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『飢餓陣営』41(2014年秋号)

2014/11/01 『飢餓陣営』 佐藤幹夫個人編集,1300+
http://www5e.biglobe.ne.jp/~k-kiga/

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last update: 20180924


■目次

http://www5e.biglobe.ne.jp/~k-kiga/kiga41gou.html

 1 シリーズ聞き書き(第1回)
     中山勲氏を訪ねて‐島成郎と沖縄- 

  2 国家と法と社会思想
     竹田青嗣□重力という思想から目覚めること
         井崎正敏『〈戦争〉と〈国家〉の語り方』を読みながら
     橋爪大三郎□憲法・民主主義・「国家緊急権」について 

  3 【緊急特別特集】2014年夏 佐世保で起こったこと
     佐藤幹夫□2014年夏 佐世保で何が起こったのか 
     村瀬学□幾何学の精神について 佐世保・高一同級生殺害事件から
     高岡健□佐世保高一殺害事件覚書 
     赤田圭亮□「誰でもいい、殺してみたかった」
     井原裕氏に聞く□佐世保高一殺害事件をどう受け止めるか 
     北明哲□クリップボード 少年事件についての引用と私註

  4 【特集】『セラピスト』をセラピストたちが読む 
     最相葉月□『セラピスト』が書かれるまで
      最相葉月さんを囲んで□『セラピスト』をセラピストたちが読む
       香月真理子、富樫健太郎、大迫久美恵、滝川一廣、佐川眞太郎、小川正明、
       清水邦光、尾上義和、的場由木、竹島正、佐藤幹夫(司会)
        リポポートを終えて(香月真理子、富樫健太郎)
      内海新祐□二人に流れる静謐な時間 
       最相作品の独断的ご案内□編集部編

     阿久津斎木□10年前より大変かもしれない乳幼児期の子育て
     木村和史□家を作る(7)

  5 詩と思想の批評学
     神山睦美□知的障害と神的暴力 
        佐藤幹夫〈法廷ドキュメント三部作〉を読む
     宗近真一郎□柄谷行人、うたの訣れの起源へ(新連載)
     添田馨□エコノミーの終焉(上)
        吉本隆明「超資本主義論」ノート(3)
     倉田良成□鉄斎山河 日本の絵師たち(7)

  6 エッセイと連載
     水島英己□異変を抱く心、腐った野の物語 映画日和(4)
     築山登美夫□揺らぎのなかの生と大地
     井崎正敏□「私記」であることの可能性
         近藤洋太『人はなぜ過去と対話をするのか』を読みながら
     夏木智□原発を論じるとはどういうことか
        東日本大震災個人的体験記5
     浦上真二□吉本隆明とフリードリッヒ・リスト 古書会読(20)
       ボロ酔い日記

■引用

「ポロ酔い日記 1 二〇一四年七月一日〜八月一日 33-35

七月二六日(土)
○立岩真也氏と天田城介氏の対談が読みたくて、氏らの発行する『生存学』(生活書院)を求めていた。目を通すと、「生存の技法 生存学の技法」と題され、ひたすら広範なテーマが論じられている。医療、福祉、保健について、研究者であれば知っているだろう基本的なことを、いかにこちらが知らないままやってきたか。○ともあれフーコーはもっとしっかり読まないとだめか。所々に出てくる。あんな難しいものを読み込む時間なんか、ワタクシに残っているのか。
七月二六日(土)
○ひと月ほど前、立岩真也氏の『造反有理』(青土社)の書評に新たな稿を書き加え、ブログに掲載したが(ワタシのホームページから入れます)おおむね次のようなことを書いた。○氏は、自身の思いをできるだけ簡潔なところから発したいと思っている。言い換えれば、シンプルだが基本中の基本であるような問いの形にすること。問いがシンプルになればなるほど、叙述は慎重になる。そして関係者の発言や論文などの資料について、自身の文脈に強引に引き寄せた引用ではなく、記録としての客観性をどう担保した引用にしていくか、それが重要になる――ほぼ、そのようなことを書いた。○そのとき再度できず、描き切れなかったことがもう一つあった。『不動の身体と息する機械』(医学書院)との関連である。この著作でも、問いはシンプルだが、きわめて本質的で、進行するALSの患者が人工呼吸器の装着を拒んだとき、積極的にせよ消極的にせよ、それをよしとすることは妥当かどうか――これが問われていることである。○驚くべきは、筆者自らが、論理的に解答を追いこんでいく、という方法が取られていないことだ。工夫された構成の下に当事者の証言を引用していくのだが、もちろん、たんなる羅列ではない。「人工呼吸器をしない」という選択は、認められないのではないかという方向に、いつの間にか着地させていく。筆者自身の見解は引用の間に数行挟まれるだけだが、患者自身に語らせながら、少しずつ方向性を示していくのである。いわば「当事者決定」を、本のなかでやって見せるのだ。ちょっと驚いた。○ここには、構成や編集技法の卓抜さ、というだけでは済ますことのできない問題があるのではないか。それが、原資料(記録)をどうとらえるか、筆者が独特の思想をもっているゆえに、可能となった方法ではないか。そんなことを書きたかったのだと、今回再度して、改めて考えた。」(35)

「ポロ酔い日記 2 二〇一四年八月一日〜八月二五日 117-119

八月三日(土)
○島成郎『ブント私史』『精神医療 追悼 島成郎』(ともに批評社)を、お送りいただく。島成郎の、沖縄での精神医療活動の先駆性。四〇年のあの時代に、すでにあれほど高い理念を持ち、あれほどのことをやっておられたという事実に、改めて驚く。○中井・河合巨頭を中心とした最相さんの『セラピスト』(新潮社)と、いわゆる造反派医師たちの証言や資料を広く集めた立岩真也氏の『造反有理』(青土社)という両著は、あの時代の精神医療の、ポジとネガを描き出すことになった。二つの著者が同じ時期に世に出たのは偶然ではあるだろうが、両者ともに、DSMがさらに改訂された現代精神医療への、強い批評性をもっている。島成郎という医師の、沖縄での取り組みの再評価も同様の意義を持つとワタシは思う。」(119)

「ポロ酔い日記 3 二〇一四年八月二八日〜九月三〇日 188-191

「九月一六日(火)
 […]○立岩真也『自閉症連続体の時代』(みすず書房)読了。拙著をとりあげていただいているので、論表しにくいが、着眼が、いかにもこの著者らしかった。自閉症の原因をめぐる「脳かそう以外か」という二項対立を、徹底的に相対化しようとしている。」(189)


UP: 2014112 REV:20141128, 20150328, 20180924
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