『東洋学術研究』第57巻 第1号(通巻180号)
東洋哲学研究所 編集・発行 20180529 332p.
last update: 20190826
■東洋学術研究所 20180529 『東洋学術研究』第57巻 第1号(通巻180号),332p. ISBN-10: 4885960452 ISBN-13: 978-4885960451 1238+
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■内容
本書:p.4より
特集 生命倫理と宗教――連続公開講演会/「社会と宗教」レクチャーより
生命倫理の問題はいまや、宗教が取り組むべき重要課題の一つとなっている。尊厳死や安楽死、人工中絶の問題から、ES細胞やiPS細胞による再生医療まで、現代医療の技術発展に伴い、臨床の現場は新たな局面を迎えている。こうした状況だからこそ、いやまして宗教には人間の生死をめぐる諸問題に対して応答する使命があるのではないかと考える。
そこで東洋哲学研究所は、生命倫理の諸問題に対し、仏教、キリスト教、儒教、イスラームの視座から英知の光を当てるべく、「生命倫理と宗教」を統一テーマとした連続公開講演会を2017年に開催した。本特集では、講演会の内容を特集するとともに、当研究所の「社会と宗教」レクチャーから、2本の発表内容を掲載する。講演会およびレクチャーの内容は以下の通り。
■連続公開講演会
第1回「イスラームにおける」生命倫理の諸問題(青柳かおる氏/新潟大学准教授)
第2回「科学の進歩と生命をめぐる倫理的課題の過去・現在・未来――キリスト教における議論を参考にしながら」(小原克博氏/同志社大学教授、同大学良心学研究センター長)
第3回「仏教と生命倫理」(山本典生氏/東洋哲学研究所委嘱研究員、順天堂大学大学院准教授)
第4回「中国文化における生命倫理」(池澤 優氏/東京大学大学院教授、同大学死生学・応用倫理センター長)
■「社会と宗教」レクチャー
「イランの生殖補助医療」(細谷幸子氏/国際医療福祉大学准教授)
「生命倫理とキリスト教」(土井健司氏/関西学院大教授)
なお、「社会と宗教」レクチャーの内容は改題した論考を掲載する。
■目次
特集:[生命倫理と宗教](連続公開講演会/レクチャーより)
イスラームにおける生命倫理の諸問題
青柳 かおる
科学の進歩と生命をめぐる倫理的課題の過去・現在・未来
小原 克博
仏教と生命倫理
山本 典生
中国文化における生命倫理
池澤 優
イランにおける第三者がかかわる生殖補助技術の活用に関する倫理的議論と実践
細谷 幸子
キリスト教と生命倫理
土井 健司
韓国元首相特別講演会より
東アジアの平和の連帯を目指して
李 壽成
「法華経――平和と共生のメッセージ」展より
世界に広がる法華経展
永遠のこだま――敦煌壁画の『法華経』図像と祖の現代における啓示
張 元林
法華経の流伝――インドから東アジアへ
ニルマラ・シャルマ
一なる真実在、いくつもの信条
モハンマド・アラミ・ムサ
イスラーム・レクチャーより
アヴィセンナの存在論と西洋中世
山内 志朗
寄稿
仏教徒の「死者の遇し方」:そのあいまいさとアンビヴァレンス
リチャード・ゴンブリッチ
キリスト教と仏教の「智慧」表出の論理構造――エックハルトの「私の花は実である」(シラ書)解釈を手がかりにして
田島 照久
研究覚え書き
『世界地名辞典』の執筆に携って
池永 啓介
憲法における人間の尊厳と個人の尊厳
上田 宏和
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:岩ア 弘泰