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『週刊/ALS患者のひとりごと』2003

佐々木 公一



◆2003/01/11 『週刊/ALS患者のひとりごと』97
 謹賀新年/2003年年賀状
◆2003/01/27 『週刊/ALS患者のひとりごと』98
 緊急事態/障害者の命が危ない
◆2003/02/06 『週刊/ALS患者のひとりごと』99
 新年おめでとうございます/わの会新年会での挨拶
◆2003/02/18 『週刊/ALS患者のひとりごと』100
 新しい世界/新参者のひとりごと
◆2003/02/26 『週刊/ALS患者のひとりごと』101
 選挙権のこととお願い
◆2003/02/28 『週刊/ALS患者のひとりごと』102
 署名運動まとめ二/吸引問題その後
◆2003/03/08 『週刊/ALS患者のひとりごと』103
 署名運動まとめ三/吸引問題重大局面
◆2003/03/14 『週刊/ALS患者のひとりごと』104
 署名運動まとめ四/命輝け
◆2003/03/16 『週刊/ALS患者のひとりごと』105
 空爆と空襲
◆2003/03/22 『週刊/ALS患者のひとりごと』106
 憲法前文、9条、99条、国連憲章
◆2003/03/27 『週刊/ALS患者のひとりごと』107
 予防的自衛権行使による先制攻撃
◆2003/04/03 『週刊/ALS患者のひとりごと』108
 むかし革新都政があった
◆2003/04/15 『週刊/ALS患者のひとりごと』109
 大本営発表インアメリカ
◆2003/04/16 『週刊/ALS患者のひとりごと』110
 4/22厚労省で会いましょう
◆2003/04/21 『週刊/ALS患者のひとりごと』111
 婦人参政権
◆2003/05/02 『週刊/ALS患者のひとりごと』112
 桃源郷の家(仮称)のこと
◆2003/05/10 『週刊/ALS患者のひとりごと』112
 「吸引」認める方向/第8回分科会は13日
◆2003/05/19 『週刊/ALS患者のひとりごと』114
 ヘルパーの「吸引」可/総括
◆2003/06/10 『週刊/ALS患者のひとりごと』115
 ごあいさつ/朗報が相次ぎました
◆2003/06/30 『週刊/ALS患者のひとりごと』116
 いま日本の税制に劇的変化が
◆2003/06/30 『週刊/ALS患者のひとりごと』117
 税金の歴史から
◆2003/07/17 『週刊/ALS患者のひとりごと』118
 税金を考える
◆2003/07/22 『週刊/ALS患者のひとりごと』119
 障害者の代筆投票実現
◆2003/07/30 『週刊/ALS患者のひとりごと』120
 新しい出発、協力の「わ」を大きく、強く
◆2003/09/03 『週刊/ALS患者のひとりごと』121
 ALS日誌17 看護学生の合宿
◆2003/09/08 『週刊/ALS患者のひとりごと』122
 ごあいさつ/ガイドヘルパー講習会で
◆2003/09/18 『週刊/ALS患者のひとりごと』123
 全国交流会/新潟
◆2003/09/27 『週刊/ALS患者のひとりごと』124
 ヒトゲノム解析に積極参加を!
◆2003/10/15 『週刊/ALS患者のひとりごと』125
 今を生きるALS患者の役割
◆2003/11/07 『週刊/ALS患者のひとりごと』126
 軽すぎないか
◆2003/11/30 『週刊/ALS患者のひとりごと』127
 落成おめでとうございます/源泉徴収と年末調整
◆2003/12/09 『週刊/ALS患者のひとりごと』128
 イラクとアメリカと日本と


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第97号                     2003年1月11日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

   謹賀新年/2003年年賀状

 昨年夏お願いした「吸引問題」への署名5079人分全体で17万8千人分の署
名を直接坂口厚生労働大臣に全国の仲間とともに提出、報道のように大きく前進し
ました。深く深く感謝です。この署名運動の中で、昨年の9/11以来の報復と憎
しみの連鎖とは反対のたくさんの感動の連鎖、人の痛みに対する共感の連鎖に出会
い幸せでした。今年ALS国際会議/ミラノ参加をめざします
 
 体調ですが春頃から指の調子が悪く個別のお礼も出来ずにいましたが、スイッチ
に工夫を加えてパソコンの操作が楽になりました。少しづつお礼と報告をと思って
います。
 
 アメリカのイラク攻撃が当然視され、その世界一の金持ちの国が、核兵器や大量
破壊兵器を独占して、貧しい国を脅かしている。これをあたりまえにおかしいとい
える年に。

CとK/CoreaとKorea
 ワールドカップの時の韓国サポーターの応援タオルにはKoreaではなCoreaであっ
たことに気付きました。その後偶然テレビでみたどこかの中華街の横断幕がCoreaと
なっていてびっくりしました。日本が統治時代前後にアルファベット順で Japanの
前に来るCはけしからんとのことでKになったらしいのですが、正確なところはわ
かりません。メールでこう疑問を投げかけたところ次のような回答が学生時代の友
人からありました。
 
 /一、Coreaは(李朝かその前の)高麗時代の表記で、使い始めたのは韓国サッカ
ーの応援団RedDevilであること。二、KoreaよりCoreaとするのは、Japanの前のKだ
からというより、韓半島がひとつの国だった頃を思い出して民族としての誇り・パ
ワーを表す表記にしたからであること。三、もっとも、ワールドカップで流行った
のには、CとJとKの順序も起因しているらしいこと/以上ワールドカップの頃に韓国
からの留学生から聞いた話しとして教えてくれました。
 
 あとがき 改めて疑問がある。・例えイラクが「ならずもの国家」であるとして
も、それを武力で討伐する権利がなぜアメリカにあるのか。誰がアメリカを世界の
憲兵、警察官に任命したのか。・核兵器をもつという北朝鮮でなく、なぜもってい
ないというイラクを攻撃するのか(そこに石油がないから、利益がないからなのか
)。・戦争の前にやることはないのか。世界各地で起きる大規模森林火災、水害、
最近多発する重油流出の処理、飢餓や病気、障害の克服、少なくともこれらのこと
は世界中のカネと科学を総動員すれば、なんとでもなるのではないのか。世界の軍
事費は約120兆円(この内日本は約5兆円)、人を殺すためだけに使われている
。/昨年10月からパソコンのスイッチを工夫して、発症以来初めて痛みや苦痛な
く文字が書ける喜びを感じている。例え「新年」と書くのに21回スイッチを押す
としても。今年1月「今日はお世話になります」100号、4月「吸引問題」一定
の解決、4月山梨北島邸完成、5月誕生会、7月東北旅行、11月ALS国際会議
等の予定。勇躍前進の年にしたい(が、介護体制次第というのがつらいところ)。

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第98号                     2003年1月27日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

   緊急事態/障害者の命が危ない 

 4月から新しく始まる支援費制度を目前にして、厚労省が突然、地域での生活を
支えるホームヘルプサービスに実質的な「上限」を設ける方針を打ち出してきた。
厚労省は実績にあわせて出してきた補助金の配分を変える考えだ。 来年度からは
全身に障害のある人で月120時間程度、重い知的障害の人は50時間など、平均
利用時間から割り出した障害別の基準にもとづいて人数分の補助金を支給すること
にしたいというのだ。

 これまで厚労省は一貫して「サービス利用に上限は設けない」と障害者に説明し
てきた。県や市町村に対しても「上限を設けないように」と指導してきた。国は1
0年ほど前から費用の2分の1の補助金を出して、その育成をはかってきた。 政府
は昨年末、4月から10年間の障害者施策の方向を示す「新障害者基本計画」と、
前期5年間の重点事項を定めた「新障害者プラン」を発表した。その中で、入所施
設整備に偏っていた施策を転換し、地域での生活支援を重視する方針を打ち出した
。支援費制度は、地域で暮らしたいと望む障害者を助ける大きな力になると期待が
集まっていた。なかでもホームヘルプサービスは、地域生活を支える柱であった。
なのにである。

 例えば東京府中市に住む私の場合、毎日8時間(月240時間)この制度のお世
話になっている。もし4時間になればたちまち生活は困難となる。東京都では全身
に障害のある1071人(2001年度)が、月に一人平均160時間の訪問介護
を受けており、費用の総額は約48億円。国で検討中の配分基準を当てはめれば、
一人あたり月に平均40時間分、合計で約7億円が不足することになる。都福祉局
では「市区町村も財政難で、独自の支出は難しい」「一律の基準は、制度の根幹を
揺るがす」と反対している。

 厚労省は来年度予算でホームヘルプの補助金額278億円を自治体に配分する。
その額高速道5キロ弱、東京の地下鉄1キロ足らずの建設費、よく落ちる自衛隊の
戦闘機2機分に過ぎない。

 「全身性」のおいたちをみる。施設ではなくて地域で暮らしたい、家から独立し
て地域で生活していこうという運動が1970年代の初頭に始まる。そして197
2年、73年と東京都にかけあってできたのが「脳性麻痺者等全身性障害者介護人
派遣事業」であった。都の単独事業として始まり、地域で家族の力に頼らず1人で
生きていく人が介護人を使う、その人に対して自治体が金を払うという制度であっ
た。74年から98年まで24年間、毎年毎年、要求の拡大運動をしてきた結果、
東京都では一応の水準の生活が家族に重い負担をかけないでやっていけるようにな
った。

 あとがき この改悪、障害者の自立を不可能にし、ALS患者の介護体勢にも重大な
後退をもたらすものであり、何としても阻止しなければならない。それにしても改
めて革新都政(1967〜79)の偉大さ、ありがたさを思う。人の幸不幸、命ま
でもが悪政にもてあそばれている。

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 お元気ですか。99号と/吸引問題/のお知らせです。

「ALS患者等への吸引に関する緊急調査」
社会法人日本看護協会広報部が
在宅ケアを取りまく解決すべき諸問題を整理し、
訪問看護の体制整備に向け
「ALS患者等への吸引に関する緊急調査」を実施する。

関係者からは、ホームヘルパーによる医療行為をよろしく
認める旨の要望が出されている。

メールを受けております。
実施期間 2003年2月3日(月)〜7日(金)
      10時 〜 16時
フリーダイアル 0120−557291

メール先
kyuuin110@nurse.or.jp

上記のアドレスに情報を、

第99号                   2003年2月6日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX  042-302-9443
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

   新年おめでとうございます/わの会新年会での挨拶

 昨年の新年会で「今年の目標ーがんばればできることへの挑戦」を、参加者全員
で語り合いました。みなさんの昨年の目標と一年間の様々な努力とその結果は、ど
うだったでしょうか。「体に障害はあっても心に障害はない」、昨年事故で亡くな
った集いの家の諸星さんのこの場所での発言です。その志(こころざし)をうけつ
ぎ明るく元気に新しい年にむかいましょう。
 
 桃源郷への桃の花見、バザー、すもも狩り、秋の河口湖への紅葉狩り、浅草めぐ
り、八千穂村一泊旅行、絵手紙教室、いろいろな料理教室、各種食事会、コーラス
、カラオケ教室、ピアカウンセリング、そして移送などたくさんの活動に昨年みん
なで楽しくとりくんできました。そしてわの会会員も大勢増やしました。行事に参
加した感想とこれからこんなことがやりたい、と希望をだして下さい。みなさんの
ご協力、とりわけたくさんのボランティアのみなさんの骨身を惜しまぬご協力に心
より感謝申し上げます。

 昨年/お互いの病気や障害を知り合う/学習会を2回(ALSと視覚障害)開き
、あわせて100人が参加しました。ALS患者の涙の訴え、視覚障害者の「視野
は狭くなったが心の視野は広くなった」の発言が、会場を感動でつつみました。お
互いの病気や障害を知り合うことで、生き方が前向きに変わるような感じがします
。次は失語症をみんなで勉強します。

 新しい年わの会は、これまでの自立支援の活動をさらに積極的にすすめるととも
に、 NPO法人資格をとり、新しいかたちのデイサービスとヘルパー派遣という2つ
の新しい事業にとりくむ計画です。いま運営委員会で熱心な話し合いをすすめてい
るところです。みなさんの積極的なご協力をお願いするとともにみなさんのご健勝
を祈念してごあいさつとします。

  わの会で発見すること学ぶこと/・出番に前向きにとりくむことの意味
1、その人の生き方を前向きにかえていく。視覚障害の金子さんの大正琴、森尾、
湯浅さんの合唱とやりとげた後の笑顔の意味を考えたい。2、障害の克服や機能回
復にも役立つ。小学生の頃、胸をどきどきさせながら「はいっ、先生」と手を上げ
て何かを発表しようとした時のことを思い出してみよう。心臓は激しく脈打ち、脳
は日頃の何倍も働いていたはず。3、その上で大切なことは、それらの行動のひと
つひとつを評価すること。その行動がどんな役をはたしたか、どんなに役にたった
かを、その本人にもわかるように、みんなで確認して、またつぎのとりくみにむか
うこと。

