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全国「精神病」者集団ニュース 2000.10


last update:20101204


全国「精神病」者集団ニュース 2000年10月
 
  ごあいさつ
 酷暑もいつのことかと、さわやかな実りの秋が参りました。しかし夏の疲れによる体調の乱れや毎年恒例のうつ期に苦しんでおられる仲間も多いのではないかと思います。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 少年法の改悪に続き、巻末新聞記事にありますように、いよいよ刑法の改悪が日程に上っています。少年犯罪と言われるものが年々減少し、少年による殺人も減っているという統計には目を向けようとせず、ひたすら重罰化をもって対応しようとする少年法の改悪ですが、刑法においても重罰化を主な内容とする見直しについて予算請求がなされました。
 6月号ニュースでお知らせしたように私たち「精神病」者に対する「保安処分攻撃」は強まる一方です。そして今、刑法改悪がたくらまれています。現在の保安処分攻撃が刑法上の「保安処分」となるのかあるいはあくまで精神医療の保安処分的強化を目指すのか、権力の意図はまだ不明ですが、刑罰に対しては、本人への不利益処分=国家権力の刑罰権という発想の下で、その重罰化あるいは刑法上の保安処分に抵抗することはできても、精神医療=医療=本人の利益になるよいこと、という発想の下では、私たち「精神病」者に対する精神医療の保安処分的強化にあらがうことはできません。少なくとも「本人の利益になること」を本人以外が判断し強制する体制の下では、強制医療を前提とした社会防衛のための精神医療を強化することを正当化する議論しか生まれません。
 そしてよりよい福祉を、地域での医療をという声すら、地域での「精神病」者監視網強化へと動員されかねない状況が今あります。福祉・医療の充実と管理はコインの裏表です。福祉国家こそ優生思想に基づく強制不妊手術の発祥の地です。戦前の日本で「精神病」者の組織的大量虐殺がナチス体制下とは違って行われなかったのは、ひとえに福祉と精神医療の不充分さゆえであったと思います。医療にも福祉にも縁のない「精神病」者が大量に存在したので、登録そのものがなく、組織的虐殺をしたくてもできなかったのです。そして現代日本では?
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北から 南から 東から 西から
投稿
  佐賀 K.I.
 わたしは障害者・市民・専門家が人と情報の交差点をつくり、精神障害者も暮らしやすい街づくりをしているKという団体に所属しています。
 いつも思っていることはただ一点です。それは地球上から電気ショック療法を廃絶したい。そうならなければいけない。この一つのことも共に考える仲間もいないし、共に語る仲間もいないし、共に語るものもいません。
 全国の電気ショックの被害者の皆さま。この一点に絞って考えて見ませんか。一八歳の急性期にショックを受けた者が生きている内にすることは、これだと思っている者です。現在四九歳です。
 
沖縄を思う
  愛知 ASKA
 今二一世紀を迎えようとして、今年開かれたサミットの土地として選ばれた沖縄を思う。
 沖縄というところは、独特な土地柄であると思う。
それは、今は日本の一つの県であるが、古は、琉球国という立派な独立国であったと聞く。それを日本が侵略して属国にしたのだ。
 でも、今の日本人は誰もが沖縄をアメリカから返還されたので、日本であるという。では本当に日本なのであろうか。
 返還される前の戦時中には、沖縄県民は、ひどい殺戮を受けたにもかかわらず、我々の先人は見捨ててきた。そのせいもあろうが、沖縄の人々は、沖縄以外の日本のことを本土と呼んでいるような気がする。
 そして戦後はどうであろう。同じ日本なのに、アメリカの基地のほとんどがあの広さの沖縄に集中している。
 そして、その軍人たちの不祥事に苦しんでいる。
 日本国民が、沖縄を、本当に日本だと思うならなぜそんな不自然さに気がつかないのであろう。同じ日本なのに、戦前、そして戦後と、こんなにも同じ日本の地域をつらい目に合わせ続けてよいのであろうか。
 これはまさしく日本人の沖縄に対しての差別ではないであろうか。
 付け足せば、大橋巨泉さんは、沖縄には、基地がなくなるか、独立するまでは行けないといわれた。なぜならば、どの面下げてあんな思いをさせたところへ行けるだろうか。そして私の知り合いは、沖縄で、会合があったとき、そこの人々に、先人たちがひどいことをしました、とおわびをしたということである。
 これからは、今までにしてきたような差別を沖縄へしては行けないのではないであろうか。そして、今までしてきた差別を償わなくてはならないのではないであろうか。
 
