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『グローバル・エイズ・アップデイト』第30号
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アフリカ日本協議会


■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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第30号(第2巻第7号) 2005年(平成17年)11月24日
Vol. 2-No.7 Date: November 24, 2005

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会
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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報
が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝
えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行
いたします。

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■「第30号」目次
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●巻頭特集
より戦略的・集中的な「予防プログラム」の必要性を強く提言
〜UNAIDS・WHO2005年版「HIV/AIDS最新情報」発表〜

● 地域情報
アフリカ
1.アフリカ:政府の無策でエイズ遺児の教育権が危機に
2.ジンバブウェ:HIV感染率が低下

南米:
ブラジル: 政府が米国アボット社とエイズ薬値下げ協定合意

アジア太平洋地域
1.タイ:予防努力の減退でHIV/AIDSが再び増大傾向
2.オーストラリア:HIV感染者の入国権を制限する判決
?市民団体は判決を批判?

● 会議情報
1.「第3回アジア太平洋地域・性と生殖に関する健康についての会議」、マレーシアで開催(11月17日?21日)
2.第1回インドネシア全国HIV陽性者会議で宣言を採択

● 国際機関関連
UNAIDS: インドネシアの作家とのセッション開催?女性HIV陽性者への差別をなくそう?

● その他
★ 書評:キャサリン・キャンベル著「死ぬに任せる:なぜHIV/AIDS予防プログラムは失敗するのか」

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★より戦略的・集中的な「予防プログラム」の必要性を強く提言
〜UNAIDS・WHO2005年版「HIV/AIDS最新情報」発表〜
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【2005年11月21日東京発=グローバル・エイズ・アップデイト編集部】国連エイズ合 同計画 UNAIDS と世界保健機関 WHO は21日、「HIV/AIDS最新情報:2005年12月」 AIDS Epidemic Update: December 2005 を発表した。これはUNAIDSとWHOが毎年世界エイズデー前に発行している報告書で、世界および各地域のHIV陽性者数や感染率、新規感染数、死亡数などの推計を示し、最近の動向について示すことを目的としている。

(1)HIV陽性者4000万人超、成人感染率1%超

この報告によると、2005年末現在で、世界のHIV陽性者の人口は4030万人(2003年に比べ7.3%増)、うち女性1750万人(全体の43.4%)、成人感染率(15-49歳)は1.1%であった。また、新規感染数は490万人(2003年比6.5%増)、死亡数は310万人(2003年比10.7%増)となった。世界において、HIV/AIDSの拡大は継続していると言える。
各地域別の動向では、サハラ以南アフリカ、とくに世界で最も深刻な状況にある南部アフリカ地域でのHIVの拡大は未だに続いている。スワジランド、モザンビークなどでは、未だに感染率が上がり続けている。一方、南部アフリカで初めて、顕著にHIV感染率が低下し始めたのがジンバブウェである。これにはもちろん死亡数の増大が影響しているが、一方で性的行動の変化も影響を与えている。東アフリカでは、HIV感染率が過去10年で劇的に低下したウガンダに加え、ケニアの都市部でも、HIV感染率の低下が顕著に現れ始めた。また、タンザニアでも同様の傾向がみられつつある。HIVの影響が他地域に比べれば少なかった西アフリカでは、感染状況に大きな変化は見られないが、ブルキナファソの都市部では妊婦の感染率の低下が見受けられている。

