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教育解放研究会




教育解放研究会11月例会のご案内

 日時  1999年11月13日(第2土曜)午後1時30分〜5時 
 場所  冨田公民館(電話 0726ー93ー1671)
阪急富田駅下車   南へ徒歩10分
JR摂津富田駅下車 南へ徒歩12分

 内容  『触覚認識とかたち』(お話とワークショップ)
     光島 貴之さん(造形作家)
     コメンテーター:葉山 勉さん(京都精華大学)

 10月例会は建築家、宮内さんをお招きして、学校建築のプロセスや建築的発想をめぐって興味深いお話をお伺いしました。学校現場に身を置く私たちにとって、畑の違う方々のお話は刺激に満ちています。日頃見慣れていたはずの世界がまったく別の容貌で立ち現れ、錆び付いた思考の枠組みを鮮やかに取り外してくれる、そんな経験はきわめてスリリングであると同時に心地よいものです。今回もそのような「他者」との対話を用意しました。いわば異種格闘技第二弾です。
 造形や絵画の分野で活躍しておられる光島貴之さんをお迎えします。先日(10月27日)、NHK教育テレビで放映された「きらっといきる―――指先で世界を描き出す」をご覧になった方もおられるかと思いますが、光島さんは視覚障害者として、表現のあらたな領域を拓いておられます。学校で「障害者」といえば、「差別」や「バリアフリー」の問題としてのみ語られがちですが、ここでは「障害の文化」に焦点を当てたいと思います。光島さんが発信する表現は、「視覚」中心の世界把握を常態としている私たち晴眼者にとって驚きに満ちたものです。「見えない」ということは視座の欠如ではなく、「もうひとつの視座」であることを私たちに告げています。私たちは「壁」というモノをそこで限界づける「境界」として認知し、そこから表と裏を裁断していますが、光島さんの表現はこうした「視覚に捕捉された境界」をどこまでも相対化していくことでしょう。
 当日は、光島さんの作品を鑑賞しながら、お話をお伺いすることになっています。作品の制作過程、CGアーチストとのコラボレーション「触覚連画」のこと、そしてワークショップも予定されていますが、どうなるかは当日のお楽しみです。

 光島さんから次のメッセージが届いています。

 僕が、平面作品に取り組むようになって丸4年が過ぎた。
 作品づくりは、粘土による立体造形から出発しているので、「触覚的認識による三次元の世界を、どう平面に転回するか」が一つのテーマである。今ふりかえればこんな風に書くことができるが、実際に描き始めた頃は、ただ触ったものをそのまま書いていたに過ぎない。僕の視覚を使わない表現は、遠近法や光と影といったものを無視している。かたちを表すことは、境界を明確にすることでもあると思う。
 今取り組んでいるのは、視覚以外の感覚で認識した風景画「街シリーズ」と見える世界との対話「触覚連画」である。
 今回は、これらの作品を前にして実際に参加者に視覚を使わない世界認識を体験してほしい。


プロフィール
光島貴之 Takayuki MITSUSHIMA

1954年/京都産まれ。鍼灸師。10才頃失明。
'76年/盲学校理療科卒後、大谷大学で実存主義を学ぶ。
'92年/粘土造形を始める(西村陽平に師事)
'95年/フラービオ・ティトロ(全盲の石彫作家)のドローイングにヒントを
得て「触る絵画」の制作を開始
'99年/触覚連画(コラボレーションアート)をインターネットで公開。


◇主な展覧会・公募点・個展・ワークショップ歴

1997年11月/「アジアの風」(東京芸術劇場)
1998年 3月/「98長野アートパラリンピック」大賞・銀賞
1998年 4月/「光島貴之展」(ギャラリーはねうさぎ)
1998年 8月/ワークショップ「手で見るかたち」(東北芸術工科大学)
1998年11月/「アート・ナウ’98」(兵庫県立近代美術館)
1999年 2月/「エイブル・アート'99」(東京都美術館)
1999年 3月/触覚連画(コラボレーションアートの試み)をインターネットで公開。
1999年 5月/「芸術祭展・京―――SKIN−DIVE」(元 龍池小学校)
1999年 6月/「光島貴之の世界」(ギャラリーK)
1999年 7月/「光島貴之個展」(ギャラリーうず潮)
1999年 7月/「エイブル・アート・ワークショップ '99」(スペース アルファ 神戸)

*「触覚連画」のホームページのアドレスは
http://www.renga.com/index_i.htm
ここに、彼とCG作家とのコラボレーションで出来上がった「触覚連画」がアップされています。



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