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『介護通信』2004

佐々木 公一



2004/02/18 No.044
  2004年のお願い(1)
2004/03/01 No.045
  2004年のお願い(2)
2004/03/03 No.046
  2004年のお願い(3)
2004/03/12 No.047
  2004年のお願い(4)
2004/03/15 No.048
  2004年のお願い(5)
2004/03/20 No.049
  2004年のお願い(6)
2004/03/28 No.050
  2004年のお願い(7)
2004/03/30 No.051
  2004年のお願い(8)
2004/04/10 No.052
  2004年のお願い(9)
2004/06/11 No.053
  2004年のお願い(10)
2004/07/06 No.054
  体の曲がりをなおすこと
2004/07/07 No.055
  事例の検討(困ったとき)/ふるかぶのヘルパー
2004/07/11 No.056
  腰を痛めない介助方法
2004/08/08 No.057
  横向き、手洗い、歯みがき
2004/09/16 No.058
  関節運動




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  2004年2月18日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO44 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(1)

1、介護通信を読んでほしいわけ
 「学習とは、人類の遺産を学びとることです。人類の理性のいとなみは、文化と
いうかたち(看護、介護ももちろんその一部です)で社会的にたくわえられ、世代
から世代へと、たえず新しいものをつけくわえながら伝えられていきます。人類の
進歩はそれによって実現されていくのです。それらの文化の背後には、過去の人類
が生きたぼうだいな時間があります。そのぼうだいな時間を、学習をつうじて私た
ちは自分のものとするのです」、ある哲学者はこう書いています。
 私の「介護通信」も、わずか8年(呼吸器をつけて4年)とはいえ、8年間とい
う時間の中での患者、家族だけでなく、医療、看護、介護にかかわっていただいた
たくさんの人たちと様々にとりくんできた成功や失敗のまとめのようなものでもあ
ります。さらに進行性難病であるALSは患者の体力の変化にともない看護、介護
の方法もかわるからです。

2、コミニュケーション/患者の意思を読みとる
 ALSの私の場合次の3つの方法をとる。・文字盤の操作、・口の動きから言葉
を読み取る、・目線をみて読み取る。そして新しく・文字盤を使わない方法をはじ
めます。文字盤が使えない時(車の中や夜など)、短い言葉の時有効です。頭の中
に文字盤を浮かべて下さい。患者が「文字盤」といったら「あかさたなはまやらわ
」とはじめて下さい。頭を振ったら文字盤を使います。長くなるとわけがわからな
くなります。
 こんなふうです。
  介護者が あかさたなはまやらわ という
  例えば といれ の時
  あかさた たちつてと あ あい あかさたなはまやら らりるれ
  となる。いずれも最後の音で患者がまばたきする
  とりあえず簡単なものからはじめて、やりながら改善していきます。

 あとがき 介護とは「学びあい」ともいえるようです。改めてよろしくお願いし
ます


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  2004年3月1日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO45 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(2)

3、介護、希望と目標
 可能な限り体を動かすことです。これが基本です。動かす筋力は保たれると思っ
ています。具体的には、週2回のプロのマッサージ、毎晩寝る前の足の曲げのばし
、昼間のヘルパーさんのマッサージ。それからベットでの足のローラーマッサージ
は欠かせません。ともかくできるだけ動かすことです。
 で私にとってよい介護とは。
 第一は、残された機能を発見し、それを認めて、生かしてくれる。例えば私の場
合、ほんの少しの時間だが立っていられる。この力は移動(ベットから車椅子、車
椅子からベット、座り直し、トイレで座る、立つなど)に決定的に大切です。
 第二は、ALSの特徴をつかみ手足を中心にできるだけ体を動かしてくれる。そ
れは1センチでもよいのです。それでも気持ちがよくなるのは、多少とも静脈の流
れを促すからでしょうか。
 第三は、よく聞いてくれる。なにかをする時必ず聞いてくれる。この場合かなら
ずしも言葉を必要としない。目と目、いわば心の会話がきっとできる。
 第四は、いつでもみていてくれる。ほかのことをしていても、頻繁(ひんぱん)
に振り向いてくれる。いわば心の目でみていてくれる。
 第五は、ニュケーションについて。文字盤の操作はもちろんだが、口の動きから
言葉を読み取る、目線をみて読み取る、などがつうじると楽でうれしい。
 加えて私の場合、「介護通信」を必ず読むこと、週刊/ひとりごと/を読んでほ
しいこと、がある。ふれあい、学びあいを求めていきたい。

