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『グローバル・エイズ・アップデイト』第22号

http://blog.melma.com/00123266/

アフリカ日本協議会


■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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 第22号 2005年(平成17年)8月11日
  Vol.1 -No.22 Date: Aug 11, 2005

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
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・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
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 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報
が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝
えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行
いたします。

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■「第22号」目次
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●地域情報
アフリカ
1.南アフリカ:母たちが作るビーズアクセサリーが世界へ
2.南アフリカ:宗教団体の役割=「モラル」の強制から人道支援へ
3.コンゴ共和国:初の感染者カップル誕生

東欧・ロシア
ロシア:「セックスワーカーとストリートチルドレンに高い感染率」

●国際機関
1.国連:アナン総長 「空の旅でHIV対策」
2.WHO・UNAIDS:途上国、未だ治療薬供給不足

●ドナー関連
1.クリントン前米大統領:小児エイズ対策に乗り出す
2.世銀:マダガスカルに2.39億ドル拠出

●NGO関連
HIV感染の犯罪化が進む欧州諸国:HIV陽性者ネットワークが警告

-------------------------------------------- Vol 1-No.22 ★----

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● 地域情報
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★ 南アフリカ:母たちが作るビーズアクセサリーが世界へ
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 南アフリカでは、HIVの母子感染予防活動の一環で、ビーズアクセサリーの製作・
販売を行う活動がある。7月15日号のウォールストリートジャーナル誌 Wall Street
Journal によれば、現在、この活動が注目され、ビーズが世界のファッション業界で
注目を浴びている。
 ケープタウン郊外のカエリチャ地区 Khayelitsha で行われている、この「母親プ
ログラム」 The Mother's Programme には、月に2,500〜3,000名の妊婦らが参加して
いる。彼女たちは、ビーズアクセサリーや毛布作りのグループに参加し、経済的自立
を目指し、起業活動に取り組んでいる。
 同プログラムは、2003年ビーズプロジェクトを立ち上げ、携帯電話用ポーチ、ブレ
スレット、コンドームケースやつり紐を販売している。現在テレビ番組や避妊用具を
扱う業者から、彼女たちが作る製品に対して注文が殺到し、開始以来、すでに30万ド
ルの収益を上げている。さらにビーズ製サンダルなどの事業開始に向けて交渉中であ
る。

原題:Beaded Accessories Made by HIV-Positive South African Mothers Gain
Popularity in International Fashion World
日付:July 15, 2005
出典:Kaisernetwork Daily HIV/AIDS reports
URL:
http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=15-Jul-05#31403

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★ 南アフリカ:宗教団体の役割=「モラル」の強制から人道支援へ
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 南アフリカ共和国の大都市部にある宗教団体や教会はHIV/AIDSへの財政や情報への
アクセスが十分である。一方、農村地帯にある宗教団体は孤立しており支援が不足し
ている。
 「宗教と平和の国際連盟the World Council of Religion and Peace(WCRP)」 など
の国際的な宗教団体は地方の宗教団体のリーダーを招集し、HIV/AIDSについてより自
由に語り、患者へのサポートを充実させるように説いている。
 WCRPの南アフリカ代表パディー=メスキン氏Paddy Meskinによると、農村部の宗教
リーダーは、モラルと貞節を説くばかりで、支援に力を入れていない。
研究者のニッキー=ポープ氏 Nicky Popeは、未だ深く根付いている「HIV感染はモラ
ルの問題である」という認識を打ち壊すことが宗教団体にとっての課題である、と述
べている。同氏の調査によると97%の女性グループと92%の聖職者が貞節を守ること
がHIV感染予防に最も効果的だと答えたという。しかし、現実には農村社会の女性に
性行動を交渉する力はない。一方で多くの宗教リーダーはいかにコンドーム使用を促
進させるかについて悩んでいる。農村コミュニティーでは性の話題が未だにタブーで
あり、人々を巻き込む画策がない。
 農村にある宗教団体は財政難に陥りやすく、情報源へのアクセスも難しい。多くの
地域教会は自己財源で運営しており、正式な聖職者や教会建物もないのが現状であ
る。援助団体やHIV/AIDS関連プログラムとのコンタクトも少ない。
 WCRPによると、農村の宗教団体に最も必要なことは、資金と人道援助的な支援であ
る。遺児や脆弱な子どもたちへの物質面、資金面の援助はあるが、HIV/AIDS教育やカ
ウンセリングには支援はないのが現状なのである。

原題:SOUTH AFRICA: Rural faith-based organisations could play crucial role
in countering HIV/AIDS
日付:Thu, 14 July 2005
出典:UN OCHA IRIN PLUS
URL:http://www.irinnews.org/pnprint.asp?ReportID=5035

