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http://blog.melma.com/00123266/ アフリカ日本協議会 ■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■ グローバル・エイズ・アップデイト GLOBAL AIDS UPDATE ---------------------------------- 通巻24号(第2巻 第1号)2005年9月1日 Vol.2 -No.1 Date: September 1, 2005 ■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■ ◆発 行:アフリカ日本協議会 ◆連絡先: ・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F ・電 話:03-3834-6902 ・FAX:03-3834-6903 ・電子メール:info@ajf.gr.jp ◆バックナンバー:以下のブログを参照! ・http://blog.melma.com/00123266/ ◆Melma!を通しての購読申し込みは ・http://www.melma.com/mag/66/m00123266/ ◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。 ********************* ------------------ はじめに:発行趣旨 ------------------ ○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。 ○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。 ○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。 ○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。 ---------------------- ■「第24号」目次 ---------------------- ●会議情報 1.2008年国際エイズ会議:デリーで開催 2.世界基金は資金不足を解消できるか 〜自発的資金補充メカニズム第3回会議迫る〜 3.国際航空税による世界基金への資金補充を提案 〜フランスのシラク大統領〜 4.Living 2005 会議:日程が変更に ●地域情報 アフリカ ウガンダ: ARV薬の供給目標達成 米州地域 米州:中米自由貿易協定が承認=治療薬へのアクセスが危機に? ●オピニオン 1.国連: 「3つの統一」原則 〜あつものにこりて膾(なます)を吹く?〜 2.HIV抗体検査は義務付けるべきか? 〜第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議報告から〜 Vol.2-No.1(No.24) ---------- ●会議情報 ---------- ---------------------------------------------- ★ 2008年国際エイズ会議:デリーで開催 ---------------------------------------------- 2008年に開催予定の第17回国際エイズ会議の会場が、インドの首都、デリーに決まった。国際エイズ学会 The International AIDS Society (IAS) が7月24日に開催した運営審議会にて決定した。 IASは、昨年(2004年)7月11日〜16日にタイのバンコクで開かれた第15回国際エイズ会議の最終報告書を発表。報告書では会議全体のレポートだけでなく、主要事項の要約や評価、統計、監査結果が含まれており、読者に会議の概要がわかるようになっている。 第1回の会議が1985年に米国・アトランタで開かれて以来、HIV/AIDSの拡大を止めるために必要な対策は変化を続けている。それに対応すべく、国際エイズ会議は継続的に発展している。報告書によると、バンコク会議には、160カ国以上から、2,710人の報道関係者を含め合計19,843人が参加した。報告書は、国際エイズ会議がエイズの世界的な傾向を明らかにし、それへの理解を示す主要なイベントとなったと、強調している。 報告書全文は http://www.iasociety.org/pdf/BangkokReport.pdf で閲覧可能。 原題:International AIDS conference in 2008 in New Delhi 日付:27 July, 2005 出典:Yahoo!HEALTH メーリングリスト URL:http://health.groups.yahoo.com/group/AIDS_ASIA/message/330 ---------------------------------------------- ★ 世界基金は資金不足を解消できるか 〜自発的資金補充メカニズム第3回会議迫る〜 ---------------------------------------------- 【東京発2005年9月1日:グローバル・エイズ・アップデイト編集部】「世界エイズ ・結核・マラリア対策基金」(世界基金)は、2006〜7年に予想される巨額の資金不足を解消し、途上国の感染症対策に向けて恒常的・安定的な資金供給を実現するために、国連のアナン事務総長を議長とする「自発的資金補充メカニズム」(Voluntary Replenishment Mechanism)を設立し、これまで3月にストックホルム、6月にローマでメカニズムの会議を開催してきた。