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『グローバル・エイズ・アップデイト』第12号

アフリカ日本協議会




グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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 第12号平成17年3月17日
  Vol.1-No.12 Date:March 17,2005

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報
が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝
えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行
いたします。

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■「第12号」目次
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●地域情報
アフリカ
1.アフリカ全土:ヘルス・ワーカー、人材流出の危機
2.西アフリカ:家族計画が軽視される傾向に
3.南部アフリカ宗教評議会:コンドーム使用に積極的発言
4.ガボン:新製薬工場設立、エイズ治療薬、抗マラリア薬製造開始へ

アジア:
フィリピン:スウェーデンとADB、新基金設立

●会議情報
ICASAユース会議の活動案

●国連関連
1.アジア・ハーム・リダクション・ネットワーク、UNODCに対し
  ハームリダクションの重要性を訴え声明
2.「アフリカ・マーシャル・プラン」の行方
― G7蔵相会議での債務帳消し合意と各国政府の思惑
3.WHO:「3by5」政策実現に向け、担当者が一喝

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●地域情報
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★アフリカ:ヘルス・ワーカー、人材流出の危機
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 国連機関の幹部が、経済的に富める国が貧しい国から医師や看護師を「計画的」 deliberatelyにヘッドハントしていると告発した。
 国際移住機関 IOM: The International Organization for Migration 事務局次長 deputy director general のンディオロ・ンディアイェ氏 Ndioro Ndiaye は、経済的に深刻な状況にあるアフリカのヘルス・セクターに大きな影響を与える一方で、世界の27の経済的に豊かな国々が、途上国で訓練を受けた人々を雇用することで、5,520億ドルを節約していると指摘した。先進国が「国内での人材不足」を理由に、アフリカから意図的にヘルス・ワーカーを徴募することに対して、アフリカ大陸では強い懸念が表明されている。実際、アフリカでは、様々な分野での専門家の養成が行われているが、そうやって自国で養成された専門家たちが、自国に貢献するのではなく、先進国に働きに出てしまうのである。
 英国は、欧州以外の地域から1999年に30,000人、2000年に8,000人以上の看護師、助産婦を雇用した。米国では、2000年現在、21,000人のナイジェリア人看護師が働いており、ベナンでは、自国よりもフランスで働くベナン人医師の方が多いという結果が出ている。資格を持つ保健専門家が、アフリカから毎年23,000人、自国の破綻した保健分野を置き去りにしている。国連開発計画によって、毎年発行されている報告書である「人間開発報告書」の2004年度版によると、有効な統計が取れたサハラ以南アフリカ44カ国のうち、24カ国で、10万人辺りの医師の数は10人未満と報告されている。一方、同じ統計で、英国は164人、米国が279人、イタリアは607人となっている。
 国際会議では、「移住管理」政策やその戦略などが話し合われている。あるデータによると、高度な職能を持つ人々が移住することで否定的な影響がある一方、経済的に豊かな国で働くことで、祖国に対してより多くの送金がなされているとも言われている。これは、開発援助から得られる利益よりも大きい金額である。
 しかし、エチオピアのメレス・ゼナウィ首相 Meles Zenawi は、専門的能力を持つエチオピア人の3分の1がエチオピアを去ったと述べ、これに対して懸念を表明している。「頭脳流出 brain drain は、世界中の関心事となっている。アフリカにおいては、こうした人材流出が進むと、国内に需要があっても、能力がある人がいなくなってしまうという現象が起きている。我々には限られた資源しかないのに、教育と訓練にいっそうのコストをかけなければならないのだ。」とゼナウィ首相は述べている。

原題:Rich countries 'steal' Africa's doctors and nurses
日付:27 January 2005
出典:Mail and Guardian Online
URL:http://www.mg.co.za/articlePage.aspx?articleid=196278&area=/breaking_news/breaking_news__africa/


