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『JALSA』1990〜1999

『JALSA』 発行:日本ALS協会

last update:20100930

◆『JALSA』021号(1991/04/28)

福井支部が発足 福井支部事務局長 竹村 啓住
「東京地区の集い」開く
支部からの報告
 秋田支部の近況 秋田県 松本 るい
「もはや」のこと 長岡 紘司
ALS八年の回想 松本 茂
私の闘病記
「生立ち」と「発病前後」 佐藤 勉
ALSのリハビリ機能訓練(2)
お便りの中から
〇九十年春から夏
〇夫と共に頑張った八年
〇お風呂に入れてもらって
〇在宅七年目に挑戦です
〇私と四月二十七日
〇医は仁なりや算なりや 多気 常男
<福祉機器情報>リーディングエイド
ご寄付、ありがとうございました
<囲み記事>
 総会のお知らせ
 小冊子のお知らせ
 お譲りします
 会費納入のお願い
事務局だより
編集後記


 
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◆『JALSA』022号(1991/07/08)

平成三年度総会開く
<第一部> 総会
<特別記念講演>操作スイッチについて
<第二部> 懇話会
わが闘病の記
 月報「はばたき」について
 続々将棋万歳 金子 義一
 苦しさと闘いの時
ジャルサ基金開設のための募金活動と会員倍増運動にご協力を
お便りの中から
 パソコンのおかげです
 機関誌を読んで
 個展が終わって
 父を想いながら
 家族会を開いています
 ご寄付、ありがとうございました
 本の紹介
<囲み記事>
 ソニー(株)から一千万円のご寄付
 ケア・ブックができます
 原因究明の手がかり見つかる
編集後記


 
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◆『JALSA』023号(1991/10/25)

家族性ALSの起因となる遺伝子座と21番染色体の連鎖と遺伝座位の異質性について
アメリカのケア会議に参加して
<講演>ALSの治療とケアについて 齋藤 光典(狭山神経内科病院長) 12-19
「女性が患者さんで、ご主人が面倒をみられている場合、奥さんは大体遠慮されます。これ以上闘病が長く続くと、お父さんは会社を休まなければならないし、子供の教育もままならなくなるから、気管切開したくない、と。」(p.17)
あくさいとのたたかい
私のALS症状と経過
お便りの中から
 新聞投稿で社会に訴える
 沢山の人々に支えられて
 パソコンに励む日々
 パソコンは唯一の楽しみ
 田舎へお出で下さい
 気管切開して
 台風と停電
 夏、わが家の旅
 患者家族会にご参加を 長野県 室谷恭子
 Mさんへの手紙 新潟県 小林富美子
 妻の近況
<囲み記事>
 秋山ちえ子先生菊池寛賞≠受賞
 竹内さん、『今日を生きる』を出版
 お譲りします
ご寄付ありがとうございました
事務局便り
編集後記


 
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◆『JALSA』024号(1992/04/02)

高知県支部が発足 高知県支部事務局長 沖野 宏
<記念講演>ALSについて 高知医科大学神経精神医学教室 教授 池田 久男
 pp.5-10(シャルコーについて)
悪妻との闘い(6) 松本 茂
英国MND協会主催医学会議に参加して
ケア会議、団体会議報告
広島の集い開く
ALSケアブックができました
医療従事者のバイブル
我が方丈記 金子 義一
私の表現と病気
<情報トピックス>診療報酬が改定される
質問コーナー
お便りの中から
 喉頭摘出手術を受けました  井上 真一
ご寄付ありがとうございました
パソコン通信の勧め
本の紹介
<囲み記事>
 総会のお知らせ
 越の春秋 短歌抄


 
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◆『JALSA』025号(1992/09/22)

平成四年度総会開く
<第二部特別講演>ALSをめぐる最近の話題
<第三部>懇話会
力を合わせ、「ジャルサ基金の設立を」
都議会でALSが取り上げられる
<情報トピックス>
 医療法、改正される
 社会党共同政策ネット、難病対策を取り上げる
 ALS治療薬の開発研究にはじまる
 三自治体で人工呼吸器の貸し出し始まる
喉頭摘出手術について
「悟り」について 金子 義一
支部からの報告
 支部設立五周年を迎えて 千葉県支部長 竹内 栄巧
会員倍増運動にご協力を
お便りの中から
 パソコンのおかげです 土屋 融
ご寄付ありがとうございました
本の紹介
<囲み記事>
 会費納入のお願い
 「ジャルサ基金」設立の集いのお知らせ
 「悟り」について
編集後記


 
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◆『JALSA』026号(1992/12/10)

いよいよ基金設立に向けてスタート
「ジャルサ基金」設立趣意書
「ジャルサ基金」設立御賛同人名簿
「ジャルサ基金」設立の集い開く
<支部からの報告>
県へ再度陳情する――千葉支部――
アメリカのALS治療について
ALSにおける皮膚病変について
悪妻との闘い――岡山行き―― 松本 茂
<囲み記事>
会員倍増運動にご協力を
好評のケアブック
作品をお寄せ下さい


 
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◆『JALSA』027号(1993/05/10)

国際ALS/MND協会同盟結成される
栃木県支部が発足
<ジャルサ基金ニュースU>広がる募金運動の輪
新潟県議会でALSが取り上げられる
新医療制度いよいよスタート
――お知らせ――総会のご案内
ALSとカナダの社会保障
<情報トピックス>家族性ALSの原因究明さらに進む
支部からの報告
 県知事に陳情 高知県支部長 篠原糸美
 千葉県支部より 事務局 川上純子
拝啓、厚生大臣様
<Q&A>介護援助について
お便りの中から
 介助機器「フリーアーム」
 松本会長宅訪問の旅
 外泊旅行体験記
本の紹介 土屋とおる『生きている 生きねばならぬ 生きられる』
<囲み記事>
 会費の納入のお願い
 応援して下さい
 差し上げます
編集後記


 
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◆『JALSA』028号(1993/08/31)

平成五年度総会開く
<第二部特別講演>
アメリカにおけるALSの治療研究 三本(みつもと)博
<第三部>懇話会
神奈川県支部が発足
<ジャルサ基金ニュース3>各地で盛大に催し開く
基金設立委員小松原圭子さんを偲ぶ
衆議院でALSが審議される
人工呼吸器を装着して一〇年 札幌市 山端ハナ 40-41

お便りの中から
 母からの贈り物
 兄弟ゲンカ 金子 義一
 病院調査、お願いします 外山 了一 44-45
 一日一日を大切に
 リハビリに励んでいます
 ご寄付ありがとうございました
<囲み記事>
 引っ越しました
 人工呼吸器に新レンタル価格
 会員増強にご協力を

「[…]人工呼吸器をつけると,長生きをすることははっきりしています.それが病院では困るのです.長期入院になれば,段階的に医療点数が下がって,病院が赤字になるような仕組みになっています.
私は呼吸器をつけてからが本番で,ALSとの闘いはこれから始まるものと思っています.気管切開をしておきながら,呼吸器をつけずに亡くなったと悲報を聞くたびに,妻と泣きながら,「器械を持って行って,つけてあげたい.これではまるで殺人ではないか.かわいそうなこと,こんなむごい話はない.なんとALS協会も非力なことか.みすみす殺すなら,協会なんかいらないのでは」と自分が会長でありながら,何もできないことを棚に上げて,怒っています.
これは,国の制度が悪いのでありまして,「ALS患者は死んでください」と言っていると同じです.」(『JALSA』28:5],仲口[☆]に引用)


 
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◆『JALSA』029号(1993/12/25)

大内厚相、鋭意取組みを議会で表明
<ジャルサ基金ニュース4>各地で活発に催し・集い開かれる
ALSにおける皮膚病変について(2)
好評のケアブック
質問コーナー
<情報トピックス>
 難病対策の抜本見直し始まる
 オーファンドラッグにALSの治療薬も指定
在宅用人工呼吸器LP10(医療機器情報)
ふるさと紀行
お便りの中から
 稲刈り
 台風
 ものを言う患者になろう
アンケート調査報告
石川県支部が発足
<囲み記事>
 バザー開催にご協力を
 本の紹介
テレホンカードをどうぞ


 
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◆『JALSA』030号(1994/04/18)

ご挨拶 松本 茂
大きな広がりを示した募金運動
多彩なチャリティ募金行事
各地での催し
 金沢市で患者合同作品展 永井道子
 フリーマーケットに参加
 イボラル展で患者合同作品展
 仙台市で患者合同作品展・講演会開く
 渋谷駅で街頭募金
 ヤオハン各店に募金箱設置
広がる協力の輪
 大学OBの仲間達に呼びかけ
 少しでもお力になれれば
 保健所内で募金協力
 協会に募金箱を設置
 尊い奉加帳の山
一言メッセージ
悪妻との闘い――バザーとコンサート
いよいよジャルサ基金開設へ
<お知らせ>チャリティバザー献品のお願い
 六月にチャリティ・コンサート
お便りの中から
 石川県支部設立に思う 永井道子
 患者さん方のご健闘を祈って
 ケア体制の充実を
 夫の介護をふり返って
 ありがとうございました
 ほとほと疲れました
 新聞報道に思う
ご寄付、ありがとうございました
編集後記


 
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◆『JALSA』031号(1994/03/25)

<仙台記念講演>
ALS患者にいつも愛と支えを
<国際ALS/MND同盟主催>
医学シンポジウムに参加して
ケアシンポジウム、同盟会議報告
ALSの遺伝子解析――病因解明への道
<平成六年度予算、診療報酬改定から>
国の難病対策、一歩進む
私の工夫
 松本式深呼吸に助けられて
 在宅介護の工夫と知恵
お便りの中から
 <医療機器情報>在宅用人工呼吸器PLV−100
ジャルサ基金ニュース
ご寄付ありがとうございました
<囲み記事>
総会のご案内
譲ってください
お譲りします


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◆『JALSA』032号(1994/07/30)

平成六年度総会開かれる
<第二部特別講演>
「ALS治療研究の現状」
◇柳沢 信夫 19940730 「ALS治療研究の現状」(1994.4.17,日本ALS協会総会での特別講演),『JALSA』032:16-27
「現在、世界的にALSの治療研究は、一生懸命行われており、わが国でも、もちろん行われております。どんな治療であっても、それが今の医学できちんと説明がつかないような治療であってもいいわけですが、確実に効くと考えられる治療があれば、それは国際的な機関に報告をして、みんなでそれを検討するということになっています。」(p.22)
<第三部>懇話会
病床雑感
チャリティバザー、盛大に開催
 チャリティバザーに参加して
 街頭募金で大きな成果
 ぼ金の感想
ご寄付ありがとうございました
本の紹介
編集後記
「柳沢先生のご講演にもありますように、今、ALSの研究が世界的規模で進められていて、治験薬も次々と試されつつあります。この病気の原因が究明されるのも決して遠くはないと信じて、頑張ってゆこうではありませんか。」(『JALSA』32「編集後記」)

