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プロサバンナ事業「市民社会関与プロジェクト」に対する抗議声明
〜抜本的な見直しに向けた要請〜


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アフリカアフリカ Africa 2018


おかねおくれ


作成:斉藤龍一郎
 *(特活)アフリカ日本協議会理事、生存学研究センター運営委員



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2016年3月18日

外務大臣 岸田文雄様
独立行政法人 国際協力機構理事長 北岡伸一様

プロサバンナ事業「市民社会関与プロジェクト」に対する抗議声明
〜抜本的な見直しに向けた要請〜

 日本政府・JICAが三角協力・官民連携の目玉として主導し(1)、ブラジルの協力の下で始まったモザンビーク北部ナカラ回廊地域における大型農業開発プロサバンナ事業は、不透明で非民主的なプロセスにより、地域住民の圧倒的多数を占め地域農業の中心を担う小規模農民(小農)並びに農民組織(全国農民連合[UNAC]および傘下の州農民連合)によって、繰り返し批判と懸念が表明されてきました(2)。2013年5月には、これらの当事者並びに広範なる市民社会組織から三カ国首脳宛に「公開書簡」が出され、事業を一旦停止した上で、情報公開を徹底することにより透明性を担保し、農民らの主体的な参加が可能となる民主的な協議メカニズムを設置した上で、事業の目的と手法を共に再考することが要求されました(3)。これを受けて、主たる受益者で当事者でもある農民の主権の尊重、対話、説明責任の履行が事業の成否にとって極めて重要であることが3カ国すべての関係者の間で確認されるようになり、日本においては、外務省・JICAと日本市民・NGOが参加する意見交換の場が設けられ、情報交換と協議が続けられてきました (4)

 しかしながら、同事業によって行われてきた「対話」と称するプロセスは、形式上のものに終始したばかりか(5)、和平後のモザンビークで培われてきた人権の尊重と民主的統治の原則をないがしろにし、農民組織や市民社会への介入や分断、人権侵害を引き起こしてきたために、UNACなど諸組織から激しい反発を招くこととなりました(6)。その結果、事業は延期に次ぐ延期を余儀なくされ、当初の倍以上を超える期間と予算が費やされることとなりました(7)

 それにもかかわらず、昨年秋にJICAによってプロサバンナ事業の一環として立ち上げられ予算措置された新規事業「市民社会関与プロジェクト」は、以下の【背景・経緯】で詳述するように、所期の課題である農民との意味ある対話を実現するどころか、現地社会に深刻な負の影響を様々にもたらす結果となり、2月19日にはUNACら9市民社会組織から非難声明「対話プロセスの不正を糾弾する」が発表されるに至っています(8)。以上の事態を受けて、私たち日本の市民社会グループは、事業の抜本的見直しを改めて要請すると共に、ここに詳細なる状況説明を含めた抗議の声を声明として提出致します。

 なお、日本政府・JICAは、意味ある対話の実現という課題に対し、受益国の一義的責任を繰り返し表明しています。しかし、本事業のように多数の農民に広範かつ深刻な影響を及ぼしかねない大規模農業開発事業を実施する場合、農民にとって最も望ましい形で情報公開や対話が実現されるようにする責任が援助実施機関にもあることは明らかです(9)。事実として、当該プロジェクトは、JICAが日本のODA資金を用いて現地企業と契約して推進するものであり、その契約並びに業務指示内容もJICAが定めており、契約企業やコンサルタントが行う業務の進め方やその結果として生じる事態への責任はJICA・日本政府にあることは免れないものです。法的にも倫理的にも、生じた問題のすべての責任を受益国に押しつけることはできないにもかかわらず、そのような発言を繰り返すことは責任放棄と批判されても仕方ないものです。これまでプロサバンナ事業の問題に関心を寄せ、推移を見守ってきた私たち日本の市民グループは、JICAおよび外務省には、次のような責任が所在すると考えます。

  1. 「小農支援」「農民主権」を謳いながら、その意見を尊重し反映しないプロセスを強行することによるODA資金の不適切な活用と質の低い援助の実施。
  2. 反対や異論を唱える者がいる事業を強行することに伴う社会的混乱に対する情報収集および配慮の欠如、それを未然に防ぐための努力(Do No Harm原則)を怠った不適切業務。
  3. 計画に大幅な変更が生じたにもかかわらず(10)、その変更手続きを怠り、PDCAサイクルの形骸化を招いたことによるODAの制度改善努力への責任放棄。

 もし、日本政府がこれらの責任を無視し、このままプロサバンナ事業や関連プロジェクトを強行すれば、日本のドナーとしての資質や責任性を問われるだけでなく、これまでの日本のODAに対する評価を著しく傷つけるものとなることは間違いありません。

 以上のことから、私たちは、日本がドナーとして責任を果たし、援助国としての資質と国際評価の維持を図るためにも、次の4点の抜本的な方策を早急に取ることを要請します。

  1. 現在、主としてUNACやその加盟農民組織や個人、コミュニティに対して行われている「キャンペーン」などを一旦中止すること。
  2. プロサバンナ事業の一環としてなされるJICAの「市民社会関与プロジェクト」によって引き起こされている市民社会および農村社会における混乱と分断を防ぎ、UNACなどの主たるステークホルダーからの不信をこれ以上拡大しないために、JICAの契約と業務指示書に基づいて契約企業(MAJOL社)が進める「対話メカニズムづくり」のプロセスを一旦中断し、マスタープランをゼロベースで見直す方針を表明すること。
  3. プロサバンナ事業に関連して行ったすべての活動とその結果に対し、中立な立場で調査し評価する「プロサバンナ緊急調査評価チーム」を早急に立ち上げ、これまで指摘されてきた問題点の事実関係を明らかにし、現在までの開発効果を評価測定し、根本的見直しの方策を提案させること。なお、透明性と公正性の確保の観点から、調査評価チームは外務省・JICA外に独立のものとして設置され、メンバーにモザンビークおよび日本の学術界、主要当事者団体(UNACなど)、市民社会からの代表を含めるものとする。
  4. 上記の緊急調査評価は、参議院ODA特別委員会で報告され、その提言に基づき、モザンビーク小農支援のあるべき方策を議論する。その結果を上記調査評価報告書と共にモザンビーク政府およびUNAC、市民社会などすべてのステークホルダーに送り、広範なる農民・市民の参加の下にラウンドテーブルで議論し、今後の日本の援助に役立てる。これに伴う経費は、日本がODAで負担する。

 最後に、私たち日本の市民グループは、過去3年以上にわたって協議のパートナーとして16回の意見交換を積み重ねてきたにもかかわらず、JICAおよび外務省の不適切な対応によって問題が悪化し、このような声明を出さざるを得なくなったことに、深い失望と憤りを禁じ得ないことを申し添えます。

【背景・経緯】

  1. 共通の原則と認識

  2. 不適切な「対話」の繰り返しによる事態の悪化とODA予算(税金)の無駄遣い
  3. 2015年7月のUNAC農民代表団の来日による要求から現在までの経緯
    1. 秘密裏に進められた「市民社会関与プロジェクト」の立ち上げと現地企業との契約