 あとがき この間ヘルパーさん、訪問看護婦さん、看護学生のみなさんからたく
さんのことを教わり感謝している。すでにこの介護通信で紹介させてもらっている
。これからもいっそうのご協力をお願いします。


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  2004年3月8日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO46 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(3)

4、食事介護
 そのつど「これでいいか」と患者に聞いてほしい。うまくいかない時は、コップ
が斜めになっているか浅すぎる場合が多い。うまくいかなかったら、人に食べさせ
てもらってみてほしい。なにかわかるかもしれない。
 終わったら、蒸しタオルで口のまわりを中心に顔をふいて下さい。のどにこぼれ
てないかも見て下さい。

5、吸い飲み
 正面からできるだけ奥に、深く。

6、歯磨き
 舌と上顎(あご)をスポンジのブラシで拭いて下さい。
 終わったら、のどのタオルをはずして、顔を前に深く傾けて口の中の水分を吐き
出させて下さい。

7、見えないところ/こんなところも見て下さい
 足浴、入浴後の足の指の間の水滴、入浴後の耳に残された水滴、首の後ろの水滴
、椅子や車椅子の時の背中のしわ、靴下や靴の中の指の曲がり、下着のめくれ、手
の指の曲がり、食事の時の見えない側の口のまわりのよごれやのどにこぼれた水滴
、ふとんの中の手(手のひらが重なり爪が刺さっていたい)や足の状態、おしりの
下のざぶとんの位置、体の微妙なゆがみなど。

8、耳の綿棒
 これほど大胆さと繊細さを必要とする作業はない。入り口でチョコチョコではか
ゆみが増すばかり。とはいえ大胆すぎたらけがをする。キーワードはいつも同じ。
/本人に聞くこと/。


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  2004年3月12日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO47 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(4)

9、ネブライザー
 1、まず蒸留水1つを水槽に入れる。2、じゃばらが短いので使いやすい位置に動か
してから、スイッチを入れる。3、ダイヤルをマジックで印の付いている5に合わせ
て、15分タイマーをかける。*タイマーを逆に回すと止まらない。4、気管切開部に
固定。5、ネブライザー中にタッピングやスクィージング(胸押し)等の排痰法を行
うと効果的。

10、タッピング
 肺胞にくっついている痰をはがす目的で行います。手のお椀のように丸くし肋骨
の下辺りから気管に向けて軽く叩きます。側臥位にして背中から叩く方法もありま
す。また、体位変換するだけでも、痰は剥がれます。

11、スクィージング(胸押し)
 介助者が患者の痰のある部分の胸郭に手を置き呼気時に胸郭の動きに合わせ圧迫
する方法。換気量、呼気流速が高くなり、分泌物の移動を促す。
1、手のひら全体で患者の胸郭に合わせる。 
2、患者の呼吸運動を観察し、呼気(息をはく)時に押す。
3、胸郭の圧迫は、手先でなく介助者の体動によって行う。
4、圧迫の方向、強さ、タイミングに確認しながら行う。
5、両手で肺の下部→中部→上部というように、呼吸に合わせて行う。呼吸 は蒸
気の具合や呼吸器の音で確認する。呼気時に少し体重をかける程度で 圧迫する。
手を離す直前に上部に向けて強く圧迫する。2回ずつ繰り返し ていくのが効果的。

