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『介護通信』2003

佐々木 公一


2003/01/08 No.026
  改訂私の介護マニュアル1
2003/01/26 No.027
  改訂私の介護マニュアル2
2003/01/29 No.028
  改訂私の介護マニュアル3
2003/01/31 No.029
  改訂私の介護マニュアル4
2003/02/01 No.030
  改訂私の介護マニュアル5
2003/02/04 No.031
  改訂私の介護マニュアル6
2003/02/26 No.032
  よい介護と聞く回数は比例する
2003/04/07 No.033
  介護の改善のお願い/1
2003/05/28 No.034
  介護の改善のお願い/2
2003/06/14 No.035
  介護の改善のお願い/3
2003/06/17 No.036
  介護の改善のお願い/4
2003/07/17 No.037
  介護の改善のお願い/5
2003/08/02 No.038
  介護の改善のお願い/6
2003/08/01 No.039
  介護の改善のお願い/7
2003/09/01 No.040
  介護の改善のお願い/8
2003/10/25 No.041
  介護の改善のお願い/9
2003/11/11 No.042
  介護の改善のお願い/10
2003/12/10 No.043

  介護の改善のお願い/11


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  2003年1月6日           発行/佐々木公一
  介護通信ーNO26 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  改訂私の介護マニュアル1

一、意志伝達 
 1、はい、イエスは/まばたき一回  
 2、いいえ、ノーは/首をふる
 3、まばたき二回で文字盤
二、文字盤
 1、患者の正面約60センチの所に文字盤をかまえる。いすの時は動かし、
ベットの時は頭の向きを変え正面にする。斜めはだめ。
 2、患者の視線と文字盤の角度をできるだけ90度に近づける。
 3、患者が見ようとしている文字が正面にくるように文字盤を動かすのがコ
ツ。体を動かす必要はない。目線を合わせること。

 4、患者が裏面を読む。介護者は必ず声を出して確認する。なれるまでは、
むだをなくすため4文字まとめて指差し、さがす。
 5、特に最初の音の確認が大切。早合点はお互いの労力のむだになる。
三、清潔の確保/消毒と手洗い
  吸引は絶対清潔が必要。手の消毒を必ずお願いします。介護開始前や食事な
ど飲食の前にも。
四、コールは命の綱
 1、ベットに横になる時は、昼夜を問わずコールを置く。右手で押す。
 2、最近コールに手がくっついて鳴らせず苦しんだことが何回かある。遠く
てもだめ。ふとんなどで見えないので、常に確認してほしい。
 3、実は、コールを押すにも今では結構体力を使う。だから勝手に音量と回
数を変えないこと。夜勤の朝必ず音量を大きくすること。

 編集後記 昨年2月に作ったものを改善してみました。介護体制の変更などもあ
り、改めてお願いが必要と考えました。太字が変更点です。介護の改善へご協力を
お願いします。感想、意見などお願いします。


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  2003年1月26日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO27 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  改訂私の介護マニュアル2

五、吸引
 1、セッシで吸引チューブを取り出し、吸引のホースにつなぐ。
 2、吸引機のスイッチを入れ、吸引チューブの根元を親指で折り曲げて圧が
25〜30ぐらいあることを確認する。
 3、患者の呼吸器をはずす。
 4、吸引をはじめる。約10〜15センチくらい入れ、痰にあたったことを
確認し吸引チューブを回しながら引き上げる。深さを患者に確認  することが大
切。最後に少し時間をかけて念入りにとりきる。
 5、セッシの使い方
   最後までセッシを使うやり方と途中から手に持ちかえるやり方がある。
どちらでもよいが、セッシをもったまま、手で吸引するのは絶対にいけない。
セッシの先端が何かに触れ、不潔になるから。
 6、じゃばらを振って水滴をとる。青と白の管にも水滴がついてないか確認
し、ついていれば、管をぬいて振り回してとる。
 7、じゃばらの間にある容器の水を捨てる。
 8、呼吸器をつけアラームを消す。まず呼吸器、かたづけは後です
 9、最後に使い終わった吸引チューブを、消毒液につける。
 