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★西アフリカ:家族計画が軽視される傾向に
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 ガーナの首都アクラで、西アフリカ諸国15ヶ国の保健省庁などからスタッフが集まり、家族計画とHIV/AIDSの統合的な政策実現に関する会議が開かれた。会議中、国際家族連盟 IPPF: International Planned Parenthood Federationのアフリカ地域担当で、今回の会議のファシリテーターを務めたウィルフレッド・オーチャン博士 Dr. Wilfred Ochan は、「家族計画とHIV/AIDS政策は両方とも、生殖年齢にある人々に多大なインパクトを与えるので、家族計画とHIV/AIDSについて別々に対策を立てるのではなく、双方を統合したプログラムが必要とされている。」と述べた。
 近年の傾向として、HIV/AIDS対策プログラムには多額の援助がなされている一方、家族計画は全くと言っていいほど見過ごされている。1994年〜2000年の統計では、サハラ以南のアフリカで、3,900万件の望まれない妊娠 unwanted pregnancy のうち、西アフリカは1,200万件を占めている。西アフリカ保健機関 West African Health Organization によれば、西アフリカでは、妊産婦および乳児死亡率は、世界で最も悪い数値である。ガーナのカレッジ・カルシガ保健相 Major Courage Quarshigah は会議の席上、家族計画を、HIV/AIDS、貧困削減、債務救済のように、世界的に重点化していかないと、このような状態は改善しない、と指摘した。

原題:Ghana: West Africa: HIVAnd Family Planning Should Be Better Integrated - Health Authorities
日付:February 16, 2005
出典:IRIN Plus News
URL:
http://www.irinnews.org/report.asp?ReportID=45592&SelectRegion=West_Africa&SelectCountry=GHANA


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★南アフリカ宗教評議会:コンドーム使用に積極的発言
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 南アフリカ宗教評議会 South African Council of Churches (SACC) の事務局長モレフェ・ツェレ博士 Dr. Molefe Tsele は、コンドームがHIV感染防止に「機能しない」と考えられていることに反論した。
 評議会に出席している26の宗派では、メソジスト派や英国国教会がコンドーム使用を容認していないのを始めとして、コンドーム使用に反対する声が多い。しかし、博士は「HIVはラテックスコンドームを貫通しないことが科学的に証明されており、適切に使用すれば、HIV感染阻止に効果的である。コンドーム使用は人間の生命の尊厳を強調する神学的な伝統とも合致する。」と述べた。また博士は、米国大統領エイズ救済緊急計画 PEPFAR がコンドーム使用の否定的な見方を煽っていると非難。PEPFARは、「結婚までは禁欲」を強調するプログラムに、少なくとも資金の3分の1を割くことを法的に認めている。PEPFARでは、コンドーム配布を排除しているわけではない。しかし、使用を推奨する対象をセックスワーカーや、片方のパートナーがHIV感染者であるカップルといったHIV感染に脆弱なグループに限定している。結果として、多くの組織・団体は、PEPFARから資金を得るために、各プログラムからコンドーム配布プログラムを削除、あるいは削減をしているという。
 さらに、博士は米国のエイズ対策の責任者たちが、ウガンダでHIV感染率が減少した成功の要因が「禁欲」と「貞操 」にあると強調する一方で、コンドームについては言及していないことを批判。コンドーム配布は、ウガンダ政府が実施した多面的プログラムの主要な対策であった。ウガンダの成功は、コンドームの配布に加えて、セックスの初体験を遅らせ、性的パートナー数を減らすなど、各種の対策が相乗効果を上げたことによって、HIV/AIDS流行拡大阻止に重要な役割を果たしたと言われている。

原題:Condoms an Essential Component of Anti-AIDS Strategy, SACC Warns
日付:4 February 2005
出典:South African Council of Churches
URL:http://www.sacc.org.za/news05/condoms.html

