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全国「精神病」者集団ニュース 1981.6



全国「精神病」者集団ニュース 1981.6

初夏を思わせる昼間の陽射しに比べ、夜は心地よい涼風が吹きぬけ、事務局の裏の方には、ホタルが飛びかいあやしい光を放つこのごろですが、梅雨のなかで雨にぬれた紫陽花が色あざやかに悲しげに咲き、もうすぐ初夏の訪れをつげ知らせる季節になりました。
先号のニュースでは、20名近くの病者の集まりをもって連絡会議が行われた報告ができませんでしたが、今回は、前回の報告も含め、特に赤堀さんからかけられた仙台拘置支所の上申書宅下げ妨害―再審闘争の圧殺、三里塚被告の要請のあったアピールの発送禁止という断じて許すことのできない弾圧。又、植樹祭等を通しての天皇の政治の前面への登場。刑法改悪―保安処分攻撃の一挙的強まりの中で、これらの闘争にむかう反動的攻撃の中で、私達にはこれらの攻撃を打ち破るための決定的な力が必要とされています。今こそ全国の仲間と共に、この攻撃を打ち砕くためがんばりましょう。

事務局からの報告
@ 一般カンパ3千円が寄せられました。ありがとうございました。
A 電話は午後6時から午後10時までの間にして下さい。最近、特に時間に関係なく電話がかかってきて、睡眠妨害、事務妨害になり、病状(事務局員)にも影響します。緊急時以外はなるべく午後6時から10時までにお願いしたいと思います。
B 書記、教宣の負担を軽くするため、連絡会議参加者は、当日までに参加できない場合の地域活動報告は、毎月第4土曜日までに事務局に必着するようお願いします。なお活動報告は原稿用紙2枚程度にまとめてもらえれば助かります。
C 「病」者集団ではファックス、輪転機を購入して活用していますが、しかし事務局には置く場所がなく、0の会の「みんなの家」に置き、そこで印刷をすることになりました。みんなの家の半分を使用することになりましたので、みんなの家の家賃の半額(7千5百円)を負担することになりました。了承して下さい。
事務局体制について
現在事務局体制を担っているのが事実上一人の状態です。事務局が0の会にほとんど集中している中で、再度事務局体制について討議されました。
@ 事務局員の任務が適しているかどうか。再度任務を鮮明化させ、事務局員の再編成を考えてゆきたい。
A そのため現在事務局を担っている各事務局員は、最低「病」者集団の会議にでることができるか、できないかだけの連絡をお願いします。(もちろん連絡できないほど病状が悪化している時はこの限りではありません。)
B 各病院、患者自治会、入院している仲間と共に「病」者集団があることを常に忘れることなく、共に活動できる方向性を追求してゆきたい。
※このような中で、事務局員の休養、事務作業の集中的な整理を行うため、赤堀中央闘争委員会の会議と、「病」者集団の会議のある前後2日は、TEL・事務局への訪問をひかえて下さい。

4月の連絡会議の報告(要約)先月号に掲載できなかった部分です
4月は4月24日の救援連絡会議主催のシンポジウム"保安処分"4月25日百人委員会等の主催の刑法改悪を許すな!全国集会の後、全国各地から集まった20名近くの仲間の参加をえて行われました。
赤堀氏奪還にむけて、刑法をめぐる情勢と日弁連の協議路線弾刻、奈良天皇植樹祭の闘う方針の提起のあった後、各地域からの活動報告が行われました。
@ 3月ジェット燃料貸車輸送阻止!の大ストライキを自らの組織の命運をかけ、首をかけて打ち抜いた動労千葉に対する史上空前の不当処分に対する1億円の基金カンパ活動の取り組み、動労千葉の労働者との交流会の報告。
A 精神病院の中で死んだ仲間の死因究明や、地域で支えあいながら共に患者会活動をやっていく上での町内会や行政、警察一体となって事務所立ちのき要求との闘い。
B レクリエーションとして花見をやり、仲間同士の交流を深めたことや、赤堀さんの獄中での誕生日(5月18日)へのプレゼントを向にしたらよいか。又、例会で必ず寄せ書きをし、赤堀さんを激励している報告。
C 「病」者の生活基盤を確立するための闘いや、孤立し、絶望している仲間と共に家族問題も含めて、解決の道をさぐりながら患者会活動をやってゆきたいという報告。
D 刑法改悪阻止、保安処分新設阻止にむけて法務省に屈伏する日弁連主催の3・7西日本パネル粉砕闘争を闘い、継続的に刑法と闘う戦線をつくっていく決意と、各地の学習会の報告。
E 4・25刑法改悪を許すな!全国集会に東京の多くの仲間を誘って集会に参加したことや「障害者」解放運動を闘うなかで、自ら女性として「女性解放」の闘いを進めたいという決意。
F 京都十全会の解体闘争の取り組みと、「病」者も含めたディスコ大会をやった報告。
G 三里塚闘争や狭山闘争を闘い、自ら「精神障害者」であることを名乗って、赤堀闘争への決起を訴えたいという決意などがのべられました。
以上、様々な報告や提起がありましたが、時間がなく充分討論できなかったのが残念です。しかし、何よりも20名近くの仲間が全国から参加して、連絡会議をもてたことの意義を確認し、地域で各地で取り組んでいる、あらゆる闘いを「病」者集団の活動の方針にまでまとめあげてゆかなければならないと思いました。最後に全員が赤堀さんに寄せ書きをし、時間がないのを残念がりながら会議を終えました。