 あとがき 1月13日のわの会新年会でのこと、67人の参加者の過半数がボラ
ンティア。障害をもち懸命に生きる命へたくさんの激励援助があった。今全米で7
人の宇宙飛行士の死への悲しみが深く広がっている。そのアメリカがおこそうとす
る戦争で生まれる人の死の悲しみの深さに違いがあるはずがない。前者は不慮の事
故、後者は人により作られる。無数の死や障害をともなって。

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第100号                    2003年2月18日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

   新しい世界/新参者のひとりごと

 「病気になり、障害者になって、改めて気づくことがある。それは人間のやさし
さの発見です」「なかでも同病者や障害者の集まりの中での助け合いの場面には、
深い感動をおぼえる」と書いたことがある。これまでほんの少しのボランティアの
経験しかもたない我が身にとりそれは新鮮な驚きであった。/助け合いができる社
会が崩壊したと言われて久しい。そんな「血の通った」社会を再び構築しうる救世
主となるのが、もしかすると障害者なのかもしれない/乙武洋匡青年(「五体不満
足」)の言葉を実感させる場面を何回も見てきた。

 「ALSの患者、家族は会った瞬間から家族同様のつきあいとなる」何年か前に
松本日本ALS協会会長から言われたことがあり、何故かを考えてみた。第一に、
苦しみや困難が程度の差はあれ基本的には同じであること。第二に、従って願いや
要求も基本的には同じであること。第三に、全国で6000人という極めて少数で
あることが連帯を強くしていること。第四に、ALSの特性としてその頭脳や知性
は健在であるから、患者本人同士の交流が可能であること。第五に、経済的および
政治的関係にないこと。お互いの関係にマイナスの要素がまったくないこと。では
ないかと。

 ALSはその進行性のゆえに、機能の喪失の日々の確認の作業をともなう。そし
て主要な機能の喪失は、病む体と心をくじけさせるに十分だ。けれどもみんな、療
養のこと、制度のこと、そして生き方のこと、とくに世界で悪戦苦闘のなかで、し
かし確実に前進している治療薬の研究などの情報などを交換しつつ、介護体制に支
えられながらも懸命に生きている。人手さえあれば、人間らしく生きられる。そし
ていつまでも知的活動、知的生産を可能とするALSの特性を活かして、新たな可能性
を切り開こうとしている。政治はここから目線を低くして多くのことを学んでほし
いと思う。政治とは税金の集めかたと使いかたであり、支出のなかみは、自分の力
だけではできないことへの支出そして弱者に光をあてることなのだから。
 
 忘れられない一文がある。「無力な、個々の市民はいうだろう。自分の力で天災
に備えた都市をつくることはとてもできない。そこで国や自治体が個人に代わって
危機管理と社会資本の整備に周到な配慮をし、市民は安心して生活設計を描く。そ
れが双方の、本来の関係ではないか、と。従って政府が個人の自助努力や責任をい
うとき、自らの責務を果たしてきたか否かについて、まず厳しく自問しなければな
らない」阪神淡路大震災の年の朝日新聞の社説(2/17)である。私たちもいおう
。ALSは原因不明で今なお治療法がない。そして一定の割合で等しくすべての人
に罹病の可能性が、これまでもあったし、これからもある。これらをふせぐことも
患者を守ることも国の責任ではないのか、と。

 あとがき たくさんのことがあった。吸引問題は前進を予感させる気配、支援費
問題も当面の攻撃をはねかえした。当事者が先頭のたたかいとその広がり、たくさ
んの支援が世論を動かせた結果であり、感慨深い。2人の患者のお見舞いに行った
。この病気、患者同士が会うことがなによりの元気のもとになる。2/15わの会
で/病気を知り合う学習会(失語症ライブ)/。笑顔があった。歌声があった。な
により全員に出番があった。全員が楽しく参加していた。3回めとなる。

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第101号                    2003年2月26日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

選挙権のこととお願い

 ALSの患者が原告となり「自筆でなければ郵便投票の有効性を認めないのは、
法のもとの平等をうたった憲法に違反する」と国を相手に、賠償と国会が立法を怠
ったことの違憲確認を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。「外出できない原告
らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは憲法違反と言わざるを得ない」
。郵便投票制度に対する初の司法判断となった。
 
 公職選挙法施行令は、不正投票を防ぐために郵便投票では自筆以外の投票は無効
と定め、代理投票は投票所か病院などの施設以外では認められていない。判決は、
原告らが投票所に行くことについて、外出すれば命の危険を伴うので、社会通念上
不可能だと指摘し、困難だが不可能ではないとの国側の主張を退けた。

 ALS発症8年、呼吸器をつけて4年めの私の場合、発症以前も発症以降も、幸
いにも一度も棄権していない。呼吸器をつけてからのやり方は、選挙管理委員会の
方が候補者名を次々に指で示して下さり、それに目で合図して代筆してもらい確認
して投票するというもの。けれどもそれはたまたま天候にめぐまれたからであり、
大雨ならまずダメ、棄権せざるをえない。呼吸器をつけての移動はとても不可能だ
から。投票の意志がありながらベットから離れられない人も少なくない。

 生活上のハンディキャップをもった人間が社会の中でどのように処遇されている
かが、その社会の成熟の度合いを示すといわれる。どんなに少数であれその人たち
が選挙権という憲法に保障され、今回の判決でも明らかにされた権利から排除され
るとしたら、それは明らかな差別であり人権侵害にほかならない。
 
 ALSはその進行性のゆえに、機能の喪失の日々の確認の作業をともなう。そし
て本人はもちろんほかの誰にも病気の進行の速度と内容はわからない。それだけに
不安は言葉にしきれない。だからこそ難病克服、障害者の住み良い街づくりの願い
をこめた私の投票を続けたい。いっせい地方選挙にも間に合わせたい。それぞれの
役所に「投票所に行けない重度の障害者への対策がどうなっているか」と聞いてほ
しい。巡回投票と郵便投票における代筆、電子投票を求めてほしい。
 
  わの会で発見すること学ぶこと/・人は人に教える時輝きを増す。進歩する。
 1、教えようとする内容が自己チェックされる。自己の到達点が確認される。つ
まり総括が行われる。2、従ってそこから教訓も明らかになり、改善すべき点も明
らかになる。3、中途障害者や職場を離れて久しい高齢者にとってそれは、かつて
の「栄光を思い出すとともに、その一部をとりもどす」ことになる。

 あとがき この間3人の患者を見舞った。現状は予想以上に深刻だ。第一に、制
度フル活用による介護体制の充実、第二に、患者本人の意思表示、第三に、患者が
何らかの目的、目標をもつこと、そして社会との接点を増やす必要性を痛感。だが
やるべきことあまりに多い。

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第102号                    2003年2月28日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

  署名運動まとめ二/吸引問題その後

 昨年末厚生労働省は、患者のたんの吸引行為が医師や家族以外には禁じられてい
る現状を見直すため、省内に検討会を発足させる方針を決めた。介護現場の実態な
どを踏まえ、吸引行為者をホームヘルパーにも拡大するかどうか結論を出すという
。昨年11月坂口力厚労相に対し、家族の介護の負担を減らすことに賛同し制度の
見直しを求める約十七万八千人分の署名を提出。坂口厚労相は「吸引問題に決着を
つけるときがきた。検討会で、解決策を話し合いたい」などと答えた。

 そもそも問題の根源は、医師法一七条に「医師でない者の医療行為の禁止」とあ
るだけで、肝心の医療行為の内容に触れていないことにある。厚労省はこれまで家
族の吸引は容認する一方で、ヘルパーに対しては医師法で規定された医師の医療行
為に当たるとして認めていなかった。このため家族は「目が離せない」「肉体的・
精神的負担に耐えられない」という状態が続いてきた。そこで法をクリアするため
生きるため私的に看護婦さんを依頼すると時給2500円前後、毎月180万円か
かるという。この問題、角度を変えてみると自薦(つまり全額自己負担)ヘルパー
なら自由に行うことができることになる。医師法上は、家族やボランティアなど「
介護を業としていない者」が行うのも自由だからだ。けれども結局カネ次第と言う
ことになる。

 これまで厚労省は「現場のとまどいは承知しているが、良識の範囲で現場の判断
にゆだねることが最も実情に即していると思う」としてきた。つまり意識的に医療
行為の具体的内容をグレーゾーンとしてきた。なぜか。もし内容を明確にして厳格
に運営すれば、第一に、ほとんどの在宅療養は不可能となること、第二に、とはい
え在宅療養が不可能な患者を収容できる病院などの施設は決定的に不足しているこ
と、第三に、さらに厳格な運営にたえうる訪問看護をはじめとする訪問医療体制な
ども問題にならないこと、などから憲法25条にいう「健康で文化的な最低限度の
生活を営む権利」はおろか命そのものさえ守れないからである。

 これに対し、「現状ではヘルパーの良心で法的に禁じられている医療行為を緊急
避難的に行っており、責任の所在はあいまいだ。ヘルパーの教育プログラムを充実
させたうえで、簡単な医療行為は認められるべきだ」と私たちは主張してきた。A
LS患者は現在、約六千人。このうち家族の介護の負担などを理由に、ここ数年間
で計約二千人の患者が自発的に呼吸器の装着を選択せず、命を失った患者も少なく
ない。記者会見の場で、兵庫県の患者熊谷寿美さんがこういってくれた。「ヘルパ
ーが介護に来ても、家族は休息できず、家族が倒れると私の生きる道も断たれてし
まう。ヘルパーによる吸引を認めてほしい」と。
 あとがき 吸引問題検討「厚生労働省分科会」はこれまで3回の分科会が開催さ
れたが、看護職サイドの「吸引は危険が高く、看護職の仕事で訪問看護の充実が先
決」との意見が強く「研修を受けたヘルパーによる吸引」でのまとめが難しい状況
らしい。次回3月10日の4回分科会への傍聴が強く求められている。なお17:
00〜19時 厚生労働省9階、会議室。

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第103号                    2003年3月8日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

  署名運動まとめ三/吸引問題重大局面

 そもそも問題の根源は、医師法一七条に「医師でない者の医療行為の禁止」とあ
るだけで、肝心の医療行為の内容に触れていないことにある。これまで厚労省は意
識的に医療行為の具体的内容をグレーゾーンとしてきた。そのため現場に無用の混
乱を呼んでいる。そしてその被害は、より弱いものにつまり患者家族に重くのしか
かる。本来必要のない対立をつくりだしながら。
 
 問題の「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」、その名称も
内容も問題があるがいまはふれない。そして私たちの要求「医師、看護師等による
研修指導を受けた家族が安心して任せられるヘルパー等の介護人」による実施に反
対の意見は「・吸引は難易度が高く危険。・まず訪問看護の拡充が必要」に集約さ
れるようにみえる。
 
 ・をみる。「難易度が高く危険」であることの証明が必要である。「疲れはてた
家族が寝ぼけ眼なこでする吸引」「我が家では息子が小学2年からやっている吸引
」、日程ALS協会の調べでも4割近い患者がヘルパーさんに「吸引」をお願いし
ている。けれども事故はまったくないということをどう理解するのか。・をみる。
「まず訪問看護の拡充が必要」は大賛成である。けれども問題は、それまでの間ど
うするかである。介護に休みはないのだから。
 
 在宅や施設、病院で看護職が足らず、介護職員や無資格者が吸引をしなければ、
患者が生きていけず、家族が共倒れになる状況や入所もできない現実を全委員に訴
えたい。改めて現実をとらえなおし、建前や立場をのりこえて、患者、家族をはじ
めすべての介護、、看護にあたる人たちに希望のもてる結論へがんばりたい。当面
10日の委員会をしっかり傍聴してきたい。
 
 埼玉県議会での吸引に関する議案が7日午後可決された。「国においては、家族
の負担を軽減し、ALS患者の自宅での療養の継続と質的向上を図るため、神経難病患
者等に対するヘルパー等介護者による喀痰吸引を可能とする法制度の整備を強く求
める」という主旨で。

 逮捕された坂井隆憲の親戚に相沢英之という男がいる
  坂井議員について調べようと思ったがホームページはすでに消されていた。ニ
ュースで相沢議員(女優の司葉子の夫として有名)と親戚であることを知り相沢議
員の脱税事件を思い出した。58〜60年の間に株の売買でもうけた二億円を申告せず
。税務調査の結果、一億四千万円を修正申告した事件。「確かに修正申告した。…
…税のことはよくわからなかった……」本人の感想。この時点の経歴/東大法学部
卒業、大蔵省入省、主税局長、経済企画庁官房長官、大蔵事務次官というものであ
った。坂井議員も大蔵省入省、税務署長経験など大蔵キャリアとしての経歴極めて
似ている。そして税を知り尽くした男たちの脱税あとを絶たない。
 あとがき 5日吸引問題緊急集会、6日選挙権問題で民主党のヒアリング、8日
希望の会例会、9日東京支部役員会、10日吸引問題検討「厚生労働省分科会」傍
聴……。気分は病人卒業だが。

 cf.医療行為?(「吸引問題」…)

