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全国「精神病」者集団ニュース 1980.8


last update:20100626

全国「精神病」者集団ニュース 1980年8月

 「暑さ寒さも彼岸まで」というにもかかわらず、今年の夏はまじめに夏としての姿をあらわしたのだろうか?という思いになる程、変わった天候つづきでした。
 しかし、国家権力のほうは8月26日法務大臣奥野誠亮の閣議での「異常な事件が続いておこっている。刑法の改「正」を急ぐ。発言にみられるように鈴木新内閣に変わって軍備の増強を強め軍事大国化の道を急ピッチですすめ、「精神障害者」に対する社会からのまっさつの意図をむきだしにした攻撃を全面的にしかけてきています。今回の連絡会議はこうした状況をみすえ赤堀さんへの死刑策動の強まり→抗告棄却の危機の中で「精神傷害者」解放の拠点を守り、権力の攻撃にどう対決して斗うのか、「病」者集団の斗いの重要性がますます問われてくる中で行なわれました。
事務局からの報告
 なかなか思うように議題が整理できません。
事務的になって申しわけありません。いつも苦しい生活の中からカンパを送ってくれたり、はげましの手紙や批判の手紙をいただきありがとうございます。このことが事務局のどんなに心強い支えになっているかわかりません。
積極的に批判、近況をも含めてお便り下さい。
◎一時全カンパ 九〇〇〇円
◎来訪者 石川の新しい仲間が事務局を訪れ、「身体傷害者」と「健常者」を含めて三者共斗の確立と深化にむけて話し合いました。
◎絆4号代金を支払いました。「病」者集団の財政も苦しくなっており、各地の皆さん積極的にパンフ類の紹介、販売をよろしくおねがいします。
関東のSさんがウニタ、模索舎に販売ルートをつくり、大衆的に絆を中心にして「病」者の斗いを広める活動をしています。
◎全国救援活動者交流集会(8月30日、31日神奈川)に「病」者集団事務局から参加し、天皇植樹祭における不当弾圧、赤堀、刑法、鈴木、実態調査にむけて提起をしてゆきたいと思います。
◎第23回病院精神医学会(10月4日、5日)についての取り組みについて討論されました。
◎東京の友の会Sさんから絆4号についての感想がよせられました。
◎新潟赤堀さんと共に斗う会から中元をいただきました。
各地からの提起
@奈良のYさんからニュースに対する批判が寄せられました。
A東京のSさんから中間施設と職規制度についてどう考え、斗うのかという提起が寄せられました。
地域活動報告
○前進友の会(A)京都
 友の会通信第4号を発行
去年夏レクで事故死したAさんの実家に一周忌のおまいりしました。
 この6月7日は夏レクの準備におわれ非常に忙しかった。
8月8日、9日、10日、
 鳥取水尻海岸に夏レクを行いました。85名の参加で入院中、通院中も含めて「病」者が50名参加しました。8日は、班対抗のかくし芸大会、9日はバーベキューのあとディスコパーティ、キャンプファイアを行ないました。
期間中天候にめぐまれなかったが無事夏レクを終えることができました。全員の協力の下、行なわれ充実した夏レクでした。
8月19日 洛南病院盆踊り
8月21日 岩倉病院盆踊り
8月22日 夏レクの総合会議 反省とうちあげのコンパを行ないました。
○いばらの会(A)
 8月14日 鈴木第6回公判を斗う。鈴木君のお母さん、お姉さんがこられ、「盆で息子が大阪で呼んでいる」ということをきいて、いばらの会で昨年なくなった人のことなどを思いだしました。いばらの会として8月16日レクリェーションとしてラサプールへゆきました。盆休みの人が多く満員でしたか楽しかった。新しい会員が今後ふえてきそうで一人の「病」者の友達になりたいという気持を大切にしていばらの会の力と結束力を強め、共同で支え合うことを強めてゆきたいと思っています。
 来年大阪の全国集会の準備にむけて大阪の患者会の結束とつながりを追求してゆきたい。
「病」者集団の活動と多忙さ、保育家事の問題、女房の仕事と組合運動の調整など困難な問題をかかえつつ、地域の「病」者の医療相談を含め限界にきています。家族の協力だけでやってゆける限界をこえてきています。
これを克服するための方法を考えて解決してゆきたい。
○いばらの会(B)阪神
 8月14日の鈴木第6回公判に参加。
0の会(愛知)
 新しい赤堀リーフレットを資料として8月17日に赤堀さんの再学習会を行ないました。それと一緒に赤堀さんの現状報告そして監獄法が重要な斗争テーマとなることを確認しました。