再び、事務局より
☆ 保安処分新設阻止にむけて
患者の立場から(裏面はイラスト)全国「精神病」者集団の情宣ビラができました。
@ 入用の方は事務局まで申し込んで下さい。ただし、1枚2円+郵送料をいただきます。
申し込み先 「病」者集団事務局
〒457-0014
名古屋市南区呼続町7の76 健幸荘A301 大野方
A 刑法改「正」・保安処分に反対する百人委員会の申し込み書の必要な方は、事務局まで申し込んで下さい。(会費一ヶ月500円)
B 刑法―保安処分反対署名用紙(一枚10名)を各地で取り組んでいただきたいと思いますが必要な方は事務局まで申し込んで下さい。
赤堀さんへの誕生日プレゼント
文具  ¥2540
現金  ¥6000
切手  ¥1200
郵送料 ¥1950
計 11690
全国「精神病」者集団からのプレゼント
以上を5月18日(52才)の赤堀さんの誕生日に
プレゼントとして送りました。


地域活動報告
・ 神奈川のOさんから
この日本の北から南から自殺、一家心中のニュースを聞きます。其の人達は色々と家族の関係(社会)にきっと生きる自信がなくなったのかもしれません。其の中には障害者が多数です。死に追いやったのは国家の管理行政です。この人々を世話する社会、まわりの人々も大変そうです。障害を持つ事はまわりの人々の手を借りる事がより多いに違いありません。私も障害者ですが生きて行く勇気、自信を持ちたいと思います。この日本、北、南から助け合い頑張って居る人だってたくさんいます。この世の中の差別をなくして社会に障害者、体の不自由な人々の設備はまだまだ足りません。設備は足らないけれど世の中の人、まわりの人の差別、ヘンケンの目がなくなる事が第一、何とかお互いに連絡、協力し合って行ける世の中を作るために私も頑張り、努力したいと思います。
お互いに助けあい致しましょう。自由・明るい世の中にする為に。
自由には責任が伴い、自由の信頼が出来ないのです。自由が強調され、責任を忘れて居るのではないでしょうか?
0の会⇔愛知
○昨年8月26日、奥野法相の発言以来、急速に高まってきた、刑法―保安処分新設の動向に対し、0の会では、4月19日、第5回目の「保安処分」の学習会を行いました。
京都の患者仲間2名の応援参加をえて、精神科医Y氏を講師にまねいて14名で終始なごやかに行われました。これを契機として闘いの高揚を作りだしたいと思います。
 ○4月24日、救援連絡会議主催の"保安処分"阻止のためのシンポジウムに参加。
 ○4月25日、"刑法―保安処分と闘う百人委員会"の春季闘争に0の会から53名参加。
 ○5月18日の赤堀さんの誕生日に行われた宮刑集中面会に0の会メンバー、Iさんが参加し、19日〜21日まで連続的に面会し、激励を行いました。また些少ですがプレゼントも行いました。
☆ 赤堀さんの生き証人、岡本佐太郎さん捜しを以下の通り行いました。
イ)愛知県内、34精神病院に岡本さん捜しのビラと依頼書を添付して調査しました。
ロ)岐阜県、愛知県の電話帳から岡本さん捜しを行いましたが、該当者は見当たりませんでした。
ハ)日雇用労働者の知人に寄せば一帯をさがしてもらいました。
ニ)岐阜県、愛知県の拘置所、刑務所も調査対象としています。
ホ)その他、弁護士・新聞社・知人・労働者・議員などにも岡本ビラを配布し、調査依頼しました。
 ○0の会事務局員は、総勢で7名、それぞれ担当が決められていますが、この間、決められている事務局会議が開かれていないため会が混乱。今後定期的に事務局会議を行い、0の会の方針、運営、学習会を緻密に行うことを再決定しました。
○百人委員会の署名活動に連動して、各個人会員が、積極的に署名取りに、働きかけています。
○I精神病院の医療従事者に保安処分オルグ署名の働きかけを行い始めています。
0の会は、「病」者集団事務局と併合したところであるため、人の出入りが多く、又電話も頻繁にかかってくるので、組織的に少し「規制」する必要を感じています。0の会「病」者集団相方の話し合いで、「病」者集団の円滑化をはかる必要を感じています。
・ルナの会(富山)
 ○1月に「病」者自身の団結を作ろうと出発してからまだ数ヶ月しかたっていませんが、患者会運動の深さをかなり感じてきている段階です。
4月19日に初めて全体会をもってそれまで散在し、孤立化に追いやられていたのを打ち破っていこうと、そのエネルギーだけはみんな強く確認し合ってきています。
例会は、月2回をもって、各人の状況なり感じている問題などを出しあってきています。
 ○5月17日には、赤堀学習会を行い、入院と就職、地域の人間との関係など話し合いました。赤堀さんへの寄せ書き、誕生日プレゼントも送りました。赤堀さんから返礼が送られてくるとの事、喜んでいいのやら・・・。
5月30日には、赤堀公開学習会を、「身体障害者」支援者等にも呼びかけて、うらみの27周年闘争として開催準備を行っています。
 ○ルナの会はふだん「たまり場」があって、会のメンバーや支援者、「身体障害者」などの出入りが毎日あります。一緒に食事を食べてくつろぎ、交流する場で、ルナの会にとっては生命線とも言える大切な空間です。それに対して、町内会・不動産屋からの「立ちのき要求」が出され、現在、弁護士もつけて、支援の体制の強化も要請されている中で奮闘中です。
イヤガラセ、おどしによる精神的重圧は皆で支え合いながら、言わせない体制=糾弾行動をその度にとりくんできています。
「火の始末ができないから不安」「生活保護で市役所の世話になるなどもっての他」「町内の発展のために考えろ」と徹底した「精神障害者」への差別と偏見にもとづいたものであり、「ルナの会のたまり場使用」に対する憎悪心(=私有財産防衛からくる)として出てきています。
今後、支援体制の問題、「病」者間の分断をどう乗り越えてやり切れていくかが鍵だろうと思っています。
 ○4月24日、4月25日には2名が代表参加。
 ○岡本佐太郎さん捜しの情宣活動を展開中。
 ○百人委員会の刑法反対署名展開中。