 
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◆『JALSA』033号(1994/11/25)

筋萎縮性硬化症(ALS)をめぐって
ALSの抗ガングリオシド抗体について
難病対策専門委員会の「中間報告」出る
ジャルサ基金ニュース
――トピックス――
 オーファンドラッグに分岐鎖アミノ酸指定さる
 CNTFとBDNFの併用、マウス実験で効果
山口県支部が発足
文芸
――介護機器情報――
 ウォーターマットとクッション
 介護チャイムを工夫
 在宅用人工呼吸器のレンタル
本の紹介
お便りの中から
 在宅療養一年を迎えて 橋本操 30 ご寄付ありがとうございました
<囲み記事>
 高橋治著『海の蝶』(新潮社 1800円) 9
 会費納入のお願い
 川口名誉会長死去


 
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◆『JALSA』034号(1995/04/01)

ALSの呼吸筋麻痺と呼吸器装着
第五回医学シンポジウムに参加して
オランダの患者さんの「安楽死」を放映
・TV放送を見て 横浜市 井上 真一
 「「私は同病者として、安楽死は認めたくない気持ちで一杯です。……これの立法化は弱者を追い詰めかねないので反対です。/[…]/患者さんは告知を受け多くの方が絶望しています。特に働きざかりの方が発病すると、その落胆ぶりは大きく励ましてもなかなか元気になりません。放映を見て気落ちしないか心配です。」(井上[1995:16])
・東京都 平田登志郎
 「[…]本日は妻の胃瘻作成(飲み込む事ができない)のための手術の日であったが、最初妻は頑強に手術を拒否していた。家族(p.16)の負担、家の崩壊を憂いたからであり、進行が止まることも治療の希望もない、この病を知っていればこその「安楽死」を願ったからであろうと推察する。/医師を眼の前に、私や家族の切なる説得でやっと手術を承諾してくれたが、それでも前途の希望は全くない。人工呼吸器を付けての自宅介護は困難であるとの医師の言葉。しかも東京都には入院介護を引き受けてくれる病院もないという。/これでは安楽死ならずとも死ねということと同じではないか。しかし、妻には死ぬための薬を飲む手の自由も、呼吸器を外す力も奪われているのだ。病人はそれに耐えても生きよというのか。神も仏も医療もない、地獄とは正にこのことを言うのでしょう。」(『JALSA』034号(1995/04/01):16-17)
・千葉県 竹内栄巧
 「ALSに限って申し上げさせて頂ければ、安楽死絶対反対です。/私は五五歳のALS患者です。自らの命を自らが決めるなんて野望と思います。/私は病名の告知を受けると共に,あと一、二年の命と宣告され、生きるか死ぬかの選択に迫られ自殺まで考えた事がありますが、医師の説得や患者家族などの集まりである日本ALS協会の存在を知り、必死に頑張る多くの患者さんとの出会いがあり、病の残酷さを知ると共に、改めて命の尊さを知らされた次第です。」(竹内[1995:16])
・千葉県 木村節子
・長野県 U子
 「私の娘婿は四一歳で昨年六月、ALSとの診断を受け、[…]/娘も何とか彼を救う道がないかと闘病生活を送っている方々を訪問しておりますが、受け入れてくれる施設がなく四か所もたらい回しにされているうちに、看護の奥さんが精神的に行き詰まって入院されるという話をしながら、遠からぬ自分の姿を重ねたのか、おびえたような娘の顔が私の胸から離れません。/生命の問題に関しては絶対に他人がとやかく介在すべきではない事だと思います。その点でオランダが国として対応を打ち出してくれた事について、それを行うどうかは個人の自由のわけで、それによって助けられる方々もおられるのではないでしょうか。/看護人の人権はないのでしょうか。家族も共々に生きられる制度の確立がない限り、悲劇の発生は避けられません。」『JALSA』034号(1995/04/01):18 ・むつ市 佐藤信行
宮崎県支部が発足
山形県支部が発足
知事と県議会に陳情
阪神大震災――被災、お見舞い申し上げます
文芸
ジャルサ基金ニュース
北九州地区の集いを開催
お便りの中から
ご寄付ありがとうございました
<囲み記事>
総会のご案内
コンサート開催のお知らせ
故ベン・コーエンさんの絵はがき
お譲りします
健康食品、「孔子」ビデオ、テレホンカードをどうぞ


 
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◆『JALSA』035号(1995/00/00)

平成七年度総会を開く
<特別講演>ALSの病因と新しい治療
<トピックス>
 東北大学で治療的電気刺激療法始まる
 欧米でのリルゾールの治験結果出る
 ケア講習会開く
 自由が丘駅前で街頭募金
お便りの中から
本の紹介
 平田登美子著「全身の力をしぼり筆をとる」
 石川 勇 著「しあわせの風」
 照川貞喜 著「みちづれ」
ご寄付ありがとうございました
<囲み記事>
 バザー開催にご協力を
 ご寄付のお願い
編集後記


 
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◆『JALSA』036号(1996/02/01)

森井厚生大臣に陳情
新進党議員懇話会でALS対策を要望
全国4か所でチャリティ・コンサート開催
<トピックス>
「障害者プラン」最終答申出る
本の紹介
 松本茂著「悪妻とのたたかい」
<医療機器紹介>
 ハイパワー吸引器VSU−100
いよいよ「ALS基金」公募開始
<囲み記事>
総会のご案内
ご寄付、ありがとうございました
アンケート調査報告

「森井厚生大臣に陳情
暮れも押し詰まった一二月二一日午後,森井忠良厚生大臣を訪問し,ALS治療の推進,入院受入れ状況の改善,及び介護福祉面での支援について陳情しました.〔…〕
陳情書
〔…〕一日も早い原因の究明,治療法の確立が望まれるところですが,それにも増して切実な問題は,医療・介護福祉面での支援体制があまりにも乏しいということでございます.事実,入院療養したいと思っても,大病院でALS患者を受け入れてくれる所は少なく,また在宅療養しようにも公的な支援は十分でなく,家族に負担をかけすぎることから,生きることを諦め,亡くなっていく患者さんが後を絶ちません.〔…〕 ALSは決して死病ではなく,たとえ五体は動かず,人工呼吸器を装着した身であっても,支えてくれる体制さえあれば,立派に人間として生きられるということを,身をもって実証してまいりました.〔…〕また家族も二四時間付きっきりの介護に追われ,収入の道も途絶えて,精神的・肉体的にも,経済的にも限界を超えております.社会的支援なしには,ALS患者が生きていくことは不可能です.(『JALSA』36:4-5 [1996-2-1],仲口[☆]に引用)


 
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◆『JALSA』037号(1900/00/00)

菅厚生大臣に陳情
平成八年度予算、診療報酬改定
難病対策関係、重要二報出る
北側議員、政府にALS対策を問う
大分県支部が発足
――情報トピックス――
 国立病院・療養所の再編成に関する最終報告出る
 オーファンドラッグに医薬品二十三品目指定
 公的介護保険の審議高まる
総会のご案内
<ALS基金ニュース>
第二回チャリティバザー開催
沼津市長に陳情
行政に望む
私の工夫
お便りの中から
ご寄付、ありがとうございました
<囲み記事>
 医療福祉機器を貸し出します
 福祉機器情報
 ご寄付に感謝申し上げます
編集後記

「管厚生大臣に陳情
去る二月二二日,管直人厚生大臣にお会いし,陳情することができました.昨年暮れ,森井厚生大臣(当時)に陳情し,温かい励ましのお言葉を頂戴したものの,その直後に内閣が変わり,少々とまどいを覚えていましたところ,北側一雄衆議院議員(新進党)のご紹介で,再度大臣に陳情できる運びとなった次第です.〔…〕
冒頭,北側議員から,大学時代の友人がALSで亡くなられ,病気の過酷さ,介護する家族の大変さをつぶさに見てきており,ぜひ温かい施政をお願いしたい,とお話がありました.〔…〕
会見時間は二〇分の予定が倍近くにも延び,じっくりお話を聞いていただくことができました.」(『JALSA』37:4 [1996-4-6],仲口[☆]に引用)

「去る二月,老人保健福祉審議会は公的介護保険についての第二次報告を発表しました.
 それによると,給付の対象は六五歳以上の要介護状態にある高齢者で,初老期痴呆の方も含まれます.在宅サービスが中心ですが,特別養護老人ホームや老人保健施設等の施設サービスも対象となります.
 要介護の認定は専門家から成る第三者機関が行い,介護が必要と認められれば,やはり専門家から成るチームがケアプランを作成して,必要なサービスを提供します.しかし,それに必要なホームヘルパーや介護士,理学療法士,訪問看護婦さんたちをどうやって確保するのかは,あまり触れられていません.また,保険者を誰にするのか,保険料は全国一律にするか,それとも地域ごとに変えるのか,現役世代に費用負担を求めるとして,その範囲をどうするか等については,まだ決められていません.
六五歳以下の若年障害者の介護は,障害者プランに基づいて行うとありますが,はたしてそうなるのか,障害者プランの進捗状況も併せて,今後の成り行きを注意して見守りたいものです.(『JALSA』37:25 [1996-4-6],仲口[☆]に引用)

「去る二月,老人保健福祉審議会は公的介護保険についての第二次報告を発表しました.
 それによると,給付の対象は六五歳以上の要介護状態にある高齢者で,初老期痴呆の方も含まれます.在宅サービスが中心ですが,特別養護老人ホームや老人保健施設等の施設サービスも対象となります.
 要介護の認定は専門家から成る第三者機関が行い,介護が必要と認められれば,やはり専門家から成るチームがケアプランを作成して,必要なサービスを提供します.しかし,それに必要なホームヘルパーや介護士,理学療法士,訪問看護婦さんたちをどうやって確保するのかは,あまり触れられていません.また,保険者を誰にするのか,保険料は全国一律にするか,それとも地域ごとに変えるのか,現役世代に費用負担を求めるとして,その範囲をどうするか等については,まだ決められていません.
 六五歳以下の若年障害者の介護は,障害者プランに基づいて行うとありますが,はたしてそうなるのか,障害者プランの進捗状況も併せて,今後の成り行きを注意して見守りたいものです.(『JALSA』37:25 [1996-4-6],仲口[☆]に引用)