(2)セックスワークと薬物使用の複合が世界各地で感染拡大を引き起こしている

アジア地域(東・東南アジア)はHIVの影響が世界で最も拡大している地域の一つであり、HIV感染者数は830万(2003年比16.9%増)を記録している。中国では、注射薬物使用による感染が全体の44%を占めている。中国ではセックスワーカーの多くが農村部の出身であり、HIVに関する知識を十分に持っていないので、薬物使用とセックスワークの複合による影響が将来出てこないかが懸念されている。実際にその影響を強く受けているのがベトナム、インドネシア、インドであり、この地域では、薬物使用者における感染率が急激に増大し、また、多くのセックスワーカーが薬物使用も行っていることから、この感染率増大が一般人口に拡大する傾向が顕著に見られる。この二つの要因が複合すると、ある時期に感染の急激な拡大が生じる可能性がある。  
薬物使用者とセックスワーカーのコミュニティに於ける、より適切・効果的で集中した予防プログラムの導入が不可欠である。大洋州においては、パプアニューギニアで感染拡大が著しく、現状ですでに成人感染率が1%を越えている。異性間性的接触による感染が中心であり、すでに一般人口に感染が拡大した状態にある。
東欧・中央アジア(旧ソ連・東欧圏)は、アジア地域同様にIDUとセックスワークの複合による感染拡大が現実に生じている地域であり、新規感染者数の増加は2003年比で33%を越える。ウクライナでは、すでに感染率が1.4%を越えている。この地域では、感染拡大は若年失業者層のIDUから始まり、セックスワーカーとその顧客へと瞬く間に広がった。また、刑務所での薬物使用による影響も現実に存在する。一方、中央アジア地域では、ウズベキスタンのIDUの間での感染が拡大している。この地域では、ハームリダクション、およびセックスワーカーとIDUにおける予防プログラムの集中的な展開が必要である。中東・北アフリカ地域においても同様の状況が見られる。この地域では、HIV/AIDSは殆ど注目されていなかったため、適切な疫学データの収集体制が確立していない。その結果として、IDU、セックスワーカー、男性とセックスをする男性(MSM)におけるHIV/AIDSデータが十分に収集されておらず、適切な戦略も立てにくい状況にある。
世界で2番目に感染率の高い地域であるカリブ海においては、HIV感染者数、陽性率ともに増加していない。この地域で最も古くから、最も深刻な影響に晒されているハイチで、感染率が低下傾向を示していることには希望が見いだせる。ラテンアメリカ地域では、薬物使用や同性間性行為による感染について十分な対応がとられていない。一方、ブラジル、キューバ、アルゼンチンなどでは、治療へのアクセスが大きく拡大し、AIDSによる死亡者数が減少している。北米、西欧などの先進国では、少数派の人種や民族、移民などにおける感染拡大が顕著であるが、それに対応する予防努力が十分でない。

(3)2010年に向けた治療・ケア・予防への普遍的アクセスの達成に向けて

今回の報告書では、「3×5」目標(2005年までに300万人に治療を供給する)によってここ数年注目を集めていた「治療」に対して、戦略的な予防プログラムの展開の重要性を強く打ち出すものとなっている。これは、アジア、東欧・旧ソ連圏、中東・北アフリカ等の地域で、適切な予防プログラムが行われていない結果として、HIVの影響拡大が急激に見られるためである。2005年、「3×5」が達成不可能であることが明らかになるにつれ、次の目標として、2010年までの治療・ケア・予防への普遍的アクセスの達成が打ち出されつつある。来年は、2001年に制定された「HIV/AIDSに関するコミットメント宣言」の評価のための国連特別総会が開催される。この報告書は、この総会その他での検討に向けた基礎資料を提供するものとして極めて重要である。

リソース:報告書の本文はUNAIDSの以下のウェブサイトから入手可能。
http://www.unaids.org/NetTools/Misc/DocInfo.aspx?LANG=en&href=http://gva-doc-owl/WEBcontent/Documents/pub/Media/Press-Releases03/PR_EpiUpdate_Nov05_en.pdf