・まどの会(A)奈良
体調はまあまあです。
5月3日、信貴山病院へ行き、10人の患者さんと面会し、主に入院者の経済問題について話し合いました。
5月6日、反差別、反天皇、反改憲奈良県議決起集会実行委会議に出席しました。
5月8日、奈良赤堀実行委に参加。主として植樹祭―天皇制について討議し、保安処分についても学習しました。又、奈良赤堀実行委ニュースが発刊されました。
5月17日、臨床心理学会相互研修会に出て「刑法理論の動向と保安処分」というテーマで発表し、討論しました。
5月20日、「あらゆる差別と天皇主権を復活させる政治反動に反対する5・20憲法擁護奈良県総決起集会」に参加。
奈良赤堀からはニュース2号が配布されました。
現在天皇が来県していますが、前記の実行委(社民党・総評・解放同盟)からは、県知事、県警へ5月12日「障害者」警備に関連する申し入れが行われました。
その他、日本臨床心理学会および、日本精神神経学会よりも申し入れが行われました。
なお「絆」6号は現在印刷にまわっています。
・いばらの会(A)阪神
現在、職場が忙しく充分な活動が展開できていません。この4月以降、私の病状は少しずつ安定してきました。4月24日救援連絡会議主催のシンポ「保安処分」に参加しました。
4月25日、百人委員会主催の刑法の全国集会に参加しました。スケジュールがきつすぎてあとに少し疲れを残しましたので反省(雨の中でのデモ等)する必要があると思います。4月25日〜26日、東京で「病」者集団連絡会議に参加し、20人近く集まり、最近の刑法―保安処分に向かう動向の中で多くの仲間達が危機意識をもってたちあがってくるのだという確信を強めました。
最近、地域の患者会の活動を行いたいというメンバーが少しずつあらわれています。生活、病状、権力の攻撃―抑圧の中で孤立化を強いられている仲間達としっかり結びつき、活動を再編、再開してゆきます。他の患者会、「病」者集団メンバーとの通信、連絡を密にしながら、地域患者会をもっと充実させて行きたい。
・前進友の会(K)京都
@ 地域活動報告
5月10日、レクレーション
5月16日、例会(テーマ 言いたい事を言う、十全会のQ)
A 赤堀さん面会報告
5月18日に、京都赤堀のDrと2人で出発しました。その日の夕方、仙台に着き、仙台闘う会の仲間と交流しました。ちょうどその日は、赤堀さんの誕生日なので、プレゼントをしようという事になり、赤いTシャツ(赤堀さんは派手好みだと聞いたので)を買いました。そして次の日、僕は獄中支援センターの仲間と一緒に赤堀さんに会ったのです。最初はもっと暗い人だと思っていたのですが、とても明るく、いろいろ僕にアドバイスをしてくれ、勇気づけてくれました。病者集団のメンバーの病状を、気にしておられました。みんな無理しない様にとの事です。
B 集会報告
5月22日、京都闘う会主催の「赤堀さん差別デッチあげ逮捕27周年糾弾京都集会」に参加。初めて司会をしました。約30名位の人々が参加してくれ、京都での赤堀闘争も徐々に盛り上って来そうです。以上です。
・三重 T・H
三重赤堀さんと共に闘う会(準)は、5月10日に事務局会議を開きました。5月18日の赤堀さんの誕生日に祝電をうちました。また、5月24日の不当逮捕27周年に関連して23日に赤堀さんに激励の電報をうつと共に、法相奥野に対して「死刑執行をするな」の抗議電をうち、小松東京高裁裁判長にも「再審を開始せよ」という電報をうちました。25日には、津駅前で不当逮捕27周年の情宣ビラを配布しました。また、僕個人としても同じような電報をうつと共に、赤堀さんに誕生祝を贈りました。
5月21日には、三重赤堀さんと共に闘う会(準)のメンバーであるAさんに関する判決公判が津地裁で行われました。これは、Aさんが10年前、郵便局に勤めていた時、マル生に関連して暴力事件をおこしたとデッチあげられて懲戒免職処分をうけました。しかし、Aさんは暴力事件などをおこしていないし処分は不当だと取り消しを求める訴訟をおこしました。ところが、津地裁はAさんの訴えを棄却する反動判決を下しました。このように、益々反動化する司法に断固対決していかなければなりません。
5月24日には、出直し強行開港3周年、二期工事着工粉砕!空港廃港5・24全国総決起集会に参加し、集会の後、雨中をデモ行進し、空港廃港にむけて闘いました。
個人的な事ですが、定時制高校も早や2ヶ月近くになります。先日、授業中にかなりきつい症状がでて「精神病」であることがクラスメートにわかってしまいました。どこまで理解されるかどう対応していったらよいか、かなり不安があります。でも頑張ります。
・虹の会(大阪)
4月24日、救援連絡会議主催のシンポジウム"保安処分"に参加
4月25日、百人委員会等主催の"刑法改悪を許すな全国集会"に参加。この闘いを東京の仲間と共にやるため、数日前から東京にゆき、4月24日・25日に参加しました。
5月21日、大阪赤堀さんと共に闘う会の学習討論集会に参加。内容は不当逮捕27周年糾弾と奈良天皇植樹祭についての提起と討論。
5月22日、京都赤堀さんと共に闘う会の集会に参加し、京都の「病」者との交流を深めた。
この間、岡本佐太郎さん捜しについてはビラ情宣、大阪にある50の精神病院・救護施設について調査中です。又この間の宮刑の赤堀さんに対する宅下げ妨害、アピール発送禁止に抗議して、宮刑に対して抗議を集中しています。
虹の会例会では保安処分についての学習会をつみ重ね、赤堀さんと保安処分、鈴木君虐殺と保安処分、刑法全面改悪について学習・討論をしてゆきたいと思っています。
同時にジェット燃料貸車輸送阻止のストライキをうちぬいた動労千葉に対する不当処分に抗議し、一億円基金カンパ活動を展開中です。6月には虹の会ニュースを出す予定です。
獄中28年目に突入する赤堀さんの不屈の闘いに応えて、又孤立している仲間とのつながりと、連絡をくれる仲間とのつながりを大切にして共に闘いぬいてゆきたいと思います。