 あとがき 今回は看護学生のそうさんの投稿です。単に押すのでなく体重を移動
させることで圧迫を加えるのがコツのような感じです。


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  2004年3月15日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO48 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(5)

12、トイレのこと
 トイレキット
トイレなんですが トイレキット(勝手に命名)は 尿パットなどを 切ってい
れてありますよね。あれのフチを3〜4センチ折り返すんです。フチはペラペラなの
で水を吸わないんです。折り返すと吸水部分がフチに来て高低差があっても逆流し
ないんです。
あとは お着物の合わせのようにがっちりくるむことと 終わった後に 佐々木
さんには申し訳ないのですが、すこし深追いさせていただくこと(しっかり拭く)
です。折り返すやりかたは 介護ノートにも 書いてみました。
わたしは 佐々木さんのお宅にいくといつも さいしょに 5〜6個 あらかじめ
用意しておきます。すぐ使えるので 便利です。
 高低差など
 お小水の件・・考えましたが、高低差をつけないと確かにこぼれます。
足を出来るだけ開いて、ズボンを下に押し付けて尿取りパットをあてると、いいと
思いますが。それと、ビニールの開口までしっかりパットがきてるがどうか。あと
、パットからこぼれる、こぼれないの事ではないのですが、残尿・・と言うか切れ
が悪い時(上手く言えませんが)、その時下着に染みて不快感を与えてしまって申
し訳なく感じる時があります。この時は、じっくり終わるまで待てばいいのですけ
ど(少し振ってみるなり、なんなりと……)。もう1つは、終わったのですがまたパ
ット、尿瓶で押してしまい出てしまって、失敗。これは私が先日やってしまったミ
スですが、この時は……、諦めるしかないですか……ね。(笑い)とにかく、すっ
きり出切るまで待つ! 簡単過ぎますか? この考え。
 あとがき 上の文は看護学生の松鶴さん、下の文はヘルパーの柳沢さんの投稿で
す。トイレにこだわるのは実害が大きいから。椅子で失敗すると履き替えなければ
ならず、結構大変。いろいろお世話になります。


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  2004年3月20日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO49 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(6)

13、ある会話/食事介助
 食事の特に手の動きがよくなってうれしくなりました。手の角度が自然になりゆ
とりが生まれました。食事については、1/コップを正面から深く入れていること
、2/集中してよくみていること、3/手にゆとりがあること、がうまくいってい
る場合の特徴のようです。
 胸押しも体重のかけかたに変化を感じました。(佐々木)

 メールありがとうございました(^^)。食事介助が上手くできなくなり、とても戸
惑いました。が、佐々木さんのメール、言葉でとても安心しました(*^-^*)。その時
には「何がおかしいのか?」がわからず「どうしてできなくなったのか?」が分か
らず、佐々木さんに負担にならないようにと思いながらも、上手くいかず焦ってい
ました。今になってみると「なぜできなかったか?」比較できるように思います。
佐々木さんのメールの通りだと思います。下唇にしっかりコップを押しつけること
(こうすることで手元が安定して手に変な力がかからないように感じました)。
 その時にコップがまっすぐになっているか確認すること(介助者の立つ位置もとて
も重要に感じました。佐々木さんがテレビがみずらくなく、OK頂ければ車椅子の高
さを上げさせて頂けるとまた手元が安定するような感じがしました)。佐々木さんの
表情、言葉から食べるペース等をしっかり把握する等が以前と変わった点であるこ
とを感じました。今回のことを通じ、今までポイントを押さえ実施してきたつもり
の食事介助は、何気なくできていたものだったのかなと感じました。食事介助のコ
ツを自分の中で再確認できたとても貴重な体験でした。とても自信につながりまし
た。ありがとうございました。(蒲生/看護学生)