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★ アフリカ:政府の無策でエイズ遺児の教育権が危機に
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国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Right Watch 以下HRW)は、報告書「『失敗するに任せよ』:エイズの影響を受けた子供たちの教育を受ける権利を無視する政府」 Letting Them Fail: Government Neglect and the Right to Education for Children Affected by AIDS」を発表した。報告書の中で、アフリカ東・南部の各国政府は家族がHIV感染またはエイズで死亡するなどして、学校に通えなくなった何百万人という児童を放置したままだと指摘している。
55頁からなるこの報告書は、HIV/AIDSによる被害が大きい南アフリカ、ケニア、ウガンダの3カ国の児童たちから得た証言を取りまとめた。いかに政府がエイズの影響で学校を中退した児童や復学を望む児童への対応を怠ってきたか、また教会や地域の団体が政府の支援をほとんど受けないまま無認可で児童の保護活動を行ってきたかを伝えている。
HRW研究員のジョナサン・コーヘン氏Jonathan Cohenは、「子どもたちは充分すぎるほどのものを失った。この上、学校へ行く権利や教育を受ける権利までをも奪うべきではない」と話す。
サハラ以南のアフリカ地域におけるエイズ遺児の数は1200万以上といわれているが、この数字には両親が末期症状にあるその他の数百万人の児童が含まれていない。アフリカの就学率は66%に到達したが、HIV/AIDSの影響を受けた児童は取り残されたままである。最近の調査で、ケニア、南ア、タンザニアで、エイズ遺児は他の児童と比べて、中退せざるを得ない、年齢に相当する学年より下の学級に通う、または家計に学費を出すゆとりがない、といった傾向が明らかになった。
また、HRWでは、児童の教育を受ける権利は、事実上家族がHIVに感染した瞬間から脅かされていると報告している。家事労働のために学校に通えない、両親が病床に伏して学費を支払えないなどの理由で中退する子どもが多くいる。ケニアやウガンダでは初等教育の授業料を無料にしたが、教科書、制服、その他の費用が支払えないという理由でエイズ遺児の入学を拒否した学校があるという。父親を亡くした場合、母親と暮らす遺児は多いが、稼ぎ頭を失った世帯の暮らしは貧しい。地域の団体が遺児たちの必要最低限のニーズを満たすため支援を行っているが、ストリートチルドレンになって、子どもだけで共同生活を余儀なくされる場合も多くみられる。
前出のコーヘン氏は「親をエイズで亡くした子どもの養育は政府が行うべきだ。地域の団体や教会はなんとか政府の穴を埋めようと必死に努力している」。ヒューマン・ライツ・ウォッチはアフリカ東部、南部の政府に、エイズ遺児対応のため地域の支援団体や児童養護制度を強化するよう呼びかけた。南アには児童養護制度はあるが、HIV/AIDSのニーズを満たすものではない。ケニアとウガンダでは、遺児の世話はほぼ全面的に慈善団体に任せきりだ。そして高い中退率がこのような政府の怠慢の表れとなっている。
エイズ遺児の中退は、子どもたちを生涯、貧困と虐待の連鎖に陥れることを意味する。中退後の児童の生活は、性的虐待、危険な労働、ホームレス生活など多くの危険をはらむ。これまでの調査でもHIV感染率は教育レベルの低いほど高い割合になっていることが証明されている。
「HIV/AIDSで二重苦を味わっている子どもが大勢いる。まずHIV/AIDSで親を亡くし、そして学校に行けなくなり自らもHIV感染の可能性にさらされる。政府はこの悪循環を断ち切るためにも教育を優先させるべきだ」とコーヘン氏は訴えている。

原題:Africa: Neglect of AIDS Orphans Fuels School Drop-Out
日付:11, October 2005
出典:Human Rights Watch website
URL:http://www.hrw.org/english/docs/2005/10/07/safric11838.htm

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★ ジンバブウェ:HIV感染率が低下
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国連合同エイズ計画 the Joint United Nations Porgramme on HIV/AIDS (UNAIDS) は、10月10日ジンバブウェでは過去2年間、15歳から49歳の人口のHIV感染率が約5ポイント低下し、20.1%となったと発表した。また妊婦の感染率は2002年から2004年の間に24.6%から21.3%へ減少している。
性的パートナー数の減少、不特定パートナー間でのコンドーム使用率の増加など、性行動の変容とコンドームの普及が、こうした感染率の低下をもたらしたと考えられる。
ジンバブウェはサハラ以南アフリカでもHIVの影響を強く受けている国であり、近年は政治・経済的な危機が続いている。こうした中でのHIV感染率低下については、疑いの声もある。しかし、UNAIDSは最新の統計について、複数の機関によってなされた調査でほぼ同じ結果が出ていることから、信頼性があるものとみなしている。
ジンバブウェでは今も毎週約3,000人がエイズ関連の病気で死亡していると現地の新聞は報じており、感染率の低下が死亡率の低下をもたらすまでにはあと10年かかるとも言われている。UNAIDSは、ジェンダー(社会的性差)の不平等、貧困、移動人口などの根本的な問題が解決されなければ、感染率の減少傾向が持続的なものにならない可能性もあると指摘している。

原題:Zimbabwe HIV infection rate drops
日付:10, October 2005
出典:BBC website
URL:http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/africa/4327696.stm