「行政に望む 差別のない公的援助を

東京都 橋本 操
 私は練馬区に住む四二歳,発病一〇年になる一女の母です.二四時間,全介助で人工呼吸器をつけています.
 昨年一〇月一日,都内荒川区の後藤武雄さんと一緒に,順天堂伊豆長岡病院に入院中の杉山進さんのお見舞いに行きました.杉山さんは脳外科病棟に入院されていました.病室には白い衣服,白い帽子に着替え,ゴム手袋をつけなければ入ることができません.先天性脳障害の赤ちゃん達が同部屋で,杉山さんの白い部屋には大変ショックを受けました.
 同病の患者さんにお会いするのは三度目,私も数回の入院経験がありますが,音と色彩のある雑踏の中にいるような入院生活でしたので,杉山さんの入院生活を知り,愕然としました.
 決して他人事ではありません.この病は天が無作為に与えるのです.どうぞ大きな力で全国の患者さんを救済して下さい.入院施設の確保と在宅支援の一元化を,早急に進めてほしいのです.まず現状を調査して,患者の声を聞いて下さい.
 ずいぶん前に,原因究明は砂漠の砂を一粒一粒調べるようではあるが,少しづつ進んでいると聞かされた記憶があります.ルー・ゲーリック病とも呼ばれるこの病は,発見後一二〇年あまりの歴史をもちながら,原因すらわからないのです.私はこの病気を受け入れるとき,「まぁ,アルビノみたいなものね」と言い聞かせました.白いカラス,白いヘビ,黄色のニジマス,お仲間は沢山.色素と細胞の違いはあるけれど…….
 私がそのように思えるのも,多分,経済的なことを除けば,親子三人,恵まれているせいかも知れません.
 私の主な介護者は,安城さん,中村さんの二人です.基本的に家族は介護しません.一〇時〜一七時は二人が交替で,一七時から翌一〇時までは,日本社会事業大学の学生七人が介護に入ります.家事は業者のシステム・ハーイが,月水金,買い物,掃除,料理を二時間づつ,福祉公社が,火木,買い物と掃除を一,二時間手伝ってくれます.無償ボランティアはいません.
 以上にかかわる経費は次のとおりです.昼間の介護者は,時給千三百円ですが,月五万円弱の負担で,週二九時間はホームヘルパー派遣制度が利用できるので,残り一〇〇時間,一三万円+五万円,夜間が一万一千円×三一日で三四万円+食費三万円,家事援助が三万五千円で介護にかかる経費は五五万+三万です.練馬区の「脳性麻痺者等介護人派遣制度」が適用されて約四五万円,障害者手当が計九万円あるので,ほぼ公的補助で何とかカバーできるようになりました.
 ほかに,練馬区の公的ホームヘルパーは吸引などの医療行為をしませんから,人材確保,人材養成も各自ですることになり,年間三〇万円前後の養成費が必要です.
 医療面でも,昨年八月より呼吸器のレンタルが保険適用となり,年間六〇万円の負担減となりましたが,呼吸器の回路と消耗品代(年間二〇万円程度)は必要です.
 都内に住んでいても,他区町村では介護費の補助はほとんどありません.また地方に住む多くの患者さんは,国の手当と難病手当の計三万円強と,運がよければ障害年金とで療養しています.
 一〇万人に四人という,この病気の患者の中では,私はまれな存在なのです.中には病名さえも特定されず他界した方,家族の負担を思い,人工呼吸器を拒否する方,入院先が見つからない方,運よく見つかっても,呼吸器が外れて落命する方,悲しいよりも空しい,この病気の,それが現実です.
 在宅の問題点は,人材と社会資源の確保です.専従介護者の身分保障(福利厚生,収入等)の確立,吸引などの医療行為ができるような介護者の育成があります.また,人工呼吸器の回路等の附属品の保険適用,吸引カテーテル,Y字ガーゼ,経管栄養のための器具などの生命維持に必要なものが保険適用になれば,より在宅療養が楽になると思います.
 全国の患者さんが,練馬区と同じような公的援助が受けられるように,差別のない,ゆったりと過ごせる施設の確保と,在宅療養希望者には,介護費の補助をお願いします.
 発病一〇年の節目に,今後はなりふり構わず,ALS患者の生きるための環境づくりに努力したいと思いますので,ご協力をお願いします.」(『JALSA』37:30-31 [1996-4-6],仲口[☆]に引用)


 
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◆『JALSA』038号(1996/10/10)

<日本ALS協会設立一〇周年記念>
平成八年度総会開く
<第一部>八年度総会
<第二部>日本ALS協会設立一〇周年記念式典
一〇年後のビジョン
<記念講演>
ALS治療の確立とQOL向上をめざして
本の紹介
「ALS基金」街頭募金
ALS患者の長期人工呼吸での換気量設定についての試案
<特報!>
 国の取り組み、いよいよ始まる
ALS対策、国会で取り上げられる
 福島豊議員の質問
 横内正明議員の質問
お便りの中から
ご寄付ありがとうございました


 
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◆『JALSA』039号(1997/03/01)

会長・副会長、久保副総理らに陳情
厚生省、ALS対策に乗り出す
倉田自治大臣に陳情
横内議員、国会で投票制度につき質問
福岡、宮城、長野に支部誕生
杉山さん、新聞に意見広告
お便りの中から
 一時帰宅できました
 お泊まり旅行
 ALSと余病を乗り越えて
――医療機器紹介――吸引器
機器を貸し出します
――本の紹介――
 宮川豊子著『心優しき人々との出会い』
ご寄付ありがとうございました
編集後記

 「厚生省,ALS対策に乗り出す
 厚生省がいよいよ,ALS患者の療養対策に取り組むことになりました.(『JALSA』39:10 [1997-3-1)」

 「この内容は,国立療養所を中心に受け入れ対策を整えることや,ALSの研究推進強化のために予算を付ける,さらには疾病対策課を中心に「全国ALS医療相談ネットワーク」の構築などが盛り込まれていた.しかしここまでのJALSAの記事には「介護保険」についての記事はあるが,「我われも介護保険の対象に」という話題は見当たらない.先に参照したように,介護保険法/制度については, 1997年1月「平成9年全国厚生関係部局長会議」において厚生大臣(当時)のあいさつで,地方分権と当面の財政危機の回避を図ることを課題として「高齢者保健福祉施策については,介護を要する方が自らにあったサービスを選択し,できるだけ自立した生活を送ることができるよう包括的な介護保障の制度の構築が必要であります.このため,先の臨時国会に介護保険法案及び関連法案を提出したところであり,その成立に向けて全力を挙げて取り組みます.」 と述べておりまた,すでに経緯としては,平成6(1994)年から新システムの構築が検討されてきていた .しかしここまでは,「難病者(介護)施策」と「高齢者(介護)施策」を区分して別に検討されていたし日本ALS協会もそういう考えであったとみることができる.ところが,次の1997年4月22発行の第40号にはついに介護保険の対象に,という話題が登場する.」(仲口[☆])


 
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◆『JALSA』040号(1997/04/22)

小泉厚生大臣に陳情
総会のご案内
五島議員、国会でALS対策を質問
診療報酬、改正される
介護保険、医療保険改革、国会で審議
茨城の集い開かれる
日本ALS協会・・一〇年後のビジョン
お便りの中から
 いのち咲かせて
 協会発足当時の思い出
 退院記念
 妻はおだやかに
小諸へ行きましょう――介護勉強会のご案内――
ご寄付ありがとうございました
<囲み記事>
会費納入のお願い
会員増大にご協力を
茨城県支部が発足します
編集後記

★1-4. ALS療養者を介護保険の対象に
小泉厚生大臣に陳情
 去る二月二七日,小泉純一郎厚生大臣を訪問し,ALSへの取り組みをお願いすることができました.
〔…〕まず,松岡事務局長が持参した陳情書を大臣にお渡しし,総合的なALS対策をお願いしたいこと,特に入院療養の問題,介護の人手が足りないことで患者さん・家族が困っており,何とか抜本的な対策を講じていただきたいとお願いしました.また,現在国会で審議中の介護保険の対象に入れてほしいこと,もしそれが無理なら,ALS患者さんの介護支援をどこで,どういう形で行うのか,介護保険法案が成立するまでに,具体的な方策を打ち出していただきたいとお願いしました.〔…〕
お二人から陳情文を受け取られた大臣は「わかりました,あなた方の訴えをきちんと受け止めさせていただきます」と言われました.〔…〕

ALS対策に関する陳情書
謹啓 日頃は厚生行政にご尽力いただき,感謝申し上げます.さて本日は,私どもALS患者に格別のご高配を賜りたく,陳情申し上げます.
 ALS(筋委縮性側索硬化症)は原因不明の神経難病で,予後三〜五年,運動神経が侵されて手足は全く動かなくなり,話すことも食べることも,呼吸さえもできなくなって,そのままでは死に至るという大変な病気でございます.残念ながら治療法はございません.
 では,ALSは絶望的な死病であるかと言えば,決してそうではありません.受け入れてくれる医療機関と,支えてくれる体制さえあれば,たとえ五体は動かず,人工呼吸器を装着した身ではあっても,立派に人間として生きてゆけます.
 問題は,病気が余りにも深刻なことから,受け入れてくれる医療機関が少なく,また余りにも介護・福祉に手がかかりすぎることから,これといった社会的支援を受けられないことにあります.そのため,どれだけ多くの患者さんが生きることを諦め,亡くなっていますことか.その数は毎年,数百名を下りません.
 私どもはこうした現状を改善していただきたいと,この十年来,国に訴えて参りました.その甲斐あって,特殊疾患療養病棟制度の導入,緊急一時ベッドの確保,訪問看護制度の実施等,いくつかの施策を講じてはいただきましたが,抜本的な解決には程遠いと申し上げざるを得ません.
 折しも障害者プランに基づく難病福祉推進事業がスタートし,公的介護保険の導入がはかられようとしている昨今ですが,この機会にぜひとも,ALSを中心とした神経難病疾患者の医療・介護福祉に光を当てていただきたく,抜本的な解決策を講じていただけますよう,伏してお願い申し上げます.  敬具
〔…〕」(『JALSA』40:4-5 [1997-4-22],仲口[☆]に引用)