あとがき こんな風に苦労して乗り越えています。ふれあい、学びあいです


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  2004年3月28日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO50

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(7)

14、清潔の確認をしましょう
 絶対清潔/手洗いと消毒 吸引をする時、加湿器に水を追加する時など
 清潔/手洗い 食事、薬服用などの時、介護の仕事につく時など
15、夜間介護の目的
 第一は、患者の安全の確保です(介護の目的とは、患者の安全、安心、安楽な時
間と空間をつくることと考えます。どう思いますか?)。ベットに入ってからは、
患者ならびに機械類の状況が見えるようにしておくこと、鏡も使って見えるように
座って下さい。最後に、コールを確認して下さい。
 第二は、患者の要求にそい、必要な介護をお願いします。終わったらほかに用事
はないか念入りに確認して下さい。
16、夜間介護の手順(あらまし)
 到着後ひと休み後、・介護記録をみて状態をつかむ、・機械類のチェック(水の
補給など)とベットを整える、・食事介助(食事の前後にパソコンをします)、・
足浴、・薬服用、・着替え、・ベットへ、・ネブライザー(終わったら器具の水洗
いをお願いします)をしながら足の曲げのばし、・眠剤服用後就寝。大変ですがよ
ろしくお願いします。
17、椅子に座る時気をつけてほしいこと
 お尻を深く、脇の板は開いておき座ってから直す(板を上向きにしないで)、足
を引く、枕の高さは時により違う、使うタオルはコンパクトに
18、体を前に倒す(首を振ってスイッチを押すから体がゆがむ)
 センサーを頬から離す、呼吸器をはずす、手を膝に乗せる、体を前に倒す、背中
のしわをのばす、体をもどす(ひねらず真直ぐに)、手をもどす、呼吸器をつける
、センサーをセットする。膝掛けをはずすことやセンサーをはずす必要はありませ
ん。

 あとがき 無理難題のようですが生きるため必要事です。お願いします。


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  2004年3月30日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO51

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(8)

19、移動
 <車椅子からベッドへ>
 *ベッドの高さを車椅子より低くし、車椅子をベッドの真横につける。
1 フットレストから足を下ろし、自分の足の間に両足をはさむ。
2 頭を自分の肩に乗せ、足の位置がこれで大丈夫か確認。
 ・確認の仕方/お互いの頭がくっつくようにし、「OK」なら佐々木さんが頭を一
回横 に振る。「NO」なら二回頭を振る。この時、頭を肩にしっかり乗せ、お互い
の頭が  くっついていた方が解りやすい。
3 お互いの呼吸を合わせ、「1,2,3」でも「せーの!」でも掛け声とともに
体を斜 め前方に引き上げる。
  しっかり膝が真っ直ぐになるまでまち、立位が取れたらしばらく保持する。(
その時 の調子により立位時間は変わる。だいたい10秒前後。頭は肩の上に乗せ
たまま、お互 いの足元が見える距離を保つ。足元が見えれば膝の状態・疲れ加減
もわかる。)
4 膝が少しプルプルとしてきて疲れた様子がみられたら、そのままゆっくりと向
きをか え、そっとベッドへ腰掛けてもらう。

 <ベッドから車椅子へ>
 *車椅子をベッドの横に置き(ブレーキはかけない)、ベッドの高さを佐々木さ
んのか かとが少し浮く位に合わせる。
1 ベッドに腰掛けた状態で、片手は佐々木さんを支え、車椅子を足に出来るだけ
近づけ ブレーキを掛ける。右足が軸足になるから、右足と車椅子との距離がポイ
ント。できる だけ近付ける。(立って座った時を考え、車椅子の角度、距離をし
っかり合わせる)
2 自分の足の間に両足を挟み、<車椅子からベッドへ>の2,3,4と同じ。
  