文通希望
  岐阜 伊藤眞一
 全国「精神病」者集団スタッフのみなさん初めまして。貴社に入会したのはちょっと個人的にいって忘れましたけれど、私は入院中から障害年金を受給して生活しているものです。私たち仲間の方々にも、自分と同様な方はいらっしゃると思います。そこで私は自分同様な方と文通を希望します。
 希望相手はできれば県内近県ですが、老若男女を問いません遠方の方でも結構です。交流を希望します。
気軽にお便り下さい。よろしくお願いします。
住所 郵便番号 五〇八ー〇〇三三
   岐阜県
   中津川市大田町三ー六ー二三
   伊藤眞一
年齢 五〇歳

 
病者運動を思う
  愛知 ASKA
 私は、名古屋の患者会の者です。
 私は、理論家ではないので難しいことは何も分かりません。だからこのニュースを読むとき、「反全精連」云々ということになるとうんざりします。
 なぜ同じ病者同士がいがみ合わなければならないのでしょう。本筋でいえば私たち病者の敵は、私たちに無理解な健常者ではないのですか。だったら、同じ病者同士で手を取り合い、支え合いながら、私たちの生きやすい社会にしていくために頑張るのが本当じゃあないのでしょうか。
 私たちの病気は、本当に苦しいのです。だから一人ぼっちという孤独が大変つらかったりするのです。だからお互いの助け合いが大変大事なんです。社会の差別や偏見は大変なものです。なのに同じ差別を受け苦しんでいる病者同士が、敵対していては、健常者にどう思われるでしょうか。病気がしんどいときは、何も手に付くどころか、死と隣り合わせなんではないでしょうか。
 だからそのことが分かり合える同士、助け合わなければならないのではないでしょうか。
 人とは、生きていくということが一番大事なことではないですか。だったら最小限のこと、私たちは生き抜きましょう。そして、生きていくための障害となる差別をなくすことに、みんなで協力し合ってやっていくのが病者運動ではないでしょうか。
 
投稿の呼びかけ
 一人暮らしをしている仲間から、以下の問題提起がありました。
@一人暮らしの中で食事作りなど家事労働についてどう取り組んでいるか。
A孤独さについてどう耐えているか
B精神病以外の病気になったとき、どのように対処しているか(一人で寝込んでしまったときなど)
 全国には一人暮らしをしている仲間が多いことと思います。この三点に限らず一人暮らしで直面している困難な点、あるいは私はこうしたら解決できた、という例などご投稿いただきたいと存じます。
 このテーマは普遍的な問題ですので、継続して投稿を呼びかけたいと思います。
 