六、ベットでの吸引
 1、呼吸器装着中の吸引は、その間呼吸ができなくなるから、速やかに行う
ことが基本です。だから吸引の時はテストバックは使わない。
 2、じゃばらの上にふとんや毛布がかからないように気をつけて。
事前に呼吸器装着口の状態を確認し準備、・吸引の準備、・左手で 引チ
ューブをもち、・右手で呼吸器をはずし、・右手で吸引を行い、・ 右手で呼吸器
の仮装着をし、・吸引の後始末をし、・最後に呼吸器装着口 状態を確認し終了

 /手の左右は個々で違うかもしれない。/


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  2003年1月29日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO28 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  改訂私の介護マニュアル3

 今月3回移動の際に事故(床に転落)があった。原因は・足の力の低下により両
足が開いたら力がはいらない(必ずそろえて。きき足が右なのでその位置に注意し
てほしい)。・椅子の高さに注意。椅子からベットまたはトイレの時または座り直
しの時 少し上げる。終わったら元にもどす(一番低くする)。・ベットまたはト
イレから椅子の時 必ず一番低くする。・椅子からベットの時 ベットを低めに。
七、移動/座り直し
 ・まず足の位置を確認する。これでよいか患者に聞く。
 ・患者の体を斜め前方にもちあげる。患者の立つ力を利用すること。
 ・すわる時、患者のひざを押してお尻を深くすわらせる。
 ・ひじかけの板と脇のささえを整え、体が傾かないようにする。
 ・移動および座り直しの時、のどの人工鼻に絶対に触れないように。
八、移動/椅子からベット  
  いすをつま先が床に届く程度の高さに。高さは元にもどす。 両足が離
れたら立てない。できるだけ近づけてそろえる。
 ・ベットはいすよりも低くする。ベットの頭部を少し上げる。
 ・お尻の位置がベットの真ん中より少し上にくるようにする。
 ・頭を保護するため首に手を回し、右手で両足をもちあげ横にする。
九、移動/ベットから椅子
 ・ベットの高さをつま先が床につく程度に。ベットの頭部を高く。
 ・患者の体をベットの角度を利用してベットの端に座らせる。
 ・椅子の前に立たせる。患者の足が必ず椅子の中心にくること。
十、移動/体位変換
 ・呼吸器をはずしてじゃばらの先端をよく振り水滴をとる。
 ・体を少し左に寄せる。コールをおく場所の確保のため。
 ・体を約90度傾けてから、患者の希望の角度に長い枕で固定する。


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  2003年1月31日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO29 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  改訂私の介護マニュアル4

十一、ネブライザー
 1、まず、蒸留水1つをじゃばら接続部をはずして入れる。
 2、じゃばらが短いので使い易い位置へ動かし、コンセントを入れスイッチ
を入れる。
 3、マジックで印のついている「5」にダイアルを合わせ、15分タイマー
をかける。終了後必要に応じて追加する。
  *タイマーを逆に回すと止まりません。
 4、気管切開部に蒸気の出る部分を置きゴムで固定する。
 5、ネブライザー中にタッピングやスクウイージング(胸押し)等の排痰法
を行うと効果的です。
タッピングは肺胞にくっついている痰をはがす目的で行います。手をお
椀のように丸くし肋骨の下あたりから気管に向けて軽く叩きます。
スクウィージングは呼気と合わせて肺を圧迫することで痰を出しやすく
します。
両手で肺の下部〜中部〜上部というように呼吸と合わせて行います。呼
吸は蒸気の具合で確認します。
呼気時に少し体重をかける程度で圧迫し、手を離す直前に強く圧迫しま
す。これは吸気を促し蒸気がスムーズに肺に入っていくようにです。
随時、吸引を行います。
終了後はスイッチを切り、コンセントを抜きます。

 編集後記 質問意見を遠慮なくどうぞ。その質問、日常生活ではこんな時こまっ
ております。・イエス、ノーで答えられない質問。「具合はどうか」「どれがよい
か」「どうするか」など。・早分かり。ついうっかり反対の返事をする時がある。
声が出ればその場で訂正できるが、いつも後の祭りとなる。当然やりなおしとなり
、時間は二倍以上かかります。・初対面の時に多いのだが「見えるのか」「聞こえ
るのか」「わかるのか」と聞かれることがある。こんな時にはこれらは病気になる
前と変わらないこと、すべてわかることを強調してほしい。


