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和歌山青い芝の会

青い芝の会


19740725 結成大会
19740807〜08 大交流キャンプ
19740819 事務所開設
19740827〜29 全国大会
19740908 全障研抗議
19740922〜23 施設・養護学校を考える連続集会
19740930 黒潮の子運動県民集会行動
19741113◇要望書→和歌山県民生部福祉課
19741113 車交渉
19741130〜1201 関西青い芝の会連合会 結成

19750105 八瀬君他界
    ◇要望書→和歌山県民生部福祉課
19750121 車交渉
19750125 福祉モデル都市集会 抗議
19750205 「黒潮の子運動」に対して県民西武に公開質問状
19750225 車交渉  3回目の要望書
    ◇いてもたってもいられない三たびの要望書」→和歌山県民生部福祉課
19750314 車交渉
19750325 車交渉  抗議文
    ◇「県当局に強く抗議し、要求の実現を要望する」→和歌山県民生部福祉課
19750417 車交渉
197504〜05  部落解放同盟、労働組合と話し合い
     映画上映、春闘かんぱ等について
19750620 車交渉
19750718 車交渉
19750727 第2回定期大会
……
19760116 和歌山県立身体障害者福祉センター入所者藤田さん(29)施設の管理的処遇に抗議し、国鉄紀勢線に飛び込み自殺 *
19760126〜27 関西青い芝の会 藤田さんの死に抗議し、和歌山県立身体障害者福祉センターを糾弾占拠 *

 *以下、関西青い芝の会常任委員会『関西青い芝の会連合』No.2,1975,リボン社より引用
  (再録:定藤邦子)

(62頁)
[和歌山青い芝の会 その戦い]

「黒潮の子運動」についての(公開質問状)

和歌山県衛生部 殿
               日本脳性マヒ者協会・関西青い芝の会連合会
               和歌山青い芝の会  会長・かねの さちこ
               和歌山県和歌山市和歌浦東1の6の4 金星荘は号
               0734-45-3968

 私達、日本脳性マヒ者協会・和歌山青い芝の会は、和歌山県において実施され、県行政のポスト国体の重要な柱として、あるいは、県福祉行政のかなめとしてある「黒潮の子運動」に対して、障害者差別をゆるさず、障害者の人権、生活を拡大する立場から、県衛生部に公開の質問を行うものです。私達はすでに、全国の兄弟とともに、障害者は不幸な存在であり、生れてこない方が良いのだとする私達の存在を否定し、障害者の人権を育む方向ではなく、抹殺するために国会に提案された優生保護法の改悪案に対して全国的な運動をもり上げ廃案にさせてきました。また、この優生保護法改悪の先どりとして展開されようとする、兵庫県の「不幸な子供の生れない運動」、大阪府の「母子保健センター」等の動きに対しても関西各府県の私達の兄弟が力を合わせ、その差別性を糾弾すし、一定、行政の姿勢を転換させる事に成功しています。当和歌山県の「黒潮の子運動」もこれかの一連の動きとまったく同じであります。私達がなぜこれらの一連の動きに対して神経をとがらせ、地方自治体の運動に反対するのか、それは、次の4点に要約されます。
 (1)障害者差別としての社会意識(優生思想)、つまり、障害者はかわいそうだ、生れてこない方が良いんだと考える世間の差別的な考えに同調し、その差別的考えを変える努力を放棄するだけでなく、強化する事になる。
 (2)行政には、全ての人々に対するサービスの義務があります。もちろん私達もふくまれます。(63頁)にもかかわらず、行政はこの運動によって障害者のあたりまえの生活の保障という任務をさぼり、あまつさえ、公権力として私達を「あってはならない存在」と烙印を押す事になる。
 (3)今まで私達は言いしれぬ差別を健全者社会から受け続けてきました。それは、障害者の意見をまったくかえりみず、社会全体が、障害者はダメだとするコンセンサスによって機能してきた結果です。「黒潮の子運動」はこの健全者社会を福祉の名によってより強化しようとするものです。
 (4)以上のような事、あるいは、障害者を生む事は不幸である、というような論調を許す事は、生れてくる障害者がダメであるなら、今、生きている私達もダメであるという事になり、私達は、私達自身を否定する事になる。私達が不幸であるかどうかは、私達自身が決める事であって、行政や他人様に指定される必要はありません。
 私達を差別し続けてきた行政は、この私達の意見に耳を傾けるべきであります。