赤堀氏奪還にむけて
すべての仲間の皆さん、緊急事態です。すでに御存知の方もありますが、仙台拘置支所は、東京高裁小松裁判長の「抗告棄却」策動と一体となって赤堀さんの裁判所に対する上申書宅下げ制限と、三里塚被告からの要請のあったアピールの発送禁止、新しい面会者に対する制限を加えようとする発言。等、再審闘争に対する妨害―再審闘争の圧殺、赤堀さんと共に勝ち取ってきた通信・面会の権利を根底から剥奪しようとする弾圧をかけてきました。(詳細は赤堀中闘委ビラ、抗議書をみて下さい。)
私達は煮えたぎる怒りをもって即座に仙台拘置所に抗議・糾弾をたたきつけました。ぜひ仲間の皆さんも仙台拘置支所に、糾弾・抗議の声を集中して下さるよう要請します。
抗議先
仙台市古城2の2の1仙台拘置支所 高橋勉支所長 天野保安課長
※ なおこの弾圧に対して第77回日本精神神経学会総会として抗議文を送ることになりました。
抗議文(案)
われわれは赤堀氏の死刑執行に断固反対し、その立場に立ち、赤堀氏の再審の即時開始を求める運動を行ってきた。しかるに最近、貴拘置所から赤堀氏に対して
1.氏が完成させた東京高等裁判所宛の上申書を仙台での唯一の支援団体である「仙台赤堀さんと共に闘う会」へ宅下げせんとしたのに対し、当該裁判所又は弁護団へ送るようなかば強制的に「指導」した。(4月15日)これは赤堀氏の再審請求にむけた活動の妨害弾圧であると考えます。
更に
1.氏が個人宛に発信せんとした集会向けのアピール発送手続きを拒否した。
1.これまで文通があれば新規面会が許可されていた事に対し、今後、制限を加えていく旨を赤堀氏に対し明らかにしている。
これらは赤堀氏が有している既得権の剥奪であり、監獄法改悪の先取りであると考えます。貴拘置所はただちに赤堀氏に謝罪すると共に今後かかる行為を行わぬよう強く抗議し、要望するものです。
1981年5月30日
仙台拘置支所長 高橋勉殿
第77回日本精神神経学会総会
6月14日(日)
島田現地調査に参加しよう!
主催:赤堀中央闘争委員会
日時:6月14日(日)午前10時30分
集合場所:国鉄 島田駅前
※赤堀中央闘争委員会としては初めての現地調査です。島田現地で赤堀さんの支援活動を担ってこられた森源さんの話もうかがうことができます。差別裁判を打ち砕くため、現地調査を全力で取り組みたいと思います。
現地調査の詳しい事は法闘委 鈴木昂氏へ
住所 静岡県藤枝市高岡3の5の35
TEL 0546-35-3598