お手紙から
  東京 I
 前略、グループホームでの生活について、報告します。
 私は東京都八王子市で精神病の治療をしていました。
 ある日、勤務先から、東京都府中市内の精神病院へ入られました。そこで、入院加療している内にお金がなくなり、生活保護を病院でとりました。住民票も病院の住所で取りました。そうこうしている内に、病気の方がよくなり、完治していませんが、主治医より退院の話が出ました。ケースワーカーからは、これからも、府中市内で住むかと聞かれ、府中に住むのであればグループホームを紹介すると言われました。
 それで、府中市内であれば、場所や設備を選ぶことができませんでしたが、市役所や生活保護の援助をうけてデイケアや作業所に通ってリハビリに頑張っています。
 病院がなぜ、府中市内のグループホームなのかよく分かりませんが、府中市内には、三カ所のグループホームがあります。運営団体は一緒です。それぞれのグループホームに世話人が一人います。その日のスケジュールにもよりますが、おおよそ、朝九時から、午後五時まで常駐しています。月曜日から金曜日まで、デイケアや作業所、就労のため面倒を見てもらっています。
 必ず一日一回は、世話人さんに顔を見せています。都合等により、顔を見せられないときは、声かけがあります。
 私の入居している建物は、ワンルームマンションの各階三部屋の五階建てで、一五部屋ありますが、その内、一階と二階がグループホームとなっており、東京という土地柄、三階から五階は学生向けマンションとなっています。
 その内、一階の一部屋が世話人さんの事務所となっており、相談や何かの用事の時は、事務所によっています。部屋は、ほぼグループホームの部屋の大きさと同じつくりとなっています。この部屋は、世話人さんのいるときは、自由に見学できます。
 ワンルームマンションとなっていますので、部屋は場所によって多少大きい小さいはありますが、六畳くらいの床にトイレと風呂とキッチンが独立しています。家事等を行ったり、風呂を使うとき等は万一のことを考えて、電磁調理器や給湯器による温水となっております。
 狭い部屋となっておりますので、一人一室となっております。
 ほぼ月に二回ほど、イブニングケアとして、夕食を世話人さんと、入居のメンバーと一緒に雑談しながら食べます。会費として一回三〇〇円ほど負担しています。賄いはありませんが、近くに飲食店がままあるので外食したり、近所のスーパーで買い物をしてきて自炊しています。
 そのほかに、市内にありますグループホームや共同作業所と共同で、月に一回調理実習があります。
 家賃は、生活保護の場合は、法律で決められた金額五万三千五〇〇円に個人で負担する共益費三千円です。
この家賃は府中市内のグループホームでは同じですが、病気の良くなった後のことを考えると、マンションで、この金額で、貸してくれる所は、まずありません。よくよく感謝して使わないとバチがあたりそうです。後、残るのが生活保護の日用品費です。今、東京の銭湯は、四〇〇円します。風呂がなければ入浴券が月に何枚か出ますが、そうでない場合、本当に高い出費です。その分も感謝して使わないともったいないです。私は幸い精神障害者手帳の二級をもっています。それで少し加算がつきます。今、一週間に二万円使うようにしています。それで少しかもしれませんが、楽しく使っています。
 早く健康になってできるだけ早い社会復帰をとめざしています。
 それではまた、世話人さんからもらったパンフレットを同封します。役に立ったら使って下さい。
 
お手紙から
  福岡 I
その一
 ・・・・・略・・・・・・
 本日貴社からニュースが届きまして、読ませていただきました。読後、うかうかしていられないと、早速、お便りをしたためることと致しました。
 およそ一ヶ月前、五月三日から四日の末期に起きた九州のバスジャック事件。ゴールデンウィークの初日、事件は死傷者までだす大惨事となりました。結果的には広島県警の作戦が、成功して、ちらつかせていた凶器の包丁は取り上げられ、人質となった小学一年の女の子も無事救出され、末期午前五時過ぎ、事件は解決しました。
 その成り行きを見守っていたわたしは途中から嫌な予感がしていました。「もしかしたら、この犯人は精神障害者ではないだろうか。そしてまたそのことだけがさも重大事のごとく喧伝されるのではないだろうか」。予感は的中した。午前三時頃だったろうか、「犯人の少年は、精神病院から外泊中でした」と、コメントが入った。果たして、あえて、その少年が、精神病者であることを言う必要性があったのであろうか。精神病に疎い環境にある人々にとって、それは「精神病者恐ろしい」「だから精神病院に閉じこめておく必要性はある」という印象を与えたのみだったと思う。それは今盛んに法案が強化されようとしている強制移送の問題であったり、さまざまな私らが、院外で生活するにあたり不都合さを増長させるにもってこいのイメージの固定化を狙うものであったと思う。その後、少年が精神病院にいたこと、およびその前後のことがさまざまなニュースソースとなってマスコミはおもしろおかしく書き立てた。
 ねらいのポイントはーー精神病者は恐ろしいーー我々、時々は病院に入院しながらも何とか壁のこちら側で生活している者にとっては、何とも肩身の狭い思いをさせられる。それでもわたしの住んでいる土地は四〇年前から約二〇年ほど、近くに精神病院があり、大人しい患者さんたちは、子どもたちと一緒に過ごす散歩の時間があり、地域の理解は進んでいた。そんな中を経験した人たちは、今、少なくなっていると思う。それゆえ、精神病者に大使、政府マスコミの作り上げた「恐怖心」をあおられるのである。ーー精神病者は恐ろしいーー
 話を元に戻して、果たして「犯人の少年は、精神病院から外泊中でした」という必要性はどこにあったのだろう。もしも、犯人が健常者であったならここまでマスコミは報道しなかったと思う。
 この場酢(ママ)ジャック事件は他にもいろいろな問題提起をしてくれたが、今回は「報道のあり方」を問題にしました。後日また、他の提起された問題についてもまとめたくもいます。
 ・・・・・・・後略・・・・・・・・
 平成一二年六月一二日
 