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★ ブラジル: 政府が米国アボット社とエイズ薬値下げ協定合意
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10月11日、ブラジル政府は、アメリカの製薬会社アボット・ラボラトリーズ Abbott Laboratories Inc. と、同社が特許権を有している抗レトロウイルス薬である「カレトラ」 Kaletra の価格を下げることで合意した。ブラジルのジョゼ・サライヴァ・フェリペ保健相は「この値下げにより、ブラジルがアボット社の特許を侵害しなければならない理由はなくなった」と述べた。
カレトラは、HIV陽性者の治療に用いられるカクテル療法(三剤併用療法)に用いられる抗レトロウイルス薬の一つである。保健省は、今回の合意に達する以前の高い価格が、ブラジルのエイズプログラムの存続を危機にさらしていた、と語った。
この協定によって、ブラジルにおけるカレトラの価格は現在の1錠1.17ドルから63セントへと値下げされ、ブラジル政府は6年間で3億3900万ドルを節約することが可能となる。アボットの広報局長ブライアン・カイオス氏 Brian Kyhos は、「これは純正品のカレトラ genuine kaletra を、長期間にわたりブラジルの患者に継続して提供することのできる優れた合意である。この協定は、我々の知的財産権を尊重するものであることが重要であった。」と語った。
近年ブラジルは、いくつかの会社の持つエイズ薬の特許を破ることを何度も示唆してきた。しかしそのたびに政府は十分な値下げに成功し、実際にエイズ薬の特許を破ったことはない。
国連はブラジルのエイズプログラムを、途上国におけるエイズ治療の模範として評価している。ブラジル政府は治療を必要とする患者に無料でエイズ薬を提供しており、その患者数は現在16万人に上る。無料薬によって、ブラジルのエイズによる死亡者数は欧米と同じレベルにまで減少した。また10年以上にわたり実施されている、より安全な性行為 safer sex に関する率直なキャンペーンは、ブラジルのHIV感染率を世界で最も低い西ヨーロッパに近いレベルにまで下げるのに貢献してきた。

原題:Brazil Reaches AIDS Drug Deal With Abbott
日付:October 11, 2005
出典:Associated Press
URL: http://www.globalexchange.org/countries/brazil/3511.html

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★ タイ:予防努力の減退でHIV/AIDSが再び増大傾向
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HIV/AIDS対策のモデルケースだといわれたタイで、エイズ問題が再び浮上している。1990年代、コンドームキャンペーンとエイズ教育で主導的役割を果たしたミーチャイ・ウィラワイタヤ議員 Mechai Viravaidya によると、若い世代の間で無防備な性行動が増えたことによって、今年新たにHIVに感染した人の数は、政府の試算を上回る2万5千人に達した。
タクシン・チナワット首相は、HIV陽性者のケアプログラムに、大きな予算を配分してはいるが、2001年2月に現職についてから、政府エイズ委員会に参加したことがない。また、議会に対しての声明でも一度もHIV/AIDS問題について言及していない。ミーチャイ上院議員は、少ないエイズ対策予算、問題認識の不在、首相のイニシアチブの欠如、そしてその結果としての公衆衛生教育の弱体化が今日の事態を招いたと指摘する。
政府のスポークスマン、スラフォン・スエブウォングリー氏 Suraphong Suebwonglee は、政府はHIV/AIDS問題を軽視しているわけではなく、他の公衆衛生上の問題の対応に追われているだけだ、と説明している。過去数年の間、政府は鳥インフルエンザ、デング熱の予防や、食品の衛生管理、タバコによる健康被害防止、などの問題に取り組む必要があった。また、同氏は、政府も若年層のHIV/AIDS感染拡大に懸念をもっていると述べている。政府は、先週、少年非行の対応策を発表した。
2004年に、若者の間の性感染症は、前年比で30%増加している。ミーチャイ議員はHIV感染率も同じような比率で増加するのではないかとみている。政府はこれまでHIVに感染したのは100万人で、そのうち死亡したのは50万人と見積もっているが、ミーチャイ議員は、感染者は200万人、死亡は80万人と推定する。国連開発計画 UNDP は、タイ政府のエイズ対策予算が8200万ドルから2500万ドルに削減されたことに伴い、HIV感染拡大の明らかな兆候があらわれている、と警告した。
ミーチャイ議員は、「今必要なのは、以前効果のあったエイズ教育とコンドーム配布政策を、もう一度採用することだ」と主張している。ある調査によれば、若者のうち継続的にコンドームを使用しているのは20%から30%だという。その理由は、国がエイズ教育に以前ほど力を入れなくなったため、人々がHIV/AIDSがもうなくなったものだと思っているためである、と同氏は分析している。

