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『そぞろ通信』2003

山口平明



◆2003/02/16 そぞろ通信 2月号
◆2003/03/17 そぞろ通信 3月号
◆2003/04/16 そぞろ通信 4月号
◆2003/05/16 そぞろ通信 5月号
◆2003/07/20 そぞろ通信 7月号
◆2003/08/16 そぞろ通信 8月号
◆2003/09/16 そぞろ通信 9月号
◆2003/11/27 そぞろ通信 11月号
◆2003/12/11 そぞろ通信 12月号
◆2003/12/31 そぞろ通信 極月号


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        ■そぞろ通信■2月号*2003-2-16

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          発行☆山口平明(天音画廊)
                ●
             *>もくじ<*
    [1]漫歩系_イラン映画「酔っぱらった馬の時間」|山口平明
       [2]家事細見帖・便所掃除の巻|岡本尚子
           [3]編輯後記|へいめい
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■1■漫歩系sozoroaruki...............................山口平明

  【クルド語のイラン映画「酔っぱらった馬の時間」】

 クルドは国をもたない民族、中東地域の先住民であり、トルコ・イラ
ン・イラク・シリアにまたがる山岳地帯のクルディスタンと呼ばれる地
域に住む。イラクの人口二三〇〇万人に匹敵するか上回るとされる「少
数」民族である。半数以上がトルコにおり、トルコ総人口の四分の一を
占めるものの、公式にはクルド人を認めず、山岳トルコ人として同化政
策をとっている。トルコは民族主義のクルディスタン労働者党を弾圧、
しかし、EUへの加盟が悲願であるため、難しい局面に立っている。

 それぞれの国に独立や自治を求めるゲリラ組織があり、大同団結でき
てはいない。イラン・イラク戦争(80〜88年)では国境付近が戦場とな
り、双方が敵国のクルド人組織を応援した。停戦後、フセインのイラク
政府はイランに協力したクルド人地区へ制裁を加えた。一九八八年三月、
毒ガスによって五〇〇〇人を虐殺したハラブジャ事件である。このとき、
アメリカ政府はフセインを支援していた。

 ノーム・チョムスキーは言う。《フセインは犯罪者です。当時も、い
まも。しかし彼の犯罪と米軍の攻撃とはまったく関係がありません。そ
れはたしかなことです。この問題について西側知識人が沈黙を守るのは、
あまりにも卑屈ではありませんか。イギリスとアメリカがフセインの圧
制を支援していたことは知識人なら誰でも知っているし、今、彼を悪の
手先のように非難するのが極めて偽善的であるのもわかりきっているの
に、誰ひとりそうは言わないのです。なぜならば、知識人は権力に従わ
なければならないと知っているから……事実を口にしてはいけないと知
っているからです。権力には迎合して、指導者を称えなければならない
とね。それを確かめたいなら、「そうとも、あいつは犯罪者だ。ありと
あらゆる恐ろしいことをしでかした…我々の支援を受けて」と言った者
が何人いるか、数えてみればいい。そう言えないのなら偽善者です。ま
ったくの嘘つきで偽善者です。それが知識人の限界なのです》(月刊
「プレイボーイ」二〇〇二年六月号、辺見庸との対談より)

 イランでも第二次世界大戦後、クルディスタン人民共和国を樹立した
が軍により崩された。一九七九年のイラン革命ではパーレビ王朝打倒に
参加したが、新政権によって制圧。イライラ戦争のとき、イラクの支援
でゲリラ戦を展開した。だから、クルドといえばゲリラと思われるよう
な情況がある。
     *
 アーマネちゃんという女の子が出てくるイラン映画がくるから、ぜひ
見に行ってよねと試写を見た友人からすすめられた。「酔っぱらった馬
の時間」である。本だって親しい人から「これいいよ」と推されると、
よし読んでみようとなるものだ。映画もいっしょ。

 イランのクルド人地域、バネー市出身のバフマン・ゴバディ監督は、
1969年生まれ。映画「酔っぱらった馬の時間」の製作時は三十歳と
いう若いクルド人だ。この作品が初の長編映画で、2000年のカンヌ
国際映画祭「カメラドール新人監督賞」および「国際批評家連盟賞」を
受賞している。もちろん911の前である。

 彼はイランの有名な監督、アッバス・キアロスタミの「風が吹くまま」
(1999年)で、チーフ助監督をつとめた。またこのあとサミラ・マ
フマルバフ監督の「ブラックボード 背負う人」には出演もしている。

 「酔っぱらった馬の時間」(80分)は、ドキュメンタリーかと思うよ
うな映画だ。事実に基づいているらしい。映画では、イラク国境に近い
イラン領クルディスタンのサルダブ村に暮らす五人きょうだいの子ども
たちの辛苦にみちた厳しい日常生活が描かれる。

 女三人男二人のきょうだい。語り手は次女アーマネ。この名前は少女
女優さんの本名みたいである。不治の障害でいのちも危うい十五歳の長
男マディを、姉、妹、弟たちで守って生きていく物語である。

 マディは、冗談で三歳と自称できるぐらいに、知的には障害はなさそ
うだ。ただ手足の成長がきわめて低く、胴体と頭は発達していくから心
臓に大きな負担がかかり、生命がいつ絶えてもおかしくない障害と難病
をもつ少年である。

 難病がもたらした四肢の未発達によって、マディは幼児のように見え
る。顔は少年のそれである。雪道を歩かせられないから、次男のアヨブ
や妹のアーマネに抱っこされる存在でもある。薬を飲まされ、村の医師
にお尻に注射をしてもらわねばならない。

 末っ子の三女を生んだときにお母さんは死んだ、とアーマネによって
語られる。父さんは、イラクへの密輸品の運び屋として働いていた。バ
ネー市へ働きに行ったアヨブらが村に帰ってきたとき、父さんは国境で
地雷にやられて、遺体はラバにのせられ村に帰ってきた。長女ロジーン
が、父さんの亡骸に取りすがって泣く声が谷間に響く。

 叔父さんがいるけれど、八人もの子がいてどうにもあてにできない。
その叔父さんは、十二歳のアヨブに「お前がこれからは家長だ。学校は
諦めて働け」と言う。孤児になった「家長」のアヨブは食うために働く
だけでなく、マディの手術治療費を稼がねばならない。

 大人に伍して働く子どもたちは、一日の労働を終えて町から村に帰る
トラックの荷台で声をはりあげて「人生は苦労ばかり。子どもですら老
いていく」と歌う。働けないマディはきょうだいのお荷物のように見え
るのだが、むしろ姉さんのロジーンにも次男アヨブにも、そしてアーマ
ネにも生甲斐や働き甲斐を与えてくれているみたいだ。

 もの思いに耽ったりしているヒマがあったら、体を動かして金を稼が
なくっちゃねえ。重い荷物だってアヨブは大人にまじって運ぶ。でも賃
金は払われないなんてことも。二か月働いたが、手術代は稼げなかった。
マディは死ぬかもしれないというのに。叔父さんが怪我で休んだ。ラバ
を貸してもらったアヨブは勇躍、密輸の運び屋の仕事に出かけるも、国
境警備隊に追い払われて逃げ帰る。ちっともええことないのだ。泣いて
るヒマもない。

 ラバは重い重い荷駄を背負わされ厳寒の山岳地帯を行く。元気づけの
ためにウイスキーを注いだ水を飲まされる。酔っぱらったラバが、馬鹿
力/馬力を発揮するのかどうか。イスラームは酒を呑まないはず。ラバ
は特別なのか。寒さの程度によってウイスキーの量が加減される。

 まるでラバのような生き方を強いられるクルドの人びと、特にその子
どもたちの働きぶりの見事なこと。バザール(パルコじゃないぜ)で、
大人に仕事をもらって、というかありついて独楽鼠のように立ち働く。
ガラスのコップを新聞紙でくるむ仕事。こっちの荷物を運んでくれ、の
声に駆け出すアヨブは、妹のアーマネに替わってと叫ぶ。でもね、お兄
ちゃんは「アーマネは学校をつづけていいよ」と言ってくれてる。近く
には長男のマディが、じっと大きな瞳でアヨブやアーマネの姿を追いか
けているんだ。

 長女のロジーンは、叔父さんの図らいというより差し金で縁談がすす
められる。ないがしろにされたと怒るアヨブは叔父さんに殴られる。こ
こで初めてアヨブは泣く。悔し泣きだ。しかし、手術代を稼げなかった
のだから自分がお嫁に行けば、町でマディは治療を受けられる、と姉さ
んは語る。アヨブは、雪深い山道をたどって、叔父さんとともに姉さん
を見送りに出かける。

 国境で花婿側の母親に、マディの面倒は見れない、連れて帰れと言わ
れる。叔父さんは怒って約束違反を言い募り、ラバ1頭と引き換えにマ
ディはもどされてしまう。重症心身障害の子が厄介視されるのは何処も
同じである。手術しても寿命は長くないって、お医者さんは言ってたけ
ど、ンなことは構うもんか。きょうだいがマディを抱っこして、面倒が
らずにともに暮らすこと、これがぼくらにとって大切なことなんだ。

 アヨブは、ラバをイラクで売り、マディに手術を受けさせて戻ってく
ることを決心する。密輸の隊列に加えてもらうことになんとかこぎつけ
る。お兄ちゃんのマディを背負い、ラバを引いて行くのだ。ロジーン姉
さんが嫁に行ったから、末の妹はあたしアーマネがみなくっちゃねえ。

 今日はすごく冷えてるぜ、酒を四本に増やしとけ。出発前のあわただ
しいところへ、アーマネがお兄ちゃ〜んとやってくる。どうしたと聞く
兄にお弁当をさしだす妹。お兄ちゃん。なんだ。もう一冊ノートが欲し
いの。よし判った、買ってくる。妹を頼むぞ。

 またも国境警備隊の待ち伏せにあう。荷物は重い大きなタイヤだ。大
人も隊列を崩して必死に谷間へ逃げこもうと走る。追っ手は迫る。だが、
ラバは酔っぱらってへたりこんでしまう。荷のタイヤを外さないといけ
ない。退路は断たれた。タイヤが谷へ向かって転がる。このシーンは迫
力がある。「戦艦ポチョムキン」を思い出した。

 大人は誰も助けてくれやしない。ラバの背のタイヤをやっと外して、
ひとり国境の有刺鉄線にたどりつく。アヨブの背からマディが顔を出す。
またいっそう弱ったことだろう。でも生きてる。いのちはあった。有刺
鉄線を踏み越えて、苦難をともにしたラバを引き二人はイラクへはいっ
て行く。

 映画はここで終わる。アーマネちゃんのお兄ちゃんのマディは生きて
いるのか、アヨブはまたバザールで働いているのか。なにも示してくれ
ない。アヨブの瞳の力強さとアーマネの愛らしい頬がぼくの心に残る。
せめてラバが高く売れてマディの手術がうまくいきますようにとつい画
面に祈ってしまった。
 「人生は苦労ばかり、子どもでさえ老いていく」

 バフマン・ゴバディ監督の観客へのメッセージとして、《この作品の
クルド人たちは私の想像ではなく、生きようとあがく現実の彼らそのも
のだ。30年間身近に接した同胞たちの姿なのである》という。この人は
これからも現実のクルディスタンを踏まえて、ここを強固な拠り所とし
て映画を創っていくにちがいない。厳寒期の雪の場面が多かったが、夏
のクルディスタンの風景も見てみたいものだ。
     *
 ぼくは一月下旬、この映画を大阪のシネフェスタ4で見た。題名の馬
はほんとはラバのことである。辞書『大辞林』によると《雌ウマと雄ロ
バとの一代雑種。ふつう繁殖力はない。ロバより大きく粗食に耐え、体
質は強健でおとなしい。南欧・西アジア・アフリカの一部で使役用とさ
れる》とのこと。ぼくなら「酔いどれラバのとき」ぐらいにするが。

 「酔っぱらった馬の時間」は、「そぞろ通信」神戸在住の読者が調べ
てくれたところによると、今月下旬、神戸で上映される。
 次に案内を付しておきますので、興味をもたれたかたはどうぞ。

☆「酔っぱらった馬の時間」の神戸上映スケジュールです☆
★KAVCキネマVol.124「酔っぱらった馬の時間」
 ○日時:2月22日(土)〜28日(金) (25日休館)
 ○場所:KAVCシアター
 ○料金:前売1400円(当日一般1700円、学生1400円、シニア1000円)
 ○上映スケジュール:13:00/14:40/16:20/18:00/19:40
 ○上映作品:「酔っぱらった馬の時間」(監督:バフマン・ゴバディ
  /出演:アヨブ・アハマディ、アーマネ・エクティアルディニ/20
  00年/イラン/80分)
 ○お問い合せ先:078−512−5500(KAVC)【自主】
KAVCシアターは新開地から南へ3分、「神戸アートビレッジセンタ
ー」の中にあります。(情報提供は土原由香さん。感謝)

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■2■家事細見帖/便所掃除の巻........................岡本尚子

  厠にも 明かり一筋 春隣

 七人で小さな家に住んでいますが、トイレだけは一階と二階に一つず
つあります。

 若い男の子のオシッコの勢いはスゴイ。泡が立っています。当然しぶ
きも飛びます。また、小さい男の子は必ず便器外にこぼしています。

 二つとも洋式ですが、そうじは和式の便器のほうがゼッタイ簡単です。
洋式便器は便座やフタや便器の本体も構造がフクザツ、あらゆる所にし
ぶきが飛んでいます。トイレブラシで便器の中はこすりますが、他のあ
らゆる所はゾーキンで拭く。毎日これをやっても夜にはクサくなってい
ます。