 以上の立場から、私達は以下6点の質問を行います。
(1)黒潮の子運動は、どのようにして生れ、県当局は、どのような基本的理念で行っているのか。
(2)昨年の県民大会で私達は、私達の意見を述べようとしましたが、その宣伝活動を県職員の手によって妨害されました。その理由を聞きたい。
(3)運動の中に「不幸な子供の出生をふせぐ」とありますが、不幸な子供とは具体的にだれをさすのか。また不幸とは、どのような意味ですか。
(4)県は、優生保護法をどのように考えていますか。
(5)星健康相談の目的はなにですか。
(6)黒潮の子運動をやめる考えはありませんか。

 以上の質問につきまして、県当局が真剣に答えられる事を要望します。回答につきまししては、文書でもって50年2月までにお願いします。回答によって私達の心からの態度を決定します。
以上


(64頁)
      ( 要 望 書 )

和歌山県民生部福祉課 殿
               日本脳性マヒ者協会・関西青石場の会連合会
               和歌山青い芝の会  会長・かねの さちこ
               和歌山県和歌山市和歌浦東1の6の4 金星荘は号
               0734-45-3968

 私達、和歌山青い芝の会は、「障害者差別を許さない」というスローガンのもとに活動を続けています。そして、その中で、多くのCP者が自主的に集まり、CP者の団結を追求しつつ、障害者全体の自立と解放をめざしています。私達をとりまく社会状況は、まことに苛酷であり、優生な人間(健全者)、劣生な人間(障害者)であるとする価値基準、それらは、現代の資本主義社会における利潤追求、生産絶対主義にあらわされるように、賃金労働のできない私達障害者を、「だめ」な者として、「あってはまらない存在」とする優生思想が、その背景です。
 これまで、住民のサービス機関としてある行政は、一体、何をしてきたのでしょうか。行政は、住民の間にある差別意識としての優生思想をたくみに利用し、同情というベールをかぶせ、「障害者には、福祉充実をはかりましょう」と施設政策(隔離)を展開してきたし、しようとしている。その証明が、今すすめられている、東、西むろ地区で建設されようとする各種施設であり、福祉モデル都市重点政策です。これらは、まぎれもなく、障害者を地域生活から追い出し、健全者の秩序を守ろうとするものであります。
 私達障害者は、人間としての諸権利を奪われています。私達、和歌山青い芝の会は、障害者にたいする一つ一つの差別に体当たりし、それと闘う中で、私達自身の考え方を創り出しています。その一つが、私達自身が障害者として、発言し、行動する、という事です。つまり、私達に取っては、生きる事、動く事が、私達の主張です。
 行政当局は、夢のような、差別に充ちた話を物語るのではなく、家から一歩出る事が気の遠くなるような困難をともなう、重度障害者の現実を直視した政策に、(65頁)転換するべきでありましょう。そうでなければ、福祉、福祉と行政当局がどれだけ叫ぼうとも、自らの行政責任を放棄していることになりましょう。
 私達障害者にも、行動の自由を保障するべきであります。すでに、私達和歌山青い芝の会では、重度在宅障害者の訪問を続けており、外出の権利を行使する運動を行っています、しかし、その全費用を任意の基金に頼っており、決して、充分なものになってはおりません。
 現在の社会では、行動の自由がないというのは、死んでいる事と同じであります。以下に申し上げます、私達の要望に対して、行政当局が、真剣に答えられますように、申しいれます。
(1) 私達の運動に不可欠な、自動車の購入のための費用、50万円を行政から補助せよ。
(2)毎月の自動車にかかる維持費、10万円を行政から補助せよ。
(3)すべての在宅障害者の行動の自由を保障する、行政処置を、即時とれ。
以上



( か さ ね て の 要 望 書 )

和歌山県民生部福祉課長 殿
               日本脳性マヒ者協会・関西青石場の会連合会
               和歌山青い芝の会  会長・かねの さちこ
               和歌山県和歌山市和歌浦東1の6の4 金星荘は号
               0734-45-3968

