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一般的意見書第5号(1994年)
「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」


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last update: 20161025


■一般的意見書第5号(1994年)

3 長瀬 96/03/19 13:20
題名:UN/General Comment No. 5 (1)

Date: 19 Mar 96 13:19:20 JST
From: EK6O-NGS@j.asahi-net.or.jp

一般的意見書第5号(1994年)
障害者
「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」*

 本文書は文書番号E/1995/22, E/C.12/1994/20「経済的、社会的および文化的権利に関する委員会第11および第12会期報告書」の付属文書IVである。
 1948年に国連総会で採択された「世界人権宣言」に法的な拘束力を持たせるために「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」(社会権規約もしくはA規約)と「市民的および政治的権利に関する国際規約」(自由権規約もしくはB規約)が1966年が国連総会で採択された。
 規約の加盟国は国連の経済社会理事会に5年毎に報告書を提出する。社会権規約に関する加盟国からの報告書は、18名の専門家から構成される「経済的、社会的および文化的権利に関する委員会」が検討し、提出国政府と協議を行う。
 障害分野に関してはこれまで各国政府の報告書でほとんど触れられていない経緯があり(本文の第2段落参照)、障害者に関する一般的意見書採択を契機に各国政府はその報告書で、障害者の人権を取り上げるよう求められている。
 一般的意見書は拘束力を持たないが、権威ある文書として、政府や関係者に影響力を持っている。
 注目されるのは、社会権規約に関して、NGO(非政府組織)が独自のカウンターレポート(対抗報告書)を提出することができることである。さらに、政府の報告書を検討する際に、NGOが口頭で発表することもできる。これは国連の人権分野でも異例である。
 日本政府は1979年に両規約を批准している。外務省人権難民課の話しでは、日本政府の次回報告書提出は96年夏の予定である。

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1、障害者の人権に関して「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」が持つ重要性は国際社会によってしばしば強調されてきた。(1)1992年の事務総長による「障害者に関する世界行動計画」と「国連障害者の10年」の評価は、結論として「障害は経済的、社会的要素と密接に関連している」とし、「世界の多くの地域で生活条件は非常に厳しく、食料、水、住居、保健、教育といった基本的なニーズ(ベーシックニーズ)の提供が国家の計画の根幹とならざるをえない」とした。比較的、生活水準の高い国においても、規約が認めている経済的、社会的、文化的権利全般を享受する機会が障害者に対して否定されることが頻繁にある。
2、経済的、社会的および文化的権利に関する委員会、ならびに先行した作業部会は、総会(3)と人権委員会(4)によって、障害者が関連する権利を完全に享受できるよう保障するという政府の持つ規約遵守義務を果たしているかどうかモニターするよう明確に求められた。しかしながら、委員会の現在までの経験によれば、障害者の人権に関して政府は報告書でほとんど関心を示していない。これは、事務総長の「多くの政府は、障害者の状況を効果的に改善するための断固たる総合的施策を欠いている」という結論とも符合している。(5)したがって規約に含まれる義務との関連において、障害者に関する問題がどのように生じるのか、研究し重要視するのは適切である。

*1994年11月25日に開かれた第11会期の第38回会合で採択された。
(1)この件に関する総合的な見解は障害と人権に関する特別報告者であるレアンドロ・デスポーイの最終報告書(E/CN.4/Sub.2/1991/31)参照
(2)A/47/415, 第5段落
(3)「障害者に関する世界行動計画」を採択した1982年12月3日の総会決議37/52参照。また、A/37/351/Add.1 ならびにCorr.18を参照
(4)人権委員会決議1982/48,第4段落と人権委員会1982/第7段落参照(5)A/47/415, 第6段落

参考文献
 「国際連合の基礎知識」国際連合広報センター編・監訳、1991年、世界の動き社
「国連・NGO実践ハンドブック」久保田洋他著、1993年、岩波書店
 「国際的意味合いにおける障害者の人権」『ノーマライゼーション 障害者の福祉』
1995年11月号、41ー44頁
Aliston, P. (1995) "International Covenant on Economic, Social and Cultural
Rights", Degener, T. and Koster-Dreese, Y. (eds) Human Rights and Disabled
Persons pp. 94-105, Martinus Nijhoff Publishers

日本障害者協議会『JDジャーナル』用)


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