 が、しかし、他人の家のトイレは取材におじゃました時よく入るので
すが(私はボウコー炎が持病なのデス)、100%の家がキレイだった。
においもしない。家族の人数がさほど変わらない家でも。スゴイふしぎ
…。それもその時だけがきれいな風でもなかった。マサカそこで「どん
なソージをして何故キレイなのですか」とは聞けまい。

 その昔、年寄りと赤ちゃんをかかえ、トイレそうじもままならぬ私を
見かねて、夫が便利屋さんにトイレ掃除を頼んでくれたことがあった。
その頃はトイレ掃除をどれくらいの割でしていたのか覚えてもいないの
だが、ものの5分で終わった和式トイレ一つの掃除の値段は覚えている。
三千円!。ヒェー。今ではとても考えられない…。

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◎[平明舎余談]
 天音は毎日、母親が浣腸を入れてうんこをさせていた。場所は温度調
節がきく居間。おしっこはオシメにしていただく。便意があろうとなか
ろうと、時間がきたらビニールクロスを敷いたソファの上で、紙オシメ
を広げて粛々ととりおこなう。浣腸を入れるとすぐに出るときもたまに
あるが、たいてい一時間はかかる。天音のお腹をさすったり綿棒で肛門
をちょいちょいと刺戟する。ひどいときは二時間もかかる。
 お出ましになったうんこはウンチバケツに入れられる。それを父親が
便所にもちこみ、常備のゴム手袋をはめて始末する。布オシメのころは
流水のもとで黄色い汚れをこすり洗いする。このとき注意すべきは、お
尻を拭いた紙の処分だ。水に溶けやすいトイレットペーパーといえども
固まりをほぐさず流すと、管がつまり汚水が逆流して便器からあふれて
しまう。天音はとうとう便所を使わずじまいだった。

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■3■編|輯|後|記..................................へいめい

○忌日の十六日に配信できなかった。自分の原稿が捗らなかったのが遅
れの原因だ。寒さのせいか、細君が一月末に寝込んだためか、どうも今
月上旬は調子が落ちてなにごともうまく運ばなかった。こんなときもあ
るわさ…。
○前にふれた糸井重里の「ほぼ日刊イトイ新聞」サイトで話題になった
「80代からのインターネット入門」が紙の本になっている。題は『豆炭
とパソコン』、世界文化社二〇〇〇年十一月刊。これも面白く読んだ。
主人公のミーちゃんは一九一九年生まれの糸井氏の実母だ。彼の両親が
離婚して父親にひきとられたので実母とは今まで十回ぐらいしか会って
いないらしい。その群馬在住のミーちゃんが、息子の思いつきでiMa
cを送られ、よきボランティア講師を得てパソコンに軽々と挑み、楽し
げに電子メールをやりとりするまでになる。パソコンもインターネット
も八十歳の人が出来るようになれば誰だってやろうという気になる。そ
んなことよりもミーちゃんの暮らしや生き方をのぞかせてもらって、ご
くごくありふれた人びとにただよう「偉さ」に感嘆させられる。
 紙の本にはサイトで同時に展開されてるようなライブ感はないが、そ
のかわり《最も大事なエッセンスの部分は、こうしてまとめ読みしたほ
うが匂い立ってくるもの》なのであり、編集のチカラなんである。紙に
印刷製本された書籍の偉さも味わえるわけです。ぼく、図書館で借りま
した。ほっほっほっ。
○次号は3月16日に配信の予定です。今回は背信やてか。「そぞろ通信」
を待ってくれてる誰かさん、そんなあなたが好きッ。ほっほっほっ。

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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    月刊【そぞろ通信】2月号_#17□2003-2-16発行配信
     創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻102号
        編輯発行人□山口平明(天音画廊)
        連絡先□ amanetant81@hotmail.com
              ----------
 ※転載転送はひと声かけちょくれ。部分引用は掲載誌を送ってちょ。
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                 *「そぞろ通信」2月号ハココマデ

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Date: Mon, 17 Mar 2003 04:55:36 +0900
Subject: 【漫】「そぞろ通信」3月号 感謝とともに

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        ★そぞろ通信★3月号*2003-3-16
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          発行☆山口平明(天音堂SG)
                ●
             *>もくじ<*
    [1]漫歩系_「それ知ってる」と言われても|山口平明
       [2]お気に入り章句_殿山泰司師|平明選
        [3]家事細見帖・看病の巻|岡本尚子
           [4]編輯後記|へいめい
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■1■漫歩系sozoroaruki...............................山口平明

  【「それ知ってる」と言われても】

 ほんとにちっちゃな世界で生きてきた。悔やんではいない。いないんだ
けれど、先はそう長くもなさそうだから、わが人生こんなものだったの
か、というような感慨はある。じぶんの無知を覚るとでもいおうか。

 地下街の喰いもん屋にはいってまだ喰い終わってないのに、女の子が勘
定書きを手に寄ってきて、レジ閉めますのでお支払い願います、と言われ
たようなもんだ。

 おい、おい、まだ最後の一口残ってんだよう、茶もすすりてえし、爪楊
枝でシーハーやりたいぃのぉにぃ〜。まっ、こんな気分かな。ぼくはこう
いう要請に弱い。働くひとに気を遣ってしまう。おっと、話が逸れました
わい。

 じぶんの世界が狭くて小さいのは先刻承知之助だ。いまさら六十にもな
ろうかというGさんが、己の無知ぶりを慨嘆しているわけではない。だが
ね、このごろといおうか、当節ちゅうか、なんかものを言うと、きまって
「ああ、それ知ってます」と聞き手に返される。ぼくがさかしらなのもあ
るけれど…。

 世の中の人々は、小生が知りえたようなことはなんでもかんでもよお〜
くご存じなんである。これぞ情報化社会の成果であろう。そういえば昔、
テレビのせいで国民一億みんなアホになると言うた評論家(大宅壮一)も
いた。

 どうやらそうではなかったようだ。むしろ世の人びとは賢くなったので
はありますまいか。私たち国民は、大宅壮一が託宣したようなアホにはな
らなかった。どころか、そこらのごくいっぱんの人々がもっている知識情
報の類いは相当なものである。

 そこへパーソナル・コンピューター(以下PC)の登場とインターネッ
トの普及によって、情報を得られる技術が簡単になった。ぼくみたいな半
病人のGさんまでがPCをやるようになったんやからねえ。

 いまやインターネットを使って、個人が気軽に情報を発信できるように
なった。小生が好きな紙ミニコミの世界とは異なり、PCを使ったウェブ
の世界は独特の広がりをもつ。個人の発信と受信が双方向に瞬時にでき
ちゃうのだ。

 これは大いなる変化といえる。とりわけマスコミが、アメリカからの情
報宣伝戦略にのっかり、少数者の情報も個の視点も無視してきた情況への
対抗として大きい変化だと感じる。これは口コミのような強い影響力と伝
播力をもっている。

 汎アメリカ化。世界がアメリカのようになればみんな仕合せになれると
いう信念は、モノとカネを得るということでは大いにグッドであろう。言
い古されてきたことではあるが、善意の押しつけは嫌われる。ブッシュ大
統領はまるでテレビ宣教師みたいだ。

 巨大王権の執行者であるブッシュ氏の無知を、無力なピープルが指摘で
きるようになった情況は大きい。善か悪か、知識人か庶民か、二つの項目
を対立させて考えるのはもうずれてて古い。善意の押しつけは悪に転化す
る。かつて庶民と呼ばれた人びとは、おおかたここジャパンでは知識を充
分にもった有識者となっている。誰でもコメントできちゃうのだ。一億総
「大宅壮一」化ですね。

 それ知ってる、とみんなが言ってのける。
 ウェブ/電脳網界が世界をネットワークしてしまった。
 そして、無力感にとらわれたとき、ぼくは思うのだ。巨大絶対王権を担
い支える賢い人たちが、ぼくに無力感をもたせようと計らったのである、
と。

 チョムスキー老のようにへこまず挫けず明るいノリで行こう。お互いの
知ったかぶりとさかしら情報を伝え合おう。イラクの首都バクダッドへ
の、米英による無差別大量虐殺はまだ始まっていない。開戦前にこれほど
世界世論が沸騰したことは無い。ブッシュ・ジュニアの功績でもある。学
者・加藤哲郎氏の言うネットワーク型情報戦では、私たちはよくやってい
るのだから。

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■2■お気に入り章句vignette.....................山口平明抜書

 【「A BROTHER」…殿山泰司著『三文役者あなあきい伝』より】

 《小学校卒業のころには、おれはもう卵焼をやめていた。三ツ年下の弟
がやっていたからだ。コイツがまた卵焼きが大好き。焼き方を教えてやっ
た。なんだか突然のように弟が登場してきて、ほんまに恐縮。ごめんくだ
さい。弟とは、俺のダチである判コ屋や弁当屋とも一緒に、三十間堀の縁
日にも行ったし、二人で銭湯や活動写真にも行った。天にも地にも二人っ
きりの兄弟だったもんな。この弟は昭和二十年に死んだんだ。…中略…、
弟のことを思うと、いつも悲しみと憤りが、おれの胸の中を嵐の如くゴウ
ゴウと吹きまくり、つらくてツラクテやりきれないのです。弟は敗戦直前
の七月、ビルマのインパールの泥の中で戦死してしまった。日本帝国の糞
野郎!! 弟の戦死を知ってからあとのおれのテーマは、日本帝国の糞野
郎だ。戦争で肉親を亡くしたのは、何もおれだけではない。そんなことは
分ってるよ。そんなことは関係ねえ。おれは憎むんだ。憎むのは自由だ。
天皇階下といわれればウンもスンもなかった、あの暗黒の時間。字イがち
がうがな、それは一階二階のカイや、天皇ヘイ下のヘイは、陛と書くのや
でえ。どうでもええわい、ヤマザキ、天皇を撃て!! どこかできいたこ
とあんな。つまりやね、弟のことをいろいろ考えると、おれは異常に興奮
するんだ。あッいけねえ、鉛筆が折れてしもうたがな。どないしてくれる
ねん、日本帝国のウンコ野郎!!》(一九七四年/昭和四十九年、講談
社)

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■3■家事細見帖/看病の巻............................岡本尚子

  風邪の子と 籠りきりなり 粥ふきて

 バタバタバタバタ年中している私が、明日からもっと忙しくなるぞとい
う日、重い物を中腰で動かそうとして、腰を痛めた。ものにつかまらない
と立ち上がれない、起きる時の激痛、腰が曲がらない、座れない。まとも
に歩けない。

 何のことはない、出かけるスケジュールは全部キャンセル。ああ、やる
はずだったことをやらなくても日々は過ぎてゆくんだと不思議だった。

 床をはってトイレに行く。調理台につかまって立ち、ベントーを作る。
家事というものは全部腰を使うんだと妙にナットク、子どもたちにいろい
ろ手伝わせて乗り切った。

 何とか痛いながらも動けるようになったら風邪ひき。この一か月膨大な
時間を布団の中で費やした。そんな時間があるなら本でも読みたかったな
とゼータク心が顔を出す。

 自分の風邪が治らないうちに、子どもたちが 次々に倒れた。今日も、
小学生一人、中学生一人がふとんの中である。
 看病も家事のうちなのでしょうね。粥をたいたり、食べやすいものを
作ったり。

 平明さま。うちではこの間五月人形をしまい、おひなさまを出したとこ
ろです(といっても小さな人形ですが)。わかりますか? 去年の五月か
ら五月人形を飾ったままで、ひな祭りが近づいて、やっとこさ、入れかえ
たというわけです。どんなセーカツなのでしょう…タハハ。

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◎[平明軒雑感]
 天音とくらしていて抱っこ隊助手をつとめていたとき、腰をこごめる動
作は日ごろいくらでもあった。二十年におよぶ「天音ぐらし」のあいだ一
度として腰痛にならなかった。細君も同じ。不思議で在りがたいことで
あった。もっとも天音が七キロという軽さだったおかげもあろう。
 それがだ、天音がいなくなった翌年末、ぎっくり腰になった。続けて去
年末もまたやった。加齢もあろう。脳梗塞により左半身が不自由になって
いるのをかばっているのもよくないのかもしれない。だが最大原因は、パ
ソコン作業での座りっぱなしがよくない。
 ぎっくり腰の痛みは激しい。体を起こせない。起こせても歩行がこれま
た痛みをともなう。治っていくのはほんの少しずつ。
 されどついこのあいだのことなのに、もうあの痛みは細部にわたっては
思い出せない。忘れてしまう自分の老人力に感謝をしている。老人力は刻
苦勉励してつけていく力じゃない。いつのまにやら、自然に身についてい
る、といおうか。気がつけば、時が味方してくれて、愚案貼らなくてもそ
の境地に行けてしまうんじゃよ。

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■4■編|輯|後|記..................................へいめい