9月5日〜7日にロンドンで開催される第3回会議が、2007年までの資金補充メカニズムの最後の会議となる。 ここで、主要ドナー国や民間セクターが、世界基金の資金需要に応えて大規模な拠出を誓約することが 期待されており、HIV/AIDSに取り組む世界の市民社会も、この会議に向けて大きなキャンペーンを展開している。 3月・6月に開催された資金補充メカニズム会議では、世界基金が、世界の三大感 染症対策においてどの程度の規模の資金供給を行うべきかの目処が三カ国によって確認された。国連合同エイズ計画、WHO等が行った試算では、世界の結核対策には毎年20億ドル、マラリア対策には毎年27億ドル、エイズ対策には135-155億ドル程度の資金が必要であるが、途上国の国内資源のみではこの25%弱しか埋めることは出来ず、残りは国際的に負担することが必要である。これについて、世界銀行等の多国間資金 拠出および援助国の二国間援助機関による資金供給を除いた分を、世界基金がカバーすることが必要であるが、これは、結核対策への国際的な資金拠出の66%、マラリア対策の45%、エイズ対策の20%程度であり、合計するとこれら三大感染症対策の27%、合計40億ドル前後の資金を世界基金が確保し、拠出することが必要ということになる。 世界基金では、これについて、過去3年間で承認した対策プログラム案件への継続 的な資金拠出とあわせて、2006年に1回、2007年に2回、途上国各国に対して年間10億ドル規模の新規の案件募集を行うことで、その需要を満たす予定となっている。この場合、必要な資金は、2006年に29億ドル、2007年に42億ドルとなる。今回ロンドンで開催される資金補充会議でこの資金が確保されないと、新規案件募集を2年で3回行うというプランが不可能となり、その分、各国で新たに生じる感染症対策のニーズを満たすことが出来なくなりかねない。 これについて、第2回資金補充会議以降、まずフランスが、次に日本が、さらに英国が今後の資金拠出の増額を発表するなど、援助国側の拠出増額の動きが見られるようになっている。また、7月に英国のグレンイーグルズで開催されたG8サミットでは、G8諸国が世界基金の資金需要を満たすために最大限の努力を行うことを明記した。しかし、現状で拠出誓約がなされている額は2006年・7年ともに10億ドル程度に過ぎず、本来のニーズの3割弱しか満たされていない。 世界の市民社会は、これについて、緊急のアクションを展開している。国際エイズ・サービス組織評議会(ICASO)およびグローバル・ファンドを市民社会からモニターしているNGOであるAIDSPANが軸となって、ドナー国に対して、世界基金の資金需要を完全に満たすように要求する「国際緊急アピール」が呼びかけられた。この国際緊急アピールには、すでに79カ国・380のNGOが署名し、南アフリカのノーベル平和賞受賞者であるデズモンド・ツツ司教、アイルランドのロックバンドU2のボーカリストであるボノ、さらにはジョージ・ソロスなども署名している。また、世界基金に資金を申請する途上国各国の組織である「国別調整メカニズム」(CCM)についても、すでにカンボジア、ガーナ、エチオピアなど11カ国のCCM議長が緊急アピールにサインしており、世界基金の資金需要を完全に満たすことを求める世界の声は日増しに大きくなっていると言える。 日本はこの資金補充会議をにらんで、すでに6月30日、小泉首相が、世界基金に「当面5億ドルを拠出する」と発表し、付け加えて「幸運は準備する者にのみ訪れる」という、フランスの著名な医学者ルイ・パストゥールの言葉を引き合いに出して、「我が国は準備ので来ていない者にも手をさしのべるのである」として「人道国家・日本」をアピールした。この5億ドル拠出は、世界における日本の国民総所得のシェア(世界の14.3%)から比較すれば格段に少ないが、7兆ドルもの借金を抱え極端に悪化した日本の財政状況にあっては、英断として評価することも可能である。しかし、この5億ドルについては、「当面」という曖昧な表現が使われており、2006-7年の2年間での拠出としては確定していない。 日本の市民社会としては、この5億ドルが、2006-7年の2年間に適切に拠出され、日本が世界基金に対して適正な貢献を行うかどうかをしっかりと見届けていく必要がある。 関連記事・ウェブサイト ・AIDSPAN(英語): http://www.aidspan.org/ ・国際緊急アピール(英語): http://www.aidspan.org/globalfund/appeal/international-appeal-en.htm ・国際緊急アピールの賛同者・賛同団体(英語): http://www.aidspan.org/globalfund/appeal/signed.htm ・世界エイズ・結核・マラリア対策基金(英語他) http://www.theglobalfund.org/ ---------------------------------------------- ★ 国際航空税による世界基金への資金補充を提案 〜フランス・シラク大統領〜 ---------------------------------------------- ロイター・アラート・ネットの報道によると、ジャック・シラク仏大統領は7月26日、世界145人のリーダーに向けてメッセージを送り、国際航空税を導入し、「世界エイズ ・結核・マラリア対策基金」(世界基金)への資金補充を行う提案を行い、これに対する支持を呼びかけた。 