その二
・・・・略・・・・・・
 先日は赤堀さんの資料ありがとうございました。この赤堀さんもまた、障害者差別の、例外なき被害者ですね。第七章にもありましたように、私たちもまた、シャバの「障害者」とりもなおさず「精神障害者」として、いつ「役に立たない者」、「危険な者」として、地域からはじき出されるかもしれない危険性をはらんでいます。しっかり見守ってゆかなければなりません。また、赤堀さんのことも、「障害者」差別への闘いを見つめてゆきたいと思います。
 さて、今日は普遍的な問題提起として出されていた「一人暮らし」の食事のことなどつづってみたいと思います。一人暮らしの食事には、カレーライスを食べたいときには、レトルトカレーが便利かとも思いますが、その時に市販のかレールーも買ってきておいて鍋にあけ、牛乳を少し加え、それからカレールーを一かけ加えると、こくが増して、ひと味違ったものができあがります。
 またスーパーをよく眺めていると、結構一人用の食料もある者で、わたしは今、固形のインスタント卵スープと一杯ずつになっているインスタントみそ汁を汁物に利用していますが、便利です。
 また、これから夏に向けて、ご飯が腐りやすいですが、炊くときに酢を少し加えるとよいです。いずれにしても一人はとかく不便なもの。近くに、同じ病院の人が、二、三人いたら一緒に作ったり食事をしたら楽しいかもしれません。食べることは、生きてゆくことの大前提ですので、しっかり摂りたいと思います。
・・・・・後略・・・・
二〇〇〇年六月二七日

その三
・・・・・略・・・・・
 先日新聞を読んでいましたら、「精神異常者表記の傍聴規則」という見出しで、福岡県議会が、三三年ぶりに表記を改める旨の記事が載っていました。それによると、県議会事務局は、今まで傍聴券を交付しない相手として「精神異常者と認められるもの」を表記していた部分を排除し、同じく職業記入欄も削除することを決めたというものです。
 「精神異常者」という差別表現が、人権を侵害しているのは明らかです。こうした表現をしているのは福岡県だけだとも書いてありました。こうした差別表現が、三三年もの間何ら問題にされることもなく放置されていたこと事態、問題だったと思います。今度削除されることとなり、よかったとは思いましたが、これはまことにゆゆしく遺憾なことだと思いました。以上が新聞に載っていた記事に対する感想です。
 話は変わりますが、私の友人の通っている病院は、外来患者に、OT(作業療法)に一週間の内四日間来ることを強制し、また一週間に一度、つまり月に四日、訪問看護と称して、患者の家を訪ね、本来なら客を迎えるという社会の感覚を指導するべきであるのに、上がり込んで、つまらない雑談をして、挙げ句の果てには、「いつもインスタントコーヒーしか飲ませてもらえないからこの次来たときはコーヒー豆のコーヒーだして」といわれたそうです。
 週に四度のOT、あと一日は訪問看護と診察。つまり一週間に六日も病院に煩わされなければならないのです。まるでおつとめしているOLのようです。その友達は、人がいいし、また病院側もそれに従わないと入院させるといったようなニュアンスで話すものだから、きついのを我慢してしたがっていましたが、あまりのきつさと自分のことが何もできないと悲鳴を上げ、わたしに相談してきました。そこで、本人がOTも訪問看護も自分には必要ないと話すようにアドバイスして、そのように病院側に話すと、今度はそれなら入院しなさいとの主治医の話。全くお話にならないと、入院は拒否して、何か言ってきたら、保護者の人に理由を説明してもらいなさいと言うと、そのようにして入院は免れ、OTも訪問看護もなくなり、本人はやっと自由になれ、きつくもなくなったと喜び、念願だった聖書研究会に行けるようになりました。
 こんな病院側の体制にはただただあきれるばかりです。それも県立病院でこの有様です。本当に患者の側にたった看護とは、心やすけらく毎日が過ごせるようにできるだけゆったりとした日々を送らせるよう指導することではないでしょうか。友人のケースを通してそんなことを考えました。
 今日は以上の二つの話をしたくてワープロをたたきました。長くなりましたが今日はこの辺で。今年は暑さがことのほか厳しいようです。ご自愛下さい。
  かしこ
二〇〇〇年七月二二日
 