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  2003年2月1日           発行/佐々木公一
  介護通信ーNO30 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  改訂私の介護マニュアル5

十二、呼吸器のつけかた
 1、ダイヤル設定の確認。赤いテープの印のところにダイヤルをセット。
 2、加湿器の水を矢印のところまで入れる。なくならないよう注意。
 3、加湿器の裏側にある電源を入れる。呼吸器のスイッチを入れる(スタン
バイモードにする)。 
 4、じゃばらの水滴の有無などの確認。特に青と白の細い管が、呼気がある
部分に正しく挿入されないと作動しない。さらに排液部に水がたまっていない
か、じゃばらにねじれはないかなどを確認する。
 5、カフエア/必ず一度全部抜いてから4CC入れる。5の時もある。
 6、カニューレへのセットは吸気の時にそっとつける。
 7、吸引の時、じゃばらの先端をよく振り、水滴をとってから装着する。水
滴がのどに入ると異常に苦しい。

十三、呼吸器のはずしかた
 1、サーチレーションを装着し、呼吸器を外すことを患者に確認する。
 2、端座位になる直前に呼吸器を外し、テストバッグをつける。
  *この時、エルボを引っ張るようにするのではなく、カニューレは動かない
ように押さえながら、素早く呼吸器だけを外す。
 3、椅子への移動が終了したら素早く呼吸器を装着する。サーチレーションの
値をチェックしながら、しばらく様子を見る。
 4、座位での呼吸器装着時は、回路が下へ引っ張られないように余裕をもっ
てどこかに固定する。
 5、しっかり自発呼吸できるようになったら、呼吸器をはずし、電源をスタン
バイへ設定し、加湿器を切る。
 6、外した呼吸器の接続部は清潔なガーゼで包んでまとめておく。
 7、呼吸器を外した後は、しばらく側を離れないようにし、状態の変化に気
をつける。


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  2003年2月4日           発行/佐々木公一
  介護通信ーNO31 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  改訂私の介護マニュアル6

十四、夜間介護の目的
 その目的の第一は、患者の安全の確保と維持です。まずコールを確認することと
患者ならびに機械類の状況が見えるようにしておくこと。
 第二は、患者の要求にそい、適切な処置をおこなうことです。当面のお願いは、
・コールの再確認。・患者と機械類が見える状況の確保。・処置が終わったらほか
に用事はないか念入りに確認すること。最後ですが10時からの仕事の手順を書き
ます。・到着後ひと休み後、・介護記録をみて状態をつかむ、・機械類のチェック
(水の補給など)、・ベットを整える、・足浴、・薬服用、・着替え、・ベットへ
、・ネブライザーをしながら足の曲げのばし、・眠剤服用後就寝。12時までは大
変ですがよろしくお願いします。
十五、ベットでのお願い
1、ベットに入る時はあらじめ左によせる。コールの場所確保のため。
2、左手の指は手まくらでのばす。冬期は手をあたためるため腹にのせ る。右手
はコールを押すためすべりやすくするため服のそでに注意。
3、ベットに角度をつけて寝るためずり落ちて、寝苦しくなる。姿勢 が自然なか
たちになっているかどうかを確認してほしい。
4、コールをおす右手の力がおちているので特に気をつけてほしい。
十六、マッサージ機の利用
1、現在機械をあてる部位は、・つま先、・足の裏、・アキレス腱、・ひざ の裏
。痛くないようバスタオルをおき、回転数を一番遅くして下さい。
2、つま先、足の裏の時はひざを思いきって曲げる。
3、ざぶとんを折り曲げて膝の下に、2時までは止まったらつけて。
4、足特につま先はふとんが重い。重くならないように。
十七、足浴機の利用
1、まず水を少し入れてから湯を入れて温度調節、熱め希望。
2、電源は窓よりのものを使う。入り口からとると足にひっかけるから。 


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  2003年2月26日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO32 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  よい介護と聞く回数は比例する

(この場合の「聞く」は、質問するではなく同意を得る、確認するぐらいの意味)
 本来は相手の立場に立って考えるということだが、主観的になりやすいしむずか
しい。「聞く」ことが誰でもできる最良の方法である。体調だけでなく気分や感情
もリアルタイムことができる。なお患者の状態は日々変化するものだから、この作
業は永遠に続くものと理解してほしい。

