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S's 2002




■200205

はじめまして。立岩と申します。
メイルいただきました。返信おそくてすみません。

>「先天的な肢体不自由を持つひとの職業的自己実現を支持する要因」 

この線だと私にはよい考えは浮かばないのですが

☆1

http://www.arsvi.com/l7000000.htm
に「障害者と労働」というファイルがあって
私の書いたもの(少ないんですが)も含めて、
いくつかあります。
「できない・と・はたらけない」
http://www.arsvi.com/0w/ts02/2001043.htm
がわりあい最近書いたものです。
その注1に、私として、調べたらいいんじゃないか
ということを書きました。
つまり、障害者と労働ということを巡って、
とくに障害者当人たちが、障害者運動が、
ここ数十年言ってきたこと、
議論してきたことを追っかけてまとめる
という仕事を誰かやってくれないかなということです。

ただそれはあくまで私の希望です。
(やったらとてもおもしろいと思いますけど。)

☆2

当初のテーマだと、計量的にやっても
あまりおもしろくないような気がなんとなくします。
聞き取りでしょうかね。
上記の「障害者と労働」というファイルから
私が千葉大学にいたときに学生(3年生)が
報告書に書いた文章をいくつか読めます。
それなりに、ですが、おもしろいような気もします。

&☆2:働くことについての当人たちの受け止め方を
まとめるというのは、じつは☆1の路線とそう
距離があるわけではないようにも思います。

とりあえずそんなところです。

あと、「障害学」のメイリングリストというものが
ありますので
http://www.arsvi.com/0l/jsds.htm
それに入ってみて意見をもらうというのも
よいかもしれません。院生、社会人、研究者
いろんな人が入っています。

とりあえずこんなところです。
お役に立てずすみません。
では。

立岩 真也

 

■2002
>「障害者と労働ということを巡って、
>とくに障害者当人たちが、障害者運動が、
>ここ数十年言ってきたこと」

>上記のものについては
>文献等どのあたりあたるとよいか
>よろしかったらお教えいただけませんか。

まとまった本なんかはないと思います。
私の趣味?が(おおいに)入りますが
『季刊福祉労働』
http://www.arsvi.com/0m/kfr.htm
『そよ風のように街に出よう』
http://www.hi-ho.ne.jp/soyokaze/
などの雑誌とか
「差別とたたかう共同体全国連合(共同連)」
http://www.arsvi.com/0d/kdr.htm
等々の組織の機関誌等を思いつきますが
なかなか入手は難しいでしょうね。
私の研究室にはありますが京都ですしね。

以前は東京都社会福祉協議会の資料室(飯田橋)
がある程度役に立ったのですが
なくなったみたいですし。
あと私は、ずっと以前ですが
神奈川県社会福祉協議会社会福祉情報センター(横浜)
(だったかな?)の資料室を使いました。
あと
東京都障害者福祉会館(田町駅から徒歩等)の資料室。

* 指導なさる先生のこのみ?みたいなものもあるだろう
と思います。そのへんは私にはわかりませんので、御自身で
お考えください。

なお、こないだお知らせした論文
http://www.arsvi.com/0w/ts02/2001043.htm
の関連した記述は以下(だけ)です。

 本稿でできないのは、一つに現在の状況の分析と具体的な指針に
ついての検討であり★01、一つに、これまで何が問われ何が主張さ
れてきたのかを辿ることである。とくに後者はこれまであまり記述
され検討されたことがないが、重要な課題だと思う★02。


2) 障害者福祉政策はまず、「職業的更生」を目指す、働けるよう
になるための施策だった。そしてもちろん当人たちも職業的自立を
求め、そのための施策を要求してきた。とともに、そのようでしか
なかったことに対する反発として運動の展開もまたある。完全にな
おってしまうのでなければ(それは障害者でなくなるということで
ある)がんばっても結局一人前にはならない。そして働けるように
なる見込みのない人は取り残される。口と手が動くなら他の人とそ
う変わらずに働くことができる。だが例えば手が使えず言語障害が
きつい脳性まひの場合にはそう簡単ではない。そしてそこでは、で
きるようになるために人より多く支払わねばならない労苦は当然の
こととされ、それが成果をあげなかった時にはそのままに置かれる
〔立岩 2001c〕。だから労働の場からの撤退という路線があった。
働けなくてかまわない、「ただ飯食い」を肯定しようというのであ
る〔安積 1990,pp.28-29〕。と同時に、障害者にしつらえられた
場を否定し「一般就労」を主張する運動があり、さらに「協働」を
掲げ自らが働く場を作ろうとする運動があった。問題の複雑さを示
すこうした多面性を記述しつつ──私自身は〔立岩 1990〕〔立岩
1998〕にわずかのことを記したことがあるだけだ──その上で考え
ていく必要がある。


REV: 20161029
立岩発のメイル
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