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★ コンゴ共和国:初の感染者カップル誕生
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 コンゴ共和国 Republic of Congoで初めて、HIV感染者であることを公けにしてい
る男女が結婚した。ヴァレリー Valerie Mouellet とティエリー Thierry Mabaのカ
ップルは、二人の結婚を祝い、そしてエイズに対する偏見に挑戦するために、7月
2日、コンゴ共和国の首都ブラザヴィルで華やかな式を挙げた。
 花嫁のヴァレリーは、2001年に設立された「エイズと戦う若きHIV感染者の会
(APJC)」the Association of Young HIV-Positive People Against AIDS の会長を
務めている。ヴァレリーは1993年に、ティエリーは1991年に、それぞれ自分がHIVに
感染していることを知った。当初は絶望したものの、APJCの活動に参加することで、
性行動を変え、適切な治療を受ければ長く生きられるのだということに気付いたのだ
という。
人口約300万のコンゴ共和国には約10万人の感染者がいると推定され、その多くが女
性と15歳から29歳の若者である。コンゴ政府は抗レトロウイルス治療薬イニシアチブ
Congolese Access to Antiretrovirals Initiative (ICAARV) を2003年に開始した。
2005年4月現在、ブラザヴィルとポワント・ノワール Pointe-Noire の2都市におい
て、2500名の人々が治療プログラムに登録しており、APJCの約100名の会員の多くが
これに加わっている。母子感染予防プログラムも2年前に開始され、現在493名の妊
婦が参加している。妊娠中に適切な治療を行い、出産の際に感染防止の処置をとれ
ば、7割の確率で新生児の感染を防ぐことができると、同プログラムのコーディネー
ターは語る。ヴァレリーとティエリーのカップルは、このプログラムを利用して健康
な子どもを産み、偏見と差別の中で沈黙を強いられてきた多くの感染者たちを勇気づ
けたいと考えている。

原題:CONGO: HIV-positive couple marry, making history
日付:July 5, 2005
出典:IRIN Plus News
URL: http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=47978&SelectRegion=Great_Lakes

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★ ロシア:「セックスワーカーとストリートチルドレンに高い感染率」
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 国際保健学雑誌「ランセット Lancet」は7月2日号で、モスクワの性産業従事者
とストリート・チルドレンのHIV感染率が、一般のロシア人と比較して、30-120倍に
なるという研究を発表した。
 保健衛生の専門家たちは、かねてから、モスクワが感染の中心地となってロシア全
体のHIV感染拡大をリードしている、と警告を発していたが、この研究によって、そ
れが実証されることとなった。この調査は、2001年と2002年に米国疾病管理センター
(CDC)疫学専門家アナ・シャカリシュビリ Anna Shakarishvili をチーフとした米
国とロシアの研究者によって実施され、少年院の15-17歳の少年少女、ホームレス・
シェルターに滞在する成人、刑務所に服役する男女1,066名を対象に、HIV、3種の性
感染症検査、薬物使用について行われた。調査によると、HIV感染率は全ての調査対
象者の間で1.8-2.9%にのぼり、刑務所の女性のそれは約4%になるという。さらに、
調査対象の女性での性感染症の高い感染率が確かめられた。
 研究者たちは、全国的な流行拡大を防ぐため、HIV感染に脆弱性を持つ女性と若者
に焦点を絞り、HIV/AIDSと性感染症の意識向上ならびに治療するプログラムを、首都
モスクワで導入すべきだと指摘する。
 現在ロシアでは30万7000件のHIV感染が確認されているが、専門家は、ロシアには
100万人以上のHIV感染者がいると推定しており、100万人のロシア人が、2008年まで
にエイズに関係した病気で死ぬ可能性があると警告している。

原題:High HIV Prevalence Among Commercial Sex Workers, Street Children in
Moscow Could Fuel National Epidemic, Study Says
日付:Jul 05, 2005
出典:Kaiser daily News
URL:http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=05-Jul-05#31162


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● 国際機関
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★ 国連:アナン事務総長 「空の旅でHIV対策」
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 国連事務総長コフィ・アナン Kofi Annan は、アフリカのHIV/AIDS流行拡大防止運
動資金に充てるために国際航空券に課税する提案を支持した。航空券に1-2ドルの税
を課す案は、フランスのジャック・シラク大統領 Jacques Chirac が、1月にスイス
のダボスで開催された世界経済フォーラムで初めて提案した。
 同案は、他にもドイツのゲアハルト・シュレーダー首相 Gerhard Schroeder 、英
国のゴードン・ブラウン財務大臣 Gordon Brown の賛同を得ている。しかし、航空券
への課税は、高価な燃料費で苦しんでいる航空業界に更なる負担になるとして、G8メ
ンバー内で反対する国も出てくると予想される。また、5月の会合において、EUでも
特に観光を主要産業としている国の金融大臣は課税に反対し、国際航空運送協会
(the International Air Transport Association IATA)の反応も否定的であること
から、課税実施には道のりが長い。

