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『グローバル・エイズ・アップデイト』第11号

アフリカ日本協議会




グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
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 第11号 2005年3月3日
  Vol.1-No.11 Date: March 3rd 2005

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
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はじめに:発行趣旨
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○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報
が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝
えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行
いたします。

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■「第11号」目次
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●地域情報
アフリカ
ケニア:エイズ治療薬の関税撤廃要請
アフリカ連合:HIV/AIDS問題で合意

アジア・太平洋地域
1.ベトナム:英語教室のすすめ
2.ニュージーランド:再び性感染症が拡大へ

●NGO情報
国境なき医師団:軌道に乗らない途上国のエイズ治療、見解表明

●国連関係
UNAIDS:津波救援活動にHIV対策を 見解表明
ユニセフ:子どものためのARV治療確立へ向けて

●その他
企業とHIV/AIDS

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●地域情報
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★ケニア:新課税システムが治療へのアクセスへ危険にさらす
 米大使がケニア副大統領にエイズ治療薬の関税撤廃要請
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 現在、東アフリカのPLWHA(HIV感染者・AIDS患者)の抗エイズ薬へのアクセ
スを脅かしている要因の一つが、新たな地域税である。WHOの掲げる「3by
5」目標達成も危うくなっている。
 東アフリカ関税同盟 The East Africa Customs Union はウガンダ、タンザ
ニア、ケニアの東アフリカ三国への輸入に際して、10%の関税を課すと決定し
た。その結果、治療薬の価格上昇が予想される。これが現実になると、PLWHA
の中には治療へのアクセスが困難となる人も出てくる。弁護士ピーター・ムニ
ュイ氏Peter Munyi は、製薬会社は10%の税金分を価格上昇させ消費者の負担
とするという。インスリンを含む薬は非課税だが、抗レトロウイルス薬や他の
薬へ免税措置はない。
 東アフリカ治療アクセス運動the East African Treatment Access Movement
(EATAM)の運営委員であるジェームス=カマウ James Kamau氏はこう指摘する。
「弱者である貧困層への影響が大きい。ほとんどのエイズ患者は価格上昇に耐
えられない。ケニアのエイズ患者は現在最も安価なジェネリックARVを使用し
ているが月20ドルかかる。これが25ドルになれば殆どの患者には手が届かない。
治療薬だけでなく、検査機器も輸入しており検査にも余分に払わなくてはいけ
ない。」
 ケニアでは22万人が治療を必要としており、政府の計画では、今年度末まで
に9.5万人に供給することになっている。「現在、2.4万人がARVを投与されて
いるが、半数は政府による援助に頼っている。政府の計画では、昨年中に4.5
万人を治療することになっていたが、目標に達しなかった。今年、関税が課さ
れれば目標到達は更に困難になる」とカマウ氏は述べた。グローバルファンド
等外国ドナーからの援助やNGOでも新関税により予定より少ない患者しか治療
できない。「課税については早急に対処すべきである。そうすれば目標達成は
可能だろう」とケニア国家エイズ管理委員会The National AIDS Control
Councilの所長パトリック・オレジPatrick Orege医師は述べた。

原文表題:KENYA: New tax jeopardises treatment access
日付:15 February
出典:IRIN Plus News
URL:http://www.irinnews.org/pnprint.asp?ReportID=4468

 在ケニア米大使のウイリアム・ベラミー William Bellamy は抗レトロウイ
ルス薬(ARV)の関税を撤廃するよう東アフリカ共同体 the East African Com
munity に要請した。ムーディ・アウォリ・ケニア副大統領 Moody Aworiとの
会談でベラミー大使は、ARVは高級品ではなく、多くの人々を延命するための
必需品だと述べ、早急に恒久的なARVの免税を要請した。

原文表題:KENYA: Import tax hurting AIDS drug access - US
日付:2005/2/5
出典:IRIN Plus News
URL: http://www.irinnews.org/pnprint.asp?ReportID=4448

