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『全障連』2



『全障連』2(19770512)

 ◇『全障連』(全国機関誌)目次

全国統一闘争の報告と方針
54年度養護学校義務化阻止闘争

全国事務局「全国総決起集会の意義と課題」
・当面の重大な課題
赤堀裁判糾弾闘争
養護学校義務化阻止闘争

この4・24〜25の第1回闘争に於いて,まず我々は,現在の闘う側の力量を計ることができるだろう(p2)。

そうした闘いを通じて,我々が今回獲得すべき目標は,まずなんといっても文部省に障害者の声を聞かせ,全障連との窓口を作らせることにあるだろう。また同時に,少なくとも最低限彼らの障害者に対する「専門性」に名を借りた差別性を暴露すること,そしてこのことと供(ママ)に,彼らの教育観を引き出し,糾弾する中から,従来のように無条件に養護学校に強制したり,就学猶予,免除を強要したりしている各教委の姿勢を改めさせる指導通達を確約させることも必要だといえるだろう。(p2)

各ブロック,団体からの提起と決意
関東ブロック

また四年目をむかえた岩楯さんの就学闘争は,行政,PTA,校長一体となった差別署名,請願の三月都議会採決を阻止し,学校への実力就学闘争の経緯と全門閉鎖攻撃をはねのけ,対行政糾弾闘争としても大きな盛り上がりをみせている。東久留米でも村山さんが立ち上がり,障害者自身の闘いとして発展してきている(3)。

東京→「54年度義務化」阻止を労働者人民の中へ広範に浸透させてゆくことが課題となってきている。

神奈川県→「神奈川青い芝の会」を中心に対行政交渉や討論会
埼玉県→「川口に障害者の生きる場をつくる会」の在宅訪問,実調阻止処決実行委での大衆的学習会の組織化,討論会の準備
茨木県→「青い芝の会」による行政交渉開始

全関西54年度養護学校義務化阻止共闘会議の闘いの報告
「全関西共闘会議」事務局

19770206 350名の障害者,労働者,市民によって結成

19770221 大阪府教育委員会に代表4名が正式な窓口を持って,3月1日に代表団との交渉を行うように申し入れました(p4)。→3月17日に交渉を決定

4月の全国総決起集会までに

@大阪府,市教育委員会との交渉を勝ち取り,窓口団交をつくらせ,他方,行政のきっかけをつくる。

Aその成果をもって総決起集会→文部省交渉に攻めのぼり,Bその後,他県教委の交渉をも展開し,義務化阻止の実質的機能をやめさせ世論をつくりだす方向です。(p4)

質問ならびに要望の書

大阪府教育委員会殿

全関西54年度養護学校義務化阻止共闘会議の闘いの報告 全関西「共闘会議」事務局(p4-5)
 私達,全関西54年度養護学校義務化阻止共闘会議は,全障連(全国障害者解放運動連絡会議)関西ブロックを中心に,関西全域の教育労働者を始めとする多くの労働者や,障害児を持つ親,被差別者など広範な人々が結集して,今月2月6日に結成された団体です。また全障連は,昨年8月に,障害者が中心となって結成された,全国の障害者運動の結合団体で,障害者に対する全ゆる差別・偏見をなくし,障害者の自立と解放をめざして運動を進めています.
 さて,貴委員会もご承知のように,近年99%を越える健常児の就学率に対して,障害児のそれは極めて低く,重度障害児に至っては,20%にも満たないのが現実です。教育基本法において「教育機会の均等」が唱われながら,一方で障害児に対する就学猶予・就学免除制度がつくられ,また,「障害児は健常児と異なった教育の場が当然」とする考えが一般化する中で,障害児は教育権を奪われ,あるいは地域社会から締め出されてきたのです。
(中略)

以上のような視点にたつ私達は,貴委員会に対し,下記の事項について質問をしたいと考えます。貴委員会の回答につきましては,私達との充分な話し合いの上,その場で明らかにしていただきたく考えます。

(1)これまで障害児が教育の場から排除され,あるいは,養護学校や障害児学級などによって隔離されてきた事実に対し,どう考えられているのか。

(2)教育の場以外でも,障害者は,様々な社会的差別を受けているが,その実態をどう見られており,原因は何であるのか,またそれをなくす為に,どうしなければならないと考えられているか。