窓口から
☆八月例会報告
参加者 P、けん、山本
 Pさんは二度目、けんさんは全国「精神病」者集団の私設ホームページ(表紙下参照)を運営している方で、初めての参加です。
 事務局からの提案議題はなく、特別に決まったことはありません。以下メモを取っていなかったので記憶違いもあるかもしれませんが、山本の記憶に基づく報告です。
 Pさんからは地域の「精神病」者向けのサービスが全て家族会ボスによって握られており、そのボスとまずい関係になるとすべてのサービスからはじき出されてしまう。人間関係そのものを切られてしまっている状態で、こうした状況で地域の患者会をどう作っていくのか経験を聞きたいということでした。
 けんさんは措置入院で一年足らずの入院体験があるが、今は医療とも縁が切れ仕事もしているので恵まれていると思うとのこと。全国「精神病」者集団がどれくらい権力から監視されているのか知りたい。ホームページ運営をしているが自分の防衛にはどうしたらいいか、などが話となりました。またホームページを運営していて、かなり差別的なことを言ってくる人たちもいるが、自己防衛しながら、ていねいに話をしているといったこと、中でも「精神障害者とはいつでも離婚できるように法律上なっている。精神障害者は病歴を隠して結婚すべきではない」などというメールも来ている、という報告もありました。テレビコマーシャルでの「精神病」者差別やNHKの番組での「精神病」者差別に対して抗議を行った報告もありました。一つ一つにていねいに対応して抗議していくことは大切ではないか、という提起をされました。
 各地患者会の経験のある方でPさんに何かアドバイスのある方は窓口までお手紙下さい。ご本人に転送させていただきます。
 
☆例会予定
一〇月例会
一〇月二一日(土) 夕食を食べながら交流
   二二日(日) 会議
 一〇月は一日が第一日曜日ですので第三土曜日と第四日曜日の組み合わせになりますのでお間違いのないように。
一二月例会
一二月二三日(土) 夕食を食べながら交流
   二四日(日) 会議
 場所はいずれも京都事務所です。ニュース読者の「精神病」者はどなたでも参加できます。「精神病」者以外の方は参加できません。私書箱にお手紙下さるか、電話、ファックス、メールを下されば、場所案内等をご連絡いたします。お手紙でご連絡下さる方は必ずお電話番号をお書き下さいませ。日付がせまっている場合は電話でご連絡下さるようお願いいたします。担当者の都合で流会となる場合もありますので必ず御連絡の上ご参加下さいますようお願いいたします。
 
☆掲載したチラシについて
 カルテは誰のものか、カルテを見る権利、というのは日本では長らく問題にされており、カルテ開示の法制化が求められてきました。法制化に反対している医師会は、代替案としてガイドラインをつくり、自主的にカルテ開示の方針を出しました。したがって原則として患者は自分のカルテを見ることができるようになりました。
 まだまだいろいろな問題(コピー費用、例外的に開示されない場合があること、あるいは開示自体の位置づけなど)がありますが、自分の情報は自分でコントロールすること、自分に関する情報を知っておくこと、などのプライバシー権としては大きな意味があるでしょう。
 精神医療の場合カルテ開示以前の問題が大きすぎて、カルテ開示で即何かが変わるわけでもありませんし、またカルテを見ても薬の名前くらいしか書いてない場合も多いかと思いますが、一つの情報としてご参考までに「患者の権利法をつくり会」のチラシを掲載いたしました。なおこの会には全国「精神病」者集団として参加しているわけではありませんので、このチラシに関するお問い合わせは直接「患者の権利法を作る会」までお願いいたします。
 