 すでに御存知のごとく、私達、日本脳性マヒ者協会・和歌山青い芝の会は、前回提出しました要望書の中で(昭和49年11月13日)3点の要求を明らかにしました。
(66頁)
イ.私達の運動に不可欠な自動車の購入のための費用、50万円を行政から補助せよ。
ロ.毎月の自動車にかかる維持費、10万円を行政から補助せよ。
ハ.すべての在宅障害者の行動の自由を保障する行政処置を即時とれ。
以上のものがそれであります。この3点の要求は、私達障害者にとっては最低かつ、もっとも必要なものです。その理由は前回の要望書の中で指摘してありますが、ますますその要素は強まりつつあります。
 先日も、私達の兄弟である重度障害者であった(Y君)が死亡しました。彼は、生きている内に普通の人間として、多くの事を見、知り、感じる権利を持っていたはずです。しかし、彼の願望は福祉行政の差別とおくれによってはばまれ、死亡してしまったのです。
 彼の事を考える時、私達は断腸の想いをいだきます。私達は、彼の想いをうけつぎ、私達の要望をぜひ実現する決意にもえています。
 前回の交渉の時点では、新聞にも明らかにされたように、本年度の県予算において3点の要求の実現のために最大限の努力をおしまない、と矢船課長は口頭で約束されましたが、約束は、まもられ、実現されてこそ約束である訳です。
予算編成の時はいたりました。
 今回、かさねて要望書を提出いたしますのは、前回の約束をまもっていただくのは当然の事としても、それについての具体的な見通しと口頭ではなく書面でもって3点の要求と、約束の確認をしていただくためであります。県当局の誠意ある回答を心より要請いたします。
以上


 (いてもたってもいられない三たびの要望書)

和歌山県民生部福祉課 殿
               日本脳性マヒ者協会・関西青い芝の会連合会
(67頁)            和歌山青い芝の会  会長・かねの さちこ
               和歌山県和歌山市和歌浦東1の6の4 金星荘は号
               0734-45-3968

 私達はすでに、在宅障害者の行動の自由を保障すべく、県当局に対して具体的な3点に渡る提案をすると同時に、2回の交渉の中で障害者のおかれている社会的実態を訴えつづけてきました。
 福祉課長は、私達の提案に対して大いなる賛意を示され、3点の要求に対しては「実現のために最大限の努力をする」と確約されました。
 しかし、この2月12日発表された県50年度予算案は、私達の要求をまっこうから否定するだけでなく、従来の福祉政策を強化する事によって、障害者をとりまく差別的実態をさらに拡大しようとするものです。私達の3点の要求は、単に実現されれば良いというものではありません。その背景には3点の要求を通じて県当局の福祉政策の根本的なみなおしを願う多くの障害者の意志があるのです。
 障害者をとじこめ、絶望の世界として存在する施設に多大な予算がつぎこまれるのに、どうして、やみの世界のような在宅情態を解決するために、たとえ月づき5万円暗位の障害者が使える在宅介護手当が支給されないのでしょう。
 私達は、県当局のあまりの差別的なかたくなさに強いいかりをおぼえます。
 今日は、私達3点の要求にたいする確実な回答をいただく事はもちろん、県当局の障害者福祉に対する基本的な考え方をぜひ共、示していただく事を要望します。
 1.私達の運動に不可欠な自動車購入費用50万円を補助せよ。
 2.月づきの維持費10万円を補助せよ。
3.在宅障害者の行動の自由を保障する行政処置を即時とれ。

和歌山県当局は、180度の福祉政策の転換をはかれ。
以上



(68頁)
 (県当局に強く抗議し、要求の実現を要望する)

和歌山県民生部福祉課 殿
               日本脳性マヒ者協会・関西青石場の会連合会
               和歌山青い芝の会  会長・かねの さちこ
               和歌山県和歌山市和歌浦東1の6の4 金星荘は号
               0734-45-3968