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★アフリカ連合:HIV/AIDS問題で合意
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 本年1月の最終週に、アフリカ連合(AU)のサミットがナイジェリア・アブ
ジャで開催された。このサミットでは、HIV/AIDSに関するセッションが開かれ、
各国代表は、エイズ対策に関わる政府の資金をどう捻出するか、議論を呼んで
いる薬剤の治験にどう対処するか、治療薬と知的所有権の問題、また、増加す
るエイズ遺児の問題などについて協議を行った。
 オックスファム・南アフリカの地域メディア・アドボカシー・コーディネイ
ターであるシェニラ・モハメド氏 Shehnilla Mohamed は、「このサミットで
は何か動きがあるに違いないと期待している。アフリカ諸国は、HIV/AIDS問題
について、単に戦略について語るだけでなく、行動することを前提に議論しな
ければならない。エイズ問題は単なる保健医療の課題ではなく、開発の課題な
のだから」と述べた。
 サミットの開会式で、コフィ・アナン国連事務総長は、「アフリカ連合加盟
諸国は、貧困を克服し、疾病の拡大を防止するというミレニアム開発目標(MD
Gs)の達成からかけ離れた状況にある。アフリカ大陸から世界に向けた大きな
歩みに期待する」と述べた。

 AUの指導者らは、以下3つの事項を承認した;
@HIV/AIDS・マラリア・結核・ポリオの拡大阻止のため、国際的組織と協調し
ながら、質が高くコストの低いジェネリック薬の製造と普及ができるように、
製薬能力の向上を図る。
AHIV/AIDS予防・治療・ケアに、今まで以上にアクセスできるよう、効果的な
国家プログラムを履行するよう加盟諸国に促す。
BWHOの「3by5イニシアチブ」(2005年末までに300万人へのHIV/AIDS治療を
実現する)を支持する。

 AU委員会はさらに、アフリカでHIV/AIDSの拡大を阻止するために、「『津
波』スタイルの資源動員」の実施を求めた。インド洋大津波への対策資金が予
想以上に集まったことから、エイズ問題に関しても、このノウハウを活かして
いくことができないかと述べる参加者もいた。エイズは、MDGの課題の一つと
して挙げられており、アフリカ大陸でより規模の大きな活動が実現することが
期待されている。なぜなら、アフリカの人口は世界の10%にすぎないが、PLWHA
の60%が集中しているからである。2004年、アフリカで新たに310万人が感染
し、254万人がエイズ関連の病気で亡くなっているとされる。

原題:
・African Leaders Aim To Address HIV/AIDS, Development Goals at
African Union Summit
・African Union Leaders Approve Development of Plan To Encourage
Production of Generic AIDS, TB, Malaria Drugs on Continent
日付:January 31 and February 1, 2005
出典:kaiser Daily reports
URL:
・http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_index.cfm?DR_ID=27865
・http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_index.cfm?hint=1&DR_ID=27896
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★ベトナム: 英語教室のすすめ
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 国連ボランティア計画(UNV)が、ベトナムの首都ハノイでPLWHA(HIV感染
者・エイズ患者)への支援活動として、英語教室を開催する試みを始めた
(注)。このプロジェクトは、多くの人々が、英語力の向上を通じ、国際的な
調査研究や助成金申請ができるようになることを目指している。
 この英語教室には、これまで60名以上のPLWHA、看護師、医師らが参加して
きた。この英語教室では、4〜10名の生徒に、UNVが派遣したオーストラリア、
フィリピン、米国や本国ベトナムの教師が1、2名つく。授業は文法、ディス
カッションを中心に行われる。 生徒らは、HIV/AIDSの知識だけでなく、いか
に自分たちが行動していけるかについても興味を抱いている。
 PLWHAやその家族ら当事者が、HIV/AIDS問題に取りくむことは非常に重要で
ある。これはGIPA原則 (Greater Involvement of People Living with
HIV/AIDS:GIPA principle)として知られている。1994年に行われたパリ・
エイズサミットで、ベトナムを含む42の国々がGIPA原則に賛同した。これが礎
石となり、予防、ケア、支援の体制が変わってきた。しかし、ベトナムでは、
PLWHAやHIV/AIDSワーカーらが、早急なトレーニングやキャパシティ・ビル
ディング(能力向上)を必要とすると言われてきた。この英語教室がうまく
機能すれば、関係者の意識の向上や、HIV/AIDS分野でのより深い参画が期待
できる。