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第104号                    2003年3月14日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

  署名運動まとめ四/命輝け

 「すべて人というものは、第一に生きられるだけ生きねばならぬものなり。第二
に、出来らるるだけ健康にならねばならぬものなり。第三に研かれるだけ知恵を研
かねばならぬものなり。身体、精神すべて発達することの出来るだけはなるべくこ
れを発達させねばならぬものなり」幕末の思想家植木枝盛はこういっている。AL
Sを告知された直後の私の精神的支えとなった言葉である。およそ患者は、生かさ
れのではなく生きねばならない、よりよく生きなければならないのだと思う。だか
らすべての患者の命輝けと私は書く。

 しかし現実は。例えば呼吸器装着患者がいる。1日最大2時間の訪問看護時を除
いて患者のもとを離れられない疲れはて、のたうちまわる家族がいる。のどにつま
る痰をとる行為つまり吸引行為は平均30分間隔であり、痰をとらなければ死ぬほ
かない。はずれないようにしっかり呼吸器をひもでしばって大急ぎで買いものをす
ませる家族がいる。疲れはて朦朧(もうろう)として患者の呼吸器をはずしかけた
家族がいる。患者の必死のコールに起きられない家族がいる。腱鞘(けんしょう)
炎や腰痛を悪化させ病人が病人を介護している家族がいる。疲れはてた家族の介護
に頼らざるを得ないこうした事態はもはや悲劇だ。

 「人手さえあれば人間らしく生きられる」特にALSの特徴とされているが、逆
に人手がないことによる悲劇は枚挙(まいきょ)にいとまがない。これらをつくり
だしている最大の要因が「吸引問題」にあることに驚きと怒りを禁じ得ない。訪問
看護体制の充実をという意見はもっともだ。だが充実するまでの間(あいだ)をど
うせよというのか。訪問看護師の数は全国で3万人、これに対してヘルパーは17
万8千人。この巨大な力に頼るほかないことは自明のはずなのにと思う。

 日本ALS協会の調べでも4割近い患者がヘルパーさんに「吸引」をお願いして
いるという現実をふまえて整理してみる。現在、病院での長期療養は不可能であり
在宅療養は必然である。だからそこから発生する必要事は本来国の責任で満たすべ
きものである。つまり需要にみあう訪問医療の実現は国の責任なのである。ヘルパ
ーのやむをえざる医療行為はだから行政の不備をやむをえず補う行為なのである。
ヘルパーステーションよ自信を、ヘルパーさん胸をはって、と言いたい。

 法の矛盾、ゆがんだ解釈、体制の不備などが家族の生活を破壊し人権までもを脅
(おびや)かしている。その疲れはてた家族に介護される患者。たくさんの美談は
あるがそのことで見逃すことのできないことがある。もはやここには患者の人権も
人間としての尊厳もない、あるはずもない。ところで憲法九十八条は「この憲法は
国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、…………は、その効力を有
しない」としている。そして憲法は、第十一条【基本的人権の享有と性質】 、第十
三条【個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重】 、第二十五条【生存権、
国の生存権保障義務】 、第九十七条【基本的人権の本質】と幾重にも人権をを強調
している。もう一度患者の目と心で考えてほしいと思う。すべての患者の命輝けと
再び私は書く。

 あとがき 異常日程に少し疲れたが得るものもたくさんあった。吸引問題緊急集
会にはALS以外の多くの団体の参加で運動の広がりを感じた。選挙権問題では自
筆ではない代理投票に可能性を感じた。吸引問題検討「厚生労働省分科会」の傍聴
では遅々とした歩みにいらだちを感じた。

 cf.医療行為?(「吸引問題」…)

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第105号                    2003年3月16日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  空爆と空襲

 NEWS23を見てみて考えさせられた。いま世界中で当然のように使われる「
空爆」という言葉。空から爆弾を落として人々を傷つけたり殺すことの意味である
が。ではアフガニスタンやイラクの人々はどうよんでいるだろうか。
 
 作家の小田実さんは、自分も体験したいまから58年前の大阪大空襲をアメリカ
兵が空から撮影した一枚の写真を見て「この下にいる人間にとっては地獄ですが、
アメリカは上から見ていた。これがアメリカ人にとっての戦争」と告発した。同じ
年の東京大空襲では100万人が被災し10万人が殺されている。一昨年のアフガ
ニスタンでは約4000人の主に民間人が「空襲」され殺されている。なおこの「
戦争」でのアメリカ兵の戦死はわずか1名であった(他はすべて事故死)。

 2つのことを強調したい。第一に「空爆」とは殺す側の言葉つまりアメリカ側の
言葉であること。それは本質を見誤らせること。殺される側からみればそれは「空
襲(空から襲われ傷つけられ殺される)」であること。「空爆」の視点から真実は
見えないこと。第二に殺す側に犠牲はほとんどないこと。つまりそれは「戦争」な
どではなくテレビゲームさながらの殺戮ゲームであること。

 アメリカの空爆の歴史をみてみよう。中国 1945-46 韓国 1950-53 中国
1950-53 グアテマラ 1954 インドネシア1958キューバ 1959-60 グアテマラ 1960 コ
ンゴ 1964 ペルー 1965 ラオス 1964-73ベトナム 1961-73 カンボジア 1969-70 グ
アテマラ 1967-69 グラナダ 1983 リビア1986エルサルバドル 1980年代 ニカラグア
1980年代 パナマ 1989 イラク 1991-99ボスニア 1995 スーダン 1998 アフガニス
タン 1998 ユーゴスラビア 1999そしてアフガニスタン。アメリカが過去行ってきた
空爆(戦後のみ)の歴史である。民間人死者数合計約450万人と記録されている
。さらに経済制裁、政権転覆、諜報機関による破壊工作、要人暗殺などでの死者約
200万人とある。

 そのアメリカ、建国220年の間に今回のような海外出兵を200回以上もやっ
ている。 アメリカは核兵器のために1946年から50年間の間に 5兆8千億ド
ル(約710兆円)もの巨費を投入してきた。今世界の年間の軍事費は約1兆ドル
(120兆円/日本は5兆円)、アメリカのイラク攻撃には10兆円そのうち2兆
円を日本にとの試算もあるという。
 
 世界の平和解決をもとめる声を、「間違ったメッセージ」(小泉首相)、「利敵
行為」(公明党・冬柴幹事長)、「イラクを利する」(川口外相)などと敵視しど
こまでもアメリカに従う日本、とりかえしのつかない歴史的誤りの道に足を踏み込
もうとしている。

 あとがき 歴史上のあらゆる災害(戦争をふくむ)はまず弱者を襲ってきた。平
和でなければ生きていけない私たち。戦争反対の声を広げたいと思う。戦争をして
よいことはなにもないのだから

 cf.◇米国/イラク/…

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第106号                    2003年3月22日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  憲法前文、9条、99条、国連憲章

 憲法前文
  1  日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、……
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。 ……
  2  …… われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠
に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。 わ
れらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平 和のうちに生存する
権利を有することを確認する。
  4  日本国民は、……全力をあげてこの崇高な理想と目 的を達成することを
誓ふ。
  憲法第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
  1  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発
動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を 解決する手段として
は、永久にこれを放棄する。
  2  ……、陸海空軍その他の戦力は、これを保持し ない。国の交戦権は、こ
れを認めない。
  憲法第九十九条【憲法尊重擁護の義務】
 ……国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する
義務を負ふ。
 国連憲章前文
  われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人
類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と
男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらため て確認し、……善良な隣人とし
て互に平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、
共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によっ
て確 保し、 すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用
いることを決意して、……われらの努力を結集することに決定した。
   国連憲章第1条〔目的〕国際連合の目的
   1 国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防
止及び除去と   侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置
をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は
解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。
  国連憲章第33条〔平和的解決の義務〕
   1 いかなる紛争でもその継続が国際の平和及び安全の維持を危くする虞のあ
るものについては、その当事者は、まず第一に、交渉、審査、仲介、調停、仲裁裁
判、司法的解決、地域的機関又は地域的取極の利用その他の当事者が選ぶ平和的手
段による解決を求めなければならない。
   国連憲章第103条〔憲章義務の優先〕
   国際連合加盟国のこの憲章に基く義務と他のいずれかの国際協定に基く義務と
が抵触するときは、この憲章に基く義務が優先する。
 あとがき 「何もたさない何も引かない」という宣伝文句があった。どう読めば
ブッシュの小泉の行動が正当化されるのか。そのまま読めばよいのだ。今もイラク
で罪なき人々が殺されている。

 cf.◇米国/イラク/…

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第107号                    2003年3月27日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
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  予防的自衛権行使による先制攻撃

 国連憲章は、武力行使を容認することができるのは安保理のみまたは主権国家の
個別自衛権の発動においてのみとしている。これらすべてを無視した米英によるイ
ラク攻撃は侵略戦争であり、世界史的犯罪である。このことを前提としないジャー
ナリズムはその資格をもたない。そしてアメリカを無条件に支持する小泉内閣は、
国是としてきた国連中心主義、平和主義を公然と踏みにじり醜いまでに「対米隷属
」続けている。デモのプラカードに「ブッシュの飼い犬小泉」とあった。
 
 アメリカのイラクに対する予防的自衛権行使(ヒトラーすら主張していない)に
よる先制攻撃を認めたことで、日本はアメリカが北朝鮮に対して予防的自衛権行使
による先制攻撃を主張してもそれを阻止できなくなる。さらに現実的可能性はとも
かく北朝鮮による日本及び在日米軍に対する予防的 自衛権行使による先制攻撃に正
当性を与える事になる。この単純な道理、誰でもわかる。
 
 「アフガンでも多くの市民が犠牲になった。市民を巻き込まな い空爆などあり得
ない」国境なき医師団中村医師は言う。 「ブッシュは緒戦は成功だと言ったが、彼
に頭上で爆音を聞く市民の恐怖が分かるのか」バグダッド にとどまっている米国人
を中心にした市民グループ「イラク平和チーム」のキャシー・ケリーさんの怒りで
ある。戦争の即時停止へ何ができるだろうか。

  武器とはなにか

 武器とは、農機具や大工道具などと同じ道具の一種である。しかし武器は、第一
に、ものを生産しない、第二に、人を殺すことだけを目的とする、という特徴をも
っている。武器は、かつての原始社会のなかでは、他の動物や他の種族から、身を
守るための道具であった。しかし貴族階級、武士階級、資本家階級など階級社会が
現れると、事態は一変する。
 武器は、自分たちの階級を守るために、自分たちの存在をおびやかす「人々を殺
す」以外の存在理由をもたなくなる。そして「殺そう」とすることに対して「殺さ
れまい」とする無限の対応、つまりより強い武器をつくることが必然的につづけら
れる。さらに、その「殺す」ことだけを使命とする集団(軍隊)がつくられ、自ら
の支配の強化のためいっそう強化される。

 そしてさらに重要なことは、ものをつくる道具が商品となるように、「人を殺す
」道具(武器)もまた商品となり、つぎには、その商品(武器)を多量に生産し、
売り込むために人を殺すこと(戦争)が計画されることにさえなる。つまり死の商
人(武器製造会社や商社)が暗躍し、武器を売り込むことを目的に、戦争がしかけ
られることにもなっていく。湾岸戦争、アフガン「戦争」を武器弾薬の在庫一掃戦
争と呼んだが本質をついている。この点イラク戦争でも変わらない。

 「すべての銃、すべての軍艦、すべてのロケットは結局のところ、食べ物もなく
飢えている人や、着る物もなく寒さにふるえている人びとからの強奪品である」ア
イゼンハワー元アメリカ連合軍最高司令官(のちの大統領)はこう言っている。
 あとがき 「山がある。川がある。人もいる。アメリカに勝ったらつくりかえよ
う、いまの十倍も美しく」ベトナムの英雄ホー・チ・ミンの言葉を思い出している
。侵略者に未來はないのだ。

 cf.◇米国/イラク/…

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第108号                    2003年4月3日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
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  むかし革新都政があった

 1967年4月革新都政が生まれた。直ちに「憲法をくらしの中に」のタレ幕を
都庁にかかげた。革新都政は、住民とともに・対話集会206回、3万3千人とお
こなった。革新都政は、「火薬のにおいのしない東京」をスローガンに、横田基地
の都有地の返還訴訟をはじめ、新島の米軍射撃場阻止、北区王子野戦病院の閉鎖と
返還(1968年4月4日私の人生始めてのデモ参加)などにとりくんだ。革新都
政は、軍事基地撤去の都民運動の先頭にたち、1205haもの土地(千代田区を
うわまわる)を返還させた。革新都政は、「東京を公害防止の先駆都市にする」と
宣言、公害防止条例を制定した。革新都政は、財政危機克服へ、新財源構想研究会
をつくり、独自の権限で大企業へ課税、74年に法人事業税、75年に法人都民税の不
均一超過課税を実施、79年までに3592億円の新たな税収を得た。地方自治体と
してはじめて、国の地方偏重の財源制度と不公平税制の実態を明らかにし、大企業
への超過課税をおこなうべきだという財政問題での展望を示した。