刑法改悪―保安処分新設阻止にむけて
昨年8月26日の奥野法相発言以来、政府法務省は反対運動の分断、解体を策すための攻撃を陰に陽に強めています。
私達はこの刑法改悪―保安処分攻撃がこの間の軍事大国化、核武装化をめざし侵略戦争への道を進んでいる国家権力の戦争体制構策の重要な一環であることをみすえ、憲法改悪(「交戦権」の承認=九条の破棄)を正面にすえ、有事立法策動や、自衛隊の実践部隊としての飛躍的強化をはかる国家権力と対決して刑法改悪―保安処分新設阻止の闘いを進めていかなければならないと思います。
この間のすさまじい攻撃をあげると
@日弁連・法務省との協議、本会議(7月)に屈服させ、翼賛弁護士会へと転落させ
A「法律の広場」2月号(保安処分推進特集)をテコにマスコミの差別キャンペーンをも動員しながら保安処分新設にむけての世論づくりを行い
B日本精神神経学会の保安処分反対決議への誹謗・中傷をくり上げ
C法務省前田刑事局長名で法律の広場2月号を、日本精神病院協会(会長斎藤茂太)加盟の各病院へ送りつけ
Dそれと一体となって、日本精神病院協会、医療制度委員会から加盟各病院に「保安処分に関するアンケート」を送り、精神医療従事者を保安処分推進に動員しようと策動し
E保安処分を単独立法で上程するというキャンペーンを張り、刑法闘争を闘う人々を「精神障害者」差別の保安処分新設を闘う人々との分断をはからうとし
F精神衛生法体制強化の「病者」に対する差別・抑圧を更に強化し
Gそして中田修、小田晋等の犯罪生物学者をつかって保安処分推進のより巧妙な世論形成づくりをねらっている
(同封のビラ、資料等をみて下さい。)
このような攻撃の中で私達は、私達自身の団結した力をより強固にして闘うことを軸にして、被差別人民、労働者をはじめ闘う人々と結合して、精神神経学会をつき動かし、各地の弁護士会、闘う弁護士をもつき動かし、国会上程阻止!現行精神衛生法体制の中に深く切りこんでゆく闘いを私達の生命をかけて闘いぬかなければならない時にきていると思います。