編集部注)英語教室の調整機関はUNVですが、実施機関は様々なINGOや国連機
関によって行われています。詳細な団体名、詳しい連絡先等は、原文をご参照
ください。

原文表題:Project: English Tutoring Scheme for People Living With
HIV/AIDS
日付:January 27 2005
出典: UN Volunteer website
URL:http://www.unv.org/infobase/news_releases/2005/05_01_27_VNM_aids.htm

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★ニュージーランド:再び性感染症が拡大へ
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 ニュージーランドでは、性感染症の感染拡大が再び始まっている。特に梅毒
の感染が著しく、既に1名が亡くなっている。オークランド性感染症クリニッ
ク Auckland Sexual Health Clinicでは、過去3年間における同性および異性
愛者の梅毒感染が急激に増加していると報告している。
 保健省もまた、梅毒とともに他の性感染症感染の増加を指摘している。2001
年には国内で18例が報告されたが、2004年は9ヶ月間だけで50例が報告された。
梅毒の増加に関するニュースによって、ニュージーランド・エイズ財団 Aids
Foundation は梅毒についての意識向上運動を開始した。
 梅毒はHIVよりも容易に感染し、感染によって免疫レベルは低下する。梅毒
は、他の多くの疾病と初期症状が似ているために、医師も、梅毒についての意
識を強く持っていなければ感染の発見は難しい。梅毒はペニシリンによって治
療可能な性感染症であるが、治療をせずに、症状が進行すると、脳が冒されて
しまうほか、心臓病、潰瘍の原因にもなる。また、非感染時に比べ4倍、HIVに
感染しやすくなると言われる。また、妊娠している女性にとっては、死産また
は母子感染の可能性もある。
 多くの異性愛者が海外で性感染症に感染している一方で、ニュージーランド
のゲイ・コミュニティ内部で病気が流行していることを、医師たちは懸念して
いる。「病気が国内へ『輸入』される」段階から、「国内で感染が拡大する段
階」へと進んでいる。
 HIVの治療については、研究開発が進んでいる。しかし、それによって、
人々は適切な予防措置を取らなくなっていく。安全でないセックスが多く行わ
れ、梅毒の増加にも繋がっている。医師たちは、ゲイまたバイセクシュアルの
男性、海外でセックスしたことのある人に対し、定期的に血液検査を受けるこ
とを奨励している。

原文表題:Dreaded sex disease makes comeback in NZ
日付:30 January 2005
出典:stuff website
URL:http://www.stuff.co.nz/stuff/0,2106,3171382a10,00.html


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●NGO情報
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★国境なき医師団が声明発表:軌道に乗らない途上国のエイズ治療
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 MSF(国境なき医師団)は、世界27ヶ国で25000人以上にARV治療を実施して
いる。そのMSFが1月28日、エイズ治療がまだ軌道に乗っていないと警鐘を鳴
らす声明を発表した。
 この声明によると、2004年7月以降、途上国で26万人が新たにARV治療を受け
られるようになったものの、途上国で抗レトロウイルス薬(ARV)治療を必要
とする600万人のうち、実際に治療を受けられる人はわずか12%(70万人)にす
ぎない。
 先日、WHOは、ダボスで行われた世界経済フォーラムで「3by5イニシアチ
ブ」の経過報告し、その成果に肯定的だ。しかし、MSFはこの見解には満足を
していない。現在も毎日8,000人以上がエイズで亡くなり、毎年、500万人が新
たにHIVに感染しているという事実に懸念を表明し、以下のような問題点を指
摘した。(編集部注1:一部省略しましたので詳細は原文をご参照ください)