 革新都政は、無認可保育所への助成を厚生省の反対をおしきって実現した。厚生
省の主張は「慈善事業への公金支出は憲法違反」「劣悪な保育施設の公認につなが
る」というものであった。革新都政は、「本来、公的におこなうべき保育を民間が
委託していることへの委託料である」と都議会で可決した。革新都政は、老人医療
無料化(69年12月)を実現した。厚生省は「国民健康保険法違反だ」と実施を妨害
した。しかし他府県への広がりの中で、国も70歳以上の無料化実施せざるをえなか
った。その時、都は65歳以上に対象を拡大した。15の春を泣かせない、と革新都
政は、高校全入運動にこたえ、都立高校12年間に50校ふやした。それ以前の12年間
の2倍であった。革新都政は、中小企業にやさしい都政であった。無担保無保証人
融資の限度額を40万円から350万円に引上げなど中小企業むけの施策を実行し
た。

 1973年革新都政は、「全身性障害者介護人派遣事業」をつくった。施設では
なくて地域で暮らしたい、家から独立して地域で生活していきたいという重度障害
者の願いにこたえた。まず「脳性麻痺者等全身性障害者介護人派遣事業」として都
の単独事業として開始、地域で家族の力に頼らず1人で生きていく人が介護人を使
う、その人に対して自治体が金を払うという制度であった。 
 海(かい)くん、あなたは輝いていた
 「海くん、あなたは人の心に優しさの輪を広げています」「握手したら天子のよ
うなあたたかさ、やわらかさに感激(視覚障害者)」20人の障害者やボランティ
アで開いた歓迎会での言葉の一部である。お母さんが勤める病院の院内保育所で、
水の入った洗濯機に頭から転落し、低酸素脳症による植物状態となりながら、のり
こえ生きる海くん。気管切開して6年、たくさんの愛につつまれて13歳、その海くん
が遠く広島から来訪。/石原都知事の、重い知的障害と重度の身体障害をあわせ持
つ子供や大人たちに対する「ああいう人たちに人格はあるのか」「西洋人はこうし
た患者たちを切り捨てるのじゃないか」の言葉に怒りを感じる。いま海くんがこの
ようにたくさんの愛につつまれて生きていることが石原発言への海くんのメッセー
ジだと思う/お父さんの言葉である。
 
 あとがき 海くんの存在が家族だけでなくみんなの宝物にみえた。3/31〜4
/2長野の八千穂村に家族旅行。とはいへ家族4人と運転手とヘルパーさん2人、相
変わらず外出は大変なこと。久しぶりにに大風呂にゆったり入れてもらった。雪の
中の一面の白樺林、幻想的風景であった。

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第109号                    2003年4月15日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  大本営発表インアメリカ

 サダム・フセインの罪を何万回非難しようともイラク戦争は正当化されない。国
連憲章を無視した米英によるイラク攻撃は侵略戦争であり、世界史的犯罪である。
無意味な殺りく殺しあいの続く中、個人的にはたったひとつ収穫があった。それは
報道に関わる人たちの本質を多少とものぞけたことである。強力な軍隊の保護のも
と安全が保障された報道と砲弾の中命がけの報道のどちらに真実があるかは自明で
あろう。アメリカではさらに報道への制限が加えられ、ブッシュ支持が7割、米軍
が市民への被害を少なくするよう努力しているというのが8割以上という世論調査
もあった。
 
 むかし日本に「大本営発表」というのがあった。イラク戦争でアメリカではその
他の国とはまったく違った戦争の場面が流され続けられたようだ。では元祖「大本
営発表」といわれる太平洋戦争の転機となったミッドウェイ海戦の結果報道をみて
みよう。実際の損失は、/日本側の損失 空母4隻 重巡洋艦1隻 航空機322
機 兵員約3000人 米側の損失 空母1隻 駆逐艦1隻 航空機152機 兵
員約300人/であった。ところが大本営発表は、戦果 空母2隻、航空機約12
0機、重要軍事施設爆破。損失 空母1隻喪失、1隻大破、巡洋艦1隻大破。未帰
還飛行機35機。残存兵を鹿児島県鹿屋基地に軟禁。「口をきくな」「外出禁止」
「手紙禁止」を徹底した。
 
 この時アメリカでは同海戦でゼロ戦に撃墜され生き残った兵士に、戦争のありの
まま、日本軍の強さ、ゼロ戦の優秀さを全国民に語らせ、奮起をよびかけたという
。「どのような形態の政府であっても、これらの目的をそこなうようになる場合に
は、いつでも、それを変更ないし廃止し、そして人民にとって安全と幸福をもっと
もよくもたらすとみとめられる原理にもとづいて新しい政府を設立し、またそのよ
うにみとめられる形態で政府の権力を組織することが、人民の権利であること」ア
メリカ独立宣言にはこう書かれている。この率直さ、気高さはどこへ消えたのであ
ろうか。

 科学の子
 たまたま聞いた「鉄腕アトム」の主題歌に/……心やさしい科学の子/という歌
詞があった。/10万馬力の鉄腕アトム/と歌詞は続く。アメリカがアフガニスタ
ンやイラクでたくさんの人々を殺したトマホークミサイル、あたり一面のあらゆる
ものの命を奪うクラッター爆弾、地下へどこまでも突き進み人々を殺すデイジーカ
ッター、戦車を打ち抜くとえともに原爆と同じように悲惨な後遺症害を幾世代にも
残す劣化ウラン弾……、これらもすべて「科学の子」である。
 
 その科学の子鉄腕アトムからのメッセージ。「……大宇宙の果てしない闇の深さ
にくらべ、この水の惑星の何という美しさでしょう。それはもう、神秘そのものか
もしれません。ひとたび、そんな地球を宇宙から見ることができたら、とてもその
わずかな大切な空気や緑、そして青い海を汚す気にはなれないはずです。(手塚 
治虫)」。想定された誕生日は2003年4月7日、世に登場したのは1951年
であった。21世紀に入っても続く戦争、「そのわずかな大切な空気や緑、そして
青い海を汚」し続ける人類に対して鉄腕アトム、どんなメッセージを伝えてくれる
だろうか。

 あとがき 12日東京支部、13日希望の会、15日吸引問題傍聴。命を守る活
動も忙しい。

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第110号                    2003年4月16日
           週刊/ALS患者のひとりごと


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  4/22厚労省で会いましょう

 4月15日厚生労働省医政局設置「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関す
る分科会」(実はこんなに長く変な名称なのです)第6回分科会が厚生労働省で開
催された。傍聴3回め。いらいらつのる内容。とても「6回め」とは思えない状況
にみえた。委員8人中5人は「ヘルパーの吸引を認めるために必要な条件」の議論
に入ろうとしていた。看護職の2人の委員は看護体制の充実など「正論」を述べつ
つ反対の立場をくずしていない。もうひとりは私には不明。
 
 これまで問題点とされてきた看護職委員の「吸引は難易度が高く危険。訪問看護
師の拡充による解決を」の反論は、日本神経学会からの「適切な指導を受けておれ
ば特例療養者を除き、特別の医学知識・技術がない非医療関係者でも安全にできる
」「在宅療養者の看護に際し、適切な指導をうけたホームヘルパーは、担当する療
養者に限り吸引できる」、そして私たちの在宅での吸引実践での事故がないことも
報告された。「訪問看護師の拡充による解決を」についても訪問看護力や今困って
いる患者家族への対応などの観点から解決ずみにみえた。
 
 そもそもこの委員会の目的は、私達の要望である「ALS等の吸引を必要とする患者
に医師の指導を受けたヘルパー等介護者が日常生活の場で吸引を行うことを認めて
ください」(11月12日、大臣提出要望書)ということであったはず。このままでは
「吸引を必要とする患者に、ヘルパー等介護者が、日常生活の場で、吸引を行う」
ことが最終的なまとめに盛り込まれることは困難もしくはさらに多くの時間がかか
るような感じを受けた。

 /1日最大2時間の訪問看護時を除いて患者のもとを離れられない疲れはて、の
たうちまわる家族がいる。のどにつまる痰をとる行為つまり吸引行為は平均30分
間隔であり、痰をとらなければ死ぬほかない。はずれないようにしっかり呼吸器を
ひもでしばって大急ぎで買いものをすませる家族がいる。疲れはて朦朧(もうろう
)として患者の呼吸器をはずしかけた家族がいる。患者の必死のコールに起きられ
ない家族がいる。腱鞘(けんしょう)炎や腰痛を悪化させ病人が病人を介護してい
る家族がいる(104号)/この現実、絶対に見逃すことはできないのだ。

 ともあれ大詰めをむかえた現在、悔いを残さぬよう全力をつくす必要がある。支
援費の運動の最大の教訓は、当事者先頭の壮大かつ連日の直接行動であったと思う
。いま運動ふうにいえば「全国動員」をかけて……という時期ではないか。呼吸器
をつけた患者が会場をうめつくしきびしく見守ろう。各委員に私たちの実情と思い
を伝えよう。そのための日本ALS協会本部の適切な財政出動も求めたい。「その
日」は4月22日(時間未定)、厚生労働省で会いましょう。

 あとがき もし今度の機会に「吸引問題」についての要求が実現しなければ、こ
の要求の実現は確実に10年は遅れると認識している。だからこそ悔いなくがんば
りぬきたいと思う。

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第111号                    2003年4月21日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
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  婦人参政権

 1886年甲府の雨宮製糸工場女工ストがあった。日本ではじめてのストライキであ
った。こんな歌を歌いながら。/うちが貧乏で12の時に 売られてきましたこの会
社 寄宿ながれて工場が焼けて 門番コレラで死ねばよい おはちひきよせ割飯な
がめ 米はないかと目に涙 工場は地獄よ主人が鬼で まわる運転火の車 機械女
工が人間ならば ちょうちょとんぼも鳥のうち/
 ところが1890年戸主のもとに家族を服従させる民法が実施され、女子は無能力者
と規定された。さらに婦人の政治活動禁止法(「集会及政社法」)によりいっさい
の活動が禁止された。この法律は、1900年の治安警察法にうけつがれ、戦後までつ
づいた。/元始女性は太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である。他
に依って生き、他の光によって輝く、病人のやうな蒼白い顔の月である/と平塚雷
鳳(らいちょう)は、雑誌「青踏」創立宣言(1911年)に書いた。

 1911年国定修身教科書制定された。とくに女生用がつくられ、「女子の本分」が
説かれた。また1910年には、高等女学校令が「改正」され、女学校の教科書として
あげられていた科目から、外国語と地理がのぞかれて、かわりに「実業」がくわえ
られた。実際は「主トシテ家政ニ関スル学科目ヲ修メントスル者」のために……と
いうことであった。その主な内容は裁縫であり、縫い物や料理にあけくれる女性、
家族制度のわくの中での「よき主婦づくり」の方向をめざすものであった。

 こういう中でも運動は続けられ、1924年婦人参政権獲得期成同盟設立、1930年に
は全日本婦人参政権獲得大会が開かれ、婦選のうたがつくられ/同じく人なる我ら
女性 今こそ新たに試す力 いざいざ一つの生くる権利 政治の基礎にも強くたた
ん ……… ……… 男子に偏る国の政治 久しき不正を洗い去らん 庶民の汗な
る国の富を 明るき此世の幸に代えん/と力強く歌われた。けれどもこの願いの実
現には敗戦を待たねばならなかった。

 忘れていけないことがある。戦争末期に女子挺身隊を結成、「一億一心火の玉だ
」「兵隊さんはいのちがけ、私たちはたすきがけ」と女性を戦争にかりたてた政府
が戦後まっさきに婦人のためと称してしたことは、第一に占領軍用の売春施設を警
察が指導してつくったことであった。日本婦人の防波堤にと衣食住保障の女事務員
募集といつわり政府公認の売春婦を集めた。第二に戦争中14才以上の未婚の女性に
労働の義務をあたえ、女子挺身隊などと学業もなかばに強制的に職場に送り込みな
がら、この年10月、失業者対策として、合計 307万人の婦人労働者を職場から追い
出し、男子労働者といれかえた。46年街頭にたつ売春婦は1万8千人、48年には3
万88千人とふえた。/こんな女に誰がした/、名曲「星の流れに」は毎日新聞へ
の売春婦からの投書から生まれた。