 これまで、私達、和歌山青い芝の会は、県当局に対して在宅障害者の行動の自由を保障するべき具体的提案とその基本的福祉のあり方の転換を、私達の生き方や生活の実態を通じて要望し、数かずの交渉をかさねてきました。行政補助をふくむ私達の要求は3点に渡ります。
 この要求に対して、県福祉課長は現実への努力と数かずの約束をしておきながら、3月14日の交渉において次のように回答をしています。
 「みなさんの要求は当然のものであり、私も最大限の努力をはらいました。しかし、今年度の県予算では補助額をけずられてしまい、なんとかしたいために県内の障害者団体は、あなた方とは意見を意にしており、資金のメドがまったくたたなくなりました。私としては4日間の時間を費やし、交渉したのですが、良い結果を得られなかった事を悪い事をしたと考えています」
 私達は、福祉課長さんの努力に対しては深い感謝の気持ちでおりますが、よく考えれば、県というのは課長さんもふくめて存在する訳で、私達の要求を受け入れるところがどこかにある訳ではありません。いみじくも課長さんは「4日間も努力した」と発言されましたが、私達の多くの兄弟は生れてこの方、何十年となく在宅、あるいは施設おくりとなって、自分の意志とは関係のない生活をおしつけられているのです。家から一歩出る事がどれだけ私達にとって大変な事であるでしょう。この障害者現実から生れてきた私達の要求に対して、「4日間も努力した」と言ってのけ、それですまそうとする県当局の姿勢にこそ、根深い差別のかげを私達はみてしまうのです。このようなたよりない県福祉課に深い失望をいだきますが、にもかかわらず、このたよりない県福祉課をあてにしなければならない、
(69頁)障害者の現実に県当局は眼をむけ差別的まよいをふりきり、眼をさますべきでしょう。
 県当局は県民の中にたった一人でも自由をうばわれ、差別に苦しむ県民がいれば、その県民の自由を保障するために全力を上げるべきではないでしょうか。
 私達は、交渉をかさねるたびに事に、県のとっている福祉政策が、私達障害者の声よりも健全者の声を取り上げている事にだんだん気づいてきました。
 障害者福祉とは、障害者がこの社会において、その能力とは関係なく、一人の人間としてたっとばれるようにする事です。私達に対する今までの回答は、これらとまったく逆のものでしかありません。私達は、その事に強く抗議します。私達の具体的な要求に対して、抽象的な答えはもういりません。3点の要求に対する答えは現在の段階においてもゼロ回答なのですから、まだ結果が出たとは言えない訳です。つまり、福祉課の努力と工夫が足りないのです。
 私達の要求は、全障害者の願いであります。私達が、この要求をひっこめる事は、私達が私達自身を否定する事になります。私達が私達であるために、圧倒的な私達の兄弟の力を結集し、要求実現までがんばる決意です。
◎私達の3点の要求を即刻実現せよ!
以上


日本脳性マヒ者協会・関西青い芝の会連合会・和歌山青い芝の会
      1975年(第2回)定期大会 議案書

                   1975、7月27日 PM 1時
                   和歌山県民文化会館
                      開会あいさつ
                      各団体アピール
                      議長、書記、選管 選出
                      年間報告、組織報告
                      今後の方向
                      財政報告、予算
                      討論
                      役員選挙 新役員あいさつ
                      開会あいさつ
                      交流パーティー