◎久しぶりの徹夜。左足が痺れてきた。宮城まり子の『淳之介さんのこ
と』(二〇〇一年、文藝春秋)のなかに、高見順の詩が引用してあった。
終わりのほうにこう書いてある。
 徹夜の仕事を終えて かえり道
 少年が一人 走っている
 私も勇気を出して 私を待っていてくれる人々に
 私の心を 配達しよう
 たとえ配達先は わずかでも
◎次号はもう四月ですね。いつも読んでくださって感謝です。読者がいる
から発行できてます。春にはいいことがありそななさそな、どっちやね
ん。まあ、いずれおいおいとお知らせします。ではお元気で。


◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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    月刊【そぞろ通信】3月号_#18□2003-3-16発行配信
     創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻103号
        編輯発行人□山口平明(天音堂SG)
         突込先□ amanetant81@hotmail.com
              ----------
 ※転載転送はひと声かけとくなはれ。部分引用は掲載誌を送られエ。
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                 *「そぞろ通信」3月号kokomade

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Date: Thu, 17 Apr 2003 00:41:01 +0900
Subject: 【漫】「そぞろ通信」4月号 謹んで贈ります

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★そぞろ通信★4月号*2003-4-16
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発行☆山口平明(天音堂倶楽部)

*>もくじ<*
[1]漫歩系_運命と呼ばれるいのちを抱っこしていた|山口平明
[2]山口ヒロミ[新潟絵屋]展覧会のご案内
[3]家事細見帖・モノ捨ての巻|岡本尚子
[4]編輯後記|へいめい
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■1■漫歩系sozoroaruki...............................山口平明

  【運命と呼ばれるいのちを抱っこしていた】
−殺された娘を抱くイラクの父の写真に思うこと−

ひどい不整脈が日常のことになって久しい。脈が速くなったと思うと、
たちまち切り替わって間遠になる。これらが不規則に生きている限りつ
づく。

脈が速くなる状態を心房細動という。このときが危ない。ポンプの常
にない律動に血流がついていってない。そうすると粘った血液は血栓を
作りやすくなる。血栓ははがれて血管を流れて脳で梗塞を起こす。心臓
から脳に流れる血液がもっとも多いからそうなりやすい。

早足で歩くのは今の私には無理。心が急いても足どりはゆるりといか
ねはならない。とかく歩幅も狭くなりがちだ。意識して広くとって歩こ
うと努めるものの、テンポを上げると脚の筋肉がなきをいれてくる。
             *
弱いと自覚している者は、強い者たちに対してどのように対したらよ
いのだろうか。しかもその強き者たちは、じぶんは正しいと思いこんで
おり、己が善だから反対者や刃向かう者は敵として悪だと決めつけてく
る。思いこみと決めつけによって弱い者に沈黙を強いる。

打つ手はないようだ、当分。お手上げか。弱さが秤の上で計量されれ
ば、強さのほうは針がふりきれてしまうだろう。秤に載せてしまうと弱
いことはピンポイントの一点にしかないから、強いことは沙漠の砂嵐の
ように猛威をふるう。私たちには台風と地震といえば分かりやすい。

まだ五〇億年はもつという地球に、強いことが至高善という恐竜がの
さばっている。恐竜を育てたのは、ピンポイント側にあるへつらいと媚
びとおもねり、ときに冷笑と諦念であったろう。それらは優しさと総称
してもよい。その基底を支えているのは、己の暮しに追われる無関心と
不勉強による無知である。これらすべてどれもこれも私の中にある私た
ちだ。

いま、現前する情況で、私は言葉の虚しさに堪えなければならぬ。強
い者たちは、感情に流されやすい弱い人びとを、思いこみと決めつけと
いう狂信に裏打ちされた進歩至上原理で教育啓蒙指導してくれる。

私はじぶんのなかの私たちという弱さをさらけだし、感情の隊列をま
ず平静なる律動へ向けてととのえないといけない。心を抱きとる言葉を
温かな論理として紡ぎださねばならない。それがじぶんの頭で思考する
ということのはずだ。血液はますます脳に殺到するだろう。

急がば廻れ。廻れないならとろくあれ。歩みのテンポをゆるめよ。進
めないなら引き返せ。取り巻かれたら窮鼠にならず白旗を掲げよ。逃げ
られるなら逃げて、地の底でまずいのちをつづけろ。何千年後の他日を
期せばいい。なんだったら数億年の先でもよいではないか。
              *
娘の天音が生まれた一九八一年六月から、「あまね通信」という紙の
ミニコミを世の中に向けて発信し始めた一九八八年二月までのあいだ、
私たち三人は砂嵐のなかに隠されていた。あの子の頭のなかで脳神経の
台風が毎日毎日吹き荒れていた。

神はもちろん仏も現れなかった。女と男で二人だけでやっていくほか
なかった。砂嵐と台風は、運命を呪ういとまも与えてくれなかった。天
音の瞳の光りに鼓舞されて、私たちは奮い立ち一所懸命に運命を受け入
れ天音のいのちをもたせた。

二人の奮励努力には、天音の躰の温かさが報いてくれた。いのちの抱
っこ。私たちは運命を抱きしめていた。運命と諦めず、かといってあら
がいもせず、私たちは回教の人びとのように同胞愛をはぐくみ、砂嵐と
台風の弱まるのをただ市井に隠れて棲み暮した。

これはひょっとして信仰のようなものなのかもしれない。苛酷な運命
を諦念ではなくしなやかに受け入れたとき、心は震え温かな報いが用意
されていたのだった。「しなやか」がかっこよすぎれば、しぶとくした
たかといってもよい。

ささやかな証を揚言するわけではない。回教における同胞意識がもっ
ているしなやかさが、狂信者たちに「衝撃と恐怖」を与え、それであの
ような大量虐殺に駆り立てているのではないかと思いいたって、いじょ
うのようなことを書き記しておく。[2003-4-16記]

[平明註]
○イラク侵略戦争で殺されたのは子どもが多い。現地の写真がスライド
として並んでいるサイトを覚悟して見てください。ヒロシマの被爆写真
を見た人ならおそらく耐えられるでしょう。子を抱いた父親もいます。
http://www.robert-fisk.com/iraqwarvictims_mar2003.htm

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■2■山口ヒロミ[新潟絵屋]展覧会のご案内

【天音amane 原画展 2003年5月12日(月)〜5月20日(火) 】

脳に重い障害を負って生まれた娘、天音。
片時もそばを離れられない24時間看護の日々の中で、
硬直し曲がりくねった娘の肢体が、
少女の色香を漂わせていることに気づいたころから、
そのあるがままの美しさに魅せられた母、ヒロミさんは、
なまめかしくも奔放な姿態を
ペン画、パステル画、銅版画にと描き続ける。
生きるすべてを奪われながらも内側から溢れ出す
生への強靱な意思までをも深い眼差しとともに感受、
普遍の輝きを放つ表現へと昇華させた作品に接した作家、
松下竜一さんは「さながらシャガールの絵を想わせる」と評した。
今回の企画展では、画文集『天音』所載の
銅版画を中心に30点ほどを展示。
19歳と4か月で逝った天音さんとの濃密な歳月がたっぷりつまった
“天音ワールド”にぜひお越しくださいますよう。
(自然食通信社代表 横山豊子)

■ 2003年5月12日(月)〜5月20日(火)
  新潟絵屋 午前11時〜午後6時 無料
新潟市並木町2386 TEL&FAX 025-222-6888
地図 http://www.hanga-cobo.jp/eya/eya04.htm
   HP http://www.hanga-cobo.jp/eya/
■ 5月17日(土)午後2時から
  ★山口ヒロミさんのトークがあります。
    聞き手 大倉宏(美術評論家)
会場:新潟市美術館講堂 新潟市西大畑町5191-9
    資料代 500円  ※直接会場へお越し下さい。

[画家・ヒロミさんからひとこと]
新潟は初めて。福音館書店の佐藤滋さんの推薦で企画展が実現いたし
ました。感謝です。私といっしょに新潟へ行きませんか。参加希望者は
早めにメールでご連絡ください。佐渡へも行きたいと思ってます。平明
氏は行かないそうです。

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■3■家事細見帖/モノ捨ての巻.........................岡本尚子

おもちゃ捨て 時代の区切り 春深し

 物を捨てる、という作業…つらいなと思う。もともと”捨てる”とい
うことに抵抗を感じる。子供の頃は何も捨てなかった。捨てるというの
は家事をするものの役目だろう。

 捨てなかったら、物でいっぱいになる。片づけるということは捨てる
こと…。私の家族はものほしそうな顔をしているからか(笑)、古着か
らおもちゃから自転車から、みんな人からいただいた。子どもが多いか
ら、次々着て、使って捨てる。そうしていても引出しや押入れは、いつ
もごちゃごちゃでアル。 

 部屋の中の棚を見ると、グリコのおまけ、子供の図画工作の作品、ど
こかの入場券などが置いてある。床にころがっていたものを掃除する者
が捨てるにしのびず、置いたのだろう。いっぱいになってきて結局私が
捨てる。

 積木、ブロック…いただいたり、買ったりしたおもちゃ、20年ほど活
躍した。もう使わない。赤ちゃんのオンブひもももういらない(これは
下の子が4歳になるまで取材先に電話をかける時の貴重な道具だった)。
使うかなと思い置いておいたものも結局、次の年に捨てる。思い切りが
良い方が、物を取り出し易いと分かっているけど…。

 今日はがむばってゴミ袋5つぐらいは出そう! でもこれって公害で
すよねぇー平明さま。
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◎[平明庵愚見]何ももたずに生まれてきたのだから、死ぬときも身の周
りを整理してさっぱり無一物になって死んでいきたい。天音を育て、と
もに暮らし、そして見送るという私たちにとって難事業をなしおえたい
ま、じぶんのいのちが絶えるまでのわずかな年月をアタフタせずに過ご
したいと心底より思う。
だがしかし、俗世の生身であってみれば、まず飯喰いをせんといかん
から困りはてている。モノよりも、捨てるのはわが身こそと思われもす
る。二十年ものあいだ獅子奮迅の働きをした妻ヒロミの辛苦を思えば、
もう少し糞張らねば、[夫]失礼、踏ん張らねばならないのだが…。

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■4■編|輯|後|記..................................へいめい

☆ぼくの今回の文章は、「あまね通信」読者や生前の天音と出逢ったか
たには通じるでしょうが、なんのこっちゃと訝しく思われる方々は、天
音の誕生から数年の暮しをまとめた著作があります。
病気のあとで出版してもらったものです。版元さんの倉庫で「お外に
出たいよう」と、天音が唸り声をあげてます。サ印入り本をご希望のか
たはぼく平明宛てにメール・葉書・FAXでご注文ください。その本の
題名は『娘天音 妻ヒロミ』、1680円、ジャパンマシニスト刊。アマゾン
サイトでも注文できます。
☆ガンジー訳者の片山佳代子さんのサイトにでていたタゴールの詩の一
行をあげておきます。元気でしなやかにいきましょう。 (平明)
《汝が声誰も聞かずば、一人歩め、一人歩め》

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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月刊【そぞろ通信】4月号_#19□2003-4-16発行配信
創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻104号
編輯発行人□山口平明(天音堂倶楽部)
 突込先□ amanetant81@hotmail.com

※転載はまんまをコピペ/引用や複製は出典明記/[へ]にメイルほしいナ
転送したいとき、相手のアドレスを知らせてもらえば直に配信しますヨ
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*「そぞろ通信」4月号kokomade

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        ★そぞろ通信★5月号*2003-5-16
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          発行☆山口平明(天音巣廊)
                ●
             *>もくじ<*
  [1]漫歩系_ローマ字入力やめて親指シフトかな入力に|山口平明
       [2]メディア手習い講_自爆攻撃|山口平明
       [3]家事細見帖・ほこりの巻|岡本尚子
           [4]編輯後記|へいめい
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■1■漫歩系sozoroaruki...............................山口平明

  【ローマ字入力やめて親指シフトかな入力に】

 とうとう日本語入力をローマ字入力からかな入力に戻した。二年間、
ローマ字入力で書いてきた。なんとかやってきたものの日本語なのにロ
ーマ字で書くのがどうにも理不尽に思えた。不便を忍んできた。打鍵の
前に、頭でガチャガチャといったん変換しないといけないもどかしさが、
書き仕事の流れのうえで頻発するストレスになっていた。

 二年前、ワープロ専用機からパソコンに切り換えるとき、同じ日本語
入力でも慣れ親しんだ親指シフト方式が特殊少数のために、同じく新し
いたことを覚えるのなら、五十音のJIS仮名入力ではなくローマ字入
力でやろうと考えたのだった。

 そのうち馴れるかと思ったが、これがなんのなんの。指の動きは少し
馴れたけれど、つっかえたときは何を書こうとしていたのか失念する始
末。これは入力状態を改善せねば書くことが厭になると感じた。

 今年二〇〇三年三月、富士通の日本語親指シフト方式(USB接続)のキ
ーボード(NICOLA規格)を、インターネットを利用して購入した。五十音
をキーにわりあててあるJIS仮名入力と異なり、これはキーがローマ
字と同じ三列に収まっているから、手の小さい小生なんかには楽である。
http://nicola.sunicom.co.jp/thumb2.html