シラク大統領は今年1月、スイス・ダボスで開催された「世界経済フォーラム」ですでにこの提案を行っており、9月の国連総会においても、本提案に関する協議を行う意向を示している。国際航空税に賛同する国では、その国から乗客が出国する際、航空費に航空税が加算されることになる。シラク大統領は、航空税の他、国際財政取引、航空・海洋燃料、銀行秘密システムによる国際間の資産運用等に対する課税を提案している。 国連事務総長コフィ・アナン Kofi Annan はすでに先月、この提案への支持を表明し、各国から巨額の支援を求める代わりに、国際航空券に1〜2ドルの税を課せば、エイズ対策のための安定した資金源が確保できるのではないか、とコメントしている。この提案には、すでにアルゼンチン、ブラジル、チリ、ドイツを始め、数カ国が賛同している。 原題:Global Challenges | French President Seeks World Leaders' Support for International Airline Ticket Tax To Finance Global HIV/AIDS Fight 日付:July29, 2005 出典:kaiser daily news URL: http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_index.cfm?DR_ID=31701 ---------------------------------------------- ★ Living 2005 会議:日程変更 ---------------------------------------------- ペルーの首都リマで2005年10月9日から13日に開催予定だった「The Living 2005会議」 The LIVING 2005 Conference の日程が、2006年3月12日〜16日に変更になった。この会議では、以前からセネガルの首都ダカールで開催されていた「HIV陽性者と家庭・コミュニティケア国際会議」と「世界HIV陽性者ネットワーク」 GNP+ の世界大会が同時開催される。 会議の日程を2006年3月に変更したのは、同年8月にトロントで行われる国際エイズ会議に大きな影響を及ぼすのが狙い。合理的な資金調達と、ドナーの「会議疲れ」を避けるという趣旨もある。日程変更の結果、会議のタイトルはLiving2006になる。 GNP+の世界大会がラテン・アメリカのアンデス地方で開催されるのはこれが初めて。主催者側は、この会議が情報共有、HIVへの理解と解決策を促し、またアンデス地方及びラテン・アメリカ諸国の感染症に関する認識を深め、動向を把握することを目標としている。 GNP+の副国際コーディネーターであるラウール・フランセン氏 Raoul Fransen は、会議を通じてHIV感染者の意識の共有やのサポートの確保、HIV/AIDS対策において、家族やコミュニティが果たす役割の向上を目指していると語る。 なお、詳細な情報は以下の公式ウェブサイトにて: http://www.living2005.org 原題:GLOBAL NETWORK OF PEOPLE LIVING WITH HIV/AIDS (GNP+) AND THE LIVING WITH HIV PARTNERSHIP 日付:JULY 22, 2005 出典:VIVIR2005 website URL:http://www.vivir2005.org/en/postpone.htm ---------- ●地域情報 ---------- ---------------------------------------------- ★ ウガンダ: ARV薬の供給目標達成 ---------------------------------------------- ウガンダは、HIV陽性感染者への抗レトロウイルス(ARV)薬の供給目標を予定よりも6ヶ月早く達成したと、当局関係者は語った。 保健省広報のポール・カグワ氏 Paul Kaggwaによると、当初2005年末までに、6万人にARV薬を提供する目標だったが、現時点ですでに約6万5千人に提供しており、予定よりも6ヶ月早く目標を達成したことになるという。 目標を早く達成できた理由は、主としてGFATM(世界エイズ・結核・マラリア対策基金 the Global Fund for HIV/AIDS, Tuberculosis and Malaria)、WHO、その他ドナーからの資金援助を受けられたこと、インフラ整備を行い、保健サービスへのアクセスや保健センターの薬品管理能力を向上させたことが挙げられている。 カグワ氏によると、今後も資源供給が続けば、ウガンダでは2006年末までにARV薬にアクセスできる人の数が3倍に増えるという。現在、ウガンダで治療薬を必要としているHIV感染者・エイズ患者数は約12万人と推定されている。 <編集部注>その後、ウガンダでは「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」(世界基金)から供与された資金の活用が不適切であったとして、同基金が資金拠出を停止するなど、HIV対策は混迷の度合いを深めています。「エイズ対策先進国」といわれるウガンダの昨今の混迷について、本メールマガジンでも特集として紹介していきたいと思います。 