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DPI(障害者インターナショナル)

Disabled Peoples' International
http://www.dpi.org/


障害者を持つ当事者の世界組織

『国際的障害者運動の誕生:DPI』お送りできます。

DPI日本会議


◆1981

 「一九八一年にスタートした障害者の国際組織である障害者インターナショナル(Disabled Person International)が障害者の立場からの独自のリハビリテーションの定義をおこなって<0030<おり、それが国連の「障害者の十年」の世界行動計画にもとり入れられていることを紹介しておきたい。それは「損傷を負った人に対して、身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることにより、各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供していくことを目指し、かつ時間を限定したプロセス」というものである。
 これは、リハビリテーション・インターナショナル(Rehabilitaion International; RI, 以前の国際障害者リハビリテーション協会で、代表的な障害者のための国際組織【「のための」に傍点】)の、「八〇年代憲章」のリハビリテーションの定義が次のようにのべていたのと比べると力点のおき方がかなり異なっている。すなわちRIの定義は「医学、社会、教育および職業的方法を組み合わせ、調整して用い、障害のある人の機能を最大限に高めること、および社会のなかでの統合を援助する過程である」というものである。
 八代栄太氏も指摘しているが(10)、RIの定義がたんに「機能を最大限に高める」としているのにたいして、DPIの定義では「最も適した機能水準の達成」と、「各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供する」との二点が含められている。すなわち主体が個々の障害者自身であること、および機能の向上は必ずしも常に最大限が望ましいのではなく、「最適な」ものであってよいという二つの点に違いがあるわけである。このような考え方の根底には機能の向上それ自体は人生における手段であって目的ではないという理念があると思われる。さらに「社会の中での統合の援助」という重要な項目がぬけていることについては、これはリハビリテーションのプロセスと密接不可分ではあるものの、社会の環境を改善し、構造を変革することによって実現しうるものとして、DPIとしては「機会の均等化」という概念を別個に新たに導入して、これをリハビリテーションと並び立つ概念として位置づけたものである。そしてこれとの<0031<関連においてリハビリテーションには「時間を限定したプロセス」【「時間を限定した」に傍点】)という規定が加えられたわけである。」(上田[1983:30-32]、「Disabled Person International」は「Disabled Peoples' International」)
*上田 敏 19830615 『リハビリテーションを考える――障害者の全人間的復権』,青木書店,障害者問題双書,327p. ISBN-10: 4250830187 ISBN-13: 978-4250830181 2000 [amazon][kinokuniya] r02. ※

■20070905〜08 第7回DPI世界会議 於:韓国高陽(コヤン)市
 http://www.dpi-japan.org/

■20021015〜18 第6回DPI世界会議札幌大会

◆DPI日本会議+2002年第6回DPI世界会議札幌大会組織委員会 編 20030530 『世界の障害者 われら自身の声――第6回DPI世界会議札幌大会報告集』,現代書館,590p. ISBN:4-7684-3436-3 3000 ※ [amazon][kinokuniya][bk1] ※
 cf.立岩 真也 2003/08/25「その後の本たち・1」(医療と社会ブックガイド・30)
  『看護教育』44-08(2003-08):(医学書院)

◆20021015〜18
 第6回DPI世界会議札幌大会
 DPI日本会議
 2002年第6回DPI世界会議札幌大会の公式ウェブサイト
 http://www.dpi-sapporo.org/
 英語のサイト
 http://www.dpi.org/world.html

◆障害者インターナショナル 事務局だより【15】音声の文字化のURL
 http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/dpi_letter/15.html
◆障害者インターナショナル 事務局だより【13】要約筆記のURL
 http://www5.hokkaido-np.co.jp/syakai/dpi_letter/13.html

◆『北海道新聞』の特集
 http://motto.hokkaido-np.co.jp/special/dpi2002/

◆2002/10/15 障害者世界会議 札幌で開幕
 NHKニュース速報

 世界各地からおよそ三千人の障害者や福祉関係者が集まって障害者を取り巻く様々な
問題を話し合う世界会議が、きょう(十五日)から札幌で開かれます。
 この世界会議は、百二十を超える国と地域の障害者でつくる世界最大の障害者団体の
DPI=障害者インターナショナルが四年に一度開いています。
 今回は通算六回目、日本では初めての会議で、きょうから十八日までの四日間、札幌
・豊平(トヨヒラ)区の総合体育施設「きたえーる」で開かれ、これまでで最も多い百
八の国と地域から障害者や福祉関係者三千人余りが参加します。
 初日のきょうは、午前九時半から開会式が行われた後、「障害者の権利を守る条約」
の実現に向けた今後の活動を話し合うシンポジウムなどが予定されています。
 あすからの分科会では、障害者の雇用や教育、生命倫理など十五のテーマについて各
国の参加者が現状を報告し意見を交わします。
 期間中はのべ三千三百人のボランティアが参加者の移動や会議の運営を手助けするこ
とになっています。

[2002-10-15-10:46]