 <気をつけたいこと>
 ・ベッドからの移動は、車椅子という限られたスペースに合わせて行わなくては
いけな いので、より慎重に! 特に車椅子の角度、位置は重要。また座りが浅す
ぎるとずり落 ちる危険があるので、なるべく奥におしりがいく様に意識して行っ
た方がいいと思いま す。

 あとがき 今回はヘルパーの柳沢さんの研究です。いま一番むずかしい問題です。


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  2004年4月10日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO52

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(9)

20、食事の苦労の原因の報告
 うっかりしていました。みなさんにご苦労をおかけしている原因のご報告です。
舌の筋力が低下して縮み、動かないため、流し込むようにしてもらえると飲み込み
やすいということです。コップの時も吸い飲みの時も。
21、水枕のこと
 発症間もなくからずっと水枕を使ってきました。首の動きを確保するためです。
ところが相手が水だから扱いが少しやっかいです。そこで
 1、体が曲がっていないか。2、水枕が曲がっていないか。3、頭が水枕の真ん
中にきているか。以上を確認してから調整して下さい。4、その時片手を首に添え
て頭を持ち上げてから枕を動かせて下さい。引きずらないで下さい。
22、呼吸器の不具合
 空気が少ないまたは来ない)の時見てほしいところ
1、じゃばらのゴムの部分がねじれていないか。
2、じゃばら全体に水滴がたまっていないか。
3、カスケードに水がたまっていないか。ふたが閉じられているか。ゆるみ はな
いか。
4、白と青のビニールの管がぬけていないか。水滴がたまっていないか。
23、とにかく体を動かせて
 ALSはじぶんではどこも動かせないから、介護者に動かせてもらうほかありま
せん。
 椅子の時 特に手、いつもしびれている。マッサージもお願いしたいけれども、
関節運動や手の位置を少しずらすだけでもきもちがいい。足もしびれるから曲げの
ばしを首の運動もたまにやりたい。要するに血流をよくしたいのです。
 あとがき 不思議なことも多いと思います。遠慮なく何でも聞いて下さい


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  2004年6月11日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO53

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  2004年のお願い(10)

24、呼気弁のこと
 呼気弁(呼吸器の喉の近くにあるプラスチックの筒)にふとんやタオルをかける
と空気が来ないので苦しい。決してかぶせないようにお願いします。
25、センサーのコントロールボックス
 センサーのコントロールボックス(白い箱)は、必ずベットの横の棚に置いて下
さい。ベットの振動で壊れないようにするためです。 
26、吸引の裏わざ
 カテーテルを挿入する時、親指での陰圧をゆるめると吸引力が働き、痰があれば
音でわかる。試してみて下さい。
27、前に倒して姿勢を直す方法
 前に倒して姿勢を直す方法では、背もたれに中心の線をイメージして その線と背
骨が合わさるように意識しています。それと、姿勢を直す時 横に動かしすぎると安
定しないので ほんの少しだけ横に動かすようにしています。これからも食事介助、
文字磐を使わない方法頑張ります。
28、手まくら
 目的は手を高くすることにより、血行をよくし、安定させ、指を伸ばすこと。だ
から指の先があたるように置いて下さい。
29、尿取りパッドのこと
 椅子の時のトイレの失敗は姿勢を直すため体を前に倒す時に(つけたままにして
おいた)尿取りパッドがずれるためであり、みなさんの責任ではありません。以後
気をつけて直すことをお願いしますのでよろしくお願いします。ベットの時も姿勢
が変わる時確認お願いします。
30、手洗い
 改めてお願いします。呼吸器に触れる時、食事の前、トイレの後などでは、めん
どうでも手を洗って下さい。
 あとがき 27は大道寺さんの工夫です。みなさんいろいろ教えて下さい


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  2004年7月6日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO54

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  体の曲がりをなおすこと

 佐々木さん。体の曲がりは、なぜおきたのでしょうか? 
 多分、体を移動なさったからだと思います(ずれのため)。あるいは、佐々木さ
んの体が、同じ位置に寝ていることで、筋肉のストレスの介助を欲しているのか。
皮膚の柔軟性、血液還流の改善、栄養、老廃物排出を欲しているのか。
 どちらかだと思うのです〈圧力のため)。
 
