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『週刊/ALS患者のひとりごと』2001

佐々木 公一



◆2001/01/08 『週刊/ALS患者のひとりごと』035
 21世紀を平和の世紀に/1
◆2001/01/22 『週刊/ALS患者のひとりごと』036
 いのちの重み5/呼吸器をつけて生きる・上
◆2001/01/29 『週刊/ALS患者のひとりごと』037
 いのちの重み6/呼吸器をつけて生きる・下
◆2001/02/05 『週刊/ALS患者のひとりごと』038
 マンション買っても馬買っても調査なし
◆2001/02/12 『週刊/ALS患者のひとりごと』039
 そんなアメリカ
◆2001/02/19 『週刊/ALS患者のひとりごと』040
 笑われている、世界中で!
◆2001/02/26 『週刊/ALS患者のひとりごと』041
 あれでも総理になれる/首相の資質
◆2001/03/12 『週刊/ALS患者のひとりごと』042
 終着駅もまた「密室」。だが
◆2001/03/26 『週刊/ALS患者のひとりごと』043
 沖縄、米軍、自衛隊、犯罪
◆2001/04/02 『週刊/ALS患者のひとりごと』044
 薬害エイズ新判決に思う
◆2001/04/16 『週刊/ALS患者のひとりごと』045
 責任
◆2001/04/23 『週刊/ALS患者のひとりごと』046
 ALS日誌13/死にたい人などいない、いるはずがない
◆2001/05/04 『週刊/ALS患者のひとりごと』047
 憲法、5/4、マルクス
◆2001/05/21 『週刊/ALS患者のひとりごと』048
 府中地域福祉を考えるわの会での挨拶
◆2001/05/28 『週刊/ALS患者のひとりごと』049
 ALS1/筋萎縮性側索硬化症
◆2001/06/04 『週刊/ALS患者のひとりごと』050
 ALS2/筋萎縮性側索硬化症の原因
◆2001/06/11 『週刊/ALS患者のひとりごと』051
 ALS3/筋萎縮性側索硬化症の症状
◆2001/06/18 『週刊/ALS患者のひとりごと』052
 ALS4/私の場合1
◆2001/06/21 『週刊/ALS患者のひとりごと』053
 ALS5/私の場合2
◆2001/06/25 『週刊/ALS患者のひとりごと』054
 ALS6/私の場合3
◆2001/06/28 『週刊/ALS患者のひとりごと』055
 ALS7/私の場合4
◆2001/07/02 『週刊/ALS患者のひとりごと』056
 ALS8/私の場合5
◆2001/07/09 『週刊/ALS患者のひとりごと』057
 ALS9/私の場合6
◆2001/07/19 『週刊/ALS患者のひとりごと』058
 ALS10/私の場合7
◆2001/07/23 『週刊/ALS患者のひとりごと』059
 ALS11/続私の場合1
◆2001/08/02 『週刊/ALS患者のひとりごと』060
 ALS12/続私の場合2
◆2001/08/10 『週刊/ALS患者のひとりごと』061
 ALS13/続私の場合3
◆2001/08/17 『週刊/ALS患者のひとりごと』062
 ALS14/続私の場合4
◆2001/08/27 『週刊/ALS患者のひとりごと』063
 忘れないうちに/靖国/
◆2001/09/03 『週刊/ALS患者のひとりごと』064
 インドへ行ってきました/高遠文恵さん
◆2001/09/14 『週刊/ALS患者のひとりごと』065
 岡山の山中から/赤井伸介さん
◆2001/09/27 『週刊/ALS患者のひとりごと』066
 「いかなる場合においても、一度この限界をこえると、際限もない遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白」であり「それは窮屈であっても、不便であっても、憲法九条の存する限り、この制限は破ってはならないのであります」
◆2001/10/04 『週刊/ALS患者のひとりごと』067
 オサマ・ビン・ラディンという男
◆2001/10/12 『週刊/ALS患者のひとりごと』068
 アメリカ、ブッシュ、武器、戦費
◆2001/10/19 『週刊/ALS患者のひとりごと』069
 戦争とアメリカ
◆2001/10/29 『週刊/ALS患者のひとりごと』070
 死ぬな!人も死なすな!
◆2001/11/12 『週刊/ALS患者のひとりごと』071
 再出発/わの会のこと
◆2001/11/28 『週刊/ALS患者のひとりごと』072
 老人をどう扱うかによって、その社会の原理と目的の−しばしば注意深く隠蔽された−真実の姿を赤裸々に露呈する


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第35号                   2001年1月8日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

   21世紀を平和の世紀に/1

   日清戦争は2億円、日露戦争は17億1600万円、戦争経費の総額である。のちの
支那事変は20億2000万円。数字がぴんとこないが、これで終わらず、結果的には
100億円に達したこと、昭和12年(1937年)の国家予算額が30億7000万円である
こと、その後昭和21年の決算報告によれば臨時軍事費決算はなんと2200億円をゆう
に超える額に膨れ上がってしまった(「書かれなかった戦争論」辺境社)ことをどう
みるか。今に直せば戦争経費240兆円、決算5600兆円となる。 
 海外出兵の歴史を調べてみた。敗戦まで出兵つまり侵略につぐ侵略、改めて驚き
を禁じ得ない。
    海外出兵の年   当時の戦争名   出兵先
    1874年      台湾出兵     台湾
    1882年      壬午事変     朝鮮
    1884年      甲申事変     朝鮮
    1894年      日清戦争     中国・朝鮮
    1900年      北清事変     中国
    1904年      日露戦争     中国・朝鮮
    1907年      朝鮮併合時の討伐 朝鮮
    1914年      第一次世界大戦  中国・南方諸島
    1918年      シベリア出兵   ソ連
    1927年      第一次山東出兵  中国
    1928年      第二次山東出兵  中国
    1931年      満州事変     中国
    1932年      上海事変     中国
    1937年      支那事変     中国
    1941年      大東亜戦争    中国・東南アジア他
 
 21世紀をむかえて不思議に思う。戦後55年のほとんどを戦前の道と同じ陣営
に属する政党や政治家が一貫してこの国を支配し続けていること、さらに『日本国
民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこ
れを放棄する』『……陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は
、これを認めない』……憲法九条に高らかにうたいながら、この国の軍事費はいま
ロシアをも上回り世界第二位にふくれあがっていることである。

 世界の軍事費は1988年の1兆660億ドルから97年の7040億ドルと減
少したが、各地の紛争の増加、激化で再び1兆ドルをこえる勢いという。この国で
も/集団安全保障/の合憲化などをめざし、改憲の動きも急だ。21世紀を平和の
世紀するためなにができるか、急がなければ。

 あとがき あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしく。年末に患
者仲間の佐藤さん一家と伊豆熱川に二拍三日の旅。ヘルパーさん、ボランティアさ
んなど総勢12人で。天気よく温泉にも三回つかる。軍事費問題は重要かつ関心を
強く持っている。追求したい。


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第36号                   2001年1月22日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

いのちの重み5/呼吸器をつけて生きる上

 昨年4月JALSA東京都支部が開いた患者交流集会で、/呼吸器をつけて生き
ることは人間らしくない/と主治医だけでなく東京の大学病院で言われ混迷してい
るという涙ながらの報告があった。この医者たちのいうように/人間らしく呼吸器
をつけず/に生きるということは、書物にあるように3年から5年で呼吸筋麻痺で
死ぬということになる。希望の会の仲間5人が昨年立て続けに亡くなった。私と同
じ病室で気管切開したSさんもまた呼吸器をつけることなく、昨年亡くなっている。
ところで/呼吸器をつけて生きることは人間らしくない/とは/患者の病状への評
価ー呼吸器をつけてただ生きるだけで人間らしいといえるか/ということの他に/
呼吸器をつけると介護が大変、それでもつけるのか/という意味をふくんでいる。

 「今私が言えるのは、"人工呼吸器"を付けても、"生きて"いれば、苦しい時も悲
しい時もあるけれど、きっと喜びもある」「ALS患者が生き続けなければ、原因
究明は遠退くばかりです。/50人近い呼吸器装着患者にお会いしましたが、着け
ない方が良かったと言う人に会ったことはありません」呼吸器をつけてたくましく
生きる仲間の声である。どういう生き方を「人間らしい生き方」と考えるかは自由
だが、「呼吸器をつけて生きたい。死にたくない」という患者がいれば、その実現
に努力するのが医療の役割だと思う。だが現実は、私の経験でも、介護の大変さが
強調され/つけるとは言いにくい環境/がつくられたように思われる。/呼吸器を
つけるなら、うちではみない/という病院が実は少なくないのだ。そして/呼吸器
を推進する/医者も少数なのだ。第一の論点、前途依然きびしい。

 第二の論点にうつる。しかし現実は長期に医療を必要とする難病患者にとり極め
て厳しく、どの医療機関でも呼吸器をつけた患者に対する十分な受け入れ体制がな
い。ここから/介護が大変/という第二の論点がうかびあがる。この問題はさらに
・介護一般の大変さと・いわゆる/医療行為問題ー排痰、浣腸などの行為を家族以
外のものがやってはならないというものーに大別される。介護の大変さについてい
えば、確かに介護する側の負担は想像以上のものがあり、中途半端な気持ちではす
べてが不幸な結果になるだけだろう。けれども回りに負担をかけたく無いから、人
工呼吸器を付けずに窒息死を選択するとしたらなんと悲しい選択であるだろう。こ
の課題、患者家族に押し付けるのは、あまりにも重すぎる。(以下次号)

 あとがき 「政治家は金がもうかる」こう言って逮捕され首になったのは山本元
議員、ややコソ泥的であったが、KSDや外務省機密費に群がる政治家や役人には恒常
的継続的権力的悪質さがある。希代の大泥棒石川五右衛門は/石川や浜の真砂は尽
きるとも世に盗人の種は尽きまじ、と笑っているだろう。聖徳太子は/財物は亡び
易くして永く保つべからず。ただ三宝の法は絶えずして永く伝うべし、と泣いてい
るかもしれない。見舞いの先輩や友人たちから/もっと病気のことを書け/と批判
と注文があった。患者が、生きられるのに死んでいく現実に、言うべき言葉がない
。ALS患者をとりまく環境はことのほかきびしい。

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第37号                   2001年1月29日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
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いのちの重み6/呼吸器をつけて生きる・下

 2000年4月8日毎日新聞は、厚生省は、医療法上認められていないホームヘルパー
の簡単な医療行為について、介護現場での判断に任せて黙認する方針を固めた、と
報道した。これまでも利用者や家族の要望で、ヘルパーがたんの吸引などを違法に
行わざるをえないケースがあり、しばしば混乱が発生。このため総務庁は介護保険
制度の導入を機に、法的にヘルパー業務を幅広く認めるよう同省に勧告していた。
医療行為は医師法などで医師や看護婦などに限られる。しかし、総務庁が一昨年以
降、事業者などを対象にした行政監察でホームヘルパーの業務を調べた結果、家族
らから傷口のーゼ交換や体温・血圧測定、たんの吸引などの医療行為を求められる
ことが多く、処置を断ってトラブルになるケースもあった。ーだがその後報道はな
い。

 2000年4月、問題の介護保険が数多くの問題点を残してついに実施された。
/吸引がしてもらえなくなった//湿疹部にかゆみ止めを塗ることも出来ない//
床ずれの手当ても消毒はだめ/など重度の在宅患者に様々な困難をもたらした。そ
して発生した多くの問題は解決していない。

 そこで改めて問題点を整理してみたい。第一は、いわゆる医療行為が法律にふれ
るのは、その行為を反復継続しなおかつ業としている場合であるから、ヘルパーの
行為は該当しない。第二に、緊急避難としておこなう行為は救命行為であり、法律
にはふれない。第三に、現在病院での長期療養は不可能であり、在宅療養は必然で
ある。だからそこから発生する必要事は本来国の責任で満たすべきものである。つ
まり需要にみあう訪問医療の実現は国の責任なのである。第四に、ヘルパーのやむ
をえざる医療行為はだから行政の不備をやむをえず補う行為なのである。さらに強
固な信頼関係にもとづくその行為に、告訴などの概念の入り込む余地はない。第五
に、結論的にいえば、・国はすべての在宅療養者の必要を満たすべく訪問医療とり
わけ訪問看護体制を整えること。・整うまでの期間は、やむをえざるヘルパーの医
療行為を認めること。・いわゆる医療行為についての概念を広く民意を結集し検討
しなおすこと。 

 あとがき なんというおろかなことをと思わざるをえない。諫早湾をめぐる迷走
をみると政治とはなにかを改めて考えてしまう。2950億円もをつぎこみその結
果生まれたものは生態系の破壊、有明海漁業への深刻な打撃。だからどぶに捨てた
よりまだ悪い。そして今視察に向った大臣が/水門を開けることも検討/という。
自分の属する政党のつくる政府の暴挙への一片の反省もお詫びもなきこの言葉、驚
愕を感じる。扇大臣の/成田は遠すぎる/発言も同じ。成田の農民に強いた大きな
犠牲、流されたおびただしい血、失われたたくさんの命・・・。そして強行したの
は扇大臣も長くいた自民党政府。こんな政治はないほうがよい、と思えるのはなん
と不幸な国だろう。諫早湾をみわたす友の実家に泊めてもらったのは10年前、成
田に何回か支援に行ったのは30数年前、ひと事ではないのだ。変革は急を要する
。医療行為問題は内にむいては解決しない。医療関係者との広範な団結も不可欠だ
。もともと政治の貧困に真の原因があるのだから。

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第38号                   2001年2月5日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
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  マンション買っても馬買っても調査なし

 横浜中華街の有名店の脱税が大々的に報道された。毎年税金申告期を前にした/
みせしめ/報道である。もちろん売り上げを隠した明白な脱税行為は許されるもの
ではなく、修正申告は当然であろう。だがこの種のニュースのみかたとして、他に
ももっと悪質なものがいるはずなのに何故という視点が必要と思う。がここではふ
れない。取り上げたいのは/愛人とともに現金で購入した8000万円のマンショ
ン//あけみなんとかという競走馬14頭購入//愛人に4000万円/さらに/
5億円をこえる預金の出し入れ/この件である。これらに対して税務署/国税局は
何をしているのか、気になるところだ。
 
 ところで現在不況にあえぐ自営業者や一般納税者には、容赦ない税金調査がすす
められている。調査対象にされた時、金の流れは徹底的に追及される。例えば・銀
行調査を行い、年間の預金量の増減と借入金の有無、増減を調べる。・自動車、機
械等の買入、買い替え、代金の支払い状況について調べる。・土地、家屋の購入や
新・増築について調べる。・家族構成、生活費等について聞く。・地代、家賃など
について聞く。・その他まとまった資産の取得や冠婚葬祭、子供の入学・進学など
財産の増減にかかわりのあることについて聞こうとする。こんな風に徹底的に追及
される。
なぜ松尾は見逃されてきたのか。
 
 いま遅れた38号作成中に/巨額の官房機密費を横領した疑いが持たれている松
尾克俊・元外務省元要人外国訪問支援室長(55)に対し、東京国税局は7日午前
、税務調査に着手した/というニュースにであった。だがなんという遅さだろう。
/99年6月、松尾元室長の銀行口座に不可解な巨額の入金があることを察知し/
ていたらしいが、それもあまりに遅い。逆に考えれば、警察ざたがなければ税金面
ではすべて見逃されていたことになる。上述したような一般納税者や自営業者への
きびしさとなんという違いだろう。