原題:AIDS Believed on Rise Again in Thailand
日付:3, October 2005
出典:Associated Press
URL:http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/n/a/2005/10/03/international/i065014D99.DTL

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★ オーストラリア:HIV感染者の入国権を制限する判決
?市民団体は判決を批判?
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9月29日、オーストラリアの連邦裁判所大法廷は、博士号の取得のためにザンビアからオーストラリアへの留学を希望していたHIV陽性の男性の入国に関する裁判において、この男性の入国を認めない判決を言い渡した。
この男性とその妻はHIVに感染していたが、息子は感染していない。この男性はAIDSを発症しておらず健康な状態であり、医療費についても、オーストラリアの社会保障制度を利用せず、民間保険に加入して自ら支出する予定であった。下級裁判所では、この男性の入国権を認める判決を出していたが、今回の判決はこれを覆し、HIVに感染している短期ビザまたは学生ビザの申請者については、個別の実際の事情を考慮しないで入国を拒否しても構わない、との判断を示したものである。
オーストラリアの人権団体であるライツ・オーストラリア Rights Australia は、この判決について、HIVに感染しているビザ申請者の入国を妨げるものである、と批判している。
連邦裁判所大法廷はこの判決で、現行の法制下においては、出入国管理当局は、申請者の実際の病状について考慮する必要はなく、感染していることで予想される影響のみを考慮すれば足りるとし、移民省の医療担当官がなすべきことは、申請者がオーストラリアに滞在する間受けるであろう地域医療サービスを仮定し、その医療費を地域が負担することが相当であるかについて意見を提供すればよい、との判断を示した。
ライツ・オーストラリアの報道担当者グレッグ・バーンズ氏 Greg Barns は「この判決は、残酷で非人道的だ。例えば、カナダにおいては、HIVに感染している移民申請者の入国申請に関しては、個別の事情を審査することが必要とされている。ところが、オーストラリアでは、申請者の特定の事情を考慮しなくてよいという規則、判例があるため、事実上HIV感染者の移民申請を一方的に禁止することになる。このような傾向は改めるべきだ。」と述べた。

原題:Federal Court ruling shows Australia discriminates against HIV migration applicants
日付:29, September 2005
出典:Rights Australia
URL:http://www.rightsaustralia.org.au/media780.html

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★ 「第3回アジア太平洋地域・性と生殖に関する健康についての会議」、マレーシアで開催(11月17日?21日)
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2005年11月17日から21日まで、マレーシア・セランゴール州 Selangor DarulEhsan のペタリン・ジャヤ Petaling Jaya にて、「第3回アジア太平洋地域・性と生殖に関する健康についての会議」 3rd Asia Pacific Conference on Reproductive and Sexual Health (3rd APCRSH) が開催される。
会議のテーマは、「すべてのコミュニティにおける性的健康および性と生殖に関する健康と権利のための、より広汎で包括的な対策 Expanded and Comprehensive Response in Sexual and Reproductive Health and Rights (SRHR) for All Communities」である。討論内容は以下の通り。
1.性と生殖に関する健康についての評価 
2.性と生殖に関する健康に関する課題と新しい論争点 
3.性と生殖に関する健康に関するよき実践例の共有 
4.性と生殖に関する健康と権利をすべての人へ
この会議は政策立案者、プログラム立案者、プログラム・マネージャー、公益事業供給者、政府機関、非政府組織(NGO)、研究者、教育者、資金提供者が集い、アジア太平洋地域の関係者と、性と生殖に関する健康における専門知識だけでなく経験や考えを議論し、分かち合うことができる機会である。

原題:3rd Asia Pacific Conference on Reproductive and Sexual Health (Nov 17-21 2005)
日付:May 26, 2005
出典:Gender Aids Listserve
URL: http://eforums.healthdev.org/read/messages?id=5750

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★第1回インドネシア全国HIV陽性者会議で宣言を採択
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2005年10月、インドネシアの西ジャワ州レンバン Lembangで、5日間の日程で「インドネシア全国HIV陽性者会議」 the Fourth National Meeting of People Living with HIV/AIDS が開催され、同国25州から124人が参加した。参加者の多くがHIV陽性者だった。
参加者は満場一致で宣言を採択した。その宣言は、国民福祉調整大臣 Coordinating Minister of People's Welfareと国家エイズ委員会議長に提出される。以下同宣言を紹介する。

レンバン宣言 (以下、日本語抄訳)

