*この頁は故西尾等さんが遺されたホームページを再録させていただいているものです。→その表紙ALS [2003.7 再録:立岩 真也]



ALS/Amyotrophic Lateral Sclerosis
筋萎縮性側索硬化症と私

ALSは脳の病気よりは脊髄の病気に入ります。私の場合は症状としては、右手親指の脱力感により異常に気が付いた、その前後味覚異常もあったように思う。一時的に塩の味覚を感じにくくなった。また、左頚部が束になったように、硬くなり、車の運転時に左後方を向きにくくなりました。また左頚部のみ、動かすとまるでロボットのように、カクカクとなりスムーズには動かないのです。
私は13年位前に交通事故により、左前頭部や胸を強打し、右膝を8針縫いました。約1日半意識障害がありました。
また、約20年前に左頚部に小豆粒位のリンパ節肥大にきずいて病院に通いましたが、結局原因は不明でした。肥大の原因はその1週間前に行った歯科医に打たれた麻酔針からの感染ではないかと疑っている。それ以来2度とそこには行かない。
私は発病したのがプロフィールにあるように、約5年前の43歳です。肺活量が健康人の30%しか無く、後半の数カ月は前かがみになって歩いていました。寝る時も電動ベッドを起こしておかないと苦しくて、眠れませんでした。左向きの方が苦しく、左肺の方が弱まっていたのかな?
発病原因として、ミルキーウエイという野苺のような実を付ける樹に、青虫がたかっているので、根に農薬の粉をまいた際、吸込んだ可能性がある事です。

病には必ず原因があります。かつて、成人のかかる特殊な白血病があり、九州に多いと言う地域性がありました。京都大学医学部第一内科の高月先生(熊本大学医学部教授)は、それが成人T細胞白血病ウイルスによる事を証明して、世界に衝撃を与えました。それから、母乳による母親から子への垂直伝搬も疑われ、検査法の確率による輸血感染防止措置もとられています。このHIV-1(ATLA)研究はその後のHIV-3(AIDS)研究にも大きな貢献をしてきました。

ALS筋萎縮性側索硬化症には、かつてグアム、パプアニューギニアと紀伊半島に地域性が報告され、調査の結果グアムのALS+パーキンソニズムの原因は特殊な木の実Cycad(ナッツ)に含まれる神経毒素と、摂取する飲料水や食物にNaやKやMgなどのミネラルが極端に少ない事が判り、今では地域性は解消されています。
しかし和歌山/三重南部には依然地域性が見られます。その意味ではATLAとも似た面があります。
発病原因各説は?
地域的には和歌山/三重南部に多く、アルミニウム説を唱える学者もいる。また米国では、歯科治療の際のアマルガム(水銀)説や農薬環境物質に注意を喚起さすように訴えている人もいる。また、ポリオが完治したように見えても十数年後に筋委縮を起こす事がある事から、エンテロウイルス説を発表している学者もいる。またライム病原因説を提唱する学者もおり、非常に混乱している。
血縁関係の無い家族や夫婦でALSになっている方の報告から、ウイルス説を支持するようにも思えるが、多くの夫婦がALSに“感染”している事実は見られない。歯科治療のアマルガムなら、もっとALS患者が増えてもおかしくない?
交通事故や転落などによる頭部打撲や手術による影響も考えられる。また、喫煙による脳内血流不足も疑われる。
しかし、これといった確証にはどれも乏しいのが事実です。それにはALS診断が消去法で行われており、確たる診断検査が確立されていない為に、誤診も有り、原因特定の弊害になっています。また、一つの原因で発症する病気ではないのかも知れません。それにALSといっても原因は様々かもしれません。
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米国には約3万人のALS患者がいると推定されています。日本には約4500名と言われています。

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日本にもMND-MLというメールグループがあります。
しかし発言者の大半は、在宅治療者またはその家族がほとんどです。病院療養の実態がまったく見えてこないのは、日本と同じです。

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