 かつて税務署勤務の友人が/ある政治家の調査で修正申告額も決まり最終書類を
提出した翌日、あの件は終わり/とすべてをとりあげられ、怒りにふるえていたの
を思い出す。税務調査をやってはいけないいくつかの集団があることも教えてもら
った。政治家も当然はいっていた。松尾元室長の場合まさに政治の中枢におり、税
務署など眼中にないが故の乱暴狼藉であったのだ。ただし事件そのものは、便利屋
の思い上がり的側面が強く、背後に政治家やキャリアがうごめいているにちがいな
い。それにしてもこの国の税制のなんと/強きを助け、弱きをくじいている/だろ
う。まったくの無権利状態で働くヘルパーさんたちの例えば扶養控除内に収入を押
さえる苦労などをどう見ればよいだろう。

 あとがき /開けてやるさ/諫早湾視察中の地元の人々の願いへの谷津農水大臣
の返事である。ニュースのひとこまだが、ごう慢そのもののその顔に怒りがわいて
きた。2950億円もの浪費への反省もお詫びもなく。2月4日希望の会の例会に
奥さんが昨年告知されたご夫婦が参加された。私たちからみればまだなんでもでき
るのに、と思えるが、振り返るとこの頃の心のケアが最も大切なのに最も不足して
いるのは悲しいことだ。お互いに顔をあわせるのが一番いいようだ。 

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第39号                   2001年2月12日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
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  そんなアメリカ

 その1/ハワイ・オアフ島沖で、愛媛県・宇和島水産高校の実習船と米原子力潜
水艦が衝突、実習船は沈没、乗っていた三十五人のうち二十六人は救助されたが、
実習船は海底に沈み、実習生四人を含む九人の行方が分かっていない。六○○○ト
ン余りの「最新鋭型原潜」により五○○トンに満たない小さな実習船が「切り裂か
れるように壊れ、ひとたまりもな」く粉砕された。
 その2/在沖縄米軍トップのアール・ヘイルストン4軍調整官が部下への電子メ
ールで稲嶺恵一知事らを「頭の悪い弱虫」と批判。
 その3/在沖縄米海兵隊員の連続放火事件と犯人引き渡し拒否。女子高生への強
制わいせつ事件、女性スナック経営者への障害・器物損壊事件。
 その4/まだ私たちの脳裏から消えることのない沖縄のアメリカ兵による少女暴
行事件、さかのぼって青信号をわたる途中でひき殺され、犯人は無罪にされた上原
中学校二年の国場君事件、六才の幼女が乱暴され、草をにぎりしめながら殺され、
海岸にすてさられた由美子ちゃん事件(これも犯人無罪)、薬莢(やっきょう)ひ
ろいの主婦が狙い撃ちにされた事件など、沖縄の人たちには、瞬時に脳裏にうかぶ
事件の数々。七二年の本土復帰以降の米兵犯罪は約五千件に達し、そのうち一〇%
以上は凶悪犯罪(殺人は十三件)。
 
 に何故?
 免税/米軍は、所得税、法人税、贈与税、相続税、石油税、消費税など一〇種類
の国税を免除されている。米軍は、事業税、不動産取得税、自動車税、都道府県民
税、市長村民税、固定資産税など一五種類の地方税を免除されている。米軍は消費
税を払っていない。消費税法特例法(八六条)により、米軍の権限ある機関が発行
する証明書があれば、免税で品物を買うことができる。
 公共料金免除/電話、電信、電波の使用は無制限に自由。道路運送法の特例によ
り、高速道路料はいっさい無料、車検もナンバープレートも不要。米軍がおこした
交通事故の損害賠償の四分の一を日本が負担している(日本側にも責任がある場合
は二分一)。たとえば九〇年四月から九四年一二月まで一七三〇件の事故に対して
、八億九千万円もの負担をしている。
 在日米軍駐留経費と思いやり予算 在日米軍駐留経費は六六一九億円、米兵一人
あたり一六七〇万円、九九年度予算である。いま在日米軍基地には約二三五〇〇人
の日本人労働者が働いているが、その給与や社会保険料などすべて日本が地位協定
に反して負担、米兵の電気、ガス、水道、下水などもあの金丸信を名付け親とする
おもいやり予算として、七八年以来負担しつづけている。
 九九年の思いやり予算 日本が日米安保条約のとりきめの上でも負担する義務の
ない米軍駐留経費である「思いやり」予算は、一九九九年度予算で二千八百七十七
億円。例えば福利厚生施設としては家族住宅二百二十戸のほか、運動施設(体育館
=青森・三沢基地、ゴルフネット=神奈川・座間基地)や将校が利用する「クラブ
」(三沢基地)や「教育施設および図書館」(沖縄・キャンプ・シュワブ)などを
建設している。

 あとがき ハワイの事故、後の報道で/その時民間人が重要な舵を握っていた/
に驚きと新たな怒りが渦巻いている。就任した頃の森首相について調べた友人が/
いろいろ調べたが単なるばかだとわかった/とあきれていた。サメの脳とのうわさ
もあるがもしかして本当かもしれない。改めて思う/一人あたり30万円に満たな
い難病対策予算と米兵1人1670万円の出費を。

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第40号                   2001年2月19日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
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  笑われている、世界中で!

 辞める前にと思いあの森首相のホームページをのぞいてみた。こんな立派な、そ
して殊勝なことを言っている。「政治家たるもの、滅私奉公と公平公正の姿勢を貫
かなくてはならないと思っ ている。」「自分の人生は、挫折とそれを乗り越えるこ
との繰り返しだった。しかし、人生はラグビーのボールのようなものだ。楕円球は
どこに転がるかわからないが、チャンスは必ずやってくる――。」なるほどといい
たいところだが、ゴルフのことや連日の料亭通いの赤ら顔がうかんでつい笑ってし
まう。さらにラグビー部をたった4か月でやめた男の言葉と思うとまた可笑しい。
そう長くないこの文章、しかし自分で書いていない。可笑しいけれど悲しい。
 
 新聞をみていたらサラリーマン川柳というのがあった。なかなかおもしろい。森
首相関連をひろってみた。「『い まゴルフ』だったらすぐ来い/またシュータイ」
「『任せた』は『俺は知らん』の丁寧語」 「次々と口をすべらし/アイム総理」
「金メダル/オレにもとれる/投げやりで」。インターネットにこういうジョーク
が流れていた。/首相は三日やったら辞められませんわ。今、議員を辞めてもかな
りの額の退職金が支給されますし、棺桶に入るまで毎月120万円の首相歴任手当とい
うのが出るんですよ。/

 世界中が笑っている。次はワシントンポストの記事。当日の行動と/彼はゴルフ
のスコアはのばしたが、国内の評判を落とした/という意味。こんなニュースが世
界をかけめぐった。事故への国ぐるみのゆるみとみられてもやむをえまい。
TOKYO, Feb. 12 -- Japanese Prime Minister Yoshiro Mori was on the golf
course
   Saturday when he heard about the collision between a U.S. submarine
and a
   Japanese fishing ship carrying high school students. He kept playing.
   His perseverance may have improved his game, but his score at home
is suffering.

 <失敗の最たるものは、何一つそれを自覚しないことだ>
 午前八時四十七分海上保安庁へ事故第一報、午前十時 十五分ごろ、海上保安庁か
ら首相官邸の危機管理センターに事故連絡、十時半ごろハバード米国務副次官補が
、柳井俊二駐米大使に電話で遺憾の意を表明。十一時ごろには、クレーマー米国防
次官補が同じく謝罪。米国の事態の深刻さの認識と我が国政府のそれとの余りに大
きな落差が気になってしかたがない。新聞にこうあった。/英国の歴史家、思想家
カーライルが名言を残している。<失敗の最たるものは、何一つそれを自覚しない
ことだ>/
 
 ALS日誌9 最近の体調で首の筋力の低下に苦労している。あわせて左手もやや不
調でパソコン操作に時間がかかっている。よい方法をみつけたい。17日JALS
A東京支部役員会があった。患者は5人いるが、全員気管切開でその場での討論参
加は困難。こんな中患者の意見をくみつくすためはなにが必要だろうか。

 あとがき だが笑っている場合ではない、そんな雰囲気の広がりを感じるが。あ
いかわらず、で終わらないように。少し春を感じるこの頃、外へ、旅へと思いつの
る日々というところ。

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第41号                   2001年2月16日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  あれでも総理になれる/首相の資質

 ふる里香川の四国新聞のコラムにこんな文章があった。/まだ自民党の幹事長を
務めていたころ、間近で話を聞いたことがある。面白い話を連発して居並ぶマスコ
ミ関係者を笑わせたが、オフレコ前提とはいえ、話の内容は不謹慎極まりない内幕
話ばかり。情けない気分だった。とんでもない人だね―と古参記者に尋ねると、「
もっととんでもないのは、あれでも総理になれると信じていることだよ」と答えた
。まさか冗談だろ―と言うと、「まさかで終わればいいけどね」と彼は真顔で答え
た/。小沢一郎が/あのバカ/と呼び続けた男、党内外でその存在感のなさを名前
の音読みにかけて/蜃気楼(しんきろう)/と呼ばれ続けている男をめぐる実話で
ある。

 別の記事でその意識を分析している。/意識にも表層と深層があるとすれば、そ
の人の言動は、そのバランスの結果とみることができる。歴史認識に関する失言を
繰り返し、批判を浴びた森首相の場合、そのバ ランス感覚がずれていた▼歴代の首
相で森首相ほど読書と縁遠い人はいないと言われる。首相周辺によると、まとまっ
た本を読んでいるところを見たことがないという。歴史認識を鍛え、そのバランス
感覚を磨くのも読書が大きな糧となる/。こういう人間を総理に祭り上げた罪もま
た重い。

 しかしながら村長、町長をやった祖父の七光りとはいうものの、こんな男が32
歳で衆議院議員になり、つづいて総理府総務副長官、内閣官房副長官、文部大臣、
通商産業大臣、建設大臣を歴任、あろうことか首相にまでのぼりつめている。党内
でも総裁や幹事長をはじめ要職に就いている。この国の政治と政界のありように驚
きを禁じ得ない。/強きを助け、強きにおもねる/生きざまがその生い立ちから十
分読み取れるが、不幸なことにこの種の人間結構多い。

お知らせ/第4回ヘルパー会議のご案内
 おかげさまで退院してから丁度1年がたちました。この間何ごともなく無事にす
ごしております。皆様の親身なそして行き届いた介護、看護に改めて心より感謝を
申し上げます。首題の会議へのご参加をお願いします。なお4時から会議、6時か
ら食事会としませんか。
 時 3月3日午後4時より 所 佐々木宅/府中市四谷 
 
 ALS日誌10 退院後いつの間にか1年がたち、発症からは5年めをむかえる
。病気の進行はほぼ教科書的なのだが、以来不思議なことに病気らしい病気にかか
っていない。風邪さえひいていない。花粉症がなおり、水虫がなおった。治療薬開
発の速度も上がっており、/その日/に耐えうる体力をと願い努力している日々と
いうところ。
 あとがき /強きを助け、まず我が身/という人種、結果論的にも政治の世界に
随分多い。納税者は悲しい。春到来、花見、旅行、看護学生の新旧コンパなど計画
したい。みなさんご一緒に。

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第42号                   2001年3月12日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

  終着駅もまた「密室」。だが

 森政権は、小渕恵三前首相が緊急入院した直後に、野 中広務前幹事長やKSD
汚職事件で逮捕された村上正邦前参院議員会長ら、いわゆる五人組による「密室協
議」 で誕生したが、その退陣劇もまた「密室」が舞台だ。「密室」で生まれたもの
の運命、やはり終着駅もまた「密室」のようだ。それにしてもこれほど世論と乖離
した政争、歴史の中にもほとんどないのではないか。自民党大会でみるとその党員
の大半がそっぽを向くと言う異常さも加えて。
 
 この号作成中にたまたま34チャンネルが自民党大会を中継しており森首相のあ
いさつを全部みた。誰がどう聞いても辞めるとはとれない、むしろこれから羽ばた
こうとするかのごとくだった。恐らくマスコミは「事実上の辞任表明」と書き、森
首相は「辞めるとは言っていない」となるのだろうが、むなしく悲しい。彼の尊敬
するじいさま/村長、町長九期連続無投票当選の記録保持者/が天国でそのねばり
に感心する結果になるかもしれない。おおかたの予想をこえて。
 
 テレビ、テレビ
 土曜日夜10時から/ブロードキャスター/というニュース番組がある。中頃の
時間帯にその週のテレビ画面に出た実時間をランキングで示すコーナーがある。驚
いたのだが、ほとんどが結婚、離婚、スキャンダルで、先週は政局とホノルル沖実
習船事故以外はすべてそうだった。3週連続でみたが傾向は変わらない。とにかく
ウィークデーの昼間、画面は芸能界であふれている。今外国人がみたら/この民に
してこの首相/と感心するだろう。

 ALS日誌11 3月4日希望の会役員会に昨年3月42才で亡くなった藤沢さ
んの奥さんが亡くなってから初めて参加された。10日には東京支部の役員会が練
馬区であった。ALS患者にとり様々に困難は多いが、なかでも在宅療養をめぐる
問題は、訪問看護やヘルパーの体制、さらに医療行為問題も加わり深刻さを増して
いる。介護保険の欠陥部分と石原都政の福祉切り捨てが追い討ちをかけている。
 
 あとがき 自民党大会で古賀幹事長が/自ら/を/みずら/と読んでいた。いま
森首相もよく使う/一生懸命/という言葉がやたら使われるのできにかかる。文字
の通りに、命がけで一生がんばれば、途中で死ぬかノイローゼになるくらいだろう
。辞書には/一所懸命/から派生した言葉とあり、間違いではないらしい。ついで
に/聖路加病院/は/せいるか/と読むそうだ。中央自動車道の/須玉インター/
はすたま/と読む。ところで自民党、森首相の/花道/づくりに躍起だ。だが何か
間違っている。/花道とは、人に惜しまれて引退する時/とある。さて。


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第43号                   2001年3月26日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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   沖縄、米軍、自衛隊、犯罪

 自衛隊幹部隊員による少女暴行事件がおこった。/自衛隊よお前もか/と怒りが
広がっている。/基地・軍隊を許さない行動する女たちの会の高里鈴代共同代表は
「国を守るという名目でいる人間が目の前の少女にむき出しの暴力をふるった。こ
れが軍隊の本質を露呈した事件だ」と指摘、軍隊が持つ暴力性を非難した/と沖縄
タイムスは報道している。太平洋戦争当時日本全体の犠牲として島ぐるみ玉砕を強
要され人口4分の3を失い、しかもその多くが自決強要をふくめて日本兵に殺され
ると言う特別の過去を持つ沖縄での自衛隊員の犯罪だ。
 
 ずいぶん前だが、沖縄を旅行した時、一面に広がる墓地に案内され説明を受けて、
    否(いな)!むしろ祖国の兵に殺されし 民びと哀れ秋の風吹く
と手帳に書いた。コザ基地第4ゲート前で、有名な/コザ暴動/で焼いたのは米軍
ナンバーの車だけ、と聞かされ感動したことを思い出す。
 
 この号作成中に/19日午後9時ごろ、キャンプ・コ ートニー内でピザを配送中
だった日本人従業員二人の乗った車両に向けて兵舎の二階からプラスチック弾が発
射され、車両の後部窓ガラスに当たった。走行する従業員に向けて懐中電灯を照ら
し、加害 者と従業員の目が合った瞬間、発射したという/とのニュースに接した。
米軍基地、縮小ではなく撤退こそが必要だ。
 