 移動したときに、ずれ(表皮が移動方向に動いたのに、筋肉や内臓がその位置に
まだ置かれています)が生じます。これが『ずれ力』です。私たちも、自分の身体
を面に沿って移動した場合に、表皮と筋肉・内臓に違和感が生じます。これを私た
ちは自然の体動で直しているのです。また、体位を取ったときに体重を均等に分配
することが必要です。

 方法ですが、ベッドの真ん中で寝ている方を、座位になっていただくときに、体
を手前側に移動します。そのときに使う水平移動の方法を応用します。ただし身体
の曲がりを直すのですから簡単です。位置はそのままで良いのです。(水平移動の
方法は、先回の時に資料をお渡ししてあります。参考になさってください。)  

 介護者は、「右肩を浮かす。→左肩を浮かす を1,2回繰り返します。次に右
胸を浮かす。→左胸を浮かす を繰り返し、腰、足と繰り返します。」そしてこの
ずれ力を無くします。持ち上げる必要はありません。ちょっと浮かす程度で十分で
す。実はここで衣服による撚れも除くことが出来ます。力もいりませんので是非実
施してもらってください。
 介護者がなれてくると、佐々木さんの体から、ずれ力の大きい、小さいが介護者
の手に伝わってきます。

 血流を阻害する要因には圧迫力・ずれ力・湿潤が挙げられます。これらの要因は
身体にかかる力(外力)であり、長時間継続すると不快感から苦痛になり、次に危
険な状態から最悪の場合、褥瘡になります。圧迫力・ずれ力・湿潤状態を見つけ出
し効果的な対策をすることは、褥瘡対策だけでなく佐々木さんにとっての安楽で安
全な環境作りにつながると思います。

 あとがき 今回は和泉福祉専門学校の下西先生にご指導いただきました。ありが
とうございました。我ながら駄々をこねているようでいいにくかったのですが、な
ぜかがよくわかりました。みなさん、よろしくお願いします。 


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  2004年7月7日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO55

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  事例の検討(困ったとき)/ふるかぶのヘルパー

・ 日時・・・6/12(土) 9:00〜17:00(8h)
・ 日頃の目標・・・◎スピーディーに、丁寧に。 ◎手足の痛みの解消。
・ 事例内容・・・<食事介助>14:20〜14:40
  今まではヘッドレストのタオルを全部外したが、2〜3枚残すことで顔とコッ
プの角度が合い、スムーズに飲み込むことに気づいた。
 ●唇の位置がよく見えた。● 飲み込みが良く、時間の短縮になった(20分弱)。
● 佐々木さんからのコップの位置取り等の注意がない。● 食事介助の不安が消え
た。● 当日のメニューも良かった(・もずくの味噌汁(大1)〜飲み込みやすい。
・かぼちゃ(大1)〜大好物。・新じゃがと白身魚のバター焼〜味が良い。高タン
パク。・和菓子とお茶〜甘味も好物。)。

 ↑ここまでは満足に近い食事介助。(自己採点は90点)
 食事が終わろうとしていたら、尿の指示あり。尿パットを探すが見当たらない。
定位置の「尿瓶」も無い。〜もう時間切れの予感〜
 ●ビニール袋にティッシュペーパーを詰めて急いだが、間に合わない。途中から
なんとかつないだ。尿取りは自信があったのでショック・・・
 ●急に外から大きな雨音と雷の音!→大量の洗濯物を急いで取り込む。再度、尿
の後処理として、食事が終わるまでタオルを切って当てた。服薬とお茶の終了後、
パソコンへ移る前にベッドで陰部清拭と着替えを行った。