■<障害者会議>大阪で開幕 アジア中心に51の国・地域参加

 「障害者の権利実現へのパートナーシップ」をメーンテーマにした「アジア太平洋
障害者の10年」最終年記念大阪フォーラムが21日、大阪市北区の大阪国際会議場
で開幕した。アジア太平洋地域を中心に51の国と地域から、障害者や医師ら約15
00人が参加。10年間の成果と今後の課題を話し合う。23日まで。
 同フォーラム組織委員会の主催。常陸宮正仁親王殿下が出席した開会式で、記念
フォーラム組織委員長の八代英太・衆院議員(自民)が「障害者も地球上のすべての
人と同じように人権があるのに、障害ゆえの差別や偏見にさらされている。国連で審
議されている障害者権利条約を早期に批准させるため、力を合わせましょう」とあい
さつした。 【遠藤哲也、大道寺峰子】(毎日新聞)
[10月21日18時11分更新]http://www.mainichi.co.jp/

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■DPI札幌大会が閉幕 たくさんの財産を手に /北海道

 障害者権利条約の制定を求める「札幌宣言」を採択し、18日に閉幕した第6回D
PI(障害者インターナショナル)世界会議札幌大会。過去最多の3000人以上が
集まり、延べ3400人のボランティアが支えた。大会は成功だったのか。参加者の
声で4日間を振り返った。
 ◆分科会
 分科会は「自立生活」「条約」など15テーマで開かれた。
 「人権」に参加した身体障害者の佐久間容さん(72)=千葉県木更津市=は「ア
フリカで数百人の障害者が議員活動していると聞き、驚いた。日本でも障害者の政治
参加をもっと進めなければ」と刺激を受けた様子。
 「女性障害者」分科会で報告したニュージーランドの身体障害者、サラ・ジョーン
ズさん(40)は、他国の話を聞いて「資金不足など不利な状況の中でも女性障害者
が力強く活動していると分かり、感銘を受けた。いろいろな人とアイデアに出会えた
ことが、今後への財産」と満足そう。
 一方で、佐久間さんは「障害者の中でも弱い人が追いやられてしまう状況があっ
た」と指摘した。
 ◆ボランティア
 道内のほか仙台市や名古屋市からもボランティアが駆けつけた。
 通訳として参加した札幌市北区の主婦、斉藤香織さん(48)は「事前の勉強では
足りない部分があった。目の不自由な人の昼食の手助けでは、弁当を渡すだけでな
く、どこにどういう食べ物が入っているか示す必要があった」と語り、勉強になった
様子。
 福祉関係の専門学校に通う同市東区の武藤夕子さん(19)は、出入り口で参加者
を誘導した。「どこの国の人もあいさつに笑顔で答えてくれた」とうれしそう。
 障害者からは「ボランティアが親切で助かった」と感謝する声が多かったが、「車
椅子の人もいれば自力歩行の人もいるのに、一律に奥から席を詰めるよう言われて
困った」との声もあった。
 ◆新たな参加者
 札幌大会には、これまで参加の少なかった精神障害者や知的障害者、障害の重い人
の姿も従来より多く見られた。
 精神障害者の自助グループ、札幌市のすみれ会は11人が参加し、メンバーが活動
報告をした。米国ロサンゼルスの精神障害者団体と交流することになったといい、小
林真智子さん(48)は「障害者同士で差別するのではなく、理解しあえるようにし
たい。いろんな人の話を聞いて、もっと勉強しなきゃと思った」と話す。
 脳性マヒの障害者で作る北海道青い芝の会の阿部史郎会長(65)=空知管内栗沢
町=は94年のシドニー大会(豪)に次いでの参加。今回は仲間10人とともに積極
的に分科会に出て意見を述べた。「人もいっぱい集まったし、内容も深くなった」と
笑顔をみせた。【板垣博之、真野森作】
(毎日新聞)[10月19日18時41分更新]http://www.mainichi.co.jp/
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 ◇「全体として大成功だった」−−長瀬・東大助教授
 4日間に及んだDPI札幌大会について、長瀬修・東京大先端科学技術研究セン
ター特任助教授(障害学専攻)に聞いた。
   ◇   ◇
 全体として大成功だった。これまでいろいろな障害者の国際会議に出席したが、議
論の中身と組織運営の両面で素晴らしかった。
 DPIは障害者の種別を超えた連帯を掲げた初の国際組織だが、実態としては肢体
不自由の人が中心だった。しかし今回は、DPIのメンバー以外の人が積極的に参加
し、提案して議論が豊かになった。特に、精神障害者の人たちの積極的な参加が目に
付いた。世界盲人連合のメンバー、知的障害者、顔にあざなどがある「ユニーク
フェース」の人もおり、運動の広がりを感じさせた。
 運営面では、情報アクセスがこれまでの国際会議で一番良かったのではないか。日
英の文字による通訳には皆びっくりしていた。今後、国際会議のモデルになる。ま
た、よくこれだけの数のボランティアを集められたと思う。
 札幌宣言に盛り込まれた障害者権利条約は制定できるのではないか。ただ、障害者
の意見をどれだけ反映できるか。障害によって差別を受けることがない原則を、どれ
だけ具体的に盛り込めるかが課題だろう。
 日本政府は条約制定に消極的だが、DPI日本会議が今後、政府代表団にメンバー
を送り込めるかなど、影響力をどこまで発揮できるかも問われるだろう。(談)
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 ◆「札幌宣言」の骨子
 障害者は世界で最も差別されているマイノリティーで、人権は制度的に侵害されて
いる。適切な住宅、保健、教育、雇用、社会的統合の欠如を招いており、死に直面す
ることも多い。それゆえ我々は ・人権の完全な享受を擁護し尊重する拘束力のある
法律としての特定の国際条約を要求する
 ・法律の作成に当たり「我ら自身の声」を要求する。あらゆるレベルの事項に意見
が反映することを要求する
 ・すべての国がこの条約の制定と採択を支持することを要求し、障害者や障害者団
体が条約の利益について市民や政治家を教育することを奨励する
 ・すべての国が差別禁止法を採択し実施すること、障害者への機会均等を保障する
政策を実施することを要求する
 (毎日新聞)[10月19日18時41分更新]http://www.mainichi.co.jp/

