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『季刊 前夜』第T期2号

特定非営利活動法人 前夜 20050101 影書房,365p.

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last update: 20200114

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特定非営利活動法人 前夜 20050101 『季刊 前夜』第T期2号,影書房,280p. ISBN-10: 4877143254 ISBN-13: 978-4877143251  1400+ [amazon][kinokuniya]

■内容

季刊『前夜』は、何を目指すのか――前夜宣言(4ページ)

1 私たちは、戦争体制へと頽落していく日本社会の動きに抗し、思想的・文化的抵抗の新たな拠点を築く。現在のこの状況はなぜ・どのように形作られてしまったのか。日本という一国家に閉ざされた枠組みではなく、東アジア、ひいては世界という広がりの中から、<戦後>の歴史を批判的に再検討し、<別の道>を模索する。
2 私たちは、文化・芸術分野の批評に特に力を入れ、ジャンルの壁を超えた新たな批評のスタイルを創造する。現在のように批評精神が衰弱しきったままでは、「夜」を耐えしのび、新生のときを迎えることはできないからである。
3 私たちは、女性・被圧迫民族・マイノリティなど、世界のいたるところに存在する被抑圧者たちの経験を、歴史性の視点をもって検証する。このことを通じて、さまざまな形で抑圧・分断され、相互に出会うことも難しい状況にある者たちの対話と連帯の場を構築する。
4 <平和><民主主義><人権><人道><正義>……。これら人類普遍の価値をあらわすはずのことばが、蔓延するシニシズム、相対主義、現実主義、自己中心主義のレトリックを摩耗させられ、あるいは強大な権力に恣意的に横領されている。私たちは、これらのことばに込められている価値そのものを救い出し、再生させる。


編集後記(280ページ)

 十月一日の創刊からはや二ヵ月が過ぎた。この間じつにさまざまな反響があった。その結果、予想を上回って五刷の増刷を重ね、もうすぐ一万部に達しようとしている。国境をこえて『前夜』に届く反応に接していると、現代世界の閉塞状況とその中での危機感を多くの人がもっていること、そうした危機に抗する言葉や思考を紡ぎだすひとつの拠点として期待されていることが伝わってきて、あらためて責任の重さを痛感している。
 さらに、十一月一日の「前夜 in 関西」を皮切りに、読者と直接交流する場をいくつかもうけることができた。そこでは、雑誌を中心とした文化運動として立ち上げた《前夜》をいかに実質的なもの、自律的なものにしていくかが問われていることを実感している。
 そして、韓国で民主的なメディアづくりに取り組む人々との交流からは、具体的な示唆を得ることができた。今後の活動に生かしていきたい。しかし、人手も資金もまだまだ必要である。引き続きご支援をお願いしたい。
 二号特集は「反植民地主義」とした。これは『前夜』として最も取り組みたいと考えてきた主題のひとつである。日本のマス・メディアではおそらく最も避けられてきたテーマといえる。しかし、いまも継続している植民地主義に向き合わなければ、「反戦平和」も「民主主義」も「人権」もほんとうに自分たちのものにすることはできないだろう。本号で紹介する世界各地で植民地主義に抗う人々の営みと理性の声に、耳を傾けてほしい。


■目次

ガッサーン・アンドーニ……パレスチナから
韓 洪九……韓国から
ダニエル・エルナンデス・サラサール……グアテマラから
中西新太郎――ねじれた抑圧構造のなかの若者たち
高橋哲哉――デリダと犠牲への問い
鵜飼哲――絵画に<声>が来るとき


■引用



■書評・紹介



■言及





*作成:岩ア 弘泰
UP: 20200114 REV:
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