 「一人前になれた嬉しさを感じた。政治のしくみや権利・責任ということはよく
わからなかったけれども、何しろ一票いれたら全部よくなるという嬉しさを感じた
。母をリヤカーにのせて二キロ離れた小学校に出かけたが、新しいモンペに新しい
手ぬぐいをよそいきのようにかぶっている人もありうきうきとした感じをうけた(
吉井周子『婦人参政権』)」46年初めて投票した感想である。

 あとがき 私たち重度障害者の投票権運動と苦労は似ている。絶対むだにするま
い。historyとは his story の意味。彼の物語、つまり男の歴史をさす。だがそ
の期間は日本では弥生式時代以後わずか2千年、それ以前の数百万年は母系性社会
、つまり「元始女性は太陽であった」のだ。

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第112号                    2003年5月2日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

  桃源郷の家(仮称)のこと

 数年前こんなことを話し合った。数世帯程度のALS患者・家族で共同住宅をつ
くろう。そうすればこんなこともできる。例えば、訪問医療・看護を効果的に活用
することができる。ヘルパー制度を効果的に活用することができる。車両をふくむ
福祉機器を共同で利用することができる。そして、在宅介護の負担を減らすことが
できる。患者を孤立から守ることができる。もしかしたら自立のための活動・パソ
コンを使った生産活動をすることができる。社会との接点を増やすこと、新たな生
きがいをもつことができる。

 当時同じような議論がいろいろな所で話し合われていた。山梨県支部の北島さん
(奥様がALS患者)が土地を提供してALS患者の共同住宅をと提唱された。残
念ながら諸般の事情で実現には至らなかった。けれどもこのたび自力で約2000
坪の広大な敷地に4階建のビルを建設。1階を地域のデイサービス、2階をご自宅
。4階をALS患者、家族にぜひ使ってほしいと提案された。完全バリアフリー、
車椅子で入れる風呂、特大エレベーターなど障害者が安心して宿泊できるようにな
っている。ぜひここで語り明かしたいものだ。

 その場所。中央自動車道(勝沼・一宮御坂)インターチェンジ5分。石和温泉駅(
中央線)から6キロ。石和温泉へ車で10分。河口湖へ30分、清里へ40分……。
住所は東八代郡八代町北1616「きたじま苑ビル」。桃源郷すぐそば。建物から甲斐の
山々がぐるりと眺望できる。県埋蔵文化財センター、曽根丘陵公園、八代ふるさと公園、
県営フルーツ公園(山梨市)、県営フラワーパーク(明野村)など至近距離。
 
 部屋の広さは食堂兼居間24畳(居間は16畳くらい)、寝室12畳、浴室は車
いすからリフトで湯舟に入れる。エレベーターはベット、タンカーも寝たまま入れ
る。宿泊は4階では約10人、別に2階・6畳、1階デイ施設休憩室12畳、前の
居宅20畳などもお借りできるので約30人まで可能。緊急時の対応も、デイサー
ビスで診療所2ヶ所、ALS患者での対応は山梨大神経内科が対応可能。野菜畑も
ふんだんにあり花や野菜を作ることができる。

 その利用方法をいま希望の会などの仲間たちと相談している。ALS患者、家族
のみなさん、ボランティアのみなさん、お読み下さっているみなさん、よい知恵を
お貸し下さい。そして利用の輪に加わって下さい。
 
 あとがき 4/22第7回吸引問題分科会には患者7名をはじめ傍聴はこれまで最
大。「家族以外の者によるたんの吸引の実施についても、一定の条件の下では当面
の措置として行うこともやむを得ない……」との案が示された。だがやや報道先行
の感あり。次回(5/13)へ全力を。最近読売、東京、赤旗新聞といくかの地方
紙に取材を受け記事になりたくさんの励ましをいただいた。

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第113号                    2003年5月10日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
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  「吸引」認める方向/第8回分科会は13日

 「医療行為とされるたんの吸引について、厚生労働省の分科会は22日、自宅で
療養する筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の患者に限り、一定の条件で
ホームヘルパーらにも認める方向で……」と報道された。その条件として主治医か
看護師から吸引方法の指導を受ける、患者自身が文書で同意する、主治医らとの緊
急時の連絡・支援体制の確保――などがあげられている。人工呼吸器を付けて自宅
で療養している患者は約1万人、うちALS約1100人と推計されている。

 残された問題点も多い。ALS患者以外への適用、施設等の在宅以外での適用、吸引
を介護報酬として扱うなどでいある。「十分な訪問看護体制が整うまでの措置」と
いう位置づけられようとしていることもある。このことが通れば吸引等も含む介護
が、本来は、訪問看護だけで行なわれるべきであるということになる。いずれにし
ても報道先行の感強く、厚生労働省の正式な決定がされるまで全力をあげなけばな
らない。第8回分科会(5月13日、18時〜)を厳しく見守ろう。

 いま改めてこの委員会の目的である「ALS等の吸引を必要とする患者に医師の指導
を受けたヘルパー等介護者が日常生活の場で吸引を行うことを認めてください」(
11月12日、大臣提出要望書)にもどりみつめなおすことが必要と思う。/1日最大
2時間の訪問看護時を除いて患者のもとを離れられない疲れはて、のたうちまわる
家族がいる。……病人が病人を介護している家族がいる(104号)/という現実
を踏まえ、患者が安全に呼吸を維持するために、家族の基本的人権を守るために、
患者会として要求をまとめていく必要があると思う。

  桃源郷の家のこと2

 お疲れさまでした。とてもキレイで楽しかったです。今回の旅行に参加されてい
る人は皆さんとても働き者だと思いました。真剣に話し合ったら寝て食べて笑って
また話し合って、怠けず頑張りすぎずとても良い時間を過ごせたと思います。私に
はよくわからない話でもいろんな話を聞くことができてとてもよかったです。北島
さんの旦那さんの「妻は私なんかよりずっと努力家なんです。いつも妻に引っ張っ
てもらってるんです。」という言葉は何かとても大きい力を感じました。お互いを
尊重しあいながらいしょにがんばっているんだなっと思いました。あと佐々木さん
の奥さんの「お父さんはいろいろ注文して自己管理してるのよ。」という言葉はと
ても納得させられました。皆で助け合って生きているんだと思いました。
 この旅行にて参加できて私はとてもラッキーだったなと思います。佐々木さんが
湯ぶねにつかっている時の幸せそうな表情を見て私も何だか幸せな気持ちになりま
した。またよかったら連れていってくたさい。(城定明子)

あとがき 吸引問題いよいよ大詰め。13日の傍聴へ。/かけがえのないもの、み
んなの「財産」/と利用方法を考えている桃源郷の家。5月3〜4日初旅行。同行
の学生ボランティアの感想。

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第114号                    2003年5月19日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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 第一は、かちとった成果を確認し、みんなのものとし、広く社会に認識させるこ
とである。
 条件付きながら「家族以外の者」に吸引を認めるとの分科会提言は、患者・家族
が今後、介護者や関係者に吸引を依頼し易くすくなり、介護者も堂々とできるとい
うことになり、介護態勢の改善につながるものである。ヘルパーさん胸を張って吸
引をとよびかけたい。

 第二は、残された課題を確認し直ちにその実現めざしてとりくみを開始すること
である。
 提言がALSに限定され、ALS同様に吸引を必要とする他の患者を含まないこ
と、在宅に限定され、在宅同様の生活の場の延長にあるショートスティや療護施設
等で吸引ができないこと、吸引行為を介護保険や支援費居宅介護サービスの業とし
ないとの厚生労働省関係部所の見解は、患者にとって吸引を依頼できても、吸引を
する介護事業所・介護人の確保に非常にマイナスであり、公的介護サービス制度が
利用できなくなりかねないこと、「十分な訪問看護体制が整うまでの措置」とされ
ていることなど。

 第三は、このとりくみの中で生まれた教訓を整理し今後に生かすことである。
 ひとつは、運動の力の確認である。・18万人近い署名運動の力、・8回におよ
ぶ分科会への傍聴参加、・分科会事務局や委員への働きかけ、・ALSだけでなく
医療、福祉、他団体などへの幅広い理解の広がり、・インターネットでのリアルタ
イムの全国的交流、・マスコミの協力を得て一定程度社会問題化させたことなど。
 もうひとつは、分科会の位置づけの問題である。第一回分科会で/在宅のALS患者
に対する痰の吸引行為についての患者・家族の負担の軽減を図るための方策につい
て、「新たな看護のあり方に関する検討会」の下に分科会として位置付け、検討を
行う/とされ、分科会の名称も「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分
科会」という不可解なものとされた。私たちが署名に託した願いは「ALS等の吸引を
必要とする患者に医師の指導を受けたヘルパー等介護者が日常生活の場で吸引を行
うことを認めてください」であったのに、である。
 みっつめは、分科会の構成の問題である。とりわけ切実な問題を検討するにあた
り当事者(患者、患者団体)を含まない構成でよいのかということである。

 あとがき 残された課題や問題点の多さにもかかわらず、ヘルパーの「吸引」可
との提言の輝きは変わらない。どう生かすか。こんどの運動の成果を足がかりとし
て活用しながら、残された課題の達成そして「医療行為」をめぐる諸問題の根本的
解決めざし運動の再構築をはかることこそいま大切なのだと思う。/人が単に自分
の利益を主張したり、要求することが権利ではない。相手方が、その要求の社会的
正当性を承認し、その要求に応じる義務を認めた場合にはじめて、その利益は権利
となる/といわれる。こういう視点で、患者の生きる権利、家族の生活する権利を
とらえなおしてみたい。いま「家族以外の者」の吸引が権利となろうとしている。
ご意見お寄せ下さい。

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第115号                    2003年6月10日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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 ごあいさつ/朗報が相次ぎました

 2003年6月8日 希望の会代表 佐々木公一

 みなさんお変わりありませんか。この間私たちALS患者、家族にとって久しぶ
りに朗報が相次ぎました。

 私たちALS患者、家族が、たくさんのみなさんの協力をいただき18万の署名
に託した「家族以外の者に吸引を」との願いは「看護師等によるALS患者の在宅療養
支援に関する分科会」提言として実現しました。さらに、坂口厚労相は3日、ほかの
疾患の患者にも認める考えを示しました。

 ALSの患者が原告となり「郵便投票の有効性」を求めた訴訟の判決が東京地裁
でありました。「外出できない原告らが選挙権を行使できる投票制度がなかったこ
とは憲法違反と言わざるを得ない」と郵便投票制度に対する初の司法判断となりま
した。

新薬をめぐっても大きな展開がありました。徳島大医学部はALSの進行を、
ビタミンB12に似た物質・メチルコバラミンの大量投与で遅らせる可能性を発表
しました。京大再生医科学研究所は、国内で初めてヒト胚性幹細胞(ES細胞)を作
る事に成功したと発表しました。岡山大病院神経内科は、ALS患者の脊髄(せき
ずい)に特殊なタンパク「神経栄養因子」を直接投与する臨床試験で、患者の症状
の進行が遅くなる効果があることを発表しました。ALSの原因として、ダイニン
遺伝子の異常が提唱されました。アメリカでは、ダイナクチン遺伝子の異常が原因
との説も提唱されています。ALSなどの難病は、「ダイニン」と呼ばれる老廃物
を運ぶたんぱく質の変異が原因の1つとみられることが分かったと通信総合研究所
など日本、英国、ドイツの共同研究チームがマウスなどの実験で解明し、米科学誌
サイエンスに発表しました。 

 桃源郷の家のこともあります。(このことについては別紙をご覧下さい)

 最後ですが、ALSについての知識、ケアについての知識、先輩の経験を知るこ
とが患者としてまず必要と思います。それから患者同士の交流、社会との接点を持
ち続けること、そしていまできることから可能性を広げていきましょう。疑いもな
くいまが一番できる時だからです。

 あとがき 定例会に6人の患者をふくむ約30人が参加。発症17年の患者がこ
の春立ち上げたヘルパーステーションの経理を担当、唇だけのスイッチ操作でパソ
コンを駆使している報告が参加者に感動と勇気を与えた。介護の公費負担(特に支
援費)の違いが浮彫りになった/ほぼ同じ症状なのに府中市の患者504時間(/
月)に対して西東京市の患者83時間/。さらに自宅療養をめぐる環境の驚くべき
違いも明らかにされた。告知直後の患者への支援内容整理の必要性も痛感。

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第116号                    2003年6月30日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  いま日本の税制に劇的変化が

 「少子・高齢化社会を支える」という名目で庶民大増税をうちだした政府税調の
中期答申が出された。個人所得税は、公的年金控除の縮小、遺族年金や失業給付な
どの非課税給付への課税が打ち出された。 消費税は、政府税調として初めて「二桁
の税率に引き上げる必要」が明記された。法人税は、大企業減税の方向を明記され
た。石弘光会長は法人税を将来、基幹税からはずすと明言した。戦後長らく所得税
と法人税が基幹税であった。いまそれを所得税と消費税に切り替えようというのだ
。消費税増税をはじめとする庶民増税、反対に財界・大企業、高額所得者の負担責
任は免除する。およそこんなことが政府税調の中期答申に書いてある。