 <評価として>
 ●良かった点/・食事は早く終わることで患者は疲れない。味も良く、全量を食
べてもらえた。→介護者も安心。
 ●悪かった点/・一度に二つ、三つとやるべき事が重なると、手順の組み立てを
焦っている。・患者に対して行動の了解を得ていない。(小声で独り言をつぶやく
。「これでいいかな」「○○にします」等)。・「尿取りパット」を次の事を考え
て用意していなかった。・不要な時間と不快な気分にさせてしまった。

 ※基本的なニーズに対して私達の小さな知恵袋を効かせ、ADLがスムーズに果
たせた時に「佐々木さんの生活の質(QOL:クオリティオブライフ)の向上」が
必ずあると信じて頑張りましょう。

 あとがき 今回は沓掛ヘルパーの事例報告です。本当にお世話になります。


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  2004年7月11日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO56

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  腰を痛めない介助方法

 力があったり自分の体を過信しすぎると、ついつい足を曲げずに腰だけを曲げて
作業してしまい、腰を痛めてしまいがちです。昔は私もそうでした…。 f(^_^)  
今の私の介助方法を振り返ってみます。

 先ずは排痰援助のとき。アンビューネブライザーでは、ベットを高くします。そ
れでも少し前かがみになってしまうので、足を開いて自分の姿勢を低くし、垂直に
立つようにします。足を開いて立つと、自分の体重を支える面積が広くなるので安
定性があり、疲れにくいです。

 次に胸押しのとき。自分の体をひねって力を加える事は、力が入りにくい上に腰
への負担が大きくなります。この時はベットを低くして、佐々木さんには申し訳な
いのですがベットに片足を乗せさせて頂きます。体をひねらず垂直に押すことがで
きるので、楽に胸押しが出来ます。

 次にベットからの移動のとき。佐々木さんの両脇に手を入れ、頭を肩に乗せ、両
膝を足ではさみます。この時、私は前かがみにならずに、佐々木さんを私の方に引
き寄せて、なるべく垂直に腰を下ろしています。そして垂直に立ち上がると同時に
片足を後ろへ引き空間を作ります。自分が前かがみになると、どうしても斜めに引
き上げる力が働き、腰に負担がかかります。それに比べて、しゃがんで立つという
動作は、日常的に行う動作ですし大腿の筋肉を使うので、力が入りやすいです。そ
の後、車椅子へ佐々木さんを移していく際には、足を徐々に開いて自分の姿勢を低
くしていき、腰は曲げずに足を曲げながら行っています。この方法にしてから、以
前よりも楽に移動介助が出来るようになりました。

 食事のときも歯磨きのときも、腰を曲げずに足を開き、自分が上下して介助して
います

 佐々木さんに『腰を痛めない介助方法を話して』と言われたとき、『???』と
、何の事だか分かりませんでしたが、こうして考えてみると、自分でもビックリで
す! 佐々木さんがおっしゃられたように、私はなるべく垂直に力を入れて、自分の
体が楽な方法で介助していたようですね。

 あとがき 今回は訪問看護の佐久間さんのお話しです。みなさん腰を痛めないよ
うに。できるだけ力を必要としない、それが患者にも介護者にもやさしい介護のは
ずだから。


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  2004年8月8日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO57

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  横向き、手洗い、歯みがき

横向き(体位交換)
 横向き1/横を向いたままの状態でしばらくいる→保持
 横向きになり背中に大きな枕を置き、足を深く曲げ、両足をマッサージ機に乗せ
る。両足の間にプ−サン枕を入れると楽です。
 目的は体を動かし血行をよくすること、暑さとりわけ背中の暑さを取り除くこと
です。うまくいけば30分〜1時間この姿勢でいられます。そしてとても楽になり
ます。ただし2つの困難があります。呼吸器とコールです。呼吸器はじゃばらの水
をよく払ってから着けること、特に左向きの時は注意をお願いします。コールが鳴
らせなくなったことが何回もあります。
 横向き2/タッピング
 横を向いてタッピングする。時間はそのつど確認する。痰をとりやすくするため。
 横向き3/ゴロゴロ
 一度横を向いて少し体を揺すってから元に戻る。夜に中々寝付けないときに人は
自然に体をゴロゴロとしている。そのゴロゴロができないので短い時間で横を向く
 目的は、体のゆがみを取るためと手足のしびれをとるためです。横向きになるこ
とで手や足の曲げのばしを省略できることもあります。しかしどれも筋肉を動かし
、血行をよくする効果があり気持ちがよいものです。

