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『正論』

200208 フェミニズム批判特集

紹介:櫛田英司(立命館大学政策科学部3回生)
掲載:20020723



 産経新聞社発行の『正論』8月号に興味のある内容の論文が載っていたので紹介したいと思います。

「男女平等」に隠された革命戦略
家族・道徳解体思想の背後に蠢くもの

                       東京女子大学教授  林 道義

○ジェンダーフリーと革命戦略
「フェミニズム運動は男女平等を目指す「女・子供」だけの運動ではない。その背後には日本の革命を目指す勢力、または日本の革命を目指す勢力、または日本の健全な文化と秩序を内部から崩し、力を弱めようという勢力が隠れている。ジェンダーフリー運動はその勢力が周到に準備し遂行している革命戦略の一環である」(p240、第1段落)
○ここまでやるかジェンダーフリー教育
「ある高校の家庭科の教師が、授業の中で、出産の場面を写したビデオを男女生徒一緒に見せた。その出産とは水中出産であり、妊婦は全裸であった。陣痛で妊婦が声をあげ苦しんでいるシーンから始まって、赤ん坊が出てきて助産婦が取り上げるまでが映っていたそうである。」(p241第1段落)
「全裸で出産する場面を男子に見せ、しかも女子に同席させる。これは生き過ぎというよりも、はっきりいって異常である。人権侵害であり、プライバシーの侵害であり、セクハラである。」(p241第3段落)
「これは「ジェンダーフリーの原理は正しいが、そこまでやるのは行き過ぎだ」と言ってすませられる問題ではない。この授業はジェンダーフリーの原理から必然的に生まれたものだからである。」(p241第5段落)
「ジェンダーフリーとは、「男女の性差は教えられたもの、文化的に獲得されたもの」だという理由で、その差をすべてなくそうという主張である。(P241第6段落L1〜L4)
この教師はジェンダーフリーの理念を忠実に熱心に実行したのである。決して行き過ぎとして片づけられるべきではない。」(P241第7段落L5〜L8)
○ジェンダーは人類の智恵
「フェミニストはジェンダー(文化的性差)を頭から「悪いものと」決め付けている。しかし文化的に培われてきた性差は、人類の大切な文化的財産であり、人間にとって必要な智恵の結晶である。」(P241第8段落)
「男女の区別を教え、男は男としての、女は女としての感じ方や行動をしてやることは、人類が生きていくために絶対に必要なことである。」(P241第9段落)
「ジェンダーからフリーになろうとするのは大きな間違いであり、ジェンダーは人間にとって必要な文化である。」(P242第8段落L1〜L3)
○狙いは社会的枠組みの「○崩し」○
 「ジェンダーフリーは二つの根本的な間違いを犯している。「性差は文化によってのみ出来上がる」と考えている点と、「文化的性差はなくすべきだ」と考えている点である。」(P243第1段落L1〜L5)
「ジェンダーフリーは「文化」を貶めようとする思想なのである。性差を文化によってのみ生まれたものと考えた上で、その文化をなくすことを目標にする、文化否定の思想である。」(P243第2段落)
「ジェンダーフリーが反体制運動の中軸として位置づけられ、革命戦略の最も重要な一環になっていることを、われわれは見抜かなければならない。」(P243第7段落)
○フェミズム戦略の段階的進化
「フェミニズム運動は今や国家内国家の様相を呈している。」(P244第6段落L1,2,3)
1理論闘争と組織化の七〇2、八〇3年代(P244第7段落)
4権力の中に入りこんだ九〇5年代(P245第1段落)
「フェミニズム諸立法が何を狙っているか、明らかであろう。それは国家秩序と道徳の「崩し」と空洞化であり、家族の解体である。」(P245第8段落)
6二十一世紀は子供のジェンダーフリー化(P245第9段落)
○「○家族」○は天王山
「「子供」「家族」「家庭」をめぐる攻防は、今や似非フェミニストの戦いの天王山である。」(P247第1段落、L1〜3)
「「家族」を子供たちにどう教えるかは、戦略上もっとも重要な争点となっている。」(P247第1段落、L8〜10)
「「多様な家族」をすべて「平等に」認めたら、人間は好き勝手に何をしても自由ということになり、家族の中で協調したり、我慢したり、義務や責任を重んずることは必要なくなってしまう。ただ家族を崩すことを目的としているとしか考えられないのである。」(P247第5段落、L8〜14)
○権力を掌握したフェミニズム
「行政府を占領し、審議会を独占し、立法化によって上からフェミニズムを推進しようという戦略は、着々と成功しつつある。」(P248第1段落)
「介護保険法によって外堀が埋められた。夫婦別姓法案が成立したら内堀が埋められるところだった。しかし夫婦別姓法案には意外なほど反対が多かった。」(P248第2段落、L1〜4)
「この事態にじれたフェミニストたちは、一挙に本丸を落とす作戦に出た。男女共同参画社会基本法がそれである。」(P248第3段落、L1〜3)
「この法律以前と以後では事態は決定的に変わっている。フェミニストが権力の側に立ち、保守派が反対派の側に立たされているのである。」(P248第4段落、L1〜4)
「本丸を占拠されただけでなく、錦の御旗を奪われた状態と言わざるをえない。」(P248第4段落、L8〜10)
○保守派の戦略の間違い
「「フェミニズムとは男女平等を進めるための運動であり、無害であり、それを利用すれば少子化による労働不足を補うことができる」と考えていたとしたら、それは甘い認識というものである。フェミニズムは単なる男女平等運動ではなく、国際的な革命勢力による戦略の一環として位置づけられ、周到に準備されてきた一大作戦なのである。」(P249第3段落、L8〜16)