 振り返ると95年に米兵による少女暴行事件が起きたとき、県民はこぞって米兵
犯罪の根絶、日米地位協定の改定、基地の整理・縮小を要求した。だがその後も犯
罪はくり返し起きている。沖縄県の統計によれば、凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、風俗
犯等々の米軍犯罪の検挙数は、95年から99年の5年間で239件にのぼる。な
お72年の本土復帰以降の米兵犯罪は約5千件に達し、そのうち10%以上は凶悪
犯罪(殺人は13件)となっている。死に体の身でブッシュ大統領に/日米関係の
維持強化/を誓う森首相にこの現実見えているだろうか。

 ALS日誌12 3月18日三鷹武蔵野保健所で、JALSA東京都支部三多摩
ブロックの三鷹武蔵野地域の集いがあり参加した。患者家族や専門職の人たち60
人近くが参加、それぞれの報告と悩みの相談に医者が答えるかたちで集いはすすめ
られた。告知間もない患者家族の絶望的深刻さと長期の療養を経ている患者の目的
や生きがいをもった明るさが対称的に感じられた。主治医の最初の一言、つまり初
期指導がその後の療養生活を決定付けるとの感を改めて深めた。キーワードは/A
LSは筋力、体力は失うが、考える力は失わない/ということ、これをどうみるか
だ。杉並の佐藤さんが肺炎で入院され気管切開もしたが呼吸器をつけることなく元
気に退院された。わがことのようにうれしい。他方でまたひとり希望の会の仲間が
亡くなっている。

 あとがき /この期におよんで学生はなぜ動かないのか/という声が時々聞こえ
る。確かにマスコミをとおしての動きはほとんど見えない。1968年4月王子野
戦病院への反対デモから私の学生運動ははじまった。舞台は神田駿河台、いま後輩
たちのそれは多摩八王子の山の中。時とともに大きな違いもあるのだが。春いよい
よ本番、旅を、花見を積極的に楽しみましょう。


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第44号                   2001年4月2日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  薬害エイズ新判決に思う

 1996年に/約5000人の血友病患者の約2000人がエイズウィルスに感
染し、400人が非業の死をとげ、今なお3日半にひとりが発症し、4日にひとり
が死んでいる/と書いて薬害エイズ年表をつくり少し詳しく調べたことがある。そ
して今死者は500人をこえている。患者数は竒しくも私のALSと同じ、そして
同じように死んでいる。だが決定的な違いがある。かれらは/殺されている/のだ
から。

 以下医学辞典は詳しすぎるので大辞林で調べてみた。
 血友病/血液凝固因子の欠損のため、出血傾向をきたす遺伝性疾患。伴性劣性遺
伝のため、男性に現れる。
 伴性遺伝/性染色体の遺伝子の支配による遺伝。性染色体上に性決定に関与する
遺伝子以外のものがある時におこる、性と密接に関連した遺伝現象。ヒトの赤緑色
盲・血友病。
 劣性遺伝/ある形質が劣性の遺伝子によって発現する遺伝。形質が表に現れるの
は固体が劣性の遺伝子をホモにもつ場合に限られ、ヒトでは白子・フェニルケトン
尿症・先天性聾などが知られる
 ホモ/同種・同形の意味で、同一の遺伝子が同一の細胞中に対になって存在する
場合をいう
 エイズ/後天性免疫不全症候群。病原体はウィルス。性交・輸血・血液製剤の輸
血などで男女とも感染する。免疫機構が破壊され、通常なら発病しない細菌やウィ
ルスでも発病し、カボジ肉腫など悪性腫瘍を合併する。死亡率が非常に高い。
 カボジ肉腫/皮膚の悪性腫瘍の一つ。皮膚表面がただれて出血しやすくなる。
 エイズ患者に発生しやすく、中高年の男性に多い。多発出血性肉腫。
 濃縮製剤/数十人〜数万人以上の血液からつくる(非加熱)。
 クリオ製剤/小人数の血液からつくるため、より安全と考えられていた。

 ミドリ十字を中心とする製薬会社がこの濃縮製剤(非加熱)を売り続けた。その
結果血友病患者へ薬害エイズが広がり500人が亡くなり、1400人をこえる人
たちが今なお死の恐怖とたたかいつづけている。裁判の冒頭陳述で「背景」が強調
された。安部被告には製薬企業との金銭的密着と企業の損害を防ぐ配慮があり、松
村被告には自己保身や回収に伴う企業の損失を避けたい意識があった、と。「産・
官・医」の癒着による複合薬害犯罪、安部被告への無罪判決にもかかわらず「医」
「官」の罪あまりに深い。

 あの原潜グリーンビル
 えひめ丸と衝突した原潜グリーンビル(SSN772)は、最近でこそ日本の港に入港は
していないが、98年後半に延べ40日近い寄港を繰り返していた。
 98. 7.31 〜 8. 1  横須賀、9.27 〜 10.12  佐世保、10.22 〜 11. 4
  横須賀、11.14 〜 11.19  横須賀、12.20  ホワイトビーチ

 あとがき 小さな庭の木々の緑が小さく芽吹いてきた。姫りんごが元気に鮮やか
に芽吹ている。りんごの木は先端の大きな芽がもうすぐ開こうとしている。梅は花
の後から芽が開き初めている。ザクロ、花みずき、いちぢくなどの芽はまだかたそ
うだ。近々山梨へ桃の花見に行きたい。


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第45号                   2001年4月16日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  責任

 94年当時すなわち住専への税金投入/思えば今なお続く金融機関へのはてしな
い税金投入の突破口であった/がされたころ、主な銀行幹部の年収と退職金はつぎ
のとおりであった。銀行関係者の年収(94年分推計・週刊ポスト調べ)は、三菱
・若井恒雄頭取9802万円、興銀・黒沢 洋頭取9666万円、富士・橋本徹頭
取8767万円。当時の頭取の退職時の退職金(予定・週刊東洋経済調べ)は、住
友・巽外夫会長6億4千万円、三菱・伊夫伎一雄会長5億9千万円、さくら・末松
謙一郎会長5億3千万円。これらの事実にふれもせず、ましてや返還を求めること
もない税金投入のくりかえしに、改めて怒りがわいてくる。

 伝えられる自民党総裁選の最大の争点となる不良債権処理、では不良債権とはな
にか。要するに銀行が貸した金のうち返済不可能なものである。不思議に思うのは
、これらの不良債権があたかも自然に発生したかのような扱いのしかたである。す
べての債権には担当者がおり決済したものがいる、つまり不良債権それぞれの責任
の所在は明らかなのに追及されない。高額の年収や退職金は維持しつつ税金での補
填を受ける、こんなばかなことがまかり通っている。責任を求めよ、高額の年収や
退職金などの過去にさかのぼっての返済を求めよ、税金投入の前に。声を大にして
言いたい。

 /失われた10年/という不思議な言葉がある。奪った者は誰かが問われなけれ
ばならない。それは当然世の中の指導的位置にいる人たち、中でも政治の責任は重
い。竹下登 、宇野宗佑、海部俊樹、宮澤喜一 、細川護煕、羽田孜、村山富市 、橋
本龍太郎、小渕恵三 、森喜朗これらの者たちこそ失政につぐ失政により日本国民か
ら/10年/を奪った真犯人に他ならない。自民党総裁選を前に票集めのための/
橋本龍太郎のお詫び/は笑止。改めて責任をとりなおせ、と言いたい。

 いま小渕前総理の相続財産6億円とのニュースが流れた。この人たちの表向きの
収入を調べてみた。現在1人の国会議員に支払われる歳費(給与)は月額137万
5000円で、ボーナスは約747万円。それ以外に「文書通信交通滞在費」が月
額100万円、「立法事務費」が月額65万円(各会派に人数分支給)あり、すべ
て含めれば年間、約4437万円が税金から賄われている。在職25年に達すれば
「特別交通費」として月額30万円が追加される。その他にも様々な特典があるが
すでに書いた。これに加えて国務大臣は月額168万円とボーナスが、総理大臣は
月額 234万4000円とボーナスが与えられる。様々な特典までは調べられなかった。
 
 1998年12月10日支給のボーナスの額である。内閣総理大臣692万円 、最高裁
長官697万円 、衆参両院議長630万円 、国務大臣505万円 、国会議員37
5万円 、東大学長416万円 、事務次官407万円 、局長クラス310万円 、
審議官クラス264万円 (1000円以下切り捨て)。その責任、はたされている
か。

 あとがき 9日瑞穂へ52歳男性患者のお見舞い、14日JALSA東京都支部
役員会、15日希望の会定例会、16日JALSA山梨支部の仲間と桃の花見。色
々ある。次号に書く。


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第46号                   2001年4月23日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
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ALS日誌13/死にたい人などいない、いるはずがない

 3月18日三鷹武蔵野保健所で、JALSA東京都支部三多摩ブロックの三鷹武
蔵野地域の集いがあり参加しました。患者家族や専門職の人たち60人近くが参加
、それぞれの報告と悩みの相談に医者が答えるかたちで集いはすすめられました。
告知間もない患者家族の絶望的深刻さと長期の療養を経ている患者の目的や生きが
いをもった明るさが対称的に感じられました。主治医の最初の一言、つまり初期指
導がその後の療養生活を決定付けるとの感を改めて深めました。キーワードは/A
LSは筋力、体力は失うが、考える力は失わない/ということ、これをどうみるか
がきわめて大切に感じました。

 4月9日瑞穂の52歳男性患者のお見舞いに行きました。患者同士の交流もあま
りなく、ヘルパーをはじめとする制度利用も同じ東京とは思えないほど遅れていま
した。大変な介護を家族に押し付けられないと、呼吸器を拒否しておられます。/
死ぬことを何回も考えました/うっすらと目に涙をにじませ静かに語ります。いま
ある制度の利用を広げること、そして家族介護の可能性とその限界、どのように切
り開いていくか、直面する重要課題です。/家族に迷惑をかけたくないから呼吸器
はつけない/悲痛な声があちらこちらから聞こえてきます。介護との関係、まさに
重要です。

 /死にたい人などいない、いるはずがない/のに、と改めて思います。「すべて
人というものは、第一に生きられるだけ生きねばならぬものなり。第二に、出来ら
るるだけ健康にならねばならぬものなり。第三に研かれるだけ知恵を研かねばなら
ぬものなり。身体、精神すべて発達することの出来るだけはなるべくこれを発達さ
せねばならぬものなり。」明治の思想家植木枝盛はこんなふうに言っています。そ
して憲法25条を引くまでもなくこれらの権利はすべての国民に保障されているの
ですから。

  あとがき 4月15日の希望の会定例会でこんなふうにあいさつしました。こ
の間特に/家族に迷惑をかけたくないから呼吸器はつけない/という患者がめだつ
。これが医療関係者によれば/あの患者は呼吸器を拒否しているから/とされる。
怒りがわいて来る。16日JALSA山梨支部北島様のご好意で桃源郷へ。みごと
な桃の絨毯にしばしみとれた。帰りに北島様のお宅にお寄りして奥様の闘病を拝見
、その環境管理のみごとさに圧倒された。すべてをかすかな指の力で管理している
。テレビもステレオもクーラーも。ほとんどを人手に頼る我が身が恥ずかしくなっ
た。

野外バーベキューのご案内
  恒例の/5月はじめの行事/野外バーベキューをおこないます。この日は不肖
わたくし54回目の誕生日、このニュース発行一年、闘病5年などの日に当たり、
日頃の皆様の心あたたまるお世話へのささやかな感謝の意をこめて。みなさんご遠
慮なくおいで下さい。
 5月4日午前10時佐々木宅集合、近くの公園へ


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第47号                   2001年5月4日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  憲法、5/4、マルクス

 学生時代によく/憲法とともにマルクスに先駆けて生まれた/と吹聴したものだ。
そうマルクスの誕生日は5/5。というわけで憲法を考えてみる。

 「みなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にか
かわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、そ
れは大きなまちがいです」。憲法が施行された一九四七年に、文部省が発行した「
あたらしい憲法のはなし」は、こんな問い掛けで始まる。中学一年用の社会科の教
科書として、四年ほど使われた。まず第一章で、国を家にたとえ、憲法はその柱で
一番大切なものと言う。国の仕事をどういうふうにやっていくか。国民の権利をど
う守っていくか。その二つを記してある、とも。
 
 国民の権利は「人間らしい生活」のためにあり、自由と平等、教育を受けること
、政治への参加などが保障されねばならない。改正にも触れている。前文の考えと
違う変え方をしてはならない、と。民主主義、国際平和、主権在民の三つが前文の
眼目だ。少数で物事を決める、自分の国のことだけ考える、国民の声と隔たった政
治や行政、などへの戒めだろう。
 
 時が過ぎ、憲法をめぐる環境や人々の考えも変わってきた。論憲の時代という。
だが憲法はその冒頭でその基本的立場を明確にしている。/  1  日本国民は、
正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のた
めに、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を
確保し、政府の行為によ つて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを
決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。 そもそも
国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権
力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。 これは人類
普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。 われらは、これに反
する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。 /

 そしてそのマルクスの後継者レーニンは/憲法とはなにか/についてこう言って
いる。「人民の権利が書き込まれている文書である。これらの権利が真に保障され
る保障はどこにあるか? これらの権利を自覚し、それを獲得することができた人
民諸階級の実力にある『戦闘の中休みに』」。いま深い意味で憲法がとりわけ9条
が危ない。

 あとがき /日本もまだ捨てたものじゃないなあ/こんな声が聞こえてきた。4
/15希望の会例会にそれぞれ違う学校の看護学生が8人も来てくれたからだ。我
が家も昨年から11人もの手厚い介護を受けている。小泉首相、こうした健康な確
かな力を見据えているだろうか。


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第48号                   2001年5月21日

           週刊/ALS患者のひとりごと

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  府中地域福祉を考えるわの会での挨拶

 支えあう「わ」、共に作りあげる「わ」、みんなの想いをつなぐ「わ」という思
いをこめた「わの会」、府中地域福祉を考えるわの会は、地域の障害者の福祉の向
上と自立支援をめざして結成され早や四年目を迎えました。以来わの会は、移送、
自立のための諸活動、イブニングケア、外出活動、食事会、カウンセリング活動、
そしてリサイクルショップのとりくみなどの活動を積極的にすすめてきました。

 先日「わいわいクラブ」の編み物教室の手編み作業の中で、参加者が不自由な手
に手の形の厚紙をもち/できた!/と歓喜の叫びをあげ、感動の輪が広がりました
。また困難を仲間の援助の中自立へむけて一人暮らしをはじめたGさんや、リサイク
ルショップの責任者としてまたわの会の中心メンバーとしてがんばるTさんたちの活
躍などの中に/自立支援/の活動の可能性と展望が示されているように感じます。

 わの会は、自立支援の活動をこの間の活動の経験を生かし広げていきます。さら
に福祉団体としての存在をアピールしNPOをめざし、たとえばヘルパー派遣事業など
も検討していきましょう。障害者になくてはならない移送サービスへの協力者をふ
やしながら改善をめざします。そして引き続きわの会は、仲間の要求を積極的につ
かみ、とりあげ活動をすすめていきます。
 
 国の悪政ともあいまって、石原東京都政のあいつぐ福祉切り捨ての進行の中、東
京都地域福祉財団からの補助金の削減をはじめ、移送などの事業への補助金確保の
困難さなど課題も困難も多いのですが、わの会は、会員みんなで要求や意見を出し
合い、そして知恵も力も出し合いながら、3つの「わ」の内容を豊かに広げて、前
進していきたいと思います。多忙な中でのご参加に感謝するとともに、十分なご審
議をお願い申し上げて、ごあいさつとします。
2001年5月18日 「わの会」代表 佐々木公一 

