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全国「精神病」者集団ニュース 1981.3


(ママは月日の記載無し、1981年3月は桐原推定)


全国「精神病」者集団ニュース
 厳しかった冬も峠を越し、私達を包みこむような、やわらかい陽射しの中で、すぐそこまで春が来ていることを感じさせるこのごろです。
 赤堀さん、元気ですか。病院で、家庭で頑張っている仲間の皆さん元気ですか。
 新緑の野原を思いきり大声あげて駆けたい。そんな思いを胸に、赤堀闘争の重要な局面、
刑法改悪―保安処分攻撃の重要な局面を闘いぬいてゆきたいと思います。
 今回の連絡会議は久しぶりに多くの仲間の参加の中で、2月21日(土)2月22日(日)と名古屋の「病」者集団事務局で行われました。
 今回は刑法改悪―保安処分攻撃の中で、私たち自身が国会上呈を阻止してゆくために、どう運動を大きく広げてゆくのか激論がかわされ、又赤堀闘争の重要な局面にあって「病」者集団を先頭にして中闘委体制を強化してゆくことの重要性が討論されました。
 この1月、2月、3月は私達にとって闘いの連続ですが、自己の病状をみすえ、これとの闘いを含めてがんばってゆきたいと思います。
事務局からの報告
@絆5号が発行されました。
 内容は
1.絆5号発行にあたって
2.赤堀さんとの交流を通じて
3.鈴木君虐殺糾弾!国賠闘争報告
4.保安処分新設策動に抗議する
5.精神衛生法解体のむけて
などの他、多くの論文、感想文が掲載されています。是非御一読下さい。事務局まで申し込んで下さい。定価1部4百円、郵送料は別です。
A一時金カンパ4千円が寄せられました。ありがとうございます。
B「病」者集団事務局の運営、使用等について、事務局の仕事と混乱をさけるため、主に事務局を狙っている0の会から提起があり、「病」者集団事務局と討論の上、事務所の運営、使用のとりきめなどがきめられました。
C大阪の旅立ちグループからニュースが送られてきました。
D大阪の紀泉友の会ニュースが送られてきました。
E富山の「ルナの会」からパンフレットが送られてきました。
いずれも事務局で読ませてもらっています。ありがとうございます。
地域活動報告
手紙による地域活動報告
・三重(T・H)
2月15日に津の三重教育文化会館において、三重赤堀さんと共に闘う会(準)第一回
学習交流会を開きました。参加者は、「病」者2名、「身体障害者」1名を含む12名と、あまり多くなかったのですが、内容的には充実したものだったと言えると思います。
 司会のあいさつのあと、僕が主催者を代表して島田事件について詳しくのべ、「抗告棄却―死刑執行」策動が強まっているという危機感を訴えました。そして赤堀さんからの力強いアピールを代読しました。又、しもやけやリューマチは悪化しているが、健康診断も異常なく体の調子はいいと言う赤堀さんの近況を伝えました。しかし、裁判の状況は緊張感をもっているという事で何としても赤堀さんを生きて奪い返さねばなりません。そのなかで、色々な差別問題などが出されました。最後に自由討論に移り、ある「病」者から、入院から社会復帰への困難な道などが語られました。中間施設―
共同住居の問題や生活保護の問題点について意見提起が出され、継続して討論していく事になりました。ひき続き、学習交流会を開きながら準備をすすめて、正式結成のため頑張ってゆきたいと思います。
 ところで、僕個人の状態の方ですが、調子は少しずつですが上向いていたのですが精神的にショックをうけるような事が重なって、夜中にタクシーで病院へ行って注射をしてもらうなど、毎日注射をしてもらうという状態におちいりました。
 そんな中で、三重赤堀さんと共に闘う会(準)第1回学習交流会の準備をすすめてきたわけですが、一応学習交流会のほうも成功して、精神的にもショックからたちなおる良いキッカケになればと思います。
・ まどの会(A・奈良)
昨年12月頃から体調がよくありませんが、このところ少しもち直しました。最近、
ある患者さんから、ほとんど毎日のように電話がかかってきて、それに相手になっています。又、ある研究誌で、私の名のところに、デタラメの所属団体名をかかれて、迷惑をこうむりました。現在、記事訂正を要求しています。
 今年に入ってからは1月6日、信貴山病院へ5人で面会に行き、10人(1人欠席)とあい話しました。また、2月8日、友の会例会に出席しました。「絆」5号もようやく完成させることができました。今後は、時間をかけて、ボチボチ体調を整え、主として知的プロパガンダを中心とした活動をしていきたいと願っています。
・ 会議参加者 0の会(愛知)
@2月第一日曜日例会
 「結婚と精神障害者」というテーマで討論しましたが、話がなかなかかみあわず、まとまりは、なかなか引き出せませんでした。
A2月第3日曜日例会
 「病」を治すというテーマで例会
1、人間関係というところが中心になって話しあわれました。
2、職場、家族、友人関係も含めて、その協力関係の中でなおしてゆくのがよいのではないかということが、話し合われました。
詳しくは0の会の次号のニュースで書きたいと思います。