○HIVに感染している220万人の子どもたちに対し、小児用治療薬、診断やモニ
タリングのための機材が不足している。WHOとユニセフは、この点についても
っと言及するべきだ。
○治療が必要となったPLWHAに対して最初に処方する3剤については、ブラン
ド薬(特許権を持つ企業が製造・販売する薬)とジェネリック薬との価格競争
によって価格が大きく下落し、途上国でもアクセスが容易になった。しかし、
これらに耐性が生じた際にセカンド・レジメン(第2処方箋)として使用する
薬については、価格競争がないために、最初に試用する薬よりも2〜12倍高額
である。WHOは、これが深刻な公衆衛生の問題だと認識しているにもかかわら
ず、米国政府や製薬会社に何の勧告もしていない。
○世界貿易機関(WTO)の通商規則がブランド薬とジェネリック薬の薬価競争
を妨げているために、治療薬が高額になっている。ARVのジェネリック薬を最
も多く生産しているインドが、WTOの「知的所有権の貿易関連の側面に関する
協定」(TRIPS協定:Trade-related Aspects of Intellectual Property
Rights)の規定により、新薬(編集部注2)の生産ができなくなる。その結果、
治療薬入手が困難になる恐れがある。
○新薬、ワクチン、マイクロビサイド(編集部注3)などの研究開発に対する
投資が不足している。

 MSFは、以上のような諸問題と、緊急課題に対応しない限り、発展途上国の
HIV感染者・エイズ患者の命を救うことも、長期治療も受けさせることも難しい、
と警告している。

原題:Global AIDS Treatment Efforts Not On Track
日付:28.Jan.2005
出典:MSF Press Release
URL:
http://www.msf.org/content/page.cfm?articleid=62168E79-1C22-4E97-8734B6F41C624CEA

※編集部注2:インドの特許法では、医薬品を公共の財産とする観点から、医
薬品への物質特許を禁止している。これについてTRIPS協定は、2005年初まで
を猶予期間とし、それまでに特許法を改訂してTRIPS協定に準拠した知的財産
権保護を実施しなければならないことを定めている。インドでこの法改訂が行
われれば、インドは原則として、TRIPS協定が発効した1995年以降に開発され
た新薬のジェネリック薬を製造することができなくなる。

※編集部注3:マイクロビサイドは一般的には殺菌剤のことで、HIV/AIDSの文
脈では、セックスなどの際に用いることによってHIVを殺し、HIV感染が生じな
いようにする。詳細は例えば
 http://www003.upp.so-net.ne.jp/shout/aidsmbvaccine.html

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●国連関係/津波とエイズ
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★UNAIDSが声明を発表:「津波救援活動にHIV対策を」
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 UNAIDSバンコク事務所の地域支援チームディレクター(Director of
Regional Support Team)のプラサダ・ラオ氏 Prasada Rao は1月28日、イ
ンド洋沿岸の津波被害地域への救援活動について、HIV予防・ケアを長期的復
興計画の一部と位置づけることが重要である、との見解を示した。さらに、
「地震とその後の津波における被害は、災害地域において、HIVの感染拡大を
招く恐れがある。被災地では、医療システムが破壊され、コンドームの入手が
難しくなり、既存のHIVプログラムが停止するなど、エイズの感染を防ぐため
に必要不可欠なサービスの供給が困難になっている。」と現状についての懸念
を表明した。
 UNAIDS エイズ・セキュリティ・人道援助オフィスディレクター Director
of the UNAIDS Office on AIDS, Security and Humanitarian Response であ
るウルフ・クリストファーセン博士 Dr. Ulf Kristoffersson は、避難民、特
に女性や子どもは、災害によって、引き起こされた緊急事態において、HIV感
染の影響を受けやすいと指摘した。津波による被害で仕事を失い、性的暴力、
虐待などの危機に直面していることがその背景にある。
 博士は、各国の軍隊や警察が、救援活動のため被災地に派遣されていること
から、これらの人々に対して、非常事態におけるHIV感染について、トレーニ
ングを行うことの必要性も強調した。 
 現在、大部分の救援活動は医療サービス、水、食料や仮設キャンプの供給な
どの人命救助活動に集中している。前出のラオ氏は、HIVプログラムを救援活
動の一部に組み込むためには、他の分野との連携が必要である、と話している。
UNAIDSでは、NGOと協力し、緊急事態におけるHIV予防・ケアプログラムについ
てのガイドラインを作成、HIV対策が各国政府や地域団体が実施する支援プロ
グラムに組み込まれるよう、普及に努めている。

原題:HIV INTERVENTIONS MUST BE PART OF TSUNAMI RELIEF EFFORTS, SAYS
UNAIDS
日付:January 28, 2005
出典:AEGiS website
URL:http://www.aegis.com/news/unaids/2005/UN050106.html