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★ガボン:新製薬工場設立、エイズ治療薬、抗マラリア薬製造開始へ
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【リーブルビル 2月15日】ガボン政府は首都リーブルビル Libreville にて、中央アフリカ6カ国3,000万人に向けてHIV/AIDS、結核、マラリアの治療薬を製造する、新しい製薬工場の操業を開始した。ミサンボ保健相 Paulett Misambo は工場の操業式で、これにより外国製治療薬の輸入への依存がなくなり、エイズの拡大にも歯止めがかかるだろうと述べた。
 製薬工場ではブラジルの技術を元に、6種類のジェネリック抗レトロウイルス薬(ARV)の他、マラリア、結核、中央アフリカに流行拡大する病気の治療薬を製造する。マラリア治療薬には中国とベトナムに生息する植物の根から抽出物したアーテメセニン artemesenin を使用している。耐性マラリア原虫の出現により多くの治療薬が効かなくなっている現状において、新しい技術を取り入れた治療薬が導入されることには期待が持てる。
 工場はベルギーの企業プロファレックス Propharex が65万4,000米ドルで建設し、ガボンの国営製薬会社OGAFRAMが経営する。治療薬は中央アフリカ経済通貨共同体 the Economic and Monetary Community of Central Africa (CEMAC)の6カ国(ガボン、カメルーン、コンゴ共和国、赤道ギニア、中央アフリカ共和国、チャド)に供給される予定だ。

原文表題:GABON: New factory produces AIDS and anti-malarial drugs for the region
日付:15 February
出典:IRIN Plus News
URL:http://www.irinnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=4485&SelectRegion=West_Africa&SelectCountry=GABON


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★フィリピン:スウェーデンとADB、新基金設立
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 スウェーデン政府とアジア開発銀行 the Asian Development Bank (ADB) はHIV/AIDS対策の信託基金を設立する。この基金は、アジアでのHIV/AIDSに対する意識向上を目的としている。スウェーデン政府が1,400万ドルをADBが運営するこの基金への拠出を発表した。在フィリピン大使のアニカ・マルコビック Annika Markovic によれば、基金はフィリピン、その他の国で様々なセクターが連携をし、HIV/AIDS対策を行えるよう投入される。
 フィリピンでは、最初のHIV感染者が1984年に確認されてから公式に2,200件のHIV感染を発表しているが、WHOフィリピンでは実際の感染者数を6,000人から10,000人と推定している。他のアジア諸国に比べ、未だ感染者の数は少ないと見積もってはいるが、しっかりとした実態をつかめていないのが現状である。
 なお、感染者のうち、69%が、20-39歳までと若く、そのうち男性が63%を占めている。フィリピンでは、92%が性交渉による感染であり、33%が海外で感染して帰国している。 現在、フィリピンでは母子感染の段階が始まっており、HIV/AIDS問題が深刻化する兆候が出てきている。
 このような状況を鑑みての、今回の基金の創立である。これによってフィリピンが、感染拡大をくい止め、低感染率を維持することが期待されている。

原題:Sweden and ADB to establish HIV/AIDS Trust Fund
日付:Feb 9,2005
出典:Yahoo!News
URL:http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/afp/20050209/hl_afp/philippinesaidshealthadbsweden_050209083527&e=4

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●会議情報
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★ICASA:ユース会議の活動案
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 2005年にナイジェリア、アブジャで開催される第14回「アフリカのエイズと性感染症に関する国際会議」 International Conference on AIDS and STIs (sexually transmitted infections) in Africa のユース会議の詳細案が固まりつつある。
 まず、事務局は、ユース会議の立ち上げ、広報を担当し、奨学金プログラムも運営する。会議開催までの活動として、会議をより有効にするためのアドボカシー能力養成講座やピア教育のワークショップを開催する。会議中に設けられるユースフォーラムでは、参加者らが互いにネットワークを築き、活動を継続できるような場にすることを目指す。
 会議の模様は、参加できなかったアフリカ地域のユースのためにテレビやインターネットで放送することが予定されている。また、会議参加者のためのバッグなどは、ユースや感染者グループによって製作されることが予定されている。

原題:PROPOSED YOUTH ACTIVITIES FOR THE INTERNATIONAL CONFERENCE ON AI
DS AND STIs IN AFRICA (ICASA 2005), ABUJA, NIGERIA
日付:01 Feb 2005
出典:AF-AIDS listserv
URL: http://archives.healthdev.net/af-aids/msg01598.html