「〔…〕
D. 在宅療養支援策の充実を
一.在宅療養患者の介護支援を強化して下さい.ALS患者は二四時間付きっきりの介護を要し,家族だけで支えるのは不可能です.そこで,次の施策を講じていただきたい.
(1)せめて,平日,昼間だけでも家族が休めるように,ヘルパー,訪問看護婦の派遣を充実させて下さい.
(2)ヘルパーも吸引できるように行政指導して下さい.
(3)制度が整うまで,介護券等支給する(現金給付)などして,家族が介護人を雇えるようにして下さい.〔…〕(『JALSA』40:6-7 [1997-4-22],仲口[☆]に引用)

「〔…〕
D. 在宅療養支援策の充実を
一.在宅療養患者の介護支援を強化して下さい.ALS患者は二四時間付きっきりの介護を要し,家族だけで支えるのは不可能です.そこで,次の施策を講じていただきたい.
(1)せめて,平日,昼間だけでも家族が休めるように,ヘルパー,訪問看護婦の派遣を充実させて下さい.
(2)ヘルパーも吸引できるように行政指導して下さい.
(3)制度が整うまで,介護券等支給する(現金給付)などして,家族が介護人を雇えるようにして下さい.〔…〕(『JALSA』40:6-7 [1997-4-22])

後に実施されたことを遡及的に概観すれば,(介護保険の対象に入ったことで)この要求のうち,(1)だけが達成されたということになるが,このあたりから「掛け違い」が,すなわち「ないよりは(不十分でも)あったほうがよい」という切実なる思い/要求が,「財政難」の壁の前に,ほんの一部分だけ叶えられることとなり,そしてますます,「やりづらく」なっていくこととなる.同じJALSA40,41号に以下の記述がある.

〔…〕人工呼吸器を装着したALSの患者さんの場合,二四時間介護を要し,この程度のサービスでは到底足りません.足りないから介護保険の対象に入れてもらわなくてもよいとするのか,不十分ではあっても,まずはこれだけのサービスを受けられるよう,介護保険の対象に入れてもらうか,難しいところです.現在,在宅療養しておられる患者さんの大半は,これだけのサービスを受けられていません.それを考えますと,たとえ不十分ではあっても,介護保険の対象者に入れてもらい,介護サービスを受けられるようにするのが望ましいと言えます.そして足らざる部分は他の制度でカバーしてもらえるようにするとか,あるいは介護保険のサービス内容をさらに充実してもらうとか二段階,三段階構えで運動を進めてゆくのが,現実的なやり方であろうかと思います.
ALSの患者さんたちを介護保険の対象に入れるのかどうか,入れないとすればどこで,どう取り組むのか,国会で取り上げていただいています.成り行きを注目すると共に,協会として,厚生省に更に強く働きかけてまいります.(『JALSA』40:17 [1997-4-22])


 
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◆『JALSA』041号(1997/07/28)

平成九年度総会開く
<第一部>平成九年度総会
 会長挨拶*
*日本ALS協会会長:松本 茂(奥様代読)「総会開会挨拶」
 http://www.nemoto.org/ALS/OLD/JALSA-41/KAIKAI.html
 平成八年度活動報告
 平成八年度決算報告
 平成八年度ALS基金決算報告
 平成九年度役員人事
 日本ALS協会・一〇年後のビジョン
 平成九年度活動方針
 平成九年度予算
 ALS基金平成九年度事業計画・予算
 ALS基金研究奨励金交付
 副会長挨拶
<第二部>記念講演
 「ALSの治療研究の現状と医療環境整備事業のめざすもの」
 質疑応答
<第三部>交流会
北側一雄議員、国会でALS対策を質問
事務局トピックス

「※介護保険,医療保険制度の改定等にからみ,国,自治体,政党に抜本的なALS対策に取り組むように働きかける.
※介護保険にALSが入るかどうか微妙」(『JALSA』41:5 [1997-7-28],仲口[☆])

 「私の所は実は女子医大にかかっているのですが,女子医大のソーシャルワーカーの方にちらしを作ってもらいまして,家の近くの看護専門学校とか,ワーカーさんのご存じのところに,何か所かに張りだしまして,その段階で有償ということでお願いしたいと貼りだして,ソーシャルワーカーの方に面接して頂きまして,ある程度のお話をして,それから家に来てもらってということで,年々,二〇人,三〇人といましたが,去年一二名卒業したのですね,せっかく覚えてもらっても卒業しての繰り返しですが,また,あらためて今年も募集を掛けようとやっている最中です.それは,夜の方なんですが,昼間,私,勤めておりまして,昼間九時から五時までお願いしておりまして,その方が全面的に昼間やって頂いております.
 夜もある程度,吸引なんかもやれないうちは,私と一緒にとか,学生さんの今はベテランの人がいますので,その方と一緒にまず練習しまして,それから紹介したお友達としまして,その次のあたりから,もう一人でやってもらって用事があったら,私,二階に寝ておりますので,コールしてもらって降りていって用事をたすという状況なんです.(『JALSA』41:37 [1997-7-28])

「医療行為ということに関してわれわれも医療法というのをまじめに読んでいないんですが,看護婦さんたちにいわせると医療行為というのは,あくまで医者のやることを,看護婦が代行するのであって,医者のいないところでは看護婦すらもやってはならないと主張されることがあります.はっきりいって遅れた地域,千葉の保健婦さんや,看護婦さんも,数年,二,三年前までは医者のいないところではやって下さいませんでした.
ここ二,三年変わって来て,吸引あるいは訪問看護ステーションの看護婦さんに指導書だけでカニューレ交換等をやっていただくようになってきましたけど,これも,ほんのここ数年,二年くらいのことでつい二年くらい前までは吸引すらも保健婦さんは医者のいないところではできないとことわられました.これは,そうはいってられないことが段々とわかり,変わってはきているようです.これはなかなか,どんどんというわけにはいかない.これに関して看護婦さんなり,保健婦さんたち,やったことによって事件が起きる可能性はゼロではないということを非常に懸念する.これは,ある意味において本人なり,家族の方の納得ということが,これはあってもいけないんですけれども,人間のやることによって全くゼロか,事故が百万分に一つもないということはちょっと無理なんで,それを承知の上で頼むということがある程度必要になってくるということもあります.(『JALSA』41:41-42 [1997-7-28]、仲口[☆]に引用)


 
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◆『JALSA』042号(1997/12/22)

□ 「会長、副会長ら 各党首脳,厚生大臣に陳情――ALSを介護保険の対象にしてください
 介護保険法案が大詰を迎えていた五月一五日、松本会長、叶内副会長を中心に人工呼吸器をつけた患者さん方が各党の責任者に会い陳情致しました。この日集まったのは、松本会長、叶内副会長、仙台の和川次夫さん、山梨の山口衛さん、東京の後藤武雄さん、橋本みさおさんの六名と付き添いの人々合わせて二十三名。国のALSの介護政策がはっきりしないまま介護保険法案が通過することに耐えられず、いたたまれない思いから陳情に馳せ参じたのでした。まず午前中、自民党本部に加藤紘一幹事長を訪ねました。会議の途中で見えられた加藤幹事長は人工呼吸器を付けられた患者さん方の姿に圧倒され、一瞬驚いた表情をされました。松岡事務局長は陳情書を加藤幹事長に手渡し、(1)介護保険法案に是非ALS患者を対象として入れて頂きたいこと、(2)それが諸般の事情でどうしても無理ということであれば、最も介護を要するALS患者の介護をどうするのか、その対策をはっきりさせて欲しい。そうでなければ私どもは浮かばれない。どうかこれを、与党第一党の自民党として、この問題を取り上げてやって欲しいとお願いしました。」(『JALSA』42:15 [1997-1- 22],仲口[☆]に引用)

□ 厚生省ALS対策予算を計上
 厚生省は平成十年度の概算要求として、ALS関係について別表のような予算要求を計上してくれました。これについての特徴点を説明します。
(一) 調査研究の推進
(二) 医療施設等の整備、確保
第一番目は重症難病患者拠点・協力病院設備整備費です。これはALS患者がなかなか入院出来ないという問題を根本から解消していこうというもので、国立精神神経センター国府台病院の佐藤猛院長の尽力の下、全国都道府県に拠点病院を設け、二次医療圏ごとに協力病院を用意し、それらの病院名等をインターネットでオープンにして患者さん方のニーズに応えようというものです。また必要な人工呼吸器を用意するとともに、施設の中に入院患者を二十四時間監視できるように、監視装置の設置も計画されています。
二番目が社会福祉施設等設備整備費です。これは身体障害者療護施設でもALSの患者を受け入れようという取り組みを始めるというものです。そして施設の中に人工呼吸器や喀痰吸引等の特殊な設備を備えたALS患者等の居室を作っていく(平成10年度は40床を整備予定)。
三番目に社会福祉施設設置費。これはそういった対策を立てていく為には、今の身体障害者療護施設の予算だけでは、間に合わないので、特別管理費を加算して、受入れ体制を整えていこうというものです。こうしたことにより将来的には、どこの療護施設でも少なくてもALSの患者さんを一〜二名は引き受けるという体制が整い人工呼吸器を付けていなくても、その前の段階で全面介護を要し、在宅で過ごすのが非常に厳しい患者さんがこの療護施設に入って、お世話頂くことが可能になってきます。協会では、十年来身体障害者療護施設でALSの患者さんを引き受けて欲しいということを願い、訴え続けて参りましたが、それがようやくここに至って実現することになった次第です。
(三) 医療費の自己負担の軽減 19<20
(四) 地域に於ける保健医療福祉の充実連携
 そのうちの一つは重症難病患者入院施設確保事業です。〔…〕もう一つは難病患者地域連携ネットワーク事業です。〔…〕二番目は訪問看護についてです。人工呼吸器をつけた、ALSの患者さんの場合には、一日に二回公費でもって、訪問看護ができるようにと、これだけで、八億円の予算を組んで下さいました。これが実現すれば、少なくとも、一日に三時間、約半日は家族が介護から解放されるわけで、どんなに大きな福音となるか知れません。私共はこれが実現されることを心から願って止まない次第です。三番目に、難病情報センター事業費。
(五) QOLの向上を目指した福祉施策の推進
 これには二つの事業が組まれています。そのうちの一つ、難病患者等居住生活支援事業費というのは、既に説明しましたように、地域ぐるみでの在宅患者さんへの支援と身体障害者療護施設への受け入れ体制を整えていくというものです。
 二番目の重度身体障害者日常生活用具給付等事業では給付対象に新たに吸引機、加湿吸入器(ネプライザー)を加えるというのです。吸引機については既に無料で給付してくれている自治体が全国には幾つか有りますが、これが国の制度として全国的に普及することは、大変望ましいことであると思います。(p19-20)