2004年2月、第4回全国HIV陽性者会議において採択されたトレテス Tretes 宣言では、参加者が抗レトロウイルス薬 ARV へのアクセスが進んでいるにも関わらず、未だ多くの人々が治療を受けられず、命を落としている状況の改善が指摘された。
トレテス宣言後の18ヶ月間の進歩は期待を上回るものであった。2004年9月にインドネシア政府は、2005年に1万人の患者を目標に ARVの無料配布を始めた。さらに保健省は17州で25の病院をAIDS紹介病院 AIDS Referral Hospital に指定し、抗エイズ治療のマネジメントに関して医療関係者の教育を開始した。
全体的にHIV/AIDS対策の進展が見られた一方で課題も残されている。HIV/AIDS治療指定病院は75に増えたが、地方では不十分だ。これらの病院の二次組織として地域の保健センターもあるが、システムは未だ不透明である上に、ARTを提供しているのは5つのセンターのみである。
治療薬を受け取ることができるのは自身の感染を把握している人のみであるが、自らの状態を把握しているのは国民全体の10%に満たない。よって自発的カウンセリング・検査 Voluntary Counseling and Testing: VCT の拡大が必要である。保健省は、「ヘルスケアワーカーによる感染者に対する社会的スティグマ意識の問題は取りあげられていないが、政府指定のAIDS紹介病院においてすらこのような問題は存在している」ことを認めた。感染者のプライバシーを保護しながらも、これらの社会的スティグマや差別意識の撤廃のために更なる努力が必要である。
日和見感染症への治療薬も保障されなければならない。また、ARV薬配布開始以来、一度治療薬が底をついて混乱を招いたことがあったが、配布が急に途絶えてしまっては努力が水の泡である。
また、ウィルス性肝炎を併発する人々が増えているが、このような同時感染に対してはARV薬配布は非常に困難である。また、肝炎治療には膨大な費用がかかるため、より多くの肝臓感染症専門医が治療に携わることを期待する。患者の死因のほとんどは結核である。よって結核治療に携わる地域のヘルスケアワーカーは患者がHIVに感染しているかどうか検査するなど迅速な対応が求められている。
多くの麻薬使用者、刑務所在監者における感染拡大への対策や、母子感染予防も重用だ。地域の病院と関係者の協力が不可欠であり、かつ継続的な治療と対策を実行する必要がある。
地域レベルでの治療充実のため、各地区のエイズ委員会の役割強化も不可欠だ。これらの委員会には支援団体、地域住民、職員としてのPLHAの参加が不可欠である。また、政府は貧しい家庭への資金援助とともに、彼らの状況に目を向ける努力が求められている。

原題:Statement: Participants at the First Indonesian Congress of PLHAs
October 2005
日付: Oct 4, 2005
出典:sea-aids listserv
URL:http://archives.healthdev.net/sea-aids/msg01532.html

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★ UNAIDS: インドネシアの作家とのセッション開催
?女性HIV陽性者への差別をなくそう?
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10月9日、バリ島のウブドで開催された「著者と読者フェスティバル」 Writers and leaders Festival の半日のエイズ・セッションに約20人の著名な作家たちが参加した。このセッションは、「HIV/AIDSと共に?女性の立場から Living with HIV/AIDS: A Woman's Perspective 」というテーマで行われた。その趣旨は、ペンの力で、エイズに対する差別をなくすことである。セッションの最後に、マスコミ関係者も招かれ、彼らもエイズに取り組む役割を担っていることを再確認した。インドネシアの作家で、HIV/AIDSについていくつかの著作があるプトゥ・オカ・スカンタ Putu Oka Sukanta 氏がセッションの司会を務めた。
続く公開討論では、インドネシアのHIV陽性者の全国事務局であるスピリティア協会 Spiritia Foundation の創始者で、自身もHIV陽性者であった詩人、故スザナ・ムルニ氏 Suzana Murni の詩集「シンプル・パッション」Simple Passion の編集に着手することが話し合われた。
このイベントは、アジア・太平洋・リーダーシップ・フォーラム the Asia Pacific Leadership Forum APLFの後援で行われ、近い将来HIV/AIDSについての短編小説のコンペを含めたフォローアップセッションが設けられることになる。
インドネシアでHIV陽性者は、およそ9-13万人と推測されている。HIV感染の主な原因は、無防備な性行為、および薬物注射である。HIVは一般的には男性の感染率が高いが、現在インドネシアでは、女性や少女の感染も増加している。今後UNAIDSは、国家エイズ委員会と共に女性HIV陽性者に対する人々の意識改革を促していく予定である。