奈良天皇植樹祭について
今年は5月24日、奈良で天皇植樹祭が行われましたが、私達は過去の闘いの教訓を生かして「精神障害者」に対する権力の弾圧をはねのけました。日本臨床心理学会、日本精神神経学会、日本社会党奈良県本部、総評奈良部落解放同盟奈良県連から事前に奈良県知事、奈良県警本部長へ申し入れが行われました。しかし部落解放同盟の活動家に対する尾行や監視、「精神障害者」のリストアップ、アパートローラーなどの弾圧が行われ特に平城京跡などの天皇と天皇制と密接につながっている奈良という土地柄などもあって、民間右翼が公然と街頭で宣伝カーを走らせ、全国水平社以来の右翼と緊張した局面もありましたが闘う労働者、部落解同盟などの闘いによって権力の弾圧もはねのけることができました。今年の10月には「育樹祭」ということで皇太子が新潟を訪れるそうです。

鈴木君虐殺糾弾!国賠闘争勝利にむけて
第9回公判に全力で結集を!
日時:6月19日(金)午後2時
場所:大阪地裁民事3部808号
証人:川合 仁(京大病院精神科)
第9回公判では弁護側申請の川合証人の証人調べがおこなわれます。国賠闘争の勝利にむけて、赤堀闘争、刑法闘争を闘う人々の公判闘争への結集を訴えると共に、赤堀さんにかけられている「抗告棄却―死刑」攻撃を全力で粉砕し、必ずや再審を勝ち取るための闘いの強化と刑法改悪―保安処分を全人民の力で打ち破る闘いの決定的な重要な闘いとして全力で第9回公判に結集されることを訴えます。
お知らせ
7月9日(木)夜10時から10時30分までNHK番組「ルポルタージュ日本」で「病者」の生の声が放映されます。
政府=法務省の改悪刑法の推進が強化される中で病院の実態が暴露されています。(予定)

編集後記
先月号は病状の悪化のためニュースを途中で中断せざるを得ませんでした。多くのニュース読者の皆さんには大変心配をかけました。
やはりどこかで無理をしていたようです。自らの病状に自らが責任を持ち活動を続けてゆくことの原則をあらためて感じます。同時に地域での患者会活動を基盤にしながら事務局体制を担ってゆくことの困難さをどう解決してゆくのかも深く考えざるを得ませんでした。同時に様々なニュースに対する意見・批判のなかで今後どういうふうにしてニュースを仲間全体のものにしてゆけばよいのか多くの仲間からの指摘も含めて考えてゆきたいと思います。
私達への差別、抑圧、社会からの抹殺の攻撃がきびしくなる中で多くの仲間が立ち上がりはじめている中で、何よりも赤堀さんの不屈の闘いに応えて闘いぬいてゆきたいと思います。
(書記・教宣 T・S)


*作成:桐原 尚之
UP:20091107 REV:
全国「精神病」者集団  ◇全文掲載
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