☆フェミニズム批判に関連するホームページ情報☆
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Rose/5991/
大阪府に在住の女性の方々がつくられているホームページです。男女共同参画というのは今までしっかりと考えていなかったので、一方的に「いいもの」みたいなのかなってほどの意識でしたが、色々と考える事ができます!!このホームページを見る前後にでも産経新聞者発行の正論8月号のフェミニズム批判大特集を読めば理解しやすくなると思います。特に今まであまり、男女共同参画について興味の無かった人が見たら自分の頭でしっかりと考える事ができると思います。                     

☆コメント☆
 私は常に男らしくありたいと思っている。そこで男らしさとは何かを今回考えてみる事ができたと思う。「何でもかんでも男女平等」→ふざけるなって感じです。男の世界の美徳と言うものがあり、女の世界の美徳というものもあるのだと思う。例えば、以前大田房江大阪府知事が大相撲大阪場所で優勝杯を土俵に上がるか上がらないかでもめていた事があったが、個人的には賛成できなかった。その時は、自分の心の中の何かが反発心を起こしていたのだが、この論文を読んでみて思うことは、あれが認められていたらまさに男女平等という名の下に、日本の伝統文化の破壊が行われてしまうところだったのだ。文化的性差はすべて悪いか、、、そんなことは無いと思う。確かに、わけのわからない「男は偉い!女は下等だ!!」みたいな差別はなくすべきだと思う。しかし、守りつづけていかなければならない、男と女の区別はあるのではないだろうか。私はすべてがすべて反対と言うわけではないのだが、本当に大切なものは何かをこれからも考えていきたいと思う。

また、参考までにこの号の他のフェミニズム批判特集の記事を紹介したいと思います。
Up250〜p261

非常事態に陥った日本-------自治体と教育現場で進行する文化大革命
明星大学教授 高橋史朗
○だれも気づかない深刻な事態
○行政への浸透
○日教組の高笑いが聞こえる
○子供不在の押し付け教育
○家庭教育にも猛威
○この国家的危機を救うのは

Vp262〜p269
 団地妻ユキの闘い-------小泉さん、この実態をご存じですか
主婦 粕淵 有紀子
○男女共同○参画という孤独
○婚姻制度を否定する自治体
○公金で「○反権力」○「○反自衛隊」○思想を宣伝
○したい放題!男女共同参画にタブーなし
○大阪市の場合
○質問をさえぎる司会者

Wp270〜p279
 恐るべしジェンダーフリー教育---------子供たちを洗脳から守るために
作家・都立高校教諭 長尾 誠夫
○ジェンダーフリーの甘い罠
○ジェンダー論は妄想の産物
○誰も支持しないジェンダーフリー
○ジェンダーフリーのトンデモ実践例
○家族と専業主婦への敵視
○なんでもかんでも女性差別
○ジェンダーフリーは女性を不幸にする。
○聡明な貴方へ


……以上、以下はホームページの制作者による……
REV: 20160727
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