さらに監獄法の署名を出席者全員で行ない、地域としての監獄法取り組みの緊急性が確認されました。夏バテのせいで会員全員が「病」状が良好とはいえませんので秋にむけてスローペースで会を運営してゆくべきと考えています。
 8月2日、3日 全障連大会に2名出席しました。当然赤堀さんとの連続集中面会も行ないげきれいしました。
○前進友の会(B)
 8月8日、9日、10日、反の会の夏レクに参加。
 8月14日 鈴木第6回公判を斗う。
 8月16日 いばらの会の人とプールに泳ぎにゆきました。
○虹の会(大阪)
 8月1日の宮刑包囲糾弾斗争
 8月2日、3日の全障連大会に参加
 8月4日、宮刑に対するパネルヒーター交渉に同行。この間赤堀さんに2回面会をし、名古屋の事務局のことをよろしくたのむ。と頼まれました。みんなには心配をかけ申し分けない。みんなによろしく言ってくれと伝言されました。
8月14日、鈴木第6回公判を斗う 4名参加 今回の公判斗争は参加者が一番多く、お母さんの「なにがなんでもかたねばならない」という言葉を肝に銘じて最後の勝利まで斗いぬく決意をあらたにしています。夏レクは準備中でニュースは9月初旬発行予定です。
又、9月15日の三里塚空港2期工事阻止にむけての現地斗争を斗いぬきたい。
 奈良のまどの会から出席できないとの連絡がありました。
赤堀問題
 赤堀中央斗争委員会で作成した「赤堀さんは無実だ」のパンフができました。各地にお送りしますのでぜひ学習会などに活用して下さい。又大量にほしい方は事務局まで申し込んで下さい。  一部一〇〇円(送料別)
 赤堀さんへの抗告棄却の攻撃がきわめて切迫している状況の中で臨戦体制下でこの8月9月をどう斗いぬくのかについて討論され、次のように決定されました。
 @監獄法改悪阻止にむけての署名用紙、又赤堀斗争として反対する趣旨をかけたビラを同封します。赤堀斗争の生命線→監獄法改悪阻止にむけてこの8月9日を全力で斗いぬきたいと思います。少しでも多くの人々の署名に対する協力をお願いします。〆切りは、9月末です。事務局までお送り下さい。
 A法務大臣が奥野誠亮にかわりました。奥野にめがけてイ赤堀さんへの死刑執行するな
ロ監獄法改悪をするなの抗議ハガキ電報を集中することがきめられています。各地で取り組んで下さい。
抗議先 住所 東京都千代田区霞ヶ関一の一
       法務省内
    氏名 法務大臣 奥野誠亮殿
刑法-保安処分問題
 @4月7日の読売新聞記事における法務省の第2次修正案「保安処分対象者を殺人、放火の重罪をひき起こしたものに限定する」というペテンを使った保安処分新設の新たな動き。
 Aそして北海道における殺人事件・心中事件又新宿バス放火事件を契機としたマスコミの差別キャンペーンと中田修による保安処分新設の発言。
 Bこれらをうけた法務省は日弁連会長との「話し合い」をもって一挙に刑法改悪ー保安処分新設にむけて動きを開始しています。
 そして法務大臣奥野誠亮は8月26日の閣議で「異常な事件がつづいておこっている。刑法の改「正」を急いで進める」と並々ならぬ決意を明らかにしています。私達はこの急ピッチでかけられてきた刑法改悪ー保安処分の動きに対して法務大臣に緊急に抗議を行なうとともに全国的な体制でこの攻撃と対決して斗いぬいてゆかなければならないと思います。
 又、マスコミによる差別キャンペーンに対する抗議を行ってゆく。TBSラジオ事件→秋山ちえ子の保安処分推進発言同時にこのようななかで日本弁護士連合会の刑法改「正」阻止実行委による集会にも積極的に参加にゆきたいと思います。
◎「精神薄弱者(児)」実態調査阻止について
「精神薄弱者(児)」実態調査阻止にむけて資料収集と厚生省の動きを調査中です。
方針がでしだい全力で取りくみたいと思います。
◎「精神障害者」福祉法について批判点を「病」者集団で正式の文書にし、日本精神神経学会、病院精神学会に福祉法反対の要請を行ない共に反対行動を行ってゆきたい。
◎三里塚斗争について前回から討論が継続されていますが、まだ結論はでていません。意見としてはイ「精神傷害者」の決起する 条件づくり又医療・生活・就職を点検しながら三者による共闘を勝ちとってゆく斗いと同時に三里塚反対同盟との交流を深めてゆき、三里塚の「障害者」の赤堀斗争への決起を追求してゆきたい。ロ三里塚斗争は国家権力と真っ向うから斗う正念場であり、日本階級斗争の決戦場として三里塚斗争を斗うことによって「病」者の斗いを防衛と斗いぬいてゆきたい。
◎農民の土地を守る斗いと国家権力に真向うから対決して斗いぬく農民の斗いに学び、侵略戦争にむけて軍事空港としてある三里塚空港を廃港に追いこむため斗い抜いてゆきたい等の意見がでました。結論はまだでませんが、継続して討論を深めてゆきたいと思います。