原題:Annan Supports International Airline Ticket Tax To Finance HIV/AIDS
Fight in Africa
日付:Jul 08, 2005
出典:Kaiser daily News
URL:http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=08-Jul-05#31259

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★ WHO・UNAIDS:途上国、未だ治療薬供給不足
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 途上国の抗レトロウイルス治療(ART)を受けている人々は増加の一途をたどって
いるが、増大する需要には追いつかず、2005年末までに300万人を治療するという
WHOとUNAIDS主導の3by5政策に向けての目標達成には程遠い。
 7月1日に発表されたWHO/UNAIDS合同報告書では、HIV感染が深刻なアフリカやア
ジアを中心にARTが急速な拡大していると指摘する。WHO/UNAIDSは、この結果に肯定
的な評価をしている一方、同時にART治療の拡大が多くの地域で遅れていると言及し
ている。
 WHO/UNAIDSはART治療の拡大成功国の例を参考にし、途上国のART治療拡大のペース
を上げる提言もしている。特に保健・社会システム強化につながる財政的・技術的援
助の供給を主要課題と位置づけている。
 ART治療や予防活動の効果を示す指標は、WHO/UNAIDSだけでなく、世界エイズ・結
核・マラリア対策基金(GFATM)や米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)や製薬
会社の協力の下、WHOが最新情報を、各国の保健省やWHO/UNAIDSの地域オフィスなど
から入手して推計している。

(編集部注)WHOが進めている「3×5目標」(2005年末までに300万人に抗レトロウ
イルス治療を含むエイズ治療を実現する)については、以下のWHOのホームページに
詳細なデータが掲載されています。
http://www.who.int/3by5/en/
また、特にHIV/AIDSの被害が深刻な50カ国における3×5目標の進展状況について
も、以下のウェブサイトに国別情報が掲載されています。ご参考までに。
http://www.who.int/3by5/countryprofiles/en/index.html

原題:Access to HIV treatment continues to accelerate in developing
countries, but bottlenecks persist, says WHO/UNAIDS report
日付:02 July, 2005
出典:Medical News Today
URL: http://www.medicalnewstoday.com/medicalnews.php?newsid=26797

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● 地域情報
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★ クリントン前米大統領:小児エイズ対策に乗り出す
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 クリントン前米大統領は、「彼の持つ財団によって、6万人以上の途上国に住む
HIV感染をしている子供たちが、来年治療を受けることができるような措置をする」
と、7月17日モザンビークの首都マプトの病院で語った。今年4月に入って、財団は、
200万ドルを1万人の子供たちに小児用抗レトロウイルス薬のために、また300万ドル
を、10ヶ国の地方診療所で、地方の医師らが小児治療トレーニングを行えるような支
援をすると発表している。
 クリントン氏は、「小児用ARV治療を受ける子供たちを、来年はさらに5万人増や
す。来年末には、60ヶ国で財団を通じて薬を購入し、もっと生産を増やすよう交渉し
ていく」と語った。
 また、今回の支援は、クリントン財団だけによるものではない。2003年7月にアイ
ルランド政府とともにクリントン財団は協力行動が始めているが、今回アイルランド
政府も、2006年、モザンビークのHIV/AIDS対策の一環として1,500万ドルの支援を行
う。
 氏はレソトの首都マセルを訪問中、クイーン・エリザベス2世病院 the Queen
Elizabeth II Hospital にて650名の子供たちにART薬を供給(現在は100名がARTを受
けているが)するために、27,000ドルの支援を行った。そして、氏は「全ての子供は
生き、育ち、健康的な生活をし、夢を持ち、教育を受ける権利がある。子供たちが死
んでいくのを見たくはない」と語る。同政府がHIV/AIDSへの取り組みにおいて、短期
間で成果を収めたと賞賛する一方、「長い道の途中」a long way to go とレソトの
現状を言葉にした。「30%の成人がHIV感染をしてしまえば、国は存続できない。だか
ら、国はあなた方を必要としている。」クリントン氏は今回1週間に亘って、南アフ
リカ、タンザニア、ケニア、ルワンダを訪問した。

原題:Clinton Says Foundation Plans To Expand Programs To Treat 60,000
HIV-Positive Children Next Year
日付:July 18, 2005
出典:Kaisernetwork Daily HIV/AIDS Report
URL:
http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=18-Jul-05#31426