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●国連関係
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★アジア・ハーム・リダクション・ネットワーク、
UNODCに対しハームリダクションの重要性を訴え声明
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 米国国務省は以前から、国連薬物犯罪オフィス UNODC: United Nations Office of Drugs and Crime に対して、ハームリダクションに基づくHIV対策への支援から手を引くように圧力をかけ続けてきたが、ついに、UNODC事務局長 executive director アントーニオ・マリア・コスタ Antonio Maria Costa は、UNODCがハーム・リダクションの考え方に基づくHIV対策の支援を継続できない、と述べるに至った。
 これに対し、アジアでハームリダクションに基づく薬物とHIV/AIDS対策を実施してきたアジア・ハームリダクション・ネットワーク AHRN: Asia Harm Reduction Network は2月9日、UNODCがハームリダクションの重要性を理解し、支援を継続するように呼びかける声明を発表した。
 AHRNによると、ハームリダクションはあくまでも手段であり、最終目的ではない。薬物使用者は健康に何らかの影響を被るようなリスク(特にHIV感染など)を負いやすく、また、差別の対象になりやすいため、通常の基礎保健医療サービスにアクセスできないことがある。そこで、積極的に保健医療ワーカーが注射針交換プログラムや薬物療法などを通じて薬物使用者に接触して、包括的なハームリダクションを行うことが不可欠になってくるのである。
 ハームリダクションから手を引くはずのUNODC自身が、2004年に出版した「東南アジアにおける薬物とHIV/AIDS(Drug and HIV/AIDS in South East Asia)」の中で、WHOと共にハームリダクションの重要性を述べている。報告書によると、東南アジアではハームリダクションは、まだ実験段階ではあるが、小規模な範囲で効果が出始めていると述べている。
 現在、アジアのHIV感染者・エイズ患者(PLWHA)数は740-1,050万人であり、2010年までにはアジアだけでPLWHAは4,000万人に増加すると予測されている。アジアのHIV感染の主因は薬物使用者の注射器・針の使い回しであるため、ハームリダクションを用いた対策は非常に重要である。
 ハームリダクションの効果はWHO、UNAIDS、UNODCが示した2004年合同方針「HIV/AIDSと薬物注射行為についての報告書 Evidence for Action on HIV/AIDS and injecting drug use」にも書かれている。たとえば、滅菌した注射器や針の薬物使用者への提供は、重要なHIV/AIDS対策の一つであり、かつ違法薬物への対策にもなる。
 AHRNはUNODCの方針転換に対し、UNODCはドナーの短絡的・政治的な方針や圧力に応じるのでなく、効果的な支援のために重要な役割を果たすべきだと提言した上で、次のように警告する。「UNODCの支援なしでは、世界は、薬物使用とHIV/AIDSによって生じる様々な問題に直面することになるだろう」

原題:UNODC buckles under US pressure: reversal promotes spread of HIV/AIDS
日付:9 February 2005
出典:AHRN website
URL:http://www.ahrn.net/index.php?option=content&task=view&id=2196


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★「アフリカ・マーシャル・プラン」の行方
 ― G7蔵相会議での債務帳消し合意と各国政府の思惑
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 2005年2月5日の先進7カ国蔵相会議で、参加各国は「アフリカ・マーシャル・プラン」とも言うべき途上国向け債務帳消し案について、参加各国は原則合意した。だが実施方法の細部については各国の意見が割れている。
 合意した案は、アフリカを中心とする27カ国の開発途上国がG7各国に対して負う債務を帳消しにし、さらに世界銀行やIMFなどの国際金融機関に対する債務も免除しようというものである。
 議論をリードしたホスト国英国のゴードン・ブラウン蔵相 Treasury Chancellor Gordon Brown は、世銀やアフリカ開発銀行に対し、アフリカ重債務国が負っている債務を先進国が肩代わりし、そのコストをカバーするためにIMFが抱える金リザーブの一部を売却することを提案した。さらにG7諸国が途上国への援助額を全体で年額1,000億ドルまで倍増させると共に、その資金を管理する国際的な資金拠出団体をつくる案も出した。
 一方、独自のスキームによる援助を好む米国は国際資金団体の設立には反対で、IMFの金リザーブ売却は時期尚早とし、むしろ世銀が将来的に貸付を無償援助へ切り替えていく方法を推している。カナダも金リザーブ売却には反対しており、ドイツや日本など数カ国は債務の「100%」帳消しに抵抗している。なお日本は、アフリカ開発銀行に新たな資金枠を創設し、そこから低金利で貸付する案を出している。また、すべての重債務国を対象とすることについてはドイツが懸念を表明している。
 途上国の債務帳消しを訴えている「ジュビリーUSAネットワーク」Jubilee USA Network のニール・ワトキンス氏 Neil Watkins は、多国的枠組みによる100%債務帳消しがG7会議で初めて表明されたことを評価しつつ、すべての重債務国が債務免除の対象となること、そして貧困国の経済に悪影響を与えない方法でそれが実施されることを求めている。