 親指シフト方式の特徴として「自然な入力操作」があげられる。その
説明として、

 《親指シフトでの同時打鍵の方法は一見みなれない、不自然な形態に
思えるかも知れません。しかし、私達人間の指というのは、親指と他の
四本の指を同時に動かし、物を掴むことができるようになっています。
それは人類が猿であった時からの歴史で、手を動かすための脳の構造が
そのようになっていると考えられており、このことからも親指シフトに
おける親指と他の指との同時打鍵という方法は、私達にとってむしろ自
然で、最も無理のない方法であるといえるでしょう。
 キーボードによる文字の入力では、ユーザーの思考をできるだけ妨げ
ないようにしなければなりません。指の運動をスムーズにするためには、
各指にバランスよく文字が配列されているかどうかなど、キー配列への
配慮が重要です。親指シフトキーボードのキー配列は、日本語における
かなの出現頻度を考慮して配置されています。また、人差指が一番使い
やすいため使用頻度を多く、小指に向かう順に負担を軽くするようにも
配慮されています。そのキーボード上に親指以外の8本の指を置くこと
によって、それぞれの指で打つ文字を決め、ホームポジションにつねに
指が置かれる方法で、日本語を効率よく打つことができます。
 濁音・半濁音を含めて1打鍵ですみ、音をそのまま打鍵することがで
きるので思考を妨げず、指でしゃべるように入力できます。》

 ぼく自身は打鍵数が少なくなった実感はそうない。ではあるけれど、
日本語の文章を書くのに、英文タイプライターの配列のアルファベット
で打つ奇妙な感覚は払拭された。ストレスがかなり軽減された。まだま
だ「指でしゃべる」域まではいかないが。
[入力速度の比較アニメ] http://nicola.sunicom.co.jp/compare.html

 またこの方式のキーボードのうたい文句として「身体にもやさしい」
ともいわれている。その講釈を見てみよう。

 《親指シフトキーボードは、エルゴノミクス(人間工学)的配慮がな
されているため身体にもやさしい設計になっています。これは使用頻度
の高い文字の順にキーボード上に配列している為、常にホームポジショ
ンを意識した姿勢で多くの文字を入力できるのです。そのため一方の腕
や指に負担がかからず、パソコンを使っていると起こりやすい肩こりや
指、手、腕などの疲れも軽減されます。また、必然的に姿勢もよくなり
腰痛やパソコン肘などにお悩みの方にとっては夢のキーボードとなって
います。》

 これは大げさである。ぼくにかぎるかもしらないけれど、肩こりは以
前と変わらない。ただ誤変換が少なくなった。これで気分よく打鍵入力
できる。頭と指がまあまあ一体化したといおうか。

 リズムというよりも、頭のテンポに指と変換と確定がギクシャクしな
いのが嬉しい。ぼくは脳梗塞罹患による左半身マヒが少しあるので、余
計にそう感じるのかもしれない。

 プログラマーでも、コンピュータープログラミングは当然にローマ字
入力で行い、かたや日本語の文章入力は親指シフト配列による仮名入力
でこなしている達人もいるらしい。

 もうローマ字入力に戻すことはないと思う。ぼくにとって、キーボー
ドは万年筆と原稿用紙みたいなものだから、まだまだこれからも、スト
レスなく打鍵入力ができる方法と道具は探していきたい。

 この場合、入力は日本語でやれるのが条件である。このとき日本語入
力システム(IME)は、どうしたらよいのか。これまでは買ったパソコン
に付いていたマイクロソフトのMS-IMEを使ってきた。

 ところが、親指シフト方式のかな入力キーボードにしたら、これに富
士通IMEのJapanist2002 (最新は2003)が付いてきた。二か月ほど使った
だけではなんとも判らない。でもマイクロソフトに劣るとは思わない。
だが、一太郎でお馴染みのATOK(最新は16)の評判もよさそうだし、もう
少し様子を見るつもりだ。

 親指をキーワードに検索したら、文系の人Rayさんが開発した日本語
入力ソフト「飛鳥」というのに出くわした。これは市場を占有している
106キーボードをカスタマイズして使えるというものらしい。ありが
たい話だが、また新しい配列を覚えるのはきつい。
http://shizuoka.cool.ne.jp/izubekkan/asuka.htm

 さて、世界公用語みたいな勢いの英語ではあるけれど、なんでも英語
でというのは気に入らない。イラクでアメリカの兵士がクルマでやって
くる民間人を撃ち殺してしまった。米兵いわく「ストップと言ったのに、
停まらなかった」。アラビア語は教練科目になかったんだろうな。

 自国語のほかに英語でもなんでも外国語ができるほうが便利だろう。
ぼくは外国語はまったく駄目だ。細君はこのところ英語を楽しそうに学
習している。もともと勉強が好きな人ではある。

 たとえばローマ字をまだ習っていない小学生に、コンピューターを教
えるとき日本語かな入力がいいのに決まっている。

 ぼくはいったんローマ字入力を覚えたのに、それをやめて日本語仮名
入力に戻した。まだローマ字入力は記憶している。この状態は入力にお
けるバイリンガルといってもよいのではないか。言いたきゃユウトケ。

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■2■メディア手習い講................山口平明

  【自爆攻撃、変じて自爆テロ。故意の誤爆か】

 2003年5月15日の朝刊に「チェチェン 自爆テロで30人死亡」という
見出しの記事が出ていた。他の大新聞のウェブサイトでも、自爆テロと
なっていた。共同通信も同じである。

 テロリズムの定義はひとつに決められない。いま行われている自爆テ
ロといわれる行動も、やられる側がテロといっている。

 気になってちょっとインターネットで検索してみた。すると、「チェ
チェン・タイムズ」によると、suicide bomber(自爆者)とある。テロ
/terroristという言葉は使われていない。

 親ロシア派の政府幹部を狙った攻撃だったようだ。目標の人物は逃げ
て無事だったらしい。そのロシアの「プラウダ」ウェブ版では、はっき
りterroristsと書かれている。

 英国BBCのウェブサイトのヨーロッパ版では、自殺を意味するスーサ
イドに続けてbomb attackとなっている。「自爆攻撃」と訳すべきだろ
う。アタックが、日本ではやられた側と同じように「テロ」と超訳され
たことになる。

 アルジャジーラの英語サイトでは、bomb attackとなっていた。何故
わが国のマスコミはテロという言葉を乱発するのか。

 闘う武器も貧弱でゲリラ戦術もとれない、完全に封じこめられている
ような絶望局面で、しかも内戦ないし戦争状態にあるとき、わが帝国ニ
ッポンの神風特別攻撃隊のように、追いつめられた側は兵士の生命を犠
牲にして敵に体当たり攻撃をする。これはテロとは呼ばれなかった。

 911事件をカミカゼと書いたとか聞いたが、ここではテロの別名を
カミカゼとする、やられたアメリカ側から見ての表現がある。

 日本の新聞や放送で「テロ」と表現されたところは、今後ぼくは「カ
ミカゼ」と読み替えていくつもりである。自爆カミカゼ。

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■3■家事細見帖/ほこりの巻.........................岡本尚子

   家中の にはかに積もり 春の塵

 そうじは床に転がっている衣類、新聞、マンガなどを片づけ、そうじ
機をかけるのが常であるが、それだけでは棚、冷蔵庫の上、置いてある
ものの上と、ほこりが積もっていく。ハタキをかけたり、ふきそうじは
めったにやらないから、ほこりはたまる。物があればほこりは積もるの
である。あたり前なんだけど、不思議でたまらない。
 が、人間とはおかしなもので、何かに必死な時にはほこりなんて目に
入らない。台所の調理台が油や汁で汚れていようとガス管のコックの所
にほこりがたまっていようと目がいっていない。ボケ老人を追っかけた
り赤ちゃんを追っかけたりしている期間というのはどんなにほこりがあ
ろうと、ほこりを知らずに生きていた 。
 今、洗面所で歯を磨いたりしていると、うわ、棚にはほこり、うわぁ、
整髪料のふたにもほこりが積もっている…と思える。
 人の家に行くとほこりなんて気がつかない。では、みんな毎日ふきそ
うじをしているのか。そういえば、女性新聞記者の家に取材に行った時、
つれあいの男性が 毎日のそうじ機かけの他に、週1回は家中ふきそうじ
をすると言っておられたような…。ううっ。
 冬は寒いだけで過ぎるのか、春はよくほこりが目につく 。あーモノ
なんてない方がいい。

[平明舎短見]
 うっすらと積もった埃を拭う。白っぽく見えたのに塵紙にこすり取る
と黒く変ずる。
 埃はいつのまにか降り積もって平面の居所を見つけて群棲する。層を
なす。けしからん、と思わないか。
 埃を粗粒子と名付けた。それがどうした、とも思う。取るに足らん、
吹けば飛ぶよな、ものともいえないもの粗粒子。
 家具やテレビの後ろに溜まりにたまったあの粗粒子の群棲層をみよ。
まさにアブストラクト。私に帰属すると思える埃を誇らしく思うじぶん
に舌打ちする。
 もう今こそハタキの復権を宣するいがいに、あのものどもの跳梁跋扈
を封ずる手はないではないか。
 小さなブラシではこっちまで塵埃化する。直ちに荒物屋を探せ。忌ま
忌ましい埃の群棲層には、断固ハタキで対決せねばならん。

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■4■編|輯|後|記..................................へいめい

 ★ヒロミ画伯はただいま新潟にお出かけ中です。私は留守居役で、パ
ソコンの前に座り、「そぞろ通信」の作業をつづけています。気分転換
に図書館へ行くと、金曜日は休館。意地になって隣の区にある地域図書
館まで散歩の足をのばしました。家に帰って来て、彼女が作りおいてく
れた肉じゃがをあたためてひとりラジオを聴きながら昼食。天音がいな
い暮しにも少しずつなれてきたものの、独りで家にいるとさすがに寂し
さは募ります。明日は十三のイベントで画伯の絵と染めの展示に出かけ
ます。10〜17時、翠仙荘一階6号室にいます。いらしてください。
 ★寄贈くださった本の紹介です。山田真著『ワハハ先生のからだの話』
(いまきみち・絵)。山田センセイは白衣を着ない小児科のお医者さん。
躰の各部の構造や働きについて、目の前でお話ししているみたいに書か
れています。それもそのはず、この本は「毎日小学生新聞」に連載され
たのですから。文は横書きで読み仮名(ルビ)がつけられ、絵は親しみや
すく愉快なタッチで描かれています。大人もソウカアと思うところがた
くさんあります。2003年3月刊、フレーベル館、1000円。   (平明)
 フレーベル館 http://www.froebel-kan.co.jp/

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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    月刊【そぞろ通信】5月号_#20□2003-5-16発行配信
     創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻105号
        編輯発行人□山口平明(天音巣廊)
         突込先□ amanetant81@hotmail.com
                ■
※転載は全てををコピペ/引用や複製は典拠注記/[へ]にひとこと頂戴ナ
転送したいとき、相手のアドレスを知らせてもらえば直接配信しますヨ
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                 *「そぞろ通信」5月号kokomade

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Date: Sun, 20 Jul 2003 07:59:33 +0900
Subject: 【漫22】「そぞろ通信」7月号 遅延お詫び暑さに完敗号

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★そぞろ通信★7月号*2003-7-20
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発行☆山口平明(老人党)
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■もくじ■

[1]漫歩系_Gさんの頭と心は豆御飯−山口平明
[2]お気に入りHP_ほぼ日の吉本隆明−yamaguchi heimei
[3]家事細見帖・干し物たたみの巻−岡本尚子
[4]編輯後記−へいめい

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■1■漫歩系|老朗雑記iroirotorimaze omoitukumama.......山口平明

  【Gさんの頭と心は豆御飯】

○作家のなだいなだ老がヴァーチャルな「老人党」結成を提案。痛快。
必見 http://www5.ocn.ne.jp/~nadashig/page005.html

○昨夏、ヒロシマへ同行した米シアトル在住のボニーから英文メール来
信。はなから読むのは諦めて機械翻訳にかける。
「漆器行きたい」とさかんに出てくる。ほかにも翻訳できないために
原文のままのところが何か所も。それは「i'll、何かを送ります」とか
「そうである i 希望」などと訳される。
彼女が英文すべてを小文字で書いているせいだ。メールの末尾に「愛
らしい」とある、なんだこりゃ。名前のボニー[Bonnie]も小文字で記述
しているから、文字通り「機械」翻訳したわけね。
誤変換も笑えるが機械翻訳もいける。無料の翻訳ソフトだから文句は
言えない。「中国へ行きたい」は、「陶器いきたい」となるのだろう。

○大阪市の関連団体が主催する映画会で「I am Sam」(米・2001)を
観た。チラシでは「I」も固有名詞の「Sam」も大文字だった。なのに映
画本編のタイトルはボニーと同じくすべて小文字で「i am sam」となっ
ていた。流行りなんだろうか。

○七歳の知能しかないと判定された主人公のサムに娘ルーシーが生まれ
た。母親は居なくなる。近所に住む引き籠もりの女性アニーやユニーク
な友だち四人に助けられながら、サムの子育てはつづくはずだったが、
ちょっとしたトラブルから親子は引き離されて児童福祉局の監視のもと
におかれる。そこへ敏腕の女性弁護士リタがからんで、さてさていかが
なりますやら。
障害者を主人公にしながら、サムの友だち四人と健常とされる世の中
とのズレもおかしくて楽しめる。もちろん泣ける場面も多い。さて、映
画の感想は人それぞれ、さまざまである。題名で検索してみたら、つぎ
のような感想集にいきあたった。
http://jtnews.pobox.ne.jp/movie/database/treview/re4097.html

