9-11peace
米国が化学兵器禁止機関でクーデタ
hagitaniです。
以下、ものすごく泥縄なのですが、どうぞよろしくお願いします。(長文注意)
緊急の重大な情報と要請が、米国の反戦ML 9-11 Peaceから入ったので、訳し、流します。
不明な点が少しありますが、緊急なので、流します。ご協力ください。
転載してください。(訳は一部簡略にした箇所がありますので、ご了承ください。また、一部は不正確である恐れもあり、その点のご指摘は歓迎します。)
化学兵器禁止条約の実施機関である化学兵器禁止機関のブラジル人の事務局長が、米国の意向にそわないという理由で、米国は、くりかえし、罷免の動議を出し、機関の規則に反した裏工作を続けた結果、今日、4月21日日曜日に行われる会議【会議の場所については情報なし。問い合わせ間に合いません】で、このブスターニ事務局長の解任動議を通すだろうといわれています。欧州が米国の脅しに負けて、米国についてしまいそうです。以下の知らせによれば、英国がキャスチングボートを握っているとのことです。
きょう米国のごり押しが通れば、
1) 米国は狙い通りイラクと戦争をすることができます。ブスターニ氏がイラクに化学兵器禁止条約調印を説得しようとしているのが、米国にとっては気に入らないのです。戦争以外に道はない、というシナリオが成立しなくなるからです。
2) 今後、他のあらゆる多国間協議のための機関が、米国の一元的支配の意向に逆らわないイエスマンの牛耳る場となってしまいます。
もう日がないため、メールをこの申し入れの主催団体9-11peace(opcw@9-11peace.org )と外務省(http://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/q_a/index.html 記
入欄あり)に送ることしかできませんが、よろしくお願いします。
[以下転載歓迎]
緊急のお知らせとお願い
米国のクーデタをやめさせよう
文化人たち立ち上がる
あなたもご協力ください
エリ・パリサー (9-11Peace)
21日、日曜日に米国は、化学兵器禁止機関(OPCW 化学兵器禁止条約にもとづく条約実施推進機関、在ハーグ)の事務局長、ジョゼ・マウリシオ・ブスターニ氏を罷免するよう働きかけています。
ブスターニ事務局長のしたことは、化学兵器禁止という任務を誠実に遂行してきたこと。
英紙ガーディアンによれば、同氏の指導のもと、調査官が監督した化学兵器の破棄は、世界の化学兵器施設の2/3、200万点にのぼります。また、条約批准に消極的だった諸国を促して、過去5年間に、加盟国を87カ国から145カ国に増やしました。これはあらゆる多国間条約機関のうちで最も急速な伸び率です。
しかし、これが米国国務省には目の上のコブ。まず、ブスターニ氏は米国を他の諸国と別扱いしないで、条約遵守を要求したからです。氏が選任した査察官を、米国はいやがり、まるでイラクのようです。
第二に、彼はイラクにも積極的に働きかけて、査察官を受け入れさせました。これでは、第二の湾岸戦争を支持する理由がなくなるではないか。だから、国務省はブスターニ氏の退陣を望んでいるのです。
今週末の会議で、米国は、ブスターニ事務局長不信任案を提出しますが、氏の何が具体的な落ち度なのかは明確にしないままです。
だが、英国がこれに同調すれば、米国政府の代理機関にすぎない国際・多国籍機関がまたひとつできてしまいます。
どうか、川口順子外務大臣に、化学兵器禁止機関の独立性を守るため、ブスターニ事務局長を支持するよう緊急に要請してください。
また、私達のところにメールを送ってください【I join you supporting Mr Bustani. と書き、氏名と国籍と住んでいる県か市くらいまで書いてください】。私達は支持者の数をカウントしています。メールアドレスはopcw@9-11peace.orgです。
この要請の発起人は、ピーター・ガブリエル、アニー・レノックス、ラディオヘッドのトム・ヨーク、ブライアン・イーノその他です。
以下は、ブライアン・イーノが起草し、多数の文化人が署名した書簡、および、ジョージ・モンビオが書いた事情を解説した記事です。
2002年4月19日 エリ・パリサー
2002年4月16日付ガーディアン紙(英国)より
原文 http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,4394862,00.html
米国が化学兵器禁止機関でクーデタ
イラクとの戦争に道を開くブスターニ事務局長解任策動
ジョージ・モンビオ
日曜日に、米国政府は1カ月間計画してきた国際的クーデタを実行する。それは、我々の大半が何も知らないうちに、静かになされる、気がつくときには手遅れになっているかもしれない。米国は、力を頼むグローバル体制を作るために、60年間にわたる多国間交渉のシステムを転覆しようとしているのだ。
問題はとなっているのは、化学兵器禁止機関だ。国際機関の長がこのようなやり方で解任されることは、これまでになかった。これが行われるなら、今後、すべての国際機関は、こうした攻撃にまったく無防備になってしまうだろう。これによって、イラクの化学兵器について平和的に交渉する道が閉ざされてしまい、そうなれば、化学兵器を破壊するには、戦争以外にないということになる。
化学兵器禁止機関(OPCW)は、化学兵器禁止条約の実施機関であり、化学兵器の開発製造保管施設を査察し、兵器の廃棄を監視することを任とする。その長が、ワーカホリックなブラジル人外交官、ジョゼ・ブスターニ氏だ。氏は、過去5年間に、ほかの誰よりもよく世界平和の推進に貢献した。同機関の査察官は、200点の化学兵器と、世界の化学兵器施設の2/3の廃棄の監視を行った。氏は、渋る諸国をなんとかなだめすかして、同条約に加盟させたので、加盟国の数は同氏の任期中に87カ国から145カ国に増えた。これは、近年どんな国際機関で見られたよりも急速な伸びである。