もう一度手洗いの確認
 1、介護に入る時 手を洗う。2、吸引、ネブライザーの時 手の消毒。3、食
事、薬、お茶の時 手を洗う。4、トイレ まず後片付け、それから手を洗う。

歯みがきの統一
 歯みがきが終わったら。1、スポンジのブラシで上顎と舌を掃除。2、歯冠ブラ
シで歯の掃除。3、うがいの時首のカチューシャをはずす。4、全部が終わったら
タオルを口にあて体を深く折り曲げ口の中の水を取る。5、吸引チューブは体の前
から通す。後ろからだと窮屈だから。
 
コールの白い箱(コントロールボックス)を置く場所
 パソコンの時はテーブルの上に黒いゴムを敷きその上。ベットの時は横の本箱の
上。
 あとがき 横向きは看護学生佐藤さんのまとめ。他は最近気になること。お願い
します


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  2004年9月16日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO58

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  関節運動

 無理に曲げようとせず、ストレッチ運動のようにゆっくり筋肉をほぐす感じでや
ってます。末梢の関節・筋肉から少しずつほぐしていきます。まずは指をなでるよ
うに軽く曲げながら筋を伸ばします。内側だけでなく外側にも曲げます。指の次は
掌、手首、肘と曲げていきます。掌はマッサージ、手首は前後に曲げ軽く回します
。あらゆる筋肉を使うためにも、特に肩は前後、左右いろいろな方向に曲げます。
私は日常の何気ないちょっとした行動を頭に入れながらやっています。例えば、「
頭を掻く」。腕をまっすぐにしたまま上にあげて、頭の上で曲げます。

 「腕とは反対の肩を触る」。まずは肘を曲がるところまで曲げ、そのまま胸の前
にV(ブイ)の字を作るように上腕を保持しながら肩を曲げていきます。…などな
ど。普段からどこを曲げたらどこらへんの筋肉が動くのかなぁ〜と気にするといい
かと思います。それぞれ関節を曲げる際、今曲げようとしているところの一つ手前
(末梢)の関節部分を片手で保持します。もう片方の手で曲げようとしている上(
中枢)の筋肉をそっと押さえます(ぎゅっと押さえてしまうと筋肉が伸びないので
触れる&支える感じでやります)そうすると安定するかと思います。例えば肘を曲
げる時片手で手首を保持し、もう一方の手で上腕をそっと押さえます。肩を曲げる
時なら肘と肩の筋肉。という感じです。ただ肩を曲げる際は肘だけ保持してもなか
なか安定しないかと思います。佐々木さんの腕の下に自分の腕を入れ、自分は佐々
木さんの上腕を保持し、佐々木さんに私の上腕部をにぎってもらう感じで支えると
結構安定します。また、佐々木さんの腕を伸ばした状態で肩が動かせます。

 ポイントは…☆ゆっくり無理しない。☆しっかり保持する。☆どこを動かしてい
るのか意識する。☆曲げて限界のところで3秒程度そのままにしてゆっくり戻す。
という感じですかね(∩。∩;)ゞ。なかなか言葉では上手く言えなくてすいません
m(__)m 看護学生 河埜幸さんからです。



UP:20040727 REV:0808,0920
佐々木 公一  ◇ALS 2004  ◇ALS
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