(3)地域=校区の普通学級で障害児の教育を保障する運動について,その様に評価され,行政として,どう対処されようとしているのか。

(4)54年度養護学校義務化を始めとする,文部省の,障害児教育施策についてどう考えておられるのか。

以上の諸点について,3月1日,午後2時から,私達との話し合いを持っていただき,その場で見解を明らかにしていただくよう要望致します。
(以下略)

その後の経過
@大阪府教育委員会との交渉(3月17日)
以下の確認を得る
(1)今後障害児教育を進めるにあたっては,まず何よりも障害者自らの声を聞き,そのことを原点として進める。
(2)今後全障連,全関西義務化阻止共闘会議との交渉を継続していく。
(3)次回にわれわれの〈質問ならびに要望の書〉に対して具体的な責任ある回答を行う。
A大阪市教育委員会は私達の交渉申し入れに,頑なな態度をとり続けています。
しかし,全国総決起集会までには押しかけてでも交渉の場(団交)をもつ決意でいます。

「昭和54年度養護学校義務化阻止にむけて」青い芝の会・全国常任委員会(p6-7)

 障害児をもつ親を中心として養護学校建設推進運動が繰り広げられはじめてからすでに久しい。
 そして,今,養護学校を卒業した障害者が,我々の青い芝の会においてもどんどん増えており,その中で養護学校に対する評価が下されている。
 養護学校での十数年間,それは障害者だけの空間である。その間,健全者といわれる人は家族か養護学校の先生か,とにかく常に自分の子供(生徒)に対して注意・監督をしている人達ばかり・・・・・という世界である。このような養護学校を卒業した時,すでに我々の多くが(ほとんど全部といっても過言ではない)健全者を恐れ,健全者と対等にはなしができない障害者になってしまっている。したがって,健全者が圧倒的多数の今の社会では生きていけない我々の仲間は死を考え,またコロニー,施設,授産所などでひっそりと社会から切り離されたまま生きるしかなかった。我々障害者にとって養護学校は障害者差別を生み出す元凶であるといわざるをえないゆえんである。
 (中略)
このような各地の動きを包括する形で全国青い芝の会は文部省に対して公開質問状をつきつけ,義務化に関する五項目の質問に対する文書回答を要求して交渉を続けているが,はなしは平行線のまま,文部省は文書回答を拒否しつづけている。以下,かんたんに五四年度に関する文部省側の見解を報告する。

●昭和五四年度以降の学校指定権について
五四年度の義務制が実施された後は,教育委員会の方で就学指導委員会に計ったうえで就学する学校を決定するという形になる。そこで,親などから意見がある場合は,就学指導委員会や教育委員会で意見を聞き,考慮はされるが,最終決定権は教育委員会にある。

青い芝の会より出された五項目については――
(イ)文部省当局はどのような意図で昭和五四年度養護学校義務化を策定されたのか。中止される考えはありませんか。

中止する考えは毛頭ない。文部省としては,すべての人にその能力に応じた教育の機会が与えられるべきだと考える。障害児にとっては,設備が整った専門家のいる所で,手厚い教育をすることが必要である。
(以下略)

(ロ)障害児の教育を校区の学校で保障しようとする考えはありますか。

医師やさまざまな専門家などで構成する就学指導委員会にかけられた子供の内,学校教育法施行令第二二条の二に照らし合わせて,この子なら普通学級でやっていけるという結論が出た場合は校区の学校で教育する。
(以下略)

(ハ)昭和五四年度養護学校義務化では「就学猶予・免除」規定が残されるそうですが,どうしてですか。

どのような状況になっても,ある時期,医療が一〇〇パーセント必要になる子供とか,親の外国出張で子供も一緒に日本を離れるとか,救護施設に入るために一時,学校を離れるとかいうことがあるので,就学猶予,免除を全国的に廃止することはできない。
(以下略)

(ニ)校区での教育保障に対する予算をつける試みはないのでしょうか。

普通学級で一緒にやっていける軽度の障害児については普通の子供と一緒にやっているのだから,当然,同じだけの予算を使っているし,特殊学級についても同様である。
(以下略)

(ホ)普通教育課程の変更作業がすすめられてますが,それは昭和五四年度養護学校義務化とどのような関係があるのか。

全く関係ない。
交渉の中での「どうして障害児と健全児を分けるのか。それこそ障害者差別の根源である」との我々の主張に対しては,「どうしてそのような意見になるのかわからない。現在の養護学校の中の問題は,今後,教育内容や学校運営などの中でどんどん改善していくことで解決していく。」と,全くのすれ違い。
養護学校のカベは厚い。この厚いカベが我々障害者を差別と抑圧の中におとし入れてきたし,健全者社会を守ってきた。
今こそ,我々は「もう絶対に養護学校は作らせない。障害児を養護学校に行かせない。」という怒りを込めた叫びの中により多くの人々を巻き込み,この厚いカベを打ち砕き,健全者の中へなだれ込まんとするものである。