☆窓口入手資料
@「週刊金曜日」九月一日号
 全国「精神病」者集団ニュースが紹介されたため、五部寄贈を受けました。送料のみでお送りいたします。
 お申し込み多数の場合は先着順か抽選とさせていただきます。
A日本精神病院協会雑誌 二〇〇〇年八月号
特集「移送制度の現状と問題点」
 精神病院側からの見方ですが、各地の状況がうかがえます。
B日本精神病院協会雑誌 二〇〇〇年九月号
特集 報道機関へのアンケート調査
C精神病院の人員配置構造等についての記者会見資料
 医療法の改正に向け、精神病院の設備や人員配置基準についても「見直し」するかどうかという議論がされています。「公衆衛生審議会精神保健福祉部会 精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会」での議論によると、「精神科特例」をどうするかについて意見が割れており、「特例廃止が必要」とする以下の委員池原毅和(全国精神障害者家族会連合会常務理事)、伊藤哲寛(全国自治体病院協議会常務理事)、岡谷恵子(日本看護協会専務理事)、金子晃一(日本総合病院精神医学会理事)、末安民生(日本精神科看護技術協会常任理事)および参考人として専門委員会で発言した山本深雪(大阪精神医療人権センター)、小林信子(東京精神医療人権センター)「精神病」者の広田和子の各氏が記者会見を行いました。その資料です。
 強制的に入院させておいて、他の科より医者も看護士も少なくてもいいという精神科特例が、来世紀もこのまま続くというのが今の力関係のようです。もっとも記者会見した委員たちも「病棟機能分化(=少ない人手を病棟の機能分化することでやりくりする。たとえば「慢性」とレッテルを貼られた患者には医者や看護は少なくていい)」を前提とした議論をしており、抜本的な精神医療改革のビジョンを提案しているわけではないのですが、この財政事情ではやはり治安を目的とした「特別病棟ないし特別病院」案を出さなければ金は持ってこれない、という議論がまたぞろ出てきそうで山本としてはおびえています。インターネットでも読めます。
http://mil net.org/index/htmlこちらです。
D第六九回日本精神神経学会(一九七二年)総会シンポジウム記録「いわゆる精神病質について」
シンポジスト 西山詮、小田晋、武村信義、逸見武光、青木薫久
 二〇年近く前のシンポジウムですが、ここで議論されていることは、今の状況での「人格障害」概念を考えるのに参考になると思います。
E「心の健康づくりーー平成一二年四月から精神保健福祉法がかかわります」厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課発行
 精神保健法の「改定」内容および移送制度についての厚生省の出したパンフです。
 全国の保健所に配っていますのでお近くの保健所で要求すれば無料でもらえますが、必要な方には送料のみでお送りいたします。若干部しかありませんのでお申し込み多数の場合は抽選か先着順とさせていただきます。
F一九九九年厚生科学研究「精神障害者の他害行為への対応とその防止に関する法政策の研究」主任研究員辻伸行(上智大学法学部教授)
 この版下作成時点でまだ入手しておりませんが、入手できる予定です。題名からして非常に危険な内容と判断しております。ニュース六月号ので報告した「精神医療事故の法政策的研究」班の九九年度の研究のようです。この研究班は三月に欧州数カ国の「触法精神障害者」対策の視察に行っています。
 いずれの資料もメール、ファックス、電話、あるいはお手紙でお申し込み下さいませ。資料発送時にコピー代送料実費をご請求いたします。
G『赤堀さんは無実だ 差別裁判糾弾 完全無罪を』
 一九八九年一月三一日の無罪判決前の古いパンフですが、赤堀さんの事件概要と事件の本質がよく分かるパンフです。まだ残部ありますので切手九〇円分を同封の上私書箱までお手紙でお申し込み下さいませ。
 
長野英子講演のお知らせ
福岡県久留米市のピアくるめ(久留米市障害者生活支援センター)主催で、ケアマネージメント研修の一環として講演があります。一般参加も可能です。
 日付 一一月一九日(日)
 場所時間などは未定ですので、主催者にお問い合わせ下さいませ。
 ピアくるめ 電話〇九四二ー三六ー五三二一
 
窓口係山本入院予定
 窓口係の山本は一一月二五日ぐらいから三週間ほど入院しますので、その間お手紙等へのお返事ができかねます。よろしくご了承下さいませ。
 
全国「精神病」者集団機関誌「絆」販売
 全国「精神病」者集団の機関誌「絆」はこの一〇年以上発行されておりませんが、全国「精神病」者集団の歴史を知るにはいい資料です。この国の「精神病」者の闘いの歴史の一端を知るためにお読みいただければ幸いです。
 ご希望の方は私書箱に手紙でお申し込みいただくか、メールでお申し込み下さいませ。発送時に送料(一九〇円から二四〇円)と代金をご請求しますので、郵便局でお振り込み下さいませ。それぞれ定価の他に送料がかかります。
一九七七年第三回「精神障害者」全国総決起集会基調
                 定価二〇〇円
一九七九年第四回「精神障害者」全国総決起集会基調
討論資料             定価五〇〇円
「絆」第三号 一九八〇年発行 定価四〇〇円
「絆」第五号 一九八一年発行 定価四〇〇円
「絆」第六号 一九八一年発行 定価四〇〇円
「絆」第七号 一九八一年発行 定価四〇〇円
「絆」第八号 一九八二年発行 定価四〇〇円
「絆」第九号 一九八四年発行 定価四〇〇円
「絆」第一〇号 一九八五年発行 定価五〇〇円
100年ぶり刑罰見直し
 