聞いてほしいこと/食事の時
 食器が口の真ん中にきているか(片寄ると必ずこぼれる)
 食器やスプーンの深さはどうか(食器は深めに、スプーンは全部入れる)
聞いてほしいこと/いすの時
 いすの位置と向き(首の動く角度が狭いので正面以外は苦しい)
 いすの高さ(高いと揺れるし不安定。パソコンもやりにくい)
 まくらの高さ(低すぎると上を向いたままとなり、高すぎると首が前におち
る。タオルで調整する)
 手の位置(スポンジ手置き台を有効に使う。丸型は手のひら、長方形はひじ
に。なお同じ位置でしびれるので時々動かせてほしい)
 脇の支えの状態(上半身を安定させるために極めて有効。位置は極めて微妙
。念入りに確認してほしい)
聞いてほしいこと/こたつの時
 温度(時々電源がはいっていないことがある)
 こたつへのはいり具合(できるだけ前へ。遠いと寒い)
 こたつの向き(普通こたつの時はテレビを見る。だからみやすいように)
 
 編集後記 最近感じていることを書いていきます。みなさんが気になることも遠
慮なく聞かせて下さい。できるだけ改善していきます。 


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  2003年4月7日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO33 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/1

1、文字盤の使い方
  絶対に体を動かさないこと。文字盤を動かすこと。
  うまい人に共通しているのは、体でなく文字盤を動かせていること、きちん
と指差して声を出していること。
  文字盤がうまくできないと会話の意欲をなくす。つまり必要なこともたのめ
ない。
  介護にあたってくれる人で文字盤を手にしない場合は、外国人といるような
もの。

2、吸引問題/私はプロ
 気管切開して4年目になる。いまでは痰のあるなしは100%、どこにあるか(
深いか浅いか)についても80%以上の確率でわかる。もちろん気管内のことで肺
まではわからない。このことに関する限りどんな名医も及ばないはずだ。
 私の場合、家族や看護婦がいない時にはヘルパーさんにお願いしているが、患者
によく聞いて行うヘルパーさんの吸引に何の問題もない。とれたかどうかもそのつ
ど確認されるから安心である。
 他方でたまに来てくれる看護婦さん(私の場合訪問看護を除く)の何も聞かずに
行う一方的吸引がある。この場合吸引の前に痰の具合を聞く人はほとんどいない。
不思議でしかたがない。「よい介護と聞く回数は比例する」私の経験的自論だが医
療も看護も同じはず。

3、食事介護
 介護される側にとりとても大切なことなので特に強調したい。前提として気持ち
よく食べさせるのはとてもむずかしいこと、そして患者にとり食事はなにより大切
なことであることを改めて認識してほしい。改善の方法を2つ提案したい。第一は
、そのつど「これでいいか」と患者に聞くことである。独りよがりや思いこみの介
助は絶対にいけない。第二は、人に食べさせてもらうことである。患者の気持ちに
一歩近づけるはずである。余談だが遠慮せずに味見をすればもっと一体感を感じら
れると思う。


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  2002年5月28日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO34

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/2

4、パソコンのスイッチ
 スイッチがよく反応するのは顔に90度であたる時。だからそれに近くなるよう
にお願いします。強く折り曲げること、いすにつけた止めばさみで操作すること。
はだより布や紙のほうが反応する。ほほにコットン忘れずに。

5、パソコンの時のいすの状態
 一番低くすること、ブレーキをかけること、そうしないといすが揺れてパソ
コンがうちづらいから。いすにぶつからないこと、少しでもぶつかるとスイッチ
が動きパソコンがうてなくなるから。

6、食事介助
 大切なことは患者の希望を理解することと食事の意義をとらえ直すこと。
 第一に、私の希望は/速く、こぼさず/です。パソコンにむかえる時間を確保し
たいから。だから介護者の勝手な判断で少量ずつ、というのが一番困る。食べる量
は本人が判断するから。
 第二に、誰も同じだが、介護される側にも食事は大切なこと、そして気持ちよく
食べさせるのはとてもむずかしいことを改めて認識してほしい。
 改善の方法を2つ提案したい。ひとつは、そのつど「これでいいか」と患者に聞
くことである。独りよがりや思いこみの介助は絶対にいけない。もうひとつは、人
に食べさせてもらう経験をしてみることである。患者の気持ちに一歩近づけるはず
である。余談だが遠慮せずに味見をすればもっと一体感を感じられると思う。
 第三に、具体的には準備(手洗い、食器の配列、タオルなど)の後、コップを下
唇に強く押し付けること、スプーンは口の中に全部入れることです。
その時スプーンが唇に触れないように。触れるとこぼれるから。