原題:UGANDA: ARV targets achieved ahead of schedule 日付:20 July, 2005 出典:IRIN Plus News URL:http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=48213&SelectRegion=East_Africa ---------------------------------------------- ★ 米州:中米自由貿易協定が承認=治療薬へのアクセスが危機に? ---------------------------------------------- 7月29日米国、下院において、中米諸国およびドミニカ共和国との自由貿易協定 CAFTA を承認した。上院は6月に9票の僅差で承認しており、8月2日、ブッシュ大統領が署名し正式に採択された。 協定採択に関して、国際保健専門家らは、協定に含まれる知的財産権の条項が、貧困にあえぐ多くの人々を死に追いやるであろうと警告している。抗レトロウイルス(ARV)薬を含むジェネリック薬の売買を制限することになるからだ。米国の多国籍製薬会社は、議員に活発なロビー活動を行っており、今回のCAFTAの結果、巨大製薬会社は前例のない莫大な利権を得ることが予測されている。 現在、特許権で保護されているブランド薬(先発薬)は、後発品であるジェネリック薬に比べて非常に高価である。この価格構造は、新薬には研究開発コストがかかる一方、ジェネリック薬は実質製造費のみで生産できるという背景がある。その結果、新薬を開発している巨大製薬会社は、多くの国でできるだけ長期間にわたる医薬品の特許権を維持できるように働きかけていた。CAFTAでは北米自由貿易協定 NAFTA よりも2倍長い知的財産権保護が認められると同時に、特許更新権も含まれている。 国際的NGO オックスファム・アメリカ Oxfam America によれば、中米では16万5千人以上がHIVに感染しているという。米国のHIV/AIDSアドボカシー団体である「地球規模保健アクセス・プロジェクト」(Health Global Access Project:Health GAP)の国際政策部長エイジア・ラッセル氏 Asia Russelは、「CAFTAはブッシュ政権が2002年にWTO閣僚会議で署名した(公衆衛生を知的財産より優先させるという趣旨の)ドーハ宣言に逆行するものであり、ホワイトハウスは中米での患者の命よりも巨大製薬企業とのつながりを優先している」と話す。 実際、最近6年間で、800万ドル以上と言われる巨大製薬会社からの政治献金の多くはCAFTAを支持する共和党に流れ、また知的財産権をはじめとする特別な貿易問題に政府が強く干渉しているという。 原題:Activists See CAFTA as Gift to Big Pharma 日付:JULY 26, 2005 出典:Inter Press Service News Agency URL:http://www.ipsnews.net/new_nota.asp?idnews=29658 編集部注)記事本文は、下院採決の前にリリースされているため、最新情報を編集部で補いました。 ------------ ●オピニオン ------------ ---------------------------------------------- ★ 国連 「3つの統一」原則 〜あつものにこりて膾(なます)を吹く?〜 ---------------------------------------------- 「アジアにおけるエイズ対応は岐路に立っており、今後、さらに協調し、取り組まねば、感染拡大を食い止めることはできない」。 これは、今年7月1日から5日まで神戸で開催された「アジア・太平洋地域エイズ国際会議」(ICAAP)で、多くの発表者が述べたことである。特に「協調して取り組む」という点では、国連合同エイズ計画(UNAIDS)が打ち出している共通指針である「3つの統一」原則 Three Ones の「一国に一つのエイズ行動枠組み、一つのエイズ調整機構、一つのモニタリング・評価システム」導入の必要性が再三、言及された。Three Onesのこの“新たな”枠組みは、HIV/AIDSへの国内対応の調和と協調が目的であり、これが国家のオーナーシップと信頼性の向上に資するとしている。しかし、実際には、これによって具体的に何が得られるのか、明確でない。 UNAIDSによれば、近年、世界的にエイズへの注目が高まり、国レベルでの対応が強化され、財政面も改善しつつあるという。エイズ対策への投資は2002年から2003年の1年で28億ドルから 47億ドルに増額した。一方で、ドナーと途上国が協力し、支援の重複や断片化を防ぎ効率化を図ることが課題であり、これこそが「3つの統一」原則の目指すところである。更に、地域コミュニティのニーズに対応していく上で、市民社会の参加が不可欠であるという。 しかし、現実には、一部の国際NGOしか参画できない、指針が固まった後に会議が開催されるなど、市民社会の参加はあくまでも限定的である。また、NGO活動がない国でエイズに関する権限が一機関に集中した場合の透明性も懸念される。UNAIDSは、国レベルでの協調を訴えるが、むしろ、協調が必要なのは国連自身なのではないか。これまで、途上国政府からも、多数の国連機関の間で提出書類や報告書が重複している等の指摘を受けている。Three Onesという戦略は、まずは国連のシステムを改善する出発点として有効なのではないか。 原題:7th ICAAP: 'Three Ones' - Once bitten, twice shy 日付:Wed, 27 July 出典:SEA-AIDS URL: http://archives.healthdev.net/sea-aids/msg01390.html (編集部注)「3つの統一」原則については、「HATプロジェクト(エイズ&ソサエティ研究会議)」の以下のウェブサイトに日本語で主要な情報が掲載されています。 