段を失い、
現在、学校に子どもをやる費用にも困るほど生活の困窮を訴えている下流の人々
は、会合の会場内に入れず、ダムの建設現場入口のゲート前で約500人規模のデ
モを行っていました。彼らの代表団は会合で、「過去3年間に被ってきた損害に
対し適切な補償を求める正当な権利があること」、また、「この4年間、生活支
援プロジェクトはどれもうまくいっておらず、どの代替の生計手段も以前の生活
を補償するものにはなり得ないこと」を訴えました。そして、彼らにとっての唯
一の問題解決策が、砂金採取の地域として現在残っている貯水予定地域の確保、
つまり、「事業の中止しかない」ことも重ねて主張されました。

○ 灌漑事業についての不十分な説明
会合では灌漑部門の利益が強調されていましたが、下流の人々が必要とする灌漑
設備について、サンロケダムが唯一の解決手段なのか、その代替案の検討は行わ
れていません。また、「サンロケ多目的ダム」は4つの目的を持っておりますが
、その事業全体を考えたとき、当然終えられているべき地域住民、特に灌漑用水
路などによって悪影響を受ける人々への十分な説明や話し合いが行なわれてこな
かったことが明らかになりました。

○先住民族や地元自治体による事業への合意
上流のイトゴン町の先住民族も事業開始当初から反対運動を続けてきたことを訴
えました。イトゴン町が1999年1月に提示した17条件については、今年1月10日
、町の評議会がその条件の履行状況について評価を行っており、17条の1項目
「多様なコンサルテーションが開かれたことは、問題の解決が効果的に行われた
ということにはならない。」、5項目c)「環境社会に関する補足調査は、フィ
リピン環境天然資源省の環境応諾証明書などに反映されることもなく実質的な問
題解決の方向へと結びついていない。」など、17条件が依然として満たされてい
ない状況が明らかにされました。

○ フィリピンの法律への違反
また、地元先住民族グループは、上流の自治体が事業を快諾していないことから、
依然として事業が(1)地方自治法に抵触する可能性があること、また、先住民
族の事前合意が欠如していたことから、(2)先住民族権利法に対しても抵触し
ている可能性があることについて、住民側が裁判に訴える可能性を示唆しました
。さらに地元の先住民族グループは、先住民族の生活の権利を奪うという人権侵
害に関して、国連の人権委員会に調査依頼を行なう予定です。

○必要とされない民間セクターによる発電
電力供給過剰(40%)の状態にあるフィリピンにおいて、民間セクターによる発
電は必要とされていない事実も地元NGOによって明らかにされました。民間セク
ターとフィリピン政府との間で結ばれてきたフィリピン政府に不利な電力購買契
約(PPA)は、電力売買調整費用としてフィリピン消費者一人一人の負担となっ
ています。効率化を促進するはずの発電の民営化は、市民の電力料金を2倍にま
で引き上げる結果となっており、フィリピン国民の不満も高まっています。この
ように、現在、民間発電事業であるサンロケダムの必要性も疑問視されています


○FoE Japanの見解
 今回の会合では、現地でこれまでに指摘されてきた問題が依然未解決のままで
あることが浮き彫りとなりましたが、事業者は今後、7月末から8月初めに貯水
を開始する予定と聞いております。この4年間、問題の解決がうまく図られてこ
なかった状況を考えても、このまま貯水が始まり事業が進んでしまえば、現状が
改善されないことは十分予想できます。私たちは、このような杜撰な事業に国際
協力銀行が融資を継続していることに非常に危機感を強めています。事業の必要
性自体も疑問視され、アグノ川流域の数万人の人々の生活を危機的な状況に追い
やり、彼らの生活の権利を脅かす本事業への国際協力銀行の融資を凍結していた
だけますようよろしくお願いいたします。篠沢総裁の本件への真摯なご対応をよ
ろしくお願いいたします。

国際環境NGO FoE Japan
〒171-0031 東京都豊島区目白3−17−24 2F
Tel: 03-3951-1081, Fax: 03-3951-1084

賛同団体/個人
第1集約日(7月8日)時点 9団体/30個人


(以下、サンロケ多目的ダムプロジェクト概要)
====================
 ルソン島北西部を流れるアグノ川上流で建設中のサンロケダム(345MW)は、
発電、灌漑、水質改善、洪水制御を目的とした多目的ダム。事業の発電部門を担
当するサンロケパワー社は丸紅や関西電力などが出資する現地の合弁企業だ。ま
た、事業の総工費12億ドルのうち約7億ドルを日本の国際協力銀行が融資してい
る。このダムは下流で多くの立ち退き者を出すだけでなく、土砂堆積や集水域管
理計画の不備により、上流の先住民族にも多大な被害を与えると考えられるため
、住民組織や自治体、国際NGOが計画の見直しを求めてきたが、ダム建設は現在
98%まで進んでしまっている。

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国際環境NGO FoE Japan
開発金融と環境プロジェクト
松本郁子(まつもと・いくこ)
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