54年度養護学校義務化阻止全国決起集会の案内文(p8-9)※以下,部分的な抜粋
その活動(全障連の活動―記録者補注)の一環として,私たちは,障害者を「能力が劣るもの」「ジャマ者」として養護学校や障害児学級へ隔離し,健全者の中で共に遊び,学びたいという障害者のあまりにも当然の要求を踏みにじる教育のあり方を変革するために闘っています。
政府―文部省は義務化をあと二年後に控え養護学校の建設を促進し,他方で就学時判定機関による健診を徹底化させることによって,障害児を無理矢理,養護学校に追いやろうとやっきになっています。また,それを拒む者には学籍を与えないといった強圧てきな態度をとろうとさえしているのです。

●54年度養護学校義務化阻止!
●これ以上養護学校を作らせない!
●全ての障害児を校区の普通学級へ!

〈日程〉
4月24(日)
54年度養護学校義務化阻止全国総決起集会
場所オリンピック記念青少年センター

4月25日
抗議デモ

全国統一闘争の報告と方針
赤堀差別裁判糾弾闘争

3・11 再審査請求規約決定と全障連の声明

3月11日,静岡地裁,伊藤正七郎裁判長は事実を葬り,障害者抹殺の歴史を永続せんと第四次再審査請求を棄却してきた(p11)。

抗議声明
 我々全障連は,今回の静岡地裁・伊藤正七郎裁判長による,赤堀政夫氏への第四次再審請求棄却の決定を心からの怒りをこめて弾劾するものである。昭和二九年に赤堀さんが久子ちゃん殺しの犯人にデッチあげられ,スピード審理によって死刑の判決を作られ二三年もの間冷たい牢獄にとじこめられてきたことの全ての中に,許しがたい障害者差別が貫かれていたことは明らかである。「精薄者ならデッチあげるのにもってこいだ」として拷問によるウソの自白を強要した警察権力。「こんな惨虐なことをするのは精神障害者に違いない」ち予断と偏見に基づいて決めつけた司法権力。そして,そうした差別にに対して見て見ぬふりをし,あるいは積極的に手を借しさえした多くの健全者大衆に,今赤堀さんは,これらの差別によって無実のまま命を奪われようとしているのだ。
 赤堀さんの運命は,これまで差別によって抹殺されてきた全ての障害者の運命であり,だからこそ我々は今回の差別的決定を始めとする不当な差別的裁判を許すことは断じてできない。我々は,あの無実の部落民石川さんに有罪判決を下した東京高裁に対して,この赤堀裁判をもって全ての承認証拠調べを始めとする事実審理を公開で行うこと,これまでの差別性を認め,赤堀さんをただちに釈放することを要求し,また法務省に対しては赤堀さんの死刑執行を絶対に許してはならないことを強く要求する。
 我々全障連は,差別と闘う障害者を先頭に,これらの要求を認めさせるために,徹底的に糾弾闘争をもって闘い抜き,赤堀さんを一日も早く我々の手に生きてとりもどすことをここに断固誓言ものである。
一九七七年三月二十一日
全国障害者解放運動連絡会議


第四回全国行動集会の報告 赤堀闘争全国活動者会議
第四次再審請求の最終局面,地裁が棄却決定を出す事は断固許さない闘いを,11・21-22第三回全国行動集会に引き続き闘い抜いた(p12)。

都市交通の車イス乗車拒否糾弾!!全国統一課題の報告と方針

@これまでの経過と今後の方針
関西ブロックから陸運局交渉を進めるための〈公開質問状〉が提起される

A公開質問状(一部抜粋)横塚晃一→○○陸運局(p13-14)
東京都電・東急バス・川崎市バス・尼崎市バス・広島電鉄・西日本鉄道をはじめとする各地の都市交通などで,露骨な差別対応を行い乗車拒否を続けている事があり,またこの二〜三年の間にも数人の視力障害者が国鉄のホームから転落し,死亡や重傷を負っている事など数え知れない程です。

(1)車イスのままでの乗車拒否をどのように考えるのか。(記録者要約,以下同じ)
(2)車イスを荷物とみなしたり,安全性に欠けると決めつける事をどのように考えるか。(3)これまで,こうした差別対応についてどのように指導してきたのか。
(4)右記のような差別対応が起こらないための指導方針を明らかにされたい。