◎信貴山病院問題について
 まどの会が中心になって信貴山病院の改善斗争をやっていますが「病」者集団としても、まどの会を支援し、様々な形態で信貴山病院の居直おりを許さないために、まどの会とともに「病」者集団も斗いぬいてゆきたい。
第5回全国集会にむけて
 来年4月頃大阪でやりたいということが決定されていますが、関西における患者会、個人と連絡をとり、運営やテーマも含めて意志統一をはかってゆくため関西での準備を始めてゆきたいと思います。
鈴木第6回公判報告
 鈴木君虐殺糾弾第6回公判は8月14日午後1時から大阪地裁民事で行なわれました。
今回は広島からのお母さんに加えてお姉さんが参加され、又いままでの公判のなかでは最っとも多くの人々の参加のなかで斗いぬかれました。
 まず最初に国ー被告側が虐殺の下手人精神科臼井の証人申請をするというなかで、あくまでも虐殺の事実を居直おり、正当化しようとする国ー被告に対する怒りにみちた状況の中で行なわれました。
 そして最初に大拘局が記録した鈴木君の保護房動静視察表をもとに分析評価を加えた。
渡辺医師、木村医師共同作成の意見書が提出されました。そして証人木村氏に対して桜井弁護士のほうから主尋問が行なわれました。
@鈴木君との関係
A鈴木君の仕事
B72年1月東京拘置所に入れられた時面会にゆき、意見書を提出し、東京拘置所からだした時のこと
C臼井医師の医学の「常識」をはずれた診断処置、治療について
D拘禁が与える「病」者についての影響
E動静視察表についての説明
Fそして全体を通しての感想を最後にのべました。
 これに対して木村氏は、鈴木君と知り合いになった時期、話し合いを始めた様子。日雇労働、又西大阪ゴルフセンターで働らき月819万の賃金を得ていたこと。一九七二年一月鈴木君が逮捕された時東京拘置所に面会にゆき弁護士と相談して意見書を提出して執行停止になり、陽和病院に入院した時のこと。
そしてその時の教訓として病院入院時には本人の「病」状が悪い場合、患者の利益を代弁する人間(保護義務者)に連絡するが拘置所の中で「病」状が悪化した場合も患者の利益を代弁できる人間に連絡すべきであるとの見解をのべました。又大阪拘置所の中で診断した臼井医師の診断処置の誤まりについては、「デリウム、アメンチア?せん妄様状態とみて分裂病を疑う」のは医学的にも完全に誤まっており、鈴木君の保護房での全般的な経過を把握する検温、検脈もせずいきなりコントミン注射をうって凍死させたことについて証言しました。このような場合、拘禁状態そのものが「病」状を悪化させるということで拘禁を停止、病院で医療をする他には考えられないことははっきりしている。そして保護房動静視察表の分析を通して、食事、睡眠、着衣についての分析とその中で3期にわけた彼の「病」状の説明を行ないました。
最後に、全体を通しての感想として、これだけの悪い状態で保護房に入れていたことにいきどおりをおぼえる。検事の責任として拘留を停止し病院へ移送できたはずであり、看守も毎日鈴木君の状態をみていたならば意見を上司にゆうべきであるし、臼井も病院へ移すための手配を当然とるべきである。特に2月15日の状態は、一般の人でも、こんな状態の人が道路にたおれていたら救急車を呼ぶはずだし、このまま放置していた大拘は残酷、無慈悲である。 と、しめくくりました。
これに対して国→被告側の反対尋問は、「精神障害者」に対する差別と偏見をむきだしにし虐殺の事実を居直おるばかりか正当化しようとする憎むべき尋問を行ってきた。
@分裂病の人間で着衣をぬぐ人が多いのではないか。
A意識障害がある時は食事をとれないのではないか。
B意識障害が深まっていった場合医者がいって直る場合があるのか。
C検温・検脈をしなかったというが動きまわっている時できるのか。
D37食のうち9食とっていれば死ぬことはないのではないか。
E分裂病のなかご急性緊張病というのがあるか。
 等の虐殺を居直おり正当化する憎むべき反対尋問に対して、当然に、一つ一つ徹底的に説明し反対尋問の差別性、誤まりを正す証言をかちとり証言を終えました。国ー被告側は次回虐殺の下手人臼井を証人申請し死因について争うことを表明してきた。
 しかし、公判終了後の弁護士からの死因として何を主張するのかという質問について「わからない」という答えをしたことでわかるように一切裁判斗争についての方針もなにもない。しかし、そうであればあるほど次回公判における臼井医師の証人調べに対して私達は徹底的に糾弾していかなければなりません。
 第6回公判をこえる傍聴席を完全にあふれる圧倒的な結集を第7回公判でかちとろう!
