聴覚障害/ろう(聾)者の言語・文化・教育を考える研究会


last update:20121129

■メッセージ

こんにちは。今年4月にグローバルCOEプログラム生存学拠点ポストドクトラルフェローとして 着任しました、甲斐更紗と申します。
私自身、生まれつきのろう者です。
「ろう者」というのは、手話で生きる、手話で思考したり表現したりするなど手話を自分の言語として生きている、聞こえない人たちのことです。英語でいうと「D(大文字)」の「Deaf」です。

 障害者基本法の改正により、第3条三に「言語(手話を含む。)」と規定され、日本で初めて手話の言語性を認める法律ができました。
この機会に、手話や手話をとりまく環境についていろいろと勉強ができたら、と思っております。
また、手話に関心がある方々がおられるということで、以下の研究会を設けたく思いましてお知らせいたします。

月に2から3回ほどのベースで、手話の学習を行いながら、聴覚障害/ろう(聾)者の言語・文化・教育に関するテーマに関する論文などを読み、議論を深めていきたいと思います。

当面は手話の学習に力を入れていきたいと思いますので、手話に興味がある方はぜひともお越しください。


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■この研究会でやること


今後の予定
2011年度
10月12日(水)自己紹介(手話の学習)
10月26日(水)文の種類(手話の学習)
11月16日(水)いろいろな疑問文と語順(手話の学習)
11月30日(水)いろいろな否定文(手話の学習)
12月 7日(水)時制(手話の学習)
12月14日(水)CLと語彙(手話の学習)
12月21日(水)CLと物のかたち(手話の学習)

2012年
1月11日(水)手話言語に関する論文
1月18日(水)手話言語に関する論文

1月20日(金)特別講義

テーマ「手話言語学入門: 手話の文法・手話失語・ろう児の言語獲得」
講師:松岡和美(慶應義塾大学経済学部教授)

概要:この講演では、初学者を対象として、言語学・失語症研究・
第一言語獲得・第二言語習得の様々な研究成果を概観する。
それによって、ろう者が母語とする手話について以下の3点を
明らかにする:(1)手話とジェスチャーとは本質的に異なること
(2)手話はその国で使われている音声言語とは異なる文法を
備えていること(3)手話は他の音声言語と同様の構造的特性を
持つ「自然言語」であること。
(講演は音声日本語で行います。手話・言語学の基礎知識は特に必要ありません。)

※今回の特別講義には手話通訳が付きます。それ以外の情報保障を希望される場合は1月13日(水)までにkai-saraあっとまーくfc.ritsumei.ac.jpまでメールを下さい。

※参加費無料、事前参加申し込み不要。


1月25日(水)手話言語に関する論文
2月 1日(水)ろう文化に関する論文
2月15日(水)ろう文化に関する論文
2月29日(水)教育に関する論文
3月14日(水)教育に関する論文
3月21日(水)まとめ

・時間:15時から16時30分
・場所:創思館416


2012年度
9月11日(火)15時から 研究報告
10月19日(金)15時から 論文報告
11月13日(火)14時から 論文報告
12月11日(火)13時から


■参加をご希望の方

ご関心がある方は、甲斐までご連絡ください(kai-saraあっとまーくfc.ritsumei.ac.jp)あっとまーく→@に変換してください。


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■活動報告
◆第1回研究会 2011/10/12 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗
内容:自己紹介(手話の学習)

◆第2回研究会 2011/10/26 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗
内容:文の種類(手話の学習)
・手指動作
・非手指動作(顔の部位(視線、眉、頬、口、舌、首の傾き・振り、あごの引 き・出しなど))→重要な文法要素
・手の形、位置、動き
・文の種類

◆第3回研究会 2011/11/16 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗有松 玲田中 多賀子
内容:いろいろな疑問文と語順(手話の学習)
・5W1H疑問文
・YES/NO疑問文

●「11月16日(水)色々な疑問文と語順(手話の学習)」に参加した感想

田中 多賀子さんからのコメント
これまで、NHK教育番組「みんなの手話」をみたり、
テキストで我流に学んで、初級程度の手話を知っているつもりでした。
けれども、この研究会に参加して、自分の知っている手話が
「日本語(音声日本語の語順)対応手話」であったことを
はっきり実感することができました。

この講義で学ぶのは「日本手話」。
甲斐さんから発信される、滑らかな手指の動きと豊かな顔表情。
それに惹きつけられながら、模倣を繰り返すことによって、
日本手話が音声日本語とは違った魅力を持つ言語であることを
体感しました。

「日本語対応手話」と「日本手話」。
頭で、その違いを知っているつもりでしたが、
身体を通して理解を深めることができたように思います。

毎回出席できないのが残念ですが、
後半に開かれる「ろう文化」「ろう教育」に関する講義も
楽しみです。

受講生同士も気楽に触れ合いながら参加できるのが、
この研究会の魅力です。
これを読んだ方、当日登学する予定がある方、
是非一度参加してみて下さい。 


◆第4回研究会 2011/11/30 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:甲斐 更紗田中 多賀子
・片山 知哉
内容:前回の復習


◆第5回研究会 2011/12/07 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗田中 多賀子
内容:いろいろな否定文・時制(手話の学習)