B資料
身障者の車イス乗車についての運輸省交渉  全交運・中央バス共闘会議(p14-15)

1月25日における,運輸省旅客課との交渉の結果,以下の確認を取り付けた。
(1)バス共闘の見解に対して見解を今月末までに示す。(記録者要約,以下同じ)
(2)関わりのある省(厚生省)やバス協とも協議しながら対策を推進する。

身障者の車椅子問題についての対策要請について

別記――身体障害者の車椅子についての当面の対策 全交運・中央バス共闘会議
一,身障者の車椅子によるバス乗車における問題点
(1)車両構造上の問題
安全性が確保できず,介助者が必要。(記録者要約)

(2)運転手の立場からの問題
運航中に車椅子乗車を手伝う事ができない。

二,われわれの態度
(1)国の責任で安全確保を行うべき
(2)(1)が実現すれば,ツーマンによって運行する
(3)必要に応じて,福祉担当部課や身障者団体と話し合う

二・二〇全国ブロック幹事会・代表者会議の報告・・・・全国事務局
全国統一闘争の報告/その他の闘い/第二回東京大会/その他
各ブロックの報告/中部地方

★第六回全国ブロックの幹事会の報告

★全国統一闘争の課題
@赤堀闘争の課題
・三月五日の第四回全国行動集会が運動の結果を決めるという状況報告
・全障連,全国「精神病」者集団,全活の間で相互確認が充分でなかった
A54年度養護学校義務化阻止闘争
・四月全国総決起集会に関する事項(情宣活動,パンフレット作り等)の承認

★第二回東京大会
○去年からの課題
・異なる障害者同士のコミュニケーションの確保
・分科会の内容,人数,時間の設定
・基調に関して,歴史,全障研批判の部分を強化する

・全障研大会が名古屋で行われるがそれに対する情宣活動をどうするのか,次回会議で検討

中部地方からの報告 中部ブロック幹事
・中部ブロックは全障連結成大会以降,何ら具体的な動きのないままになっていた(p17)。
・二月一二日に新潟・富山・石川・岐阜・全国事務局の交流会を富山で実施,第二回は四月三日
・東海地方でも三月末に交流会を実施

☆全国各地の様々な闘いの紹介と提起
★バス乗車拒否問題 青い芝の会・全国常任委員会
・二月一五日川崎市・横浜市の交通局との交渉
以前からいわれていた,運輸局・東京陸運局の規則で,車椅子を乗せられないという事実を確認したところ,運輸局も陸運局もそのような指導はしていなかった。さらに,車椅子を荷物とは考えていない。車椅子のままのせたいが,安全面に自信が無く,個々のバス業者と話し合って欲しいの繰り返し。次回,バス業者の同席を約束。

ところが,三月八日,バス業者は同席せず。謝罪文への署名を求るも相手は拒否。交渉は紛糾。すわりこみへ。闘いは続く。

障害者の足を奪い返す会の闘いの報告 猪野千代子
★これまでの経過
(76年―記録者)八月,九月荒川線沿線でのデモ
一一月二十六日 全体集会
(77年)一月二十五日 全交運,中央バス共闘会議による通達,障害者の乗車を拒否
二月一日 交通当局との交渉 もの別れ
二月二十日 全障連事務局の中で奪い返す会として交通機関問題に関わることの確認
三月八日 全国青い芝,全障連関西ブロックと共に運輸省交渉→翌日まですわりこみ

バスの問題の他に,各駅におけるスロープ設置のための闘い


54年度養護学校義務化の具体化,東学大特殊教育学科研究棟新設を全国の闘う障害者・労働者・学生の力で阻止しよう!

大学にもしのびよる「54年度義務化」攻撃
・東学大(東京学芸大学)において特殊教育学科研究棟を新設,サークル部室の取り壊しを強行
特殊教育科新棟の目的は何か
東学大→教員養成の中心
「54義務化」にともなう教員養成大学特殊教育学科の再編,強化,その見本となる。

広がる学内での闘い,差別に荷担する一切を粉砕し,全国各大学で特殊教育そのものを変革する「54年度度義務化」阻止闘争をつくり出せ!!