 ではそもそも税金とはなにか、税金と政治の関係を考えてみる。政治とは、税金
のとりかたと使い方のこと。つまり税金をどのように集め(歳入)、どのように使
うか(歳出=予算)を決めること。税金とは何かを考えてみる。人間が生きていく
ために必要なもの(需要)は2種類あり、ひとつは自分と家族の衣食住等であり私
的需要といい、普通は個人の努力でみたしていく。もうひとつは自分と家族をこえ
たところでなりたつ需要であり公的需要(例えば道路、学校、空港など)という。
これらは個人の努力の範囲をこえているから国民がお金やものを出し合い、社会的
な方法によってみたしていく。これを税金という。

 だが税金の集めかた、払いかたにはルールがある。税負担でも社会保険料負担で
も、大企業と高額所得者に応分の負担を求める、つまり「能力に応じて負担」する
制度/「総合・累進課税」こそが憲法から導かれる原則である。そして戦後曲がり
なりにも守られてきた。それが劇的に変えられようとしている。

 で、どうなるのか。消費税は大増税される。中期答申が二桁の税率への引き上げ
をいい、経団連は25・5%まで引き上げる必要を訴えたことさえある。巨大かつ
安定財源として基幹税に組み入れられる。個人所得税は、各種控除の廃止、縮小、
非課税給付への課税が企図され、庶民増税がすすめられる。法人税は徐々に税率を
下げ、基幹税から外される。つまり大企業減税が速度をます。

 ところでこのように国民への負担を増やし続ける側の人々のことを書く。
 小泉首相の年収はいくらか。国会議員の年収は諸手当をあわせて約4500万円
ある。それに総理大臣としての年収約4200万円(給料のみ。手当てふくまず)
をあわせて約8700万円となる。普通の大臣は約3030万円をあわせて約75
30万円となる。この程度のことさえ頑張って調べなければわからない。これはど
うかしている。昭和5年、凶弾に倒れた/元祖ライオン宰相/浜口雄幸は、国家の
窮状にあたり給料の2割を国庫に返還している。二代目ライオン宰相にはその勇気
も気持ちもないらしい。
 3年前のことだが当時56歳から93歳の衆院96人、参院72人計168人の
議員が、給料に加えて年金を受け取っていた。300万円以上25人。例えば虎島
防衛庁長官(当時)の場合、市議三期、県議五期分の議員年金と厚生年金の三種類
の年金を合わせて約274万円受け取っていた。いまどうなっているだろうか。

 あとがき 社会保障分野での国民負担の激増と庶民大増税がすすめられる一方で
大企業と高額所得者への大減税がすすめられている。法人税の減税が企図されてい
る。見逃してはいけない。

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第117号                    2003年7月8日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  税金の歴史から

 大化の改新(645年)前は資源中心の時代で、現品、労役を中心にあてた。税
(たちから)/穀物を納めた。役(えだち)/労力を提供した。調(みつぎ)/穀
物以外のものを納めた。
 大化の改新後は次のようであった。租(そ)/口分田の収穫の3%を納めた。庸
(よう)/年間10日の労役につくか、かわりに布を納めた。調(ちょう)/各地の
特産物を納めた。雑徭(ぞうよう)/各地の土木工事などに従事した(60日間)。
 鎌倉時代。封建社会となり、課税がまちまちになった。田租が中心であった。田
租(年貢)は4公6民、銭でもよかった。
 室町時代になり群雄割拠によって、税制も新たなものがいくつも生まれた。地子
(じし)/田畑、林、屋敷に課税した税。段銭(たんせん)/田畑の面積に応じて
課税した税。棟別銭(むねべっせん)/家屋の棟数に応じて課税した税。関銭(せ
きせん)/関所を作り交通税をかけた。倉役(くらえき)/質屋の倉に課税した税
。酒屋役(さかややく)/酒屋に課税した税、など。
 江戸時代になると封建時代が確立し、税制が画一化した。地租(ちそ)/普通5
公5民であった。雑税(小年貢)/各地の特産物を納めた。課税/労働の提供や品
物を納めた。免許税や営業税のような各種の運上、冥加の税ができた。元禄10年「
酒運上」は売値の3分の1であった。

 明治時代をむかえ近代国家の成立により、税制が統一され金納になった(地租改
正)。地価を定め地券を発行した。地価額に3%の税を課した。金納制度とした。
土地の所有者を納税者とした。1875年(明治8年)旧藩時代からの雑役1553種を整
理し、一部を国税と地方税として残すことにした。1888年所得税が世界で8番めに
国家収入の増加めざして創設された。当時の年収 300円以上の人だけが対象。その
結果納税者は全国で12万人で当時の人口の約 0.3%。名誉税ともいわれた。

 1799年イギリスで世界最初の所得税が導入された。ナポレオン戦争の戦費をまか
なうため、その再生復活が対仏戦争、インドの反乱鎮圧、その恒久化がクリミア戦
争であった。アメリカでは創設の契機が南北戦争、恒久化が第一次世界大戦であっ
た。フランスでは創設の契機が第一次世界大戦の戦時財政需要であった。所得税が
軍国主義の強化あるいは戦争財源の必要によって生れそれとともに地位を高めたこ
とが驚くほど共通している。

 1914年所得税は、酒税と地租をぬき第一位に。その後不況・恐慌時代に酒税がト
ップに。しかし第二次世界大戦時に再びトップに。1945年3月(すなわち敗戦前夜
!)申告納税制度創設。なおはじめて賃金俸給所得に対する広範な源泉課税が導入
された(戦時財政のための大衆負担強化を企業家の協力をえて実行しようとしたも
のであった)。

日清戦争は2億円、日露戦争は17億1600万円、戦争経費の総額である。のちの
支那事変は100億円に達した。なお昭和12年(1937年)の国家予算額は30億
7000万円、その後昭和21年の決算報告によれば臨時軍事費決算は2200億円に膨れ上
がった(「書かれなかった戦争論」辺境社)。今に直せば戦争経費240兆円、決算
5600兆円となる。

 あとがき 「いつか来た道」の最南端はインド、マレー半島、ニューギニアであ
った。アフガン戦争ではインド洋、ペルシャ湾に達した。いま中東イラクに上陸し
ようとしている。この国の「軍隊」の行き先である。巨額の費用は当然税金でまか
なう。

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第118号                    2003年7月17日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  税金を考える

 どのように税金はきめられるのか
 国会が、予算(税金の使いみち)と法律(税金の集めかたなど)を審議して決定
する。そして政府は、その決定をうけて実行する。

 家計と国家財政とはこう違う
     家  計 収入が決まっていて、「どう使うか」が問題となる。
     国家財政 まず「支出」、つまり「なににどう使うか」が検討される。
     そののちに、どこから収入を得るか、誰から、どのように税金
     をとるかが、(議会で)きめられる。したがって、税金の支出、
     使い道に対しても、私たちは権利を主張しなければならない。

 税金を決める時必要なこと
 国民のさまざまな要求をとりあげることが必要。少数者のとりわけ社会的弱者の
要求をとりあげることが必要。逆に、国民の合意ぬきに、むりな決定をし、重い税
金を課すなら、国民の抵抗感は強くなる。たとえば消費税のように。そして政治家
や高級官僚、大企業などのような税金を負担する能力の高いものが優遇されてはな
らない。

 税金はどうあるべきなのか/私たちの租税原則
 第一に、所得金額の多いものはより多い負担を、所得の少ないものはより少ない
負担を。
 第二に、汗を流した所得(勤労所得)にはより少ない負担を、不労所得にはより
多い負担を、資産所得にはより多い負担を、生存権的財産にはより少なく、または
負担をかけない。
 第三に、生活費に税金をかけてはいけない。
 具体的には、1、累進課税の原則(負担能力によって課税する)。高額所得者ほ
ど高い負担を、所得が少ないものほど低い負担を。2、勤労所得軽課・不労(資産
)所得重課の原則(所得の性質によって差別課税をする)。利子や配当、不動産な
どの資産所得には高い負担を、零細業者の事業所得や賃金などの勤労所得には低い
負担を。利益をうみだすことを目的とする大企業の事業用の土地や買い占めた土地
などには高い負担を、住宅や自営業者の営業用敷地、農家の農地などの生存権的財
産には低い負担を。3、最低生活費非課税の原則(最低生活費は免税する)。憲法
25条の精神にもとづき課税最低限の大幅な引上げを。ということになる。

 憲法30条、84条
     憲法30条「国民は法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」
     憲法84条「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法
     律又は法律の定める条件によることを必要とする」
 このことの意味は、国民は法律の定める以上には、絶対に税金を払う必要がない
ということ、つまり徴税の法ではなく、権利の法であること。税法の目的は、徴税
の確保にあるのではなく、納税義務の限界、徴税権行使の限界を示すことによって
、納税者の財産を守ることにある。したがって、たとえば「疑わしきは罰せず」と
いう刑法概念は、税法では「疑わしきは国庫の不利益に」と規定される。これらの
概念をつらぬくものが「租税法律主義」とよばれるものの根本である。

 あとがき みたような応能負担の原則、最低生活費非課税の原則が音をたてて崩
れていく。消費税増税や年金課税はその象徴である。私たちの療養生活へも医療費
自己負担の増加が激しい。

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第119号                    2003年7月22日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

  7月18日の参議院本会議で「在宅で自書できない身障者と介護保険要介護度
5の患者は事前に届けた代理人による郵便投票を認める。一年以内に施行する」と
の公職選挙法改正案が可決された。投票したくても投票できない障害者に参政権の
道が大きく開かれた。

 今年春法案を準備していた民主党のヒアリングに呼ばれた。そこでこんな風にお
願いした。
 民主党のみなさんへ/本日は私たちのためにこういう場所を設定していただきま
したことを心より感謝申し上げます。東京地裁の「外出できない原告らが選挙権を
行使できる投票制度がなかったことは憲法違反と言わざるを得ない」を主旨とする
判決を私たちは心より喜んでおります。けれども現実の実施にはまだいくつもの困
難があるようです。 引き続き私たちの切なる願いが早期に具体的に実現できます
ようご尽力下さいますようよろしくお願いします。
 この選挙権問題、3人の原告を先頭に大きなたたかいのひろがりの中での成果で
すが、実は誰よりも早くこの問題に先鞭(せんべん)をつけた人がいます。幻の原
告といわれている島田祐子さん、本日同行されている川口さんのお母さんです。彼
女はいま病気の進行の中まぶたさえ閉じたままベットに横たわっておられます。こ
のようにたくさんの人びとの命がけの願いである選挙権問題、一日も早い具体的解
決を切に希望するものです。

 /生活上のハンディキャップをもった人間が社会の中でどのように処遇されてい
るかが、その社会の成熟の度合いを示すといわれる。どんなに少数であれその人た
ちが選挙権という憲法に保障され、今回の判決でも明らかにされた権利から排除さ
れるとしたら、それは明らかな差別であり人権侵害にほかならない。/私の「ひと
りごと」101号にこう書いた。引き続き当事者先頭を自らに言い聞かせ、たくさ
んの患者、家族やボランティアのみなさんと力をあわせてがんばりたい。

桃源郷の家のこと3/ある日の感想
○「みさかの湯(温泉)の露天風呂が最高でした。カンパ−イ。
○体がえらくて(苦しくて)、とても一泊では行けないと思っていましたが、みな
さんに励まされて無事行って来れました。これで自信がついたので、今年も神戸ま
でお墓参りに行けそうです。
○ALS患者の北島さん夫婦との夕食会でAさん(88歳いくぶん痴呆ぎみ)。「
ご主人が奥さんである患者さんに食事をさせてあげるのはとても立派。それはもう
頭が下がりますが、私が先程から感動しているのは、そのようにさせる奥さんの魅
力の大きさについてなんです」と発言。北島さんとAさんに、思わずまわりから拍
手。
○24時間、生活を共にしてみて、寝る前に必要なケア、深夜の体位変換など、こ
れまで気付かなかった介護があること、又、その方法を知りました。

 あとがき 改めて島田祐子さんに勝利の報告がしたい。たくさんの物語、桃源郷
の家一年め。

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第120号                    2003年7月30日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

 新しい出発、協力の「わ」を大きく、強く

  この一年わの会はバザー、すもも狩り、関戸の花火観賞、秋の河口湖への紅葉
狩り、浅草めぐり、八千穂村一泊旅行、絵手紙教室、いろいろな料理教室、各種食
事会、コーラス、カラオケ教室、ピアカウンセリング、桃源郷の家への旅行、宿泊
デイサービス、そして移送などたくさんの活動にみんなで楽しくとりくんできまし
た。そしてわの会会員も着実に増やしてきました。前年度に初めてとりくんだお互
いの病気や障害を知り合う二度の学習会(ALSと視覚障害)に続いて今年失語症
学習会(ライブ)にとりくみました。「本当に涙が何度も出ました。心から拍手も
しました。嬉しそうな笑顔を見て心から嬉しくなりました。出会いの不思議さと、
ありがたい気持ちがもてました」こんな感想も寄せられました。