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★ユニセフ:子どものためのARV治療確立へ向けて
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 国連のアフリカHIV/AIDS特別代表であるスティーブン・ルイス氏 Stephen
Lewis は、WHOとユニセフが協力して、子ども向けのエイズ治療薬を開発し、
18ヶ月以内に薬を市場に出すと発表した。
 この発表は、2月7日、バルセロナで開かれたアフリカのエイズ遺児に関する
会議の席上でなされたものである。しかし、たとえ18ヵ月後に小児用治療薬が
市場に出まわっても、現在既に感染している220万人の子どもたちの命を救う
には間に合わないかもしれないと氏は語っている。
 ルイス氏によると、子どものHIV感染を防ぐもっとも効果的な方法は母子感
染を断ち切ることだが、アフリカでは、母子感染予防にアクセスできるのは
HIV陽性の妊婦のうちわずか10%にとどまっている。もし妊婦の80%がネビラ
ピンなどの予防薬を入手できれば、子どもの感染を半数(30万件)まで減らす
ことができる。
 一方、西側先進諸国では、3剤混合の抗レトロウイルス治療が普及している
ため、HIV陽性の子どもの数はほとんどゼロにまで減少している。ルイス氏は
これを二重基準だと指摘し、アフリカの子どもたちの命の価値を低めるものだ
と批判した。

原文表題:UN Envoy On Ending HIV/Aids in Africa Says Child
Treatments Possible in 18 Months
日付:2005年2月7日
出典:Pampazuka website
URL:http://allafrica.com/stories/200502070964.html

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●その他
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★企業とHIV/AIDS
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 世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)とハーバード大学公衆
衛生校(Harvard School of Public Health)が1月20日、世界における企業
のHIV/AIDS対策についての調査結果を発表した。
 これによると、世界中の企業がエイズ問題に取り組んでいるが、教育と健康
管理に関しては目を向けられずにいる。70%以上の企業はHIV/AIDSに関するい
かなる方針も持たず、文書化された方針を持つ企業は、わずか7%にすぎない。
HIV/AIDSに起因する社会的、また職業上の迫害に、事前に責任を持とうとする
企業はあまりに少ないという。
 104ヶ国の約9,000の企業のトップに対する調査では、HIV/AIDSに対する危険
予測を行っているのは14%にすぎず、3分の2の企業では、従業員の間にどれ
だけHIVの感染が拡大しているのかさえ、把握していないことが判明した。こ
の調査によると、経営幹部の6人に1人は、近い将来、エイズが自らのビジネス
に深刻な損害を与えると予測しているが、全体としての関心はここ1年で23%
まで低下した。また、ビジネス上のHIV/AIDS対策を講じているのは、人口の20
%以上に感染の拡大している国々に限られている。2010年までに新たにHIV/AI
DSの感染拡大が予想される中国、インド、ロシア、ナイジェリア、エチオピア
などの国でも、未だに十分な対策が講じられていないという。
 この調査に対して、「HIV/AIDSに関する地球規模ビジネス連合」(Global
Business Coalition on HIV/AIDS)の執行責任者トレヴァー・ニールソン氏
Trevor Neilson は、「ビジネス界が十分に活動しているとは言えない。しか
し、昨年より意識が低下したという調査結果は疑わしい」と述べた。ニールソ
ン氏によれば、過去12カ月の間に70社が同連合に参加し、企業からのエイズ対
策への資金拠出も増加しているという。

原文表題:Companies Trailing in Global AIDS Fight - Survey
日付:20 January 2005
出典:AEGiS website
URL:http://www.aegis.com/news/re/2005/RE050142.html

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■□編集後記
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3月に入りましたが、都内では非常に朝晩の冷え込みが激しいです。風邪や花
粉症も流行っており、多くの人がマスクを付けているのを目にします。卒業や
入学の季節です。体調をばっちり整えて、新しい季節にのぞみたいものですね。

編集チームは、3名とも新年度に入っても、変わらず3人体制です。さらに、
多くの人々に愛されるメールマガジンとなりますように、精進していきたいと
思っておりますので、どうぞよろしくご愛顧お願いいたします。(編集員:
T)

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