四月着工は阻止された!全国の闘う仲間のみなさんに訴える!
・反対運動により,四月着工は阻止。

豊嶋区就学時検診反対闘争の視点(文責 大崎)
「54年度養護学校義務化」を今うち砕いていくために・・・
・「おたくの子はもう普通は無理だ」,「情緒障害児学級へも通わせたら」など追い出しの攻撃が,PTA,学校によって強まっている。
・何よりも「障害児狩り」をやめさせる闘いに勝たなければならない。

※以下,前号の続き
資料その二 11・21〜22赤堀闘争第三回全国行動集会

1・11静岡集会 基調報告 赤堀闘争全国活動者会議,全国「精神病者」集団,全国障害者解放運動連絡会議

我々は,この1・11口頭弁論を絶対に「最終弁論」にさせてはならず,これまでに提出してきた再審の武器=無実の証しについて当然にも審理を尽くし,打ち切りを許さず,審理継続させることを基軸として,静岡地裁・伊藤への要求行動を闘い抜いた(p22)

全障連・全国「精神病」者集団との団結を深め,3月5日,静岡であいみまえ,共に闘らん!(p23)

解放に向けて,赤堀さんと共に! 全国「精神病」者集団

赤堀さんと私達は,入院を契機として一切の自由権を奪われてきました。侮蔑と中傷,あふれんばかりの偏見と差別の日常に性に息づくこともできない存在です。(中略)特に強調したいことは,言葉の無効化です「異常者だから」という一点のみが誇張されて,切り捨てられる悲惨さなのです(p24)。

「障害者」差別糾弾闘争として赤堀闘争 全国障害者解放運動連絡会議

1,はじめに
2,「精神障害者差別」によって捕らわれていった赤堀さんの生い立ち
「精薄」というレッテルをはられて,地域からは排除され,学校に行っては「できの悪いヤツだ」と教師になぐられ,やっとの思いで仕事についても,真先に首をきられてしまう。
(中略)
赤堀さんにとってそもそも自分が生きていけるような地域もなく,一人放浪生活を送らざるを得なかった。空ものも寝る所もなく点々とした放浪のはてには身も知らぬ「幼児殺人事件の犯人」として差別死刑判決を打ち下され,二〇数年にもわたって刑務所に入れられている(p25)。

3,国家権力―司法権力の「精神障害者」差別による死刑判決糾弾

権力は,常に差別社会を打ち固めるために様々な反動諸立法を打ちたて「精神障害者」差別を基礎に支配を維持してきた(p26)。

私たちは,赤堀さんの無念をはらすためにも,「障害者」総体の利害のためにも,国家権力の「障害者」差別を徹底的に糾弾し,何が何でも赤堀さんを奪い返さなければならない(p26-27)。


10・21審理打ち切り決定に対する抗議書ならびに要求書(記録者要約)
・簗瀬証人の証言以外を証拠として採用しないことの理由を示していない。
・無実を示す証拠があるにもかかわらず,審議を打ち切ろうとしている。
・無実の赤堀さんに二三年にわたる獄中生活を強いている。
・障害者差別に基づく捜査や取り調べがあった。
・他の事件でも再審がなされているのに,現状に逆行する。

☆要求
@10・21の決定取消し
A8・3提出証人証拠の採用
B警察が持っている証拠の開示
C公開審理
D再審決定
一九七六年 一一月 二十二日 全国一三六団体連名→静岡地裁刑事部裁判長 伊藤正七郎

決議文
我々は,「障害者」差別を許さず,赤堀氏の死刑執行を絶対に阻止し,第四次再審請求闘争に勝利し,赤堀氏を生きて奪い返すまで,赤堀氏と共に闘い抜く覚悟である。全国の全ての闘う仲間のみなさんに共に闘われんことを強く訴える。右,決議する(p28)。

一九七六年一一月二十二日
赤堀闘争第三回全国行動集会
全国障害者海保運動連絡会議
赤堀闘争全国活動者会議

部落解放同盟中央本部よりの11・21〜22第三回全国行動集会への激電
第三回赤堀闘争全国集会に参加されたみなさんに熱い連帯の意を表します。島田事件は「精神障害者」差別にもとづく冤罪事件として,これまた,部落差別に基づく冤罪事件としての狭山事件と同じく警察権力によってデッチあげられたものであると確信します。22年間にわたる無実の赤堀政夫さんのまた,14年間にわたる無実の石川一雄君の獄中からの叫びに応え,あらゆる差別に反対する被差別人民と固く手を結びあって反差別共同闘争を発展させましょう。
部落解放同盟中央本部 
一九七六年一一月二一日(p28)

*作成:廣野俊輔


UP:20080129 REV:
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