1年間の報告と反省
 昨年7月25日結成以来、和歌山青い芝の会は障害者差別を許さないという旗のもとに、多くのCP者が結集し、多方面な運動をくりひろげてきました。私達は、差別の只中にとり残された障害者の立場からの考えをつくり出すために学習会を積極的にもうけました。そして、その中から、今の社会を支える価値観や、私達から見た矛盾を否定した所から、私達の実体を運動化しなければならないと考えました。
 私達をとりまく現実は、すべて「あってはならない存在」とする考えに規定されており、生活圏、生存権といった基本的人権に関わるものまで否定されています。自分自身を知るという事、私達自身のペースと考え方を創り出す事は、優生思想にドップリとつかっている社会と断固として闘う事の中から生れます。つまり健全者社会の中で私達がだまっている事は、差別社会に負け、差別の重みによっておしつぶされる事を意味するのです。
 したがって、私達は、あるがままの障害者としてある事をやめ、新しいあるべき障害者として生き、すすむ事、自らの権利を自らで創り出す事が大切なのです。そのために、この和歌山に、障害者運動の自立と解放の歴史を創り出す使命にもえて、この1年間活動を続けてきたのです。しかし、ふりかえってみれば、活動の面でも、組織の面でも充分なものであったとは言えません。会員がすべて強いきずなで結ばれ、団結の力でおせおせであったとは言えません。若干の組織混乱や、友人組織のゴリラの組織指導が十分でなかった事にそれがあらわれています。まだまだ私達の考え方は充分に深められ、かためられてはいません。
(71頁)
 一方、事務所の設置、私達の足である車の購入については成功し、組織体制は強化されつつあります。
1.日頃、在宅とか、施設といった特別な空間の中で生活を送る障害者、健全者と言葉すら交わす事をうばわれた私達の生活を少しでも切り開くために、大交流キャンプを和歌山で開き、健全者と障害者のあり方をたしかめ合いました。
2.私達の自立と解放、人間の未来に向かっての足場、私達の拠点としての事務所、車体制を確立しました。解放センター設立委員会
3.人里はなれた所につくられる施設、障害者と健全者を分断する養護学校、差別教育の実態を明らかにするために、大阪青い芝の会と強力し、連続集会を開き成功させました。
4.県民生部衛生部が行っている「黒潮の子運動」=不幸な子供を生まない運動=に対して、その本質が、障害者の生きる権利をうばう差別政策である事をみぬき、優生保護法の改悪の先取りである事を指摘し、大衆的な糾弾闘争と情宣活動を起こしました。公開質問状も数回にわたり発行し、県交渉を重ねる中で、県側の差別生をあばき、今も闘い続けています。
5.全国青い芝の中央委員会が開かれ、和歌山より積極的に参加し、障害者の自立と解放の闘いの一歩として優生保護法と養護学校の解体を意志一致し、団結を固めました。
6.県民西武福祉課に対して、在宅障害者の行動の自由を保障させるべく、具体的な3点の要求をつきつけ、私達の声が反映する福祉行政の確立をせまりました。ごまかし福祉をつきくずし、障害者問題の重要性を広めるために、署名活動を続けています。
 今後共、車をかくとくし、行動の自由を行政に保障させるために在宅訪問を続け、ねばり強く、行政渡航省をかさね、県の姿勢を変革する。
7.兄弟の一人、八瀬君が亡くなりました。私達はこの事を個別障害者の死とえることはできません。それほど私達をとりまく現実はきびしいのです。私達自身の社会行動を強化し、くいのない生を形づくらねばなりません。
8.障害者がすすめる街づくりをすすめるためにも、私達の声を反映させるために、
(72頁)福祉のモデル都市県民集会に抗議しました。
9.私達にとって、親との関係は大切です。今まで親の会との話し合いを続け、融和主義の排除に努力してきました。
10.関西各県の兄弟と手をつなぎ、私達の運動を広げ、私達自身の力量をたかめるために、関西青い芝の会連合会結成をなしとげ、今では重要な役割を担っています。
 1年間の活動の中で明らかになったのは、まだまだ障害者の現実がおそまつな事です。私達の組織は社会性にまだまだかけています。1年間の成果を大切にし、きびしい現実を励みとして、ひたむきに、真剣に、私達の未来を開いていかなければなりません。


活動日誌
 7月25日   結成大会
 8月7日〜8日 大交流キャンプ
 8月19日   事務所開設
 8月27日〜29日 全国大会
 9月8日     全障研抗議
 9月22日〜23日 施設・養護学校を考える連続集会
 9月30日  黒潮の子運動県民集会行動
 11月13日  車交渉
 11月30日〜12月1日 関西青い芝の会連合会 結成
  1月5日  八瀬君他界
  1月21日  車交渉
  1月25日  福祉モデル都市集会 抗議
  2月5日  「黒潮の子運動」に対して県民西武に公開質問状
  2月25日  車交渉  3回目の要望書
  3月14日  車交渉
  3月25日  車交渉  抗議文
  4月17日  車交渉
  6月20日  車交渉
(73頁)
  7月18日  車交渉
  4月〜5月  部落解放同盟、労働組合と話し合い
         映画上映、春闘かんぱ等について