    2. JICAによる契約・業務指示の問題(a):不透明・非民主的で拙速なプロセスの促進

    3. JICAによる契約・業務指示の問題(b):異論者に対する排除の論理の促進

    4. JICAによる契約・業務指示の問題(c):「市民社会のオーナーシップ」という不正

    5. JICAによる契約・業務指示の問題(d):契約履行のためのMAJOL社による嘘・強要
  4. UNACなど9市民社会組織による抗議声明:「対話プロセスにおける不正を糾弾する」

  5. JICAによる契約企業選定の不透明なプロセスと現地からの批判の軽視と無対応

  6. 小農の連帯・エンパワーメントを損なうUNACへの介入・圧力・分断の促進

  7. JICAの別契約によって策定された「社会コミュニケーション戦略」活用の問題

  8. 紛争予防・ガバナンスを軽視した援助外交

1. 共通の原則と認識

 私たち日本の市民・専門家とNGOからなる市民グループは、2012年秋に現地農民・市民社会組織の協力要請を受けて以来、外務省・JICAの協力を得ながら、プロサバンナ事業に関わる情報収集と分析、現地調査、提言、協議を行ってきました。とりわけ、2010年に設定されたJICA環境社会ガイドライン(11)に記された下記の原則に共感し、活動を行ってきました。

 これを受けて、3カ国政府からは、プロサバンナ事業の主目的は小農支援であり、農民主権と開発効果の観点から小農との対話と参加を確保することが重要であるとの私たちと共通する見解が言及されるようになりました(12)。現在では、モザンビーク最大の小農運動であるUNAC(2,400組織が加盟)との協議が不可欠であるとの認識が政府・JICAからも示されるようになっています(13)

2.不適切な「対話」の繰り返しによる事態の悪化とODA予算(税金)の無駄遣い

 しかしながら、プロサバンナ事業でなされた「対話」(ステークホルダー会議、農村集会)は、現地農民・農民組織や市民社会組織が希求した「意味ある対話」やILO(国際労働機関)169号条約(14)で定められるFPIC(自由で事前の十分な情報公開に基づく合意(15))からほど遠いものでした。また、モザンビーク政府およびJICAに対する情報公開や説明責任の果たし方への不信感、異論・反対を唱える農民や市民への人権侵害(16)、土地収奪を含む農民主権侵害への懸念が払拭できないこと、更には対話に向けたメカニズムづくりにおける不透明で不誠実な対応などにより、現地社会に根深い不信を引き起こしてきました(17)

 この結果として、2014年4月には、UNACは全国年次総会をナンプーラ州で開催し、農民同士の数日間の話し合いを経て「ナンプーラ宣言」を発表し、「プロサバンナ関係者および国家指導部による農民に対する迫害・脅迫・買収・情報操作に強く抗議する」と表明するに至っています(18)。この直後の6月には、「プロサバンナにノー 全国キャンペーン」が、UNACをはじめとする9つの現地市民社会組織によって開始されました(19)

その後、2015年4月から6月まで、プロサバンナ事業によって策定された「ナカラ回廊農業開発マスタープラン案」に関する公聴会が、日本がその大半の資金を提供する形で開催されましたが(20)、モザンビーク農業省(21)が自身で定める「公衆参加プロセス7原則(22)」に反する運用がなされたばかりか、参加者・非参加者を含むすべてのモザンビーク国民に対して憲法や世界人権宣言並びに国際人権規約(第19条(23))が保証する諸権利が侵害され、恣意的で党派性に基づく手法が取られたことについて(24)、UNACを含む国内外の農民・市民社会組織から厳しい批判が寄せられました(25)

 このように、当事者・受益者などの主要ステークホルダーらとの信頼関係を構築することに失敗し続けた結果として、事業は2013年から延期され続け、当初計画の2倍以上もの追加資金が日本のODA予算より拠出されてきたことは上述の通りです(26)

3.2015年7月のUNAC農民代表団の来日による要求から現在までの経緯

 モザンビーク農業省並びに日本・ブラジル政府への声明と要求の提出後も状況が改善されなかったため、2015年7月には、UNACからの農民代表団が緊急来日し、外務省・JICAに対し「事業のマスタープラン案と公聴会の無効化」と「真に民主的なプロセスの構築」を要求するに至りました(27)。この後、現在までの8ヶ月間に起きたことの経緯を以下に記します。

(1)秘密裏に進められた「市民社会関与プロジェクト」の立ち上げと現地企業との契約

 私たちは、7月に示されたUNAC代表団の要求を受けて、JICA・外務省にどのように対応するのかについて具体的な情報共有と協議を求めてきました。これに対し、JICAは「我々が知るところでは、農業省がどのような形でどのように話を進めるか一生懸命議論をしている」(第13回意見交換会、10月27日)と述べ、同機構がこの件については無関係で予算措置も講じず、何も実施していないかの回答を行いました。しかし、現実にはこの時点で、プロサバンナ事業の一環として「市民社会関与プロジェクト」が新規に立ち上げられ、10月7日には、JICA自らが一般公示をせぬまま現地企業3社(MAJOL社を含む)に対し応募を要請していました(28)。また、第13回の前日には、現地企業の応募が締め切られ、5日後の11月2日には、JICAと現地企業MAJOL社との間で契約が締結されていました(29)

 11月に入り、現地市民社会から「JICAが現地企業を使って市民社会の取り込みに動いている」との情報が相次いだために、第14回(12月8日)時にJICAによる契約事実の有無を照会しましたが、JICAは「状況が変わっていない」との説明の後、日本による拠出事業か否かという最低限の情報についての回答をも拒否するに至りました。3年近く協議のパートナーであった日本の市民グループに対して、日本の資金を使ってJICAが行っている活動であるにもかかわらず、一切の説明も問い合わせへの回答もないまま事実が隠されたばかりか、虚偽の説明がなされていたことになります 。 

 その後もMAJOL社の動きに不信を募らせた現地組織から情報収集が強く要請されたものの、意見交換会ではJICAからは契約有無も含めて回答が拒否されたため、止む無く4日後の12月12日に、推測に基づき「JICAとMAJOL社の契約書」の開示請求をJICAに対して行いました。「不存在」との連絡がなかったため、両者の間に契約関係が存在したことが分かったものの、多忙を理由に開示が2月12日まで延期される一方、外務省担当課長の現地訪問(2月3日?5日)に向けて出された公開質問状(1月25日)に対しては回答期限の2月2日の前にも後にも、回答の有無や遅延の可能性の連絡すらないまま時間が経過しました(30)

 国民の理解と税金によって支えられる日本の援助機関JICAによる虚偽の説明、秘密裏に進められた不透明なプロセスは、憲法により日本国民に保証された権利の侵害であるばかりか(31)、情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の精神(32)、JICA環境社会ガイドラインの趣旨に反するものであるとともに、自らに課された説明責任を放棄する行為であり、開発協力大綱に示される「情報公開、国民及び国際社会の理解促進」にも反しており(33)、またこれまで積み重ねてきた協議の努力を踏みにじるものでした。これについては改めて問題提起致しますが、プロサバンナ事業に顕著となった現地農民・市民らの権利侵害と今回の日本国民の権利侵害は大いに連動していると考えます。

(2)JICAによる契約・業務指示の問題(a):不透明・非民主的で拙速なプロセスの促進

 JICAによって現地企業に送られた応募要請および契約書・業務指示書には、契約企業の最初の業務として市民社会との「個別協議」を行い、「集団」ではなくバラバラに面談することが指定されています(3.1)(34)。また、JICAの契約によって、契約企業は特定組織関係者と個別協議を進めることが促され、その後の「集団協議(3.7.の準備会合)」は同社が「前向き」であると特定し、政府側が承認した団体のみと行われることが規定されています(3.2)(35)。つまり、多様な意見にただ耳を傾けること以上に「協議」が第一業務の最終目的とされ、その結果、MAJOL社が市民社会の一部とのみで様々な準備を進める道が開かれていました。