動詞の否定形
・意志の否定
「時間がないので昼ごはんを食べない」「明日は大学に行かない」
・可能性の否定
「宿題が多くて、寝れない」「メガネを忘れたので、本が読めない」
・経験の否定
「この本を読んだことはありません」「ここのラーメンを食べたことはありません」
・必要性の否定
「本を読む必要はありません」「走る必要はありません」
・禁止
「タバコはダメ」「カンニングはダメ」
・存在の否定
「教室の中に学生がいない」「引き出しの中にハサミがない」
・名詞が述語になっている文の否定文
「私は学生ではありません」「私は先生ではありません」
形容詞を使った文
「このコーヒーはおいしくない」
「416の部屋は寒くない」
「部屋の中がきれいでない」

過去形 「食べた」「書いた」「走った」「買った」「(映画を)見た」

現在進行形 「書いている」「食べている」「歩いている」「(映画を)見ている」


◆第6回研究会 2011/12/14 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗田中 多賀子
内容:CL

英語のClassifierということばを縮めたことばで、「分類するもの」という意味。日本語では「類別詞」。似た者同士を集めて一つずつ別々のクラス(グループ)を作っていく
CL:手話の一番基本的な部分。物の形を表す名詞、重い/軽いや遠い/近い、を表す形容詞、動作・行動を表す動詞など

例)「紙」
@うすーい、ひらひらしている紙
Aぶ厚い紙

「棒」
@ほそーい棒
A太い、しっかりしている棒
「壁」
@うすーい
A分厚くてしっかりしている壁
「家」
@柱が細い家
A柱が太い家
「車」
@速い
Aゆっくり
Bくねくねとゆっくり走る
Cくねくねと速く走る
D車でゆっくり曲がりながら山道を降りる

「歩く」
@ゆっくり歩く
A早く歩く

「階段」
@階段をのぼる
A階段を下りる
B螺旋階段を上る

「食べる」
@箸で食べる
Aスプーンで食べる
B手で食べる

〜ここから、ちょっと難しくなるよ
「何か丸いもの」(手の形)
@ハゲ
Aボタン
B服の綻び(穴)
C道路の穴
※)手の形は同じでも、位置によって意味がかわる

「牛が寝ている」

「包丁で切る」
@包丁の刃
A包丁の柄


◆第7回研究会 2011/12/22 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗田中 多賀子
内容:日本手話と手指日本語(対応手話)

RS(Referential Shift)レファレンシャルシフトもしくはロールシフト
「役割明示指標」手話の話者が一人で複数の話し手(人物)の役割を担う表現

例)「9時集合といっていたのに誰もいなかった」
・日本手話の場合
・手指日本語の場合

例)「私の友達はよく食べているのにやせている」
・日本手話の場合
・手指日本語の場合


◆第8回研究会 2012/01/11 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:甲斐 更紗田中 多賀子
内容:手話言語学に関する論文の論読
論文タイトル 市田 泰弘(2005)手話の言語学(2)図像性をめぐる2つの世界--手話の音韻形態構造(1)CL構文.月刊言語, 34(2), pp94-100.


◆第9回研究会 2012/01/18 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:甲斐 更紗田中 多賀子
内容:手話言語学に関する論文の論読
論文タイトル 市田 泰弘(2005)手話の言語学(2)図像性をめぐる2つの世界--手話の音韻形態構造(1)CL構文.月刊言語, 34(2), pp94-100.


◆特別講義 2012/01/20 17:30〜
テーマ「手話言語学入門: 手話の文法・手話失語・ろう児の言語獲得」
講師:松岡和美(慶應義塾大学経済学部教授)
場所:立命館大学衣笠キャンパス 学而館第1研究室

概要:この講演では、初学者を対象として、言語学・失語症研究・第一言語獲得・第二言語習得の様々な研究成果を概観する。それによって、ろう者が母語とする手話について以下の3点を明らかにする:
(1)手話とジェスチャーとは本質的に異なること
(2)手話はその国で使われている音声言語とは異なる文法を備えていること
(3)手話は他の音声言語と同様の構造的特性を持つ「自然言語」であること。

当日の報告は特別講義をご覧ください。


◆第10回研究会 2012/01/25 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:甲斐 更紗田中 多賀子
内容:手話言語学に関する論文の論読
論文タイトル 武居渡(2009)手話獲得の心理学ー手話処理過程・手話と認知発達・手話評価.月刊言語,38(3),pp32-39.


◆第11回研究会 2012/02/01 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:甲斐 更紗田中 多賀子
内容:ろう文化に関する論文の論読
論文タイトル 戸嶋由美子・四日市章(2001)ろう及びろう教育に関する親の情報取得と認識--「ろう」に関わる文化的視点を中心に.聴覚言語障害, 30(1), 19-26.

2012年度
◆第1回研究会 2012/9/11 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗田中 多賀子
内容:
クァク・ジョンナン 報告「明晴学園 [外部リンク]http://www.meiseigakuen.ed.jp/ 見学」
甲斐更紗 報告「第24回ろう教育を考える全国討論集会in北海道 [外部リンク]http://www.normanet.ne.jp/~deafedu/hokkaidoannai.pdf に参加して」
 
◆第2回研究会 2012/10/19 15:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗田中 多賀子
内容:
田中多賀子 報告「投稿予定の論文について」

◆第3回研究会 2012/11/13 14:00〜
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館書庫416
参加者:クァク・ジョンナン甲斐 更紗田中 多賀子
内容:
クァク・ジョンナン 報告「韓国の高等教育における聴覚障害学生支援-法的位置づけとナザレン大学の支援体制を中心に-」


*作成甲斐 更紗
UP:20111017 REV :
1130,20120208,20121129 ◇組織(「生存学」HP) 

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