原題: Press Release: UNAIDS Engages Indonesian Writers in AIDS Response for Women
日付:9 October, 2005
出典:Sea-aids listserv
URL:http://archives.healthdev.net/sea-aids/msg01556.html

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★ 書評:キャサリン・キャンベル著「死ぬに任せる:なぜHIV/AIDS予防プログラムは失敗するのか」 Letting Them Die: Why HIV/AIDS Programmes Fail
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本書の反語的タイトル「死ぬに任せる」は、南アフリカ共和国のとある箴言家の言葉「かつての南アフリカで、私たちは人々を殺していた(=編集部注:アパルトヘイト体制下での弾圧などを指す)。今、私たちは人々が死ぬに任せている」からとっている。著者の社会心理学者のキャサリン・キャンベル Catherine Campbell は、本書で、HIV/AIDSの課題において社会的、経済的要因がどのような役割を果たしているかに注目している。本書は2つの重要な疑問を投げかけている;なぜ人々は、エイズが猛威を振るうこの南アフリカ共和国で、感染リスクの高い性行為をやめないのか。そして、なぜエイズ予防のプログラムは、ことごとく失敗に終わるのか。
キャンベルは、性行為が個人の意思よりも、社会や経済によってなされるものだと結論付けている。人々の持つHIVへの知識や、彼らが信じるもの、そして性生活の営みによって人々が行動を選択する余地は少なく、むしろ社会規範や社会的機会などが複雑に交錯して現実の性行動が形成される。感染リスクの高い行動をする人々を「健康でいられる地域社会」に組み込まない限り、これらの取り組みはうまくいかない、とキャンベルは書いている。
キャンベルは、HIV感染が流行拡大している南アのある鉱山都市において実施された、あるHIVプロジェクトを、長年に渡って評価してきた。本書では、その結果が報告されている。
この都市には10万人の在住者、7万人の出稼ぎ者、そして2,000人の性産業従事者がいる。このプロジェクトにより、性産業従事者の69%、坑夫の22%、町に住む15歳の少女の8%がHIV陽性者であることが分かった。このプロジェクトでは、これらの人々の、医学的・社会的の双方の側面からの教育の促進を目的として実施されてきた。性産業従事者の間では、これらの教育により意識向上されてきた。しかし、この教育プロセスは、結局のところ、彼女らの客が、コンドーム使用を拒否すれば、役に立たなくなる。客である抗夫たちは、いまだに男らしさの誇示のような考え方にとらわれている。一部の人々の真剣な試みが、その他大勢の嘲笑によって邪魔されるということもある。
綿密な研究により、キャンベルは、「HIV感染予防プログラムは、社会的・経済的に抑圧されたHIV感染可能性の高い人々だけでなく、それ以外の複数の層の人々にも変化をもたらすものでなければならない」と説明している。つまり、関連する地域社会の全ての人間が、予防プロジェクトを遂行するために重要な役割を持つということである。“Letting Them Die” は、キャンベルのHIV/AIDSに関する最前の研究を通して熟考された、シグナルの一例だ。これは、鋭く、丁寧に推論されており、力強く書かれている。性産業従事者たちの生活の率直な話や、痛ましい闘病記・・・。この本は生きた教訓なのだ。

原題:Letting Them Die: Why HIV/AIDS Prevention Programmes Fail (African Issues) (Paperback) by Catherine Campbell
日付:2004年5月13日
出典:the New England Journal of Medicine
URL:http://www.amazon.com/gp/product/0253216354/103-0218340-5175863?v=glance&n=283155&v=glance

(編集部注:本書はインディアナ大学出版部Indiana University Pressから2003年9月に発行された書籍です。http://www.amazon.co.jpより購入できるとのことです)

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■□編集後記
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食べ物がおいしいこの季節。食欲のままに食べていたのですが、最近どうもお腹が・・・。そこで、腹筋を1ヶ月ほど前に腹筋運動を始めたのですが、なんと!最近お腹がぺったりしてきました。寝る前に毎日少しだけトレーニングしたのですが、続けたことがよかったのでしょうか。まさに「継続は力なり」を体感しました。今は気をよくして腹筋割れを目指しています。(編集員W)

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UP:20051225
アフリカ日本協議会 

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