原題:G-7 Backs Debt Plan For Poor Countries U.S. Disapproves of Europ
ean Approach
日付:February 6, 2005
出典:Washington Post
URL:http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A1504-2005Feb5.html


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★WHO:「3by5」政策実現に向け、担当者が一喝
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 WHOは、2005年までに300万がARV治療を目指す「3by5」政策を推進しているが、そのWHOのHIV/AIDSプログラム・ディレクターであるジム・ヨン・キム氏 Jim Yong Kim は2月22日、ボストンで開催された「第12回レトロウイルスと日和見感染に関する国際会議」において、この「3by5」の達成は極めて困難である、との見通しを示した。
 ボツワナやウガンダは、既に目標値を達成、あるいは達成間近であるが、南ア、インド、ナイジェリアは早急な対応が必要である。南アは、ARV治療を受けられる人々の数が、数ヶ月で2万から5万人と急速に伸びているが、治療の必要な人口の10%をカバーしているに過ぎない。ジム・ヨン・キム氏は、スワジランド、レソト、ザンビアが目標達成に向けて一定の前進をしたことを引き合いに出し、「この3カ国が目標を達成している一方で、2005年末の時点で、南アが10%しか目標を達成できないとしたら、甚だ情けない quite embarrassing 」と述べた。
 途上国では、近年の治療薬の低価格化や供給システムの充実により、年間ブランド薬の多剤併用療法供給のコストは一人あたり年間460ドルにまで下がった。しかし、年間収入が数百ドルの国々では、多くの人々は、この460ドルさえ拠出できない。また、政府や民間の機関などはARVを必要な人々に届けることを目標としているが、実際にARVが、それを必要とする人々に届いているのかどうか疑問のあるケースも多い。
 世銀や世界エイズ・結核・マラリア対策基金、米国大統領エイズ救済緊急計画は、ここ昨年後半6ヶ月では、目標達成に目覚しい努力をしている。おかげで、ARV治療を受けている人々は、44万人から70万人へと増加した。しかし、それでも、途上国でARVを緊急に必要としているHIV感染者・AIDS患者580万人のうち12.8%しか、ARVの治療にアクセスできていない。キム氏は、中には政治的レベルのコミットメントの欠如によって、目標達成に失敗しつつある国もあると言う。そこには、2つのタイプの政治的意思が存在する。「HIVは社会的な問題です。」とただ声をあげているだけの国と、政治指導者が本気になって治療の拡大に取り組んでいる国である。「できるとかできないとかあれこれ思惑をめぐらせるのではなく、『違いを作り出す』(make a difference)ために、可能なことを全てやるべきだ」とキム氏は述べた。

原題:Meeting 3 By 5 Initiative's End-of-Year Goal Will Be 'Extremely
Difficult,' WHO HIV/AIDS Director Says
日付:Feb 23, 2005
出典:Kaisernetwork website
URL:http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_index.cfm?DR_ID=28291

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■□編集後記
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 今週も「グローバル・エイズ・アップデート」を、最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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 さて、次回は、インドの特許法改正問題について、いくつかの記事をフォーカスしたいと思っております。研究者の研究対価としての特許問題と、途上国の人々の延命が関わっています。ご期待下さい。

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UP:20050324
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