ブスターニ氏は、その異例の功績により、最初の任期も終わらない2000年5月に加盟国満場一致で再選された。昨年コリン・パウエル米国国務長官は、氏の「水際だった」働きに感謝の書簡を送っている。だが、今やすべてが変わった。その功労を賛えられた人物が、民衆の敵として糾弾されているのだ。
今年1月、米国国務省は、事前のなんの警告も説明なく、いきなり、ブラジル政府に対して、ブスターニ氏の「管理スタイル」が気に入らないという理由で、同氏罷免を要求した。これは、「事務局長はいかなる政府からも指令を求め、あるいは受けてはならない」という化学兵器禁止条約の規定にまっこうから反している。3月には米国は、「財政上の管理不行き届き」「職員の士気をそいだ」「偏っている」「浅慮な発案をする」などと事務局長を非難し、評判を落としたくなければ辞職すべきだと警告した。
これまた条約を踏みにじる行為である。条約は、加盟国が職員に「影響を与えようとする」ことをつよく禁じているのだから。事務局長は辞任を拒否した。3月19日、米国は、ブスターニ不信任案の議決を要求。これは通らなかった。すると米国は、今度は、多国間外交の歴史では前例のないことをした。氏を追い出すための「特別会合」を召集したのである。この会議が、21日、日曜日に始まる。今度は、米国の意向が通ってしまう可能性が高い。
3月に議決で破れて以来、米国は、同機関の最大の出資国としての立場を利用し、他の弱い国に、支持しないと分担金の支払をやめると脅しをかけてきた。先週、ブスターニ氏が私に語ったところでは、「欧州は、米国が条約を放棄することを恐れるあまり、私を切る腹を固めている」という。氏にとって最後の望みは、これまで同機関を模範的に支えてきた英国が、抵抗してくれることだ。日曜日の会議は、ブレア政権にとって、多国間関係か「特別な関係」かという、これまで直面したことのない選択を迫るものになる。
米国はまだブスターニ氏に対する非難の具体的内容も決めていない。OPCWが財政的に苦しい状態なのは確かだが、それは主に、米国が一方的に自国の予算に上限を設けたり、分担金を払わなかったりしたためなのだ。OPCWの会計は最近監査を受けたばかりだが、完ぺきに健全財政である。職員の士気は、これほど資金不足の機関としては異例に高い。ブスターニ氏のほんとうの罪状は、最後の二点「偏っている」ことと「浅慮な発案をする」ことだろう。
偏っているという非難は、まさしくOPCWが偏っていないことを示している。米国にある施設を調査するときも、他の国のと変わりない厳格さで行ったのだから。しかし、米国は、まるでイラクのように、自国の利害に反すると見做す国からの化学兵器査察官の受け入れを拒否したのであり、入国を認めた査察官に対しては、見ていい所といけない所をを指図したのである。査察の通知を受けなかった場所については査察を阻止し、査察官が化学物質の標本を採るのを禁止する権限を大統領に与える特別な法案も成立させた。
浅慮な発案とは、ブスターニがその任務の通りに、サダム・フセインに対し、化学兵器禁止条約への調印を説得しようとしたことをさす暗号である。イラクが同意すれば、他の加盟国(もちろん米国は例外)と同じように、通常の査察と不意の査察を受けることになる。ブスターニの試みはこれまでのところ成功に至っていないが、これも、彼の見るところでは、国連安保理の支援が得られないからだ。そのためフセインは、調印してもメリットはないと察しをつけてしまったのである。
安保理が、イラク説得を支持してくれれば、米国は戦争にかわる選択肢を得ることになるのだとブスターニは語った。フセインがUNMOVICからの査察官を受け入れるとは、想像しがたい。UNMOVICは、UNSCOMのあと、それに代わるものとして安保理の支援でできた機関であり、米国政府が送り込んだスパイが大勢入っていることがわかっているのだ。几帳面に公平な態度を維持する機関からの査察官なら、フセインが受け入れることは、はるかに考えられることだ。事実、1998年にUNSCOMがイラクから退去させられたときも、OPCWは、発見した武器の廃棄処分のために入国することを認められたほどなのである。ブスターニが辞めさせられるのは、米国が解決を望んでいない問題に解決策を提案したためなのである。
「アメリカがやっていることはクーデタだ」と、ブスターニは語る「条約を変え、事務局長を辞めさせるために野蛮な力を行使するのだから」。化学兵器禁止条約に、そのような行為を認める条項はないので、米国はまっこうから規則を破る挙に出た。それがまかり通れば、OPCWは、UNSCOMと同じように、致命的に役割が低下してしまう。米国の思い通りになるということは、すべての多国間機関の独立性を脅かす結果を招くのである。
だからこれは、英国が世界の動かし方を大きく左右することになる、稀有の機会のひとつなのだ。英国は、最も密接な同盟国を支援するために、多国間関係を破壊し、戦争以外の道をふさいでしまうことを選ぶこともできる。そうでなく、世界の平和と国際法を守るため、米国に挑戦する道を選ぶこともできる。英国政府がそのような原則通りの立場を採るとしたら、それは、この政府の権力を成り立たせている国民が、政府が耳を貸さずにいられないほどのノイズを起こす場合だけである。米国が戦争への道を突き進むのをやめさせるために、我々の持っている時間はあと5日である。
FROM THE GUARDIAN
Tuesday April 16, 2002
http://www.guardian.co.uk/Archive/Article/0,4273,4394862,00.html