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社会福祉の資格



 ◆介護福祉士
 ◆言語療法士(ST)
 ◆児童福祉士
 ◆児童委員
 ◆社会福祉士
 ◇医療ソーシャル・ワーカー(MSW)


 cf.
 ◆専門性・専門職


 

 1992/08/01

★以下はNIFTY-Serve→FHAND→会議室15「福祉制度とADA」より転載したものです。
                           (1992.08.01 立岩真也)

040/040 PAF03701 UAY RTの補足、社会福祉の資格など
( 5) 92/08/01 19:24

<<長文注意>>

 RTで社会福祉に関わる資格制度(職務内容、どのようにすれば資格が得られる
のか等)について質問を受けました。簡単にRTでは答えておきましたが、意をつ
くせない部分が多々ありましたので、この場を借りて補足したいと思います。

テレビ番組の影響もあり、ソーシャルワーカーになりたい、と思う人が増えてい
るのでしょうか。しかしながら社会福祉の専門職(資格制度)はまだ整備されてい
ない、というのが現状です。
 この理由は、単に「遅れている」ためばかりでなく、社会福祉の職務内容が、他
の専門職と比べ独自性が薄い部分を持っているためで、社会福祉の本質にかかわっ
ています。極論ですが、学生や主婦のボランティアが十分にかかわれるわけです。
専門の勉強をした新卒者よりも生活経験の豊かな年輩者の方がケアはうまいという
のは普通に見られることです。これがたとえば、医療や訴訟の分野ならば資格のな
い人はまずかかわれません。これが社会福祉の専門(職)性の議論を難しくしてい
る背景です。ぼくも高度な専門職化は無理でしょうし、現実的ではないと思ってい
ます(せいぜい名称独占程度か)。
 それでも最近の傾向としては専門資格制度を整備していこうという流れにあって、
社会福祉士・介護福祉士が国家資格として制度化されました。現場で働いている人
のことを思うと身分保証にもなり良い傾向と言うべきでしょう。

 では社会福祉にかかわる主な資格を列記します。
保母、施設指導員、生活指導員、保健婦、看護婦、社会福祉主事、家庭奉仕員(ホ
ームヘルパー)、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカー、社会福祉士、
介護福祉士などで、これに医師や栄養士も加えることができます。
 この内、医療関係を除いた資格について説明します。

・保母  職務−児童福祉施設において児童の養育にあたる。
 男性可 資格−@厚生大臣の指定した保母養成学校(専門学校、短大、通教等)
     要件  を卒業したもの 
        A保母試験に合格したもの 
 *業務独占  

・社会福祉主事 業務−福祉事務所にあって、生活保護、児童福祉、母子福祉、老人
           福祉、身体障害者福祉、精神薄弱者福祉に関する都道府県知
           事及び市町村長の行う事務を補助する事務吏員又は技術吏員。
            援護が必要な個人や家庭を面接し、調査し、保護の措置の
           有無を判断し、生活指導等を行う。
        資格−@大学において厚生大臣の指定する科目31科目中3科目を
        要件  修めて卒業すること(科目別掲:注1)
           A厚生大臣の指定する養成機関、講習会の課程を修了する
           B厚生大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格する
            (この試験は行われたことがない) 
 *理解されるように社会福祉主事は任用資格で、社会福祉系の大学を卒業すれば、
  この任用資格(主事になれる資格)がもらえるが、公務員となり福祉事務所で働
  かなければ社会福祉主事にはなれない(任用資格が活かせない)。

・施設指導員 業務−施設利用者のケアを主に行う。
       資格−施設によって若干の違いがあるが、例えば児童施設では、
       要件 @厚生大臣の指定する養成機関を卒業したもの
          A大学で心理学、教育学、社会学を修めたもの
          B高卒あるいは同等の資格をもち、2年以上、児童福祉事業に
           従事したもの
          C教員免許を有し、厚生大臣、都道府県知事が適当と認定した
           もの
          D3年以上児童福祉事業に従事し、厚生大臣、都道府県知事が
           適当と認定したもの