□ 「小諸介護研修合宿 於 長野佐久市ホテル・ゴールデンセンチュリー 平成九年六月二八・二九日

―質疑応答―
二日目「懇談会」より(前日配布の質問票をもとに)
第一部 
一。治療薬について
Q。リルゾールが韓国から入手できると聞くが、それについての考えを聞きたい。
A。協会として、来年度には日本でも認可されるよう、厚生省に要請していく。
〔…〕28<29
三。法的に医療行為である吸引などをホームヘルパーには出来ないと言っても、現実には看護婦さんも到着を待てない。また、家族がその種の行為を行っているのは何故か。
山本Dr。ホームヘルプは市の派遣事業だが、医師側としては全ての介護者にやってもらえるよう指導している。
長坂Dr。医療行為を一般の人が行うことは問題があるが、救命に際してそんな事は言っていられない。そうした立場ではあるが病院側でビデオを用意して、吸引のやり方等も指導している。
MSW 厚生省エイズ疾病対策課では、保険点数の対象となっている吸引は医療行為。つまり医師、看護婦などの有資格者の「業」とする。ホームヘルパーが「業・ナリワイ」として、お金を貰って医療行為をやるのは医師法等の関係で29<30違法。(ただし医師の許可があれば、行為自体は可能)家族は「業」としてやる訳ではないので、問題ないという方針を採っている。そうした現状の中で、どうしたらヘルパーが吸引するようになるかの解決策として、ヘルパーと看護婦が二人一組でやればいいのではないかという考えもあるが、★行政の縦割り構造の弊害★費用をどこが持つかといった問題がある。この問題に関しては、実態を明示して協力者を得ていくことが何より大切。」(p29-30,仲口[☆]に引用)

□ 「介護研修旅行に参加して 東京都 中村記久子
 今回の研修旅行で、私は人工呼吸器装着者の外出、移動時の準備、呼吸器回路の接続、車椅子搭載の手順を主に学びたいと思っていた。と言うのも、以前(昨年秋の事)橋本みさおさんを訪問すると、未だ外出から戻っておらず、マンション入り口で待つ私の前に一足遅れで橋本さん達を乗せたワゴン車が止まった。その時の介護者二人と誠氏(夫)の見事な連携プレー?に感動したからです。一階から九階まで、エレベーターが狭いため車椅子のまま乗れない。一人がドアを開けて待つ。一人は呼吸器を素早く外す。と同時に誠氏がみさおさんを抱え乗り込む。エレベーターの中でアンビューバックを三回押したところで九階に到着。そのまますぐ目の前の自宅へ。玄関ドアは一人が素早く開けておく。ベッドに寝かせると、すぐ一人はアンビュー、吸引と、みさおさんの表情を読取りながら、呼吸を完全に確保していく。その間、誠氏は一階に戻って先程の車椅子(呼吸器が搭載されている)を運び、ベッドサイドにいつもの様に設置していく。この流れるような連携、余計な会話は無いが変に緊張した雰囲気も無い。有るのはこれまでに培われたみさおさん、誠氏と介護者間の信頼関係だけ。みさおさんの外出機会が増えたのも、こうした安心して頼れる介護者、協力者がみさおさんと誠氏の指導によって育っているからなのです。〔…〕」(p32)


 
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◆『JALSA』043号(1900/00/00)


 
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◆『JALSA』044号(1998/07/28)

 長岡 紘司「特別寄稿」
 『JALSA』044号:39

□「平成十年度総会開く
<第一部>平成十年度総会
一 、松本会長挨拶(奥様代読)
 〔…〕次は活動内容ですが、五月の国会、厚生大臣陳情のことを少し申し上げます。西暦2千年からの介護保険を六十五才未満の若年ALS患者にも適応するようにと陳情しました。詳しい内容については、ジャルサ四十二号、四十三号に出ておりますが、陳情参加者は六名の呼吸器をつけた患者でした。お名前は、仙台の和川さん、山梨の山口さん、東京の橋本さん、後藤さん、山形の叶内さんと私でした。故人となられた松岡事務局長さんが、疲れたお体もいとわず、懸命な設営をして下さったお陰で、各政党の責任者の方々や、厚生大臣にまでもお会いすることが出来ました。ALSの呼吸器患者でも、「介護があれば社会人」として通用することが分かってもらえたと思います。その意味でこの陳情は大成功であったと感謝しております。
 「打たぬ太鼓はならぬ」とのことわざがありますが、本当に実感しました。若年ALS患者に介護保険が適応されるよう完全実施まで見守ってゆきたいと思います。
 次はこれからの運動についてですが、重点的な課題として、入院拒否や強制退院、病院のたらい回しを止めてもらうよう、働きかけたいと思います。その為には、ALS患者が長期入院しても診療報酬が下がらないようになれば良いのです。
 呼吸器を付けた患者は看護の手間がかかるので嫌われますが、病院が損をしないだけの診療報酬が支払われれば、長期入院も出来ることになります。
 一般老人の介護と意思伝達の難しい呼吸器患者と比べると、介護の厳しさが違います。そこで我々の運動では、この呼吸器患者に焦点をしぼって、長期入院しても診療報酬が低減しないように、特別措置にしてもらうことが大切だと思います。そうなれば、みんな安心して生きる道を選べます。
 ALSの治療法が見つかり、ALSが難病でなくなる日までは、せめて、今、患者である私達は、自ら生きて、療養環境改善を訴え続け、一段、一段と礎を築5<6く心構えで生きてゆきたい、そして協会は一人一人の力を束ねて、大きな力となるように運動してゆくべきだと考えます。(p5-6,仲口[☆]に引用)

二、議事
○平成九年度活動報告
〔…〕※しかし、こうした中にあって、@介護保険の対象にALS患者を加える要望を貫徹したことAALS全国医療情報ネットワークが、二百八十施設の協賛、協力を得て開設されたことB平成十年度国家予算にALS対策予算が組み込まれたこと等、国会陳情を柱とした長年にわたる活動の成果が数々みられた。
 一方、組織力強化の面では「叶内副会長ご夫妻出演の「徹子の部屋」放映(5/1)を契機にALSへの支援の輪が急速な広がりをみて、年度間会員増加数は、千九百六十二名(計画五百名比三・九倍)、つれて会員総数は、七千百一名と目標の「六千名体制の実現」を一気、かつ大幅にクリアーすることとなり、正にジャルサ元年の幕開けというべき年度となった。(p6)

四、平成十年度活動方針ならびに事業計画
〔…〕
三、行政に対し、医療・社会保障制度の充実を働きかけます。
@「厚生省・療養環境整備事業」を注視し、安心して入院療養が続けられる病院・療養所の確保と、在宅療養でも家族負担が軽減される地域支援ネットワークを構築するように働きかけ 、協力していきます。
A長期入院療養も可能となるように、診療報酬の是正と看護職員の増強を働きかけていきます。
Bホームヘルパーの夜間派遣と吸引行為ができるよう、国・自治体等に働きかけていきます。
C患者・家族の経済的負担軽減のために「全身性障害者介護人派遣制度」の各自治体への導入や浸透、特別重度障害者手当等を国・自治体に働きかけていきます。
D在宅人工呼吸器装着療養患者も投票できるよう、引き続き選挙法の改正を国に働きかけていきます。(p12)


 
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◆『JALSA』045号(1998/12/10)

□「厚生省あてに「新しいサービス利用制度の在り方」について 当協会の見解(意見・要望)を回報
 11月2日、厚生大臣官房障害保健福祉部企画課から、現在、障害者3審議会合同企画分科会により審議されている「新しいサービス利用制度の在り方」に対する当会の見解を11月18日までに文書により提出してほしい旨の依頼がありました。
 これに対し、当会としては、時限性もあり、会長、副会長ほか数名の役員に諮ったうえで、以下のとおり意見、要望をまとめ会長名で回報しました。
平成10年11月18日
厚生省大臣官房
 障害保健福祉部企画課 御中
日本ALS協会
会長 松本 茂
ご来照の事項につき回報の件
去る11月2日受理いたしました貴課からの照会事項につき、当会としての見解を左記のとおり回報します。よろしくお汲み取りのうえ今後の詰めに活かしてくださるようお願い申し上げます。


〔…〕
3。特に、人工呼吸器装着の患者は、一般障害者の介護のほかに、意思伝達の支援、人工呼吸器の管理(注)、微妙な体位変換やたんの吸引などの特別な介護サービスが24時間必要で18<19ある(入院者も在宅者も同じ)点を重視していただきたい。
(注)手足の機能が衰え、ナースコールも押せなくなった患者にとっては、人工呼吸器のアラーム(警報音)が他人に生命の危機を知らせる唯一の手段であるので、常時、点検が必要であり、かつ、介護者が近くにいることが必須条件。
4。利用者がサービス提供者を自由に選択できるためには、サービスの十分な供給の確保が必要であるが、特に人工呼吸器装着患者の場合は、前記の特別な介護サービスが必要であるので、特別な介護技術に熟達した介護人を育成(育成のための研修事業も必要)し、かつ量の確保を図っていただきたい。
以上
編注:この意見書は、12月14日の合同企画分科会に参考資料として配布されることとなりました。」(p18-19)

□「リルゾールの輸入漸く承認
 12月2日、厚生省の中央薬事審議会常任部会は、ALSの医療機関用の治療薬として、「リルゾール」(アイルランドで製造)の輸入を承認しました。
 欧米では、1996年から発売、使用されているこの「リルゾール」の薬効は、場合により、ALSの進行を約3か月抑制する効果がある程度といわれている一方、肝障害といった副作用の問題もあり、とうてい満足する訳にはまいりませんが、何はともあれ初の治療薬として承認されたことは喜ばしい限りです。
 いつから、どのようにして、利用できるかですが、これから薬価等が審議されるため、まだ明らかではありません(順調に手続きが進めば、明春からとの観測情報)。
事務局としては、現に個人輸入に多額を投じている方が少なくないことでもあり、厚生省と連絡を密にして、詳細確報の把握に努める所存です。」(p19)