組織報告
 結成当時、会員は○○名でした。しかし、障害者差別は、障害者自身の手で解体しなければならないを合い言葉にがんばり続けた結果、現在の会員数は、××名にふえてきました。しかし、その中で問題になるのは、大会で選ばれた役員の内、2名の役員がその職責を全うする事なく後退した事は残念なことです。これは、一人、役員会の問題ではありません。地域や親の圧力に屈するという事実がそれを示しています。
 9月16日、私達の友人組織、ゴリラが結成以来わずか1年で解散するという事もありました(現在は、関西ゴリラの努力によって、再建活動が活発に続けられています)。これら旧ゴリラのメンバーは、木本一派としてマルクス主義青年同盟なる政治党派に結集しています。私達は、政治の課題に取り組む事をおそれているのではありません。しかし、木本一派(2〜3人)のように、障害者の差別現実からまったく目をそむけ、出来もしない夢想(創造性にまったくかける)をふりかざし、私達におしつけ、私達の団結を分断する事は許しません。
 要するに彼らは、私達との共同がしんどくなり、反差別戦線から集団で逃げ出したにすぎません。私達は、現在の事実にもとづいた建設的意見には積極的には積極的に耳をかたむけますが、なんら努力もしないで、自らのひからびた政治プログラムを押しつける党派介入は、ちがった形の健全者エゴであり、私達の現在と未来を圧倒する差別行為として、断固、糾弾します。しかし、反面、この木本一派にひきずられる形で、役員2名がマル青同に流れていってしまった事を、私達は真剣に反省しなければなりません。自らの立場と回りの状況をふまえる事なく、甘えの認識のまま政治党派に身をゆだねる事は、私達の現実にとって大変危険な事です。この行為は、私達の自立と解放の道とは逆のものです。私達CP者の組織性のなさ加減を強く反省し、全国30万CP者とかたく手をむすび、今回の事を生かし闘い続けなければなりません。和歌山県内には、(74頁)まだまだ多くの兄弟が差別の谷間で苦しんでいるのです。私達の手で、一時も早くCP者の力を統一しなければなりません。
 大会を前にして、全会員、ならびに、在宅障害者の家を一斉に訪問しました。ある会員は20年間も在宅状態であり、話をするのも困難な状況でした。色々なCP者と接する中で、CP者が一体なにを求めているのかの足がかりがつかまえられたと思います。これは大きな成果です。今後とも、オルグ活動を強め、前進の歩をかためます。

1975年度活動の方向

私達のまわりは
 さいさい述べてきたように、和歌山青い芝の会の運動基調は「障害者差別を許さない」「運動の中心は重度障害者である」というものです。そして、その私達の運動を取りまく情況はまったくきびしいものがあります。政治、経済のしくみや変動によって、その影響を真っ先¥にかぶり、ふりまわされ、差別が強かされています。障害者殺しが次々と起こり。兄弟の命がうばわれています。大きなめで見るならば、様々な事柄を見るまでもなく、多くの人々の努力と闘いによって、歴史の流れは人間解放の方向に向かっています。しかし、その歴史の流れに反対し、今の差別社会を守ろうとする側の力もまだまだ強く、これらの側に反対する人々の間でも「類としての解放」の考え方は定着しておらず、まだまだ困難な事は続くでしょう。優生思想は、今の社会を守ろうとする人々によって作られ、国家の生産諸関係の思想として、日々肥大化しているのです。和歌山県では、「障害者は役立たずだ」とする考え方が県行政の手によって、「黒潮の子運動」という形で行われ、私達をじわり、じわりとしめつけています。今や、県庁は、中央行政の差別政策の出先機関の色を強くし、あくまの城的様相を示しています。障害者のことをまったく理解しない役人集団が、私達の生き死に関わる事を取り決めている、これが和歌山の福祉政策の実体なのです。
 養護学校や施設というような、私達をみんなの生活、みんなの教育の場から追放し、一ヶ所にまとめ、安上がりな方法で障害者問題に対策(?)する事には金を使うが、住民教育を積極的にすすめ、地域での障害者の生活を保障するような事には一切手をださず、
(75頁)小手先のゴマカシを使って住民の目をふさぎ、隔離政策で差別意識をあおっている。私達の多くの兄弟はこれがために、あきらめ、甘えの世界にのめり込んでいるのです。私達は、私達自身の手で、兄弟達の目を開かせると同時に、差別と闘おうとする人々に、私達の運動をはっきりと示し、つげなければならない。「見てはならない」「知ってはならない」所にこそ、本当の事があることを。
 また一方では、障害者運動と名の付いたものが県内で多くみられる。しかし、そのいずれもが、健全者のヘゲモニーであやつられており、荘としての障害者運動を形づくるものではありません。全障研を始めとする融和主義運動、弱者救済をかかげる労働組合、ひからびた階級理論を横すべりさせ、一部障害者をまつりあげる事で障害者解放をさけぶ人々、数えあげればキリがありません。私達は、私達の考え方を深め、私達の生活にキッチリ結びついた、私自身の運動を大きく広げ、これらの運動を買いたいし、障害者解放運動の統一をすすめ、階級社会の諸関係、あるいは、多面的な価値変革をなしとげるのです。つまり、私達の運動を通じて、選ぶべき人々を、私達自身が決めるのです。この事のみが私達をとりまく情況を切り開く事ができるのです。

