HOME > ajf >

『グローバル・エイズ・アップデイト』創刊第3号

アフリカ日本協議会



Date: Thu, 4 Nov 2004 17:33:08 +0900
From: melma00123266Global AIDS UPDATE
Subject: 3号(Global AIDS Update)

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
 第3号2004年11月4日
 Vol.1-No.3 Date: 4, November 2004

■GLOBAL■<□<■AIDS■>□>■UPDATE■

◆発 行:アフリカ日本協議会
◆連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
◆バックナンバー:以下のブログを参照!
・http://blog.melma.com/00123266/
◆Melma!を通しての購読申し込みは
・http://www.melma.com/mag/66/m00123266/
◆本メールマガジンから転送・引用を行う場合は
 事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

------------------
はじめに:発行趣旨
------------------

○HIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
○しかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報
が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
○このメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝
えるメディアが必要だという認識から生まれました。
○HIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、ほぼ隔週刊
で発行いたします。

----------------------
■「第3号」目次
----------------------

○バンコク国際エイズ会議ハイライト
 (HATプロジェクト翻訳)
○UNAIDSピオット事務局長、日本のNGOと懇談
○ユニセフ、エイズ遺児のための10億ドルのファンドレイジング構想
○南アフリカ:移住女性のHIV感染可能性増大
○市民団体が国際エイズ会議の見直しを提起
○第11回世界PLWHA会議の報告書まとまる

----------------------------------------------
★ミニ特集「バンコク国際エイズ会議ハイライト」
 〜重要文献の一部翻訳〜
----------------------------------------------

 本年7月にバンコクで開催された国際エイズ会議のハイライトとなった、い
くつかのスピーチや報告について、(特活)エイズ&ソサエティ研究会議のHA
Tプロジェクト(HIV/AIDS文献翻訳プロジェクト)が翻訳をしてくれました。
 これを本メールマガジンのブログの方に掲載しましたので、ご関心のある方
はご覧下さい。タイトル、アドレスは以下の通りです。

(1)第15回国際エイズ会議開会式に関する「HIV陽性者世界ネットワーク」
の声明
http://blog.melma.com/00123266/20041031211638

(2)国連合同エイズ計画ファクトシート「エイズ対策の資金」
http://blog.melma.com/00123266/20041031212522

(3)エイズとの闘いは、世界が直面する最大の課題の一つ
 〜ネルソン・マンデラ・前南アフリカ共和国大統領のスピーチ〜
http://blog.melma.com/00123266/20041031212649

(4)第15回国際エイズ会議 リーダーシッププログラム 声明
 〜グラサ・マシェル氏〜
http://blog.melma.com/00123266/20041031212931

--------------------------------
★国際エイズ会議の見直し要求― エイズ・ヘルスケア協会
--------------------------------

2004年7月17日に閉幕したバンコクの第15回国際エイズ会議International AI
DS Conferenceについて米国で HIV/AIDSとケア・治療について取り組んでい
るエイズ・ヘルスケア協会 AIDS Healthcare foundationは、以下のように批
判し、抜本的かつ大胆な見直しを要求している。

1.エイズ会議は、資金が製薬産業によって提供、コントロールされているた
め、実質的には製薬会社の展示会になってしまっている。資金は、たとえば世
界銀行,グローバル基金 the Global Fund、世界保健機関 WHO、欧州連合 EU
および国連の協同事業として拠出されるべきである。

2.実際の討論が会議プログラムに反映されていないので世界的なエイズコミ
ュニティーに影響ある問題について、大きく開かれた討論の場をもつ。

3.公式会議プログラムから除外されている政策提言イベントをプログラムに
のせる。

4.会議参加料が法外に高く、資金の乏しい国からの参加は容易でない。参加
費の減額、資金調達の支援が必要である。

5.世界でリーダーシップを担っているNGOが聴衆としてしか位置づけられず、
しめ出されている。NGOの企画進行に関する役割拡張が求められる。

6.2年後の次回会議は、先進国であるカナダのトロントで開催されるが、世
界の認識を高めるためにも、途上国で開催するべきだ。

7.会議の結論として、具体的な解決法、活動計画を引き出す

エイズヘルスケア協会は、このように、世界最大のエイズ会議が製薬産業によ
って運営されている限り、生と死の問題が公衆衛生ではなく、営利目的に利用
されてしまうのだと、エイズヘルスケア協会は主張する。エイズヘルスケア協
会の連絡先は以下の通り。

テリーM.フォード 広報―支援責任者 エイズヘルスケア協会 
terrif@aidshealth.org

原文表題:Call for Change to the International AIDS Conference
日付:2004年9月14日
出典:AF-AIDS
URL: http://archives.healthdev.net/af-aids/msg01468.html