 あとがき いま困っていることのお願いをまとめていきます。ご意見を。 


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  2003年6月14日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO35 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/3

7、呼吸器をつなぐ時
  カニューレへのセットは吸気の時にそっとつける。呼気の時はつけにくいし、
少し苦しい。この部分は絶対清潔、取り扱いに注意して下さい。

8、姿勢/いすの脇の支え
 大変役に立っており、いまやなくてはならないもの。けれども逆に食い込んだり
すると苦痛に変わる。常に下向きにしておく。上に向くと腕にあたっていたい。移
動の時は脇の支えをいったん広げてすわってから調整する。その後も微調整が必要
。気をきかせて動かせてくれるのは本当は困る。

9、姿勢/パソコンにむかう時
 パソコンにむかう時は一度調整しても首をふることで体が曲がる。もう一度直す
ことになる。この時うまくいけば長続きする。体が曲がった時は、座り直すか前に
倒して直すかどちらかである。よこに引っ張ると背中によじれができて痛くなる。
なおかかとが高いほうが楽。足を引いて高くする。

10、姿勢/車椅子の時
 お尻が真ん中奥にいくこと、体全体が自然なかたちであることが必要。手の位置
は一定時間で変わる。ほかより早くしびれるから。車椅子を寝かせる状態からおこ
すと必ず背中がよじれ手がはさまれる。体を前に倒して直してほしい。
  
11、トイレ介助(小用)
 処理しやすいように尿取りパッドをビニール袋に入れて使う。このところ失敗が
多い。失敗すると不衛生なだけでなく、着替えなくてはならない。そために余分な
時間と余計な体力を使うことになる。原因は2つ。尿取りパッドの深さとビニール
袋の高低差である。なおトイレの後まずかたずけと手洗いを。ベットでトイレの時
はマッサージを止めること。 


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  2003年6月17日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO36 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/4

12、がまん大敵!
 体の傾きをがまんしてパソコンを続けたら腰が痛くなった。おしりの痛みをがま
んしていたら褥創気味になった。ベットでの不自然な姿勢をがまんしたら手や足、
腰や首が痛くなった。一般にがまん、忍耐は美徳とされるが、病気とりわけALS
にはあてはまらない。かゆみと蚊や蠅(はえ)の攻撃はがまん不可。だから無理な
お願いも多くなります。よろしくお願いします。

13、患者の意思を読みとる
 ALSの私の場合次の3つの方法をとる。・文字盤の操作、・口の動きから言葉
を読み取る、・目線をみて読み取る。文字盤の使い方は「介護通信33号」をお読
み下さい。あとの2つは経験となれでお願いします。
 新しく/文字盤を使わない方法/をはじめます。短い言葉の時有効です。
 こんなふうです。
  介護者が あかさたなはまやらわ という
  例えば といれ の時
  あかさた たちつてと あ あい あかさたなはまやら らりるれ
  となる。いずれも最後の音で患者がまばたきする
  とりあえず簡単なものからはじめて、やりながら改善していきます。

14、質問のかたちーこんな時こまる
 ・イエス、ノーで答えられない質問。「具合はどうか」「どれがよいか」「どう
するか」など。・早分かり。ついうっかり反対の返事をする時がある。声が出れば
その場で訂正できるが、いつも後の祭りとなる。当然やりなおしとなり、時間は二
倍以上かかる。・初対面の時に多いのだが「見えるのか」「聞こえるのか」「わか
るのか」と聞かれることがある。これにはただただ閉口である。 


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  2003年7月17日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO37 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/5

15、コール、コール、コール
 コールのことでいろいろご迷惑をかけております。この間の事故の原因はコール
と腕が離れすぎていることと一度鳴らしたままの状態で腕の自由がきかなくなった
ことによります。早急に改善をする予定ですが、当面次のようにお願いします。声
を出すことのできない患者にとりコールは命の綱です。
そしてコールを押すにも今では力を使うのでよろしくお願いします。