 加えて、モザンビークでは12月半ばから1月半ばまで多くの関係者が休暇に入るにもかかわらず、JICAによる業務指示書には、12月7日までに「対話メカニズム(36)」のTOR(枠組み)と機能に関する提案のJICAと政府側への提出、1月20日までの「対話メカニズム」の立ち上げ、2月22日までのロードマップ(工程表)の完成、3月21日までの最終報告書のJICAへの提出が明記されています。そして、このスケジュール通り、MAJOL社の主導の下、12月18日には「前向き」と特定され政府側の参加承認がなされた42団体が招待される形で「準備会合」が開催され、1月20日が期限として契約に記載される「対話メカニズム立ち上げのための会議」の1月11-12日の実施が決定されました。この「準備会合」のファシリテーションは、JICAの業務指示書通りMAJOL社が行い、会合の結果として「市民社会の事務局」を同社が担い、TORやロードマップ案を提案することまでが「合意」されました(37)

 この「市民社会関与プロジェクト」が開始するまで、各州の市民社会プラットフォームは、主要加盟団体である州農民連合と連携して、プロサバンナ事業のアドボカシー活動を行ってきました(38)。上述3カ国首脳宛「公開書簡」は同プラットフォームらとの協働により策定・署名されたものです。したがって、このようなアドボカシー方針の変更に際しては、各プラットフォーム内でプロサバンナ事業の問題に取り組んできた加盟組織(とりわけ州農民連合)への説明と協議が不可欠でした。しかし、JICA契約に従った行程とスピードで物事が進められた結果、各プラットフォームはこれら加盟団体に「準備会合」の中身について説明し承認を取る機会すら設けることができないまま、長期休暇が開始しました(39)

 一方、「市民社会の事務局」となったJICA契約企業MAJOL社は、その後も1月の会議に向けた準備を進め、12月31日にはロードマップ案まで完成させ、「市民社会の準備会合」で決まったことと称して「プロサバンナ作業委員会」なるものの立ち上げが明言される文書を用意しました(40)。そして、同社が準備したTORとロードマップの案を議論する場としてナンプーラ市での1月11-12日の会議が設定され、同社による招待状と新聞告知が、3州の市民社会プラットフォーム名で1月7日に発送・掲載されました(41)

(3)JICAによる契約・業務指示の問題(b):異論者に対する排除の論理の促進

 以上からも明らかなように、「対話メカニズム」の準備において、1月11-12日に至るまでのプロセスは重要であったばかりか決定的でしたが、12月18日の「事前会合」には「個別協議」に応じたものの「前向き」ではなく政府が承認しない団体や個人は招待されませんでした。その結果、それまでプロサバンナ事業のアドボカシー活動において最も重要な役割を果たしてきたUNACだけでなく、その傘下の州農民連合もまた、これら市民社会プラットフォームの加盟団体であるにもかかわらず、準備プロセスから排除される形となりました。

 1月11-12日の「対話メカニズム設置会合」についても、「個別協議」に応じたもののプロサバンナ事業や提案された対話メカニズムに異論を唱えた団体や個人は招待されませんでした(42)。各州のUNAC傘下の農民連合には招待状は届いたものの、直前(1月7日)すぎたことと旅費の提供がなかったため、週に数便しかない飛行機で移動しなければならないニアサ州(対象19郡の7郡が集中)の農民連合の参加は叶いませんでした(43)。一方、同連合が代表者と認めず、プロサバンナ事業についての活動にも関わってこなかった加盟農民が「一般釣り」される形で旅費等の提供がなされていたことが現在明らかになっています(44)。ナンプーラ州(対象19郡の10郡が集中)も同様で、州全体の農民代表が参加するために不可欠な連絡や事前調整、交通費や宿泊費の手当が間に合わない状態での出席となりました(45)

 JICAが契約書に規定された通りの手順で、事業が契約企業によって忠実に進められた結果、「市民社会関与プロジェクト」は拙速で排除の論理に満ちた不透明で非民主的なプロセスとなりました。より深刻なのは、この準備プロセスからUNAC傘下の州農民連合が排除されただけでなく、市民社会組織とりわけ市民社会ネットワークやプラットフォームの行動原則として最も重要な要件である透明性と民主的意思決定、団体同士の結束と連帯を踏みにじらせ、対立と分断を招く結果となったことです(46)。実際、1月11-12日の会議後、休暇を終えて復帰した各州のプラットフォームの加盟組織は、事後的にこれらのイベントと決定を知り、当該プロセスと意思決定にあたっての不透明性に対して反発し、異論を投げかけましたが、既に枠組みが公言される形で出来てしまったことと内部の騒動を外部に見せるべきでないという説得によって、これらの異論は封じ込められる結果となりました(47)

(4)JICAによる契約・業務指示の問題(c):「市民社会のオーナーシップ」という不正

 つまり、「市民社会関与プロジェクト」では、JICAによる契約内容に沿う形で契約企業が、「個別協議」により「前向きな団体とそうでない団体」を区別し、前者のみを招待して準備を進めた上で、「市民社会主体のプロセス」を演出し、後者に不安を与えて参加を余儀なくさせるという手法が計画され、これが実行に移され、現実のものとなりました(48)

 当然ながら、このような手法と会議は、プロセスから排除された組織からの反発を招くことは予見できたことですが、1月11-12日の会議の主催者を3州の市民社会プラットフォームとして「前面(矢面)」に立たせることで政府側への反発を極小化する一方、市民社会同士の対立を煽るという手法が取られました。会議直後の1月13日にUNACなど3州の農民連合が批判声明を発表しましたがした(49)、JICAは「ワークショップのオーナーシップは現地の市民社会がお持ち…UNACも参加していた…考え方が違うということであれば、参加メンバー(同士)で議論されるべき」と回答し(50)、あくまでも無関係であるとの主張がなされています。

 さらには、第15回意見交換会時には、「(1月の会議は)農民組織や市民団体が開催を決定して時期を設定した」として、準備における「農民組織」のオーナーシップが二度にわたって強調されましたが、具体的な農民組織名が照会されると、一転して「各州の市民社会プラットフォームに農民組織が加盟しているのでそのことを指した」との説明がなされました(第16回)。つまり、農民組織が意思決定に関わった事実はなかったにもかかわらず、そのような説明がJICAによって公式・公開の場である意見交換会でなされたことになります。

 またJICAは、このような手法による「市民社会関与プロジェクト」に税金の追加投入を決定した妥当性について、「これまでのやり方が不十分であるとの意見を頂戴し、プロセス自身についての批判を受けていたため、市民社会のオーナーシップの下でやることで(プロサバンナ事業を)進めていく事ができないかと考えて施策した」と述べています(第15回)。しかし、上述した通り、過去の「対話」が繰り返し失敗した理由は、不透明で非民主的で拙速なプロセスによるものであり、とりわけ農民組織との協議を欠いたことによるものであったにもかかわらず、7月の要求(6月の声明)への回答もないまま、3年以上もの間、先頭に立ってプロサバンナ事業の問題に取り組み、様々な場面で農業省、外務省・JICAと直接的なコミュニケーションを行ってきた農民や市民社会組織にその内容が提案され、その妥当性が協議されることはなかったばかりか、「前向き」ではなかったために準備プロセスから排除されていました(51)。このようにJICAをはじめとする3カ国の責任は重大ですが、それにもかかわらず「市民社会のオーナーシップ」との責任転嫁がなされています。