法務省方 針 懲役上限引き上げ焦点
 一九〇七年(明治四十)年に作られた現行刑法の刑罰の軽重などをめぐる論議が続いているため、法務省は二十九日までに、現行の刑罰全体を見直す検討作業に入ることを決め、来年度予算の概算要求に四百五十万円の調査費を盛り込んだ。
 有期懲役の上限引き上げなどによる刑罰強化や死刑と無期の格差を埋める措置、規制緩和で増加が予想される企業犯罪の量刑などが課題となる。刑法が約百年ぶりに大幅改正される可能性が出てきたが、厳罰化とその影響が大きな論議を呼びそうだ。
 法務省などによると、見直しの課題となる刑罰強化の背景には、殺人事件などで「被害者感情からみて刑が軽すぎる」「明治時代に定めた量刑では平均寿命が延びた現代に合わない」などの指摘がある。
 具体的な焦点は、有期懲役の上限が現行の十五年(複数事件で有罪の場合、最大二十年)のままでいいのかどうかの点。有期刑より重い刑の無期懲役受刑者が、仮出所までに平均約二十年間服役しているのも、上限十五年が影響している。
 無期懲役と死刑との格差は、地下鉄サリン事件の主要被告の判決が、死刑と無期に分かれたことなどから論議が高まった。
 法務省は終身刑について「矯正につながらず刑罰として適当でない。(仮出所の希望がなく)刑務所での処遇も容易でない」(刑事局幹部)と否定的。
 しかし、現在十年服役後に検討される仮出所の要件や厳格化や、有期懲役の上限を引き上げれば、仮出所までの服役期間をそれより長くする必要などから、実質的な無期懲役の強化は可能との意見がある。
 公害や行政当局への虚偽報告などの企業犯罪は、行政指導などを前提とした量刑になっているため、規制緩和後の見直しが必要とされる。
 
 本の販売
 以下の本・パンフを郵送で販売いたします。
※『精神医療ユーザーのめざすものーー欧米のセルフヘルプ活動』
メアリー・オーヘイガン著 長野英子訳 中田智恵海監訳
解放出版社 1800円プラス税90円
著者はニュージーランドで初めて患者自身による既成の精神医療体制に代わるサービスを発足させた方。「精神病」者解放闘争の理念および患者会の運営について、実践に基づき論点を整理したとても参考になる本です。
郵送料無料でお送りいたします。1890円を郵便局でお振り込み下さい。
書店で買うより郵便振替手数料70円分高くなります。
※『赤い鳥を見たか ある「殺し屋」の半生』
飯田博久・飯田裁判を考える会著 現代書館 1500円プラス税75円
電気ショックの恐ろしさそしてまるで入念に仕掛けられたワナのような精神医療により、追いつめられていく飯田さんの人生。精神医療告発の書
こちらは郵送料もいただきます。郵送料含め1885円を郵便局でお振り込み下さい。
※『精神医療』フォービギナーシリーズ
長野英子著 現代書館 1200円プラス税60円
精神医療の実態そして精神保健福祉法の本質にせまる本です。
こちらは郵送料もいただきます。1570円を郵便局でお振り込み下さい。
※「精神保健福祉法の撤廃と精神障害者復権への道」
久良木幹雄著 オープンスペース街発行
300円送料130円 計430円
精神保健福祉法撤廃、そしてそれに代わる精神障害者復権法の提案
素晴らしい内容です。ぜひご一読を
※「オランダTBS資料およびフィンランドの危機サービス資料」
オランダの保安処分TBSの当局側資料、および施設入所者のための案内
フィンランドの1日24時間1年365日の危機サービスのチラシ
英文と邦訳
1000円 送料270円 計1270円
なお会員の「精神病」者で邦訳文だけでいいという方はコピー代送料実費でお送りいたします。
 手紙で私書箱まであるいはメール・電話でお申し込み下さいませ。本を発送する際に送料と代金をご請求しますので、同封の振替用紙でお振り込み下さい。


*作成:桐原 尚之
UP: 20101204 REV:
全文掲載  ◇全国「精神病」者集団 
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