 ALS日誌14
 5月4日54回めの誕生日に近くの公園で、誕生パーティーならぬ誕生バーベキ
ューをおこない息子の友だちなど子ども6人をふくむ26人もの参加があり、にぎ
やかに終わった。発症2年目には職場の仲間、学生時代の友人、遠く故里からも5
0人もの人々が誕生会に集まってくれた。以後妻の計らいによるところ大なのだが
、毎年/誕生日/らしきものになってきた。もとより病気にならなければ決してこ
うはならないのだが。そして発症2年目のそれはやや涙、涙であったが、以来涙と
は決別/悪夢の入院期を除いて/している。歳月の経過に感謝と特別の重みを感じ
ながら。
 
 あとがき 突然の文章、理解のためには少し解説がいる。退職して自宅療養をは
じめたころ、我が家でよく/地域福祉をすすめる/集まりがあり引き込まれ、その
上代表は障害者がいいといわれつい引き受け現在に至るというわけ。いま130人
くらいの障害者やボランティアが参加し、文章のようなユニークな活動をすすめて
いる。小泉首相の靖国論争どこかおかしい。その前に行くべき所がある。広島、長
崎、沖縄さらに大虐殺の南京や731部隊跡。死者への弔意本物か。


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第49号                   2001年5月28日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
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  ALS1/筋萎縮性側索硬化症

 筋萎縮性側索硬化症amyotrophic lateral sclerosisは、随意運動だけが進行性に
出来なくなっていく疾患で、Charcot(1869)が初めて記載したのでシャルコー病の
名前がある。また米国では有名な野球選手のルー・ゲーリックがこの病気になった
のでルー・ゲーリック病ということもある。
 amyotrophy(筋萎縮)という言葉は、骨格筋を支配している脊髄前角細胞(下位
運動ニューロン)に原因があって筋肉が萎縮してくるもの(神経原性筋萎縮)を言
い、骨格筋自体の病気で筋肉が萎縮するもの(筋原性筋萎縮)は含まない。また、
lateralsclerosis(側索硬化症)とは、脊髄の側索(錐体路=上位運動ニューロン
の神経繊維)が変性し、グリア細胞の増殖のため硬化していることを示す。このよ
うに、筋萎縮性側索硬化症は下位運動ニューロンと上位運動ニューロンの両方を侵
し、結果として筋肉の動きを低下させてくるもの。筋萎縮性側索硬化症では、純粋
に運動神経のみが侵され、感覚神経や自律神経など、他の系統の神経は侵されない


 ニューロンとは、神経細胞の胞体とその諸突起を含む神経単位を言う。運動ニュ
ーロンとは、骨格筋を支配している末梢神経の母体である脊髄前角細胞、さらにそ
の脊髄前角細胞に随意運動のための刺激を送ってくる大脳皮質の運動神経細胞(そ
の神経線維は錐体路、脊髄では側索を通る)を言う。筋萎縮性側索硬化症は、運動
ニューロンのみを障害する疾患で、1874年にシャルコーにより初めて単一の疾患と
して名付けられたもの。運動系の障害は、上位ニューロン(錐体路)の障害と下位
ニューロン(脊髄前角細胞以下の運動性末梢神経)の障害からなっている。(続く)

 官僚制度とは/キャリア制度が根幹であり外務省の腐敗もここに根ざす。この改
革ぬきに行政改革はないのだが。以下本誌4号からの再録である。
 キャリアとよばれる集団がある。大蔵省の場合、国家公務員1種試験合格者35
人程度/毎年ー大蔵省25人程度、国税庁10人程度ーが相当、現在キャリアの数
は約800人、他はノンキャリアとよばれ、全構成員の99%がこれに相当。どこ
まで出世するかを見ると、普通の職員が多くはヒラまたは係長程度で定年を迎える
のに対し、国税庁採用組は、平均29才で税務署長を経験、北海道、北陸、四国、
九州の国税局長まで、大蔵省採用組は、平均27才で税務署長を経験し公務員の最
高峰である事務次官または本省の局長ポストに至る。普通55から57才で退職す
る。キャリアは、一流企業や団体に天下り、破格の待遇を受ける。このようにして
大蔵省53000人のピラミッドの頂点はすべてキャリア組でしめられており、こ
こには敗者復活戦はない。乗り換えもない。22才の出発時点がすべてである。
 こうして約116万人の公務員の中に約1万9千人の特殊社会が、大蔵を頂点に
幾重にもさらにピラミッドをつくりつつ形成される。20代から接待攻勢にひたり
、収入も出世もさらには天下り先までも保証され、他者の参加を絶対に許さない特
殊な集団を内包する、それがこの国の中枢を占める。まともな努力がむくわれない
。そこには憲法も民主主義も存在しない。この集団のありようも腐敗も、それぞれ
の時代に色濃く反映する。

 あとがき ALSについての報告を何回かにわけて行う。思えば一番大事なこと
でした。キャリア制度にふれたのは行政改革の核心のひとつがここにあるから。J
ALSA総会があり参加した。患者の参加は少し増えた感じだが、患者家族の切実
な声には対応しきれていない。


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第50号                   2001年6月4日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

  ALS2/筋萎縮性側索硬化症の原因

 原因は全く不明だが、筋萎縮性側索硬化症の原因として今までにあげられた仮説
には次のようなものがある。
 1.ウイルス説
   ポリオウイルスがALSと同じように、運動神経の障害のみを生じるところから
、スローウイルス感 染によって筋萎縮性側索硬化症が起きるのではないかという仮
説だが、その裏付けはない。
 2.中毒説
   環境由来の有毒物質がALSを引き起こすのではないかという仮説。カルシウム
(Ca)の欠乏、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)の過剰などが関係しているという説
があるが、未だはっきりしない。
 3.神経栄養因子の欠乏説
   神経栄養因子(neurotrophic factor)は、神経細胞が生存していくために必要
な生体物質の総称です。何らかの神経栄養因子の欠乏により運動神経細胞が変性を
きたしてくるという仮説。
 4.自己免疫性説
   運動神経を攻撃し、変性壊死を生じる自己抗体が出来ているという説。
 5.グルタミン酸過剰説
   興奮性アミノ酸、特にグルタミン酸の作用が異常に興奮した結果、運動神経細
胞の変性をきたすとする説。
 6.フリーラジカル説
   家族性ALSの一部の症例で遺伝子変異が見つかっている。この Cu/Zn
superoxidedismutase (SOD1)遺伝子は、フリーラジカルと呼ばれる細胞損傷物質を
中和する機能を有する蛋白質の合成を指令する。そのため、この遺伝子の異常によ
り運動神経の損傷が生じるという説。
 このように、ALSで運動神経が変性する病理機序については、決定的なものは判っ
ていない。

  目標をもつということ

 「28年間生きてきて一つだけいえることは/目標をもつ/ということです」ア
メリカで大活躍するイチロー選手のアメリカの子供たちへのあいさつです。3年前
あの松阪選手の「目標がその日その日を支配する」という色紙をみておどろかされ
たことがある。スケートの清水選手は4年後のオリンピックを見据えた碓固たる目
標を語っていた。 
 目標について忘れられないことがある。昔通っていた将棋道場の先生に「強くな
る秘訣は、志を高くもつこと」と教えられ奮起、当時3級から3段になった。/目
標を高くもち、適切な総括を行いながら、その実現へ全力で努力する/イチロー選
手も松阪選手も清水選手もその発言の主旨はこういうことだ。猪年生まれというこ
ともあり/目標にむかい猪突猛進/は我が人生のキーワードだが、病後ややうすれ
た。ALS患者として、改めて新たに目標をもち歩みたいと思う。
 
 あとがき 6/3結一郎の運動会へ。3年生になりリレーの選手に。スタート直
後の転倒、しかし立ち上がり全力疾走、バトンを第2走者へ、拍手。久しぶりに太
陽の下で一日を過ごした。


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第51号                   2001年6月11日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS3/筋萎縮性側索硬化症の症状

 発症年令
   10歳代〜80歳代にわたるが、中年期に多く、ピークは40歳代〜50歳代、やや男
性に多い。 
 筋萎縮・筋力低下
   初発症状は、上肢遠位部(手や指)の筋萎縮から始まるものが約半数を占め、
球麻痺や下肢筋萎縮で始まるものが、1/4ずつを占める。 ハシが持ちにくなったり
、腕や足が上がらなくなり、進行すると起きあがることもできなくなる。また、呼
吸筋(肋間筋、横隔膜)の筋力が低下すると、呼吸が困難になる。
 球麻痺
   延髄の運動神経核の変性により、顔面・咽喉頭・舌の筋萎縮・筋力低下をきた
すもので、言葉が不 明瞭となり、嚥下が困難になる。
筋肉の線維束性収縮
   脊髄前角細胞の変性により、萎縮した筋肉や一見正常に見える筋肉にピクツキ
が認められる。
 錐体路症状
   上位運動ニューロン障害により、痙性(筋肉の緊張が強くなり、つっぱって動
かし難い)、深部反射の亢進、病的反射が出現する。そのため、歩行時に、足がつ
っぱって歩きにくくなる。
 陰性徴候
   感覚障害、眼球運動障害、膀胱直腸障害、褥創は、原則として、末期まで出現
しない。
 臨床経過
   症状の進行スピードは様々だが、手足の痩せが少しずつ強まり、全身の筋力が
低下していく。一方、意識は最後まで正常で、一般に知能も障害されないのに、嚥
下が出来ず、聴力が正常で  あっても発語が出来ないためにコミニュケーション
をとることが困難となる。また、呼吸障害で   人工呼吸器の助けが必要となる。
  
 アメリカのミサイル防衛構想批判の田中外相発言を考える 
 ミサイル防衛構想とは、アメリカがその核兵器を(発射された核ミサイルを)、
宇宙(人工衛星)から撃ち落とそうというもの。だがその実戦での最初の実験とな
った湾岸戦争をふりかえってみたい。米軍のパトリオットは、テレビの画面では百
発百中でスカッドミサイルをとらえた。しかし実際は、発射した一五八発うち九%
の一四発しかあたらなかったと、米国会計検査院は報告している。不発弾は、速度
がテレビ画面のコマ数をうわまわるため、写らなかった。また全世界に報道された
油にまみれた二羽の水烏のシーンはつくられたものだと後でわかった。田中外相、
その発言の根拠がどこにあるのか興味あるところだ。

 あとがき 前号で書いたイチロー選手、テレビの特集番組で/小学生の時から年
間360日は猛練習をやってきた。だからできないことはないと思ってきた/と言
っていた。言葉がでない。6/10希望の会定例会に新たに3人の患者の参加で熱
気。患者会は、活力の源泉だ。


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第52号                   2001年6月18日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS4/私の場合1

 発症のころ
 96年春、右手の力が落ち、ものを落としたり、利き腕の役割をはたさなくなる
。6、7月頃、時々長時間立った後、右足の踏み出しが、うまくいかなくなる。し
かし腱鞘炎と思い込み、サポーターや張り薬など自己流の処置ですませていた。む
しろ利き腕でない左手を鍛えるチャンスくらいに考えていた。7月、気孔の先生か
ら指摘され、立川相互病院に通院、諸検査をうける。9月、府中神経病院に、入院
を前提に、転院する。10月、府中神経病院に、検査入院、諸検査をくりかえす。
1ヶ月の入院となる。
  告知
 11月、筋萎縮性側索硬化症との告知をうける。神経病院10階、小さな会議室
。主治医、看護婦、看護婦長、ソーシャルケースワーカー、リハビリ担当者、それ
に妻と私。この時点では、事前に医学書などを読んでいたこと、とはいえALSの進行
性をリアルには思い描けなかったこと、学生運動の中でだが、/死に直面/という
ような経験があったこと、などの理由から、あまり大きな動揺はなかった。しかし
その直後の主治医と担当看護婦のやさしい言葉には、つい泣けてしまった。車やバ
イクで走っている時、長男とジョギングもキャッチボールもしてやれなくなるのか
、と思った時、涙が止まらなくてこまったことが何回もあった。   
 休職、職場復帰、勤務地移動
 11月から年末、職場の仲間の好意にあまえ、最初の休職。年明けて職場復帰、
周囲の暖かい配慮のもと10時、4時の制限勤務とするも4月には通勤困難となり
、5月より制限勤務のまま勤務地を居住地である府中に移動、様々な配慮、援助を
うけながら10月まで勤務。しかし車の運転、歩行とも困難となり、11月より二
度めの休職。
 JALSA本部を訪問
 11月、主治医のすすめにそい、JALSA本部を訪問。難病をめぐる情勢、A
LSをとりまく状況、医療や新薬の現状などの話を聞いて、可能性を感じるととも
に、病気そのものを比較的客観的にみることができるようになった。できるかぎり
仕事は続けたほうがいい、と病院でも同じアドバイスを受けたが、今の自分が同じ
相談を受けたなら、躊躇せずに、早めに休職して患者会などの運動をがんばって、
というのだが。もちろん経済情勢の許す限りだが。−続くー
 
  東京都議会議員選挙

 「ああいう人たちに人格はあるのか」と記者たちに問いかけ、「西洋人はこうし
た患者たちを切り捨てるのじゃないか」と言ったことが報道された。府中療育セン
ターを視察した後、重い知的障害と重度の身体障害をあわせ持つ子供や大人たちに
ついての石原都知事の言葉である。こうもいっている。「身体障害者に対する福祉
なんか、ほかの県と比べると過剰なくらい…」。 
 この発言、本人にも多少の言い訳があるかも知れない。だがシルバーパスの全面
有料化、「マル福」とよばれる老人医療費助成制度や老人福祉手当の段階的廃止、
心身障害者医療費助成削減と本人負担導入、ひとり親家庭医療費助成への本人負担
を導入など、十もの施策での切り捨てに新たな怒りがわいてくる。
 本来政治の目的はなによりも弱者に光をあてることであるはず。そして地方自治
体の務めは地方自治法にも明記されているように「住民の福祉の増進をはかる」こ
とにあるはず。
 あとがき /私の場合/をしばらく続ける。都議会の選挙もうすぐ。弱者にやさ
しい街を。

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第53号                   2001年6月21日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS5/私の場合2

 JALSA総会
 97年4月にJALSA総会で、東京の患者数名が初めて顔を合わせた。その後
のALS患者の自宅訪問などの中で、患者同士の交流の大切さを痛感。自分もふく
めて多くのALS患者は、孤立した状況におかれ、医療や薬剤の情報などもあまり
なく、さまざまな薬や健康補助食品を試行錯誤的に試しているという状況などを知
る。8月と9月に松本会長を秋田の八郎潟に訪問、ご夫妻から、東京に支部がない
こと、東京での活動の大切さなどの話を聞く。
 「希望」発行
 ALS患者の中でも松本会長をはじめ呼吸器をつけた最も困難と思われる人たち
の奮闘ぶりに接する中で、まだ動くことのできる自分たちが、今できることを積極
的にやることこそ大切なのだと話し合ってきた。そしてとりあえず、お互いの情報
を交換しあうことからはじめようと、「希望」の発行を開始した。「思うに希望と
は、もともとあるともいえぬし、ないともいえない。それは地上の道のようなもの
である。もともと地上に道はない。歩く人が多くなればそれが道になるのだ」、魯
迅の言葉の示す方向を、力をあわせ、歩みたいと思う。
 「府中地域福祉を考える・わの会」
 同時期に、居住地である府中市で「府中地域福祉を考える・わの会」を結成し、
その活動に参加している。主に障害者・高齢者を対象に、パソコンやワープロ教室
、旅行会や食事会、カラオケや病院などへの移送等の活動をすすめている。
 「いまが一番できる時」
 ずいぶん前だが深夜ラジオで「いまが一番若い時」という言葉を聞いて感動した
ことがある。進行性の病気であるALSは、特効薬が出現しない限り筋力は低下し
ていく。だとすれば、いまできることはなんでもやろうと思う。「いまが一番でき
る時」でもあるから。そして今2つの仕事にたずさわり、「希望」の読者からの声
、「わの会」の活動での利用者の感謝の声に接する時、新たな喜びを感じている。
 人を変え、人を組織し、社会へ影響を与える 
 「希望」の発行作業やこの会の活動の中で、「今が一番幸せ」という松本会長の
言葉をふと思い出した。思えば松本会長のご自宅はボランティアなど人が絶えない
。そしてその存在の影響力、社会へ働きかける力の巨大さ、社会的な位置の確かさ
に驚かずにはいられない。4500人ALS患者のため、36万人の難病患者のた
めに、さらにはすべての障害を持つ人びとのために、身を呈して奮闘されている。
それは東京の橋本みさおさんや島根の松浦さん、副会長の叶内さん、みんな同じに
違いない。その存在が人を変え、人を組織し、社会への影響を与えつづけている。
−続く−