B3月6日ロボトミーM氏訴訟の判決公判闘争については、0の会で参加したいと思います。
C行政闘争→「病」者の権利と生活を防衛するため、積極的に行政と交渉して、生活してゆけるに見合った保証をさせてゆきたい。
D0の会から女性差別をなくそうということで、みんなで話をし、相互扶助でやってゆきたい。
E会員の家庭訪問をお互いにやり、交流を深めてゆくことが決められています。
F0の会の運営、維持費はカンパでまかなっていましたが、ニュースの購読料を中心にして財政を確立してゆきたい。
Gルナの会(富山)や前進友の会(京都)から交流をしたいということの申し入れがありました。
H東京のある大学の医者3名が、賛助会員になりました。
I各地の患者会でニュースを発行しているところと、0の会ニュースを相方で交換してゆきたい。
J「病」者集団事務局と0の会の組織的なけじめをつけてゆきたい。
・前進友の会(K・京都)
友の会は色々な困難な問題があってたいへんです。保安処分の学習会も2回しかできていませんが、これから深めてゆきたいと思います。又、今年も夏レクをやってゆきたいと思います。
 4月11日(土)2時〜7時、京大西部講堂でディスコ大会が行われます。
81年・春・越境というテーマで、越境する会の主催です。病院という閉鎖された社会で生きている「病」者が体を動かすことを通して「病」者が生きる道を求めてゆくことが主旨です。是非参加して下さい。
・いばらの会(阪神)
   12月、1月と例会に参加できていませんでした。半年位にわたって、いばらの会の活動がほとんどできなかった。このことは、中心になっているメンバーの家庭問題や病状の問題があってできなかったことが主です。
   保安処分新設攻撃の中で、今はもうしんどいとは言っていられない状況の中で、
  1月の下旬頃から毎日のように大阪での活動を再会・強化しています。3月、4月位から例会の再会をはじめるため、連絡をとり再度、会活動を進めてゆきたい。
※ 3月7日の日弁連主催の西日本パネル反対の行動をできるだけ多くの人と共に闘うため実行委を形成して、がんばってゆきたい。2・16鈴木君虐殺糾弾5周年闘争、
2・20第8回公判に参加。この過程で鈴木実行委の力量のなさをつくづく思い知らされました。本気になって頑張ってゆきたい。課題が山積みしていますが、あくまで主体的に活動することを通して仲間と協力してやってゆきたい。赤堀さんにこの間の状況も含めて、生活活動、家庭のことを報告したい。
※ 12月21日、大阪赤堀さんと共に戦う会の再建をかちとりましたが、もっと多くの「病」者「障害者」の結集をかちとりたい。
※ 生活をたてなおして、「病」者集団の連絡会議への参加や、鈴木、赤堀闘争を狙ってゆきたい。「病」者と結婚の問題「病」者と職場の問題など、日常的な生活の中で、大きな比重をしめています。会のメンバーは、個人、個人、自分がどう生きてゆくのかというところで苦悩して、全ての闘いに参加することはできません。連絡をとりあいながら、頑張ってゆきたい。
・ 虹の会(大阪)
  最近は闘争のある日を除いて毎週集まることが定着しつつあり、その中で、ニュース作りを通しての討論や、鈴木、赤堀刑法について討論を行っています。又、連絡をとり切れない仲間への参加呼びかけや、新たに加わったメンバーを中心にした例会をも行ってゆきたいと思っています。又、虹の会へ連絡をくれる仲間やニュースに対して批判、投稿してくれる仲間との連絡を大切にして、ゆくゆくは患者会相互の交流を深めてゆきたい。
  2月16日、鈴木君虐殺糾弾5周年闘争を闘う
  2月20日、鈴木国賠第8回公判に参加
  2月22日、動労千葉支援、防衛の集会に参加
2・27赤堀全国闘争を闘い、3・1動労千葉のジェット燃料貨車輸送阻止のストライを
支援防衛して、闘いぬきたい。
0の会から「病」者集団(0の会 H・K)連絡会議に出席して−
 2月21日、全国「病」者集団連絡会議が催された。かかる重大な会議であると始めか
ら覚悟して会いにいどんだ。虹の会、いばらの会、前進友の会の会員も出席した。
 印象として、始めからかなり政治的判断を必要とする議事の進行であったが、各会員の
個々の会に対する運動は、時期的にも各会の体質として、直接わたくしの身にせまるもの
はなかった。要するに、各個々の会の主体のなん弱さを多少ならずとも感じたのでありま
す。私自身、0の会のふんいきになじんでいるものですから、総括的な「病」者集団との
つながりはどんなものであるか不安であった。どのへんに「物言わない「病」者」との接
点を見いだすか?….結局、幅の広い意味での「病」者達の援護である。刑法改悪問題等で
ある−しかし「病」者集団の全体の概念としては「物言わぬ「病」者」との接点を、どう
作ってゆくのかの理論を発展さしてゆくか。
「病」者集団の会の必要性みたいなものは、各事務局員の、体験としての対社会的病者の
あり様みたいなものに意味づけて、頼っていると思う。では、実際切実に、精神病院で差
別を受けている病者「物言わぬ病者」との強いつながりを創っていかなくてはと思うのだ。
彼等に対しての、大いなる接近みたいなものがあっての「病」者集団だと思う。
私は望む…..「病」者・被差別者との強い連動を!