 指で押す方法を取り入れる。
 いまのコール(発信機)にとりつけてあるもの/左手の小指で外向きに押す。当
面これまでのものと併用していきたい。

 コールの位置
 手は引く力しかない。引く力でコールを押すようにする。具体的には右手をでき
るだけベットの外側に置く。指が落ちないように気をつける。次にコールを手首と
ひじの真ん中に置く。ひじは少し曲げた方が力が入る。

 患者をよく見る
 コールが鳴らないなどの異常がある時、困っている時は、首を振って合図をする
からいつでも振り向くようにしてほしい。

 朝帰る時必ず次のことを忘れないで下さい。
1、患者の様子をみて例え眠っていてもコールが鳴るようにセットしなおす こと

2、コールの音を大きく3回鳴るようになおすこと。
3、呼吸器の調子を確認するとともに、カスケードの水を入れること、ウォ ター
ラップの水を捨てること。これまでカスケードの空だきが何回かあっ たから。 


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  2003年8月2日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO38 
 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/6

16、夜間介護
1、当然の前提 は健康(病気でないこと、疲れすぎてないこと)です。 よろし
くお願いします。
2、夜間介護の目的再確認 第一は患者の安全の確保と維持(呼吸器など の管理
をふくむ)です。第二は、患者の要求にそい、適切な処置をおこな うことです。
処置が終わったらすぐに背をむけないで、ほかに用事はない か念入りに確認する
こと。
 ……食事介助などはすでにお願いしてある項目参照……
 ……移動については別項目参照……
3、ベットにはいる時気をつけてほしいこと ・体や肩がゆがんでいな いか。・
ベットの一番上にいっているか。・少し左に寄っているか。・ま くらの水の量は
どうか、ゆがんでいないか。
4、鏡の活用 ソファなどで休む時患者と機械類の様子がわかるように
5、コールの位置訂正 親指の付け根にコールをくっける。
6、マッサージ機 ・足を曲げた時、足が倒れる方向にマッサージ機を動 かせば
倒れない。・足をのばす時は、厚めの座ぶとんを2つに折り、ひざ の下に入れる
。・マッサージ機について 午前2時までは止まったらつけ てほしい。
7、薬のこと 夜の薬を飲む時、/みき/とラキソベロンの量を確認する こと、
眠材の水の量は100 ccに統一したい。
8、体を夜横向きにする時は・体がベットのやや左寄りになっているか確 認する
。・左足を立てる。・体を横にして背中にまくらを入れる。・頭の まくらを右手
によせて整える。・体を横に足をまげ両足をマッサージ機に のせる。・コールを
右手と右足の間に置く。
9、ベットで体を上にあげるためには、・ベットを平らにする、・枕など をはず
す、・患者の膝を立てておき、・左手でベットの頭の板に手をか  け、・右手を
患者のおしりにまわして、・左手で引きながら右手でおしりを押し
 あげる。


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  2003年8月1日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO39 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/7

17、訂正
 コールの位置 親指の付け根にコールをつける。
 パソコンのスイッチ 新しいものに取り替えた。いすの背中に固定するのは今ま
でと同じ。違いはタッチセンサーなので肌に触れると作動する。ほほの真ん中当た
りに触れるように。コットンは使わない。
 ベットで体を横向きにする時 右足の下にざぶとんを折って入れる。

18、見えないところ
 足浴、入浴後の足の指の間の水滴、入浴後の耳に残された水滴、靴下や靴の中の
指の曲がり、入浴後の首の後ろの水滴、下着のめくれ、ふとんの中の手の指の曲が
り、おしりの下のざぶとんの位置、椅子や車椅子の時の背中のしわ、体の微妙なゆ
がみ、ふとんの中の足の状態、こんなところに気がついてくれるととてもうれしい。