------------------------
★UNAIDSピーター・ピオット事務局長、
 日本のHIV/AIDS NGOの代表者たちと会談
------------------------

【10月4日 東京、グローバル・エイズ・アップデート編集部】10月4日
(月)外務省にて、国連事務次長であるピーター・ピオット氏 Peter Piotを
迎え、日本のHIV/AIDS関連のNGOのスタッフや大学教授などと懇談した。日本
のNGOは、ゲイ・MSM、セックスワーカー、在日外国人を支援する団体、また2
つのユース団体から総勢20名が出席し、それぞれの立場からピオット氏に提言
書を提出した。
 ピオット氏は、「エイズ問題は解決策のある問題だ」とし、HIV/AIDS問題は
深刻な現状にあるが、過去の状況から、政治的・経済的・社会的なコミットメ
ントが大きくなりつつあるなど、前向きな方向性も見えてきていると語った。
一方、日本のNGO側は、日本のNGOの現在の資金的、人的不足が深刻であるため
に、活動の継続・拡大が難しいという現状を報告した。「日本政府および社会
のエイズに対する意識の低さによって、国内でのHIV/AIDSに関する活動の展開
が滞っている。エイズ対策において重要な役割を果たしている日本の国内対策
NGOが活用できる年間の資金はわずかで、しかも減り続けている。国内対策に
あてる資源の乏しさを放置すれば、将来的には国際的なHIV/AIDS問題への日本
の支援や資金拠出にも悪い影響が出てくるだろう」という報告は、日本のNGO
の置かれた状況の切実さを物語っている。
 懇談会では、時間的な制約のため、十分な議論はできなかったが、ピオット
氏は、このような機会を通じて、日本の市民社会組織と積極的に意見交換をし
ていくことを約束した。

------------------------
★ユニセフ、エイズ遺児のため10億ドルのファンドレイジングキャンペーン構想
------------------------

 ユニセフは、来年から6年間に渡り、エイズ遺児のために、10億ドルをファ
ンドレイズするキャンペーン構想を明らかにした。これは、南アフリカ共和国
ケープタウンのエイズ遺児会議に参加した、ユニセフ UNICEF 国連子ども基金
のHIV/AIDSアドバイザー、ピーター・マックデーモット氏 Peter McDermott
が9月22日水曜日に発表した。1000万人の遺児の教育、生活支援が目的である
という。
 同会議にはUNAIDS 国連エイズ合同計画やWFP 国連世界食糧計画、アフリカ1
7ヶ国の代表らも出席しており、ユニセフは他の援助機関とも協議段階に入り、
2010年までに予想されているAIDS遺児の数よりも減らすべく、このキャンペー
ンを2005年に立ち上げる予定だ。
(AFP/Yahoo! News reports)
 今年7月にバンコクで開催された、第15回国際エイズ会議でUNAIDS、ユニセ
フが作成した共同報告書によれば、エイズに関連する疾患によって片親、もし
くは両親を亡くした子どもの数は、世界で1500万を越え、うちサブサハラ以南
の国々の子どもたちが約1200万人を占めるという。"Children on the Brink
(追い詰められた子どもたち)2004 "と名づけられたこの報告書では、2010年
までに、エイズ遺児の数は1840万に達すると予測している。
(Kaiser Daily HIV/AIDS Report, 7/14)

原題:UNICEF Plans To Launch $1 Billion Fundraising Campaign To Help
AIDS Orphans
日付:2004年9月23日
出典:Kiaser Network Daily Report
URL:http://www.kaisernetwork.org/daily_reports/rep_hiv_recent_rep.cfm?dr_cat=1&show=yes&dr_DateTime=23-Sep-04#25886

-------------------------------
★南アフリカ共和国:都市へ移住してきた女性のHIV感染可能性が上昇
-------------------------------

 南アフリカ共和国では、仕事を求めて地方から都市へと移住してきた女性は、
移住してきた男性よりもHIV感染の可能性が高いことが、新たな調査でわかっ
た。英国国際開発省 DFIDの報告書によると、移住女性のHIVの感染率が46%、
そうでない女性は35%であった。
 今回、ヨハネスバーグ南西50kmの小さな炭鉱町カールトンヴィル
Carltonville において843人の女性を対象に、HIV感染要因を特定するための
調査が実施された。結果は既婚、未婚に関わらず、移住女性はHIV感染率が高
かった。これは移住女性が不特定多数の男性と性交渉を行っていることを示し
ている。
 報告書を執筆した一人、カンゲラニ・ズマ氏Kangelani Zumaは「彼女たちは、
都市に着いた直後は、金も住む場所もなく、生きていくために複数のパート
ナーとの性交渉を強いられている。ほとんどの移住女性は無力であり、安全な
性交渉を男性に頼むことは不可能であるため、コンドームの使用率も低い。」
と述べている。
 報告書によると、HIV感染への危険性は年齢、既婚・未婚やアルコールの摂
取によっても左右される。未婚や35歳以上の女性は性交渉に消極的とみなされ、
35歳以下の既婚女性が最もリスクが高い。アルコールの摂取自体は危険要因で
はないが、摂取の影響下での性的行動は危険を伴う。
 報告書は、移住女性間のHIVと性感染症の広がりは緊急の措置を要する課題
であり、原因となる社会的、経済的な要因に取り組まなくてはならないこと、
移住女性の性感染症治療やコンドーム使用のための教育やエンパワーメント促
進プログラムの必要性についても言及している。また、移住女性が再定住地域
resettlement areasに住むことを推奨している。これは世帯用の居住地であ
り、専ら移住男性が家族を都市に連れてくるための場である。「同様に、家を
離れて、仕事を探す女性たちにも家族で住む場所を保証すべきだ」とズマ氏は
語る。