赤堀氏奪還にむけて
・ 2月27日の全国集会の報告
抗告棄却阻止!赤堀氏奪還全国総決起集会は、2月27日(金)12時 東京坂本町
公園でおこなわれました。
 集会は、前日からの寒波の襲来と折からの春の嵐をうけて、各地で交通がマヒしたことや、平日であるという悪条件をものりこえて、赤堀さんをなんとしても生きて奪い返すのだ!という熱意にもえて、全国から二百五十余名の仲間の参加をえて闘いぬかれました。
 最初に、赤堀さんからのアピールが読みあげられ、「今春中が、サイバン闘争するためのカツドウについて、一番大事な重大なトキニナリマシタノデス。…….サイバンカンノ人達が一体ドノヨウナドンナカタチノ決定ツウチヲ、ダシテクルカシンパイデスカンシヲシテ下サイ」という赤堀さんの訴えを、参加者全員で受け止め、その日の闘いを全力で闘いぬくことを、全体で確認しました。闘う各団体の連帯アピールが、赤堀さんのお兄さんの
一雄さん、刑法改正―保安処分に反対する百人委員会、監獄法改悪を許さない全国連絡会議、部落開放同盟中央本部、三里塚芝山連合空港反対同盟からよせられ、自らの闘いと赤堀闘争と連帯して闘いぬく決意が寄せられました。
 基調報告、各地の赤堀さんと共に闘う会、そして養護学校義務制を打ち破る就学闘争を
この3月5日から全国闘争として闘う、金井康治君のお母さんからの特別アピールをうけ
決議文 スローガンの採択の後、厳しい寒さを吹き飛ばし、東京高裁、法務省にむけての糾弾のデモ行進に移りました。
 島田事件と「精神障害者」差別について、また、赤堀差別裁判についての決起を訴える
宣伝カーを先頭にして、終始、国家権力に対する怒りをこめて、赤堀奪還、再審貫徹!
棄却阻止!の声も力強く、デモを最後までたたかいぬきました。
 日比野小公園での総括集会で、「病」者集団全障連の決意表明の後、あの憎むべき東京高裁に対する怒りのシュプレヒコールをあげ集会を終えました。
 又、3月1日には、千葉県成田市で行われた、三里塚空港へのジェット燃料貨車輸送延長を阻止するストライキに決起した動労千葉を支援・防衛する闘いに参加し、赤堀差別裁判糾弾闘争への決起を訴える五〇〇〇枚に及ぶ情宣活動を展開しました。
 仲間の皆さん!7・10検察意見書、小松裁判長の弁護団に対する抗告審段階における
求意見を通しての「抗告棄却―死刑」攻撃が強まっています。
 私達は、赤堀さんのアピールにもあるように、一番重要な時期に、東京高裁に対する抗議行動や、赤堀さんの事をもっと多くの人々に訴える活動を軸にしながら、この三月を、緊張感をもって闘いぬいてゆこうと思います。私達の声を、力を大きくし、そしてきびしい状況で闘っている赤堀さんに、全力で激励の手紙をだしてゆこうと思います。
 この三月を、獄中の赤堀さんと力をあわせて闘いぬこう!