19、私の要求(主な)のわけ
 文字盤を 文字盤でなければ通じにくい時に文字盤をお願いしている。この時の
質問攻めは時間のむだとなる。文字盤を使わない方法の活用を。
 手足の曲げのばし ともかく同じ姿勢でいる時間が長く、しびれは全身にある。
中でも手と足がひどい。足は関節のすべての曲げのばし(強めに)と足の裏のマッ
サージをお願いしたい。その時足の先を強くそらせてほしい。手も同じくすべての
関節の曲げのばしをお願いしたい。手のひらもそらせてほしい(こちらはやさしく)。
 頭を右にむけて ベットでどういうわけか頭は左に傾く。左に傾き続けると苦し
い。まっすぐより少し右むきにして下さい。
 
 編集後記 いままでうっかりしていたのですが、例えばコールの位置、パソコン
のスイッチ、カニューレのかたち/いすの時とベットの時、吸引のかたちなど写真
でやりかたがわかるようにすればよいのですね。/この場面がほしい/など意見を
だして下さい。 


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  2003年9月1日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO40 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/8

20、ベットで体を上に移動させる時の手の位置
 左手でベットの頭の板をつかむ。右手は患者のおしりの下の部分にあてる。ひざ
の裏側あたりをもつ人が多いがこれはだめ。患者の足が中に浮き踏ん張れない。
21、右横向きになる時
 右膝の下にざぶとんを折り曲げて入れる。横になったまま足を折り曲げマッサー
ジ機にのせる。右手は上向きの時と同じ。左手のばして太ももの上にのばす。いず
れの時も指が曲がらないようにしてほしい。だ液が流れないように口の下にタオル
をおく。
22、まず呼吸器をつなぐ
 どんな時もまず呼吸器をつないで下さい。特に吸引を二度やる時は一度呼吸器を
つないでからやりなおして下さい。ベットで横になっている時は呼吸器をはずした
ら呼吸ができないからです。
23、ベットではまず頭部を少し上げる
 水平になると横隔膜筋の働きが悪くなり呼吸が苦しくなるからです。
24、カスケードとじゃばらの水
 カスケードの水を常に捨てるように。またそこに水がなくてもじゃばらにはたく
さんの水滴がついており、その場合正常に呼吸できないから。
25、じゃばらのねじれ厳禁
 少しでもねじれるとまともに空気がこないから。
26、吸引チューブは必ず滅菌したものを使う
 この間2度事件があった。絶対に許されない。滅菌されているものは袋の文字の
色が変わること、日付けがついていることでわかる。
27、介護の仕事とスリッパ
 スリッパでは・動きにくく、緊急事態に対応できない。・音がうるさい。とくに
深夜は不愉快。こんなこともヘルパーステーションは指導しなければいけない。
 あとがき いろいろ大変ですがよろしくお願いします。


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  2003年10月25日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO41 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/9

 学習とはなにか、なぜ「介護通信」を読まなければならないか
 「学習とは、人類の遺産を学びとることです。人類の理性のいとなみは、文化と
いうかたち(看護、介護ももちろんその一部です)で社会的にたくわえられ、世代
から世代へと、たえず新しいものをつけくわえながら伝えられていきます。人類の
進歩はそれによって実現されていくのです。それらの文化の背後には、過去の人類
が生きたぼうだいな時間があります。そのぼうだいな時間を、学習をつうじて私た
ちは自分のものとするのです」、ある哲学者はこう書いています。
 私の「介護通信」も、わずか8年(呼吸器をつけて4年)とはいえ、8年間とい
う時間の中での患者、家族だけでなく、医療、看護、介護にかかわっていただいた
たくさんの人たちと様々にとりくんできた成功や失敗のまとめのようなものでもあ
ります。さらに進行性難病であるALSは患者の体力の変化にともない看護、介護
の方法もかわるからです。

28、コールの位置訂正
 これまでの右手はやめ、左手だけにする。手まくらの上にセンサーを置き、左手
小指第二関節付近で押す。なおふとんの重みで位置がずれてコールが鳴らなくなる
ことが多いので注意をお願いします。
29、夜勤明けで朝帰る時コールを直す
 患者の様子をみて例え眠っていてもコールが鳴るようにセットしなおす こと。
コールの音を大きく3回鳴るようになおすこと。
30、薬を飲む時の/みき/または水の量の確認
 いま薬は/みき/または水とあわせて飲んでいるが、その量は状況によりかわる
。例えば食事の量が多い時は少なく、など。だから必ず患者本人に確認してほしい
。100 ccを基本に判断したい。夜のラキソベロンの量もそのつど確認する。眠済
の水の量は100 ccに統一したい。
31、ベットでの体の上方移動
 介護者がベットの上方に立ち、患者の脇に下から手を入れ、上に引く。