 アメリカのミサイル防衛構想2
 「すべての銃、すべての軍艦、すべてのロケットは結局のところ、食べ物もなく
飢えている人や、着る物もなく寒さにふるえている人びとからの強奪品である」、
アイゼンハワー元アメリカ大統領、元アメリカ連合軍最高司令官はこう言っている
。財政もふくめたとてつもない規模のミサイル防衛構想に狂奔する人たち、なんと
聞くだろう。
 
 あとがき NHK3チャンネルのサイエンスアイのALS報道に近辺からも反響が多
くあった。家族性に限られるとしても/治癒への前進/はALS全体への大きな励
ましとなる。登場した北海道の吉田さんのホームページには400人をこえるアク
セスがあったという。

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第54号                   2001年6月25日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
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  ALS6/私の場合3

 書ける喜び 
 このころ希望の編集、発行の作業が遅れ遅れになったが、それまで左手の薬指で
うってきたワ−プロがついに打てなくなり、さすがに大きく落ち込んでしまった。
ちょうどこの頃、ALSでなくなった母親の使用していたという意思伝達装置のパ
ソコンを幸運にもお借りすることができ、書ける喜びをとりもどすことができた。
いまそれを使って作業をしている。
 もちろんスイッチひとつですべての画面を動かすのだから、気が遠くなるほどの
もどかしさを感じることもある。例えば「あ」という文字を書くためには、スイッ
チを4回押す。「編集」と書く場合には、合計27回押す。とはいえ身体、言語あ
わせて不自由なものにとってこのように便利なものはなくまさに命の綱だ。なお機
種はNECのLivEx。

 読める喜び
 98年春ごろから、握力などの低下で本をめくることができなくなり、読書をあ
きらめ、テレビばかりの日がつづき、なんとなく無意味な時間をすごしていた。そ
んなとき、ALSの患者研修会で、自動ページめくり機をみかけた。ためしてみて
具合もよかったが、新製品であることと値段が高い(約30万円)ので躊躇してい
た。
 手の筋力の低下でまったくページがめくれなくなったので、思い切って購入(全
国で22台目だそうだ)、早速使用を開始した。セットするのに少々手間取るが、
その後は人の手を借りずに1冊の本を最後まで読み切れる。数冊の本を読み終えて
、読書の喜びと大切さを改めて感じている。

 旅、そして出会い
 この病気にかかったことによる新たなたくさんの出会いや出会いの復活が、生活
の豊かさをつくってくれている。職場の仲間や学生時代の友人たちが何回も激励会
を開いてくれ、学生時代の多くの友とは、さまざまに再会をくりかえした。そして
引き続き現在までたくさんの様々なお見舞いや激励をいただき、感謝、感謝の日々
が続いている。98年5月、50人もの人たちが、51才の誕生会を盛大に開いて
くれた。多くの仲間と数多くの旅をしている。長野、山梨、箱根、静岡、伊豆、新
潟、京都、奈良、四国、東北、千葉……。アクアラインも明石海峡大橋も通ってき
た。 

 出会い2
 病気にならなかったらおそらく生涯会うことのなかった心優しきたくさんの人々
に出会うことで、私の今はささえられている。ヘルパーさん、保健婦さん、訪問看
護婦さん、さらに福祉の分野で働く人々の献身的努力で、支えられていることを実
感している。これらの部署に人不足があってはいけないこと、そしてその労働条件
の改善を願わずにいられない。
 同じALSの患者仲間との、家族のようなつきあいも広がっている。事あるたび
の電話や相互訪問、地域をこえたEメールでの語らい、生きる活力の一つの源泉がこ
こにある。ー続くー

 じゃがいもほりとすもも狩り 6/24山梨の北島様(奥様が患者ー13年目だ
が気管切開もせずお元気、もちろん手足などは動かないが、かすかに動く指だけで
パソコン、読書、テレビ、ステレオ、空調などを管理しておられる驚異的な方)の
お招きをいただき希望の会の10名が参加、泥にまみれ、枝からとったすももをか
じり、とれたばかりのゆがいたじゃがいものおいしさに感激そして山梨支部のみな
さんとの交流のひととき。すべて初体験の息子も狂喜乱舞。

 あとがき 改めて北島様に感謝。予想に近いとはいえ都議選の結果、じっくり考
えたい。

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第55号                   2001年6月25日

           週刊/ALS患者のひとりごと

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  ALS7/私の場合4

 人類の祖先と身体障害者
 人類の祖先のひとつネアンデルタール人のシャニダール(イラク)で発掘された
第一号は身体障害者でした。この遺体の上には、弔意を示す供え物がおかれていま
した。そして第三号もまた身体障害者でした。当時障害者の存在は普通であり、第
一号は、約四〇歳(現在なら約八〇歳)まで命を全うしました。かれらは、障害者
や高齢者を排除するのでなく、集団みんなで助け合い、ともに生きたのでした。
 約五〇〇万年前に現れた人類は、「協力(助け合い)」「分配(みんな平等)」
なしでは生存できませんでした。「協力」と「分配」は人類の深い習慣となり、数
百万年にわたりつちかわれ、人類の心としていまも息づいています。「奪う」「排
除する」「差別する」などという思想や感情は、貧富の差が生まれ、国家がつくら
れた六〇〇〜三〇〇〇年前からにすぎないのです。

 人間のやさしさの発見
 病気になり、障害者になって、改めて気づくことがある。それは人間のやさしさ
の発見です。道をゆずってくれる人、助け起こしてくれる人、様々に手伝ってくれ
る人、たくさんの励ましや援助……。なかでも同病者や障害者の集まりの中での助
け合いの場面には、深い感動をおぼえる。古代社会では、多数の障害者が存在し、
差別がなく、集団みんなの助け合いが普通であったという事実とあわせて、助け合
いや平等が、人間の本来の姿なのだと実感している。障害者にやさしい町は、疑い
もなく住民みんなにやさしい町なのだ。

 難病対策、貧しい現実、だから声を
 今、日本全体の難病患者は39種36万人、97年度予算でみるとひとりあたりわ
ずか約26万円、他方で米軍駐留経費は米兵ひとりあたり約1500万円という現
実がうかんでくる。すべての難病患者や障害者が人間らしく安全に、安心してくら
せるために、そしてなによりALS患者である私たちにとって、病気の進行を止め
、克服する特効薬の開発のためには、いかにもまずしい予算といわざるをえない。
「研究費用が続くかどうか心配だ」ALS研究者の悲痛な叫びが脳裏を去らない。
患者総数4500人というALS、利潤を生まないこの研究に、公費投入は不可欠
なのだ。
 そして病気の進行よ止まれ、特効薬よい出よ、必要なケアの保障を、との切なる
私たちの願いは、待っていては実現しない。ALSをはじめ、すべての難病患者や
障害者が安心してくらせる社会は、患者である私たち自身が、とじこもることなく
声をあげることなしには実現しない。介護保険導入のどさくさに3400億円もの
社会保障費が削られようとする今だからこそ。ー続く−

 病気の進行が遅い患者の特徴  1.生き甲斐を持って社会活動をしている。2.毎
日、手足を動かす努力(リハビリ)をしている。パソコンを始めとして残存してい
る手足の機能を最大限利用して活動している。3.栄養に気を配り、食べる努力をし
ている。あるいは胃瘻により充分な栄養をとっている。 4.生きることの希望を持
っている。 というまとめに出会った。自分との比較でも興味深い。自分はといえば
、・目標をもつ、・学習する、・人と交わる。ということに少し固執している。
 あとがき お読み下さっているみなさんは3号前からタイムラグによる違和感を
感じられているに違いない。実は連載中の文章は/神経難病ALSとむきあって三
年半/というもので1999年10月当時の、つづいて連載予定は/ある体験/と
いう2000年4月気管切開後の心境をまとめたもの、さらに現在のものと続けた
い。いましばらくおつきあいをお願いします。

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第56号                   2001年7月2日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

  ALS8/私の場合5 

 99年元旦/私の年賀状
 人生の途上で思いもかけない障害をもちましたが、医療・福祉分野での新たな出
会い、とくに障害をもつ人びととの多彩な出会いの日々を過ごしています。日常生
活では、発声困難はパソコンで、読書は自動ページめくり機で、情報はインターネ
ットでと、日々挑戦という感じです。ひきつづきわの会と希望の会の活動をすすめ
ています。なお昨年12月に退職しました。
 「本人よ昂然たれ、家族よ隠すなかれ、周囲の人びとよ好意の無関心を」という
言葉に出会いました。障害者自身は、人間として、社会の一員として、堂々と生き
ていくこと、親は、本人の責任でない我が子の障害について、負い目を抱く必要は
ない、社会の人々は、彼らをあたたかく受け入れる価値観をもつべきである、とい
う意味です。比べず、競わず、ありのままに認めあう心、そういう価値観がひろが
ればと願っています。 
 「障害は不便である。しかし、不幸ではない」
 難病といわれ、悲惨きわまりないといわれるこの病気、事実私自身先輩の患者を
みてそう感じたくらいだが、しかし外からみるよりは、ずっと気楽なものだ。数え
るのでなく、できることから可能性を広げる一定の割りきりさえできれば、数多く
の不便さはあるとしても、それなりに、生きていける。「障害は不便である。しか
し、不幸ではない」ヘレン・ケラーの有名なこの言葉を、ほんの少し実感している

 「障害を持っているボク、乙武洋匡ができることは何だろうか。もっと言えば乙
武洋匡にしかできないことは何だろうか。この問いに対する答えを見つけ出し、実
践していくことが、『どう生きていくか』という問いに対する答えになるはずだ」
生まれながらに四肢をもたない乙武洋匡青年が、大ベストセラー「五体不満足」の
なかで問いかける。    
 こころよく 我に働く仕事あれ それをしとげて死なむと思ふ 石川啄木はこう
歌い、「農民哀史」の著者澁谷定輔は詩集「野らに叫ぶ」の中でこう詩っている。
 この広い世界にたったひとつ 俺しかやらない 仕事がある
 このようなことを考えながら、ひきつづき「希望の会」と「府中地域福祉を考え
るわの会」の活動にとりくんでいる。ー続くー
改革と痛み
 「行政改革ということは、よく気をつけないと弱いものいじめになるよ。……全
体、改革ということは公平でなくてはいけない。そして大きいものからはじめて、
小さいものを後にするがよい。言いかえれば、改革者が一番に自分を改革するのさ
」明治の高官たちを前に勝海舟はこういった。 今国会議員には約4437万円が
税金から賄われている。これに加えて国務大臣は月額168万円とボーナスが、総
理大臣は月額 234万4000円とボーナスが与えられる。さらに数多くの特典がある。
例えば1998年12月10日支給のボーナスー内閣総理大臣692万円 、衆参両院議長6
30万円 、国務大臣505万円 、国会議員375万円 。小泉改革、我が身への痛
みはあるのだろうか。

 あとがき 6/30JALSA東京都支部の総会があった。吸引を中心とする医
療行為問題が在宅療養の前に大きく立ちはだかっている。事態打開へ誰でも参加で
きる署名運動を提案したい。

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第57号                   2001年7月9日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

  ALS9/私の場合6

 インターネットと新しい世界
 本格化したEメールが、もはや生活の不可欠の一部となっている。東京府中から
の発信に、ただちに全国から返信がある。療養のこと、制度のこと、薬のたと、そ
して生き方のこと。とくに世界で悪戦苦闘のなかで、しかし確実に前進している治
療薬の研究が、生きることへの大きなはげみとなっている。ALSの先輩たちの生
きざまから、生きる勇気をもらっている。療養の工夫が、さまざまに可能性を広げ
ている。人手さえあれば、人間らくし生きられる。そしていつまでも知的活動、知
的生産を可能とするALSの特性を活かして、新たな可能性を切り開きたいと思う。
 「重度障害者に人格はあるのか」
 石原都知事が府中療育センターを視察した後、重い知的障害と重度の身体障害を
あわせ持つ子供や大人たちについて、「ああいう人たちに人格はあるのか」と記者
に問いかけ、「西洋人はこうした患者たちを切り捨てるのじゃないか」と言ったこ
とが報道された。7月にはこうもいっている。「身体障害者に対する福祉なんか、
ほかの県と比べると過剰なくらい…」。「老人医療は枯れ木に水をやるようなもの。
率直にいえば老人は早く死んでくれた方が国は助かる」故渡辺大蔵大臣(当時)の
言葉となんと共通するだろう。世の中を支配する側に立つものたちの本音の発露と
して銘記する必要があるだろう。ましてや自らの閣僚時代に、弟裕次郎を自衛隊機
を飛ばせて病院に搬送するという度外れな「人格」を示した男の言葉としても。
 比べず、競わず、ありのままに
 「病気になり、障害者になって、改めて気づくことがある。それは人間のやさし
さの発見です」「なかでも同病者も障害者の集まりの中での助け合いの場面には、
深い感動をおぼえる」とすでに書いた。そして乙武洋匡青年はこう言っている。/
助け合いができる社会が崩壊したと言われて久しい。そんな「血の通った」社会を
再び構築しうる救世主となるのが、もしかすると障害者なのかもしれない/。比べ
ず、競わず、ありのままに認めあう心、そういう価値観の広がりを再び切に願う。
―続く―

  その日米地位協定を超えるもの/おもいやり予算
 いま在日米軍基地には約二三五〇〇人の日本人労働者が働いているが、その給与
や社会保険料などすべて日本が地位協定に反して負担、米兵の電気、ガス、水道、
下水などもあの金丸信を名付け親とするおもいやり予算として、七八年以来負担し
つづけている。在日米軍の施設設備費である。例えばこの費用がこの二〇年間(提
供施設の整備費は、一九七九年から始まっている)で日本国住民が税金で負担した
累計額は、約一兆四二七九億円になる。この負担は、日本国の人口約一億二〇〇〇
万人で割ると、一人あたり実に一一八九万九〇〇〇円、約一二〇〇万円を〇歳から
の日本国民が法的根拠もなく負担していることになる。標準家庭では、二〇年間で
約五〇〇〇万円、年間約二五〇万の負担を強いられている。法律になく安保条約に
も日米地位協定にもない一方的サービスである。世にこれほどの無駄があろうか。
この問題にふれない改革、それは偽物であろう。

 あとがき 5月下旬から我が家の改築工事もうすぐ完成、これを機に生活を2階
に移す。その2階から関戸橋の花火が良く見える。8/7はその花火大会。みなさ
んどうぞ。案内は次号。

