U.研究計画・方法・研究成果発表の方法
各人の研究報告、障害とアート・パフォーマンスの現場に身をおいている情報提供者(ダンス&ピープル・ミュージアムアクセスビュー・めくるめく紙芝居等を予定)にインタビュー、または招聘しての公開研究会を隔月のペースで行い、並行して国内外の各関係領域(障害学・芸術学・精神分析・芸術療法・人類学など)における先行研究の整理やレビューをマッピングする。今年度は日本における1950・60年代以降の障老病異と芸術・パフォーミングアーツにかかわる資料の集積を中心に行う。海外における障老病異と結びついた芸術の研究が日本では十分に知られていないので翻訳あるいはサーベイ論文の形で紹介する。とくに、英語圏における障害学の代表的論集Davis, Lennard J., The Disability Studies Reader : second edition, New York, London: Routledge, 2006.に収録されている障害と芸術にまつわる論考を分析する。研究会やインタビュー等による成果は2009年12月のアートミーツケア学会での報告、次年度に向けて生存学センター報告の下地をつくり、ホームページ上の「障害とメディア・芸術」「アール・ブリュット/アウトサイダー・アート」等関連項目を充実させていくこととする。また次年度には関連分野で活躍する方を招聘しての講演を企画し、開かれた議論の場を持つこととしたい。
◆第3回 2009年12月11日(金)
場所:創思館416
時間:14:00開始
参加者:渡邉 あい子、篠木 涼
参考資料
◇小西 信之「モダニズムの闘争―ロザリンド・クラウスとロバート・スミッソンの場合」『Saison Art Program Journal』vol.7, 2001.
◇神林 恒道「グリーンバーグの批評の原点」『Saison Art Program Journal』vol.7, 2001.
◇尾崎 信一郎「現在性という恩寵―マイケル・フリードを読む」『Saison Art Program Journal』vol.7, 2001.
◇林 道郎「演劇性<劇場性>をめぐって」『Saison Art Program Journal』vol.7, 2001.
グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点院生プロジェクトArt and Margins研究会の公開研究会です。近年、さまざまなかたちで障害とともに生きている人とアートとの間で、新たな関係が模索され、実践が積み重ねられてきています。「アートと障害の現在」をテーマにした本公開研究会では、そのような活動を積み重ねられている方々からお話を伺いながら、アートの実践のなかから立ち上げられた身体知の現在を記述していきたいと考えています。