 あとがき 変更が多く大変ですがよろしくお願いします。感想、意見を。


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  2003年11月11日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO42 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/10

32、移動またはすわりなおし
 まず足の位置を確認する。患者の足を介護者の足の間にセットする。これをしな
いと絶対に立てない。必ず靴をはく。靴はかかとまできちんとはく。
 すわる時おしりが右寄りにしてほしい。左に寄ると安定せずかたむく。  いす
のざぶとんの空気の栓を必ず閉じておく。 
 補助をしてくれる人にお願い。ずぼんは引っ張らないでほしい。
33、ベットに入る時、上着をずぼんに入れる
 ベットに入る時、上着をずぼんに入れる。めくれて寒くなるから。
 いまの季節、小さい毛布をかぶり、その上に羽毛布団をかぶる。
34、暑さ、寒さの感覚
 例えばこの季節、いすからベットに移動した時など、ことのほか寒い。まずなに
かをかけるようにお願いします。自分の感覚で判断しないこと、まず患者に聞くこ
とが大切。こたつや電気毛布の電源にも注意をお願いします。
35、手足などのしびれ
 健常者は普通一晩に約20回寝返りをうつという。自分では何一つ動かすことの
できない身にとり、手足などのしびれは耐え難いものがある。いすまたは車椅子の
時も基本的に同じ。マッサージをするなどとにかく体を動かせてくれるとうれしい

36、顔のふきかた統一(かゆい時)
 かゆみを点でとらえるのはむずかしい。だから面でとらえるようにする。具体的
にはタオルを大きめに折り顔全体を普通にふく。/かゆいところだけ/は結局むだ
が多くなる。
37、食事の時、瀬戸物の食器は使わない
 食事の時、瀬戸物の食器は使わない。見えなくてこぼす原因になるから。必ずグ
ラスなど透明なものを使う。
 食事の時、グラス、スプーンとも口の奥に入れる。手前だとこぼしやすく呑みに
くい。その時必ず正面から。斜めは絶対だめ。


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  2003年12月10日          発行/佐々木公一
  介護通信ーNO43 

 みなさんありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。

  介護の改善のお願い/11

38、食事介助(先輩ヘルパーさんの助言)
 食事の件は、以前佐々木さんが書いた介護通信にもありましたが
・コップが斜めだとこぼれやすいので、必ずコップの中心と口の中心が合うように

・コップを押し付けて飲ませるのではなく、コップの角度の調節で飲んでもらう。
(介護者が力を入れすぎないように)
・必ずゴックンと飲み込んで、口の中が落ち着いた時に次にいく。
・口の中に入れる量は、多からず少なからず。(量を確認して覚えておくのがベス


39、トイレ介助(学生ボランティアさんの質問)
 次の私の当面の課題は、お小水の介助です。本当に毎回失敗して不快な気分にさ
せてしまい申し訳ないと思ってます。すみません。高低差をつけて漏れないように
すれば、いいって事は分かっているんですがズボンが邪魔してなかなか上手く出来
ません。
   トイレ介助(先輩ヘルパーさんの助言)
 お小水の件・・考えましたが、高低差をつけないと確かにこぼれます。
足を出来るだけ開いて、ズボンを下に押し付けて尿取りパットをあてると、いいと
思いますが。
 それと、ビニールの開口までしっかりパットがきてるがどうか。あと、パットか
らこぼれる、こぼれないの事ではないのですが、残尿・・と言うか切れが悪い時(
上手く言えませんが)、その時下着に染みて不快感を与えてしまって申し訳なく感
じる時があります。この時は、じっくり終わるまで待てばいいのですけど。(少し
振ってみるなり、なんなりと・・)
 もう1つは、終わったのですがまたパット、尿瓶で押してしまい出てしまって、失
敗。これは私が先日やってしまったミスですが、この時は・・・諦めるしかないで
すか・・ね。(笑い)とにかく、すっきり出切るまで待つ!簡単過ぎますか?この
考え。


UP:20040727 REV:0808
佐々木 公一  ◇ALS 2003  ◇ALS
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