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第58号                   2001年7月19日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

  ALS10/私の場合7

 願い
 ALS患者としての現時点での願いは、2つ。病気をなおすこととケアの充実。
ケアについては福祉機器の進歩もあり大きく前進、しかし前者は、常に無視され踏
みにじられ ている。ALSと診断されその説明を聞いたところ「神経が侵され3年
で死にます」と言った有名大学病院の医者は特別としても、患者の願いを蹴散らす
会話がなんとたくさん、かわされているだろう。懸命のリハビリにとりくむJAL
SA松本会長夫人の「薬が開発された時、使えるように訓練するのよ」の言葉を医
療関係者はどううけとめるだろうか。進行を止め、さらに神経細胞の再建めざす研
究が世界中で展開され、それらのニュースがインターネットで運ばれ、闘うALS
患者の生きる力になっている。
 私を待っている人々がいる
 「いい日旅立ち」という歌がある。/日本のどこかに私を待っている人がいる/
という歌詞がある。私は/私を待っている人々がいる/と読み替えたいと思う。
 ALSはその進行性のゆえに、機能の喪失の日々の確認の作業をともなう。そし
て主要な機能の喪失は、病む体と心をくじけさせるに十分だ。だがくじけつづけて
はいられない。愛する家族が、職場の仲間たちが、学生時代の友人たちが、さまざ
まに出会ったたくさんの人々が、終止かわらぬ支援と激励をよせつづけてくれてい
る。そしてなによりも、ともにたたかうALSの仲間たちがいる。希望の発行を待
っている人々がいる。障害者福祉の運動をともにすすめる仲間たちがいる。
 だから、くじけつづけてはいられないのだ。ALSをはじめすべての難病に別れ
を告げるその日へ、「いい日旅立ち」をするために。ー終わりー

  痛み
 改革には痛みが伴う、という。だが痛みの内容は今だに具体的にはされていない
。いま戦後の機構や組織が行き詰まり、国と地方の借金は積もり積も って666兆
円という途方もない巨額となっており、財政は最悪の状態となっている。バブル経
済の後遺症は根強く、企業倒産は増え、リストラが進み失業率は上がったまま。新
卒者の就職もままならない雇用不安に覆われている。18と22の春が泣いている
。痛みはまず弱者におしよせる。企業倒産やリストラは経済弱者に襲いかかる。そ
して社会保障や福祉の削減は身体的弱者の命を削る。忘れてならないことは、森で
あれ小泉であれその内閣が弱者の側、さらには働くものの側には決して属さないこ
とである。彼等はあくまでも資本家階級を中心とする勢力の代表なのだ。この単純
な真理、伝えなければ。

  花火大会においで下さい
 関戸橋の花火大会です。昨年は雷と稲妻と花火の二重奏でした。でも楽しかった
ですね。今年は広くなった我が家の二階からですが、みんなで夏の夜空のドラマを
見ませんか。 
 8月7日午後6時30分佐々木宅集合

 あとがき 今回でALS私の場合/神経難病ALSと向き合って三年半/を終わ
る。続いて気管切開後の/ある体験/を連載する。しばしおつきあいを。異常な暑
さが続きます。ご自愛下さい

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第59号                   2001年7月23日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS11/続私の場合1

 躊躇
 その必要性はわかっていた。問題はその時期であった。医者の強引そのものの説
得が続いた。声が出れば、反論ももっと深い討論も可能であった。もちろん患者を
思っての医者の発言であることは十分理解できたが、結局、手術内容もその時期も
理解不十分のまま応じてしまった。準備/心の準備も含めて/の不十分さを深く反
省している。この躊躇も手術不成功の要因の一つに違いない。
 手術
 病室を出る時の麻酔の注射により、廊下の途中で意識が消えた。気がついたのは
手術後数時間たって、集中治療室のベットの上であった。麻酔の注射の痛みはわず
かなものであった。その昔盲腸の手術の時のせき髄注射の時の激痛と、なんとちが
うだろう。しかし予備知識はあったものの、首を強く締め付けられ、そしてほとん
ど身動きを許されず、一滴の水はおろかだ液さえ飲み込むことを許されなかったこ
とは、予想をこえる苦しみであった。
 失敗
 手術後10日たちテスト、そのための水がのどをうまく通らず、首の締め付けは
さらに強化された。さらに数日後医者の判断が再手術/だ液の通るバイパスづくり
/をもとめ、同意、ただちに実施、約1カ月後のもとにもどす手術を経て合格まで
約2カ月、首の締め付け、だ液の飲み込み禁止の状態が続いた。メラチューブをく
わえつづけて2カ月、さらにMRSAなる院内感染にもかかり、忍耐はほぼ限界にたっ
した。
 
息子との対話 おかえり結一郎01/7ー24
 結くんの野球をみておとうさんの感想
 よかったこと 1、ノーアウト満塁での三塁ライナーをよくとり、ダブルプレー
にしたファインプレー。ボールからにげないでボールにむかっていったことと、す
ぐに三塁にはいったことがとてもよかった。2、ランニングホームランのときのベ
ースランニングと本塁へのすべりこみはなかなかよかった。練習してきてよかった
ね。3、めちゃくちゃにあつい中、二試合もよくがんばった。おつかれさん。
 わるかったこと 1、三塁に送られるボールを何回か横や後ろにそらしていたこ
と。こしをおとして体の中心でとらないといけない。2、かんたんなフライをおと
したこと。何回もノックをしてもらって練習するとうまくなるよ。3、もっとリー
ダーらしくがんばろう。
 これから キャッチボールを相手のむねをめがけて強い球を投げること、毎日す
ぶりをすることなどです。
 あとがき 新しい連載を始める。/ある体験ー気管切開/というもので昨年4月
頃書いたもの。結一郎今小3元気いっぱいというところ。/痛み/はまず弱者を襲
う。明石の死者2名老人、8名幼児。阪神淡路大震災でも被害は弱者に集中した。
経済でもそれは同じ。路頭に迷う経営者の話しあまり聞かない。靖国問題、殺され
た国の声を殺した国が/余計なお世話/とはいえない。

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第60号                   2001年8月2日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS12/続私の場合2

 責任
 あとから考えて不思議に思うことがある。・医者を選ぶ権利はないのか。とりわ
け執刀医はどこで決まるのか。患者の了解はいらないのか。・成功、失敗の判断は
どのようにされ、失敗の場合の責任はどうなるのか。・医者まかせとならない治療
、療養は、そして対等平等な医者と患者の関係は、ありえないのか。契約社会にお
ける両者の関係、そしてたびたび聞かされたインフォームドコンセントは、いかに
あるべきなのか。・医者の裁量権とはなにか、どこまで許されるのか。
 感謝
 退院後の3月、4月に、私たちの希望の会の患者5名がつぎつぎと亡くなった。
呼吸器をつけずに3名、つけたが時期が遅かったのが2名。思いがけないそれぞれ
の死の早さに驚かされた。ご冥福を祈りつつもいいようのない怒りが、無念さがこ
みあげてくる。/佐々木さんの場合は間に合ってよかったのよ/入院中の看護婦さ
んのことばが思い出される。いまは主治医をはじめお世話になったみなさんに素直
に感謝している。気管切開したことにより得た・むせずに食べられる、・肺炎にな
りにくい、・呼吸器の力をかりつつも肺機能の維持などを新たな活力源にして、地
域社会から孤立することなく、一市民として生きていきたい。
 ナースコール
 わずかに出ていた声がまったく出せなくなった。手足もほとんど動かないから、
音をたてることもできない。こうなるとナースコールはいわば命の綱だ。1時間ご
との見回りはあるものの、気がついてもらえないことだって可能性はある。私は左
足の横においてもらったが、足が届かずあせったことが何回かあった。そして文字
盤は、唯一の意思表示の手段となる。
 文字盤
 文字盤で苦労した話を事前に聞いていたが、入院してそれを実感した。集中治療
室では、目の前10センチのところにおかれ、苦労した。看護婦は裏から文字盤を
みるので/さ/と/ちの誤読が時々あり、文意が通じないことがあった。医者に使
い方のうまい人が少なく残念であった。ALS患者にとって唯一のコミニュケーシ
ョンの手段である文字盤、使える人をふやしたい。
 文字盤の使い方
1、文字盤を、患者と自分の間にかざして、かまえる。文字盤からの距離はそのと
きお互いに確認する。近すぎると読めない。2、目線のあうところの文字をさがす
。患者が見ようとしている文字が正面にくるように文字盤を動かすのがコツ。体を
動かす必要はない。3、次々に指差す。声を出して確認する。特に最初の音の確認
が大切。早合点は、お互いの労力のむだになる。4、濁音、半濁音、撥音が該当す
る音に気をつける。5、、と。は、文字盤に加える必要がある。文章の途中で確認
する。ただし、長い文章は、無理。6、裏読みなので さ と ち をまちがえや
すい。7、視角、利き目は人により違う。確認必要。

 あとがき 関戸橋の花火大会がもうすぐ。8/7午後6時半佐々木宅集合です。
どうぞおいで下さい。気管切開の患者には不可欠ながら文字盤、患者の意にそうよ
うに使える人はまだ少ない

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第61号                   2001年8月10日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS13/続私の場合3

 看護婦が飛んでいる/飛ぶように歩いている
 とにかく忙しいところだ。まさしく飛ぶように歩いている。全体的には良く分か
らないが、夕方から朝にかけての忙しさは尋常ではない。たとえば准夜勤や深夜勤
の時など1人で10人の患者を担当することもあるという。看護婦さんたちの健康
問題もさることながら、最近多発している医療事故と無関係ではあるまい。忙しい
とは心を滅ぼすと書き、また一所懸命になりすぎるとみんなヒトラーになる。経営
の側にたつ人々よ、とくに心せねば。
 設備
 こんなこともあった。例えばネブライザーー痰をやわらかくするため蒸気をのど
に送る機械ーの設定を10分にしてもいつも5、6分でとまってしまう。病室の天
窓を開け閉めするためのカギのついた棒が全体で1、2本しかなく、いつも看護婦
さんたちがさがし歩いていた。院内感染した時の来室者用の白衣のくたびれ具合の
ひどさなどなど。こんなつまらないことが、看護婦さんたちの労働条件を悪くして
いることにどうして気付かないだろう。 
 病室
 一人部屋と二人部屋に合計70日入院した。残りの20日は四人部屋ですごした
。ところでこの10階建の病棟は、1、2人部屋が、北側に面しており、計算すると
約50日間一度も太陽にあたっていないのだが、治癒とは関係ないのだろうか。そ
してこういうところへの目配りは、無理なのだろうか。
 白衣の天使
 9A病棟の多くの白衣の天使にお世話になり、深く感謝している。なかでも板東看
護婦、川崎看護婦には、特にお世話になった。患者と同じ目線を持ち続け、患者の
立場でいつも考えてくれたことがとても印象深い。/耐えがたきを耐え、忍びがた
きを忍ぶ/ことができたのもその存在に負うところが大きい。どんな時も患者の意
向を尊重する姿勢に徹していた。板東さんには涙を受け止めてもらった。川崎さん
は看護婦一年生、その行き届いたやさしさにはげまされつづけた。

 息子との対話 おかえり結一郎01/3月6日
 ただいま、お父さんは、やっとかえってきたよ。またなかよくしよう。ながいあ
いだるすばんありがとう。おおさきさんやこっこおばちゃんやももねえちゃんとな
かよくできてよかったね。
 びょういんにもなんかいもきてくれてありがとう。結くんのげんきなかおをみて
、おとうさんもげんきになれたよ。こえはでないけど、ぱそこんはだいじょうぶ、
はなしはできるよ。
 ところでじてんしゃはまだほしくないのかな。2年生になったらかってあげよう
。おとうさんはびょうきで、おかあさんのおてつだいができないけど、結くんはが
んばろうね。ー続くー 
 あとがき 8/7花火大会にALS患者の山梨の北島さん、小平の八巻さんをは
じめ/わの会/の仲間を中心に合計23人/車椅子での参加4人もふくめ/の参加
があり、生ビール片手に花火を楽しんだ。料理や運転、介護にあたられたボランテ
ィアさんありがとうございました。来年又。

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第62号                   2001年8月17日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  ALS14/続私の場合4

 退院
 3月6日、3カ月ぶりに退院した。振り返ると、在宅療養をはじめることそれ自
体たいへんだが、いわゆる/医療行為/問題で、吸引行為の可否をめぐり、ヘルパ
ーさんの体制づくりが困難をきわめた。はじめに法律ありきで、命をかえりみない
この国のありように怒りを感じた。さらに折りしも同時期に開始された介護保険の
不備、不足が、困難に拍車をかけた。
 ヘルパーさんの労働条件
 このようにして5月をむかえ、多くの皆様の多大なご協力によりやや安定してき
ている。一段落してふと思うのだが、介護保険にともなう政府のヘルパー増員計画
はよいとしても、肝心のヘルパーさん自身の労働条件などどうなるのか不安を感じ
ている。休暇や退職金はおろか労働協約をはじめなにもないという現実を、為政者
はどう考えているのだろうか。
 その後 
 4月29日東京池袋でおこなわれたJALSA東京都支部が開いた患者交流集会
で、いわゆる吸引問題や呼吸器問題をはじめ数多くの問題が提起された。
 なかでも/呼吸器をつけて生きることは人間らしくない/と主治医だけでなく東
京の大学病院で言われ混迷しているという埼玉の60才くらいの女性の涙ながらの
報告は、参加者の胸をうつとともに、ALS患者がさけることのできない課題とし
て存在している。
 問題提起
 この場での問題提起は、医者をはじめとする医療関係者の/呼吸器をつけない説
得/をどうみるか、ということである。なかでも/呼吸器をつけて生きることは人
間らしくない/と/呼吸器をつけると介護が大変/という2つの論点が中心をなし
ている。そして発症2、3年の仲間の多くが、深刻に悩んでいる。ALS患者が有
意義な人生をまっとうできるよう、多くの人々と率直に語り合っていきたいと思う
。ー終わりー

 君が代物語 /靖国/関連のニュースを見ていたら何回か君が代を歌う場面に出
会った。で調べてみた。「君が代は」の初句のところが、古今集に「わが君は」と
あり、和漢朗詠集には「君が代は」とある。「君」を天皇の意と解するか、依然論
争がある。音楽としての「君が代」は一八七〇(明治三)年、薩摩藩の英国人音楽
教師W・フェントンが最初作曲。しかし歌詞に合わなかったので八〇年、宮内省式
部寮の林廣正が修正し、さらに海軍省のドイツ人音楽教師フランツ・エッケルトが
編曲し、楽譜化したと伝えられる。その「君が代」が九一(明治二十四)年文部省
が定めた「祝日大祭日儀式規定」によって表舞台に登場する。小学校の祝祭日の儀
式用唱歌として「一月一日」「紀元節」などとともに八曲が選定され「君が代」は
御真 影の賛歌と位置付けられた。一九九九年八月、法律で「君が代」が正式に国歌
になった。明治の「君が代」制定からちょうど百十年になる。 その歌詞のでたらめ
さもさることながら、なぜ国歌なのか、よくわからない。

 あとがき 日本軍だけの靖国、敵味方すべての平和の礎、訪れた小泉首相、手を
あわせることなくたち去ったとニュースに。今回で/私の場合/をとりあえず終わ
る。ありがとう、みなさん。

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第63号                   2001年8月27日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  忘れないうちに/靖国/

