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『全障連』40


last update:20110909

『全障連』(全国機関誌)目次

全障連40(1984・6・25)

全障連第9回大会を成功させよう!・・・・全国事務局長 西岡務(1-3)

強まる社会的差別意識・政治攻撃と連続して闘い抜いた一年間

※この一年間のとりくみ
・精神衛生対調査阻止闘争
・富山差別行政糾弾闘争
・ヴァンサンカン差別記事糾弾闘争
・ルックルックこんにちは差別発言糾弾

八〇年代後半の障害者対策を固める政府―支配者の攻撃の本質
「年金法改『正』により、一定の所得保障をすると見せ、結局は『福祉サービスを金で買うシステム』を確立し、個人の責任と能力が強調されようとしているわけです。このことは、先に実施されたホームヘルパー改「正」や、現在策動されている施設の費用負担制ををみても明らかであり、『自助努力』が具体化されつつあるのです。(2)」

統合と排除の攻撃に対決する全障連の新たな3つの闘いの提起

@優生保護思想・保安処分思想との全面対決
・ヴァンサンカンの闘争の総括を踏まえてさらに展開する。

A行政闘争の強化
・個別要求を障害者会報を展望した行政施策全般を求める闘いへと飛躍させる

「この闘いで昨年第一次策として出した『障害者開放基本要求要綱』が有効に活用され、富山市、枚方市の障害者に対する行政姿勢を確立させたことは、成果として大きかったと考えます。」(3)

B「差別実態白書」づくり

「更に、今年初めて提起するものとして『障害者差別実態白書づくり』があります。これは、私たちとしても、多くの障害者仲間の過酷な実態を明らかにし、学び、そこから仲間をふやし、自らの運動を点検していくということと、また白書として、差別実態を世に明らかにしていくという面があります。(3)」

「赤堀さんへ最新棄却攻撃を露骨にかける宮城刑務所・静岡地裁を許すな」・・・・・著者不明(4-6)
デッチ上げ逮捕から30年今こそ闘いの強化を!

※1984年5月24日で赤堀さん逮捕から30年

5・24仙台・静岡始め全国で闘いにとりくむ
「全国各地での集会や学習会、とりわけ、静岡現地においては獄中支援センター設立への第一歩として街頭情宣、署名活動、仙台においては五・二四学習会をもって引き続き六・三には不当な獄中弾圧をはね返すべく宮刑闘争が予定されている。」(5)

再審実現にむけ、文通・面会ともに、早期に十万人署名達成を!
「昨年一一月より開始されている静岡地裁での差し戻し審では、石の発見経過や足跡をめぐって弁護側は赤堀さんの無実をつきつけてきた。『物証』=石、足跡の鑑定によって拷問とデッチ上げによる『自白』の信頼性を覆したのである。しかし、検察側は平沢(足跡)鑑定に対し『推定でものを言っている」とか『胸の傷は生前のもの』と三〇年前の自らの鑑定を覆してまでも『自白』の信憑性を裏付けようとするなど許しがたい攻撃に出ている。すでに崩壊したあの悪名高き古畑鑑定にそった証言をもって「赤堀自白の信憑性は裏付けられた」と全くのでたらめで試合新規客へと出てきているのである。」(5-6)


八三年精神衛生実態調査阻止闘争中間総括・・・・・八三年精神衛生実態調査阻止全国共闘会議(7-10)

(1)実態調査阻止闘争の成果
実態調査中止

東京
神奈川
滋賀
大阪
奈良
埼玉
兵庫
徳島
福岡
長崎

厚生省の発表・・・施設で5割、患者で4割の回収率

「精神衛生実態調査阻止全国共闘会議がいち早く結成され、全国的な闘いを作り出して行った背景に、七五年『心身障害』児者実態調査阻止闘争、七九年「身体障害者」実態調査阻止闘争、八〇年「精神薄弱児者」実態調査阻止闘争などを担い続けてきた全国共闘会議が存在していたことが挙げられる。」(7)


(2)実調の歴史的位置

1982年9月厚生省 1983実態調査を発表
理由・・・覚せい剤常用者や精神障害者による犯罪が社会問題化し、法務省が保安処分を検討中とのことから早急な対策を打ち出すため