(5)JICAによる契約・業務指示の問題(d):契約履行のためのMAJOL社による嘘・強要

 JICA契約企業MAJOL社は、第14回(2015年12月8日)時のJICAの説明によると「コミュニケーションの専門企業」とされていますが、プロサバンナ事業に懐疑的あるいは反対する市民社会組織や農民組織が多い中で、年末の長期休暇を挟みながらも1月20日までに「対話メカニズム」の設置を実現するために、後に外務省もJICAも否定せざるを得ないような虚偽の説明(「市民社会が望まないならプロサバンナ事業は中止になる」「その場合250億円の予算は逃げる」「君たちが決められる」「君たちの勝利だ」)を、11月から12月にかけての「個別協議」や1月11日のワークショップでも行っていたことが、市民社会組織に提供された録音で明らかになっています(52)。同社のコンサルタントらは、JICAの業務指示通り(3.1.の3)、1月11日の会議で「議論をファシリテート」しただけでなく、「自由に議論して構わない」と冒頭で断りながら、実際は繰り返し議論に介入し、誘導とも取れる発言と議事進行を行いました。なお、「JICAから市民社会に資金提供が可能」と何度も口にされています。

 MAJOL社の公正ではない議事進行や虚偽の説明に対しては、出席した農民・農民組織あるいは市民組織関係者らが、同社のJICAとの契約内容(業務指示を含む)を問い質したり、「MAJOL社は市民社会に結果を強要すべきでない」と発言するに至っていますが、これについても録音で確認ができるにもかかわらず、同社作成の議事録には記載されていません。

 1月25日のJICAに対する公開質問状では、これらの点についてJICA側に確認を要請しましたが、第15回時には「MAJOL社は独立した機関」であり「自由を与えている」上に、「MAJOL社に確認ができなかった」との説明がなされました。そのため、MAJOL社から録音を取り寄せて確認することが合意されましたが、第16回では、「MAJOL社からは録音はないと言われた」と述べる一方、MAJOL社としての説明は違っていたとして、事実確認の努力もなく、MAJOL社の言い分だけに依拠した認識を続けていくことが言明されています。なお、現場でMAJOL社が録音を取っていたことは複数に目撃されており、JICAとしてNGO側の録音の提供要請を行うことも可能ですが、そのような要請はなされていません(53)

 後述するようにMAJOL社自体にも問題があるものの、同社に応募を依頼し選定したのはJICAであり、かつJICAが同社に与えた契約書には、記載通りに業務が果たされた暁には、より大きな契約(公聴会の第二ラウンド)が結ばれると明記されています(54)。次の契約を獲得するために、無理なスケジュールであっても進めるのが被契約者の常ですが、この点に関する批判に対しては、JICAは「契約は自由度が高い」(第15回)との反論を行っています。しかし、契約期間の延長可能性や締切遵守が不要である点について、JICAの担当課が現地事務所経由であれ同社に伝えた事実はなかったことが第16回時に確認されています。

4.UNACなど9市民社会組織による抗議声明:「対話プロセスにおける不正を糾弾する」

 以上から、このプロセスにおけるJICAの関与の大きさと責任の重さは明らかですが、「市民社会プラットフォームのイニシアティブで彼らが主催」という点を盾に、JICAやその契約企業MAJOL社に責任はないと強調し続けています。しかし、これは説明責任と誠実さを欠いていると言わざるを得ません。

 今回のJICA事業「市民社会関与プロジェクト」は、モザンビーク国内の自由で闊達な言論空間が劇的に縮小する中で(55)、2012年から3年以上にわたって時に脅迫やストーキングなどの人権侵害を受けながらも、決して諦めることなく最前線に立って「当事者である農民の主権を尊重する透明で民主的な意味ある対話メカニズムの設置」を繰り返し求めてきたUNACとその加盟農民と農民連合、そして市民社会組織が受けた落胆と不信感、嫌悪感、絶望感はあまりに根深いものがありました(56)。UNACをはじめとする、女性フォーラム、人権リーグなど9市民社会組織は、2016年2月19日に声明「プロサバンナの対話における不正を糾弾する」を発表し、次のように述べています(57)

 政府は、2015年に行われた公聴会において数多くの不正行為があったことを認め、第二巡目のラウンドテーブルを適切な手続きを経て実施することを約束した。わたしたちは、MAJOL社によって促進されるプロセスが、この前触れとなることを期待していた。しかし、上記会合は深刻な不正に彩られたものとして開催され、プロサバンナ事業に内在する様々な欠点と欠陥に満ちたプロセスを再確認しただけに終わった。とりわけ、次の点は公にされ、広く糾弾されるべき点である。


  1. プロサバンナ事業に好意的な姿勢を見せた市民社会組織だけが参加を可能とされ、その他の組織は準備段階からも排除されたこと。排除された組織がこの会合のことを知ったのは、開催直前の新聞紙上での告知記事によるものであった。
  2. イベントの主催者側は、「プロサバンナにノー!キャンペーン」に参加するUNAC(全国農民連合)の活動家二人に対し、身体的な攻撃を行おうとした。
  3. 会合後、主催者らによって、会合の中身と結論を反映していないプレスリリースが発表された。これは会合の議事録を点検すれば明白となる事実である。

 加えて、この(準備・実施・事後)プロセスにおいてなされてきた意思決定が、州レベルの諸プラットフォームの全体を代表していない確たる証拠を、「「プロサバンナにノー!キャンペーン」は得ている。換言すれば、各プラットフォームは、加盟全組織が意思決定や会合に参加できるようにしないまま、結局少数の幹部のみで意思決定を行ったのである。


 これらの指摘を踏まえると、2014年5月12日に参議院決算委員会にて岸田文雄外務大臣並びに田中明彦JICA理事長が約束された「丁寧な作業」にはほど遠いスケジュール・手法・計画が、JICAと日本政府の責任が大きい中で進められたと言わざるを得ません。

5. JICAによる契約企業選定の不透明なプロセスと現地からの批判の軽視と無対応

 なお、政府並びに政府系機関による市民社会の意思決定への介入とも言うべき本プロセスは、JICA契約企業MAJOL社の特性によっても推し進められる結果となりました。同社は、「市民社会関与プロジェクト」の契約においてJICAから直接募集要請がなされた現地の特定3企業のうちの一社ですが、モザンビーク国内の市民社会組織に資金提供するいくつかの国際NGOの元スタッフらによって設立・運営される地元企業です。UNACら8市民社会組織が3月9日に発表した声明「WWFモザンビークとプロサバンナ事業のパートナーシップに関する非難声明」によると、このことがプロセスに大きな影響を及ぼしたことが、詳しく書かれています(58)