 東京裁判で連合軍によってA級戦犯に指名され逮捕、拘禁された人は、約250名。
その中で28名が起訴され、25名に判決があった。その結果、全員が有罪となり東条
英機元首相以下7名が絞首刑、その他16名が終身禁固、2名が20年と7年の禁固となっ
た。今日、靖国神社に合祀されている人 は絞首刑となった7名と服役中に獄死した
5名と裁判中に病死した2名の計14名である。

 その靖国神社には特攻隊員として沖縄で 戦死した20歳の陸軍少尉の両親に宛てた
辞世の手紙が掲示されている。「御父さん、御母さん、いよいよ隆茂は明日は敵艦
目がけて玉砕します」と始まり「では又靖國でお会いしませう。待って居ります」
と結んでいる。このように戦争当時、戦死した者は「神として靖国神社に祀られる
」と喧伝され誰もが名誉なことと信じこまされていた。
 
 問題は、靖国神社が、戦前、「天皇のための名誉の戦死」をとげた人々を「英霊
」としてまつる宗教的軍事施設であり、軍国主義と侵略戦争遂行の精神的支柱とさ
れてきたこと、そして戦後、一宗教法人とされてからも、「国事に殉ぜられた人々
」を「英霊」としてまつるという、戦前の神社創建の趣旨はそのまま踏襲している
こと。十四人のA級戦犯も、あたかも戦争犠牲者であったかのように、「昭和殉難
者」として合祀されていることである。だから首相の靖国神社公式参拝は、侵略戦
争を肯定する立場に日本政府がたつことを、公然と内外に表明したことを意味する

 
 /中国人民が反対しているのは、靖国神社参拝の名を借りて、侵略戦争の事実を
否定し、中国などアジア近隣諸国の人々の感情を傷つけることだ。東条英機などA
級戦犯は決して一般の戦没者と同列に並べることはできない。/中国人民日報はこ
う述べ、金大中大統領は「歴史は過去だけの問題ではなく、現在や未来に関わる問
題だ」と強調したうえで、「韓国国民に与えた大きな惨害を忘れたり、無視しよう
とする人々と、よき友達となり、安心して未来に向けて歩んでいくことは不可能だ
」と述べている。
 
 カナダの新聞グローブ・アンド・メール紙は/小泉首相は靖国神社参拝について
「平和と自由」のためと奇 弁を述べたが、「日本の首相が東条英機などの戦犯が祭
られた神社に参拝する」ことは、ドイツの首相がヒトラーが祭られた神殿を参拝す
るのと同じだ。過去の侵略戦争の歴史と責任に正面から向かい合う勇気あるドイツ
には、当然ヒトラーを祭る神殿など存在しない/と書いた。
 60%をこえるという世論の小泉首相の靖国参拝支持の異常さもあわせて、戦後
まともな出発点をもたずに歩み始めたこの国、はたしてどこに行くのか。

 あとがき 靖国参拝賛成の世論調査結果には驚いた。この国、もう少し貧しけれ
ば、世界のほとんどの国が相手にしないのではあるまいか。先々週から2階に引っ
越し、1階とはまた違った環境だ。栗林と畑そして水田の緑が広がる。金子みすず
ではないが/みんな違ってみんないい/。

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第64号                   2001年8月27日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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   インドへ行ってきました/高遠文恵さん

 花火大会は いかがでしたか?改装後の快適な2階からの観覧だったのでしょうか
? 私は、8月1日から1週間ほどインドへ行ってきました。カルカッタに滞在して、
マサ゛ーテレサの施設でボランティアをしてきました。重症患者がいる死を待つ人
々の家と孤児院にいってきました。インドは2回目だったので環境的なものの驚きは
少なかったですが、日本がいかに恵まれている国かと痛感しました。でも、彼らは
生きることに一生懸命なんですね。貧しさはインドの国の歴史からくるものだから
仕方のない部分はあるけれど、彼らの一生懸命生きようとする姿は日本には感じら
れないものでした。貧しいからかわいそうという発想が日本人や先進国のボランテ
ィアの人の中でもありましたが、貧しいから不幸という訳ではないですよね。彼ら
の毎日を一生懸命生きようとする姿は多くの人が忘れがちなものを持っている気が
します。
 
 で、インドから帰ってきて60号と61号を読みました。病院や看護婦、インフォー
ムト゛コンセントの話など、考えさせられました。これから就職活動をするにあた
って、自分がどうゆう看護を目指すのか、どうゆう看護婦になりたいのかを真剣に
考えなくてはいけない時期になりました。佐々木さんの考えや感じたこと、自分の
少ないながらに経験したことを思い起こし、考えたいと思います。
 
 長くなってごめんなさい。それと、先日はどうもごちそうさまでした。私が寮の
ために、みんなも一緒に帰ることになってしまい申し訳なく思っています。奥さん
にもよろしく伝えてください。
就職など報告ができるようにがんばります。佐々木さんも夏ばてや冷房で風邪をひ
かないように体調に気をつけてくださいね。では。
 
失敗するアイデア?、成功するアイデア?
 /失敗するアイデアをだしやすい人ー机の上で考える。頭の中だけ、知識だけ、
欲だけ、自分の立場で考える。いわゆる発想だけで考え、観察力、判断力、実行力
がとぼしい。
 成功するアイデアをだしやすい人ー体験的に考える。生活、社会に直結した多彩
な経験を生かして考える。発想力のほかに観察力、判断力、実行力がそろっていて
、自己チェックができる。人の立場で考える。それは社会のニーズを感じとり→発
想し→よいアイデアを選ぶ……という総合的な思索のあとにえらばれたアイデアを
だす習性がついている。だから成功しやすい。/という一節があり、なるほどと思
って読んだ。正念場をむかえた小泉改革のアイデアはさて?
 
 あとがき 今回から趣向を変えて、時々本紙をお読みいただいているみなさんか
らのお便りをご紹介させていただく。今回の高遠さんは看護学生、昨年一年間夜間
のボランティアで大変お世話になった。来年は素敵な看護婦さんになっているだろ
う。8月に/いのちの決断/という本が毎日新聞社編集で新潮社より出版された。
様々な病とたたかう人々への取材記事をまとめて本にしたもの。この中に希望の会
の藤本、平尾、佐々木も少しですが登場します。機会があれば見て下さい。

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第65号                   2001年9月14日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
       042-360-2720 FAX  042-360-3117
       メールアドレス  hamu@shikoku.interq.or.jp

  岡山の山中から/赤井伸介さん

 大型台風通過してから少しは涼しくなりましたが、まだまだ暑い日が続いていま
す。いかがお過ごしですか?毎週発行されている佐々木さんの「ひとりごと」に励
まされています。先日のNHKスペシャルで仙台の和川さんが脳波(β波)で奥さんと
コミュニケーション。詩集まで発行したのには驚きました。
 
 こちらでのトピックス4件
 母キジが子供を五羽つれて田んぼ周辺をえさをついばみながら散歩しています。
周りを警戒しながら、自分も食べながら、子供達が見えないとミューミューと鳴き
ながら、双眼鏡で見ると心配そうに見えるから不思議です。ところで一羽いなくな
ると母キジには分かるのだろうか?キジは5まで数えられるのだろうか?春にはい
つも夫婦一緒に居たのに今は子供連れ。ケーンケーンと鳴きばたばたと羽団扇する
はでな父キジは目立つため外出禁止か?
 
 夜中の3時頃田んぼのイノシシ避けのトタン板を鳴らしてイノシシが現れます。
トタン塀の一番弱いところから侵入し悠然と稲を食べている。ライトを引っさげ7
〜8mの距離で観察する。身長1m20cm位、目は赤い、短いしっぽをふりながらひたす
ら食べ続ける。時折フーと鼻息しながら、30分位食べ続けた後トタン塀を乗り越
えて帰っていった。翌日、田んぼの主の嘆きはいかに。
 
 春、我が家の床下に住み着いたイタチ、いつしか相棒と一緒に野山中追いかけっ
こしていて、ある日「いいだろ」とオスに詰め寄られ「いいわ」となったところか
らとんと見なくなっていたのがお盆(8月13日)八匹が数珠つなぎになって道か
ら田んぼを横切り道路の側溝へ入っていった。ちょっとおくれてついていった一匹
は父イタチかも知れない。
 葡萄のピオーネだんだんと熟してきて2週間くらい前から鳥に食べられるように
なってきた。「しょうがない」と父。しかし被害はだんだんと広がり数えると30
房。よくよく調べてみると鳥ではなさそう。房ごと上に持ち上げられている、房が
ちぎれそうになっている、被害が一枝に集中している、食痕がくちばしでつついた
ものでなくかじったものである。葡萄の樹や支柱につめの引っ掻きキズがある。動
物の仕業。その夜、食事の後何気なくライトで照らしてみると枝の上に黒い固まり
。たぬきだ。早速、葡萄の樹にトタン板を巻き付け登れないようにする。
 次の夜、バサッバサッと音がする。ライトを向けると葡萄の房に飛びついている
。「たぬきも手に負えんもんじゃのう」と苦笑する。結局50房くらいの被害だっ
た。
 
 あとがき 赤井伸介さんは私たちが10年前暮らした楽しく愉快な団地仲間。今
岡山の実家へ単身移住、文章のような暮らしを満喫中。世界を震撼させ同時テロ、
わずかの人数でアメリカの政治を、軍事を、経済を瞬時に一撃のもとに麻痺させた
事実に驚く。第一に、ミサイル防衛構想の無意味さ、第二に、アメリカの世界の警
察官外交の限界、第一報に接しての感想。

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第66号                   2001年9月27日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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「いかなる場合においても、一度この限界をこえると、際限もない遠い外国に出動
することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白」であり「それは窮屈であ
っても、不便であっても、憲法九条の存する限り、この制限は破ってはならないの
であります」
  
 1954年6月2日、参議院本会議において『自衛隊の海外出動を為さざること
に関する決議』が採択された。なお宮沢元首相は現在の国会議員の中で唯一この決
議に参加している。そしてみだしの文章は小泉首相の先輩自民党鶴見議員の同決議
にかんする趣旨説明である。

 ところが今小泉内閣はアメリカの軍事報復を前提に、戦闘時に輸送や補給など、
米軍全面支援に踏み出そうとしている。テロ事件に乗じて憲法九条蹂躙の参戦行動
へ一気につきすすもうとしている。そしてあろうことか小泉首相は米空母出港時に
海自衛隊艦艇による護衛行動を決行させた。

 小泉首相の自衛隊派兵策にこだわりは異常だ。それは、“軍事貢献が足りない”
とアメリカから酷評された「湾岸戦争のてつを踏んではならない」(中谷防衛庁長
官)からだといわれている。それをいま、小泉内閣は、同時テロを好機として、“
血を流す貢献”を求めるアメリカへの忠誠を示すとともに、自衛隊の海外派兵を実
現しようとねらっている。小泉内閣は、ブッシュ政権にいかに評価されるかという
ことだけを唯一の基準にして、日本国民が戦後守り続けてきた憲法の平和条項を踏
み破ろうとしている。
 
 『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動た
る戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては
、永久にこれを放棄する』『……陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国
の交戦権は、これを認めない』……憲法九条のどこから小泉内閣の姿勢はでてくる
だろう。『われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除
去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う』……憲
法前文の示す国際貢献の道とはなんだろうか。
 
 あやしげな情勢のなか改めて第九十九条【憲法尊重擁護の義務】 を考えてみた。
/天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊
重し擁護する義務を負ふ。 /、こう書いてある。今最もこの憲法を尊重せず擁護し
ない人は誰あろう小泉首相その人ではないか。憲法99条、みごとな先見性である
。 

 あとがき アメリカとイスラエルを除いて/軍事攻撃より容疑者引き渡しと裁判
を/という声に賛成が 欧州8割、南米9割という世論調査結果の報道があった。/
報復反対、戦争反対/の声と運動の確かな広がりもある。狂気は長くは続かないは
ずだ。

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第67号                   2001年10月4日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
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  オサマ・ビン・ラディンという男

 パキスタン北部、アフガニスタン国境近くの町ペシャワールにある公設市場は「
オサマ市場」という名前だった。今年、危険だとして名前が変わった。実はペシャ
ワールの周辺地域では、いくつもの商店や会社に「オサマ」という名前が付けられ
ている。生まれた子供の名前につける親もいるという。「オサマ」は「オサマ・ビ
ン・ラディン」という人物の名前である。中東や旧ソ連の「戦うイスラム教徒」に
とって、彼は英雄である。
 
 1958年生まれのビン・ラディンは、サウジアラビアの最も裕福な建設業者の52人
の息子のうちの十七男である。父親 は、サウジアラビア建国の祖、Abd al-Aziz
ibn Saud王との交友により財を 築いた。1980年代オサマが経営学学位を取って大学
を卒業するころ、ソ連がアフガニ スタンに侵略。ビン・ラデンは、アフガン聖戦に
参加、戦士としてもその熱烈な宗教心に対し ても尊敬を勝取った。その後、湾岸戦
争の時の米軍のサウジアラビア駐留を、予言者の地が異教徒により冒涜されたと非
難。サウジの君主制と西 洋を撹乱し始めた。1991年にスーダンに逃れ、スーダン政
府がアメリカの圧力で彼を追放したあ とは1996年アフガニスタンに戻った。
 
 アフガン侵攻の時、ソ連はアフガニスタンを自らの勢力圏内に置き、その南にあ
るインド洋へと、覇権を広げようと内戦に介入。当時はまだ、冷戦の真っ盛りで、
この侵攻はアメリカの危機感をつのらせた。 アメリカはCIA経由でアフガン・レジ
スタンスに30億ドルを出資した。まさに米ソ代理戦争の様相を帯びた。タリバンも
ビン・ラディンもこのとき、米国が武器を与え訓練した結果、戦闘力を高めた。米
国が育てたゲリラ兵士が時を経て、今銃口を米国に向ける。思えばサダム・フセイ
ンもまたイラン革命への対抗上イラクへのアメリカの支援の中で強化され、やがて
湾岸戦争へむかうのであった。今タリバンの混迷、迷走の報道が多い。だが/敵の
敵は味方/の論理でこれを支援し活用してきたアメリカに罪はないのか。/アメリ
カの正義/、裏多くまやかし多い。

   ▼アメリカが先にビンラディンを暗殺しようとした?
 パキスタンのISI長官は9月11日にアメリカからパキスタンに戻り、翌12日には
CIA長官がパキスタン入りし、ビンラディン襲撃に向けた最終調整を行う予定だ
った。ところが、その矢先にアメリカで大規模テロが起こり、CIAのパキスタン
訪問は延期された。 こんな報道もあった。
 
 あとがき /アメリカにつくかテロリストにつくか/と世界中を恫喝し、/ビン
・ラディンが死んでいようが生きていようが必ずつかまえる/とやくざまがいの言
動を続けるブッシュ、だが一時の興奮から世界の世論は/戦争反対、法と理性によ
る解決を/の声への確実な広がりがある。報道の偏りが気になる。/極悪非道のビ
ン・ラディン/だが、。9/29難病ALSへの支援要請行動に参加。患者4人含
む約20人、銀座数奇屋橋で約3時間、14万円をこえる寄付があった。

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第68号                   2001年10月12日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
    発行 佐々木公一  府中市四谷4-51-26
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  アメリカ、ブッシュ、武器、戦費

 テロリストグループの卑劣な行為は、いかなる動機であれ、許されない。 しかし
、米国主導の「報復戦争」による空爆は、その攻撃対象限定の公約にもかかわらず
、すでに国連関連職員をふくむ多くの民間人の犠牲者をだしている。このことはア
メリカが世界貿易センタービルを襲撃した人々と同じ道徳レベルまで自 らをおとし
めたことを意味する。
 