・生活指導員 業務−施設において利用者のケア及び生活指導を行う。
       資格−精神薄弱者施設の生活指導員は、
       要件 @大学で心理学、教育学、社会学を修めたもの
          A高卒あるいは同等の資格をもち、2年以上精神薄弱者福祉事
           業に従事したもの
          B精神薄弱者の更生援護に関し相当の学識経験を有すると認め
           られるもの
          その他の生活指導員については特に資格要件の規定はない。 
          ただ、実際には社会福祉主事の任用資格(つまり大学等で社会
          福祉関係の科目を修める)があれば待遇の面で違う。

・家庭奉仕員(ホームヘルパー)
       業務−障害(老人、身体障害者、心身障害児、精神薄弱者、被爆者)
          をもった家庭に派遣され、家事、介護、相談、助言等のサービ
          スを行う。
       資格−特別な資格要件はない。ただし、次のような規定が通知にある。
       要件 @心身ともに健康であること
          A社会福祉に関し、理解と熱意があること
          B家事、介護の経験を有し、相談助言の能力を有すること
     *事前の養成機関はなく、年に1回(1−2日程度)の研修が定められて
      いる。

・理学療法士(PT)
       業務−身体の障害を持つものに対して、医師の指示により、治療体操、
          運動、電気刺激、マッサージ、温熱等の物理的方法を与え、基
          本動作の回復をはかるものをいう。
       資格−理学療法士学校、養成施設卒業者で国家試験に合格したもの
       要件

・作業療法士(OT)
       業務−身体や精神の障害を持つものに対して、医師の指示により、手
          工芸などの作業を行わせ、応用動作の回復、社会適応能力の回
          復をはかるものをいう。
       資格−作業療法士学校、養成施設卒業者で国家試験に合格したもの
       要件
     *PT、OTは名称独占

・医療ソーシャルワーカー(MSW)
       業務−医療チームの一員として社会保障や社会福祉制度などの社会資
          源を活用して、患者とその周りの環境を調整し、安心して療養
          生活を送れるように援助するとともに、患者の健康回復や社会
          復帰の援助を行う。病院と地域、関係諸機関との連携をはかる
          など重要な役割を担っている。
       資格−資格制度がなく特別な要件はない。日本医療社会事業協会が資
       要件 格の制度化に向け運動を進めている(某団体が反対している)。
          求められる業務は比較的高度であり、医学の基礎知識と社会福
          祉の知識の双方が求められよう。

・社会福祉士 業務−専門知識と技術を持って、身体もしくは精神の障害があるもの
          や何等かの理由で日常生活に支障があるものに、福祉に関する
          相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う。
       資格−厚生大臣が行う社会福祉士試験(年1回)に合格したものであ
       要件 って、社会福祉士登録簿に登録されたもの
      <受験資格>       
         @社会福祉士及び介護福祉士法第7条に基づく養成施設(注2)
          を卒業したもの 
         A同7条に定められた実務経験を有するもの
     *名称独占

・介護福祉士 業務−専門知識と技術を持って、身体もしくは精神の障害があるもの
          や何等かの理由で日常生活に支障があるものに、日常生活の介
          護を行い、並びにその者とその者の介護者に介護の指導を行う。
       資格−@社会福祉士及び介護福祉士法第39条に基づく養成施設(注3)
           を卒業したもの 
          A一定の実務経験を有し、介護福祉士試験に合格したもの
          B介護にかかわる技能検定に合格したもの
     *名称独占   

 この他に民生委員、児童委員が社会福祉に係るが名誉職的色彩が濃く、ここでとり
あげる資格制度にはなじみません。また、母子相談員、身体障害者相談員、精神薄弱
者相談員という専門職は資格要件というものはなく、実務経験者や当事者(障害者本
人や親など)から適任者をあてています。

 ここでの問題は障害者の職域として「社会福祉の現場」はどうか、という問題でし
ょう。当事者の意見を反映した制度運営には障害者のコミットは当然ですが、現状で
はそう多くはないようです。個人的に知っている人も数名です。
 資格制度がはっきりせず、福祉採用枠の公務員ルートが中心であったからでしょう
が、資格制度が整ってくるに従い、可能性は大きく開けるはずです。その場合、実習
のやり方、受け入れ先、その評価など未解決の問題が浮上し、現行の専門教育制度の
問題も提起されるでしょう。可能性の追求はすべきでしょう。

注釈は後で・・・・



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