 そもそも、MAJOL社は、2015年8月に他ドナーによる「プロサバンナにおける対話に関する第三者評価事業」のために契約された企業であり、その評価事業のコンサルタント企業としてJICAと連絡を取っていました。JICAからの応募要請の時点で、MAJOL社はこの他ドナーとの契約期間が残っている状態にありましたが、同社とJICAは同種のしかし目的と立ち位置のまったく異なる「プロサバンナ対話」に関する契約を進めました(59)。つまり、他ドナーとの契約は「第三者評価」であるにもかかわらず、JICAとの契約は対話の土台すら作れなかったプロサバンナ事業主体側の対話の支援を行う契約を提案するなど、JICAは行動倫理上極めて問題がある行為を、承知の上で自ら進んで行ったことになります。さらに、両契約を遂行する3名のコンサルタントまで同一人物が担当しており、JICAだけでなくMAJOL社の企業倫理上の問題も明らかです。

 上述の通り、1月11日の会議では、JICAとの契約の不透明性やMAJOL社の役割に対する疑義について参加団体より繰り返し問題提起がありました。さらに、外務省担当課が2月5日に訪問したモザンビークの研究所からも具体的な懸念が表明されています。そして、これらの現地組織からは、いずれの機会においても、JICAとMAJOL社の間の契約の全文・全貌が広く公開されるべきとの提案がなされています(60)

 しかし、外務省担当課によって作成され、国会議員とNGOに配布された出張報告(2月19日付)からはこの点に関する情報は省かれました。さらに、上述研究所はプロサバンナ事業における度重なる情報操作を懸念し、両者で合意する議事録の作成を前提として面談に臨んでおり、後日この研究所・外務省・JICAの3者で共通議事録が合意の上完成されています。しかし、当該出張報告には、当日研究所からの出席者が言及しておらず、共通議事録にもないことまでが記載されていました(61)。この点について、外務省は「それぞれの記録は多様性があってよい」(第16回)と弁明しましたが、日本の資金によって行われた事業とJICAによる契約が不透明であるとの指摘は、日本の市民グループや農民組織の指摘と同様であっただけでなく、真摯に受け止められ改善に役立てられるべき貴重な情報でしたが、報告からは排除され、国会議員からもNGOとの協議の場からも遠ざけられる結果となりました(62)

 なお、第16回時に外務省は「MAJOL社との契約内容は(現地市民社会に)示した」との説明をしましたが、実際には1月11日の会議の際に、プロジェクト名、対象、上記4点の業務項目のサマリーが各1枚のスライドで紹介されたにすぎず、契約・業務指示書はおろか目的や契約期間や与えられた締切についての情報は共有されておらず(63)、契約終了が目前の現在においても、モザンビークの農民・市民社会組織は、私たちが情報公開法に基づいて知った情報の一端すら知らないままの状態に置かれています。

6.小農の連帯・エンパワーメントを損なうUNACへの介入・圧力・分断の促進

 このような状況にもかかわらず、JICAは「市民社会の対話プラットフォーム(メカニズム)が出来たから、UNACもそこに参加すべきだ。異論があればそこで話すべきだ」(第15回)と自らの責任を放棄したばかりか、すべての非をこのプロセスを「不正」と批判し参加しようとしないUNACや州農民連合や市民社会組織に被せました。さらに、第15回時に披露された上述の外務省出張報告では、「UNACはモザンビークNGOの代表ではない」と市民社会プラットフォーム関係者が話したとわざわざ記載され、市民社会間の分裂が強調されています。しかし、UNACの参加が得られないことが問題化すると、今度は「UNACの参加を促進しているところ」(第16回)と説明されるようになっています。

 しかしこの「UNACの参加促進」は、UNACや加盟農民連合内部の個人・組織に対する、圧力を伴ったあらゆる主体を使ったあらゆる手法による介入・分断の働きかけとなって行われており、1月11-12日の会議から現在まで、多大な心労を地域の農民たちに与える結果となっています(64)。UNACは、2014年の年次総会で「プロサバンナにノー」という立場を取り全国キャンペーンに参加することを全国農民会議で決定しており、これに変更がある場合は同様に年次総会で議論し意思決定されなければならないところを、代表個人あるいは連合幹部の「出席」「同意」をもって「UNACが対話メカニズムに参加している」かの情報がMAJOL社、政府関係者や政府系メディア、一部市民社会関係者らによって流布される状態にあるだけでなく(65)、「対話メカニズムへのUNAC参加=プロセスやメカニズムの正当性」が主張されるまでになっています。

 このような試みは、小農運動としてボトムアップ型の意思決定のプロセスを有するUNACの行動原則と規範を踏みにじるものであり、これは単にプロサバンナ事業との関係だけでなく、モザンビーク最大の小農運動の連帯や力を削ぐ行為であり、「小農支援」「農民主権」を謳った事業の一環として日本の援助が使われる形で行われていることに、日本の国民・市民・納税者として憤りを禁じ得ません。類似の事態は、すでに昨年夏に生じていたため、私たちは「プロサバンナ事業における農民の分断と招聘計画の即時中止の要求」(2015年8月10日)を外務省・JICAに提出しています(66)。「対話メカニズム」設置のために再び農民・農民組織への介入が行われていることに驚きを隠せません。たとえUNACや農民連合がこのメカニズムに参加したとしても、これまでJICAをはじめとするプロサバンナ事業関係者らが進めてきた不正は許されるものではないことについても、指摘しておきたいと思います。

7.JICAの別契約によって策定された「社会コミュニケーション戦略」活用の問題

 農民や農民組織への圧力の一方で、3月14日には、在モザンビーク日本大使館が資金提供する形で、国内メディア各社の「プレス旅行」が行われたことが、現地の報道で明らかになっています(67)。国内メディアへの介入(利用)の問題については第15回・16回でも問題になっていたにもかかわらず、すでになされていた「プレス旅行」の計画と予算措置についても一切の説明も相談もなされることはありませんでした。

 プロサバンナ事業による地元メディアの利用は、2013年12月にプロサバンナ3カ国調整委員会(68)によって定められた「社会コミュニケーション戦略」に記載されたものです(69)。この戦略策定のための契約は、情報公開請求によってJICA文書として開示されていますが、そこには「国内メディアのために記事・番組を準備する(記事は執筆、番組は制作する)」、「プロサバンナの資金で国内メディア旅行を企画する」と明記されています(70)。これらの文書は、JICAによると「現在でもイキている文書」(第15回)であり、JICA契約コンサルタントが記事等を準備したり執筆することを業務としている以上、これは政府によるメディアへの介入にあたる行為ではないかとの問いには、「それがなぜ介入になるのか分からない」(第15回)、「プレスリリースを提供しているだけで、掲載するか否かは各メディアの判断」(第16回)と主張されています。さらに、JICAによる契約によって地元企業(CV社)によって2013年11月に提出された「コミュニケーション戦略最終報告書」では、コミュニティレベルでの行政機構・諮問機関・伝統的権威の取り込む手法の具体的な提案までなされています(71)。これらの文書は、JI。そして、2015年4月に突然開催された郡・行政ポストレベルでの公聴会が、この手法を使ってなされていたことがNGOによる現地調査でも明らかになりました(72)。これらの文書は、JI。

 このような地元メディアや地域社会、農民組織・市民社会組織を巻き込んだプロパガンダの流布や取り込み・分断といった数々の活動は、そのほとんどが日本政府・JICAの資金によって行われてきたものです。本来、小農支援のために使われるべき「農業開発事業」の予算が、このような政治活動のために大々的に使われ続けている現実に、私たちは、深い失望と強い疑問と懸念を禁じ得ません。