○赤ちゃんを預かったアニーが抱いたとたん、「あなた、いい匂いね」
という。「匂いには性格がでるのよ」なぁんて言う。こんななんでもな
い台詞が心に残る。

○サムを演ずるショーン・ペンが、脚を開いたままで歩く。よく研究し
ている。年をとると直線上を歩きにくいからぼくはよく分かる。知的障
害といっても、身体にも不具合はあるはずで、彼らも股を開いたまま歩
いているわけだ。

○頭の MRI検査を受けた。脳外科手術後、退院前に受けて以来だから六
年ぶりだ。
硬いベッドの上に横たわり、躰と頭部を固定される。そのままカプセ
ルの中へ入れられて、検査が始まる。
核磁気共鳴画像診断とかいうらしい。検査のために出る音も堪らない
が、やはり固定されてじっとしていないといけないのは苦痛だ。閉所恐
怖気味の人は無理かも。診断結果は次回の受診のときに聞くことに。
検査のあとで血栓が詰まり脳梗塞の再発もありうる。画像といっても
その瞬間でしかない。
頭を固定するためにこめかみを強く挟まれたが、かえってあれのほう
が血流にはよくないかもしれぬ。検査費用は国保の本人負担で六千円ほ
どかかった。病院とつきあうのも骨である。

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■2■ yhのお気に入りホームページ[ほぼ日]

【アンマンで密告】「ほぼ日刊イトイ新聞」発

吉本隆明(七八歳)さん。前は五〇〇メートルは歩けたのに、転んじゃ
ってからは五〇メートルしか歩けない。なぜ、五〇メートルなのか。ま
た、自転車にも乗っていたけれど、今はやめた。なぜかっていうと、自
転車ごと倒れて、中学生なんかにとりまかれるのがかなわないからだそ
う。チャリンコだと遠出ができるのにねえ。

糖尿病になって食事制限がある。しかし、吉本さんがアンマンを買っ
たのを、近所の店の人が家の人(おそらく同居の姉娘さんだろう)にチク
ったらしい。家から五〇メートル以内にアンマンを売ってたんだろうな
あ。ぼくはこんな吉本老がいたく好きである。

糸井重里氏のホームページ「ほぼ日刊イトイ新聞」の六月下旬あたり
に、吉本老人の聞き書きが六回にわたって掲載されている。前述の挿話
はここにでていた。よかったら読んでみてください。面白い。
○ほぼ日の吉本隆明 http://www.1101.com/makanai3/index.html

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■3■家事細見帖/干し物たたみの巻.....................岡本尚子

夏立ちぬ 洗濯物の ひらひらと

子どもの小さい時より洗濯物の点数は減ったが、どっこい、一つの物
のかさがでかい。20歳の社会人。18歳の大学生、16歳の高校生、
あとは小学6年、小学3年。

だいたい、他人には「大きい子が手伝ってくれるでしょう」といわれ
るが、とんでもない。家にはいないのだから。平日はふとんひき、休日
は掃除、食器洗いを課しているが、クラブの試合、合宿などでいないこ
とも多い。それどころか、体操服などを脱ぎちらかすのだ。休日は小さ
い子たちが片づけて、そうじをするハメになる。平日は私の役目。その
大きな子たちも、小さい時はちゃんと服をたたんでいた。しつけなんて、
なーんにもならない。

大量のTシャツやGパンをたたむのは時間がかかる。小さい子は家に
いるから、「しまいやー」といえば、たたんでしまう。干すのはいいけ
ど、なんで洗濯物ってたたまなあかんのーって思う。そりゃそのままで
はクシャクシャになる。 

広い洗濯干し場があって、そこに家にある衣類を全部干したままにし
て、各人が着るものをそこから取って着たらどうだろう。などとできも
しないことを考えている。

[平明廊雑記]
娘の天音は食事はすべて哺乳瓶だったから、こぼれるミルクなどを受
けるのに顎の下にタオルをあてていた。一日に十枚前後を使う。これを
一日おきに洗濯した。
ほかの汚れ物の過半も天音のものだった。これらも隔日に洗うから、
とどのつまり洗濯機は毎日まわすことになる。梅雨時は大変だった。櫛
状の干し器具にタオルをかけて、コンクリートの梁にねじ込んだ吊り金
具にぶらさげた。
温水器の置かれた空間の隙間に他のものを干した。ここは温かいから
よく乾く(夏は暑い)。いまでも洗濯はするが数日に一度、細君は毎日、
自分の衣類だけを入浴のとき手洗いしている。
乾いたタオルが無くなるとまずいという理由がない今は、キメがなく
て雨がつづくとついつい洗濯を先送りにしてしまう。あの子がいてくれ
て、急かされるようにしてじゃないと、さっさと動けないものだとつく
づく思う。強迫感による家事なんてこともあるわけで。

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■4■編|輯|後|記..................................へいめい

★本文中でもふれたが、病院での検査をなんとまあ「そぞろ通信」の
発行日である16日に予約してしまっていた。まさしく老人力の発揮です
ね。配信がこんなに遅れてもどの方面にも影響はないし、やいのやいの
と催促されるわけでもない。まあゆっくりやりましょ、と自分につぶや
いています。タハハ(岡本さんのパクリ)。
★天音の生きていたことを追悼記念するためと、私たちの暮らしを立
てていくために、画廊を営む予定でいる。秋にオープンさせるつもり。
こんななかもう一つメルマガを創刊しようかと考えちゅう。名前は「天
音堂だより」と決めた。紙版を中心にやっていきたい。そうなると「そ
ぞろ通信」といっしょにしたほうがよいかもしれないな。
★お便り待ってます。「受け取ってるぜ」とか「読んでるよ」とか、
一行でいいですから、お互いにつながっていることを確かめあいません
か。ケータイからでもOKですよ。待ってま〜す。kokoromachi

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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月刊【そぞろ通信】7月号_#22□2003-7-20発行配信
創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻107号
編輯発行人□山口平明(天音堂ギャラリー)
 文通先□ amanetant81@hotmail.com

※転載はを全文をコピペ/引用や複製は典拠注記/[へ]にひと言くだはい
著作権は執筆者に属しますので、転載引用のさいにはご配慮ください。
転送したいとき、相手のアドレスを知らせてもらえば直接配信します。
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*月刊希望「そぞろ通信」7月号 gokoudoku ni kansha.

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        ★そぞろ通信★8月号*2003-8-16
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          発行☆山口平明(天音堂G)
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■もくじ■

[1]漫歩系_日曜日の夕暮のそぞろ歩き−山口平明
[2]家事細見帖・夜中起きの巻−岡本尚子
[3]編輯後記−たいら・あきら

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■1■漫歩系|御堂筋本町あたり少女が立つ.......山口平明

  【日曜日の夕暮のそぞろ歩き】

 日曜日の午後、ラジオで、彫刻家・船越保武のエッセイ「水仙の花」
を朗読していた。高校講座「現代文」みたいだ。

 新聞を読んでいたのになぜ耳に入ってきたのかというと、わが子を喪
ったときの話だったからだ。たった八か月の男の子が肺炎で死んだ。名
前は一馬という。

 船越はお兄さんからもらったお金をもって、セルロイドの玩具のガラ
ガラを買いに自転車を走らせる。幼児が死んでじっとしていてはいけな
い、と思ったのである。ガラガラを買ってきて、わが子の冷たくなった
頬にくっつけて置く。

 つぎにまた自転車に乗って従兄弟の家に行き、庭に咲いている黄色い
水仙の花をほとんど刈ってもらい、赤ちゃんの棺のなかを黄色い花で埋
める。船越の妻は、「ゴメンナサイネ」と言いながら水仙の花を一輪ず
つ置いていく。

 死に顔を見ながら二人とも「きれいだ」「こんなにきれいなのに」と
繰り返し呟く。黄色い花のなかから見えている顔は、眼のまわりがくぼ
んでうす青くまるで西洋人形のようであった。

 敗戦直後のことで絵具が揃っていなくて、グレイの画用紙にパステル
で、幼い死顔を描いた。描きながら「天使のようだ」と呟いたときにふ
いと涙があふれた。

 《画面に涙が落ちてはいけないので、用心深く涙をぬぐった。写真を
撮ることも出来ないような貧しい暮しであった。/このパステル画だけ
が、幼く死んだ子のたった一つの記録になって残った。一馬の顔の透け
るような顔は、パステルがよく合っていた。パステルで描いてよかった。
/うまく描けたと、私は喜ぶ気持になったことを憶えている。子供の死
顔を描いて喜ぶ親がどこにあるか。それでもその記憶がある。》(船越
保武『石の音 石の影』1985筑摩書房刊、市立図書館で借覧)

 キリスト教では幼な子が死ぬとまっすぐ天国に昇ると聞くから、船越
さんは「天国にいる一馬の顔」を描いたように思う。眼のあたりのくぼ
みは栄養が足りなかったせいかもしれない、肺炎ですぐ死んでしまうほ
ど弱い躰だった。これもまた貧しさのせいである。

 疎開地の丘の上の教会墓地。白い木の十字架のまわりは黄色い水仙の
花で埋まっている。曇り空の下、そこだけに光りが差しているようだっ
た。お葬式のあとしばらくして、妻[船越道子]は「一馬の墓に雨が降る」
という詩を書いたという。読んでみたいものだ。近くの図書館にはなか
った。

 その後、木の十字架に代えて、花崗岩で十字架の形の墓石になってい
るという。表に「ヨハネ・一馬」、裏面には水仙の花の線彫り。

 インターネットで検索したら、船越作品が御堂筋に飾ってあるとあっ
た。妻は仕事で留守。散歩のつもりで出かけた。御堂筋もキタへ歩くに
つれ人けがなくなり、クルマの数も少ない。

 少女の立像は御堂筋本町の舗道に置かれていた。本物は釧路にあるら
しい。釧路は道子さんの郷里である。少女のやさしいやわらかな顔は、
西洋のものであった。

 御堂筋から東へ寄った心斎橋筋を南下。古本リサイクルのチェーン店
をのぞく。新刊書は買おうという気持がまったく失せている。経済のこ
ともあるが、もう置く場所がない。去年かなり処分整理したけれど、ま
だまだ残っている。

 古本屋さんではざっと棚を見るだけ。よほど探していた本とかがあれ
ば買わなくもない。すっかり老人力がついたから、探していて読みたい
と思っていた本の書名が思いだせない。楽しいね。

 この店ではウリの100円の棚を見る。徳永進医師の『ホスピス通り
の四季』の文庫本があった。一九九八年に新潮社から単行本として出て
いる分。定価514円が100円というのは買い得、文庫は場所をとら
ないから買おうかな。誰かにあげるのにもいいしね。

 でも文庫といえど置き場所に困るのは同じだしなあ。迷った末に買う
ことにしたのは、徳永先生が聞かせてくれる患者さんたちに久しぶりに
逢いたくなったからだ。もうほとんどトクナガ依存症みたいなもんだね、
これは。

 長堀通にかかる。西を見やると、夕日が沈もうとしている。ほとんど
水平の位置だ。一応、ぼくは仏教徒だと思っている。キリスト教では向
こうの世界は「天国」かも知らないが、仏教では西方「浄土」というで
はないか。娘の天音があの西方saihouの彼方で、呼吸も楽になって遊ん
でいるのかもしれない。一馬さんとも逢っただろうか。 (030816記)

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■2■家事細見帖/夜中起きの巻.....................岡本尚子

   ひまわりや 呼吸器の子の 眉動き

 子育てという家事を始めてから、睡眠という時間は自分のものではな
くなった。

 ふとんに入ると「さあ、夜はこれから」と思った。乳飲ましの時期が
終わると、夜泣き、夜泣きが終わるとぜん息発作。ぜん息発作が毎夜続
いた夜、ついに「うるさい!せきをするな!」と叫んだオニ母である。

 子どもによって起こされるのが少ない多いはあったけれど、五人目が
二歳の時一度、一夜に何回起きるか数えたことがあった(よく数えるヤ
ッチャ)。二十数回まで数えてやめた。今は…小学三年になったけれど
アトピー性皮フ炎で、「かゆーい」と起こされるのだ。タハハ。

 桜が満開の時、愛知県に取材に行った。ウェルド・ニッヒホフマン病
(乳児性進行性筋無力症)のため、人工呼吸器をつけたMちゃんの家に。
お母さんは四歳のMちゃんの他に、三歳、六歳の子がいて三人の子持ち
である。

 「何がしたいって寝たいです」と笑っていたお母さん。脈拍数や血液
中の酸素を示す装置がMちゃんの周りにある。異常値を示すとアラーム
が鳴る。「アラームがならなくても目がさめる」という。