http://asajp.at.webry.info/theme/8b7ab208a8.html ---------------------------------------------- ★HIV抗体検査は義務付けるべきか? 〜第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議から〜 ---------------------------------------------- 7月1日-5日 神戸で開催された第7回アジア太平洋地域エイズ国際会議報告(ICAAP)では、HIVに関する自発的カウンセリングと検査 voluntary counseling and testing (VCT) がHIV/AIDS予防や治療に重要な要素であるか、議論を呼んだ。 HIV陽性者は、感染の事実を知ることによって、陽性者として健康的に生活していくために必要な情報やサービスを得たり、パートナーやその他周囲の人を感染から守るために必要な方法を知ることができる。 しかし、HIV抗体検査の促進は、簡単ではない。HIV感染者・エイズ患者に対する偏見や差別が相変わらず大きな障害となっているからだ。特に途上国においては、検査サービスを利用できるための新たな努力と方策が必要である。 また、「定期的な」HIV抗体検査についての議論には課題がある。例えば、時期が来れば強制的に受けなければいけないものなのか、それとも、自発的に抗体検査を受けるといったものなのかである。また、その議論とは別に、各個人が検査するか否かを判断できるだけの知識があるかどうか、という問題も大きな課題である。 一方、VCTとはいっても、医師が抗体検査を勧めた場合に、それを断って検査を受けないというのは、多くの受診者にとって難しい選択である。「定期的」な抗体検査といった場合でも、このような議論は短絡を招きやすい。 イスラム教徒の多くいるマレーシアにおいて、ある内科医は、「結婚前にHIV/AIDS検査だけを単独で行うことは、HIV陽性者に対する差別待遇であるといえる。なぜ結核や肝炎でなく、HIV検査なのだろうか」と述べる。検査促進には、カウンセリングの技術の向上だけでなく、治療方法のサービスの改善が不可欠である。 HIV抗体検査の際、個々人の権利は守られなければならない。VCT定着のため、検査を受けに行っただけで差別されてしまうような風潮を撤廃し、各々が健康的に生きる権利を保障するための努力を重ねることが必要である。それと、各個人が自発的に検査とカウンセリングを受けることを両立させることが重要である。 (※ より深い理解のため、編集部で原文を補って訳出をしています。) 原題:7th ICAAP: HIV testing - Routinely offered or routinely imposed? 日付:July 12, 2005 出典:Lyris List Manager URL: http://eforums.healthdev.org/read/messages?id=6568 ------------------------ ■□編集後記 ------------------------ おかげさまで、「グローバル・エイズ・アップデイト」は今号で創刊1年を迎えました。 早いようで長い1年間。読者の皆様、記事を要約してくださっている11名の研究員の皆様に支えられてきました。 改めて感謝とお礼申し上げます。 普段は海外の情報をメインに掲載している「グローバル・エイズ・アップデイト」ですが、今号で掲載しております「自発的資金補充メカニズム第3回会議」の記事は、編集部が執筆した記事です。これからも、皆様のご期待に沿えるような記事を独自に編集していく予定です。今後ともご愛顧よろしくお願いいたします。 ------------------------ ■□メールマガジンご案内 ------------------------ ○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデート」は、世界のHIV/AIDS問題の最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。 ○このメールマガジンは、購読者の皆さまに逐次お送りするほか、HIV/AIDSや国際保健・医療関係のメーリングリスト、関係機関等に継続して送付いたします。ただし、メーリングリスト等への投稿は、徐々に減らす形となります。継続してお読みになりたい方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元(アフリカ日本協議会)までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行している「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。 http://www.melma.com/mag/66/m00123266/ --------------------------------------- <講読申込票>info@ajf.gr.jpまで --------------------------------------- ○氏名 ○所属(あれば) ○メールアドレス ○ご在住の市町村 ○コメント --------------------------------------- UP:200509 ◇アフリカ日本協議会 |