 支えあう「わ」、共に作りあげる「わ」、みんなの想いをつなぐ「わ」との願い
から生まれたわの会は、結成して七年、財団からの補助金をもらいはじめて六年を
むかえています。今年わの会は、 すでにNPO法人資格をとり、9月からデイサービ
スとヘルパー派遣という2つの新しい事業にとりくんでいきます。予行演習をかね
て5月からはじめたデイサービスは、多くボランティアのみなさんに支えられて着
実に歩み始めています。引き続きこれまでの自立支援の活動をさらに豊かに広げな
がら新しい事業や仲間たちの様々な要求の実現をめざして活動をすすめていきます
。具体的な内容は運動方針で報告します。

 この7月「在宅で自書できない身障者」に「代理人による郵便投票」が認められ
、投票したくても投票できない障害者に参政権の道が大きく開かれました。ご協力
ありがとうございました。「一人前になれた嬉しさを感じた。政治のしくみや権利
・責任ということはよくわからなかったけれども、何しろ一票いれたら全部よくな
るという嬉しさを感じた。母をリヤカーにのせて二キロ離れた小学校に出かけたが
、新しいモンペに新しい手ぬぐいをよそいきのようにかぶっている人もありうきう
きとした感じをうけた」これは1946年、婦人参政権を得て初めて投票した婦人
の感想です。こんな気分の広がりを感じながらの新しい出発です。みなさんのいっ
そうのご協力を心よりお願いしてごあいさつとします。       2003年
7月27日 わの会代表 佐々木公一

 花火大会ご案内
 関戸橋の花火大会です。ビールでも飲みながら、夏の夜空のドラマを見ませんか
。我が家が観覧席になります。8月5日午後6時佐々木宅集合でいかがですか。

 あとがき わの会の総会があり、そこでの挨拶。仲間たちの顔をみながら「輝い
て生きる」ということを考えてみた。1、希望を強くもっているか。2、目的、目
標をもっているか。3、やりたいことをやっているか。4、結果に責任をもってい
るか。人のせいにしていないか。5、そのことのために学習しているか。6、人と
交わり人の意見を聞いているか。7、必要とされているか。出番があるか。8、社
会に役に立っているか。人びとに支持されているか。とこんな具合。意見を

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第121号                    2003年9月3日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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 ALS日誌17 看護学生の合宿

 立川総合病院が独自の看護学生への奨学金制度を実施しており、その研修会(合
宿)が桃源郷の家であり(23〜24)、北島さんと私が患者、家族としての体験
などを報告する機会があった。

 このような内容でお話をした(正確には用意した資料にもとづいて妻に話をして
もらった)。/1、私の体験ーALS私の場合(52〜58号/週刊ALS患者の
ひとりごと)、気管切開の経験(59〜62)。2、呼吸器をつけて生きるという
こと(36、37、46)。3、障害者の世界(100)。4、吸引問題と署名運
動(104、114)。5、選挙権のこと(119)。6、患者とはなにか(26
)。7、人として、患者として輝いて生きる/。

 夜には北島恒男さんの15年におよぶ闘病と介護の体験が報告された。「妻がA
LSになってからそれ以前よりはるかに豊かな人生を送らせていただいていること
に感謝している」と感慨深く述べておられた。「保健婦だった私はノーマライゼー
ションの大切さなどを人に話してきた。だがこういう体になると世間の目がとても
気になる。でもだからこそ積極的に外に出るようにしている」ALS15年めの英
子さん(奥さん)が文字盤で語る姿を全員食い入るようにみつめていた。英子さん
は今年から日本ALS協会山梨県支部長。その日常は多忙だ。

 なお食事は自炊。みんなで買い出し、みんなで料理。私たちも北島ご夫婦ととも
にごちそうになった。息子が珍しく3回もおかわりをしていた。そうメニューは特
製のカレーライスと地元の野菜たっぷりのサラダなど。なお学生たち会話は朝方ま
で続いたらしい。

 「一番印象に残っているのが、佐々木さんが入院されたときの看護師の対応の話
しと『患者はお客である』と言う言葉でした。いくら、忙しくても、その人個人が
希望する看護をすること、介護通信に書いてあるように、『一回一回これでよいか
を確認すること』はとても大切なことだと改めて感じました。自分の将来の看護婦
像がさらにふくらみました」参加者の感想である。
 
花火大会
 120号でお知らせした関戸の花火大会が大変なことになった。ニュースで/多
摩川の花火/と報道されたあれである。大雨による増水により花火師たち30数人
が中州に取り残されヘリコプターによる救出作戦が展開されたというのだ。で、花
火大会は午後8時に中止になっていた。その時我が家にはわの会の仲間23人が花
火大会をみにきていた。8/14には桃源郷の家のすぐ前のグランドで町内の花火
大会があった。雨のため午後10時からの開始となったが、すぐ目の前で繰り広げ
られる空いっぱいの花火にはただ感動。

 あとがき 暑中見舞いのタイミングに困るような夏も終わり。みなさんお変わり
ありませんか。

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第122号                    2003年9月8日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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 ごあいさつ/ガイドヘルパー講習会で

 「いつものコースの中河原駅から府中駅への帰路、たまたま同行者があり前後反
対の場所に乗ったが、階段を降りてからいつもと左右が反対で訳がわからなくなっ
た」「日常の会話の中でも、どんなに笑顔でうなづいてくれても、声をかけてくれ
なければわからないのです」「視覚障害者には腰痛が多い。ほんの小さな段差にも
空足を踏みつまづくからです」わの会竹村事務局長からこんな話しを聞きました。
こんな時ガイドヘルパーがいたらどんなに助かるでしょう。

 ところがそのガイドヘルパーが大変不足しているらしいのです。介護保険の認定
を受けヘルパー派遣時間を確保しても来てもらえるガイドヘルパーがいないらしい
のです。そしてテレビでよくみる盲導犬などは夢の又夢のような存在であるらしい
のです。

 先頃わの会が開いた視覚障害についての学習会での「視野は狭くなったが心の視
野は広くなった」の発言が、会場を感動でつつんだのですが、ガイドヘルパーさん
の心あたたまる支援の広がりの中で「行動の範囲を飛躍的に広げることで、心の視
野を豊かに広げてほしい」と思います。今朝こんなメールがはいっていました。「
研修会の話、一人、又一人と巣立っていくのが目に見えるようです」。この講習会
に参加されたすべてのみなさんが/人間のいたみに対する協力者/として力強く活
躍されることを心より願っております。 2003年9月5日 わの会代表 佐々
木公一
             
その内容
 予想をこえる41人の参加あった。東京都からきてくれた若い女性職員の話しが
、とてもわかりやすかった。日本全国に約300万人の障害者がいて、その11%
が視覚障害であること、その大多数が中途障害者であること、視覚障害のあらわれ
が人により千差万別であること、だから介護者は介護する相手のことをよく知る必
要があること……こんなことを学んだ。講師は笑いながら、「こうした感性(相手
の立場に立つ)をもたない人はヘルパーにならないほうがいい」と言っていた。「
私の気持ちを全部話してくれた」と視覚障害者からの感動的な感想もあった。
 視覚障害の体験や「ガイドヘルパーとしてやってはならないこと」の体験コーナ
ーもあった。例として・白い杖をひっぱって道案内する。・腕をひっぱって道案内
する。・後ろから押す。・介護者が後ろ向きになり障害者の両手をとり赤ちゃん歩
きをさせる、の4つが紹介された。体験コーナー参加者から「今まで間違ったやり
かたでやっていた」「実際に体験してみて視覚障害者の気持ちがよくわかった」な
どの感想が出された。 
 この場合の「相手の立場に立つ」とはどういうことかを考えてみる。第一に、な
により患者の確保が大前提となる。第二は、相手の意志を理解し尊重すること。第
三は、その上で相手の心と体の自由を確保することであると思う。

 あとがき 9/6には日本ALS協会東京都支部多摩ブロック患者交流会があっ
た。次号で。 

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第123号                    2003年9月18日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  全国交流会/新潟

 第8回J ALSA講習会交流会新潟大会(9/13〜14)に参加した。講習会
400名、交流会200名との報告があった。なお患者の参加47人、うち呼吸器
をつけた患者31人とのことであった。講演会では「ALS患者さんとノーマライ
ゼーション」と題する講演と「QOLシンポジウム」などがあった。療養環境を向
上させるための興味深い報告があったが、時間が短く残念に思った。その中でも「
告知とは一度で終わるものでない」との報告には新鮮な驚きを感じた。

 前夜の交流会では200人の患者とその家族、医療関係者、ボランティアなどが
一堂に会してエールの交換となった。患者全員がスクリーンに写し出されて紹介さ
れた。歓迎セレモニーでは、視覚障害者グループの「万代太鼓」、新潟ロシア村イ
マール劇場歌舞団の友情出演によるロシア民謡(歌と踊り)、最後に「佐渡おけさ
」など地元の民謡の歌と踊りが会場を感動と連帯感で包んだ。

 その日朱鷺(とき)メッセのホテルの27階からの日本海の夕景はみごとであっ
た。海の彼方にかすかに浮かぶ能登の山々に沈む赤い夕陽、その夕陽を下から受け
て幾種類もの茜(あかね)色に染めた幾層もの様々な形の帯状の雲の芸術をしばし
堪能した。

 この全国交流会での新潟県支部会員、ボランティア、学生、ロータリークラブな
どのみなさんの献身的でゆき届いた親切には感動そして感激でした。個人的にも夕
食、朝食ともホテルがミキサー食を用意され、初めての経験に大感激。新潟のみな
さん、お疲れ様。そしてありがとう。
新潟と私
 新潟に入ると曇り空から小雨模様。約30年前出版社に勤めていた頃、新潟の地
を会津八一の足跡を訪ねてカメラマンのお供で撮影旅行をした時のことを思い出し
た。今日と同じく新潟平野はどこまでも広くどんよりとしていた。新潟の北から南
へ約1週間の出張であった。当時会社の倉庫があった小千谷に何回か出張した。そ
の他。佐渡へ2回をはじめ10回近く旅行したことがある。

多摩交流会/立川保健所
 9/6には多摩での患者交流会があり、患者とその家族、医療関係者、ボランテ
ィアなど約80人が参加した。告知1年未満の上元さん(町田市)と発症8年、気
管切開8年の私(府中市)が報告した。上元さんは、発症以来の体調の変化、職場
での苦労そして休職、懸命のリハビリの様子、最近の北海道旅行のことなどを切々
と話された。私は、発症以来4年めのまとめと気管切開した時の心境のまとめを報
告した。「発信し続ける患者になろう」「人として患者として輝いて生きよう」「
私たちの願いや要求実現の母体/JALSAを強く大きく」とよびかけた。告知間
もない患者、家族の真剣な問いかけが続いた。

 あとがき 大歓迎に感謝。小杉さん、山崎さん、若林さん……、新潟のみなさん
ありがとう。

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第124号                    2003年9月27日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ヒトゲノム解析に積極参加を!