◎次回公判
十一月十三日(午前10時)
証人 臼井節哉 大阪地裁民事3部
           八〇八号法廷
80 8、26朝日(夕)
刑法改正急ぐ必要
法相表明 精神障害犯罪に対応
 奥野法相は二十六日の閣議で、新宿駅バス放火事件に関連して「現行刑法は精神障害者やその疑いのある犯罪者への対処が不十分。こうした人に対する保安処分を含む刑法全面改正を急ぐ必要がある」と述べた。法相は、日本弁護士連合会など改正に反対している団体とも積極的に話し合いを進める意向だ。
 刑法の全面改正は昭和四十九年、法制審議会から改正草案の答申があったものの、保安処分導入などをめぐり社会、共産両党や法そう界、学界から人権侵害するとの反論が強い。この日の法相発言は各方面に反響を呼ぶことになろう。
 刑法の全面改正は昭和三十年代から本格的な作業が始まり、四十九年五月、法制審議会が改正案の骨子となる改正草案を中村法相(当時)に答申した。しかし、保安処分をはじめ企業秘密漏示罪、騒動予備罪など新しい罪種が導入されるほか、全体に重罰傾向が強いことから広範な反対を浴び、その後も国会の与野党伯仲状況を反映して改正作業は事実上中断している。
 保安処分は精神障害者やアルコール、薬物中毒者で重大な犯罪を犯した者が再び同じような行為をくり返さないよう、医療および矯正面から対処することを目的に「精神障害者らが禁固以上の刑にあたる行為をした場合、将来再び禁固以上の刑にあたる行為をする恐れがあれば保安施設に収容する」というもの。処分が必要かどうかの認定は裁判所が行うとされている。
 法相は二十六日の閣議でも「殺人や放火など凶悪犯罪を犯す人のうち、精神障害者やその疑いのある人が犯人となる比率が通常人に比べ高い」と述べ、保安処分を含む全面改正の必要を強調した。
 しかし、保安処分の導入に対しては@精神障害者が犯罪を犯した場合でも精神障害自体が犯罪の要因となるケースは少ないA精神障害者らには治療を優先すべきで「処分」各目で社会から排除すべきでないB改正草案の保安処分は要点があいまいで、乱用の恐れが大きいーなど強い批判がある。
 法務省は改正を急ぐため日弁連などの主張をある程度受け入れた形での改正もやむを得ない、との意向を固め、今春から日弁連に対し話し合い再開を呼びかけてきた。これに対し日弁連内には奥野法相就任後、とくに自民党が国会で安定多数を占めた状況下で、法務省側が積極姿勢を示していることに対し慎重論も根強い。
80 8、26 朝日(朝)
日弁連会長と会談へ
法相 刑法改正に協力要請
 すでに六年間にわたり事実上作業が中断している刑法の全面改正問題が流動化してきた中で、奥野法相と谷川八朗日本弁護士連合会長の会談が二十八日午後行われることが、二十五日決まった。谷川会長の新法相に対する表敬訪問として実現するものだが、法相は、刑法だけでなく、日弁連や学界などの強い反対で懸案となっている少年法の早期改正についても、法務省との間の話し合い再開を要請、協力を求めたい意向だ。


*作成:桐原 尚之
UP: 20100626 REV:
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