1940年に実態調査の前身である精神病全国調査

1954年の実態調査・・・50年の精神衛生法と一体となり、病院や施設への隔離を生みだす。
1963年の実態調査・・・措置入院の強化後に行われる。
1973年実態調査「中間施設構想」など病院以外の施設収容しようとする流れの中で実施。

(3)刑法改正保安処分新設の動向
・新宿西口バス放火事件による精神障害者の隔離キャンペーン
・法務省と厚生省は定期的に関係局長会議をもち、”精神障害による他害行動の実態”を検討。
cf.社保123号通知
・より効率の良い管理と経度―重度分類

(4)当面の具体的取り組み
・厚生省は調査の失敗を認めるもデータとして使えないことはないと述べる
・引き続き交渉が必要




ヴァンサンカン差別記事糾弾闘争、新たな闘いへ・・・・・・・(13-15)

1984年4月15日 新宿体育館での糾弾会で勝利

出席者=西田編集取締役
    戸田ヴァンサン刊編集長
    婦人画報各社発刊誌編集長など10名

障害者運動側
全障連
障害連
視労協
82 郵政保護改悪阻止連
「二月二六日の確認界での追及点の一つはヴァンサンカン編集スタッフと監修者の出席拒否の問題であり、婦人画報社として出席が実現するよう努力するとの確認がされていました。ところが、今回の糾弾会に出席拒否という事態が続いていしまいました(11)。←編集スタッフは労働組合の立場で拒否しており、監修者には立場上お願いしかできない、と弁明あり。

「私たちは、まず婦人画報社としての差別意識と経営・編集体制の自己批判を要求し、その上で@編集スタッフの研修会、A監修者との糾弾会の設定を再度確認されました。」(12)

「この糾弾会をふまえ、四月二八日には、朝日・毎日・読売・サンケイ・日経の五大新聞に謝罪文を掲載させました。また研修会については大位階を四月二七日の夜六時〜九時に約六〇名の社員を対象に行っています。」(15)

※この講演会では、
二日市(障害連)、
堀氏(視労協)
石川氏(東大病院小児科医)
村上氏(阻止連)

がそれぞれの立場で障害者・女性差別について講演

「一方、浅香、真田、高橋の三監修者への糾弾のとりくみですが、婦人画報社が「出版社としての立場では監修者へ責任追及できない」との考え方を明らかにしたため、私たちは直接糾弾の闘いを開始しました。(15)」

〈緊急支援要請〉 矛盾にみちた心身障害者への偏見と差別・人権じゅうりんの千葉裁判不当判決を許さない! 障害者差別粉砕・不当処分撤回・・・・・・東京東部労組大久保製壜支部(16-18)

「全国でも高裁向け署名や映画、小説等々大久保闘争は広がり、団結は強化され、大久保資本を着実に追い詰めてきています。その中で障害者差別を暴露、組合つぶしを訴えて闘っていた東京都労働委員会において、四月二三日、七年余の審査の末、私たち組合側のほぼ全面勝利の命令が出されました。それは、会社側の不当労働行為を認定し、組合員への不当配転、出勤停止、役職懐妊の処分を撤回し損害賠償と、その旨を工場正門に十日間掲示せよというものです。」(16)


「一方、七年前、大久保資本が組合つぶしを意図し、長年交際し、愛し合い、結婚の約束をし、職場では衆知の事実であった障害者同士の千葉さんとEさんとの交際を、Eさんが、「知恵遅れ」があることに目をつけ、卑劣にもその差別と偏見を利用し、突然、職場外での二人のデートの中身を、プライバシーをロコツに侵害し、千葉さんの「強制わいせつ行為」をデッチあげ解雇してきましたが、都労委の命令の三日後の四月二六日、東京地裁は不当にも千葉さんの訴えを棄却する判決を出してきました。」(16)


※裁判所は千葉さんとEさんとの交際の正当性は認めながらも、千葉さんの訴えをEさんが「知恵遅れ」であるという理由のみで却下してきた。

「こんな理不尽な話はありません。だったら二人は裁判所すら認めている事実の他にどうしたら結婚ができるのでしょうか?」

※直ちに控訴する。←全障連の支援を求める。


*作成:廣野 俊輔
UP:20110909 REV:
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