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【毎日新聞/HP】2002年10月21日(月)

 

◆200009新刊(翻訳書)
 Driedger, Diane 1988 The Last Civil Rights Movement, Hurst & Company, London ; St.Martin's Press, New York=200010 長瀬 修 訳,『国際的障害者運動の誕生――障害者インターナショナル・DPI』,エンパワメント研究所,発売:筒井書房,245p. ISBN: 488720292X [amazon][kinokuniya] ※

議長:カッレ・キョンキョラ
(1994〜1998)

 日本にはDPI日本会議がある

■経緯

1981 リハビリテーション・インターナショナルの会議で障害当事者が理事会の50%を占めることを要求して拒絶され、設立を決定 *1)
1981 秋 シンガポールで結成
1982 第2回世界評議会東京で
19840817 国連人権小委員会で日本の精神病院の人権抑圧問題に言及。
(抜粋)「日本の現状はもっとも嘆かわしい多くの病院での患者の扱いは動物以下」と述べた。発言はまず、日本についての情報はさまざまな筋から以前から取っていたとのべ、これらをもとに「日本の精神病院の現状は、患者の持っているもともとの障害を虐待によってさらに悪化させ、”入院障害”ともいえる状況をつくっている。これは、治療をいっそう困難にし、ときに社会復帰を不可能にする」と述べ、「身障者に関する国連世界行動計画」に照らして、精神障害者の「独立の生活と自由の権利」の確立を訴えた。(朝日新聞1984年8月18日夕刊1総)→年表
1984 11月 DPIアジア・太平洋会議 オーストラリアで 堀・宮尾・八木下
   (八柳の報告)
1985 アジア太平洋ブロック幹部養成セミナー東京で開催
1986 7.15〜19 オタワで世界評議会が開かれる
   10.10〜11 アジア・太平洋評議会(ソウル)
   11〜15 アジア・太平洋セミナー(ソウル)
1988 アジア太平洋ブロック幹部養成セミナーバンコクで開催
   (資料あり)
……
199204 「バンクーバー宣言」(Vancouver Declaration)
……

200210 「札幌宣言」(Sapporo Declaration)
http://www.dpi-japan.org/8wa/declaration2002j.htm (Japanese)
http://www.dpi-japan.org/8wa/declaration2002e.htm (English)
200210 「札幌プラットフォーム(札幌綱領)」(Sapporo Platform)
http://www.dpi-japan.org/8wa/platform2002j.htm (Japanese)
http://www.dpi-japan.org/8wa/platform2002e.htm (English)

* Disabled Peoples' International September 8, 2007 "Seoul Declaration"
http://www.dpi-japan.org/dpi/soule-jp.html (Japanese)
http://v1.dpi.org/lang-en/index?page=18 (English)
http://www.dpi-japan.org/dpi/soule-en.html (English)



*1)「その時まで私にとって障害は非常に明らかに個人的なものであり、悲劇であったと思います。自分で悲しいと感じるものでした。それは、どんな点でもわくわくするような類いのものでありませんでした。ウィニペグは私をそれほど変えました。論文を発表していたのは全て、これらの介護専門職の人たちで、障害者への援助のために自分たちが実践していることに関する内容でした。そして、まっこうから彼らと対立し、関係する質問を行い、障害者のためのサービスが全く不適当であると暴露する障害者たちがいました。彼らは会議中毎日、前日の講演者を風刺した新聞を出しました。それは興味をそそる、建設的なものでした。」(マイク・デュ・トワ、南アフリカ、p.73)

参考にした雑誌等
『全障連』43
八柳卓史『全障連』
『全障連』53
『全障連』58


REV:....20030701 20070226 20080802, 03, 20100711
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