 そんな中でも、家事もし、子育てもし、明るく可憐なお母さんだった。

 Mちゃんはくっきりした眉毛を返事のかわりに動かしていた。

 あの時桜のイメージだったMちゃんは、この夏、初めてフェリーに乗
り、お父さんの故郷に渡る。

[平明洞落書]
 娘の天音はほんとに寝ない子だった。寝たきり少女なのにね。眠らな
くても平気で、三日もつづけて眠らず発作も頻繁に起こした。
 細君のヒロミは昔から朝は不機嫌な人だったから、天音につきあって
睡眠が足りなくなると、夕方まで使い物にならない。せめてお昼まで寝
ていてもらうことにした。ときによるが、天音は夜明けから三、四時間
は寝てくれるので、午前中は母子で討ち死にしていた。
 さあ難儀なのは、働くお父さんのぼくである。自宅で仕事をしていた
ものの、会議や取材で午前中に外出するときは、電話のベルは無音に切
り替えるのはもちろん、訪問者が玄関のチャイムを鳴らさないように、
ドアに「用事のかたは昼から」と貼紙をしておいて出かけた。
 在宅のときでも訪問者には「チャイムは鳴らさず、ノックしてね」と
別の紙を貼っておいた。ドアに近いわが仕事部屋はまた玄関番の詰所で
もあった。この秋からぼくは画廊の店番をする。詰所兼仕事部屋は画廊
に移ることになる。遊びに来てね。

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■3■編|輯|後|記............................たいら・あきら

 ★「そぞろ通信」の子分みたいなメールのフライヤー「天音堂だより」
も、週刊で3号になりました。「そぞろ通信」今号を配信し終えたら、
「たより」にとりかからねば。ちょっと忙しくなってきました。「天音
堂だより」をご希望のかたは、私平明まで連絡をください。
 ★パレスチナ関連で板垣雄三氏の講演を聞いた。イラクについては豊
田直巳氏の写真展を見た。これは大阪城で反戦人文字(私たちも参加)を
企画した高校生グループが主催したらしい。いずれもそこへ行かなけれ
ば感じられないはずの、表情・匂い・空気・光と影を体験できた。
 ★さて、天音堂ギャラリーはですねえ、サロン(茶論)・寄り合い所・
カフェ・ミルクホール・無料貸本屋・老人党そぞろ支部などなど、ギャ
ラリー/画廊以外にもお楽しみを企んでいきまっせ。できるかな…。

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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    月刊【そぞろ通信】8月号_#23□2003-8-16発行配信
     創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻108号
        編輯発行人□山口平明(天音堂ギャラリー)
         承り先□ amanetant81@hotmail.com
                ■
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Date: Mon, 15 Sep 2003 11:13:14 +0900
Subject: 【漫24】二周年のたむけ草 購読ありがとう030916

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★そぞろ通信★9月号*2003-9-16
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発行☆山口平明(horie天音堂G)
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■もくじ■

[1]敢闘言_あらためてごあいさつ−山口ヒロミ(オーナー・画家)
[2]漫歩系_貸し画廊の趣旨&ご案内[先行発表]−山口平明(漫文家)
[3]家事細見帖_料理をすればの巻−岡本尚子(「そよ風」誌ライター)
[4]編輯後記_創刊2周年、読者に感謝−heimei yamaguchi(漫歩家)

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■1■あらためてごあいさつ..................owner 山口ヒロミ

【天音堂ギャラリーを開きます】

「天音堂ギャラリー」を作ろうと考えた時、もう一度天音を抱けるか
もしれないと思ってちょっとわくわくしたのです。そこは、普通のマン
ションの六階。それなのになぜかとても居心地がいい。なんにもものが
ないからかもしれないけれど、それだけではなく、たしかに風が吹いて
います。

そうっと、かろやかに。天音のいのちの風かなあ〜。

 表現するっていのちを吹き込むことだと思っています。そして、そん
な作品たちがギャラリーの壁面を飾ったら、やっぱり静かに、そっとい
のちの風を発し続けている…と。

 天音が亡くなった今、私はいのちのことをやっていきたいと願ってい
ます。それがどんなことか言葉にはできないけれど、ひとりの少女の生
きたあかしとして「天音堂ギャラリー」をやっていけたら。

 ここには、天音と表現者たちのいのちの風が吹いています。

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■2■漫歩系_天音堂ギャラリーご案内.....domori-manpoka 山口平明

  【冊子に書いた文章をちょこっとお先に紹介】

天音堂ギャラリー AMANEDO
二〇〇三年十月十六日(木)オープン
山口ヒロミ銅版画展「これからも天音」にて柿落とし

●10・16(木)〜11・3(月) オープン記念「山口ヒロミ/これからも天
音展」開催 会期中無休 午後12時〜午後7時
●「画廊開き」お祝いパーティーを11月1日(土)午後2時よりちょこっ
と開きます。顔出しできるかたは連絡ください。

★はじめに
天音堂ギャラリーは、美術作品を展示していただくためのレンタルス
ペース/貸画廊です。「あまねどう」と読みます。
絵画・イラスト・版画・写真・書などの展覧を主としながら、それら
を介して人と人が出逢っていけるスペースでもあってほしいと願ってい
ます。

展示期間は、木曜日から月曜日までの5日間を一単位とします。時間
は、正午から午後7時まで。最終日の月曜日は午後5時まで。

料金は税別80,000円。個展のみならず、数人のグループ展にも
使っていただけます。お申し込みは事務所の山口平明まで。細目にわた
る規約を別に用意しています。

★ちょこっと天音堂ものがたり
私たち夫婦と娘の三人は、ながらくこの堀江の町で暮らしてきました。
ところが2000年の秋に、娘は二十歳でふいとあの世へ旅立ちました。

その後の私たちにとって堀江への愛着と懐旧は、どうしても亡き娘に
かさなります。娘の名前は、天音[あまね]といいます。

娘の天音を追慕し追悼する場所として、ここ堀江に娘の名前を冠した
祈念室を設けようと考えました。母・山口ヒロミが、娘の生前から描い
てきた銅版画作品を、新作も含めて折々に展示していきます。もちろん
モデルは天音。

そして普段は、いろんな作家や表現者のみなさんに利用していただけ
る貸画廊として運営してまいります。

なごむ、くつろぐ、やわらぐ、ゆるめる。そんな空気のなかで、作品
にゆったり出会える空間を、一緒に楽しく創っていきませんか。また、
あい集い語りあう方々の安息のフリースペースでもありたいと願ってい
ます。

父親の私(山口平明)は、脇の事務所で文筆の仕事と店番をいたしま
す。脳梗塞を患い脳外科手術をした私にとって、天音堂に座っているこ
とがころあいのリハビリになろうかと思います。

★こんなところです
○20畳相当のこじんまりとしたアートスペース
○床は無塗装ブナの木質フローリング
○展示壁面は17メートル
○履物を脱いであがる隠れ家風
○ビル6階の端部屋でエレベーター前
○来訪客が楽しい注目の堀江に立地

★堀江への交通アクセス
《》天音堂ギャラリーの最寄り駅は《》
☆地下鉄・四つ橋線「四ツ橋」駅[6]番出口 徒歩7分
☆同・千日前線「桜川」駅[5]番出口 徒歩4分
☆同・長堀鶴見緑地線「西大橋」駅[4]番出口 徒歩7分
☆JR関西線・近鉄・南海すべて「難波」駅 徒歩5〜20分

最も近いのは桜川駅。お店の多い立花通商店街/オレンジ
ストリートを歩くのなら、四ツ橋駅が好適。アメリカ村を
通り抜けるのなら徒歩15分の地下鉄・御堂筋線の心斎橋駅が便利。

遠来のかたは、新幹線・新大阪駅で地下鉄・御堂筋線に乗り、
難波駅で千日前線[後方]に乗り換え、一つめの桜川駅下車

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■3■家事細見帖|料理をすればの巻...................岡本尚子

ふんだんに 野菜を切りて 夏休み

 朝から、弁当作り、食器洗いと、水道がジャージャー出ております。

 一日中、麦茶を沸かしたり、飯の支度をしたり、台所とずっとつきあ
ってると、思うことあり。飯の支度や食器洗い、これはやらなければ食
べられないのだから仕方ないとして、それに伴う片づけや掃除。

 つまり、料理をすると、汁や野菜が、流し台やレンジ台の周りにこぼ
れる。食器洗いをすると水がとび散り、流しに油や水アカがたまる。床
にも食材が落ちるし、食べりゃテーブルも汚れる。

よく住宅広告のキッチンの写真を見て、「ハァーこんなピカピカなん
てあり得ない」と思う。こまめにふき続けながら料理をすれば、きれい
になるのだろうが。それをしないものだから、こびりついてしまったり
する。

流し台をタワシでこすったり、流し台やレンジの周りを拭いたりする
度、世の中の人みんな、毎日こんなことをして暮らしているのだろうか
と、不思議で仕方がない。自分がメチャメチャ変な人間で、いろいろこ
ぼしたり、飛ばしたりし過ぎるのでは…と疑っている。

[平明洞呟き]
こだわるようだが、油脂汚れには参る。あのネチャネチャ感はどうだ。
レンジフードのあたり、コンロまわりはギトギトである。ぼくの血管内
部もこんなふうなんだろうと思いいたる。
油煙によって、台所に置かれた物はネトネトしている。汚れが手に着
くとなかなか取れない。ところで、汚れ落としに重曹がいいらしい。そ
のうち試してみたい。
皆さんは平気ですか。油汚れについてご意見ください。

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■4■編|輯|後|記............................たいら・あきら

★メールマガジン「そぞろ通信」を、天音の一周忌にあたる2001年10
月に創刊してから漫[満]2年になります。月刊発行ですから24号。ちょ
こっと変革をと思いめぐらしました。でも、いろいろ考えた末、「そぞ
ろ通信」は当分いまのままでやっていこうと思います。

★今野裕一氏のメルマガ「Flash Memory」8号[030829]に、次のよう
な一文がありました。共感しきりです。
《復刊夜想ぜひ手にとってください。そして波を起こしてください。
こんなことで役に立つのかと思う小さなことでも構いません。自発的に
起きた波は、大きな波動になります。今回、夜想を復刊しながら感じた
のは、小さな情報とか、ちょっとした好意がメディアを変えていくのだ
ということです》
○ペヨトル工房/復刊夜想
http://www.tctv.ne.jp/sparabo/edt_av/goth0.html
○PeyotlFan http://www.thought.ne.jp/peyotl/

★自分のために頭のなかを整理しておきます。いわばぼくの体力能力
からすると、宮武骸骨状態でありますナ。意味不明か。
[1]「そぞろ通信」月刊メルマガ、電子メールbcc利用の直接配信。
[2]【「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ暮し】インターネット日記、無
料レンタルの「さるさる日記」でギャラリーの動きを記述。
○「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ暮しurl
http://www3.diary.ne.jp/user/348493/
[3]「あまそぞ」月刊の紙に印刷した簡単リーフレットを送付、スケジ
ュールが中心で、コラムとして「そぞろ通信」や日記、随意刊の電子チ
ラシなどからアンソロジーを編集、また挿絵なども載せていきます。手
伝ってくださる無給スタッフを募ってます。こき使われたいかたは平明
までメールください。
○平明連絡先 amanetant81@hotmail.com

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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月刊【そぞろ通信】9月号_#24□2003-9-16発行配信
創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻109号
編輯発行人□山口平明(天音堂ギャラリー)
 e談先□ amanetant81@hotmail.com

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※著作権は執筆者に属しますので、転載引用の時にはご配慮ください
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Date: Thu, 27 Nov 2003 17:52:55 +0900
Subject: 【漫25】「そぞろ通信」11月号 お久しぶりです。

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★そぞろ通信★11月号*2003-11-27
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発行☆山口平明(堀江・天音堂G)
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■もくじ■

[1]「あまね通信」+「そぞろ通信」=「あまそぞ」−堂守こと平明
[2]漫歩系_天音堂ギャラリースケジュール
[3]家事細見帖_ゴミ出しの巻−岡本尚子(「そよ風」誌ライター)
[4]編輯後記

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■1■「あまね通信」+「そぞろ通信」................堂守こと平明

【天音堂ギャラリーの月刊通信「あまそぞ」の堂守御託ヨリ】

●手書きでやりたかったが、情報の多さにあきらめて活字でいくことに
した。今回は「word」とかいうソフトを初めて使って、文章を入力しな
がらレイアウトしている。昨日、ちょっと凝ったことをしようとしてフ
ァイルを無くした。なんにも説明書を読まずにやっているのだから余計
なことをしなかったらよいのに、ついつい昔とった杵柄とやったのが悪
かった。

●昨夜はオーナー(妻君)もパート勤務が九時まで、帰宅は十時。二人
とも疲れております。すべては明日明日と思いきり、遅く風呂に入って、
いつもより早めに(午前二時)寝た。今日は勤労感謝の日の振替休日、
ギャラリーに来てパソコンをやっている。雨が降りだしたようで、自転
車で印刷に行きたいのにどうしたもんかいのう。

●十月にこのフライヤーのゼロ号(お試し版)を発行したときにも書い
たことだが、「送ってほしい」という応答があった方に次号もお送りし
ます。
えっ、そんなこと書いてあったかいな、という方々もきっとお便りくだ
さい。葉書・手紙・ファックスなど、紙でいただくのが嬉しいですけん
ど、電子メール・電話もOKでおますよってよろしゅうに。もちろん来
廊くださるのが一番ですがね。引き続き送料の喜捨/カンパ(切手歓迎)
もよろしくお願いします。

○special thanks to…
たかやまふきこ・マツミヤミツル・いいだむつえ・みうらしずこ・くに
いゆきこ・いまいなつえ・はやしちあき・かねだみちこ[2003年11月26
日現在、敬称略]