刑法改悪―保安処分新設阻止にむけて
 3・7日弁連主催のパネルディスカッション粉砕闘争については、前号のニュースで、
提起されました。
 その後「病」者集団の連絡会議では
@日弁連の協議路線粉砕にむけての闘いと、刑法戦線の大きな広がりをつくってゆき、あくまでも国会上程を阻止してゆくための活動をしてゆくこと
A4月25日、東京日比谷で行われる百人委員会の大集会に参加して 共に闘いぬくこと
B「病」者集団の統一情宣ビラをつくる事
C刑法改悪―保安処分新設を阻止してゆく闘いの中へ積極的に赤堀さんの問題、鈴木君の問題、精神衛生法の問題などを提起してゆくことなどが確認されています。
鈴木君虐殺糾弾5周年闘争報告
 2月16日午後1時より 鈴木君虐殺から5周年のこの日、大阪拘置所の門前において、
東京の山谷、寿、釜ヶ崎の寄せ場労働者や友人、「病」者集団を中心に多くの「障害者」労働者、学生40人で、大拘に対糾弾闘争が戦い抜かれた。
 門前での鈴木実行委からの提訴をうけた後、私達は虐殺に大拘所長あての糾弾状を手に受付にむかい、この受付を拒否する大拘の職員を厳しく追求しました。
 しかし自らの虐殺の事実におびえる大拘は、待機させていた緑色の乱闘服、ヘルメットジュラルミンの盾、警棒で武装した警備隊を突如として正門から出動させた。
そして、門前で抗議のシュプレヒコールをあげる私達に襲いかかり、頭を警棒でなぐり、突き、又、スピーカーを地面にたたきつけて破損させ(修理代8000円)メガネを割るという絶対に許すことのできない暴行を加えた。そして、抗議する私達を門前から実力で排除するという行動に、でてきたのである。
 これこそ、鈴木君を虐殺した大阪拘置所―国家権力の本質があり、武器使用も含めた実力行使、精神医療をも虐殺の為に使った監獄法改悪攻撃の先取的な攻撃なのだ。
私達は、これに一歩もひるむことなく「大拘の職員はいつから抗議に来る人間を警棒で殴る権限を与えられたのか!」という追求に対して、なんと警備隊長は顔をひきつらせながら「しゃらくさい。排除しろ」と命令し、居直ってきたのである。
私達は、怒りをもって更に糾弾集会を続け最後まで大阪拘置所を糾弾しつづけたのである。
 そして、夜の60名の結集をかちとった集会で、虐殺糾弾の手を一歩もゆるめることなく国賠闘争を強化し「精神障害者」解放をめざして闘いぬくことを全体で確認して集会を終えたのである。
 私達は5年前の2月16日、大阪拘置所の保護房の中で虐殺された鈴木君の無念さを片時も忘れることはできない。「精神障害者」寄せ場労働者の解放をかけて闘いぬいたというそれだけの理由で文通・面会・主治医の診察申し入れを拒否し、孤立と絶望においやり「病状」を悪化させ虐殺して行ったことを絶対に許すことができない。
 私達はその中で、私達の運動の不十分性の中で2・1事件や病状が悪化している時どう支えてゆくのかという問題点や「病」者同志の人間関係の中でそのような問題点をどう解決、克服してゆくのかというきびしい問題をも含んだ闘いであることも確認してゆかねばならないと思います。
 国家権力による獄中での虐殺ということの中に、私達「病」者のおかれている厳しい現実を見すえ、虐殺を許してしまった運動の不充分性を常に問いつづけることのなかに「精神障害者」の解放の道すじがあることを何回も何回も訴えかけてゆかなければならないと思います。
 鈴木君虐殺糾弾、国賠闘争勝利にむけて多くの仲間が再度この闘いに加わって、共に闘いぬかれることを訴えます。
(2月20日 第8回国賠公判の詳細は次号でお知らせします)
第5回全国集会について
 昨年の12月 関西の仲間が中心となって全国集会のためのうちあわせ会もちました。
 しかし、それ以後うちあわせ討論をつみ重ねながらテーマ、準備、各地への連絡等も含めてできていません。
再度、この打ち合わせを早急にもち、全国集会を開催してゆくための準備を進めてゆきたいと思います。
内部通信
・ 事務局より
絆5号が発刊されました。是非各地で購入し活用して下さい。1部400円 郵送料は別です。事務局までお申し込み下さい。
内容は
1.「絆」第5号発刊にあたって
2.赤堀さんとの交流を通じて
3.鈴木君虐殺糾弾!国賠闘争報告
4.保安処分新設に抗議する
5.精神衛生法解体にむけて
など、その他にも多くの仲間の論文、意見が提起されています。是非御一読下さい
・ 「絆」編集部より
「絆」原稿募集!400字詰原稿用紙タテ書き
宛先 〒632 天理市丹波町112 吉田受付 まどの会
・ 次回連絡会議のお知らせ
事務局会議 3月21日(土)午後6時から
連絡会議  3月22日(日)午前10時から
場所は全国「精神病」者集団事務局です。
連絡先 TEL(052)521−1313 大野方(午後10時まで)


*作成:桐原 尚之
UP:20100117 REV:
全国「精神病」者集団  ◇全文掲載
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