原題:SOUTH AFRICA: Migrant women at much higher risk of HIV/AIDS - new reportJOHANNESBURG
日付:2004年9月14日
出典:IRINPLUS 
URL:http://www.irinnews.org/pnprint.asp?ReportID=3880

--------------------------------
★第11回PLWHA(HIV感染者・AIDS患者)国際会議の報告書まとまる
--------------------------------
 第11回世界HIV感染者/エイズ患者 People Living with HIV/AIDS
(PLWHA)国際会議に関する報告書が、先日まとまった。この会議は、世界
PLWHAネットワークThe Global Network of People Living with HIV/AIDS
(GNP+)が、2003年10月26日から30日にウガンダの首都カンパラで開催された。
「新たな感染者リーダーシップ」と題された本会議は、アフリカ人HIV感染者
の国際会議としては過去最大の規模であった(80ヶ国以上、300以上の組織
から関係者が参加)。この報告書は、以下のウェブサイトから入手できる。
http://www.gnpplus.net/conferences.html
2005年11月には、ペルーのリマで、HIV感染者/エイズ患者の第12回国際会議
 the twelfth International Conference for People Living with HIV/AIDS
と、第7回・PLWHAと家族・コミュニティケア国際会議 the seventh Intern
ational Conference on Home and Community Care for People Living with 
HIV/AIDSの開催が予定されている。これは、HIV感染者/エイズ患者の権利拡
大、ケアとサポートに全力を尽そう、という趣旨のもとに、「Living with HI
V Partnership」という、GNP+、女性PLWHA国際コミュニティー ICW: the In
ternational Community of Women Living with HIV/AIDS、国際エイズ・サー
ビス組織評議会 ICASO: the International Council of AIDS Service
Organisations、国際赤十字社・赤新月社 IFRC: the International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies、国連エイズ計画 UNAIDSお
よび世界保健機関から構成されたグループが主催する。アンデス地方で国際エ
イズ会議が開催されるのは今回が初めて。
連絡先は以下の通り

GNP+会議コーディネーター リック・スティーブン氏 
Rick Stephen Conference Coordinator
電子メール:jazman1@worldonline.co.za


*********************

------------------------
■□メールマガジンご案内
------------------------

○メールマガジン「グローバル・エイズ・アップデート」は、世界のHIV/AIDS
問題の 最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。

○このメールマガジンは、購読者の皆さまに逐次お送りするほか、HIV/AIDSや
国際保健・医療関係のメーリングリスト、関係機関等に継続して送付いたしま
す。ただし、メーリングリスト等への投稿は、徐々に減らす形となります。継
続してお読みになりたい方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元(ア
フリカ日本協議会)までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行してい
る「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。
http://www.melma.com/mag/66/m00123266/

---------------------------------------
<講読申込票>ajf@mtb.biglobe.ne.jpまで
---------------------------------------
○氏名
○所属(あれば)
○メールアドレス
○ご在住の市町村
○コメント
---------------------------------------

○このメールマガジンの記事は、グローバル・エイズ問題や国際保健医療に関
連するホームページを定期チェックして要約・記事化する研究員によって作成
されています。あなたも、研究員になって記事を作ってみませんか。研究員に
なりたい方は、以下の研究員申込票に所定の事項をご記入の上、メールマガジ
ン発行元(アフリカ日本協議会)までご送信下さい。研究員のお仕事の詳細を
別途、ご連絡いたします。

-----------------------------------------
<研究員申込票>ajf@mtb.biglobe.ne.jpまで
-----------------------------------------
○氏名
○所属(あれば)
○メールアドレス
○ご在住の市町村
○コメント
-----------------------------------------

◆メルマ!メルマガの退会・解除はこちら→ http://www.melma.com/taikai/
         登録状況確認は[マイメルマ!] → http://my.melma.com/


UP:20041109
アフリカ日本協議会
TOP HOME (http://www.arsvi.com)