□ 宮崎県支部「星空きらめき音楽会」の開催に寄せて
国立療養所日南病院内科医長 塩谷敬一
〔…〕
 ALSという病はかつては医学の分厚い教科書の中にかくれていました。長い間、患者さんと医者だけの知る病気だったと思います。しかし、今は少しずつですが変わってきたと思います。皆が知るようになってきました。なぜでしょうか。有名な人がかかったからでしょうか。野球のルー・ゲーリックや物理学のホーキング博士がかかりました。医療関係者や医療機関の啓蒙活動のせいでしょうか。テレビが機械と生きる患者さんの姿を写し出したからでしょうか。いずれも正しいと思います。しかし、もう一つ思うことがあります。それは患者さんの生き方が周りの人に影響し、皆の意識を変えるからということではないかと思います。(p23)

□「ALS/MND協会国際同盟 第6回年次総会等に出席して
事務局長 熊本 雄治
 可能な限り近い将来、国際貢献の役割を担うべく、種々ノウハウを学ぶ目的で、協会としての云わば視察チームを編成した。〔…〕
 また私たちは、今回の参加に当たり日本の実状等を諸外国に理解して貰うため「わが協会組織の現状と当面の課題等」と題したレジメを作成、英訳したものを会場に持ち込み配布した。〔…〕」(p26)

「1998.11
わが協会組織の現状と当面の課題等
1。組織―1986年設立(発足時会員数200名)、以来13年の活動中。現在、会員数7,500名、支部数21(この18ヶ月の間に会員2,300名増、3支部結成発足)
2。ALS患者の現状
患者総数4,400名、(有病率人口10万人当たり3.5名)うち、呼吸器等装着重症患者数1,800名(約40%)
ALS患者等の療養環境整備事業に関する研究班による1997年度研究報告書(推計値)
3。重点課題―@松岡幸雄事務局長を失った(1997.12)痛手と悲しみを乗り越え、より強固な組織を構築すること。
AALS患者の療養環境整備(とりわけ入院受入病床の確保)を推進すること。
B在宅患者の介護に当たる家族の負担を軽減するため、吸引措置を医療行為ではなく、療養生活上の不可欠行為として広く取り扱えるよう改めること。
C2,000年からスタートする介護保険においてALS患者に対する取り扱いが、より充実したものとなるよう注視して強く要求すること。
4。願いと夢―@ALSの原因究明ならびに治療(薬)方法の開発・確立
       Aかつてルー・ゲーリック選手が活躍した名門ニューヨーク・ヤンキースが、圧倒的な強さで今季ワールドシリーズの王者となった。偶然にも日本では、鉄人ルー・ゲーリックを讃え命名された、横浜ルー・ゲーリック球場を本拠地とする横浜ベイスターズが、何と38年振りにセントラルリーグを征し、日本シリーズでも西武ライオンズを4勝2敗で退け優勝を果たす快挙をなしとげた。
こうした神から授かったともいうべき千載一遇の好機を捉え、ニューヨーク・ヤンキースが来日、由緒ある球場で両チームによりALSの撲滅を目指す国際的一大キャンペーン親善試合が挙行されている夢を見た(正夢だったらすばらしい)。」(p27)


 
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◆『JALSA』046号(1999/04/08)

◇佐藤 猛(国立精神・神経センター国府台病院名誉院長) 1999/03/09
 「ALSの治療薬:リルテックについて」
 『JALSA』(1999/04/08)046号:04
◇濃沼 信夫・伊藤 道哉 1999/04/08 「ALS等神経難病療養システムの構築に関する調査報告(第2回)」
 『JALSA』046号:05-09
◇北島 恒男(山梨県支部副支部長) 1999/04/08 「支部交流会への思い」
 『JALSA』046号:18-19

□「ALSの治療薬:リルテックについて
国立精神・神経センター国府台病院
名誉院長 佐藤 猛
 筋委縮性側策硬化症(ALS)の治療薬剤として、今回リルテック錠50(一般名:リルゾール、販売会社:ローヌ プーラン ローラー)が保険薬として認められ、3月末には発売される見込みとの発表がありました。以前から患者さんの問い合わせが多く、期待しておられた方もおられると思いますので、文献とメーカーから得た資料をもとに、リルテックについて説明いたします。〔…〕」(p4)
 「進行が止まったり、筋力が元のように回復することはありません。従って、この薬に過度の期待を寄せることはできません。ALSでは、他に有効な薬剤は未だなく、欧米でリルテックが認可されているのなら、効果が僅かでも服用したいと希望する患者さんが多いと聞きます。発売後の調査の中で、日本におけるこの薬の有効性を確認する、という条件で、厚生省が認可を与えたとのことです。」(佐藤[1999])

□ 「ALS等神経難病療養システムの構築に関する調査報告(第2回)
東北大学医学部医療管理学分野 教授 濃沼 信夫
東北大学医学部医療管理学分野 助手 伊藤 道哉
(3)考察
 本研究は、特に社会医学的・心理学的分析に主眼をおいた。特に、罹病期間別の不安の程度を分散分析によって解析してみると、「病気の進行」「死ぬこと」「医師から見はなされる」の項目が1%有意であり、罹病期間が長くなればなるほど、不安が低下する傾向がしばしば見られる。療養の継続が「受容」と「不安の軽減」に密接に関係していることが示唆される。
 また、不安に関する検定結果の日米で比較してみると、「仕事の継続」「職場・学校から見はなされる」不安が、日本の患者より米国ALS患者n=44、平均年齢56.3±13.1歳のほうが強いが、そのほかでは日本が圧倒的に強いという特徴がある。ちなみに、米国では、気管切開を受けている患者は0、経鼻式人工呼吸療法(BIPAP)1名であり、気管切開人工呼吸器装着者は0である。」(p6)

□ 「参考 ALS療養に関する他の調査研究
日本ALS協会宮城県支部による療養環境の調査(代表 濃沼信夫 伊藤道哉)
V。考察
ALS患者の療養生活は、患者の信念と家族のQOLの犠牲により辛うじて支えられている。しかし、孤独感、抑うつ、精神的・社会的サポートの欠如等により、困難に立ち向かう信念が揺らぎ、闘病の意欲が奪われてゆく場合もある。入院、在宅を問わず、説教苦的闘病のための療養システムの構築を早急に図ることが必要である。
また、わが国でも末期がんのみならず、ALS等の神経難病も緩和医療の対象としてゆくべきである。まず、医療機関から十分な情報と提供を受けた得た上で、治療法の自己決定が行えるようにするべきである。またカウンセリング等、精神的なサポートを受けられる体制や、遺伝子相談等の支援体制を構築するべきである。
さらに、未熟の末に人工呼吸器をつけず自然経過の死を望む患者がいる場合、緩和ケアを受けつくした上で再度リビングウィルを作成するよう支援したり、合併症等で死期の切迫したALS患者、及びその家族が、十分な緩和医療サービスを選択できるように、緩和ケアの充実を図っていくことが重要である。」(p9)

□ 「支部交流会への思い
山梨県支部副支部長 北島 恒男
〔…〕
 今年二月十四日の新年交流会では昨年と同じく石和温泉・「かんぽの宿」にて行いました。パーキンソン病友の会支部の会長、副会長、事務局長など五名と、帝京看護学校二年生二名を含めて、二十三名の参加をいただきました。いつも通り、午前中の学習会では「全身性障害者ホームヘルプ事業」が山梨県で導入されるまでの経過と山口県支部長が昨年十月より採用するようになった自薦ヘルパー制度について支部長が作成された資料により報告されました。」(p19)

□ 「特別寄稿
○ ALSと仲良く十七ヶ月 埼玉県 鈴木将義
〔…〕
(付)ご参考
<ALS闘病七つ道具ほか>
一一、夜中の誤嚥防止は、電動歯ブラシで口のなかを隅から隅まで十分にマッサージして、刺激を与え筋肉機能を回復させるので、効果が有ります。時間が経過すると、口中に残ったかすが喉に送られて、夜中に誤飲の要因になりやすい為の対策として実行しています。(p24)

○ 胃ろう手術・私の場合 東京都 笹川彰
 胃ろう手術は、気管切開から三年後に決断した。
 口から、まだ食べられない訳ではなかった。首の角度や姿勢を、さまざまに工夫し、なんとか食べてきたが、食事中何度も吸引するようになり、「もうだめだ」と。食事に二時間近くかかり、食事が苦痛になった。〔…〕
 「鼻から」という選択肢もあったが、周囲の声は圧倒的に、胃ろうだった。ケア、メンテナンスが簡便だというのがその根拠だった。入院、手術が煩わしく憂うつでいやだったが、信頼する訪問看護婦のさりげない勧めもあって決意した。(p31)

□ お便りの中から
「あなたは、今の吸引のやり方に満足してますか」 匿名
 吸引の適切なやり方を教えて下さい。気管切開をしている患者は頻繁に吸引を必要とします。毎日繰り返されるこの"処置"の巧拙は患者にとって大変切実な問題です。
 気管切開をしている人間は喋る事ができません。従って時宜に即して自分の意見や考えを述べることができないのです。また始めての経験ですから"吸引"とはこんな物だと思い込んでしまうのです。
 看護婦さんがやられる方法は様々ですが一般的に吸引の管を
(一) 吸引の速度よりも早く奥へ奥へと挿入して、その位置から引き抜きながら吸引しようとする。この場合は始め吸引音がするのですがすぐ消えます。深く入り過ぎた為です。
(二) 吸引の管を左手の親指で折り曲げて吸引の圧を遮断して、ある一定の深さまで挿入し、その位置で左手を開放し引き抜きながら吸引しようとする。
 これは気管を傷つけるとの理由で、"引き抜きながら"吸引する必要があるという訳です。しかしこのやり方でいくと胸が苦しくなって吸引も不十分なまま終わります。
 管の先端が液中に没し過ぎて空気が供給されないまま吸引を続けるからです。一時的にタンが取れたかの様に錯覚するのですが、実は気管に付着して残っていた物が沈降して、すぐに気管を塞ぎ又吸引を必要とします。
 私が看護婦さんにお願いして吸引をしてもらって得た結論は、"引き抜きながら"ではなく、"上(入口の方)から順序よく"吸引をするというのが適切で妥当かつ理に叶った方法だと考えるのです。
 上からゆっくり挿入し吸引音を確保、保持、追及しながら奥へ向かって吸引をしていく。
 吸引の管を小刻みに上下させたり左右に振る等することなく、すっきり取れるのです。
 勿論気管を傷つけることなど一切ない38<39のです。
 全国に呼吸器で療養している人が五千人いると聞きました。毎日繰り返される、たかが"吸引"をすっきり気持ちよく行っていただくように望むものです。
協会として取りまとめ、改善を訴えたいテーマです。皆様のご経験に基づくご意見をお寄せください。」(p38-39)