8.紛争予防・ガバナンスを軽視した援助外交

 現在、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も発表している通り、モザンビーク北部のナカラ回廊沿い地域から6千人を超える難民が隣国マラウイに流出している状態にあります(73)。これらの文書は、JI。プロサバンナ事業が対象地とするナカラ回廊地域は、1977年から16年間に及んだ武力紛争においてコミュニティレベルを巻き込んだ最も激しい戦闘が繰り広げられましたが、1992年の和平後も元紛争当事者でもある与野党支持者の間の亀裂は継続する中で複数政党制選挙が続けられてきました。いずれの選挙でも事業対象郡のほとんどで与野党の勢力は拮抗しており、野党の方が強い郡も多く、政治的には対立の傾向が根強い地域となっています(74)。これらの文書は、JI。このような現地社会のあり方については、十全なる配慮が不可欠であることは明らかですが、これまでの協議では、外務省・JICAにその理解と配慮が欠けていると考えられる言動が繰り返されてきました(第11回、第12回、第16回)。

 プロサバンナ事業のマスタープランに関する公聴会では、その参加者の過半数が政府・与党の関係者が占めており、そのことの問題性については現地市民社会からも強く懸念が示されたことは各種声明の通りです。さらに、日本のNGO関係者に対し、モザンビークの政府系新聞記者から「プロサバンナへの反対運動はクーデーター」であり、「(フレリモ党)を政権の座から引き摺り下ろし別の党を据えるための活動」という「説」が披露されるなど、その政治化は深刻な状態に至っています(75)。これらの文書は、JI。しかも現在、2013年から散発的に続いてきた武力衝突が悪化し、政情不安が強まっている状態にあります。このようにモザンビーク、とりわけナカラ回廊地域の社会における軍事・政治・社会状況が悪化している中で、その事実を多様な情報に基づいて正確に把握し、大型援助の実施における細心の配慮ができないのであれば、日本政府・JICAの援助や外交能力を疑わざるを得ません。しかし、ここまで詳しく見た通り、プロサバンナ事業は予防(Do No Harm)を前提に進められていないばかりか、「農業開発協力事業」から大幅に逸脱した「援助」事業に転じ、現地政治社会状況に深刻な悪影響を及ぼすものとなっています。

 以上に詳しく記した現地の人びとの声、現地・政府・JICAからの情報、現地状況の分析に基づき、私たちは日本の国民・納税者・市民として、冒頭に記した4点の要請を行います。

 多額の日本市民の税金が使われている事業であること、政府開発援助(ODA)の実施機関であるJICA自らのミッションや環境社会配慮ガイドラインの目的(76)。これらの文書は、JI、そして開発効果に関する釜山宣言の「パートナーシップ」という考え方に基づけば、当然ながらドナーである日本政府には大きな責任が伴っていることは明らかであることについて、最後にもう一度申し添えさせて頂きます。

【賛同団体】

(特定非営利活動法人)アフリカ日本協議会、(特定非営利活動法人)日本国際ボランティアセンター、ODA改革ネットワーク、FOE Japan、ATTAC Japan、No! to landgrab, Japan、モザンビーク開発を考える市民の会、(特定非営利活動法人)APLA、(特定非営利活動法人)「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、(特定非営利活動法人)メコン・ウォッチ、ムラ・マチネット、AFEC-アジア農民交流センター

【賛同個人】

菅波完(高木仁三郎市民科学基金事務局長)、古沢 広祐(國學院大學経済学部教授)、池上甲一(近畿大学農学部教授)、西川潤(早稲田大学名誉教授)、吉田昌夫(アジア経済研究所名誉研究員)、野川未央(特定非営利活動法人APLA)、近藤康男(アジア農民交流センター)、舩田クラーセンさやか(明治学院大学国際平和研究所)、津山直子(関西大学客員教授)、大林稔(龍谷大学経済学部名誉教授)、高橋清貴(恵泉女学園大学教員)、印鑰智哉(オルター・トレード・ジャパン政策室)、斉藤龍一郎(立命館大学衣笠研究機構客員教授)、秋本陽子(ATTAC Japan国際ネットワーク委員会)、茂住衛(アフリカ日本協議会理事)、岩井雪乃(早稲田大学)、木下尚慈((株)きのした代表/マエストローラ音楽院理事長)、清水俊弘(獨協大学非常勤講師/地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)理事)、田中雅子(上智大学)、谷口吉光(秋田県立大学)、大友深雪、寺田俊、山下直子(アフリカ日本協議会/日本国際ボランティアセンター会員)、山脇克子、天明伸浩(TPPに反対する人々の運動共同代表)、米川正子(立教大学)、田中優(未来バンク事業組合理事長)、熊岡路矢(日本映画大学教授)

【註】

(1) JICA http://www.jica.go.jp/topics/person/20120824_01.html 外務省公電資料(在モザンビーク並びにブラジル日本大使と外務大臣の間の2009年度の公電) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000082999.pdf(2014年度第3回ODA政策協議会2015年3月27日開催 NGO側資料) > 本文へ

(2) UNAC「プロサバンナ声明」(2012年10月11日)http://www.ngo-jvc.net/jp/event/images/UNAC%20Pronunciamento%20.pdf UNAC年次総会声明「イニャンバネ・ギウア宣言」(2013年5月9日)では、「事業の不透明性、対話の不在へ」の非難と「公平な協議」が求められる一方、「大型開発の限界」が指摘されている。 > 本文へ

(3) 公開書簡(2013年5月28日)では、次のように問題が指摘されている。「プロサバンナ事業における巧妙なる操作。同事業に反対し、農業部門の持続可能な発展のための代替案を提案するコミュニティや市民社会組織に対する脅迫…憲法で我々に保障された情報・協議・参加へのアクセス権の行使という点において、法律を遵守しておらず、民主的で透明で幅広く深い公衆(農民男女、家族、民衆)との討論を欠いている…アクセスできたごく限られた情報や文書にすら、深刻な情報の食い違いや内在的な矛盾があることに気づかされた…協議、住民参加と呼ばれるプロセスが不正に満ちている」。 > 本文へ

(4) 2013年1月に、NGO・外務省定期協議会内ODA政策協議会のサブグループとして「ProSAVANA事業に関する意見交換会」が設置され、現在までに16回の意見交換会を共同で開催してきた。
過去の議事要旨の掲載先→ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/prosavana/index.html
NGO側資料の掲載先→ http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/ > 本文へ

(5) 「ProSAVANA事業で長引き、悪化してきた諸問題に関するNGOの見解と資料一覧〜なぜ援助を拒絶したことのなかったモザンビークの農民や市民社会は日本政府・JICAに怒っているのか」(第15回、2016年2月19日)NGO側資料 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/201508prosavana.pdf  「プロサバンナ事業における参加に関する苦言」(第3回、2013年4月19日)NGO側資料 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/3kai_shiryo/ref8.pdf > 本文へ

(6) ナンプーラ州市民社会プラットフォーム(PPOSC-N)による声明(2013年)では、「ProSAVANA推進者らによって進められてきた、モザンビーク市民社会に対する分断、分裂化、弱体化の試みに表される各種の工作活動と脅迫について、遺憾の意を表明する。…JICA(日本の国際協力)が、時に技術者として、時に外交官として、時に相談役として果たす不明瞭で不透明な役割…遺憾の意を表明する」。 http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20139030.pdf その他の現地市民社会組織の声明は、右記サイトに掲載されている。 http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prosavana-jbm.html > 本文へ