●ぼく平明の姉が本年一月にで死去、六十九歳。喪中のため年賀はいた
しませんのでよろしく願います。

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■2■漫歩系_天音堂ギャラリーご案内.....domori-manpoka 山口平明

  【紙版「あまそぞ」創刊号031125のスケジュール欄より】
●●●schedule●●●
2003年11月〜2004年1月

★【漫文漫画 貝原浩展】 時局戯評漫画展でございます。

○2003年11月20日(木)〜12月1日(月)
12〜19時 最終日17時まで 火・水お休み
○友人のY氏が南堀江にギャラリーをオープンしたという。この御時世、
なんて無謀なことを、と思う反面、これで大阪でも展らん会ができるぞ
と内心ニヤリでもあった。早速に会場を使わせてもらえることになり、
どうせなら他の処では出来ないような展示をと思案の末、時局戯評漫画
で世相への問いかけをしてみたいと思った次第です。
この危ない時代、ぜひとも天音堂ギャラリーに足をお運びくだされば、
これに勝る幸せはございません。他に絵画も同時に展示してありますの
で併せて御覧ください。(貝原拝)

★【小林敏也画本 宮沢賢治「雨にも負けず」他原画展】

○2003年12月4日(木)〜12月8日(月) 12〜19時 最終日17時まで
○青天のへきれきで本年度第13回宮沢賢治賞を受賞、それでというわけ
でもないのですが、大阪では初めての原画展です。他いろいろ山猫グッ
ズあります。ドレドレとお出かけください。 (山猫あとりゑ・小林敏
也)
○原画スライド映写と朗読
12月5日(土)午後6時 無料
『よだかの星』読み人/ユミもしくは王咲
『どんぐりと山猫』読み人/たいらあきら

★【中野マリ子 魂の住み処展マリ子祭り】まなざし力で蒐集した宝も
のたち

○2003年12月11日(木)〜12月15日(月)12〜19時 最終日17時まで
○魂のすみかを感じさせる物いろいろあります。
キューバ、パレスチナ難民キャンプで5年間のボランティア体験、25
年以上の釜ヶ崎での越冬闘争の日ぐらしが、物への「まなざし力」を育
てたと自認しています。痛みを持つ者(もん)の処には飛んでゆく中野マ
リ子です。
そんなわたしが釜ヶ崎の朝市で集めた宝ものです。使い古されたもの、
欠けたもの、どこかに傷があったりで、ゆえに愛しい。
インカ、アフリカ、アラブ、アジアの中古品。
布、人形、木彫り、お茶わん、アクセサリーなどいっぱい。売ります。
会期中、わたしの好きな「布の風」岡原幸代の服が展示されます。どん
な心にも力がつきますように!             (中野マリ子)
○かの白洲正子をもものともせぬ「まなざし力」、われらがマリ子さん
の蒐集したる物たちが語りはじめます。作家の制作表現展示ではありま
せんが、今回は天音への追悼をこめて特別企画として組みました。(堂
守・山口平明)
《でもねえふと思いだすと、十数年前、天音と閉じこもって暮らしてい
た私たちのおうちに闖入してきて、ヒロミさんの孤独に寄り添ってくれ
たのが中野マリ子である。…略… マリ子さんの侠気に応えて、今回の
ような企画ができれば、天音の供養にもなろう。せいぜい彼女の迫力に
対するに、脱力と老人力でもって開催にこぎつけたい》(ウェブ日記
【「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ日誌】03/10/21の項目より引用)

★【WEB版SELF-SOアートギャラリー交流展】ウェブ上の作家たちがオフ
で集合
○2003年12月18日(木)〜12月22日(月) 12〜19時 最終日17時 交流会1
2月20日(土)午後3時〜
○参加作家(予定)
あいだたきこ、あかさかひろこ、浅山美由紀、今井たえこ、上野絹子、
こしだミカ、佐伯朋子、宗和晴美、田村実環、徳治昭、中川渉、永島正
人、中西圭子、のだよしこ、橋本修一、橋本あやめ、古井三恵子、星谷
つとむ、前田学、マサルとミツル、ミズタニカエコ、宮崎詞美、山口ヒ
ロミ、ユリコフ・カワヒロ。

★【カメリアーノ色鉛筆人間画展 2004 OSAKA 天音堂ギャラリー】
「ぼくは、しあわせな絵画になる。」

○2004年1月9日(金)〜1月20日(火) 12〜19時 最終日17時まで 水
・木お休み[2004年から水・木が休廊]
○LIVEコンサートや人の集まるところで、ライブに絵を描くLive Docum
entをつづけているうち、肖像画や人物画がおもしろくなってきました。
2004年は、色鉛筆による[人間画]を追求してみます。「存在」の意味
が少しは見えてくるかも…。
※「ぼくは、しあわせな絵画になる。」というタイトルは、畑中摩美さ
んの「絵画」という歌から生まれました。ありがとう。

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■3■家事細見帖|ゴミ出しの巻.........................岡本尚子

秋光やゴミ出してゐる子の背(せな)に

子どもが大きくなるにつれてゴミの量が増えた。食材の包装の仕方も
変化したし、なべを持って豆腐を買いに行った時代とはちがう。

毎日の台所のゴミは外の大きいゴミ箱に入れに行く。収集日を待たず
にいっぱいになり、土、日をはさむ期間は、もう入り切れない。玄関の
土間に置いておく。

収集日当日。家の中のゴミ箱四つ分を集めてゴミ袋に入れ、外のゴミ
箱のゴミもまとめて大きいゴミ袋に入れ、道路に出す。これはいつの間
にか小学生二人の役目となった。

が、「今日はゴミの日やでー」と言わないと動かない。グズグズして
ると、「ゴミ出さな学校行ったらあかんでー」とどなられる。あわてて
ゴミを出す子どもたち…。

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■4■編|輯|後|記............................たいら・あきら

★いやあ、二か月も「そぞろ通信」を発行できなかった。でもなあ、ど
うなってんのやと問い合わせは一件のみ。100人余に二年も送ってき
たのになあ。まあ、そんなとこかもなあ。皆さん忙しいもん。お蔭で愚
生も焦りの思いも湧かんかった。ありがたかった。こんなあっさりした
関係は、ミニコミであっても電脳メディアならこそなのか、そのへんよ
う判らん。

★今号は、昨日発送した紙版の「あまそぞ」第一号を、そのまんまこち
らにも転載した。これからはこういう相互乗り入れが出てくると思う。
まあね、なんでも一人でやっているんやからしゃあないね。おっと、
「あまそぞ」の印刷はオーナーさんがやってくれた。助かった。また、
折り製本と封入と切手貼りも手伝ってもらった。ギャラの二日続きのお
休みもパーですわ。

★前号にも書いたが、ここでわがメディアの整理をしておきます。

[1]「そぞろ通信」月刊メルマガ、電子メールbcc利用の直接配信。

[2]【「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ暮し】インターネット日記、無
料レンタルの「さるさる日記」でギャラリーの動きを記述。
○「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ暮しurl
http://www3.diary.ne.jp/user/348493/

[3]「あまそぞ」月刊の紙に印刷したチラシ/フライヤーを送付、スケ

ュールが中心で、コラムとして堂守の御託と呟きを掲載。また、別に小
冊子として、「そぞろ通信」や堂守日記、随意刊の電子チラシなどから
アンソロジー「あまそぞ選書」を編集発行していく予定。手伝ってくだ
さる無給スタッフを引き続き募ってます。こき使われたいかたは平明ま
でメールください。贅沢をいいますと、dtpができるかたが嬉しいです
がのう。
○平明連絡先 amanetant81@hotmail.com

★来春、石井一男さんの個展が開けるようになった。ギャラリー島田の
島田誠氏に絵を見せてもらった。声をのんだ。これを天音堂ギャラリー
にかけさせてもらえるのかと思うと、有難く嬉しさがこみあげてくるの
だった。天音のあの生と死に、石井さんが描く女たちの《こころのかた
ち》が、きっときっと寄り添うにちがいない。道を開いてくれた新潟の
旗野秀人さんに感謝、ありがとうさま。春が待ち遠しい。
○旗野秀人さんについて
http://www.hanga-cobo.jp/hatano/data22.html

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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月刊【そぞろ通信】11月号_#25□2003-11-27発行配信
創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻110号
編輯発行人□山口平明(天音堂ギャラリー)
 e談先□ amanetant81@hotmail.com

※転載は全文をコピペ/引用や複製は典拠を注記/平明に一報されたし
※著作権は執筆者に属しますので、転載引用の時にはご配慮ください
※転送したいとき相手のアドレスを知らせてもらえば直接配信します
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*「そぞろ通信」11月号ココマデデス。あなたの近況お便りください。
[返信]機能は使わないでメールはココカラ【↓】お願いします。
○お便りの宛先アドレス amanetant81@hotmail.com

 ="12">
 

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★そぞろ通信★12月号*2003-12-11
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発行☆山口平明(堀江・天音堂G)
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■もくじ■

[1]詩集『マリ子祭り』より「トクの海」_中野マリ子
[2]漫歩系_天音堂ギャラリースケジュール[2003年12月〜3月]
[3]紙版「あまそぞ」へ送料の喜捨とspecial thanks
[4]編輯後記

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■1■詩集『マリ子祭り』より........................中野マリ子

トクの海 (中野トクさんに捧げます)

"情を受けたら 石に刻め"
便所の暗い柱に
なぐり書きされた 女文字

嵐のような生ま身のいとなみを
やり終えつつある八十代の母
"いらんもん"そぎ落とした
無垢で透明な種、ひとつぶ
土に還ろうかと かろやかに じゅんびする

「ふるさとは親のふところみてえだなあ」
だれかが しみじみと……
かいまみた 乳房の奥の
波うっている 蒼い血管
ふところは おんなの、トクの海だったのよ

むすめのわたし
母とふるさと ふところに
ふたつ たっぷり孕んで
帰阪する

[平明註]一行目の「情」は「なさけ」と読み仮名がついています。

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■2■漫歩系_天音堂ギャラリーご案内.....domori-manpoka 山口平明

★★【中野マリ子 魂の住み処展マリ子祭り】まなざし力で蒐集した宝
ものたち

○2003年12月11日(木)〜12月15日(月)12〜19時 最終日17時まで

○魂のすみかを感じさせる物いろいろあります。
キューバ、パレスチナ難民キャンプで5年間のボランティア体験、25
年以上の釜ヶ崎での越冬闘争の日ぐらしが、物への「まなざし力」を育
てたと自認しています。痛みを持つ者(もん)の処には飛んでゆく中野マ
リ子です。
そんなわたしが釜ヶ崎の朝市で集めた宝ものです。使い古されたもの、
欠けたもの、どこかに傷があったりで、ゆえに愛しい。
インカ、アフリカ、アラブ、アジアの中古品。
布、人形、木彫り、お茶わん、アクセサリーなどいっぱい。売ります。
会期中、わたしの好きな「布の風」岡原幸代の服が展示されます。どん
な心にも力がつきますように!             (中野マリ子)

○かの白洲正子をもものともせぬ「まなざし力」、われらがマリ子さん
の蒐集したる物たちが語りはじめます。作家の制作表現展示ではありま
せんが、今回は天音への追悼をこめて特別企画として組みました。(堂
守・山口平明)
《でもねえふと思いだすと、十数年前、天音と閉じこもって暮らしてい
た私たちのおうちに闖入してきて、ヒロミさんの孤独に寄り添ってくれ
たのが中野マリ子である。…略… マリ子さんの侠気に応えて、今回の
ような企画ができれば、天音の供養にもなろう。せいぜい彼女の迫力に
対するに、脱力と老人力でもって開催にこぎつけたい》(ウェブ日記
【「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ日誌】03/10/21の項目より引用)

★★【WEB版SELF-SOアートギャラリー交流展】ウェブ上の作家たちがオ

で集合
○2003年12月18日(木)〜12月22日(月) 12〜19時 最終日17時 交流会1
2月20日(土)午後3時〜
○参加作家(予定)
あいだたきこ、あかさかひろこ、浅山美由紀、今井たえこ、上野絹子、
こしだミカ、佐伯朋子、宗和晴美、田村実環、徳治昭、中川渉、永島正
人、中西圭子、のだよしこ、橋本修一、橋本あやめ、古井三恵子、星谷
つとむ、前田学、マサルとミツル、ミズタニカエコ、宮崎詞美、山口ヒ
ロミ、ユリコフ・カワヒロ。

★★【カメリアーノ色鉛筆人間画展 2004 OSAKA 天音堂ギャラリー】
「ぼくは、しあわせな絵画になる。」

○2004年1月9日(金)〜1月20日(火) 12〜19時 最終日17時まで 水
・木お休み[2004年から水・木が休廊]
○LIVEコンサートや人の集まるところで、ライブに絵を描くLive Docum
entをつづけているうち、肖像画や人物画がおもしろくなってきました。
2004年は、色鉛筆による[人間画]を追求してみます。「存在」の意味
が少しは見えてくるかも…。
※「ぼくは、しあわせな絵画になる。」というタイトルは、畑中摩美さ
んの「絵画」という歌から生まれました。ありがとう。

★★【石井一男展】ぜひ見てほしい隠者のような画家の作品たち

○2004年3月12日(金)〜3月23日(火) 12〜19時 最終日17時まで 水
・木お休み[2004年から水・木が休廊]