 
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◆『JALSA』047号(1999/06/12)

□「総会
総会に一七〇名来てくれました.
患者も一九人も来てくれました.ありがたいことに,毎年ふえます.
日本ALS協会を頼りにしてくれているのだと,嬉しくなりました.
これからも会の発展につくします.
厚生省から,介護保険と難病対策の専門家が来てくれて,
詳しく教えてくれました.
来年の四月の介護保険を期待して待つこととしたい.
総会の場で,新しい規約を決めました.
これで法人になっても,びくともしません.
厚生省から,早く社団法人の認可が下りるように,祈りましょう.
日本ALS協会 会長 松本 茂 (『JALSA』47:3 [1999-6-12],仲口[☆]に引用)

「〔…〕次は長期入院のことですが,今は亡き,初代会長川口武久さんが著書の中にALSのつらさを書いておられます.「手足をしばって,さるぐつわをして,なんぼ耐えられるか」と.
今はそれにプラス人工呼吸器ですので,本当につらく,耐えきれません.もし看護がなければ「人間の尊厳もなにもあったものではありません」哀れな状態であります.
ALS,人工呼吸器装着の患者で呼吸器がはずれて亡くなった人を私は何人も知っています.突然呼吸器がはずれ,死に至るまでの時間,コールもできないまま,とても苦しかっただろうと思うと,私は身ぶるいするほど恐ろしい気持ちになります.
どんな手のかかる老人でも,ちょっと目をはなしているうちに死ぬなんてことはめったにありませんが,人工呼吸器装着患者は一時の猶予もありません.ちょっとむせたりして,フッと蛇腹がはずれ,ふとんの上にうまく乗っかれば,アラームが鳴らない時があります.蛇腹がはずれると生きられないことは,誰でもわかっている筈ですが,本当はわかっていないのです.その証拠に事故が多すぎます.命を保つために呼吸器をつけていながら,看護の切れ目が命の切れ目になります.
以上,呼吸器装着患者は二四時間看護,介護が必要なことを,くどくどと申し上げましたが,病院ではこんな患者を長期入院させないよう,在宅へと退院勧誘,入院拒否,病院のたらいまわしなど,むごく患者を追いつめる時代になりました.
なぜ,そんなむごいことをするかと調べてみますと,手のかかる長期入院は看護婦泣かせの上に,不採算になるような入院料のしばりがあるからです.たとえ,主治医は入院させたいと思っても,病院の経営問題となれば退院勧誘せざるを得ないのです.
そこで,この長期入院問題解決のために第一は,人工呼吸器装着患者に限り,5<6長期入院しても平均在院日数のしばりと関係なく,病院が不採算にならないだけの特別な入院料の設定を厚生省にお願いしなければなりません.
第二は現在大分県,山口県,山形県,宮城県などで計画が進みつつあると聞いておりますケアハウスとか,グループホームなど,在宅が困難な患者のための長期療養施設の設置です.これを早期実現し,その運営に厚生省の全面的なご援助をいただきたいことです.
ALS人工呼吸器装着患者が安心して長期療養できる施設が実現すれば,誰でもが,人工呼吸器を付けて生きる道を選択できると思います. (『JALSA』47:5-6 [1999-6-12],仲口[☆]に引用)

□「平成11年度総会開く
〔…〕
 第二部は、午後三時二〇分開会、厚生省老人保健福祉局介護保険制度施行準備室の小池創一室長補佐および同省保健医療局エイズ疾病対策課の須納瀬課長補佐による「介護保険について」の特別解説が行われ、質疑応答のあと交流会を実施して、午後五時終了。
(p4)
〔…〕
<第一部>平成十一年度総会
一、松本会長挨拶
〔…〕
この案を見ていただいたと思いますが、日本ALS協会は社団法人を目指しております。
〔…〕
 次は長期入院のことですが、今は亡き、初代会長川口武久さんが著書の中にALSのつらさを書いておられます。「手足をしばって、さるぐつわをして、なんぼ耐えられるか」と。
 今はそれにプラス人工呼吸器ですので、本当につらく、耐えきれません。もし看護がなければ「人間の尊厳もなにもあったものではありません」哀れな状態であります。
 ALS、人工呼吸器装着の患者で呼吸器がはずれて亡くなった人を私は何人も知っています。突然呼吸器がはずれ、死に至るまでの時間、コールもできないまま、とても苦しかっただろうと思うと、私は身ぶるいするほど恐ろしい気持ちになります。
 どんな手のかかる老人でも、ちょっと目をはなしているうちに死ぬなんてことはめったにありませんが、人工呼吸器装着患者は一時の猶予もありません。ちょっとむせたりして、フッと蛇腹がはずれ、ふとんの上にうまく乗っかれば、アラームが鳴らない時があります。蛇腹がはずれると生きられないことは、誰でもわかっている筈ですが、本当はわかっていないのです。その証拠に事故が多すぎます。命を保つために呼吸器をつけていながら、看護の切れ目が命の切れ目になります。
 以上、呼吸器装着患者は二四時間看護、介護が必要なことを、くどくどと申し上げましたが、病院ではこんな患者を長期入院させないよう、在宅へと退院勧誘、入院拒否、病院のたらいまわしなど、むごく患者を追いつめる時代になりました。
 なぜ、そんなむごいことをするかと調べてみますと、手のかかる長期入院は看護婦泣かせの上に、不採算になるような入院料のしばりがあるからです。たとえ、主治医は入院させたいと思っても、病院の経営問題となれば退院勧誘せざるを得ないのです。
 そこで、この長期入院問題解決のために第一は、人工呼吸器装着患者に限り、5<6長期入院しても平均在院日数のしばりと関係なく、病院が不採算にならないだけの特別な入院料の設定を厚生省にお願いしなければなりません。
 第二は現在大分県、山口県、山形県、宮城県などで計画が進みつつあると聞いておりますケアハウスとか、グループホームなど、在宅が困難な患者のための長期療養施設の設置です。これを早期実現し、その運営に厚生省の全面的なご援助をいただきたいことです。
 ALS人工呼吸器装着患者が安心して長期療養できる施設が実現すれば、誰でもが、人工呼吸器を付けて生きる道を選択できると思います。
 この四月からALS治療薬としてリルゾールが認められましたが、日本の治験成績から見るとあまり芳しくないようです。それでも特効薬を待ち望んだ患者にとっては一つの光明であります。これをバネに原因、治療法の研究のスピード化を厚生省にお願いしなければなりません。
 そして、本当にALSが治る特効薬が開発されるまでは、せめて療養環境を整備して、安心して療養生活が送れるようにと、強く訴えつづけたいと思います。
 これまで私達は、つらくても生きて、現在は、人工呼吸器も患者負担ゼロで使用できるようになりました。また、人工呼吸器装着在宅療養者の訪問看護も週五回加算されました。これから介護保険制度も動き始めます、介護保険の生みの親、井形昭弘先生の講演主旨が、「難病と在宅ケア」に載っていますが、その中で先生は、「色々な問題は走りながら修正してゆけばよい」と云われています。
 まさにこれからだと思います。お互いに情報交換し合い、改善し、日本中の患者が「生きていてよかった」と喜び合えるような高いレベルでの医療福祉をめざしましょう。
〔…〕(p5-6)

(一)平成十年度活動報告
〔…〕
○次に対外面では、@初のALS薬品リルテックの輸入が承認され、この四月から適合する患者さんに処方されることとなりました。〔…〕また、医療・社会保障制度の充実という分野では、長期入院療養を積極的に受け入れて貰うのに不可欠な診療報酬の是正や吸引を医療行為ではなく日常生活行為としてホームヘルパーにも取り扱えるようにするとの希求は叶わず、継続課題となりましたが、A訪問看護問題については、私たちの主張が認められ、ジャルサ46号でお知らせしたとおり、医療機関と訪問看護ステーション双方からの訪問看護派遣も認められる改善が図られました。〔…〕(p7,仲口[☆]に引用)

(六)平成十一年度活動方針ならびに事業計画
二、介護保険法の施行(2000年4月)や第4次医療法の改正(病院の住み分け、診療報酬の改定等)といった改革が迫っている中で、難病対策としてのALS療養環境整備事業をはじめ障害者福祉、介護保険、医療保険による諸政策が有効に補完し合い、患者・家族にとって真に役立つものとなるよう行政への医療・福祉制度改善の働きかけを強めます。
(一)介護保険にあっては、人工呼吸器使用在宅療養患者等について(イ)疾病の特性を踏まえた適正な介護度の判定がなされ、個々の患者に適合した介護サービスが受けられること(ロ)保険料、自己負担のあり方のほか、台風や豪雪による緊急の対応にも充分配慮された仕組みとすることを求めます。
(二)医療法の面では、(イ)長期にわたる入院療養も前向きに引き受けて貰えるよう診療報酬を是正すること(ロ)経管栄養、吸引などのいわゆる医療行為とされているものを在宅療養の場合は必須ケア行為として認め、講習等を受けた者であれば訪問介護者が行えるようにすることを求めます。(p38)