(7) 当初は2013年9月までの予定で始まったマスタープラン策定事業(ProSAVANA-PD)であるが、現在も終了していない。当該事業のJICA契約コンサルタント(オリエンタルコンサルタンツ等)への拠出額については、当初期間内に2.76億円が支払われる一方、延期後2015年2月18日までに2.83億円が支払われている。 > 本文へ

(8) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160219appeal.html > 本文へ

(9) JICA環境社会配慮ガイドライン http://www.jica.go.jp/environment/guideline/pdf/guideline01.pdf > 本文へ

(10) この詳細は次の2つの報告書を参照。いずれも政府・JICA側資料など一次資料・出典を含め掲載している。「ProSAVANA市民社会報告2013」(2013年4月10日) http://www.dlmarket.jp/products/detail/263029 「ProSAVANA事業考察:概要・変遷、そしてNGOからの提言」(2014年10月28日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/proposal%20final.pdf > 本文へ

(11) JICA環境社会配慮ガイドライン 1. 基本的事項 1.1.理念 (1頁) > 本文へ

(12) 第186回国会 参議院決算委員会-7号 (平成26年05月12日)での岸田文雄外務大臣並びに田中明彦JICA理事長による答弁。 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/186/0015/18605120015007c.html > 本文へ

(13) モザンビーク農業省代表団・外務省・JICA・NGOの面談(2015年9月1日)、ProSAVANA事業に関する意見交換会(以下「意見交換会」)(第16回、2016年3月9日)。 > 本文へ

(14) http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_238067/lang--ja/index.htm > 本文へ

(15) FPIC(Free, Prior and Informed Consent)は、世界銀行の他、2007年の国連宣言、欧州投資銀行の環境政策(2009年)でも活用されている。 > 本文へ

(16) 「モザンビーク政府一行との面談に関する日本の市民社会による記録・問題提起・要請」(第13回、2015年10月27日)NGO側資料 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/13kai_shiryo/ref1.pdf
「プロサバンナ事業関係者のモザンビーク農民への脅迫に関する資料」(第11回、2015年4月28日)http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/11kai_shiryo/ref6.pdf、「公聴会後のマレマ郡行政の付きまといと脅迫」(第12回、2015年7月24日)NGO側資料 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/12kai_shiryo/ref10.pdf > 本文へ

(17) 第15回(2016年2月19日)NGO側資料「ProSAVANA事業で長引き、悪化してきた諸問題に関するNGOの見解と資料一覧〜なぜ援助を拒絶したことのなかったモザンビークの農民や市民社会は日本政府・JICAに怒っているのか」http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/201508prosavana.pdf > 本文へ

(18) http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/data/2014.5.1unac.pdf この他、「不公正な開発を背景とした国内の政治・社会・軍事的緊張の高まり」に懸念が唱えられ、「開発モデルの再考」が呼びかけられている。 > 本文へ

(19) http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20140624-oda-prosavana-2.pdf この背景に関する日本NGOの声明(2014年6月13日)。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/10kai_shiryo/ref8-2.pdf > 本文へ

(20) 国会議員主催「プロサバンナ勉強会」(2015年6月15日)時の外務省提供資料によると、公聴会の予算としてJICAから870万円が拠出されたものの、JICAなど日本の援助関係者はいずれの公聴会にも参加しなかったという。 > 本文へ

(21) 現在モザンビーク農業省は農業食糧安全保障省と改称しているが、本声明では「農業省」と記す。 > 本文へ

(22) モザンビーク農業省によって2006年7月19日に省令第130/2006号で公布。「環境影響評価(AIA)の公衆参加のプロセス要綱」に定められた「公衆参加プロセスの基本7原則」。 a)プロセスの期間中における、適切な情報へのアクセシビリティと入手可能性の担保並びに技術支援を含む理解向上の機会確保の原則、b)幅広い参加の原則、c)代表性の原則、d)独立性の原則、e)実行可能性の原則、f)交渉の原則、g)責任の原則。 > 本文へ

(23) 自由権規約「市民的および政治的権利に関する国際規約」http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c_001.html > 本文へ

(24) カトリック・ナカラ大司教区平和と正義委員会およびADECRU声明(2015年5月11日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150511-prosavanastatement.pdf
UNACを含む3カ国市民社会緊急声明(2015年6月10日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150610prosavana.pdf > 本文へ

(25) OMRなど現地10組織による声明(2015年5月15日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150515-prosavanastatement.pdf
UNACを含む全国レベル公聴会に関する声明(2015年6月17日)http://www.ngo-jvc.net/data/20150617-prosavanastatement_jpn.pdf
日本NGOの声明(2015年4月18日並びに5月20日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150418prosavanastatement.pdfhttp://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2015/05/20150520-prosavana.html
日本NGOによる現地調査・公聴会参加報告。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/12kai_shiryo/ref9.pdf > 本文へ

(26) その他、「社会コミュニケーション戦略」契約延べ4社への総額約500万円(2012-2013年度)、「市民社会関与プロジェクト」契約(MAJOL社)約450万円(2015年度)。 > 本文へ

(27) http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20150610prosavana.pdf 2015年7月9日緊急院内集会「モザンビークから農民が緊急来日!なぜ、現地農民は異議を唱えるのか?:日本の農業開発援助・プロサバンナ事業に関する現地報告と声明発表」http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-163.html > 本文へ

(28) JICAからMAJOL社に送付された募集要請書類 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/120.pdf > 本文へ

(29) JICAとMAJOL社の間の契約書 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/121.pdf > 本文へ

(30) 繰り返しの期限内・期限後の回答要請にもかかわらず、現在まで書面回答はなされていない。JICAからは、2月19日になってはじめて、「意見交換会の場があるのでこちらで説明することにした」と一部について口頭での説明がなされた。 > 本文へ

(31) 憲法前文「主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html > 本文へ

(32) 情報公開法では、「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする」と冒頭に記されている。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO042.html > 本文へ

(33) 同大綱の(2) 実施体制の強化、ウ)実施基盤の強化(ア)情報公開,国民及び国際社会の理解促進には、次のように書かれている。「開発協力は,国民の税金を原資としている。したがって,開発協力に必要な資金を確保し,持続的に開発協力を実施していくためには,国民の理解と支持を得ることが不可欠である。この観点から…国民に対して,開発協力の実施状況や評価等に関する情報を幅広く,迅速に十分な透明性をもって公開する…」。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/taikou_201502.html > 本文へ

(34) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/122.pdf > 本文へ

(35) 業務指示書には次のように書かれている。“Through the individual consultations, those who demonstrate willingness to engage in the dialogue on ProSAVANA will be invited to the meetings described in 3.7.”. > 本文へ

(36) 契約書等では「対話プラットフォーム」という用語が使われているが、各州の市民社会プラットフォームと区別するために本声明では「対話メカニズム」と記載する。 > 本文へ

(37) MAJOL社による招待状(“Convite do Encontro em Nampula”)と添付資料、第16回でのJICAによる説明。 > 本文へ

(38) 声明(2013年9月30日) http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20139030.pdf 「日本国安倍晋三首相のモザンビーク訪問に関する声明」(2014年1月13日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/20140113.pdf 「プロサバンナ事業マスタープランに関する農業大臣宛嘆願書」(2014年12月)http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/10kai_shiryo/ref10.pdf  > 本文へ

(39) 各州農民連合への情報照会による。多くの組織にとって、12月18日が仕事納めの日であった。 > 本文へ

(40) MAJOL社による招待状。 > 本文へ

(41) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/15kai_shiryo/ref8.pdf > 本文へ