 インターネットにこんな感想があった。/お願いだからアメリカはこれに少しは
懲りて事情も知らない国の情勢に無理やり首を突 っ込んで問題をややこしくしてし
まう、という行為を控えるようにしてもらいたい。ベ トナム・イラク・北アイルラ
ンド・イスラエル・・・。 それに同調してた日本も悪いが・・・ /。 少し歴史
をみると第二次大戦では原爆、ベトナムでは枯葉剤、イラン・イラクではマスター
ドガス、湾岸戦争では劣化ウラン弾、と最新人体実験兵器を試してきたアメリカ、
アフガンでは何を試すだろうか。 

 そのアメリカ、建国220年の間に今回のような海外出兵を200回以上もやっ
ている。そして アメリカは核兵器のために1946年から50年間の間に 5兆8
千億ドル(約710兆円)もの巨費を投入してきた。今世界の年間の軍事費は約1
兆ドル(120兆円)。人殺しのためにこれだけのお金が使 われている現代社会は
、まさに狂気としか言えない。その先頭にブッシュとアメリカは立ち続ける。
 
 先月16日、米議会は同時多発テロの被害復旧と対テロ戦争費用として400億
ドルの緊急予算の支出を承認した。ただテロ組織の根 絶という目標を達成するため
には数年がかかるかもわからないうえ、アフガン難民への救援支援金まで合わせる
場合、総費用は1000億ドルを遥かに上回るものとニューヨークタイムズ紙は8
日、分析した。 では戦費調達はどのようになるだろうか。湾岸戦争に使われた費用
720億ドルの中、米国の負担金は 200億ドルにもならなかった。残りの500
億ドル以上は日本など同盟国が負担した。今回は、さて。
 
 改めて感想 わずかの人数でアメリカの政治を、軍事を、経済を瞬時に一撃のも
とに麻痺させた事実に驚く。第一に、ミサイル防衛構想の無意味さ、第二に、アメ
リカの世界の警察官外交の限界、と事件直後の感想に書いた。崩れ落ちる2つのビ
ルを見て文明の意外なもろさも実感した。9/11を境に世界が変わろうとしてい
る。66号に書いたが憲法の平和条項がいよいよ危ない。憲法論争も混迷している
。例えば小泉首相、 10/8 午前3時にはアフガンへの空爆を「強く支持する」とい
い、10/8 昼過ぎには中国で「二度と戦争を起こしてはならない」といっている。こ
の国の将来極めて危うい。
 
 あとがき インターネットで/戦争/が様々に語られて興味深い。本質に迫る白
熱の討論も。

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第69号                   2001年10月19日

           週刊/ALS患者のひとりごと

    今日は/お世話になります
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  戦争とアメリカ

 こんな資料があった。
 中国 1945-46 韓国 1950-53 中国 1950-53 グアテマラ 1954 インドネシア
1958キューバ 1959-60 グアテマラ 1960 コンゴ 1964 ペルー 1965 ラオス
1964-73ベトナム 1961-73 カンボジア 1969-70 グアテマラ 1967-69 グラナダ
1983 リビア1986エルサルバドル 1980年代 ニカラグア 1980年代 パナマ 1989 イ
ラク 1991-99ボスニア 1995 スーダン 1998 アフガニスタン 1998 ユーゴスラビア
1999そしてアフガニスタン。アメリカが過去行ってきた空爆(戦後のみ)の歴史で
ある。民間人死者数合計約450万人と記録されている。さらに経済制裁、政権転
覆、諜報機関による破壊工作、要人暗殺などでの死者約200万人とある。
 
 こんな発言もあった。
 ラムゼイ・クラーク元米国務長官は、「湾岸戦争(あのブッシュの父親が大統領
の時おこした戦争)」という著書で「中東で戦争を望んでいたのはイラクではなく
、米国だった。つまり巨額な予算を維持したい国防総省、中東への武器販売と国内
の軍事契約に依存する軍需産業、原油価格に対する支配力強化と利益の増大を望む
石油会社、ソ連の崩壊を米軍の中東常駐の絶好の機会と考え、石油資源の支配によ
り巨大な地政学的勢力を二十一世紀に向け構築しようとするブッシュ政権だった」
と暴露している。
  
 そういえばアイゼンハワー元アメリカ連合軍最高司令官(後のアメリカ大統領)
は、「すべての銃、すべての軍艦、すべてのロケットは結局のところ、食べ物もな
く飢えている人や、着る物もなく寒さにふるえている人びとからの強奪品である」
と言っている。マクナマラ元国防長官の反核発言も有名だ。人は役職を離れてから
真実を語るものらしい。それにしてもラムゼイ・クラーク元米国務長官発言のなん
と核心をついているだろう。戦争を熱望するアメリカ、その理由、今もあまり変わ
らない。武器弾薬の在庫一掃戦争といわれた湾岸戦争から10年、息子ブッシュも
同じ道をあゆむかのようだ。

 なおこの時の米軍のパトリオットミサイルの命中率がわずか九%であったという
事実、油にまみれた二羽の水烏のシーンが油をかけてつくられたものであったなど
の事実はほとんど知らされていない。9月11日以降多少とも学習してきたが、最
も多くの罪の無い民間人を殺した国、最も多く他国に侵攻を行った国、生物化学兵
器を最も多く用いて殺戮を行った国、それがアメリカであるという事実に新たな怒
りとともにある種のやるせなさを禁じ得ない。
  
 あとがき 同時テロ以降の情勢をみると/正義/にも種類があるようだ。強者の
正義と弱者の正義、支配するものの正義とされるものの正義の間には深淵がある。
違う/正義/の押し付けはこまる。10/13息子結一郎の学童最後のスポーツ交
流会を見学。キャプテンをまかされ、チームリーダーとしてゲームにリレーに大車
輪というところ。15日前進座/旅の終わりに/観劇。

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第70号                   2001年10月29日

           週刊/ALS患者のひとりごと

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  死ぬな!人も死なすな!

 10何年か前にみたわらび座公演「二月三月物語」での、出兵する学徒を見送る
教師の言葉である。「死ぬな!」という言葉でさえ直ちに逮捕される時代の「人も
死なすな!」に激しく感動した。時変わって戦後、平和憲法のもとでの50数年、
曲がりなりにもこの国は/一人の自国の兵も殺さず、他国の人々も殺していない/
という世界史上稀有(けう)なそして素晴らしい歴史をきづいてきた。このことが
戦乱絶えぬ中東の国々などからも一定の信頼を得る根拠となっている。だが今それ
らは大きく変わろうとしている。

 テロ特措法案・自衛隊法改正案が参院外交防衛委で可決、29日に成立したから
だ。「アメリカが今行っているのは明白な軍事活動です。今回の法案(参戦法案)
で自衛隊がおこなう補給、輸送、医療、通信などの活動は軍事上、兵たんと呼ばれ
る前線にたいする支援活動です。自衛隊が敵と直接たたかうことはなくても、軍事
活動の一環を担うことになるのは間違いありません」 元自民党衆院議員、郵政大臣
、党副幹事長、防衛政務次官を務めた箕輪 登さんはこう言っている。
     
 アメリカの空爆は、テロとまったく無関係な市民を巻き込み、死傷させ、多数の
難民を生じさせている。彼らのそれとニューヨークの人々の命の重さに差があって
いいはずはない。 軍事行動だけでテロは根絶できない。パレスチナやカシミールな
どの地域紛争、発展途上国を覆う圧倒的な貧困に、国際社会は本当に真剣に取り組
んできたかが問われなければならない。だからこそ日本の果たす役割は軍事でなく
、テロをはぐくむ根本問題の解決や人道的な支援に精力を傾け、憲法の前文でいう
国際社会での名誉ある地位を目指すべきなのだ。

 難民があふれるアフガニスタンやパキスタンで、日の丸を胸に着けたNGOの日
本人が走り回る。それが姿の見える貢献だろう。「脱出できるのは、まだ経済的に
余裕がある人たち。それに、大半の人はラジオさえ持っていない。くわしい情報も
知らされないまま、戦火の犠牲になる恐れがある」という現実がある。急がなけれ
ばならない。
 
危険な論調
 インターネットの片すみにこんな声があった。/今、世界に必要なのは、「敵対
心」や、どちらが正しくどちらが間違 っているかの判定ではなく、お互いへの「理
解」では? ビンラディン氏やタリバン政権 に与えるべきなのは「報復」ではなく
、彼らの心の声に耳を傾け、パレスチナ、イスラム圏の人々の背負ってきた苦しみ
や葛藤を理解し、認め、共感することなのではないで しょうか?/。だが「なぜ起
こったかではなく事件に対してどう対処するかを話し合おう」というまことしやか
な議論に、つまりはアメリカの「正義」に従う方向の議論に圧倒されている。
 
 あとがき 日々戦火に失われる命、これほど軽くてよいものか。/テロの根源を
絶つ/議論を。

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第71号                   2001年11月12日

           週刊/ALS患者のひとりごと

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  再出発/わの会のこと

 /11月からわの会の体制は、代表佐々木(筋萎縮性側索硬化症)、事務局長竹
村(網膜色素変性症)で、障害をもつ役員が9人中5人である。ところで文字盤と
いうものでしか会話できない代表と、それをみることができない事務局長のコンビ
ですから、みなさんの多大なご協力なしにはなにもできません。同時に障害をもつ
当事者が運営にあたる意味も小さくないと考えています。改めて切によろしくお願
いします/こう議案に書いた。わの会(府中地域福祉を考えるわの会)は、地域の
障害者の福祉の向上と自立支援をめざして結成され、すでに5年になる。

 松原湖畔で「発病以来初めての旅行です」とパーキンソン病とたたかいつづける
ご主人のハモニカをふく姿をみつめるTさんの奥さん。「楽しかった。今度は元町
や港の見える丘公園にも行きたい」と、横浜中華街での昼食会の帰り道、目を輝か
せるIさん。「どうしても巨人戦をみたい」という願いを、みんなで知恵を出し合
い、巨人軍や東京ドームへ要請するなどして、ついに車椅子での観戦を実現したS
さん。わの会のカウンセリングの中で、視力障害を克服すべく、点字学習を通じて
人生の再構築にのりだしたTさん。困難を仲間の援助の中自立へむけて一人暮らし
をはじめたGさん。編み物教室の手編み作業の中で、不自由な手に手の形の厚紙をも
ち「できた!」と歓喜の叫びをあげたYさん。このように小さなしかし感動的なドラ
マをともにつくりだしあいながら、わの会は、その歩みをすすめている。

 障害をもつ仲間たちが、いままでできなかった小さな一つのことができるように
なる。次の段階でまた何かができるようになる。そんなふうな歩みをみんなで助け
合いながら「自立支援」の活動と位置付けとりくんでいる。自立とは努力の方向で
あり結果ではないと考え、一人ひとりのもっている残された可能性を、最大限どこ
まで生かせるかという自己実現の視点をもち続けたいと考えている。こういう中で
仲間たちのがんばりに接する時、「障害は不便である。しかし不幸ではない」ヘレ
ン・ケラーの有名なこの言葉がやさしく/がんばれ/と語りかけているように思え
てくる。

 あの場面1/「死なばもろとも」
 光永正直という人がいる。私の府中勤務の頃の上司である。そこで運転免許を取
得したのだが、直後のある日箱根方面への出張があった。その帰りの駐車場で車に
乗り込もうとした時同行の仲間たちから「光永さん危ないよ」「やめたほうがいい
よ」などからからかい半分のヤジが続いた時「死なばもろともですよ」この一言が
凛(りん)と響いてその場が静かになった。23年前の出来事だが今でも鮮やかに
蘇る。「この人とともに」の思いを深めた。その後終始変わらぬ連帯感をもち続け
られたと私は思っている。私の二度!の結婚式の両方の司会というのも今はなつか
しい。

 あとがき 「障害者にやさしい町は、住民みんなにやさしい町」、だから胸をは
りわの会を。

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第72号                   2001年11月28日

           週刊/ALS患者のひとりごと

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 老人をどう扱うかによって、その社会の原理と目的の−しば
 しば注意深く隠蔽された−真実の姿を赤裸々に露呈する

 「…略…ある社会は、老人をどう扱うかによって、その社会の原理と目的の−し
ばしば注意深く隠蔽(いんぺい)された−真実の姿を赤裸々(せきらら)に露呈(
ろてい)するのだ。老人たちが提起する問題に対して未開人が採用する実際的解決
方法は、きわめて多様である。老人たちはあるいは殺され、あるいは死ぬままに捨
ておかれ、あるいは生きるのに最小限のものをあたえられ、あるいは快適な晩年を
保証され、さらには尊敬と優遇の極致(きょくち)を受けることさえある。われわ
れは、いわゆる文明化した諸国民もまたこれらと同じ扱いを老人たちに適用するこ
とを見るであろう。ただ殺害だけは禁じられている、それが粉飾されたものでない
かぎりは…」ボーヴォアールは「老い」のなかでこういっている。ではわが小泉内
閣の医療制度改革ではどうか。
 
 労働者に対して本人負担の2割から3割への改悪を強要し、老人に対しては、7
0歳から患者負担が軽減される仕組み(老人保健制度)の切り下げ。70〜74歳
の人に、2割負担の“痛み”を強要する。その数630万人(厚労省の試算)。さ
らに、75歳以上の高齢者の通院患者の負担上限を大幅に引き上げ、事実上撤廃す
る。通院で現在3000円(大病院は5000円)の負担上限は、月40200円
(一般の場合)へ、13倍に引き上げられる。加えて「老人医療費の伸び率管理制
度」により医療費が上限を超えると、医療機関に支払う診療報酬を削減する。病院
収入にはね返るから、老人の敬遠または保険外の別料金を求めるかもしれない。 
 
 問題はどこにあるか。1980年度に医療費の30%だった国庫負担は、99年
度には25%まで下がった。逆に、保険料と患者負担を合わせた家計負担は、40
%から45%に増えている。薬価の問題もある。医療費の20・1%を占める薬剤
費を先進諸国並みの16%に引き下げた場合、約1兆4500億円の医療費を削減
できると、経済産業省の審議会(産業構造審議会新成長政策部会)は試算している

       
あの場面2/「だまれ陣笠」
 健康保険の本人負担が導入されようとする時の国会である。いよいよヤマ場とな
る衆議院本会議場である。野党の質問に対する自民党席からの激しいヤジが続く。
この時である。我ながらよいタイミングで「だまれ陣笠」とせいいっぱいの大声で
傍聴席から怒鳴ったのである。自民党席は総立ちで振り向き、こちらを指差し「あ
いつをつまみ出せ」の大合唱。数秒後にはかけよる衛士に「つまみ出さ」れたのだ
が。わずか数秒のヤジの効果に驚きと感動があった。1984年秋、数秒の物語で
ある。なお「陣笠」とは/(1)昔,陣中で下級の武士が兜(かぶと)の代わりにか
ぶった笠。また,下級武士。 (2)下っぱの議員。「―連」/と辞書にある。
 
 あとがき 今パソコンを打っている左手中指の調子がすこぶる悪く、万事苦労し
ている。以前は数分でできたものが数時間かかってしまうのには閉口してしまう。
11/25JALSA東京都支部三多摩交流会が国立市で開かれ、予想を大きくう
わまわる80人をこえる患者、家族、医者、看護婦、保健婦、ボランティアなどの
みなさんの参加があった。運動の広がりに感謝。


UP:20030305,13,0430,0511 20040114,17,18,30
佐々木 公一  ◇ALS
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