□「お便りの中から
JALSA46号掲載の匿名さんへ
千葉支部 副支部長 照川貞喜
 前略 JALSA46号掲載の「あなたは、今の吸引のやり方で満足していますか」について、私の経験していることなどを話します。
 その前に一点確認します。
 匿名さんは、はじめに「吸引の適切なやり方を教えて下さい」と問いかけをしているのに、最後に「吸引状態にして吸引していくと苦しくない」と結論を出しているように見受けられますが、わからなくて問いかけとしているのか、それとも自分なりに結論を出したのを啓蒙しようとしているのか、一体どちらなのでしょうか?
(私には、後者のように思えるのですが)
 私の考えなどについて、話します。
※吸引の適切なやり方については、自分にあったやり方が一番いいと思います。
それには、自分の希望を看護者(または介護者)などに伝えて、そのようにやってもらえばいいのです。
 私は、自分に都合のいいようにやってもらうために、必要なことを希望することを文字盤やパソコンに書いて理解してもらっています。
 私の使用している呼吸器は、管を外すと十七秒でアラームが鳴るように設定してあります。
 体調のよいときはアラームが鳴って吸引しても苦しさは我慢できるのですが、体調が悪く熱が出たり脈が速いときは、「今日は熱があるからすばやくお願いします」とか「脈が速くて息がもたない」と事前に連絡をして、対応してもらっています。
※吸引の方法について話します。
看護婦さんによってもいろいろ方法があるように思います。だけど、大別すると、
一、管を折り曲げて喉の奥に入れて、それから徐々に入口の方に向けてくる方法。
二、管を折り曲げないで、直接気管切開したところから奥に向かって吸引をしながら   進めて行く方法、になります。
 一については、主に看護婦さんたちがやります。
 その理由として、気道を傷つけない、気管の中の酸素を必要以上に吸い込むと患者が苦しくなる。
 一旦奥に入れてしまえば、後は引き抜くだけなので容易であることなどで教育を受けているようです。
 その弱点は、吸引のはじまるまでに意外と時間がかかるので、患者が苦しくなってしまうことです。
 馴れない看護婦さんは、尚更です。
 二については、日本ALS協会会長松59<60本夫妻が「この方法だと、はじめから吸引をしながら奥に進んでいけるので、患者の負担が少なくてすみます」と、自分たちの経験からみつけて、啓蒙をはかってきました。
 しかし私の周囲の看護婦さんたちには、受け入れられてはいません。
 その理由としては、はじめから吸引を出来る点は認めているのですが、途中で管がひっついて奥に進めることが出来なくなることを心配しているのです。
 このような訳で、私に対しては、主として介護にあたる妻は二の方法で、訪問の看護婦さんは一の方法で行っています。
 ただ、前述したように、自分の体調がおかしいときは、事前に知らせて対処してもらっていますので、それほど不都合は感じていません。
 参考になったかどうかわかりませんが、自分の体験していることを話しました。
 これからもよりよい生活を送られますことをお祈りしています。
草々
追伸
 今は、在宅療養ですからまだいいのですが、入院した場合担当するすべての看護婦さんの意識改革をするのは難しいので、それなら訪問の看護婦さんを通して一の方法に慣れておくのもいいと思っています。」(p59-60)


 
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◆『JALSA』048号(1999/10/27)

□ 「吸引
人工呼吸器装着患者にとって、吸引は命綱だ。
経管栄養が滞ってもがまんできるし、じょく瘡だって命は取られない。
たんが詰まると、死んでしまうし、苦しいので、吸引は一刻をあらそう。
医療行為でなくしてもらいたい。介護保険では、ヘルパーも吸引できるようにしてもらいたい。吸引できない人には、患者をまかすことはできない。
「介護保険」様々になるようにしてほしい。
吸引(とる)ときは、浅いところから吸引して、止めずに、ゆっくり奥にすすむようにする。エーエルエスは意識がしっかりしているので・・・
「浅いか、深いか、これで良いか」と聞けば、答えてくれる。
吸引を止めた状態でチューブを一気に奥に入れるやり方は、やめてもらいたい。
日本ALS協会
会長 松本 茂」(p3)

□「第4回JALSA講習会・交流会開催
―――開会の挨拶―――
会長 松本 茂
〔…〕
 次はコミュニケーションの問題ですが、この春、残念なことに呼吸器事故で又患者が亡くなりました。コールがはずれていたそうです。何らかの力で呼吸器の蛇腹がはずれ、もし、アラームが鳴らなくても、コールがあれば助けを求めるもとができます。コールがあったら助かっていたのかも、と無念でなりません。
(p4)

三番目は、フジ・アールシーの人工呼吸器新製品LTV900の説明、これは軽量コンパクトな人工呼吸器です。大きさはノートパソコン程度、重さ5.7kg、電源AC100V、外部バッテリー内臓バッテリー(90分)と三電源が使えます。これほど小さいと外出好きの人は興味を持ちそうです。」(p6)

□「厚生省あてに「要望書」を提出
JALSA'99第11号
厚生省 大臣官房障害保健福祉部長 今田寛睦殿
    健康政策局長       小林秀資殿
    保健医療局長       伊藤雅治殿
    老人保健福祉局長     近藤純五郎殿
日本ALS協会 会長松本茂
要望書

 謹啓 常日頃、ALS(筋委縮性側策硬化症)患者等への難病医療対策や障害者福祉施策にご腐心・ご尽力を賜り、心から感謝申し上げます。
 お陰をもちまして平成9年度から取り組まれました「ALS患者等の療養環境整備に関する研究」や「ALS全国医療ネットワーク事業」更には平成10年度のALS等難病重点対策事業等により、医療・福祉部門におけるALSへの理解と支援ネットワークは着実な広がりをみており、部分的には療養環境の改善が図られてきております。
 しかし、疾病原因の究明・治療法の確立を切望する中で私共にとっての基本的な課題であり、これまでも機会ある度に訴え続けている「人工呼吸器装着患者の長期療養先確保と必要な看護の拡充」および「在宅療養における24時間介護体制の整備」等については残念ながら未だ解決されておらず、多くの患者・家族は依然として深刻な状況下に置かれているのが実情です。
 折しも、第4次医療法改正や社会保険診療報酬の見直し、さらには介護保険の実施等私共に大変影響の大きい制度改革が実施されようとしている今日、全国23支部、7,500名会員の思いを代表して改めて最重要課題・項目に絞り、別紙のとおり要望する次第です。
 何卒ALS等の重度難病患者に対して、これまでに増して実効ある施策を講じていただき、患者・家族が安んじて難病と闘い、尊厳ある人生を全うできる療養環境が一日も早く具現するよう、ご尽力賜りたく、伏してお願い申し上げます。
敬具」(p8)

「別紙
T。入院療養上の改善要望
[現状の問題点]
 現行「医療法」において、入院患者は、処置後時日に経過につれ大多数が軽快→快癒→退院→社会復帰するとの前提から、入院管理料等の診療報酬が段階的に逓減する、また、入院日数もできるだけ短期間とする仕組みとなっているのは理解できるところです。しかし、未だ治療法がなく、進行性難病のALSの場合は、患者毎に差異はあれ例外なく障害が進み、四肢麻痺に加え意思伝達、飲み込みが難しくなるうえ、人工呼吸器の装着とともに吸引等の処置が必要となるため、入院当初に比べ次第に看護等の負担が増大していくという特殊性があります。また、居宅療養へ移行するに当たっても、在宅改修や介護体制などを整えたり、家族が人工呼吸器・吸引機等のノウハウを習得するための準備期間が必要なところから、最低でも3ヶ月、一般的には6ヶ月程度は病院でお世話頂くことが不可欠な特殊事情があります。
 このように病院経営においては、医療法上の仕組みと現実のギャップがあり、これがALS等難病患者の長期入院受入れを妨げている要因です。

<改善要望項目>
1. ALS人工呼吸器装着患者等については、少なくとも入院時医学管理料を据置く(逓減制から除外する)特別措置を講じて下さい。
2. 早期退院、社会復帰の促進を主眼とする平均在院日数の算定上、心ならずとも長期入院とならざるを得ないALS等重症患者は除外する特例を設けて下さい。
3. ALS人工呼吸器装着患者等の重症患者に適用算定される特殊疾病療養病棟入院料(2,000点もしくは1,600点)や特殊疾患入院施設管理料(350点)については、病棟指定から病床指定(重症者等療養環境特別加算<300点>と同様)に条件を緩和して下さい。
4. 国立病院・療養所の統廃合に当たっては、ALS等神経難病患者の入院、入所に支障が生ずることとならないよう充分配慮して下さい。

U。在宅療養上の改善要望
[現状の問題点]
 昨年10月以降、大都市を中心に病院は際立って入院療養から在宅療養へ切替える方向で動いておりますが、24時間介護を要するALS等重症患者の在宅療養は、神経内科医とかかりつけ医、保健所等による適切な在宅療養体制と地域在宅介護支援体制が整備されて、初めて可能となるにもかかわらず、実情は、在宅療養環境の整備が不十分なまま退院勧告が優先し、家族中心の介護になる結果、患者・家族に多大の負担がかかっております。また、介護保険の実施に当たっては、ALS患者の在宅看護と介護のサービスの低下および自己負担増に伴う経済的困窮が大変心配されております。」(p9)

「<改善要望項目>
1. 「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業」においては、主治医(かかりつけ医)が複数の訪問看護ステーション等に指示書を発出することができるようにして下さい。
 一本事業は昨年度より、診療報酬とは別に年260回の訪問看護ができるように配慮されたものですが、複数の訪問看護ステーション等からの看護婦(士)の派遣が禁じられているため、マンパワーの不足から極めて限られた患者しか活用できていないのが実情です。
2. 痰の吸引や経管栄養等のいわゆる医療行為とされている行為を、医師の教育を受けたホームヘルパーが行えるようにして下さい。
 ―患者によっては吸引を頻繁に要する場合があり、24時間の訪問看護体制が整っていない現状では、家族は休む間がなく疲労困ぱいしております。教育を受け熟練したヘルパーが吸引等を行えるようにし、家族による看護と介護の負担を軽減させることが患者を救うことにつながります。
3. 進行性の患者には車椅子や意思伝達装置などの福祉用具の支給を前向き、かつ迅速にして下さい。
また、障害の進行段階に応じて用具の更新が認められるようにして下さい。
4. 安全確保の視点から血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーター(警報付き)を福祉機器と位置付け貸与して下さい。
―これにより人工呼吸器のトラブルによる不慮の事故が防げます。
5. 在宅人工呼吸指導管理料には「人工呼吸装置は患者に貸与し、装置に必要な回路部品(人工鼻等)その他の付属品(衛生材料)等に係る費用についても、所定点数に含まれる」と明記されているにもかかわらず、在宅の場合、人工呼吸器はレンタル品が多く、レンタル料と保険点数が整合していないことから、患者負担を求められる場合が多くあります。実態把握の上、適正な診療報酬に改定して下さい。
6. 介護保険においては、疾病の特性を踏まえた適正な介護度の判定がなされ、現在の難病患者在宅医療サービスと身障者福祉サービスが制限されることなく、これまでより在宅の看護・介護体制が向上するように配慮して下さい。
 また、自己負担が厳しい患者には特別軽減措置を講じるとともに、目下検討されている介護手当問題については、ALSの場合、ヘルパーの資格を有していても他の方へ介護の手を振り向ける余地が全くない状況にあることをご理解下さり、特例をもって介護手当の対象とするようご配慮願います。
以上」(p10)

□「居宅療養ALS患者にとっての介護保険
〔…〕
おわりに、介護保険は、実施主体が全国津々浦々の市町村等であることと、制度の主体が老人を対象としていることもあり、難病患者や障害者にかかる厚生省の対応方針がすみずみまで行き届くには、かなりの日時を要すると思われます。
〔…〕」(p24)


*作成:仲口 路子
UP:20100930 REV:20120419
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