組織方向
 意見の交流、意志一致を大切にし、CP者の団結を拡大し、障害者の自立と解放を目指す、思想と内容を持った組織活動を行い、運動の中で共に活動する事によって会員同士の結びつきを強めます。
 会員数を○○○名に拡大します。

活動方針
 (1)全国常任委員会、関西青い芝の指導と共同のもとに、全国の兄弟と共に、私達の存在を否定し、法的に成立している優生保護法の解体をめざす。とりわけ、関西各府県にある母子保健運動、黒潮の子運動には、関西の兄弟と強力しつつ体当たり的に闘いをつづけ、その中から私達のあるべき社会的一をかちとる。私達のイノチをとり返す運動として強化する。
 (2)私達は、現在のおなさけ福祉をつぶす。隔離とつきはなしを内容とする現在の福祉行政に対して、(76頁)私達は当たり前の生活を要求し、障害者の声を中心にした福祉体制へ転換をせまる。
  特に、私達が現在要求している在宅障害者の行動を自由にする(車)闘いを。大きく大衆化し、徹底的に県を追求する。
 (3)施設解体をすすめる。障害者から生活をうばい、障害者殺しの一因ともなっている施設、人里離れた所につくられ、全ての人間的管理をうばわれた施設生活を私達は拒否する。
  私達は、具体的に重度障害者の自立生活を押しすすめ、地区生活を実践し、その生活を行政に保障させる。
 (4)私達は養護学校義務化に反対する。全員就学、障害者にも教育を、の美名の元に行われる養護学校の義務化は、養護学校に市民権を与え、私達を隔離する教育を体系化するものです。私達が今まで受けてきた養護学校教育の差別性(それはひどいものでした)を考えるならば、この動きを許しておく事はできません。私達は、校区での教育をこそ要求する。子供の世界の中で、健全者との関わりにおいてCP者の考え方を確立する事、これは本当に大切なことです。
  私達は、教師の資格を持つCP者を教育実践現場に送りこむ、また、障害者の自立と解放の運動から、教育を考える教師集団、和歌山障害者教育研究会の結成に努力する。
 (5)新しい健全者組織を確立する。関西ゴリラと協力し、介護友人組織和歌山ゴリラを再建する。
  私達と共同する健全者組織を形づくる事は、私達にとって急務です。
 (6)私達の考え方は普遍的である。障害者差別を許さないという立場は、あらゆる差別を許さないという立場である。つまり、私達の運動実践を元に、すべての差別と闘う人々との連帯をもとめて、被差別統一戦線を形成するための努力をはらう。これは、他の反差別戦線から学び、私達の運動を広げる意味で重要な事です。
 以上が、私達の今後1年間の方向です。本当に兄弟を兄弟とよべるような新しい障害者団体をつくり出し、私達のうんどうが人間の解放にまで高まるようひたむきに未来を凝視し、がんばりましょう。


UP:20050520 REV:20050521
青い芝の会
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