(42) これら団体・個人への聞き取り。 > 本文へ

(43) ニアサ州農民連合は、11月にMAJOL社の個別協議を受けていたにもかかわらず、12月の準備会合にも呼ばれず、1月11日月曜日午前8時にナンプーラ市で開始される会議への招待は前週8日木曜日のことであった。また、移動の手段や費用も提供されなかった。 > 本文へ

(44) 同州農民連合とのやり取りから。 > 本文へ

(45) 同州農民連合への聞き取りから。本来、UNAC傘下の農民連合は、このような会議の前には、必ず可能な限りの数の農民を集め、(最低丸一日)をかけてボトムアップ型の意思決定をした上で、対外会議に参加する仕組みを有している。当該ワークショップの告知期間が極めて短く週末を挟んでいたため、農民組織らはそのような準備会合を開催することができないまま会議に出席することとなった。 > 本文へ

(46) 3州プラットフォームとUNACによる声明。詳細は第15回時のNGO側プレゼンテーションを参照。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/15kai_shiryo/ref8.pdf > 本文へ

(47) これらの団体への聞き取りから。 > 本文へ

(48) 詳細については、第15回時のNGO側プレゼンテーションを参照。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/15kai_shiryo/ref8.pdf > 本文へ

(49) 同上。 > 本文へ

(50) 第15回、2016年2月19日。 > 本文へ

(51) 2015年9月1日のモザンビーク農業省、外務省・JICA、日本市民グループとの面談時にはこの点が約束されているが、第14回(12月8日)時には、JICAより、「モザンビーク政府が声明へ回答を約束したというが、議事録をみても確認できなかった。基本的に私もそのように申し上げたつもりはありません」と回答している。しかし、同農業省の約束については、第13回(10月27日)に向けて提出された資料「プロサバンナ事業で招聘されたモザンビーク政府一行との面談に関する日本の市民社会による記録…」、並びに第13回の録音・逐語議事録(14頁)に同一人物の発言として残っている。 > 本文へ

(52) この際使用されたプレゼンテーションにも同様のことが描かれている。http://www.farmlandgrab.org/uploads/attachment/Prosavana-reuniao-Nampula_MAJOL-Consultores_11-01-2016.pdf これらの具体的な文言は公開質問状「プロサバンナ事業における市民社会の関与プロジェクト及びJICA契約現地企業MAJOL社について」(2016年1月25日)を参照。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/20160125.pdf > 本文へ

(53) ナンプーラでの2日間のワークショップの議事録の作成はMAJOL社の担当とされており(ロードマップにも記載)、録音なしに議事録を作成することは不可能と考えられる。なお同社作成の議事録は、録音に沿ったものとなっておらず、主観的な記載が多く、かつ出席者の確認を取ることになっていたにもかかわらず確認されないまま発表されている。 > 本文へ

(54) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/122.pdf > 本文へ

(55) 詳細は次の資料 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/13kai_shiryo/ref1.pdf ODA政策協議会 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/oda/2015301.pdf 後日右記サイトに掲載される資料参照。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/shimin/page23_000383.html  > 本文へ

(56) 2016年1月から現在までの聞き取り、やり取りに基づく。 > 本文へ

(57) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160219appeal.html > 本文へ

(58)  特に、最年長で本事業で主要な役割を果たしたコンサルタントは、古巣の国際NGOだけでなく北部地域の市民社会プラットフォームや自然資源管理のNGOに大きな影響力を有していたとされているばかりか、利益相反の疑いが示唆されている。 http://farmlandgrab.org/25864 なお、同声明に対しては、3州市民社会プラットフォームから反論声明が出されたが(3月11日)、問題箇所は特定されておらず、また反論の根拠は示されていない。
日本語訳 http://mozambiquekaihatsu.blog.fc2.com/blog-entry-194.html > 本文へ

(59) 他ドナーの契約はプロサバンナ事業における対話の状況に関する第三者評価であり、JICAの契約は対話の土台すら作れないプロサバンナ事業当事者の支援を行う契約であり、 > 本文へ

(60) 双方に合意された議事録の該当箇所の翻訳は右の通り。「(プロサバンナ事業における)透明性の欠落の一つの事例としては、MAJOL社との契約や業務指示の問題があると指摘した。課長からは、MAJOL社は市民社会プラットフォームの事務局であり、JICAの出席者からはMAJOL社は会合を調整したり準備するために多様な人びとにコンタクトしたり、市民社会とモザンビーク政府の間の関係をファシリテートするために仕事をしている会社であるとの説明がなされた。これに対してOMRは、多くの混乱はMAJOL社との契約や業務指示書がステークホルダーらに開示されていれば防げたものであるし、実際防げるはずだと述べた」。この議事録の596語の実に109語までが、MAJOL社との不透明な契約についてのやり取りに関するものであった。 > 本文へ

(61) OMRへの聞き取りと同研究所と外務省/JICAの共同議事録に基づく。 > 本文へ

(62) OMRからの3カ国市民社会組織への一斉メール。 > 本文へ

(63) 2016年2月11日に使用されたMAJOL社のプレゼンテーション (プロサバンナのロゴ付き) http://www.farmlandgrab.org/uploads/attachment/Prosavana-reuniao-Nampula_MAJOL-Consultores_11-01-2016.pdf > 本文へ

(64) UNAC、州農民連合の複数人への聞き取りから。 > 本文へ

(65) Noticias紙の記事(2016年1月12日)。詳細は右のプレゼンテーション資料。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/15kai_shiryo/ref8.pdf > 本文へ

(66) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/13kai_shiryo/ref2.pdf > 本文へ

(67) Verdade紙(2016年3月14日)の記事に記載。 > 本文へ

(68) http://www.grain.org/article/entries/4703-leaked-prosavana-master-plan-confirms-worst-fears にリークされたマスタープランのレポートと同委員会の議事録が掲載されている。 > 本文へ

(69) この詳細なる分析ペーパーは右記サイトに掲載されている。 http://www.farmlandgrab.org/25696 > 本文へ

(70) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/103.pdfhttp://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/102.pdf > 本文へ

(71) JICA契約企業(Cunha Vaz社)による最終成果物 "ProSAVANA: Estrategia de Comunicacao - Final 2013" http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/104.pdf > 本文へ

(72) この詳細なる報告は、議員による「プロサバンナ勉強会」(2015年6月15日)で披露され、第12回時(7月24日)にも共有された。詳細資料→ http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/12kai_shiryo/ref9.pdf > 本文へ

(73) http://www.unhcr.org/5698dbff6.htmlhttp://www.unhcr.org/56c5daaa9.html > 本文へ

(74)  詳細は、第11回意見交換会(2015年4月28日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/moz_update.pdf > 本文へ

(75) 詳細はODA政策協議会(2016年3月3日)の際の議案書・資料を参照。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/oda/2015300.pdfhttp://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/oda/2015301.pdf  > 本文へ

(76) JICAガイドラインは冒頭の目的で、「本ガイドラインは、JICAが行う環境社会配慮の責務と手続き、相手国等に求める要件を示すことにより、相手国等に対し、適切な環境社会配慮の実施を促すとともに、JICAが行う環境社会配慮支援・確認の適切な実施を確保することを目的とする」と明記し、JICAが担う役割を明確にしている。 > 本文へ

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UP:20180416 REV:
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