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『精神医療』51 特集:精神科救急は精神医療の危機を救えるか

『精神医療』編集委員会 編 20080725 批評社,128p.

last update: 20120915

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■『精神医療』編集委員会 編 20080725 『精神医療』51 特集:精神科救急は精神医療の危機を救えるか,批評社,128p. ISBN-10: 4826504896 ISBN-13: 978-4826504898 ISSN: 09190546 \1700+税 [amazon][kinokuniya] ※(第4次・通巻126)
 *『精神医療』4-51(126)

■内容

・出版社の紹介文([外部リンク]批評社HPより)
「医療崩壊」が話題になっている.事故やお産に直面して救急車を利用しても病院のたらい回し,連日の当直に睡眠不足の医師や重労働で憔悴した看護により医療過誤,救急医療の多い診療科への新人医師の忌避,救急病院の診療費未払いなど,話題に事欠かない.
救急医療のなかには日常の精神科臨床のなかで培われたもろもろの技術が時間的空間的に凝縮されています.救急医療を支える人たちは,医師や看護師など医療従事者はもちろん,病院窓口の当直職員から地域の行政機関の窓口,さらには救急隊員,警察官まで多種多様な職種の人たちです.一方,医療を受ける側の人たちは,精神疾患による病状が憎悪したり,発症した人たち,貧困や社会的孤立ゆえに精神医療サービスの枠にはまらない人たち,夜間・休日のため行き場もなく追い詰められて激情にかられる人たちがいます.ふだん闇に埋もれた部分が救急医療の面前に現れて,命にかかわる場面が数多くあります.
救急医療供給体制の問題点は,日本の地域医療計画における精神科ベッド配置の地域遍在に象徴されるように,民間精神病院が精神科医療のほとんどを担ってきた長い歴史を考えればその解消は容易ではありません.昨今の精神科病院の機能低下が精神科医療全体の供給体制を麻痺させようとしています.かわりに台頭した精神科クリニックは,救急医療を必要とするハードな病態の患者を敬遠し,救急のゲートキーパー(対象選別機能を担う者)としての役割を果たすことができず,救急医療を担う病院の疲弊を招いています.これは「医療崩壊」といっても過言ではありません.
精神科救急医療に利用者は何を望んでいるのか,どのような批判をもっているのか,という利用者の視点もふまえながら,精神科救急医療の現在を,そして将来を見据えた視点で多角的に問題の所在を明らかにしたいと思います.

■目次

 特集 精神科救急は精神医療の危機を救えるか
高木俊介,20080725,「巻頭言 精神科救急から精神医療改革を考える」『精神医療』51: 3-7.
◆平田豊明・山下俊幸・大野素子・川端俊貴・高木俊介・岩尾俊一郎(司会),20080725,「座談会 精神科救急は精神医療の危機を救えるか」『精神医療』51: 10-35.
◆林偉明,20080725,「精神科救急――千葉県では」『精神医療』51: 36-43.
中島直・生島直人・富田三樹生,20080725,「東京都の救急システムを受ける側の問題点」『精神医療』51: 44-9.
◆伊藤哲寛・築島健,20080725,「精神科救急は特殊な医療ではないはずだ――北海道の精神科救急事情」『精神医療』51: 50-8.
◆羽藤邦利,20080725,「東京の救急の現状,課題,打開策」『精神医療』51: 59-71.
◆藤田大輔,20080725,「地域精神科救急を考える――岡山県におけるATC実践より」『精神医療』51: 72-8.
◆加藤真規子,20080725,「NPOこらーるたいとうの仲間の精神科救急医療の体験と意見」『精神医療』51: 79-88.

◆仲野実,20080725,「外来精神医療の野放図な現状とクロノス(時間軸)の導入」『精神医療』51: 90-5.
◆塚本千秋,20080725,「引き抜きにくい釘 第19回――すべてがPになる[その3]」『精神医療』51: 96-100.
◆佐原美智子・岡田実,20080725,「暴力のリスク・マネージメント 1――精神医療現場における暴力」『精神医療』51: 101-7.
◆羽間京子,20080725,「少年非行をめぐって 12――非行少年が背景にもつ被害体験について 1――虐待が大きな影響を与えたと思われるK君のこと」『精神医療』51: 108-13.
浜田晋,20080725,「老いのたわごと 第38回――岡土和雄のこと――臨床精神科医と行政の関係」『精神医療』51:114-6.

 書評
◆西尾雅明,20080725,「『ATCは地域精神医療を変えるか』*NPO法人地域精神保健福祉機構企画/星屑倶楽部製作・著作[中島映像教材出版製作・出版部]」『精神医療』51: 117-9.
 *映像作品(DVD)です
◆芳賀幸彦,20080725,「『私たちがつかんだ宝物――「さいたま市っていいね」って言われたい……』さいたま市障害者協議会/さいたま市障がい者施設連絡会/さいたま市請願署名行動推進委員会編[やどかり出版/2007年11月刊]」『精神医療』51: 120.
◆小林孝雄,20080725,「『臨床家佐治守夫の仕事〈全3巻〉近藤邦雄・保坂亨・無藤清子・鈴木乙史・内田純平編[明石書店/2007年10月刊]」『精神医療』51: 121-4.

◆岩尾俊一郎,20080725,「編集後記」『精神医療』51: 128.

■引用


■書評・紹介


■言及




UP: 20120915 REV:
『精神医療』(雑誌)  ◇精神障害/精神医療  ◇雑誌  ◇BOOK
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