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★ 世銀:マダガスカルに2.39億ドル拠出
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 世銀はマダガスカルの開発援助資金として2.39億ドルの拠出を承認した。2002年の
政変以降、同国は順調な経済成長を遂げ、2003年には9.4%、2004年は6.3%、今年も6
%以上を維持できるとの見方が強い。今回世銀から拠出される2.39億ドルの長期低利
貸付によって以下の3つプロジェクトが実施される。

1.経済協力: 最大規模で予算約1.3億ドルの「統合成長拠点プログラム the
Integrated Growth Poles programme 」は、経済成長の拠点となる3つの輸出加工区
の経済・社会インフラ整備とリハビリを目的としている。プロジェクトは、(1)中
小企業育成支援、(2)首都ITビジネスパーク建設と農・工業地域への技術協力、
(3)リゾート地ノシベの国際ホテル開発、の3つからなり、世銀は、当事業による
ハード・ソフト両面からの支援は、同国政府の地方分権化に貢献するとものと期待し
ている。

2.貧困削減: 同国の貧困削減戦略ペーパー (PRSP) Poverty Reduction
Strategy Paper 実施のため、8千万ドルが拠出される。同国PRSPでは、貧困削減に向
けて教育や保健セクターに重点を置いている。教育セクターでは、学費の免除や教材
の無料配布、保健セクターでは、安全な飲み水の提供や健康状態の改善に取り組む。
この他、公務員や政治家の汚職を撤廃すべく、公共支出管理の改善などの制度改革を
推し進める。

(3)STI/HIV/AIDS予防活動: 予算は3千万ドル。保健セクター支援、地元市民団体
によるケアプロジェクトの経済的支援、その他プロジェクト管理、モニタリング・評
価、援助ドナーとの調整が予定されている。 

原題:MADAGASCAR: World Bank releases $239 million for developmentprojects
日付:13 July, 2005
出典:IRIN Plus News
URL:
http://www.plusnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=5028&SelectRegion=Southern_Africa&SelectCountry=MADAGASCAR

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● NGO関連
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★HIV感染の犯罪化が進む欧州諸国:HIV陽性者ネットワークが警告
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 世界HIV陽性者ネットワーク欧州支部(GNP+ Europe) the Global Network of
People living with HIV/AIDS Europe および英国のNGOであるテレンス・ヒギンズ・
トラスト Terrence Higgins Trustは、ヨーロッパにおけるHIV感染の犯罪化に関する
報告書を発表した。HIVを他人に感染させると処罰の対象にするという動きが、欧州
で広まっているという。両団体は、公衆保健および人権を基礎とした問題解決を呼び
かけている。
 UNAIDSが資金提供をして作成された報告書「ヨーロッパにおけるHIV感染の犯罪化
Criminalisation of HIV transmission in Europe」では、ヨーロッパ人権条約 the
European Convention of Human Rights 批准国におけるHIV感染に関わる訴訟状況
や、HIVを他人に感染させた場合に適用される刑法や関連する特別法を分析してい
る。
 最近まで、HIV感染を拡大させたという理由で刑罰を科すことは、レイプなどの犯
罪を処罰するための最終的な手段であった。しかし、現在では多くの関連法が様々な
場面で適用されているのが現状であり、いくつかの法律は、処罰に故意を要件として
いない。故意による行為だけでなく、過失による行為やさらには、無謀な行為も処罰
の対象にしている法律もある。詳細は明らかではないが、社会的に弱い立場にある移
民が処罰される事例が多いという。一方、母子感染が処罰の対象となった例はない。
 GNP+ Europe代表のジュリアン・V・ハウズ氏Julian V Hows は、「合意に基づく
性行為も刑罰の対象に含めてしまうと、安全な性行為をしようと努めているHIV感染
者に性行為自体を躊躇させることになる。前向きな支援こそが有効な感染拡大の防止
策になるはずだ。」と話す。テレンス・ヒギンズ・トラストのリサ・パワー氏 Lisa
Power は、政府に対してHIV感染やエイズ患者に対する既存の差別的で否定的な法体
系を見直して、人権および公衆保健に配慮した有効な法の適用を訴えている。
 なお、報告書全文は、www.gnpplus.net  もしくはwww.tht.org.uk で読むことが
できる。

原題:Press Release: New study urges caution over widespread
criminalisation of HIV transmission
日付:JUNE 29, 2005
出典:PLWA-NET
URL: http://archives.healthdev.net/pwha-net/msg01155.html

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■□編集後記
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火曜日、無事にディスカバリーが宇宙から帰還しましたね。
野口聡一さんはじめ、搭乗メンバーが宇宙で元気に活動なさっているのをメディアで
みるにつけ、宇宙旅行もそう先の話ではないのかもと思ったのは私だけはないはず。
技術の進歩は目を見張るものがありますね。米国東海岸と日本を1時間で運行するジ
ェット機の開発も、現実化しているそうですよ。

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