 「ALSの原因究明」のために世界最先端を行く東大「ヒトゲノム解析センター」長
の中村祐輔教授の要請を受け、解析への協力を日本ALS協会は決定した。生命の
設計図であるゲノムを解析することにより病気の原因を解明しようとする全く新し
い試みということだ。この結果に基づいて治療薬の開発が進められるため、従来の
手法に比べ飛躍的に効率よく研究が進められるとのこと。ALS患者にとり、医療
とともに原因究明にとりくむという貴重さもあわせて、とても大切なことと受け止
めている。

 患者としての協力の内容は、協力病院または自宅で14CCの血液を採取して提供
することだけのよう。当然すべてにわたり厳重に秘密は守られるそうだ。けれども
「当初100名のサンプルで解析を進め、ある程度解析内容を絞り込んだ段階で、
1000名の方のサンプルを解析」するという目標を実現することは容易なことではな
いはずだ。

 患者としてこの研究を成功させるため可能な限りの努力をする必要があると思う
。理由の第一は、世界最先端のヒトゲノム解析にALS患者として医療とともに原
因究明にとりくむという画期的なとりくみであること。第二は、とはいえ1000
人の協力者を得るということそれ自体が大変なことであり、単に協力依頼書を送る
だけでは成功しそうにないこと。全国の患者の積極的参加、協力が不可欠であるこ
と。第三は、能動的参加者が多ければ多いほど、研究成果への注目の度合いも違い
、研究成果の活用のしかたも違ってくる。なにより参加する患者をとりまく医療関
係者やボランティアを通じて「ALSの原因究明」の世論をつくることができる。第四
に、参加者が多ければ多いほど、この研究成果がもたらすその後の必要とされる行
動へのとりくみを容易にする。以上の理由から私は全力でとりくもうと決意してい
る。そして私たちのがんばりが、この貴重な研究にたずさわるたくさんの医療者へ
の励ましになること、全国で悪戦苦闘を続けるALS患者へのなによりの励ましと
なることを信じている。

 当面どうするか。日本ALS協会の具体的な行動の指示を待ちたい。だがその前
に協力依頼書を待つのではなく「私も参加します」の声を集めたいと思う。いま患
者としてできること、やるべきこと、それはできるだけたくさんの仲間や家族に、
このとりくみの意義と自分たちの役割を知らせ、できれば参加の意志を固めてもら
うことだと思うからです。

 あとがき 期待され、予想される/ALSの原因究明の画期的前進/とは別に、私は
、このとりくみを成功させることで、「吸引問題」で大きな力を発揮した組織に魂
(たましい)をいれることができると期待している。何しろ参加し協力するのは最
終的には患者本人だから、たくさんの患者が改めてJALSAをわがものとして見
直すに違いないからだ。


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第125号                    2003年10月15日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
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  今を生きるALS患者の役割

 ALSは一定の割合で等しくすべての人に罹病の可能性が、これまでもあったし
、これからもある。単純計算だがいま地球上に30数万人のALS患者がいる。歴
史的にみれば罹病してその原因もわからないままに、発症して3〜5年以内に、主
として呼吸筋麻痺で、無念の死をとげたおそらくは数百万人のALSの患者たちが
いたことが想像される。私のまわりでも8年間で10人近い仲間が無念の死をとげ
ている。これらの人びとの無念の慟哭を、その魂の叫びを重く受けとめたい。

 そしてもし「ALSの原因究明」がなされないなら、30数万人のALS患者の苦し
みや悲しみは持続され、これまでと同じ数の無念の死が積み重ねられるだろう。だ
が……。

 ついにはじめられた生命の設計図であるゲノムを解析することにより病気の原因
を解明しようとする全く新しい試みに対して、「発病以来初の,確度の高い研究と認
識して,心躍る思い(橋本みさおさん)」、「全世界のALS患者が待っている置換方
法 やっと巡って来たと 心が踊ります。 この日が来ると信じて 生きることを
択びました(馬崎大輔さん)」など、未来への魂の叫びがつぎつぎと寄せられてい
る。

 その原因もわからないままに、無念の死をとげたALSの患者の思いを受け継い
でいくことが、ALS患者として現代に生きる我々の厳粛な責務であるだろう。そ
して患者としてよりよく生きるとともに、「ALSの原因究明」の可能性のあるかぎり
そのために努力することが、ALS患者として現代に生きる我々に課せられた歴史
的使命と受けとめたい。

JALSAからの/お知らせ/のこと
 /お知らせ/について、今回は東京と近郊の患者にまずよびかけ、それから全国
によびかけていくことになっているので、全国の会員には今週お知らせを発送する
ということ。だから週末にはお手元に届くはず。届いたら協力申出書に記入して、
事務局までFAXをとJALSA事務局から要請がある。

 あとがき 11日中野の川口さんに誘われて「障害学学会設立総会」に参加した
。特別講演のアメリカの学者の話しの中にこんな報告があった。障害をもつ親の子
どもの特徴に、問題解決力、違いへの評価、障害のみかたの変化があげられる、と
。36年前「東大闘争」支援でこの地(東大駒場)に連日かけつけたころを思い出
した。12日〜13日は桃源郷の家で過ごし、近くの温泉にも入った。今回のゲノ
ム解析の研究者から「自分たちは、いまは臨床から離れて、血液ばかり見ているよ
うな生活なので、患者さんの生の声を聞きたいと思っている。お伺いして、お話を
お聞きしたいがよいか」との声も寄せられている。

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第126号                    2003年11月7日
           週刊/ALS患者のひとりごと


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 総選挙終盤、激戦、激論が連日くりひろげられている。その中でイラクへの自衛
隊派兵とも関連して憲法改悪、とりわけ憲法9条改悪が露骨におしすすめられよう
としている。だがその議論、軽すぎないか。

 戦後の憲法草案を審議する国会で、吉田茂首相(当時)は、野党の質問にこう答
えている。「国家正当防衛権による戦争は正当なりとされるようだが、私はかくの
ごときことを認めることが有害であると思う」と答弁、交戦権を放棄した戦後憲法
の意義を強調した。近年の戦争の多くが「国家防衛権の名において行われたること
は顕著なる事実」である、とも指摘した。

 時移り1954年6月2日、参議院本会議において『自衛隊の海外出動を為さざ
ることに関する決議』が採択された。自民党鶴見議員は同決議にかんする趣旨説明
でこう述べた。「いかなる場合においても、一度この限界をこえると、際限もない
遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白」であり「
それは窮屈であっても、不便であっても、憲法九条の存する限り、この制限は破っ
てはならないのであります」
  
 現在(2003年10月解散時)の国会議員の中で唯一この決議に参加した宮沢
元首相は、政界引退にあたっての記者会見で「戦争はしてはいけない。とりわけ海
外で武力を使ってはいけない」と強調した。同じく野中元自民党幹事長もこの国が
いつかきた危険な道にむかっている、と 警鐘を鳴らしている。

 なお憲法第九条は/1  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実
に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を
解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2  ……、陸海空軍その他の戦
力は、これを保持し ない。国の交戦権は、これを認めない/と戦争を放棄し、軍備
及び交戦権を否認している。そして憲法第九十九条は/……国務大臣、国会議員、
裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ/ととりわけ公務
員に対して憲法尊重擁護を義務づけている。

ヒトゲノム解析その後
 一次募集のとりくみを終え、年内は1月中旬からの採血計画検討と二次募集の方法
の検討が主となるそうです。11月1日の段階で協会への申し込みは約530名です。
中村教授が言われていた「1000人集まれば1年半以内で答えが出せる」ことを
目標に頑張らなければなりません。平成14年度厚生労働省登録ALS患者数6645名
(JALSA加入1900人)。プライバシーの関
係で名前は知らされておらず、保健所の協力をお願いしながら地道に呼びかけるほ
かなさそう。

 あとがき 310万の日本人、2000万のアジアの同朋の尊い犠牲がある、憲
法の背後には。

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第127号                    2003年11月30日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
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落成おめでとうございます

 私がお世話になったのは1979年組合員420人の時から6年間でした。その
年の拡大月間で125人の拡大目標をやりきって熊倉委員長(当時)を胴上げして
喜びあったこと、何人かの仲間が感激して泣いていたことを昨日のことのように思
い出します。

 当時の組合事務所は今の事務所の同じ場所にあった木造平屋の間借りで、駐車場
は車一台分、委員長胴上げの体が天井にぶつかりそうになったり、泊まり込んだ時
の枕元での鼠の運動会など今はなつかしい思い出となりました。当時の書記局は3
人、光永さんと井出さんと私、その抜群のチームワークをいまでも誇りに思ってい
ます。

 1983年、当時の約820人の仲間全員が1万円を出し合って、材料の寄付も
たくさんあって、みんなの組合事務所を作りあげたこと、また落成のなか拡大月間
での1000名突破を、駐車場をテントで囲ってみんなで祝いあったことなどを思
い出しております。
 多分私の記憶では5代めとなるこの素晴らしい新事務所が、さらに強固な建設労
働者のとりでとなるとともに、地域の人びととともに発展することを心より希望し
ます。

 さて先般の「吸引問題」の署名運動では大変お世話になりました。おかげさまで
5500人分(全体で18万人)を集めるとともに厚生労働省への運動をすすめて
目的を達成しました。ありがとうございました。早いもので神経難病ALSになり
8年がたちます。いま全国に6645人、地球上に30数万人のALS患者がいて
、それぞれに悪戦苦闘しつつも原因究明、療養生活改善へ頑張っています。引き続
きのご支援をお願いしてご挨拶とします。

源泉徴収と年末調整

 歴史に初めて「源泉徴収制度」を登場させたのはヒトラーのナチスドイツ、それ
をまねて大日本帝国(当時)が導入したのは1945年すなわち敗戦の年の2月。
どちらも戦時財政のため。
 源泉徴収制度の問題点。第一は、本来国がやるべき徴税の仕事(源泉徴収や年末
調整の煩雑な実務)を企業に押し付けている、「概算5万人分の人件費、2500億円」
との試算もある。だから税務署には大きな顔をしてよい。第二に、各種控除を受け
るために家族構成や配偶者の所得などすべてを雇用主に申告しなければならない。
知られたくないことがあってもこの制度のもとでは個人のプライバシーなど問題に
ならない。第三のだが最大の問題点はサラリーマンの納税意識をなくすこと、従っ
て納税者の権利の主張を妨げてきたこと。このことが歴史の中ではたした役割は大
きい。
年末調整は、サラリーマンの確定申告のかわり。事業主は全従業員の税額を計算し
て源泉徴収分と相殺して、余分に徴収していたら還付し、不足があればさらに徴収
して国に納付する。

 あとがき ヘルパーさんたちが年末調整に悩まされて。元の職場の人々の変わら
ぬ支援に感謝。

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第128号                    2003年12月9日
           週刊/ALS患者のひとりごと


    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-302-9444 FAX 042-302-9443
       メールアドレス hamu@shikoku.interq.or.jp

 イラクとアメリカと日本と

 米軍のイラク侵攻以来、 イラク人の死者は2万1000人から5万5000人、
と核戦争防止国際医師会議のイギリス支部であるメダクトが発表した。報告書によ
ると、イラクの民間人の死者数は、戦争中(3月20日から5月1日)に5708
〜7356人、そして戦後(5月2日以降、10月20日現在)に戦闘行為が原因
で亡くなったのは2049〜2209人。戦争中のイラク兵士の死者数は明確では
ないが、少ない推定値で1万3500人、多いものだと4万5000人と。また、
負傷した兵士の数は死者数の約3倍、さらに民間人の負傷者は7月までで2万人と
の推定。

 イラク人の健康状態は、 5歳未満の子どもの8人に1人が亡くなり、 4人に1
人が慢性的な栄養失調、 新生児の4人に1人が未熟児。 また、出生10万あたり
の妊婦死亡率が294と、 ペルーやバングラデシュと同等値。 さらに、腸チフス
やコレラといった 水を媒介とする疾病が激増、 特に小さな子どもへの影響は大き
いと報告されている。

 イラク戦争開始から今日までに、米兵1700人が脱走とフランスの風刺週刊紙
カナール・アンシェネ最新号(三日付)が報道。「脱走」兵は休暇などで戦線を離
れ、そのまま戻ってこないケースが多い。米軍兵士の実際の死者数を、「国防総省
は隠し続けている(報道によれば11月だけの死者84人、5/1の「大規模戦闘
の終結」宣言以降の死者204人とある)」と強調。さらに手足を失った重傷者が
2200人、精神的な問題で帰国させられた兵士が7000人にのぼっていると報
じている。

 そのアメリカ、ブッシュ大統領が極秘裏にイラクへの2時間の電撃訪問の際、食
堂で兵士たちに食事をふるまうシーンで使われた七面鳥が/報道用のつくりもの/
であったという事実に驚いている。先の捕虜の女性兵士救出をめぐる国防総省あげ
ての情報操作への憤りともあわせて。思えば父親ブッシュの時の湾岸戦争でアメリ
カは、米軍のパトリオットミサイルの命中率がわずか9%であったことを隠したこ
と、油にまみれた二羽の水烏のシーンを油をかけてつくったこともあった。

 /「空爆」とは殺す側の言葉つまりアメリカ側の言葉であること。それは本質を
見誤らせること。殺される側からみればそれは「空襲(空から襲われ傷つけられ殺
される)」であること。/アフガニスタン「戦争」の頃こんなことを書いた。いま
イラクをめぐる深刻な情勢の中で小泉首相をはじめ口をそろえて「日米同盟」の重
要性を口をそろえて強調している。しかしアメリカの空爆がアフガニスタンの人々
には空襲となるように見方をかえてみる。日本にとって唯一絶対の「日米同盟」も
アメリカにとっては数十の軍事同盟のひとつにすぎない。どんなにオンリーユーと
叫ぼうともアメリカにとってはワンオブゼムにすぎない。小泉首相のブッシュへの
隷従まがいの態度はあたかもよい子競争をする小学生に似ている。滑稽だが悲しい


 あとがき 災害、紛争、戦争いずれの場合も犠牲は弱者に集中する。平和に特に
敏感でありたい

 cf.イラク戦争

UP:2003 REV:0228,0305,08,13,16,23,30,0408,17,23,0505,10,21,0615,0701,10,18,24,0801 0908,10,23 1001 1116,30 1211
佐々木 公一  ◇ALS 2003  ◇ALS
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