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『精神医療』11(3) 特集:精神鑑定

精神医療委員会 編 19821030 精神医療委員会,104p.

last update: 20110710

■精神医療委員会 編 19821030 『精神医療』11(3) 特集:精神鑑定,精神医療委員会,104p. ISSN: 03030105 ※(第3次・通巻44)
 ※19821030 『精神医療』3-11-3(44)

■目次

精神医療従事者に訴える――久留米アピール(保安処分に反対する精神医療従事者協議会) 2

 特集 精神鑑定
精神鑑定論の最近の動向(吉田哲雄) 3-32
民事上の精神鑑定についての序説――意思能力・行為能力・責任能力(山本巌夫) 33-39

8th: Law and Psychiatryに出席して(逸見武光・談:聞き手・吉田哲雄) 40-42

 資料
決議(案)(精神障害者の人権擁護体制確立の件)(第二東京弁護士会) 43-50

サンフランシスコ市の地域精神衛生サービス(中村佐津保) 51-57

 シリーズ 保安処分新設阻止のために
保安処分の源流 II――大正時代を中心に(加藤博史) 58-65

 一頁時評
全世界の精神科医に訴える(A. コリアギン〔抄訳・寺嶋正吾〕) 66
東京都の総合精神衛生センター(仮称)づくりをめぐって(Y) 67
京都府綾部保健所でおこった精神障害者実態調査について(著者署名なし) 68
二弁,人権・刑法合同研究合宿(著者署名なし) 69
精神医療変革の担い手は誰か――患者の主体形成と医療労働者への連帯に向けて(佐茂) 70

 4回連続B
PSWとその視点――誰も触れない当たり前のことを再確認する(高橋一) 71-75
精神科看護の模索(患者さんのそばで(その3))(山本浩子) 76-80

わが国における幼児自閉症論批判(9)(小澤勲) 81-100.

編集部への手紙/B 103

事務局より(著者署名なし) 104

■引用

◆精神医療従事者に訴える――久留米アピール(保安処分に反対する精神医療従事者協議会) 2
 保安処分制度新設をめぐる情況は,いよいよ最終段階をむかえつつあります.多くのマスコミに見る諸報道は,精神障害者の犯罪を殊更に強調し,世論の動向を保安処分やむなし,にむけて操作しつづけています.
 これに連動するかのように,坂田法務大臣は広く有識者の意見を聴するとして,保安処分に賛成する人々から,根拠とする見解を求めてきました.更に同法相はヨーロッパ諸国の保安処分制度を見聞すると称し,短期間の視察に出発しました.同道した人々はいずれも保安処分制度を推進しつつある法務省関係者であります.これらの一連の動きは,保安処分制度の新設を前提とした民主的手法のポーズとみざるを得ません.
 あらためて強調するまでもなく,精神科医療の日々の営みは,精神障害者が地域社会に生活しているにせよ,入院中であるにせよ,そしてまた不幸にして犯罪にいたったにせよ,病める者への継続した社会生活上の援助にあり,看護にあり,治療にあります.その営みは決して危険性の予測にもとづく収容監置や監視を目的とするものではありません.精神科医療の原点は,この単純かつ明白な常識にこそあります.もし,この常識を精神科医療従事者が,自らの手で放棄するならば,そのよってたつ社会的基盤は崩れざるを得ません.
 保安処分制度は,その本質において,予防拘禁的思想を内包する精神障害者への収容監置制度であり,この意味では精神科医療の原点への政治的挑戦と言わねばなりません.それだけに,ひとりひとりの精神科医療従事者が,今こそこの難問を自らのものとして真摯に受けとめ,自らの医療現場の質的向上をはかりつつ,保安処分制度新設に反対し,強力かつ多彩な運動を展開されることを訴えます.

  1982年9月24日 第25回病院精神医学会総会
  保安処分に反対する精神医療従事者協議会

■書評・紹介


■言及



UP: 20110710 REV:
『精神医療』(雑誌)  ◇精神障害/精神医療  ◇強制医療/保安処分/心神喪失者医療観察法/…  ◇雑誌  ◇BOOK
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