○去る10月12日〜10月20日、新潟絵屋で開かれた石井一男展について、
旗野秀人さん(前号既出)が、地元紙に執筆されたコラムを以下に紹介し
ます。
------------------------------------------------------

 昨年の6月、縁あって神戸市のギャラリー島田で映画「阿賀に生きる」
を上映できた。建築家安藤忠雄氏の作品だというコンクリート打ち放し
のその会場には、西欧の宗教画のような聖母や女神像に思える不思議な
作品群が展示中であった。画廊主の島田誠氏から「現代の隠者」石井一
男氏の作品だと聞き、新潟での開催を打診された。

 大正時代の棟割り長屋の2階に一人住み、定職についたことがなく、
新聞配達の月収5万円のアルバイトだけで(今はこの仕事もない)ひた
すら描き続けてきた人らしい。11年前の島田氏との運命的な出会いまで、
49年間どこにも発表されないままのグワッシュ(水彩絵の具の一種)の
小品は700点にも及んだ。そして祈りを込めた女神たちを描いた初個展
はまったくの無名にもかかわらず完売となった。

 女神が心のどこかに棲みついて、「石井一男の世界」の虜となった島
田氏はその後も大阪や東京で精力的に個展を開催し、多くの人たちに支
持されてきたという。

 今年7月、再びギャラリー島田で開催された個展「こころのかたち」
は女神像が菩薩像に微妙に変化し、花や風景画も加わって好評だったと
聞く。地元紙[平明註、神戸新聞]はそれを「宗教的洞察 ほのかに、精
神の深化、造形の進化」と評した。

 しかし、相変わらずその生活の柄は慎ましく、誰も真似できない。石
井一男氏は寡黙であり続け、変わらなかった。こんな殺伐とした時代だ
からこそぜひ見てほしい「現代の隠者」の作品群である。

○「新潟日報」2003/10/13 「あーとぴっくす」のurl(絵が見られます)
http://www.hanga-cobo.jp/news/31013.html

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■3■紙版「あまそぞ」へ送料の喜捨(カンパ・切手歓迎)について

天音堂ギャラリーではおカネは出て行くばかりです。当分これは続き
そうです。覚悟の上とはいえ、根っからの貧民ゆえ、心細くなってきて
おります。そんなときに送料の喜捨をいただくことはほんとに有難く実
に助かります。カンパって言葉はロシア語らしい。ぼくの気持ちでは、
運動への支援カンパというより、托鉢僧に恵んであげるような思いの喜
捨としてお願いしておるようなことです。賛同いただければありがたい
です。これまでは約二百人の方々へお送りしております。

○special thanks (喜捨御礼)
たかやまふきこ・マツミヤミツル・いいだむつえ・みうらしずこ・く
にいゆきこ・いまいなつえ・はやしちあき・かねだみちこ・ふくだみち
ゑ・ほそのかよこ・ナカタニヤスヒロ・いまいみさこ
[2003年12月11日現在、敬称略]

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4■編|輯|後|記............................たくはつ平明

★前号の編輯後記に書いたことをもう一度。
《来春、石井一男さんの個展が開けるようになった。ギャラリー島田
の島田誠氏に絵を見せてもらった。声をのんだ。これを天音堂ギャラリ
ーにかけさせてもらえるのかと思うと、有難く嬉しさがこみあげてくる
のだった。天音のあの生と死に、石井さんが描く女たちの「こころのか
たち」が、きっときっと寄り添うにちがいない。道を開いてくれた新潟
の旗野秀人さんに感謝、ありがとうさま。春が待ち遠しい》
○旗野秀人さんについて
http://www.hanga-cobo.jp/hatano/data22.html

★中野マリ子さんの素敵な詩集、それは僅か八ページ、ざら紙でつくら
れています。四篇の詩と絵がのせられているだけ。この佇まいがマリ子
さんにいかにも相応しい。コレクションも素敵です。観る人が観れば、
納得のいくものたちです。詩集は会期中、天音堂ギャラリーで販売して
います。ぜひぜひお越しください。蒐集物は買わなくても観るだけでも
価値あり、です。お待ちしておるます。

★ギャラリーのスケジュールが主な記事の「あまそぞ」です。まことに
申し訳ありませんが、紙版「あまそぞ」に対してこれまでお返事ない方
々はメールのみにさせていただきます。なにとぞご容赦くださいませま
せ。

◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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月刊【そぞろ通信】11月号_#26□2003-12-11発行配信
創刊2001-10-16□「あまね通信」改題通巻111号
編輯発行人□山口平明(天音堂ギャラリー)
 e談先□ amanetant81@hotmail.com

※転載は全文をコピペ/引用や複製は典拠を注記/平明に一報されたし
※著作権は執筆者に属しますので、転載引用の時にはご配慮ください
※転送したいとき相手のアドレスを知らせてもらえば直接配信します
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*「そぞろ通信」12月号ココマデデス。あなたの近況お便りください。
《重要》[返信]機能は使わずにメールはココカラ【↓】お願いします。
○お便りの宛先アドレス amanetant81@hotmail.com

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★そぞろ通信★極月号*2003-12-31
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発行☆山口平明(堀江・天音堂G)
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■もくじ■

[1]月刊ギャラリー通信「あまそぞ」の堂守御託ヨリ−堂守こと平明
[2]漫歩系_天音堂ギャラリースケジュール【石井一男展は3月】
[3]編輯後記-haymay

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1■「あまね通信」×「そぞろ通信」................堂守こと平明

【天音堂の月刊ギャラリー通信「あまそぞ」の堂守御託ヨリ】

●私たちは、天音堂ギャラリーに住んでいない。天音堂ギャラリーは、
自宅から二百米東の中古マンションの一室を全面改装して、今年2003年
10月16日に新設オープンした。設計は、幸田庄二氏。
●ちなみに10月16日は、天音の命日。もう三年が経った。天音堂と名づ
けたのは、ここをあの人の追悼の場としたかったからだ。つい今もおい
でのかたが、お線香をあげてくれた。変な画廊でんな。
●ぼく平明は、画廊の庶務雑役と文筆仕事を、ここ天音堂に併設の小部
屋で行っている。もちろんお客さんの応接やお茶の世話など店番もして
いる。
 妻君のヒロミは、週二日パート勤務のほかは、自宅にいて天音堂ギャ
ラリーの経理や名簿管理をしている。アトリエというような立派なもの
ではないけれど、ぼくが明け渡した自宅の仕事部屋で銅版画制作をつづ
けていくとの由。
●山口ヒロミと面談希望のかたが、彼女が常に天音堂ギャラリーに居る
ように思って、突然来られて会えないと分かってがっかりする場合があ
る。堂守(店番)として常勤しているのは、ワタクシ平明であるから、
その点よぉ〜く承知されたい。ヒロミさんは天音堂のオーナー(所有者)
であって、店番でも常駐スタッフでもない。ココ、よろすく。
●10月の零号、11月の創刊号とヒつこくお願いしてきた「あまそぞ送っ
てくださいな」の応答がない人には、次号から経費の関係でお送りでき
なくなることもあります。応答は葉書・手紙が最も嬉しい、FAXは次
善、メール・電話でもよろしけど。
●送料の喜捨まだまだお願いしておるようなわけで、切手もちろんOK、
サポートよろし〜く。送付先=550-0015大阪市西区南堀江1-18-27-611
天音堂ギャラリー/山口平明(自宅のほうでもよかです)
○喜捨御礼 special thanks[敬称略]
さかいとしこ・いまいなつえ・ふくだみちゑ・ほそのかよこ・ナカタニ
ヤスヒロ・いまいみさこ・ひぐちあや・ふみいわゆうこ・なかたえい

///////////////////////////////////////////////////////////////
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■2■漫歩系_天音堂ギャラリーご案内.....domori-manpoka 山口平明

  【紙版「あまそぞ」第二号031223のスケジュール欄より】
★★★schedule★★★
2004年1月〜3月

★【カメリアーノ色鉛筆人間画展 2004 OSAKA 天音堂ギャラリー】
『ぼくは、しあわせな絵画になる。』

○2004年1月9日(金)〜1月20日(火)
12〜19時 最終日17時まで 水・木お休み
[2004年から水・木が休廊]

○LIVEコンサートや人の集まるところで、ライブに絵を描くLive Docum
entをつづけているうち、肖像画や人物画がおもしろくなってきました。
2004年は、色鉛筆による[人間画]を追求してみます。「存在」の意味
が少しは見えてくるかも…。
※「ぼくは、しあわせな絵画になる。」というタイトルは、畑中摩美さ
んの「絵画」という歌から生まれました。ありがとう。

=============================================================

★【石井一男展】

〇2004年3月12日(金)〜3月23日(火)
 正午〜午後7時 最終日5時まで
 17日(水)・18日(木)お休み

●思いもよらぬ無名画家とのめぐり逢い

石井一男さんのことをどう伝えたらいいのか、ぼくは迷っている。彼を
発掘した神戸のギャラリー島田の島田誠さんのエッセイから引用しなが
ら書くのがいちばんいいだろう。

 十年いじょう前のある日、突然、石井さんから島田さんに電話がかか
ってきた。島田の文章に感激して、《こんな文を書く方なら、私のこと
をわかってくれるのかと思いまして…》電話してきたという。
 《石井一男、49歳(今年60歳)。独身。年老いた母親しか身寄りがな
くて、内気な性格で、友人もいない。夕刊を駅へ届けるアルバイトを続
けながらただひたすら絵を描いている。でも体調も悪いし、あまり先が
ない予感もする。絵を見ていただくだけでよいから》
 
こうして石井一男と島田誠の出逢いがあった。画家は《誰にも習ったこ
ともなく、発表したこともない、ど素人》だというのである。後日、キ
ャリーに絵を載せて画家は現れた。《100点近いグワッシュ(水彩絵の具
の一種)》を見始めた島田は、息を呑むのであった。

 《3号くらいの婦人の顔を描いた小品だけど、孤独な魂が白い紙を丹
念に塗り込めて行った息使いまで聞こえてきそうだ。どの作品もが、巧
拙を超越したところでの純なもの、聖なるものに到達している》ものだ
った。
 こんな話ってあるのだろうか。島田が書いたという信濃デッサン館へ
の旅のエッセイとはどんな文だったのか。文が人を動かしめる力をもっ
ているのだ。読んでみたいものだ。
 《油絵も頑固で禁欲的なマチエールをもった作品で、これもいい。こ
れだけの作品を描ける人が49歳まで、どこにも作品を発表せず、完全に
無名で、かつ展覧会を何度も開けるくらいの高い水準の作品を描き続け
ていたとは、信じられない》……
 ぼくはこのお二人のめぐり逢いに感嘆した。石井さんとぼくは同い年、
島田さんは一つ上。還暦を迎えるまで生き延びてきて、こんなめぐり逢
いがあるなんて。《発表するあてもない作品は、「無名のままであり続
けて風化して土に帰ればよい」という言葉そのままに、一点としてサイ
ンもなく、まことに潔い》のだが、島田さんの依頼により、絵の裏面に
サインは入れられたらしい。

☆【石井一男さんの略歴】

1943年 神戸市生まれ
1992年 海文堂ギャラリー(神戸)にて初個展(以降,毎年)
1994年 ギャラリー石(大阪)個展
    ギャラリー愚怜(東京)個展('97,'99)
1996年 松明堂ギャラリー(東京)個展('98,2000)年
1998年 現代中国芸術センター(大阪)個展
これから以降2003年までギャラリー島田などで
これから以降2003年までギャラリー島田などで度々個展開催 2003年10
月には新潟絵屋で個展(山口ヒロミが同年5月に個展を開いてもらった
画廊)

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■3■編|輯|後|記............................haymay yamaguchi

□前号でお断りしなかったが、岡本尚子さんの「家事細見帖」は小生多
忙のため筆者とタイミングが合わず休載とさせていただきました。愛読
者はしばらくお待ちください。
□紙版「あまそぞ」をお送りしているかたにも、このメルマガ「そぞろ
通信」を配信しています。情報というのはいろんな伝わり方があるから
です。また、海外のかたには郵便はちょっとということもあり、メール
マガジンをお送りしているようなことです。
□天音堂ギャラリーの直近の様子を知りたいかたは、ぼくがときどき書
いているウェブ上の日記【「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ暮し】をご
覧ください。トップ頁の最も下にあるお猿さんのボタンのうち「更新情
報」をクリックしてあなたのアドレスを登録してください。ぼくが日誌
を書くと、メールで知らせてくれます。メール中の URLをクリックすれ
ばただちに日誌ウェブに飛んでいきよります。
○「天音堂ギャラリー」堂守そぞろ暮しurl
http://www3.diary.ne.jp/user/348493/
□「堀江ジャンクション」という堀江地域のギャラリーを集めたホーム
ページがあります。ここでは、トップ頁の「天音堂ギャラリー」の看板
をクリックすると、過去の展覧会の絵や画廊空間などが画像で現れます。
いわばアーカイブ(保管庫)です。遠方で来れないかたもお楽しみいただ
けます。
〇堀江ジャンクションのトップ頁 http://www.hin/jp/


◎本誌は【1行32字】で改行、閲覧には【等幅フォント】が推奨です◎
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UP:20030220 REV:0221,24,28,0304,08(ファイル分離),0317,0519,0721,0918,1130,1231 20040109
山口平明  ◇雑誌  ◇BOOK
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